JPH1144693A - 近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定方法とその装置および制御装置 - Google Patents

近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定方法とその装置および制御装置

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JPH1144693A
JPH1144693A JP19970897A JP19970897A JPH1144693A JP H1144693 A JPH1144693 A JP H1144693A JP 19970897 A JP19970897 A JP 19970897A JP 19970897 A JP19970897 A JP 19970897A JP H1144693 A JPH1144693 A JP H1144693A
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JP
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optical fiber
tip
probe
light
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JP19970897A
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English (en)
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Takashi Tokisaki
高志 時崎
Toshiaki Tani
俊朗 谷
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、高感度で、調整が簡単なプローブチッ
プの振動振幅の測定系を本体と分離して設置可能にし、
本体を極限環境下において使用できるようにする。 【解決手段】 所定波長の制御用レーザー光を光ファイ
バー3を用いてプローブチップ5に射出し、その散乱光
と光ファイバーの端面3aからの反射光とを光ファイバ
ー3を用いて戻し、その干渉を利用してプローブチップ
5の振動振幅を測定する。この振動振幅によってプロー
ブチップ5と試料9との距離を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光学を利用
した走査型顕微鏡であり、高真空,極低温などの極限環
境において光の波長以下の空間分解能を持つ分光を行う
ための近接場光学顕微鏡に関し、特に、そのプローブチ
ップ位置の測定方法とその装置および制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡が近年実用化さ
れ、金属表面の原子像が明瞭に観察されるようになっ
た。光におけるトンネル現象を利用した装置が近接場光
学顕微鏡であり、通常の光学顕微鏡では得られない波長
以下の空間分解能が得られる。
【0003】近接場光学顕微鏡のプローブには直径が波
長以下に先鋭化された光ファイバープローブチップが用
いられ、プローブチップと試料との間の距離を波長以下
にすることで、光のトンネル現象が起き、そのときの空
間分解能がプローブチップ先端の直径で決まる。プロー
ブチップと試料との間の距離は、プローブチップと試料
との間の原子間力を用いて制御される。プローブチップ
は、鞭のように“しなり振動”をさせておくと、試料と
の距離が短くなるにつれて原子間力によって振動振幅が
小さくなる。この振動振幅を計測し、この信号を試料位
置制御用のピエゾ圧電素子にフィードバックすることで
プローブチップの位置制御が行われる。
【0004】従来の振動振幅の測定では光学的な制御系
が用いられている。すなわち、制御用半導体レーザーの
出力光をプローブチップの先端に集光し、プローブチッ
プによる回折光の強度を分割型フォトダイオードで測定
する方法が用いられてきた。
【0005】図6を参照して、従来の近接場光学顕微鏡
のプローブチップ位置の制御装置について説明する。プ
ローブチップ5は、発振器12の出力信号により振動す
る振動用ピエゾ素子6によってしなり振動をしながら光
ファイバー18を経由した観察用レーザー光源17から
のレーザー光を試料9に射出する。一方、制御用レーザ
ー光源25からプローブチップ5に向けて射出された制
御用レーザー光はプローブチップ5の振動によって光路
が分かれ、分割型フォトダイオード26のそれぞれの素
子に入射する。分割型フォトダイオード26のそれぞれ
の素子の出力信号S1 およびS2 は、プローブチップ5
の振動と同じ周期で、プローブチップ5の振動の大きさ
によってその大きさが互いに異なる2つの信号となる。
差動増幅器27はこの2つの信号S1 およびS2 それぞ
れの大きさの差に応じた信号を出力し、これがロックイ
ン増幅器28に入力され、発振器12の信号と同じ周波
数成分のみが増幅される。Z軸用誤差増幅器29は、ロ
ックイン増幅器28の出力と設定入力との誤差増幅を行
い、Z軸用ピエゾ素子24に出力し、これを制御する。
すなわち、プローブチップ5と試料9との距離が小さく
なるとプローブチップ5の振動振幅は減少し、それに対
応して分割型フォトダイオード26,差動増幅器27、
ロックイン増幅器28、およびZ軸用誤差増幅器29の
出力が低下してプローブチップ5と試料9との距離を広
げるように動く。逆に、プローブチップ5と試料9との
距離が大きくなると、この距離を狭めるように、このフ
ィードバック系は動作して、結果として、プローブチッ
プ5と試料9との距離を数ナノメートル程度の一定の値
に保つ働きをする。
【0006】また、設定入力の設定値を変えることによ
り、プローブチップ5と試料9との距離を別の所望の値
に設定することができる。
【0007】しかしながら、従来技術では、次のような
欠点があった。
【0008】1)回折光の強度変化を利用するため、感
度向上のためにフォトダイオードをプローブチップから
離す必要があり、振動測定系が大きくなる。
【0009】2)振動測定系を極限環境下に置くことが
できない。また、測定系のみを分離して極限環境下に置
き、制御光学系を通常環境下に置けば、振動ノイズの影
響を受けやすくなり、高分解能が期待できない。
【0010】3)プローブチップの位置および振動振幅
の絶対値が測定できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の欠点を除去し、さらに小型であり、簡便な調整
のみで高感度なプローブチップの振動振幅測定系を持つ
近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定方法とそ
の装置および制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる近接場光
学顕微鏡のプローブチップ位置の測定方法は、その先端
から試料に観察用レーザー光を射出するためのプローブ
チップを所定の周期で振動させて、その振動の振幅によ
って前記プローブチップの先端と試料との距離を決める
近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定方法であ
って、光ファイバーを用いて所定波長の制御用レーザー
光を伝送し前記プローブチップに射出するとともに、前
記光ファイバーの端面での反射光と前記プローブチップ
からの散乱光との間の干渉を利用して非接触で前記光フ
ァイバーの端面からの前記プローブチップの位置を測定
するものである。
【0013】また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡の
プローブチップ位置の測定装置は、その先端から試料に
観察用レーザー光を射出するためのプローブチップを有
し、このプローブチップを所定の周期で振動させてその
振動の振幅によって前記プローブチップの先端と試料と
の距離を決める近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置
の測定装置であって、所定波長の制御用レーザー光を伝
送し前記プローブチップに向けて射出する光ファイバー
と、前記光ファイバーの端面での反射光と前記プローブ
チップからの散乱光との間の干渉に応じた出力を得る光
検出器と、この光検出器の出力から前記光ファイバーの
端面からの前記プローブチップの位置を測定する測定手
段とを具備したものである。
【0014】また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡の
プローブチップ位置の測定装置は、その先端から試料に
観察用レーザー光を射出するためのプローブチップを有
し、このプローブチップを所定の周期で振動させてその
振動の振幅によって前記プローブチップの先端と試料と
の距離を決める近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置
の測定装置であって、所定波長の制御用レーザー光を伝
送し前記プローブチップに向けて射出する光ファイバー
と、前記光ファイバーの端面での反射光と前記プローブ
チップからの散乱光と間の干渉に応じた出力を得る光検
出器の出力から前記プローブチップの振動振幅を測定す
る振動振幅測定部とを具備したものである。
【0015】また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡の
プローブチップ位置の測定装置は、前記プローブチップ
からの散乱光を光ファイバーを用いて伝送することで、
前記光ファイバーの端面からのプローブチップの位置を
遠隔で測定するものである。
【0016】また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡の
プローブチップ位置の測定装置は、制御用レーザー光の
伝送および前記プローブチップからの散乱光と前記光フ
ァイバーの端面での反射光との伝送を1本の光ファイバ
ーで行うものである。
【0017】また、本発明にかかる近接場光学顕微鏡の
プローブチップ位置の測定装置は、前記プローブチップ
と前記光ファイバーとを金属ブロックに固定するもので
ある。
【0018】さらに、本発明にかかる近接場光学顕微鏡
のプローブチップ位置の制御装置は、その先端から試料
に観察用レーザー光を射出するためのプローブチップを
有し、前記プローブチップを所定の周期で振動させて、
その振動の振幅によって前記プローブチップの先端と試
料との距離を制御する近接場光学顕微鏡のプローブチッ
プ位置の制御装置であって、光ファイバーを用いて所定
波長の制御用レーザー光を伝送し前記プローブチップに
射出するとともに、前記光ファイバーの端面での反射光
と前記プローブチップからの散乱光との間の干渉を利用
して前記プローブチップの振動の振幅を測定する振動振
幅測定部と、前記振動振幅測定部の出力信号によって前
記試料からの前記プローブチップの位置を所望の値に設
定する制御部を具備したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、次のようにして光ファ
イバー干渉計を利用して遠隔でプローブチップの位置を
検出する。
【0020】1)半導体レーザー・フォトダイオード光
学系部分と干渉部分を分離し、その間を光ファイバーに
より結合する。
【0021】これにより、それぞれの部分を別の環境下
に分離して配置することが可能となった。また、顕微鏡
の大きさを従来の数分の一に小さくするとともに、極限
環境下での使用に耐えるものとした。
【0022】2)光ファイバーから拡散する射出光を集
光せずに円形の断面を持つプローブチップに照射し、表
面から拡散する散乱光を同じ光ファイバーを通して光学
系部分へ戻す構造としている。
【0023】これによって、直径10μm程度のプロー
ブチップであっても容易に光学軸調整ができる。
【0024】3)プローブチップと光ファイバーとの距
離を100μm以下とすることで検出感度を高めてい
る。(従来は、プロープチップとフォトダイオードが数
cm以上離れている必要があった。)そのような配置を
行うことで顕微鏡の大きさを小さくするとともに、プロ
ーブチップと光ファイバーとの機械的な結合が強くな
り、振動ノイズの影響を非常に小さく抑えられる構造と
なっている。
【0025】4)干渉計出力が、光ファイバーの端面と
プローブチップとの距離に対して制御用レーザーの波長
の1/2を周期として正弦波的に振動するので、これを
マーカーとしてプローブチップの振動振幅を測定する。
【0026】これによって、この振動振幅が波長の1/
100程度まで正確に求められるようになった。また、
光ファイバーの端面を基準面としてプローブチップの移
動量が求められるようになった。
【0027】5)光ファイバーがプローブチップの先端
に近接しているため、光ファイバーが試料に接触するこ
とを避けるために光ファイバーをプローブチップに対し
て垂直から傾けて配置することが可能である。これに
は、光ファイバーの端面を軸に対して垂直から傾けて切
断し、光ファイバーから斜めに光を取り出すことで実現
する。
【0028】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図、図2は、本発明の他の実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【0029】図1において、1は半導体レーザー、2は
半透過プリズム、3は単一モードの光ファイバー、3a
はこの光ファイバー3の端面、4は光検出器、5はプロ
ーブチップ、5aはプローブチップの先端、6は振動用
ピエゾ素子、7は制御部、8はXYZ位置決め用ピエゾ
素子、9は試料、10はプローブチップ位置測定部、1
6は振動振幅測定部、18は光ファイバーである。
【0030】なお、光ファイバー3の端面3a部分,プ
ローブチップ5を固定したプローブチップ振動用のピエ
ゾ素子6およびXYZ位置決め用ピエゾ素子8は金属ブ
ロック(不図示)に調整可能に固定されている。またプ
ローブチップ5や試料9等は極低温に保持するクライオ
スタット中に収容されるが、図示は省略してある。
【0031】波長800nmの半導体レーザー1の出力
光(制御用レーザー光)は、半透過プリズム2を通して
単一モードの光ファイバー3(コア径4μm,長さ3
m)に集光する。光ファイバー3中を伝搬したレーザー
光は、光ファイバー3の端面3aに到達する。ここで、
4%のレーザー光は反射して光ファイバー3を戻り、残
り96%が光ファイバー3の端面3aより射出される。
射出されたレーザー光は、光ファイバー3の端面3aか
ら約100μm離れたプローブチップ5に照射される。
このプローブチップ5の表面はアルミニウム蒸着されて
いて、照射されたレーザー光は、プローブチップ5によ
り散乱される。この散乱光の一部は光ファイバー3に戻
り、光ファイバー3の端面3aでの反射光とともに光フ
ァイバー3を戻る。光ファイバー3を戻ったレーザー光
は半透過プリズム2で反射されて光検出器4に入る。こ
こで、2つの戻り光が干渉し、光ファイバー3の端面3
aとプローブチップ5との距離に応じた電気信号(光検
出器4の出力信号)が得られる。そこで、プローブチッ
プ5を振動用ピエゾ素子6で振動させておくと、プロー
ブチップ5の振動に対応した光検出器4の出力信号が得
られる(振動用エピゾ素子の駆動については、図2を参
照して後述する。)。プローブチップ5の振動の振幅が
半導体レーザー1の波長(800nm)の1/4より十
分に小さい場合には、光検出器4の出力信号の振幅がプ
ローブチップ5の振動の振幅に比例する。この関係から
振動振幅測定部16において正確にプローブチップ5の
振動振幅が求められる。
【0032】このように、半導体レーザー1、半透過プ
リズム2、光ファイバー3および光検出器4などで構成
する光ファイバー干渉計の出力信号を用いて、プローブ
チップ5の振動振幅が求められる。
【0033】振動振幅の測定についてさらに説明する。
振動用ピエゾ素子 6に印加する交流電圧を上げていく
と、電圧に比例して光検出器4の出力信号の振幅は増加
するが、ある電圧に達するとそれ以上光検出器4の出力
信号の振幅は増加せず、逆に低下する現象が生じる。こ
の状態がプローブチップ5の振幅の値が制御用レーザー
光の波長の1/8に対応する値を示す状態である。
【0034】この状態において、例えば、制御用レーザ
ー光の波長が800nmであれば、プローブチップ5の
振動の振幅は800nm×1/8=100nmである。
そしてこのときの光検出器4の出力電圧の振幅が、プロ
ーブチップ5の振幅が100nmに対応する電圧であ
り、この例では65mVである。そして、実際に顕微鏡
として動作しているときの信号振幅の比からプローブチ
ップ5の振幅が求められる。
【0035】いま、この状態からプローブチップ5の振
幅を減少させていき、図3に示すように、この値が5.
2mVであればプローブチップ5の振幅は(5.2mV
/65mV)×100nm=8nmとして求められる。
【0036】次に、光ファイバー3の端面3aとプロー
ブチップ5との距離を測定するプローブチップ位置測定
部10の動作を、図5を参照して説明する。
【0037】図5は、光ファイバー3の端面3aとプロ
ーブチップ5との距離(プローブチップ位置)の求め方
を説明するための図である。
【0038】2つの戻り光の干渉による光検出器4の出
力信号VPDが下記のようになることから位置を測定す
る。
【0039】
【数1】 ここで、Vaは2つの戻り光の干渉による振幅、Lはプ
ローブチップ5と光ファイバー3の端面3aとの距離、
λは制御用レーザーの波長、V0とφ0はそれぞれ信号の
電圧オフセットと、位相オフセットである。
【0040】電圧オフセットVOは、光ファイバー3の
端面3aによる反射の強度とプローブチップ5で散乱し
て光ファイバー3に戻った散乱光の強度が一致しないた
めに生じるものである。この電圧オフセットVOが小さ
い方がS/Nは良いが、近接場光学顕微鏡の性能自体に
本質な影響はない。
【0041】位相オフセットφOは、プローブチップ5
の表面の金属面における散乱光の位相のずれから生じる
もので、完全導体の平面による反射を考えるならば、φ
O=0となるはずのものである。プローブチップ5のZ
軸方向の制御では、絶対的な距離Lを求める心要はない
ので、位相オフセットφOによりZ方向の制御に問題は
起きない。
【0042】なお、ここで述べている位置は絶対的なも
のではなく、1/2波長の整数倍の距離オフセットがの
った上での位置を指している。
【0043】距離オフセットは、図5のグラフにおいて
1/2波長ごとに同じ波形が繰り返されることにより生
じる。プローブチップ5のZ軸方向の最適な制御は、プ
ローブチップ5の平均値が、VPD=VO+Va、(ΔL/
ΔPD>0)となるように調整することで得られる。この
ような調整条件は、距離Lを1/2波長の整数倍だけ増
減させても成り立つ。実際の配置ではL=50μm〜1
00μmとしている。この距離オフセットは、光ファイ
バー3の端面を3aをプローブチップ5に限りなく近ず
けてλ/8の点を求め、そこから遠ざけながらλ/2の
数を数えることにより求めることができる。
【0044】このようにして測定したプローブチップ5
と光ファイバー3の端面3aとの距離は、振動している
プローブチップ5の平均的な位置を表しているので、試
料9を観察中にプローブチップ5が一定の位置にあるこ
とを確認することができる。逆に、プローブチップ5の
振動振幅は、位置の変動分としてとらえることができ
る。
【0045】なお、プローブチップ5の散乱光は、射出
用の光ファイバー3とは別の光ファイバーを用いて伝送
してもよい。
【0046】次に、図2を参照して、近接場光学顕微鏡
のプローブチップ位置の制御装置について説明する。
【0047】図2において、11はプローブチップ位置
検出光学系、12は発振器、13はロックイン増幅器、
14はZ軸用誤差増幅器、15はコンピュータ、17は
観察用レーザー光源、18は光ファイバー、19は光検
出器、20はX、Y軸用増幅器、22は鏡、23は光検
出器である。なお、図1と同じ符号のものは説明を省略
する。
【0048】プローブチップ位置検出光学系11は、図
1の半導体レーザー1,半透過プリズム2,光ファイバ
ー3および光検出器4などで構成されていて、プローブ
チップ5の振動の振幅を測定し、振動振幅に応じた電気
信号の振幅を出力するものである。
【0049】発振器12はプローブチップ5の共鳴周波
数の交流電圧(振幅=0V〜1V)を発生し、振動用ピ
エゾ素子6に出力して、これを振動させる。同時に、こ
れと同じ周波数および位相を持つ交流電圧を出力し、ロ
ックイン増幅器13の参照信号とする。ロックイン増幅
器13にはプローブチップ位置検出光学系11からの信
号(振幅=数mV)が入力され、参照信号と同じ周波数
の信号成分のみが増幅され(約1000倍)、振動振幅
に相当する電圧が出力される。この出力は、Z軸用誤差
増幅器14(増幅率200倍)に入力されて設定値入力
の電圧との誤差増幅を行う。その出力電圧はXYZ位置
決め用ピエゾ素子8のZ軸方向位置決め用ピエゾ素子に
印加されフィードバックループを形成する。このフィー
ドバックループは、プローブチップ5と試料9との距離
が小さくなると、プローブチップ5の振動振幅は減少
し、それに対応してプローブチップ位置検出光学系1
1,ロックイン増幅器13,Z軸用誤差増幅器14の出
力電圧が低下し、この電圧低下がプローブチップ5と試
料9との距離を広げるように働く。逆にプローブチップ
5と試料9との距離が大きくなるとZ軸用誤差増幅器1
4の出力電圧が上昇して、プローブチップ5と試料9と
の距離を狭めるように働く。このフィードバックにより
プローブチップ5と試料9との距離が一定(数ナノメー
トル)に保たれる。
【0050】このプローブチップ5と試料9との距離
は、Z軸用誤差増幅器14に入力される設定値入力の設
定値によって所望の値に設定し、制御することができ
る。通常は、プローブチップ5と資料9との距離が実質
的に無限大のときの振動振幅の半分の値になるよう設定
する。
【0051】近接場光学顕微鏡としては、試料9は、X
YZ位置決め用ピエゾ素子8に載置され、コンピュータ
15の指令を受けたX,Y軸用増幅器の出力によってX
YZ位置決め用ピエゾ素子8が制御されて、所望のX,
Y軸上の位置に順次位置決めされながら、プローブチッ
プ5に波長300nm〜1500nmの観察用レーザー
光が一定の距離から入射され、直径100nm以下の出
射口より試料9に向けて照射される。試料9を透過した
レーザー光は試料9の下方3cmに置かれた光検出器1
9によって検出され、また、上方へ散乱したレーザー光
は試料9の表面に45度の方向に5cm離れた位置に置
かれた鏡22で水平方向に反射されて光検出器23で検
出される。これらはX,Y方向の掃引に対応した信号と
してコンピュータ15によって画面上に画像化される。
【0052】図3は、プローブチップ5の振幅が制御用
レーザー光の波長(800nm)の1/100(8n
m)の場合の光検出器4の信号(上段)とXYZ位置決
め用ピエゾ素子8に印加したZ軸用誤差増幅器14の電
圧(下段)の信号を示している。すでに述べたように、
プローブチップ5の振動振幅が、制御用レーザー光の波
長(800nm)の1/8波長であるときのプローブチ
ップ位置検出光学系11の出力(光検出器4の出力)の
信号振幅が65mVであることを読みとってある。すな
わち、この測定の場合、1/8波長に対する信号が約6
5mVであり、電圧の比がほぼ振幅の比に対応している
一方で、光検出器4の信号振幅は5.2mVと観測でき
るからプローブチップの振動振幅は(5.2mV/65
mV)×1/8=1/100として振幅=1/100波
長が求められる。
【0053】図4は、本発明のプローブチップ位置の制
御装置を用いた近接場光学顕微鏡によって得られたコン
パクトディスク表面のピット像を示す図である。コンパ
クトディスク表面に刻まれている0.5μm幅のピット
構造が明瞭に観察されることから、この装置の空間分解
能が光の波長以下であることが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明の近接場光学顕微鏡のプローブチ
ップ制御装置により、これまで困難であった近接場光学
顕微鏡の極限的な環境下での使用が測定確度の低下なし
で容易に行なえる。特に極低温下でのみ発現する量子力
学的な効果を光学的に評価することができる。また、本
制御装置ではプロープチップの振幅が正確に求められる
ので、これよりプローブチップと試料との間の原子間力
が求められ、また、試料からのプローブチップの位置が
所望の値に設定でき、一定に保つことができるので、試
料9の表面状態の評価が定量的に測定可能となる。
【0055】また、本発明によれば、光ファイバーを用
いて所定波長の制御用レーザー光を伝送しプローブチッ
プに射出するとともに、光ファイバーの端面での反射光
とプローブチップからの散乱光との間の干渉を利用して
光ファイバーの端面からのプローブチップの位置を測定
するので、非接触でプローブチップの位置を測定するこ
とができ、また、プローブチップからの散乱光を光ファ
イバーを用いて伝送することで、プローブチップの位置
を遠隔で測定することができる。また、制御用レーザー
光の伝送およびプローブチップからの散乱光と光ファイ
バーの端面での反射光の伝送を1本の光ファイバーで行
うことができ、さらに、プローブチップと光ファイバー
とを金属ブロックに固定することで、振動の大きい環境
でも高分解測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】プロープチップの振動振幅が1/100波長
(8nm)の場合の光検出器の信号(上段)とXYZ位
置決め用ピエゾ素子に印加したZ軸用誤差増幅器の電圧
の信号(下段)を示す図である。
【図4】本発明のプローブチップ制御装置を用いた近接
場光学顕微鏡によって得られたコンパクトディスク表面
のピット像を示す図である。
【図5】光ファイバーの端面とプローブチップとの距離
(プローブチップ位置)の求め方を説明するための図で
ある。
【図6】従来の近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置
の制御装置を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザー 2 半透過プリズム 3 光ファイバー 3a 光ファイバーの端面 4 光検出器 5 プローブチップ 5a プローブチップの先端 6 振動用ピエゾ素子 7 制御部 8 XYZ位置決め用ピエゾ素子 9 試料 10 プローブチップ位置測定部 11 プローブチップ位置検出光学系 12 発振器 13 ロックイン増幅器 14 Z軸用誤差増幅器 15 コンピュータ 16 振動振幅測定部 17 観察用レーザー光源 18 光ファイバー 19 光検出器 20 X,Y軸用誤差増幅器 22 鏡 23 光検出器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その先端から試料に観察用レーザー光を
    射出するためのプローブチップを所定の周期で振動させ
    て、その振動の振幅によって前記プローブチップの先端
    と試料との距離を決める近接場光学顕微鏡のプローブチ
    ップ位置の測定方法であって、 光ファイバーを用いて所定波長の制御用レーザー光を伝
    送し前記プローブチップに射出するとともに、前記光フ
    ァイバーの端面での反射光と前記プローブチップからの
    散乱光との間の干渉を利用して非接触で前記光ファイバ
    ーの端面からの前記プローブチップの位置を測定するこ
    とを特徴とする近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置
    の測定方法。
  2. 【請求項2】 その先端から試料に観察用レーザー光を
    射出するためのプローブチップを有し、このプローブチ
    ップを所定の周期で振動させてその振動の振幅によって
    前記プローブチップの先端と試料との距離を決める近接
    場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定装置であっ
    て、 所定波長の制御用レーザー光を伝送し前記プローブチッ
    プに向けて射出する光ファイバーと、前記光ファイバー
    の端面での反射光と前記プローブチップからの散乱光と
    の間の干渉に応じた出力を得る光検出器と、この光検出
    器の出力から前記光ファイバーの端面からの前記プロー
    ブチップの位置を測定する測定手段とを具備したことを
    特徴とする近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測
    定装置。
  3. 【請求項3】 その先端から試料に観察用レーザー光を
    射出するためのプローブチップを有し、このプローブチ
    ップを所定の周期で振動させてその振動の振幅によって
    前記プローブチップの先端と試料との距離を決める近接
    場光学顕微鏡のプローブチップ位置の測定位置であっ
    て、 所定波長の制御用レーザー光を伝送し前記プローブチッ
    プに向けて射出する光ファイバーと、前記光ファイバー
    の端面での反射光と前記プローブチップからの散乱光と
    の間の干渉に応じた出力を得る光検出器と、この光検出
    器の出力から前記プローブチップの振動振幅を測定する
    振動振幅測定部とを具備したことを特徴とする近接場光
    学顕微鏡のプローブチップ位置の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記プローブチップからの散乱光を光フ
    ァイバーを用いて伝送することで、前記光ファイバーの
    端面からのプローブチップの位置を遠隔で測定すること
    を特徴とする請求項2または3記載の近接場光学顕微鏡
    のプローブチップ位置の測定装置。
  5. 【請求項5】 制御用レーザー光の伝送および前記プロ
    ーブチップからの散乱光と前記光ファイバーの端面での
    反射光との伝送を1本の光ファイバーで行うことを特徴
    とする請求項2乃至4のいずれかに記載の近接場光学顕
    微鏡のプローブチップ位置の測定装置。
  6. 【請求項6】 前記プローブチップと前記光ファイバー
    とを金属ブロックに固定することを特徴とする請求項2
    乃至5のいずれかに記載の近接場光学顕微鏡のプローブ
    チップ位置の測定装置。
  7. 【請求項7】 その先端から試料に観察用レーザー光を
    射出するためのプローブチップを有し、前記プローブチ
    ップを所定の周期で振動させて、その振動の振幅によっ
    て前記プローブチップの先端と試料との距離を制御する
    近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の制御装置であ
    って、 光ファイバーを用いて所定波長の制御用レーザー光を伝
    送し前記プローブチップに射出するとともに、前記光フ
    ァイバーの端面での反射光と前記プローブチップからの
    散乱光との間の干渉を利用して前記プローブチップの振
    動の振幅を測定する振動振幅測定部と、前記振動振幅測
    定部の出力信号によって前記試料からの前記プローブチ
    ップの位置を所望の値に設定する制御部を具備したこと
    を特徴とする近接場光学顕微鏡のプローブチップ位置の
    制御装置。
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