JP3476897B2 - 焦点検出光学系 - Google Patents

焦点検出光学系

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JP3476897B2 JP05895894A JP5895894A JP3476897B2 JP 3476897 B2 JP3476897 B2 JP 3476897B2 JP 05895894 A JP05895894 A JP 05895894A JP 5895894 A JP5895894 A JP 5895894A JP 3476897 B2 JP3476897 B2 JP 3476897B2
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    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms
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    • G02B5/188Plurality of such optical elements formed in or on a supporting substrate
    • G02B5/1885Arranged as a periodic array

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焦点検出光学系、特に一
眼レフレックスカメラ等に用いられる撮影レンズを通過
した光束を用いて焦点検出を行なう装置に用いられ、撮
影レンズの予定結像面の近傍に配置されたコンデンサレ
ンズと、明るさ絞りと、再結像レンズと、光電変換素子
列とを具える焦点検出光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カメラ等の光学装置の焦点を検出し、そ
の結果を用いて合焦させる焦点検出装置は、種々提案さ
れている。その中で撮影光学系または撮影光学系の一部
を通過した光束を用いて焦点検出するものは、撮影距離
によるパララックスがなく、また、合焦時に、撮影レン
ズ等の製作誤差や合焦させるための撮影レンズの駆動誤
差を確認して補正でき、また、レンズを交換しても、焦
点検出装置に入射する光束が確保されていれば合焦精度
は変わらないという利点があるので、一眼レフレックス
カメラを中心に広く採用されている。このような撮影光
学系または撮影光学系の一部を通過した光束を用いて焦
点を検出する代表的なものとして、 撮影レンズの異なる瞳を通過した光束を一対のレン
ズで再結像させ、得られた2つの画像の像間距離がデフ
ァオーカスに応じて変化することを利用して像の光強度
分布の差を評価し、焦点を検出するいわゆる位相差方式 撮影光学系により形成される画像のコントラストを
検出し、そのコントラストが最大になる位置を探すこと
により焦点を検出するいわゆるコントラスト方式があ
る。
【0003】先ず、図1を参照して位相差方式の原理を
説明する。図1に示すように、この焦点検出光学系は、
撮影レンズ1の予定結像面(予定焦点面,フィルム等価
面)4の近傍に配置されたコンデンサレンズ6と、この
コンデンサレンズの後方に配置され、合焦精度を確保し
得る間隔を以て並ぶ一対の再結像レンズ9a,9bと、
これらの再結像レンズから射出した光束の結像位置に配
置された受光素子列(光電変換素子列)10a,10b
とを具えている。
【0004】撮影レンズ1が合焦状態にあるときには予
定結像面4上に物体像Iが結像される。この物体像I
は、上記コンデンサレンズ6と、2つの再結像レンズ9
a,9bとにより撮影レンズ1の光軸に対して垂直な二
次結像面(受光素子列10a,10b)上に再結像され
て第1像I01と第2像I02となる。撮影レンズ1が前ピ
ン状態にある場合、すなわち予定結像面4の前側に物体
像Fが形成される場合、その物体像Fは互いに撮影レン
ズ1の光軸に近づいた形で前記光軸に対して垂直に再結
像されて第1像F01と第2像F02となる。また、撮影レ
ンズ1が後ピン状態にある場合、すなわち予定結像面4
の後側に物体像Bが形成される場合、この物体像Bは互
いに前記光軸から互いに離れた位置で前記光軸に対して
垂直に再結像されて第1像B01と第2像B02となる。こ
れら第1像と第2像は同一方向を向いている。これらの
第1像と第2像が受光素子列10a,10bで受光さ
れ、これらの受光素子列からの出力を処理して光の強度
分布パターンを比較演算しその位相差量から焦点を検出
することができる。このような構成を有する焦点検出光
学系はこれまでに数多く提案されており、例えば特開昭
55−118019号公報,特開昭58−106511
号公報及び特開昭60−32012号公報などに記載さ
れている。
【0005】次に、図2(a)および2(b)を参照し
てコントラスト方式の原理を説明する。図2(a)、2
(b)に示したものは、撮影レンズ1の予定結像面(予
定焦点面,フィルム等価面)4の近傍に配置されたコン
デンサレンズ6と、このコンデンサレンズの後方に配置
された再結像レンズ13と、前記予定結像面4と共役な
位置付近に配置された光電変換素子列14とを具えるも
のである。図2(a)は撮影レンズ1を通過した光束が
予定結像面4上に結像した状態、図2(b)は撮影レン
ズ1を通過した光束が予定結像面4より前側に結像した
状態(前ピン状態)を示している。図2(a)の状態で
は、光電変換素子列14上のボケは少なく、つまりコン
トラストは高い。これに対し図2(b)の状態では、光
電変換素子列14上のボケは大きく、つまりコントラス
トは低い。したがって撮影レンズ1を常にコントラスト
が増加する方向へ移動させれば、撮影レンズを合焦位置
に移動でき焦点合わせを行うことができる。また、特開
昭63−127217号公報に記載されたように撮影レ
ンズにより形成される画像のコントラストを予定結像面
4近傍の二つの位置で検出し、これに基づいて焦点を検
出することもできる。また、再結像レンズを動かすこと
により、焦点位置を検出することもできることが知られ
ている。
【0006】また、特開昭62−3215号公報には、
撮影レンズの予定結像面の近傍に配置されたコンデンサ
レンズと、合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ一対の
開口部を有する明るさ絞りと、再結像レンズと、一対の
開口部に対応する一対の光電変換素子列とを具え、前記
一対の光電変換列を互いに平行に配置した焦点検出光学
系が提案されている。
【0007】また、受光素子列からの出力信号に所謂エ
リアジングの現象を軽減するために、特開昭61−25
5316号公報にはローパス効果を応用することが提案
されている。
【0008】回折型光学素子(Diffractive Optical El
ement の頭文字をとってDOE と称する)については「光
学」22巻、第126〜130頁(小野雄三)等で紹介
され、特にSPIE,1354(1990年)の「Diff
ractive doublet correctedon-axis at two wavelength
s (Michael W. Farn, Joseph W. Goodman) 」 と、「T
he design of achromatized hybrid diffractive lens
systems (Camina Londono, Peter P. Clark) 」には、
撮像光学系に回折型光学素子を用いたものが提案がされ
ている。また、Applied Optics, Vol, 31, No. 13, 1 M
ay 1992 の「Modeling diffraction efficiency effect
s when designing hybrid diffractivelens systems」
(Camina Londono, Peter P. Clark)にも示されている。
以下に簡単にDOEの説明をする。DOEは回折現象に
基づく光学素子で、図3に示すように入射角をθ,射出
角をθ′,回折次数をm,回折格子のピッチをdとする
と次の式に従い回折現象が起きる。
【数1】 sinθ−sinθ′=mλ/d (1)
【0009】このような回折現象を応用した焦点検出光
学系の一例が特開昭61−134716号公報に提案さ
れている。この提案では回折現象によってほぼ同じ光量
に分割された複数の回折次数の光束を用いている。一
方、一つの回折次数の光束に注目したとき、例えば図4
のように回折格子のピッチdを連続的に変化させるとm
次の回折光に集光させるなどのレンズ作用を持たせるこ
とができる。DOEの断面形状を図5のように鋸状に
し、この山の高さhを下式(2)を満足するように構成
すると波長λの入射光についてm次の回折光が100%
となる。但し、nは基材の屈折率である。 h=mλ/(n−1) (2)
【0010】このような形状をキノフォーム(kinofor
m)と呼ぶ。図6に示すようにこのキノフォームを段階
近似したDOEはBinary Optical Element(バイナリ光
学素子)と称する。バイナリ光学素子はリソグラフィ的
な製法で比較的容易に製作できる。バイナリ光学素子で
は、4段階近似で81%,8段階近似で95%,16段
階近似で99%の回折効率が得られることが知られてい
る。また、(1)式から分かるように、DOEで構成し
たレンズの焦点距離の波長特性は下式(3)式のように
なり、所謂アッベ数に換算するとνd=−3.45とな
り大きな逆分散を持つといえる。但し、f(λ)はDO
Eで構成したレンズの波長λにおける焦点距離とする。 λf(λ)=一定 (3)
【0011】また、波長λ0 で回折効率を100%にし
たキノフォームの波長λの回折効率kは下式(4)に従
うことが知られている。
【数2】 k=sin2〔π(λ0 /λ−m)〕/〔π(λ0 /λ−m)〕2 (4)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】撮影装置に望まれる条
件の一つとして撮影者が使い易いということがある。焦
点検出機能自体が所謂「ピント合わせ」作業から撮影者
を開放し、撮影者の使い易さを実現しようとする機能で
ある。しかし、更に使い易い撮影装置が望まれている。
すなわち、部品点数が少なく、組み立てが簡易であるこ
とによってコストが低く、焦点検出機能を有しながらコ
ンパクトで携行に便利な撮影装置や、焦点検出の範囲が
広い撮影装置、近くから遠くまで素早く焦点検出できる
(デフォーカス検出量が大きい)撮影装置や、焦点検出
できない条件が少ない撮影装置や、焦点検出精度の高い
焦点検出装置等が望まれている。また、これらの機能を
組み合わせて実現した撮影装置が要求されている。焦点
検出の視野の範囲については、従来、離散的測距視野に
することも行われているが、主要被写体の特定や動きの
ある被写体等への対応は制限され、撮影者は離散的な測
距視野に主要被写体を確実に入れることが要求される。
このため、連続的に広がった測距視野が望まれている。
また、焦点検出の明るさの範囲については、従来、暗い
とき赤外光や可視光の長波長側の光源が、コストや被撮
影者への配慮より使われているが、撮影に使われる光束
と波長が異なるため、焦点検出の精度が高くならなかっ
た。
【0013】上述した機能を実現するには、近軸的なレ
イアウト条件より焦点検出光学系に従来以上の負荷がか
かる。すなわち、焦点検出光学系の全長の短縮化、セン
サの集約化(以上2点はコンパクト性に関わる要素)、
視野の広さ、焦点検出の精度、部品点数、製作性(以上
2点はコストに関わる要素)の各要素のバランスをより
高い次元で取ることが要求される。
【0014】位相差式焦点検出装置において、焦点検出
光学系に起因する精度、機能劣化の要因を以下に示す。
先ず、コンデンサレンズを起因する精度、機能劣化要因
を以下に示す。コンデンサレンズの作用は、撮影レンズ
中に設定された望ましくは撮影レンズの射出瞳と一致す
る焦点検出光学系の入射瞳を焦点検出光学系の明るさ絞
りに投影することである。 コンパクト化を達成するためにはコンデンサレンズ
と明るさ絞りの間隔を小さくする必要があり、そのため
には、コンデンサレンズのパワーを強くする必要があ
る。 視野を広くするにはコンデンサレンズの有効範囲を
広くする必要がある。このとはコンデンサレンズの
有効径に対するコンデンサレンズのパワーが強くなるこ
とでは同じ傾向である。コンデンサレンズの有効径に対
するコンデンサレンズのパワーが強くなると以下に示す
問題が発生する。
【0015】すなわち、有効径を一定にして、レンズの
パワーを強くすると収差が大きくなり、最後に光線が通
らなくなる。また、コンデンサレンズの予定結像面側の
パワーを強くすると該レンズ面の曲率半径が小さくな
る。すなわち、レンズのパワーが大きくなると周辺部で
のレンズ面は予定結像面から遠去かり、この結果有効径
が大きくなってしまう。これらの問題を解決するため
に、コンデンサレンズの予定結像面側のパワーを他の一
方の面のパワーに対して弱くすることが考えられるが十
分ではない。また、所謂非球面レンズを用いることによ
り実質的に使える有効径を大きくすることはできるが、
非球面レンズも基本的に光軸から離れると凸レンズの場
合、物体面側のレンズ面では物体面から離れるように構
成され、像面側のレンズ面では像面から離れるように構
成されるので、本質的な解決策にはならない。コンデン
サレンズの収差は瞳伝達能力の低下、コンデンサレンズ
の軸上と軸外で瞳の伝達状況が変わり、軸上と軸外でセ
ンサからの信号とデフォーカス量の関係が変わり焦点検
出精度が劣化する。
【0016】また、有効径を一定にして、レンズのパワ
ーを強くすると波長による焦点距離の変動や色収差が大
きくなる。コンデンサレンズで波長により焦点距離が異
なると、瞳の波長によって伝達できる範囲が異なる可能
性が大きくなり、入射光のNAを制限する要素になる。
また、色収差の発生は、同じ物点から発した光束が波長
ごとに各再結像レンズに入射する角度が変化してしま
い、センサ出力とデフォーカス量との関係が波長ごとに
違ってしまい全体として測距精度を劣化させる。コンデ
ンサレンズの枚数を増やすことによりこれらを解決する
ことはできるが、部品点数の増加や組み立ての複雑化に
よるコストの上昇、誤差要因の増加による精度の劣化、
コンデンサレンズ全体の体積の増加により、焦点検出光
学系の光路をミラー等で折り曲げ、撮影装置のボディ内
でのスペースの有効活用を図る場合の制約を生じシステ
ム全体のコンパクト化を妨げる要因となる。
【0017】次に、明るさ絞りに起因する精度、機能劣
化の要因を以下に示す。明るさ絞りの機能は、投影され
た撮影レンズ等の条件により設定された焦点検出光学系
の入射瞳を複数に分割し再結像レンズに伝えることであ
る。コンパクト化等のため、コンデンサレンズのパワー
が強くなり、明るさ絞りが一次結像面に近付くと入射瞳
に対する縮小率が大きくなり明るさ絞りは全体に小さく
なる。明るさ絞りが全体に小さくなることにより以下の
問題点が発生する。先ず、明るさ絞りが全体に小さくな
ると、形状や位置精度の許容範囲の絶対値が小さくな
り、部材の加工や組み立てが難しくなり、精度の劣化や
コストの上昇を生じる。また、明るさ絞りは従来薄い板
状のものに孔を開け、開口部を形成している。また、枠
等への組付けも穴や切り欠きを形成し位置精度を確保し
てきた。しかし、複数ある開口部同志の間隔が狭くなる
と部材の強度が確保できず精度の良い開口形状ができな
くなる。部材の強度を確保するために開口部同志の間隔
を拡げると設定された入射瞳に対する開口の面積比が低
下し、光電変換素子列への光量も低下する。光電変換素
子列への光量が低下すると被写体照度の低いものへの焦
点検出が困難になるだけでなく、通常の照度を持つ被写
体についても光電変換素子のS/Nの劣化(Sが小さく
なる)により焦点検出精度が劣化する。ガラス板等に開
口形状を印刷する方法もあるが、枠への組付け精度をコ
ストをかけずに行なうことができなかった。
【0018】さらに、再結像レンズを起因する精度、機
能劣化の要因を以下に示す。再結像レンズの機能は、明
るさ絞りのそれぞれの開口を通過した光束をそれぞれ対
応する受光素子列に導くことである。 明るさ絞りが小さくなると再結像レンズも小さくな
る。 各開口に対応する受光素子列が大きければ、それぞ
れの開口を通過した光束をそれぞれより離れた位置に導
く必要がある。 明るさ絞りと受光素子列の間隔を小さくするには再
結像レンズのパワーを強くする必要がある。
【0019】 再結像レンズは全体に小さくなること
により以下の問題点が発生する。再結像レンズが全体的
に小さくなると、形状や位置精度の許容範囲の絶対値が
小さくなり、部材の加工や組み立てが難しくなり、精度
の劣化やコストの上昇を生じる。特に再結像レンズ同志
の間隔や、再結像レンズと対応している明るさ絞りの開
口の位置関係は合焦検出精度上重要な要素であるが、再
結像レンズと明るさ絞りの開口の位置関係に関わる要素
として、〔再結像レンズと明るさ絞りの保持部材の位置
関係〕,〔明るさ絞りの保持部材と明るさ絞りのプレー
トの位置関係〕,〔明るさ絞りのプレート内での開口の
位置関係〕があり、それぞれの位置精度の確保が求めら
れる。調整により前記の要素の幾つかについての位置精
度を緩和することは可能であるが、調整作業をコストの
上昇要因となる。これらの基準は再結像レンズの頂点に
なる。従来、再結像レンズの頂点は3次元的に測定する
必要があり、精度よく測定するのは困難であり、これ
は、精度のよい部材の加工や組み立ての障害となり、精
度の劣化やコストの上昇の要因となる。
【0020】さらに、再結像レンズが全体的に小さくな
ると、明るさ絞りの各開口の対応する各再結像レンズ同
志が近づく。例えば樹脂による成形の場合、樹脂を有効
範囲内に十分流し込み、冷却時に変形等の問題が起きな
いようにするには、有効範囲外に有効範囲から連続的に
続く面の領域が必要だか、一対の再結像レンズの間隔が
小さいと確保できない。すなわち、レンズの有効範囲よ
り広がったレンズ面が必要になるが、有効範囲より外側
のレンズ面が確保できなくなる。これは、プレス式の成
形でも同様である。切削や研摩では比較的有効範囲より
外側のレンズ面は必要としないが、精度よく製作するた
めにはレンズ面が円形になることが求められ、また、コ
ストが大きい。
【0021】 明るさ絞りのそれぞれの開口を通過し
た光束をそれぞれより離れた位置に導くことにより、以
下の問題が発生する。まず、再結像レンズに入射した光
束をより強く曲げる必要があるため、収差の発生が生じ
る。特に、歪曲収差などの倍率が変化する収差の発生は
軸上と軸外でセンサからの信号とデフォーカス量の関係
が変わり精度を劣化させる。また、再結像レンズに入射
した光束をより強く曲げるとプリズム作用により色収差
が大きくなる。これは、光束の波長成分によりセンサか
らの信号とデフォーカス量の関係が変わり精度を劣化さ
せる。色収差は、コンデンサレンズと再結像レンズで打
ち消すことは理論上可能である。しかし、コンデンサレ
ンズと再結像レンズの近軸レイアウトで色収差の発生量
はほぼ決まり、製作可能でコンパクトな構成の近軸レイ
アウトという条件下でコンデンサレンズと再結像レンズ
で打ち消す自由度は少ない。
【0022】 再結像レンズのパワーを強くすること
により、以下の問題が発生する。まず、レンズの枚数を
増やさずにパワーを強くすると収差の発生量が大きくな
る。特に、歪曲収差などの倍率が変化する収差の発生は
軸上と軸外でセンサーからの信号とデフォーカス量の関
係が変わり精度を劣化させる。前述の補助光を用いる時
も同様の問題が発生する。さらに、同じ大きさの受光素
子列に対して、明るさ絞りと受光素子列の間隔を小さく
すると、再結像レンズに入射する光束全体をより強く曲
げる必要がある。再結像レンズに入射した光束をより強
く曲げるとプリズム作用により色収差が大きくなる。こ
れは、光束の波長成分によりセンサからの信号とデフォ
ーカス量の関係が変わり焦点検出精度を劣化させる。前
述の補助光を用いる時も同様の問題が発生する。
【0023】受光素子列のレイアウトに起因する精度、
機能劣化の要因を以下に示す。受光素子列の機能は、明
るさ絞りのそれぞれの開口を通過し、それぞれの開口に
対応した再結像レンズを通過した光束をそれぞれ受光
し、その光強度分布を出力することである。
【0024】 測距視野が広くなるほど受光素子列は
長くなる。 焦点検出精度を上げると受光素子の数が多くなり受
光素子列は長くなる。受光素子列のピッチを小さくする
と受光する光量が低下し低輝度時の精度に影響がでる。 一次結像面付近に配置された視野絞りと再結像レン
ズと受光素子列との配置が整合され、受光素子列には対
応しない開口を通過した光束は受光しない配置にする必
要がある。
【0025】上述したとは、受光素子列の長大化を
生じることでは同様である。すなわち、受光素子列の長
大化は受光素子列を載せる基板の大型化を招き、コンパ
クト性に問題を生じる。また、再結像レンズでの光束全
体を強く曲げる必要が生じ、前述のような問題が発生す
る。また、半導体上に受光素子列を形成する場合、基盤
の大型化は半導体製作時の効率を低下させコストの上昇
を生じる。多くの位相差式焦点検出系の受光素子列はす
べての受光素子列が一列に配置されているが、それぞれ
の受光素子列を平行に並べる提案もされている。これに
より、受光素子列の集約化が可能となり前述の問題点は
解決される。しかし、この方法は、全測距視野におい
て、受光素子列に垂直な方向に非対称な収差の発生を生
じる。これは、最も重要な測距視野の中心部での性能劣
化を生じる。例えば、受光素子の並び方向に垂直方向へ
の光束の偏向をプリズム作用で行なうと、予定結像面の
同じ点を発した光束がセンサに至る光路長が一対の光学
系それぞれで異なり測距誤差の要因となる収差を発生す
る。
【0026】また、従来の方式では、再結像レンズに受
光素子列の並び方向に垂直な方向にも光束全体を曲げる
機能が要求されず、受光素子列の並び方向の全体的なズ
レは、受光素子列からの出力信号への補正等により多少
の許容量がある。しかし、受光素子列を平行に並べる方
法は、再結像レンズに受光素子列の並び方向に垂直な方
向にも光束全体を曲げる機能を要求することになり、受
光素子列の並び方向に垂直な方向の全体的なズレに対す
る受光素子列からの出力信号への補正は困難であり許容
量が少ない。すなわち、本来入射しなければならない光
強度分布情報が全体的に欠けているためである。すなわ
ち、受光素子列を平行に並べる方法は、焦点検出光学系
の部材の製作精度と組み立て精度が厳しくなり、コスト
の上昇や焦点検出精度の劣化を生じる。
【0027】 ミラーボックスのコンパクト化や撮影
系のフレアの軽減のために、一次結像面がミラーボック
ス内に設定されると、視野絞りが一次結像面に配置でき
なくなる。このことは、受光素子列上に視野絞りが結像
せずぼけた状態になる。受光素子列に入射する光束を確
保するには、一次結像面から離れた視野絞りは大きくし
なければならない。一方、対応しない開口からの光束を
受光素子列に入射しないようにするには、視野絞りを一
次結像面に配置した場合に比べ、それぞれの受光素子列
を離して配置する必要がある。これは、前述のように、
受光素子列を形成する半導体チップにおいても、再結像
レンズの製作組み立てにおいても問題を生じる。
【0028】受光素子列の特性に起因する精度、機能劣
化の要因を以下に示す。受光素子列はほぼ同じ形の受光
素子を並べて形成されている。この受光素子列に素子の
並び方向の長さ(ピッチ)pで決まるナイキスト周波数
fN =1/(2p)以上の光像の空間周波数成分は所謂
モワレ現象を起こし、焦点検出精度の劣化要因となる
(必要であれば特公平5−54042号公報を参照され
たい)。これに対して受光素子列面を一次結像面の共役
面からずらして配置してナイキスト周波数成分をなくし
たり、受光素子列からの出力を加工して実質的にナイキ
スト周波数の影響を無くすことが提案されている。前者
は、ナイキスト周波数に近く、且つ、焦点検出に有用な
空間周波数成分まで弱めることになり、後者は出力を加
工することにより、光強度分布の情報を生かしきれな
い。また、前者は、デフォーカス時にナイキスト周波数
の成分が現れたり、逆に焦点検出に有用な空間周波数成
分が失われたりして焦点検出できるデフォーカス量の制
約条件を厳しくする。
【0029】本発明の目的は、焦点検出光学系の全長の
短縮化,センサの集約化(以上2点はコンパクト性に関
わる要素),視野の広さ,焦点検出の精度,部品点数,
製作性(以上2点はコストに関わる要素)の各要素のバ
ランスをより高い次元でとることのできる焦点検出光学
系を提供することである。
【0030】コントラスト方式焦点検出光学系も位相差
式焦点検出光学系も基本的に再結像光学系である。すな
わち、光束を分割する再結像レンズと明るさ絞りを除い
ても基本的にコントラスト方式焦点検出光学系は位相差
式焦点検出光学系と同じ問題を持つ。
【0031】さらに、具体的に言えば、本発明は以下の
目的を有するものである。 広視野でコンパクトな焦点検出光学系を提供するこ
とを目的とする。 コンパクトな精度の確保し易い焦点検出光学系を提
供することを目的とする。 焦点検出系として良好な色収差を有する焦点検出光
学系を提供することを目的とする。 モワレ縞の発生しにくく、また、デフォーカス時の
情報を確保しやすい焦点検出光学系を提供することを目
的とする。 センサーの集積度の高く測距精度の良い焦点検出光
学系を提供することを目的とする。 モワレ縞の発生しにくく、または、予定結像面と視
野絞り位置関係に拘らずコンパクトでセンサーの集積度
の高く測距精度の良い焦点検出光学系を提供することを
目的とする。これらのいずれかまたは、幾つかを実現す
ることにより各要素のバランスをより高い次元でとるこ
とが可能となる焦点検出光学系を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段および作用】本願の第1の
発明は、撮影レンズの予定結像面の近傍に配置されたコ
ンデンサレンズと、明るさ絞りと、再結像レンズと、光
電変換素子列とを具える焦点検出光学系において、少な
くとも一面が回折現象を用いたレンズ作用面を、前記予
定結像面と前記光電変換素子列との間に配置したことを
特徴とするものである。このような本発明を実施するに
当たっては、回折現象を用いたレンズ作用面(以下DO
E面と称する)を、少なくとも前記コンデンサレンズの
撮影レンズ側か、前記コンデンサレンズの光電変換素子
列側か、再結像レンズの撮影レンズ側か、再結像レンズ
の光電変換素子列側の面をDOE面で構成することによ
って設けることができる。または、焦点検出光学系の中
に赤外カットフィルタを配置する場合には、この赤外カ
ットフィルタのいずれかの面をDOE面で構成すること
によりDOE面を設けることができる。
【0033】上述した本願の第1の発明の作用を、説明
をわかり易くするため、位相差式焦点検出方式に適用し
た場合について説明する。先ず、コンデンサレンズの少
なくとも一面をDOE面で構成する場合の作用を説明す
る。DOE面は巨視的な平面上にレンズ作用を持たせる
ことができる(以下、巨視的な平面上にレンズ作用を持
たせたレンズ面をプレートレンズと称する)。すなわ
ち、コンデンサレンズの撮影レンズ側をプレートレンズ
面で構成すれば、焦点検出光学系の入射瞳面に対して、
光軸からの高さにかかわらずほぼ同じ距離にレンズ面を
構成できる。また、コンデンサレンズの光電変換素子列
側をプレートレンズ面で構成すれば、焦点検出光学系の
明るさ絞り面に対して、光軸からの高さにかかわらずほ
ぼ同じ距離にレンズ面を構成できる。同じパワーを持つ
屈折型レンズとDOEを用いたプレートレンズを比較す
ると、光軸上の点から発した光線の内、光軸に対して大
きな角度を持つ程、屈折型レンズへの入射高はプレート
レンズへの入射高に対して大きくなる。これを原因の一
つとして屈折型レンズでは収差が大きく発生し、実質的
に使える有効径は前記プレートレンズにくらべて小さく
なる(第1実施例参照)。
【0034】本発明が提案するように、撮影レンズの予
定結像面の近傍に配置されたコンデンサレンズと、明る
さ絞りと、再結像レンズと、光電変換素子列とを具える
焦点検出光学系において、少なくとも前記コンデンサレ
ンズの一面をDOE面で構成することにより、パワーを
強くしつつ有効径の大きいコンデンサレンズを配置する
ことができる。すなわち、本発明によれば、連続的な広
視野をもつ焦点検出装置において、コンデンサレンズの
枚数を増やすことなく、収差の発生量が少なくパワーの
比較的強いコンデンサレンズを構成でき、その結果、一
次結像面から明るさ絞りまでの光路長の短い、コンパク
トな焦点検出光学系を提供できる。本発明でのコンデン
サレンズをDOE面で構成する場合、DOE面はコンデ
ンサレンズのいずれの面にあっても良いし、両面でもよ
い。また、DOEの面は、全面に亘ってほぼ等しい焦点
距離を持たせても良いし、焦点検出光学系全体の性能向
上のため、レンズ面の位置により連続的または非連続的
に変化させてもよい。また、本願の第1の発明の好適実
施例においては以下に示す条件式(5)を満足すること
が望ましい。但し、Dはコンデンサレンズの最大有効径
(コンデンサレンズの有効範囲が長方形ならば対角線の
長さ、すなわち、コンデンサレンズの光軸からコンデン
サレンズの有効範囲の最も離れた点とコンデンサレンズ
の光軸の距離の2倍の値)、fc はコンデンサレンズの
焦点距離とする。 0.2<D/fc <2.5 (5)
【0035】上式(5)式の下限を越えると特にDOE
面を用いることなく精度の良い焦点検出光学系を構成す
ることができる。但し、回折格子の形状を観察すること
により組み立て調整等に利用する場合はこの限りではな
い。一方上限を越えるとDOE面を用いてもコンデンサ
レンズへの負荷が大きくなり好ましくない。特に、D/
fcを1.5以下にするとDOE面の製作時の誤差許容
量が小さくなり好ましい。
【0036】また、DOE面の回折効率のもっとも高い
波長(以下ピーク波長と称する)を可視域に設定するこ
とにより、通常配置されている赤外カットフィルタを必
要としない、または、簡易な(例えば蒸着膜構成が単純
な)赤外カットフィルタで機能を果たせるコストの安い
焦点検出光学系を提供するようにしても良い。Maxλ
をDOE面のピーク波長とした時、Maxλの設定は、
受光素子列の分光特性、撮像素子の分光特性などから決
定するのが望ましい。また、通常の可視域を対象とした
撮影装置においては、以下の(6)式を満足するように
設定しても良い。 400nm<Maxλ<550nm (6)
【0037】(6)式の下限を越えると可視光域の光束
に対して十分にレンズ作用を及ぼすことができなくな
る。(6)式の上限を越えると赤外光の回折効率が高く
なりすぎてしまう。尚、赤外カットフィルタ等で赤外の
不要光束をカットまたは弱めている場合(6)式の上限
は650nmとしても良い。Maxλの設定は、受光素
子列の分光特性、撮像素子の分光特性などから決定する
のが望ましい。Maxλが650nmを越えると可視光
域の光束に十分レンズ作用を及ぼせない。
【0038】また、赤色または、赤外線による補助光を
用いる撮影装置の場合、前記DOE面は、ピーク波長が
可視光の領域とピーク波長が赤外光の領域から構成して
も良い。これらのDOE面は同一面に構成しても良い
し、別の面に構成しても良い。例えば、コンデンサレン
ズの両面とか、コンデンサレンズの一面と赤外カットフ
ィルタの一面とに構成する等である。このように構成す
ることにより、通常の撮影に用いられる光束を焦点検出
する場合はピーク波長が可視光の領域での作用を受け、
補助光等の赤外を中心とする波長はピーク波長が赤外光
の領域での作用を受け、ピーク波長が赤外光の領域のD
OEは撮影レンズの色収差と焦点検出光学系の他の部位
で発生する色収差を考慮しそのレンズ作用を設定するこ
とにより、補助光の発光時の焦点検出精度の向上がはか
れる。このとき以下の(7)式を満足することが望まし
い。但しMaxλR は長波長側を対象としたDOEの回
折効率のピーク波長とし、MaxλG は可視光域を対象
としたDOEの回折効率のピーク波長とする。 200nm<MaxλR −MaxλG <800nm (7)
【0039】上述した(7)式の下限を越えると両方の
DOEで回折を受ける光束が多くなりすぎ好ましくな
い。上限を越えるとMaxλG とMaxλR の間の波長
でいずれのDOEでも回折を受けない光束が多くなりす
ぎ好ましくない。更に、上限を400nmにすることに
よりいずれのDOEでも回折を受けない光束が少なくな
り好ましい。ただし、いずれのDOEでも回折を受けな
い光束についても考慮して構成する場合にはこの限りで
はない。すなわち、屈折によるレンズ作用のみで中波長
を対象とし構成し、一つのDOEで短波長側の光束を対
象に補正し、もう一つのDOEで長波長側の光束を対象
に補正する。この場合、下限を400nmにするといず
れのDOEでも回折を受けない光束の範囲が広がり好ま
しい。また、本実施例において、好ましくは以下の
(8)式を満足することが望ましい。但しMaxλR
長波長側を対象としたDOEの回折効率のピーク波長と
し、MaxλS は補助光のピーク波長または平均波長と
する。 −500nm<MaxλR −MaxλS <500nm (8)
【0040】上述した(8)式の上限を越えると長波長
側を対象としたDOEで補助光に十分レンズ作用を与え
られない。また、300nm以下にすると補助光に対す
る回折効率がそれほど落ちず、可視光などの補助光以外
の光束に対する回折効率が十分小さくなり好ましい。ま
た、100nm以下にすると回折効率が高くなり好まし
い。(8)式の下限を越えると長波長側を対象としたD
OEで補助光に十分レンズ作用を与えられない。更に、
−300nm以上にすると補助光に対する影響度が可視
光などの補助光以外の光束に対する影響力に対して十分
な強さをもつので好ましい。更に−100nm以上にす
ると回折効率が高くなり、好ましい。また、100nm
以上にすると補助光に対する回折効率がそれほど落ち
ず、可視光などの補助光以外の光束に対する回折効率が
十分小さくなり好ましい。また、300nm以上にする
と補助光に対する回折効率がそれほど落ちず、可視光な
どの補助光以外の光束に対する回折効率が殆どなくなり
好ましい。
【0041】また、DOE面は負の分散を持っている。
すなわち、DOE面と屈折によるレンズ面からなるコン
デンサレンズは、DOE面のパワーと屈折によるレンズ
面のパワーの組み合わせにより、ほぼ波長によるパワー
の変動がないレンズから、波長によるパワーの変動の大
きいレンズまで構成することができる(レンズ面のみか
らなるコンデンサレンズは、両面のパワーの組み合わせ
では波長によるパワーの変動は大きく変化しない)。す
なわち、本発明は、撮影光学系の色収差や焦点検出光学
系全体の色収差を考慮して構成したコンデンサレンズを
用いることにより、効率のよい瞳伝達が可能となり、よ
り多くの光量を撮影レンズから取り入れることが可能な
焦点検出光学系を提供できる。また、コンデンサレンズ
を一次結像面から離れて配置することにより、本発明は
光源や被写体の分光感度が変化しても精度のよい焦点検
出のできる焦点検出光学系を提供できる。
【0042】受光素子列に入射する光束は、撮影レン
ズ,フィンダ光路と分割するハーフミラー,焦点検出光
学系を透過している。一方、撮像面に到達する光束は撮
影レンズだけを透過している。更に、撮像面の分光特性
と焦点検出光学系の受光素子の分光特性は異なることが
多い。このため、撮影系と焦点検出光学系の全系の分光
特性を問題ない程度に合わせるために、赤外カットフィ
ルタを焦点検出光学系内に配置する。本発明の一つの提
案は、DOEの波長選択性を用いて、撮影系と焦点検出
光学系の全系の分光特性を問題ない程度に合わせる構成
にすることである。コンデンサレンズや再結像レンズを
DOEで構成し、赤外カットフィルタの機能を付加して
もよい。この場合、赤外カットフィルタのための部材を
削減できるのでコスト上好ましい。また、赤外カットフ
ィルタをDOEで構成してもよい。この場合、レンズ作
用を持たせることができ、他のレンズ要素の負担を軽減
することができ、好ましい。また、DOEの面は焦点検
出光学系の最も物体側の面でない面にするのが望まし
い。このように構成することによりDOE面に油膜など
の異物が付きDOEのレンズ作用を阻害する要因を排除
し易い。
【0043】また、DOE面での回折する光束と回折し
ない光束を分けるため、回折する光束を入射光束に対し
て角度を持たせても良いし、回折しない光束を加味して
レンズの構成を決めても良い。また、回折しない光束は
フレアーとして光電変換素子以降で処理してもよい。す
なわち、一点から出た回折しない光束は光電変換素子面
上で十分な大きさに広がり、各光電変換素子列からの出
力差に大きな影響を与えないようにする。
【0044】次に、本発明の焦点検出光学系を位相差式
焦点検出装置に適用する場合において、再結像レンズの
少なくとも一面をDOE面で構成する場合の作用を説明
する。DOE面をプレートレンズとして構成したとき、
レンズ作用面とそうでない面の段差またはエッジを生じ
ない構成にできる。このため、異なったレンズ作用面を
連続した同一面上に構成したとき異なったレンズ作用面
の有効範囲をほぼ接するように構成できる。すなわち、
本発明の一つの提案は、一次結像面と、コンデンサレン
ズと、複数の開口からなる明るさ絞りと、それぞれの開
口に対応するDOEから構成される再結像レンズ面と、
再結像レンズの射出面とそれぞれの明るさ絞りの開口に
対応する光電変換素子列とを具え、複数の再結像レンズ
をDOE面によるプレートレンズを以て構成するのでそ
れぞれの有効範囲を互いに隣接して構成できる。また、
それぞれの再結像レンズの位置関係の確認も回折格子の
形状を2次元的に測定することにより必要な精度で把握
できる効果もある(屈折レンズの場合、前述の様に3次
元的に測定する必要があるが、各レンズの頂点はなだら
かで測定しにくい)。すなわち、本発明によれば、再結
像レンズを屈折型レンズ面で構成するのに比べ、精度の
管理が容易となり、また、コストを上げずに、精度よ
く、再結像レンズの有効範囲を広くし、多くの光量を受
光素子列に導くことができる。特に、像面と明るさ絞り
との光路長を短くする効果を得るため、コンデンサレン
ズのパワーを強め、焦点検出光学系の入射瞳の縮小倍率
が高くし、その結果明るさ絞りの大きさが相対的に小さ
くなり、それぞれの開口が接近しても、DOE面による
それぞれの再結像レンズ面の有効範囲を接して構成し、
光電変換素子列に十分に光量を伝えることができる。
【0045】また、DOEからなる再結像レンズと明る
さ絞りとを一体にしても良い。すなわち、明るさ絞りの
各開口の位置と形状とそれぞれに対応する再結像レンズ
の位置関係は焦点検出精度に大きな影響をもつ。これを
一体に構成することにより、組み立て時の誤差の要因が
少なくなる。すなわち、従来の方式による明るさ絞りの
開口と再結像レンズの位置関係は、〔再結像レンズと明
るさ絞りの保持部材の位置関係〕+〔明るさ絞りの保持
部材と明るさ絞りのプレートの位置関係〕+〔明るさ絞
りのプレート内での開口の位置関係〕からなるのに対し
て、DOEからなる再結像レンズと明るさ絞りを一体に
することにより、明るさ絞りの開口と再結像レンズの位
置関係は〔再結像レンズと明るさ絞りの位置関係〕にな
り誤差要因を少なくできる。両者を一体にする構成とし
ては、再結像レンズ面に遮光のためにインク等の塗料を
印刷しても良いし、開口部をもつ薄いプレート状の部材
を密着(貼る等)しても良い。一般の屈折作用によるレ
ンズから構成させる再結像レンズでも明るさ絞りを一体
にする構成は可能であり効果もあるが、この場合、曲面
や不連続な面の上に明るさ絞りを構成しなければなら
ず、位置精度や遮光もれ、耐久性等の問題があり、また
製作上も困難が生じる。DOEを用いたプレートレンズ
は巨視的には平面なので容易に構成できる。また、各再
結像レンズの有効領域を接して配置することにより、明
るさ絞りの機能を遮光のための塗料や部材を使うことな
しに構成しても良い。本構成のもう一つの効果は、明る
さ絞りのための独立した部材を持つ必要がなくなること
である。すなわち、開口部を持つ薄いプレート状の部
材、または、近接した開口部をもつ部材を独立して光学
系内に配置すると強度的な問題が発生する。この構成で
は、明るさ絞りの基材に十分な強度を与えることが出
来、基材に密着した明るさ絞りも十分な強度を持つこと
ができる。
【0046】本願の第1の発明のさらに他の好適実施例
においては、撮影レンズの予定結像面の近傍に配置され
たコンデンサレンズと、合焦精度を確保し得る間隔を以
て並ぶ少なくとも一対の開口部を有する明るさ絞りと、
再結像レンズと、光電変換素子列とを具え、少なくとも
前記再結像レンズの一面が回折現象を用いた偏向作用面
を持つようにする。前述のように、回折現象を用いた偏
向作用面では、波長が長くなるほど屈折力が強くなる。
一方、屈折現象を用いた時は波長が長くなるほど屈折力
が弱くなる。屈折現象を用いて偏向作用を持たせるに
は、面を光軸に対して傾けるプリズム作用と、絞りに対
してレンズ面を偏芯させる偏芯作用とがある。いずれも
長波長ほど偏向作用は小さくなる。一方、DOEでは、
回折格子を直線状に等ピッチで配置することにより得ら
れる偏向作用(DOEのプリズム作用と称する)と、回
折格子を同心円状に形成しそのピッチを径方向に変化さ
せるレンズ作用(DOEのレンズ作用と称する)でその
中心点と絞りの中心をずらすことにより得られる偏向作
用があり、いずれも長波長ほど偏向作用は大きくなる。
すなわち、これらの偏向作用を組み合わせることにより
色収差をコントロールすることができる。従来も屈折作
用によるレンズの偏芯とプリズム効果とによって色収差
のコントロールは可能であった。しかし、これによると
基準波長の受光素子列への入射位置をコントロールする
自由度がなくなり、焦点検出光学系の光路長を短かくす
る場合の2像間隔の確保が困難になる。本実施例のよう
に屈折作用と回折作用を組み合わせることにより、焦点
検出光学系の光路長を短かくしつつ2像間隔の確保が容
易になる。
【0047】被写体の照度が低かったりコントラストが
低い場合、補助光を被写体に投射することにより被写体
の照度を上げ、また、パターンを投影することによりコ
ントラストを作りだすことにより焦点検出を行うことが
広く行われている。効率のよい光源の有無や被撮影者が
眩しく感じないような配慮からこの補助光は可視域の長
波長側(赤色)または近赤外の光束が使われている。D
OEを焦点検出系に用いる際、DOEは、その作用を及
ぼす波長域は限定されており、設定したピーク波長から
遠ざかるにつれDOEの作用を受けない光束の割合が増
え、最終的にDOEの作用を全く受けなくなってしま
う。通常DOEのピーク波長を400nmから600n
mに設定することにより可視域全体にDOEの作用を及
ぼすことができる。一方、ピーク波長を800nm以上
に設定すると赤外光にはDOEの作用を及ぼすが、可視
光には、特に短波長側には作用を及ぼさない構成にな
る。
【0048】補助光を用いるためには、この補助光を感
知できるような受光素子を用いる必要がある。すなわ
ち、撮像素子の分光感度と焦点検出用受光素子の分光感
度特性を異なるよう構成しなければならない。一般に撮
影レンズの色収差は可視領域を越えると急激に大きくな
る。撮像素子の分光感度は可視領域とほぼ同じなので、
この収差の発生は問題とはならない。しかし、焦点検出
用受光素子では色収差の発生は大きな影響がある。特
に、一般の可視域の光源で照射されているときと補助光
で照射されているときは、一次結像面で別の位置に結像
していることになり、この補正は困難である。本発明の
他の好適実施例においては、焦点検出光学系の一部を構
成するDOEのピーク波長を可視域より長い波長に設定
することにより、補助光のみ2像間隔と可視光による2
像間隔を概略等しくすることができる。このときDOE
の領域はレンズ面全域でも良いし、一部でも良いし、ピ
ーク波長の違う複数のDOEの領域を持っている面にし
ても良い。また、DOEで可視域と赤外域を異なる光路
に分けても良い。この時受光素子は共通でも共通でなく
ても構わない。
【0049】位相差方式でも、コントラスト方式でも、
受光素子列上に高周波の光強度情報が伝えられると所謂
モワレが発生し、誤測距を起こすことになる。このよう
な欠点を除去することができる本発明の好適実施例で
は、焦点検出光学系の少なくとも一面でDOEを構成
し、このDOEは、光電変換素子列の並び方向に少なく
とも2つ焦点位置を持つように構成する。さらに前記2
つの焦点位置の間に連続的または離散的に焦点位置が存
在しても良い。下式(9)を満足するとさらに好まし
い。但し、前記光学系において、一次結像面と光軸の交
わる位置を発し、同一の明るさ絞りを通過した光束が光
電変換素子列に入射する光電変換素子列の並び方向の離
散的または、連続的な幅をwとし光電変換素子の列の並
び間隔をpとする。 0.5*p<w<p (9)
【0050】このように構成することにより、合焦時で
も、モワレ縞などの偽合焦の要因となる信号を出さず、
且つ合焦時、またはその付近でもっともセンサに入射す
るコントラストが高くなる焦点検出光学系を提供でき
る。更にDOEは、再結像レンズに構成されるのが望ま
しい。一般にコンデンサレンズに対して再結像レンズは
明るさ絞りに近く、像情報を均一に2焦点に配分し易
い。すなわち、より結像点に近いレンズ要素は、より大
きな変化を与えないと焦点位置が変化しない。DOE面
は焦点位置の違う複数の領域から成り立つ多焦点光学素
子にすることが望ましい。所謂+1次回折光束と−1次
回折光束とをほぼ同じ回折効率を確保し2焦点にする方
法もあるが、焦点位置の違う複数の領域から成り立つ多
焦点光学素子にすることにより回折格子の2次元的な形
状を測定することにより焦点検出光学系の概略の出来ば
え評価ができるので好ましい。
【0051】本願の第1の発明の他の好適な実施例にお
いては、位相差式の焦点検出光学系において再結像レン
ズの一面をレンズ作用面、他方の一面を光電変換素子列
の並び方向に垂直な方向な偏向作用を持つ偏向面から構
成し、この偏向面をDOEで構成する。このように偏向
面をDOEで構成することにより、センサに入射する各
光束の光路長の差は偏向面が無いときと同じにできる。
すなわち、受光素子列の集約化をしつつ、受光素子列の
並び方向に垂直な方向で非対称な像のズレが生じにくく
性能が劣化しにくい。
【0052】本願の第2の発明は、撮影レンズの予定結
像面の近傍に配置されたコンデンサレンズと、合焦精度
を確保し得る間隔を以て並ぶ少なくとも一対の開口部を
有する明るさ絞りと、再結像レンズと、光電変換素子列
とを具える焦点検出光学系において、前記焦点検出光学
系は複数の開口部に対応する複数の光電変換素子列を有
し、これらの光電変換素子列は互いに平行に配置され、
予定結像面より焦点検出光学系側に光電変換素子列の素
子の並び方向に対して垂直な方向の視野を制限する手段
を持ち、前記焦点検出光学系は、光電変換素子列の素子
の並び方向と光電変換素子列の素子の並び方向に対して
垂直な方向との焦点距離が異なり、光電変換素子列の素
子の並び方向に対して垂直な方向の断面において該光電
変換素子列の素子の並び方向に対して垂直な方向の視野
を制限する手段を有する面と光電変換素子列の配置され
た面とがほぼ共役な関係にあることを特徴とするもので
ある。
【0053】このように構成した第2の発明による作用
を光電変換素子列の素子の並び方向に対して垂直な断面
で説明する。撮影レンズを通過し一次結像面に結像した
光束は視野絞りで光束が制限される。さらに光束はコン
デンサレンズを通過し、複数の開口を有する明るさ絞り
に達する。この時光束の通過する順番が、一次結像面,
コンデンサレンズ,視野絞り,明るさ絞りでも良いし、
コンデンサレンズと視野絞りを一体にしても良い。それ
ぞれの開口を通過した光束が、それぞれレンズ作用や偏
向作用を受け、光電変換素子列の素子の並び方向に垂直
な断面で少なくとも2つの離散的に配置されたそれぞれ
の対応する光電変換素子列に入射する。このとき、視野
絞りと光電変換素子列は共役関係またはそれに近い状態
に構成されているので、前記離散的に配置された光電変
換素子列に対して、この離散的の配置した互いの距離を
比較的短くしても(センサの集約度を上げても)互いに
対応しない開口からの光束は入射しないように構成でき
る。
【0054】次にこの構成による作用を光電変換素子列
の素子の並び方向の断面で説明する。撮影レンズを通過
し一次結像面に結像した光束はコンデンサレンズに入射
し、複数の開口を持つ明るさ絞りに達する。それぞれの
開口を通過した光束はそれぞれレンズ作用や偏向作用を
受け、それぞれの対応する光電変換素子列に入射する。
このとき、一次結像面と受光素子列は共役関係またはそ
れに近い状態に構成されているので、合焦時に必要なコ
ントラストを得ることができる。また、いわゆるモワレ
縞による測距精度の劣化を防ぐなどそれぞれの焦点検出
光学系に求められる仕様に従い、この断面方向における
結像関係を設定することができる。この構成では、光学
系の断面の方向により焦点距離が異なるが、これを屈折
作用を持たしたシリンドリカルレンズや断面方向により
曲率半径の異なるレンズ面を用いても良い。また、回折
格子を平行な直線でかつ間隔を変化させたDOEを用い
ても良いし、断面方向でピッチの異なる円(楕円)で回
折格子を構成したDOEを用いても良い。好ましくは、
DOEを用いるのが望ましい。すなわち、焦点検出光学
系の出来栄えの評価の際、DOEは回折格子の配置状況
を2次元的に観察することにより概略評価できるのに対
して、例えば屈折作用による断面方向により曲率半径の
異なるレンズ面の出来栄えの評価は、全断面を3次元的
に測定する必要があり、評価が困難である。光束を透過
させたスポットで評価する方法があるが、これはレンズ
全面に対する評価になりレンズ面の何処に欠陥が有るか
を評価するのには向いていない。基準となる原器との比
較により評価する方法もあるが、原器の作成が困難であ
ったり、許容量の大きいレンズの場合対応しきれないこ
とがある。
【0055】コントラスト方式においても、コンデンサ
レンズや赤外カットフィルタへの各構成は有効である。
また、再結像レンズと明るさ絞りとの一体化による部材
数の削減効果も有効である。また、モワレ回避に対して
は2焦点効果についても有効である。この場合、複数の
焦点位置がコンデンサレンズの光軸に対して垂直な面に
配置されるように構成されるのが好ましい。このように
構成することによりコントラストの高い位置が判別し易
くなる。
【0056】回折型光学素子は、一つの回折次数の特定
波長の回折効率が67%(1/3)を越えるように構成
するのが望ましい。このように構成することにより不要
次数項の光量に対して、有効光束として2倍の光量が確
保できる。また、回折型光学素子は、キノフォームと呼
ばれる鋸状の形状にすることが望ましい。キノフォーム
で構成することにより回折効率を上げることができる。
また、鋸状の形状を階段状で表現するバイナリ光学素子
で製作してもよい。バイナリ光学素子はリソグラフの手
法で製作が可能で、容易に作成でき、また、出来栄え評
価も容易なので好ましい。更にバイナリ光学素子は4段
近似以上で構成するのが望ましい。4段近似以上だと一
つの回折次数の特定波長の回折効率が67%(1/3)
を越え好ましい。また、8段近似以上だと一つの回折次
数の特定波長の回折効率が反射防止膜を施さない場合の
屈折系の面の透過率(約96%)に近くなり、回折効率
が67%を越える波長域が広くなり、比較的製作が容易
なので好ましい。また、16段近似以上だと一つの回折
次数の特定波長の回折効率が反射防止膜を施さない場合
の屈折系の面の透過率(約96%)より十分高く、反射
防止膜を施したものと同等になり回折効率が67%を越
える波長域が例えば可視光域を殆どカバーできるほど広
くなり、しかも比較的製作が容易なので好ましい。ま
た、DOEはミラーボックスに対し露出しない位置に配
置するのが好ましい。これによりほこりや水滴,油分の
付着により性能が劣化する可能性を低くできる。
【0057】本願の第3番目の発明による焦点検出光学
系は、撮影レンズの予定結像面の近傍に配置されたコン
デンサレンズと、明るさ絞りと、再結像レンズと、光電
変換素子列と、回折現象を用いたレンズ作用面とを具
え、この回折現象を用いたレンズ作用面の個数を1以上
で5以下としたことを特徴とするものである。
【0058】本発明において使用するDOEはピーク波
長から離れるにしたがって回折効率が低下する。DOE
を複数枚同一光路上に配置すると、ピーク波長から離れ
た回折効率の低下が促進される。ここで、DOEを6枚
以上同一光路上に重ねると可視光領域の両端部で回折効
率が1/3以下となり、好ましくない。そこで本発明に
おいては、上述したようにDOEの枚数を1〜5とす
る。ここで、DOEを3枚以上同一光路上に重ねるとそ
れぞれのピーク波長をシフトするなどの工夫で可視光領
域全体でほぼ50%を越えるので好ましい。さらに、D
OEを3枚以下同一の光路上に重ねるとそれぞれのピー
ク波長をシフトせず、高い回折効率を持つ波長を確保し
ながら可視光領域の全域でほぼ50%を越えるので好ま
しい。
【0059】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。以
下の実施例においては、説明の便宜上2像を比較するこ
とによって焦点を検出する位相差方式に基づくものであ
るが、例えば瞳を3分割以上し、3像以上の情報から焦
点検出を行なう焦点検出光学系も本発明の範囲に含まれ
るものである。
【0060】(第1実施例)図7は本願の第1の発明に
よる焦点検出光学系を一眼レフカメラボディの底部に配
した第1の実施例を示すものであり、図8は第1実施例
の焦点検出装置の部分を取り出して示すものである。本
例の焦点検出光学装置は、撮影レンズ1とフィルムなど
の撮像面との間のミラーボックス内に配置された半透明
部材からなるクイックリターンミラー2の裏面に設けら
れたサブミラー3と、サブミラー3とミラーボックス底
部の間に配置された撮影レンズ1の予定結像面4と、ミ
ラーボックス底部付近に配置された視野絞り5と、視野
絞り5の近傍でミラーボックス外に配置された赤外カッ
トフィルタ11およびコンデンサレンズ16と、コンデ
ンサレンズ16の後方に配置された反射部材7(この反
射部材は光路を直角に折り曲げる作用を有するものであ
るが、図8では光路を折り曲げない形で示しているの
で、反射部材は図示していない)と、反射部材7の後方
に配置された図7において紙面と垂直な方向に並ぶ2つ
の開口部8a,8bを有する明るさ絞りと、それぞれに
対応する再結像レンズ9a,9bと、再結像レンズ9
a,9bから射出した光束の結像位置付近に配置された
受光素子列10a,10bとを具えている。
【0061】コンデンサレンズ16のミラーボックス側
の面はDOEで構成されている。DOEはキノフォーム
で構成するのが好適であるが、バイナリ光学素子で構成
しても良い。受光素子列10a,10bの並ぶ方向は図
7において紙面と垂直な方向である。合焦すべき物体を
発した光束は、撮影レンズ1を通過し、クイックリター
ンミラー2を透過し、サブミラー3を経て予定結像面4
に達する。撮影レンズ1が合焦状態にあるときは、物体
の像は予定結像面4上に結像する。予定結像面4を通過
した光束は、ミラーボックス底部の視野絞り5を通過し
焦点検出光学系に入射する。コンデンサレンズ16で瞳
をリレーされ、反射部材7で反射され、開口8a,8b
に達する(コンデンサレンズ16と開口8a,8bで決
定される焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を確保し得
る間隔を以て並んでいる)。
【0062】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ9a,9bに入射する。再結像レンズ9
a,9bに入射した光束は一直線に並んだ受光素子列1
0a,10bに導かれる。この第1実施例の各光学素子
の数値例を下表に示す。なお、r1 〜r9は図8に示すよ
うに各光学素子の面の曲率半径、d1 〜d8は光学部材の
厚さまたは空気間隔を示すものである。 表1 r1=∞ (予定結像面4) d1=4.18 r2=∞ d2=0.5 n=1.518 ν=64.15 (赤外カットフィルタ11) r3=∞ d3=0.2 r4=∞ (DOE) d4=3.1 n=1.527 ν=56.25 (コンデンサレンズ16) r5=9.75 d5=14.43 r6=∞ (明るさ絞り) d6=0.1 r7=3.12 d7=2.0 n=1.527 ν=56.25 (再結像レンズ9a,9b) r8=∞ d8=6.5 r9=∞ (受光素子列10a,10bの面) 但し、コンデンサレンズ16の焦点距離を14.84と
する。
【0063】ここでは、DOEはウルトラハイインデッ
クス法により設計されている。表1に示した値は球面を
用いたウルトラハイインデックス法により設計したもの
であるが、非球面を用いたウルトラハイインデックス法
により設計しても良い。
【0064】また、コンデンサレンズ16の受光素子側
の面を非球面で構成することも本実施例に含まれる。数
値例で示した焦点検出光学系を屈折系で達成しようとす
ると図9に示すようになり、測距視野の中心から離れた
ところで、瞳の伝達が行われていないことが分かる。こ
の実施例から分かるようにDOEを用いることにより、
連続した広い視野を有する焦点検出光学系を実現でき
る。尚、DOEで回折しない0次光は、図10で示すよ
うにフレア光として処理しても良い。このとき、図11
に示すようにフレア光を用いて高周波成分のコントラス
トを劣化させ、エリアジング(モワレ)を防止しても良
い。なお、焦点検出に用いる低周波成分のコントラスト
は高周波成分のコントラストより高いのでフレア光が重
畳してもコントランストが十分残る。また、図12で示
すようにDOEの基板を光軸に対して傾けても良いし、
図13のようにDOEで光束自体を曲げても良いし、更
にDOEの基盤を光軸に対して傾け、更にDOEで光束
自体を曲げて、0次光とDOEによる回折光を分離して
0次光を受光素子に入射しないようにしても良い。ま
た、コンデンサレンズ16のミラーボックス側を屈折面
とし、受光素子列側をDOEとしても同様の効果を得る
ことができる。また、コンデンサレンズ16の両面をD
OEで構成することも本実施例に含まれる。また、コン
トラスト方式の焦点検出光学系のコンデンサレンズに
も、本実施例のコンデンサレンズの構成は適用すること
ができ、そのような構成も本発明に含まれるものであ
る。
【0065】(第2実施例)第2実施例は可視領域を対
象とする撮影装置に適応した焦点検出光学系である。図
14は第2実施例の焦点検出光学系の部分を取り出した
ものを示している。本例の撮像装置の全体の構成は図7
に示した第1の実施例と同様である。第1の実施例にお
いては、コンデンサレンズ6のミラーボックス側の面を
DOEとして構成したが、本例ではコンデンサレンズ6
の近傍で、コンデンサレンズ6のミラーボックス側に巨
視的には平行平面板でコンデンサレンズ側がDOEで構
成された赤外カットフィルタの作用を持つ光学部材21
を配置する。このDOEはレンズ作用を持つ。また、D
OEの回折分光特性のピーク波長を400nmから60
0nmにする。このとき、DOEは例えば、図15のよ
うな回折分光特性を持つことになる。DOEはキノフォ
ームで構成するのが好適であるが、バイナリ光学素子で
構成しても良い。
【0066】合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過し、サ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞
り5を通過し、焦点検出光学系に入射する。光学部材2
1によって構成される赤外カットフィルタで焦点検出に
は不要な赤外光は減衰され、さらにこの光学部材のDO
Eでフレア成分となる。コンデンサレンズ6で瞳をリレ
ーされ、反射部材7で反射され(図14には図2と同様
に反射部材は図示していない)、開口8a,8bに達す
る(コンデンサレンズ6と開口8a,8bで決定される
焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を確保し得る間隔を
以て並んでいる)。
【0067】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ9a,9bに入射する。再結像レンズ9
a,9bに入射した光束は一直線に並んだ受光素子列1
0a,10bに導かれる。DOEが無い場合のフィルタ
特性は、赤外線を急激に且つ大部分を減衰させる必要が
あったが、DOEの回折の分光特性でフィルタ自体の負
荷が軽くなり、蒸着膜の構成が簡易にできる。また、赤
外カットフィルタより成る光学部材21にレンズ作用を
持たせることにより、コンデンサレンズ6と共に瞳伝達
の作用を有する。すなわち、コンデンサレンズ6の集光
作用の負荷が軽くなる。フレア光の処理は、第1実施例
と同様にしても良い。また、図16のようにコンデンサ
レンズ26のミラーボックス側をDOEとし、それぞれ
回折光束全体を曲げて、2つのDOE面で非対称性の収
差の発生をより良くキャンセルしても良い。すなわち、
回折光束全体の折り曲げる方向を、赤外カットフィルタ
より成る光学部材21のDOE面とコンデンサレンズ2
6のDOE面とで逆方向にする。尚、図16は図14に
対して90°回転した方向から示している。このとき、
DOEの製作や評価を簡単にするため、いずれかのまた
は両方のDOE面には集光、発散作用を持たせなくても
良い。また、2面のDOEによりさらにDOEによる赤
外カットの作用を強めることができる。図17にピーク
波長500nmのDOEを2枚重ねたときの回折効率を
示す。また、回折光の分光特性を比視感度に近づけるこ
とができる。赤外撮影装置や紫外線を含む撮像装置の場
合も、DOEの分光回折効率のピーク波長をシフトする
ことにより本実施例に含まれることになる。また、コン
トラスト方式の焦点検出光学系の赤外線カットフィル
タ,コンデンサレンズにも、本実施例の赤外カットフィ
ルタ,コンデンサレンズの構成を適用することができ、
本発明に含まれる。
【0068】(第3実施例)図18(a)は第3実施例
の焦点検出装置の部分を取り出したものを示したもので
あり、全体の構成は上述した第1および第2の実施例と
同様である。本例においては、コンデンサレンズ6の近
傍で、コンデンサレンズ6のミラーボックス側に巨視的
には平行平面板でコンデンサレンズ側が分光回折効率の
ピーク波長が600nm以上、例えば700nmである
DOEで構成された赤外カットフィルタの作用を持つ光
学部材31を配置する。DOEはレンズ作用を持つ。ま
た、DOEはキノフォームで構成するのが好適である
が、バイナリ光学素子 で構成しても良い。図18
(a)は本実施例の効果を説明するために赤外カットフ
ィルタより成る光学部材31とコンデンサレンズ6との
間隔を広げ、長波長側と短波長側の光路を誇張して示し
た。
【0069】合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過し、サ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞
り5を通過し、焦点検出光学系に入射する。光学部材3
1の赤外カットフィルタで焦点検出には不要な赤外光は
減衰される。DOEで回折されない光束は赤外カットフ
ィルタでレンズ作用を受けずにコンデンサレンズ6に入
射する。DOEで回折される長波長側の光束はDOEに
よりレンズ作用を受け、コンデンサレンズ6に入射す
る。コンデンサレンズ6の焦点距離は屈折光学系で形成
した場合、図19に示すように波長が長いほど焦点距離
が長くなる。可視光の短波長側はDOEの影響を受けず
コンデンサレンズ6でのみ集光作用を受ける。DOEで
レンズ作用を受ける長波長側の光束は、DOE面とコン
デンサレンズ6で集光作用を受ける。以下、図18
(a),(b)を参照してこの効果を説明する。
【0070】図18(a)は本実施例を示し、図18
(b)は従来例を示すものである。本実施例では、従来
例に対して、短波長側の光束と長波長側の光束の受光素
子面での一致度が高くなっていることがわかる。すなわ
ち、焦点検出機能を高めることができる。これらの効果
は通常の撮影時でも有効であるが、特に可視光の長波長
側または赤外光による補助光使用時に効果がある。ま
た、DOEのピーク波長の選択やパワーの設定は、焦点
検出光学系のみを考慮して決定しても良いし、撮影レン
ズ系の収差を想定して決定しても良い。また、DOEで
回折する光束と回折しない光束を有する焦点検出に有効
な波長については、全波長域でのバランスを考え、回折
する光束と回折しない光束の両方を受光素子に導き焦点
検出に用いる。すなわち、受光素子列上では、回折する
光束と回折しない光束の重心位置で評価する。また、D
OEを短波長側にピークを持たせても同様の効果を得る
ことができる。また、DOEは、コンデンサレンズに配
置しても良い。このようにコンデンサレンズに配置する
ときは、DOEを形成する面を平面でなく曲面にするこ
とにより、回折しない光束に対して屈折によるレンズ作
用を与えても良い。また、コントラスト方式の焦点検出
光学系の赤外線カットフィルタ,コンデンサレンズに
も、本実施例の赤外線カットフィルタ,コンデンサレン
ズの構成は適用することができ、本発明に含まれる。
【0071】(第4実施例)第4実施例は可視領域を対
象とし、赤外光,または可視光の長波長側の波長領域を
持つ補助光を有する撮影装置に対応した焦点検出光学系
である。図20は第4実施例の焦点検出光学系の部分を
取り出したものを示しており、全体の構成は図7に示し
た第1の実施例と同様である。本例においては、コンデ
ンサレンズ46の近傍で、コンデンサレンズ46のミラ
ーボックス側に巨視的には平行平面板でコンデンサレン
ズ側がDOEで構成された赤外カットフィルタの作用を
持つ光学部材41が配置されている。DOEはレンズ作
用を持つ。また、DOEの回折分光特性のピーク波長を
700nmから1300nmに設定する。補助光と可視
光1の分離度を良くするには、すなわちDOEの可視光
束への影響力を小さくするには、DOEの回折分光特性
のピーク波長を900nmから1300nmに設定す
る。例えば、DOEの回折分光特性のピーク波長を11
00nmしたときのは回折分光特性を図21に示す。本
実施例においては、さらにコンデンサレンズ46の一方
の面には、回折分光特性のピーク波長が400nmから
600nm、例えば500nmのDOEが構成されてい
る。これらのDOEはキノフォームで構成するのが好適
であるが、バイナリ光学素子 で構成しても良い。
【0072】合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過し、サ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞
り5を通過して焦点検出光学系に入射する。光学部材4
1を構成する赤外カットフィルタで焦点検出には不要な
赤外光は減衰される。さらに回折分光特性のピーク波長
を700nmから900nmのDOEで補助光の光束が
レンズ作用を受ける。更に光束はコンデンサレンズ46
に入射する。回折分光特性のピーク波長を400nmか
ら600nmのDOEで撮影に使われる可視領域の波長
の光束がレンズ作用を受ける。補助光の使われる波長域
の光束は0次光として回折されずにコンデンサレンズ4
6に入射する。コンデンサレンズ46を射出後の作用は
第1実施例と同様である。すなわち、補助光と撮影用の
波長域の光束とがそれぞれ独立にレンズ作用を受けるこ
とにより、撮影レンズの色収差や焦点検出光学系の色収
差による補助光使用時の測距精度の劣化を軽減する効果
がある。ピーク波長の違うDOEの配置はこの実施例の
配置に限定されることはなく、赤外カットフィルタやコ
ンデンサレンズのいずれの面に配置しても本発明に含ま
れる。また、コントラスト方式の焦点検出光学系の赤外
線カットフィルタ,コンデンサレンズにも、本実施例の
赤外線カットフィルタ,コンデンサレンズの構成は適用
することができ、本発明に含まれる。
【0073】本実施例においては、好ましくは以下の式
を満足することが望ましい。但しλ R は長波長側を対象
としたDOEの回折効率のピーク波長とし、λG は可視
光域を対象としたDOEの回折効率のピーク波長とす
る。 200nm<λR −λG <800nm (10) この(10)式の下限を越えると両方のDOEで回折を
受ける光束が多くなりすぎ好ましくない。上限を越える
とλG とλR の間の波長でいずれのDOEでも回折を受
けない光束が多くなりすぎ好ましくない。更に、上限を
400nmにすることによりいずれのDOEでも回折を
受けない光束が少なくなり好ましい。ただし、いずれの
DOEでも回折を受けない光束についても考慮して構成
する場合にはこの限りではない。すなわち、屈折による
レンズ作用のみで中波長を対象として構成し、一つのD
OEで短波長側の光束を対象に補正し、もう一つのDO
Eを長波長側の光束を対象に補正する。この場合、下限
を400nmにするといずれのDOEでも回折を受けな
い光束の範囲が広がり好ましい。
【0074】また、本実施例においては、好ましくは以
下の式(11)を満足することが望ましい。但しλR
長波長側を対象としたDOEの回折効率のピーク波長と
し、λS は補助光のピーク波長または平均波長とする。 −200nm<λR −λs <500nm (11) この(11)式の上限,下限を越えると長波長側を対象
としたDOEで補助光に十分レンズ作用を与えられな
い。
【0075】(第5実施例)図22は第5実施例の焦点
検出光学系の部分を取り出したものを示している。本実
施例の焦点検出光学系を設けた撮影装置全体の構成は図
7に示した第1の実施例と同様である。本例において
は、再結像レンズ59a,59bのミラーボックス側の
面はDOEで構成されている。DOEはキノフォームで
構成するのが好適であるが、バイナリ光学素子 で構成
しても良い。合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過してサ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞
り5を通過し焦点検出光学系に入射する。コンデンサレ
ンズ6で瞳をリレーされ、反射部材7で反射され、開口
8a,8bに達する(コンデンサレンズ6と開口8a,
8bで決定される焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を
確保し得る間隔を以て並んでいる)。
【0076】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ59a,59bに入射する。再結像レン
ズ59a,59bに入射した光束は一直線に並んだ受光
素子列10a,10bに導かれる。再結像レンズ59
a,59bを入射面側から見た図を図23に示す。図2
2から分かるように再結像レンズ59a,59bは巨視
的には平行平面板である。図23に示すように各再結像
レンズ59a,59bは同心円上の回折格子から形成さ
れる。2つの再結像レンズ59a,59bの中心間隔や
各再結像レンズ59a,59bのパワーの誤差(屈折系
でのニュートンリングで測定する誤差)や非対称的な製
作誤差(屈折系でのアスやクセ)は、回折格子を拡大し
2次元的に観察解析することにより測定でき、従来の3
次元的測定に比べ容易かつ精度よく部品の品質管理を行
える。また、回折格子はリソグラフィ的手法等を用いる
ことにより比較的自由なパターンを構成できる。この実
施例では2つの再結像レンズの有効範囲が近接している
ので、より大きい有効範囲を確保することが可能とな
る。尚、DOEで回折しない0次光は、図24で示すよ
うにフレア光として処理しても良い。この時、図11に
示すようにフレア光を用いて高周波成分のコントラスト
を劣化させ、エリアジング(モワレ)を防止しても良
い。尚、焦点検出に用いる低周波成分のコントラストは
高周波成分のコントラストより高いのでフレア光がのっ
てもコントラストが十分残る。
【0077】(第6実施例)図25は第6実施例の焦点
検出光学系の部分を取り出したものを示しており、全体
の構成は図7に示した第1の実施例と同様である。本実
施例においては、反射部材7の後方に配置される再結像
レンズ69a,69bのミラーボックス側の面を、明る
さ絞りの機能を有するDOE面で構成する。このDOE
はキノフォームで構成するのが好適であるが、バイナリ
光学素子 で構成しても良い。合焦すべき物体を発した
光束は、撮影レンズ1を通過し、クイックリターンミラ
ー2を透過し、サブミラー3を経て予定結像面4に達す
る。撮影レンズ1が合焦状態のとき、予定結像面4上に
結像する。予定結像面4を通過した光束は、ミラーボッ
クス底部の視野絞り5を通過して焦点検出光学系に入射
する。コンデンサレンズ6で瞳をリレーされ、反射部材
7で反射され再結像レンズ69a,69bに達する(コ
ンデンサレンズ6と再結像レンズ69a,69bで決定
される焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を確保し得る
間隔を以て並んでいる)。
【0078】図26に再結像レンズ69a,69bを示
す。再結像レンズ69a,69bを形成する回折格子は
各レンズの有効範囲内のみに形成され、この有効範囲が
明るさ絞りの作用を持つ。すなわち、コンデンサレンズ
6を射出した光束は再結像レンズに到達するが、各再結
像レンズ69a,69bの無効範囲69cに入射した光
束はレンズ作用を受けず再結像レンズを経て受光素子列
に到達する光束は弱くまたコントラストもつかずフレア
として処理され焦点検出機能には影響を与えない。一
方、結像レンズの有効範囲内に入射した光束はレンズ作
用を受け再結像レンズを経て受光素子列に到達する光束
はコントラストがつき受光素子列から焦点検出に有効な
光強度分布を出力できる。本実施例では明るさ絞り単独
の機能を持つ部材を設けないことにより、部材コスト,
組み立てコスト,焦点検出精度の劣化要因を削減するこ
とができる。また、各再結像レンズの無効範囲69cに
遮光シールを貼ったり、遮光ためのプリントを行っても
良い。従来の屈折レンズの再結像レンズは有効範囲外に
も曲面があるが、本実施例では無効範囲69cは平面な
ので、容易に処理できる。
【0079】(第7実施例)図27(a)は第7実施例
の焦点検出光学系の部分を取り出したものを示してい
る。図27(b)はこの第7実施例の焦点検出光学系の
部分を図27(a)に対して光軸を中心に90°回転し
た方向から示したものである。撮影装置全体の構成は図
7に示したものと同様であり、本実施例においては、再
結像レンズ79a,79bの受光素子列70a,70b
側の面をDOEで構成する。DOEはキノフォームで構
成するのが好適であるが、バイナリ光学素子 で構成し
ても良い。合焦すべき物体を発した光束は、撮影レンズ
1を通過し、クイックリターンミラー2を透過し、サブ
ミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1が
合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結像
面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞り
5を通過して焦点検出光学系に入射する。コンデンサレ
ンズ6で瞳をリレーされ反射部材7で反射され、開口8
a,8bに達する(コンデンサレンズ6と開口8a,8
bで決定される焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を確
保し得る間隔を以て並んでいる)。
【0080】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ79a,79bに入射する。再結像レン
ズ79a,79bに入射した光束は再結像レンズ射出時
に開口8a,8bの並び方向に垂直方向にそれぞれ逆の
屈曲作用を受け平行に並んだ受光素子列70a,70b
に導かれる。図28(a)に再結像レンズの射出側にD
OEを用いた場合、図28(b)に再結像レンズの射出
側に屈折作用を用いた場合について一つの再結像系につ
いて一次結像面の像面と受光素子列面の関係について示
した。図28(b)のように結像レンズの射出側に屈折
作用を用いて屈曲させると受光素子列面に対して像面が
傾く。これより、もう一方の再結像系の像面は逆向きに
傾けることになる。すなわち、受光素子列面を像面と一
致させるとそれぞれの受光素子列を同一面上に形成でき
なくなり、製作が困難になる。一方、図28(a)の様
に射出側にDOEを用いて屈曲させると受光素子列面に
対して像面を一致させることができる。受光素子列と像
面が一致してないと受光素子列の上側と下側で実質的な
倍率が変化してしまう。つまり平行に並んだ2つのそれ
ぞれの受光素子列の外側と内側の倍率が異なることにな
り、同一の像を2つの受光素子列で比較するという原理
からはずれ、測距誤差の要因となる。すなわち、DOE
を用いることにより測距精度の劣化を防げる効果があ
る。また、DOEで回折しない所謂0次光は、図29に
示すように2つの受光素子列70a,70bの間に集光
させる。
【0081】(第8実施例)図30は第8実施例を一眼
レフカメラボディの底部に配したものを示したものであ
る。図31(a)は第8実施例の焦点検出光学系の部分
を取り出したものを示している。図31(b)は第8実
施例の焦点検出光学系の部分を図31(a)に対して光
軸を中心に90度回転した方向から見た図である。撮影
レンズ1とフィルム等撮像面の間のミラーボックス内に
配置された半透明部材からなるクイックリターンミラー
2と、このクイックリターンミラーの裏面に取り付けら
れたサブミラー3と、サブミラー3とミラーボックス底
部の間に配置された撮影レンズ1の予定結像面4と、ミ
ラーボックス底部に配置された視野絞り5と、視野絞り
5の近傍でミラーボックス外に配置されたコンデンサレ
ンズ6と、コンデンサレンズ6の後方に配置された反射
部材7(図31(a),図31(b)では図示していな
い)と、反射部材7の後方に配置された図30において
紙面と垂直な方向に並ぶ2つの開口部8a,8bを有す
る明るさ絞りと、それぞれに対応する再結像レンズ89
a,89bと、再結像レンズ89a,89bから射出し
た光束の光路上に結像位置付近に平行に配置された受光
素子列70a,70bとを具えるものである。再結像レ
ンズ89a,89bのパワーは2つの再結像レンズの並
ぶ方向と2つの再結像レンズの並ぶ方向に垂直な方向で
異なる。すなわち、2つの再結像レンズの並ぶ方向の再
結像レンズのパワーをφh、2つの再結像レンズの並ぶ
方向に垂直な方向の再結像レンズのパワーをφvとする
と下式(12)式を満たすものである。 φh < φv (12)
【0082】φh,φvの具体的な決定法は以下のよう
にする。すなわちコンデンサレンズ6とφhの再結像レ
ンズ89a,89bによる予定結像面4の共役面RIh
とコンデンサレンズと、φvの再結像レンズによる視野
枠5の共役面RIvがほぼ同じ位置になるようにφh,
φvを決定する。また、受光素子列面は共役面RIvと
ほぼ同じ面に配置する。再結像レンズの射出面をシリン
ドリカルレンズで構成することによりφhとφvとに差
を与えることができる。
【0083】合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過してサ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部に配置さ
れた視野絞り5を通過して焦点検出光学系に入射する。
コンデンサレンズ6で瞳をリレーされ反射部材7で反射
され、開口8a,8bに達する(コンデンサレンズ6と
開口8a,8bで決定される焦点検出光学系の入射瞳は
合焦精度を確保し得る間隔を以て並んでいる)。
【0084】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ89a,89bに入射する。再結像レン
ズ89a,89bから射出される時に光束の2つの再結
像レンズの並ぶ方向に垂直な方向に対してレンズ作用を
受け受光素子列70a,70bへ導かれる。図32
(a)に示す様に受光素子列70a,70b上には、受
光素子列方向には一次結像面4上の像、すなわち合焦時
の被写体の像が結像し、2つの受光素子列の並ぶ方向に
は視野枠5の像が結像する。本実施例では、対応しない
再結像レンズから受光素子列への光束は視野枠で遮光さ
れフレア光の発生が少ないため、2つの受光素子列を近
づけることができる。図32(b)に予定結像面がミラ
ーボックス内にある従来の焦点検出光学系による受光素
子列面上の像を示す。本実施例の再結像レンズの構成と
して、シリンドリカルレンズを用いず各再結像レンズの
入射側の曲率を再結像レンズの並び方向と再結像レンズ
の並び方向に垂直方向とで変化されるアナモフィックレ
ンズにしても同じ効果を得ることができる。このとき、
再結像レンズの射出面より像面から離れた位置にパワー
の発生を配置できるので、φhとφvの差を小さくで
き、また、パワーの発生箇所を減らせる点では有利だ
が、アナモフィックレンズの製作,評価は通常のレンズ
やシリンドリカルレンズに対して難しく、通常のレンズ
やシリンドリカルレンズで構成するのが望ましい。ま
た、本実施例の再結像レンズの構成として、シリンドリ
カルレンズを再結像レンズの並び方向にパワーを持たせ
るようにしても同じ効果が得られ本発明に含まれるが、
再結像レンズの並び方向の有効範囲は再結像レンズの並
び方向の垂直方向の有効範囲に対して長いので、再結像
レンズの並び方向の垂直方向にパワーを持つシリンドリ
カルレンズで構成するのが望ましい。また、コンデンサ
レンズをアナモフィック光学系にすることによっても同
様の効果が得られるが、通常、コンデンサレンズは視野
枠に近すぎ直交したそれぞれの方向のパワーの差をより
大きくする必要がある。
【0085】(第9実施例)図33(a)は第9実施例
の焦点検出光学系の部分を取り出したものを示してい
る。図33(b)は第9実施例の焦点検出光学系の部分
を図33(a)に対して光軸を中心に90度回転した方
向から見た図である。撮影レンズを含む全体の構成は図
7に示した第1の実施例と同様である。本例では、反射
部材7の後方に配置された2つの開口部8a,8bから
成る明るさ絞りのそれぞれに対応する再結像レンズ99
a,99bを配置するとともにこれらの再結像レンズ9
9a,99bから射出した光束の光路上に結像位置付近
に平行に配置された受光素子列70a,70bを配置す
る。これら再結像レンズ99a,99bのパワーは2つ
の再結像レンズの並ぶ方向と2つの再結像レンズの並ぶ
方向に垂直な方向とで異なり、DOEで構成される。す
なわち、2つの開口部8a,8bの並ぶ方向の再結像レ
ンズのパワーをφh,2つの開口部8a,8bの並ぶ方
向に垂直な方向の再結像レンズのパワーをφvとする
と、下式(13)式を満たすように構成する。 φh < φv (13)
【0086】φh,φvの具体的な決定法は以下のよう
にする。すなわち、コンデンサレンズ6とφhの再結像
レンズによる予定結像面4の共役面RIhとコンデンサ
レンズとφvの再結像レンズによる開口(視野枠)5の
共役面RIvとがほぼ同じ位置になるようにφh,φv
を決定する。また、受光素子列面は共役面RIvと概略
同じ面に配置する。図34に示すようにそれぞれの再結
像レンズ99a,99bを構成する回折格子は、明るさ
絞りの開口部8a,8bの並ぶ方向と明るさ絞りの開口
部8a,8bの並ぶ方向に垂直な方向で半径の異なる所
謂楕円となる。合焦すべき物体を発した光束は、撮影レ
ンズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過して
サブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ
1が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定
結像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部に配置
された視野絞り5を通過して焦点検出光学系に入射す
る。コンデンサレンズ6で瞳をリレーされ反射部材7で
反射され、開口8a,8bに達する(コンデンサレンズ
6と開口8a,8bで決定される焦点検出光学系の入射
瞳は合焦精度を確保し得る間隔を以て並んでいる)。
【0087】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ99a,99bに入射する。再結像レン
ズ99a,99bから射出されるときに光束の2つの再
結像レンズの並ぶ方向に垂直な方向に対してレンズ作用
を受け、受光素子列70a,70bへ導かれる。受光素
子列70a,70b上には、受光素子列方向には一次結
像面4上の像、すなわち合焦時の被写体の像が結像し、
2つの受光素子列の並ぶ方向には視野枠5の像が結像す
る。本実施例では、対応しない再結像レンズから受光素
子列への光束は視野枠で遮光され有害光の発生が少ない
ため、2つの受光素子列を近づけることができる。本実
施例の再結像レンズ99a,99bの構成は、DOEで
アナモフィックレンズを構成しているので製作,評価は
通常の屈折型レンズでアナモフィックレンズを構成する
場合より容易である。すなわち、DOEの場合、リソグ
ラフィの手法で製作が可能であり、これは容易に2次元
的な設計情報からDOEを製作できる。また、出来栄え
評価についても、顕微鏡等で回折格子を観察し得られる
2次元情報でほぼできるので、屈折型のアナモフィック
レンズより容易に行われる。
【0088】(第10実施例)図35(a)は本発明に
よる焦点検出光学系の第10実施例の構成を示すもので
あり、このような焦点検出光学系を有する撮影装置全体
の構成は図7に示した第1の実施例と同様である。本実
施例においては、反射部材7の後方に配置された2つの
並んだ開口部8a,8bから成る明るさ絞りにそれぞれ
対応する再結像レンズ109a,109bの、受光素子
列70a,70b側の面をDOEで構成する。DOEは
2つの明るさ絞りの開口部8a,8bの並ぶ方向に対し
てレンズ作用を持つように構成する。この再結像レンズ
109a,109bのパワーは2つの明るさ絞りの開口
部8a,8bの再結像レンズの並ぶ方向と2つの明るさ
絞りの開口部8a,8bの並ぶ方向に垂直な方向とで異
なり、2つの明るさ絞りの開口部8a,8bの並ぶ方向
に見た再結像レンズ109a,109bのパワーをφ
h,2つの明るさ絞りの開口部8a,8bの並ぶ方向に
対して垂直な方向の再結像レンズのパワーをφvとする
と下式(14)式を満たすように構成する。 φh < φv (14)
【0089】φh,φvの具体的な決定法は以下のよう
にする。すなわち、コンデンサレンズとφhの再結像レ
ンズによる予定結像面4の共役面RIhと、コンデンサ
レンズとφvの再結像レンズによる視野枠5の共役面R
Ivがほぼ同じ位置になるようにφh,φvを決定す
る。また、受光素子列面80は共役面RIvとほぼ同じ
面に配置する。DOEはキノフォームで構成するのが好
適であるが、バイナリ光学素子 で構成しても良い。合
焦すべき物体を発した光束は、撮影レンズ1を通過し、
クイックリターンミラー2を透過してサブミラー3を経
て予定結像面4に達する。撮影レンズ1が合焦状態のと
き、予定結像面4上に結像する。予定結像面4を通過し
た光束は、ミラーボックス底部の視野絞り5を通過して
焦点検出光学系に入射する。コンデンサレンズ6で瞳を
リレーされ反射部材7で反射され、開口8a,8bに達
する(コンデンサレンズ6と開口8a,8bで決定され
る焦点検出光学系の入射瞳は合焦精度を確保し得る間隔
を以て並んでいる)。
【0090】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ109a,109bに入射する。再結像
レンズ109a,109bに入射した光束は再結像レン
ズ射出時に開口8a,8bの並び屈曲作用を受け平行に
並んだ受光素子列70a,70bに導かれる。受光素子
列上には、受光素子列方向には一次結像面4上の像,す
なわち合焦時の被写体の像が結像し、2つの受光素子列
の並ぶ方向には視野枠5の像が結像する。図36は再結
像レンズ109a,109bの受光素子列面側のDOE
回折格子の概略レイアウトである。本実施例では、対応
しない再結像レンズから受光素子列への光束は視野枠で
遮光されフレア光の発生が少ないため、2つの受光素子
列を近づけることができる。DOEを回折しない所謂0
次光の存在は2つの受光素子列が並ぶ方向については、
回折した光束と同じ振る舞いをするので2つの受光素子
列の並ぶ方向の視野枠5の像の結像状態には影響はな
い。また、DOEを回折しない所謂0次元の存在は受光
素子の列方向についてはフレア成分となり高周波成分を
弱める効果がある。
【0091】(第11実施例)図37は第11実施例の
焦点検出光学系の部分を取り出したものを示しており、
撮影装置全体の構成は図7に示した第1の実施例と同様
である。本例においては、再結像レンズ119a,11
9bのミラーボックス側の面をDOEで構成する。DO
Eはキノフォームで構成するのが好適であるが、バイナ
リ光学素子 で構成しても良い。合焦すべき物体を発し
た光束は、撮影レンズ1を通過し、クイックリターンミ
ラー2を透過してサブミラー3を経て予定結像面4に達
する。撮影レンズ1が合焦状態の時、予定結像面4上に
結像する。予定結像面4を通過した光束は、ミラーボッ
クス底部の視野絞り5を通過し焦点検出光学系に入射す
る。コンデンサレンズ6で瞳をリレーされ反射部材7で
反射され、開口8a,8bに達する(コンデンサレンズ
6と開口8a,8bで決定される焦点検出光学系の入射
瞳は合焦精度を確保し得る間隔を以て並んでいる)。
【0092】開口8a,8bを通過した光束は、それぞ
れ再結像レンズ119a,119bに入射する。再結像
レンズ119a,119bに入射した光束は一直線に並
んだ受光素子列10a,10bに導かれる。それぞれの
再結像レンズ119a,119bは2焦点となるよう構
成されている。この2焦点の構成を以下説明する。今、
受光素子列10a,10bの受光素子のピッチをPとす
る。予定結像面4上の点Io を発した光は、受光素子列
面上に受光素子の並ぶ方向にP/2離れたP1とP2の
2点にほぼ結像するように構成する。図38に再結像レ
ンズ119a,119bの構成を示す。それぞれの再結
像レンズ119a,119bはIo を発した光束をP1
に集光する領域P1RとP2に集光する領域P2Rを持って
いる。それぞれの再結像レンズの2種類の領域の配置
は、それぞれの再結像に対して線対称に構成されてい
る。また、それぞれの領域は同じ中心をもつ同心円の一
部からなる回折格子から構成される。2種類の領域のそ
れぞれの同心円の中心は受光素子列方向にずれている。
このことにより、それぞれの受光素子列上のP1の集光
状態とP2の集光状態は一方の受光素子列上のP1の集
光状態とP2との差が少なくなる。集光検出に有効な低
周波数のコントラストを大きく下げることなく、これに
よりモワレを発生するナイキスト周波数のコントラスト
をほぼ零にでき、焦点検出機能の劣化を防ぐ効果があ
る。
【0093】再結像レンズ119a,119bは、DO
Eで構成されているので特に領域と領域の境目に段差は
ない。通常の屈折型レンズで複数のレンズ作用領域を構
成すると領域と領域の境目に段差に段差ができ、段差の
周辺は所定のレンズ作用を起こさないので測距誤差の要
因となる。再結像レンズの構成は、DOEで構成してい
るので製作,評価は通常の屈折型レンズで複数のレンズ
作用領域を構成するより容易である。すなわち、DOE
の場合、リソグラフィテックな製作が可能であり、これ
は容易に2次元的な設計情報からDOEを製作できる。
また、出来栄えに評価についても、顕微鏡で回折格子を
観察し得られる2次元情報でほぼできるので容易に行わ
れる。また、それぞれの再結像レンズの2種類の領域の
配置は、それぞれの再結像に対して線対称に構成される
のが望ましいが、線対称に構成されなくても多くの場合
同様の効果を得ることができ、本発明に含まれる。ま
た、コンデンサレンズや再結像レンズの受光素子側に2
種類の領域をもたせても同様の効果が得られ、本発明に
含まれるが、再結像レンズのコンデンサレンズ側が、明
るさ絞りに最も近く2つの領域に大きな差をつけずに容
易に本実施例の効果が得られる。
【0094】(第12実施例)第12実施例は可視領域
を対象とし、赤外光,または可視光の長波長側の波長領
域を持つ補助光を有する撮影装置に対応したコントラス
ト式焦点検出光学系である。図39は第12実施例の焦
点検出光学系の部分を取り出したものを示しており、こ
れまで説明してきた実施例と同様に、撮影装置全体の構
成は図7に示した第1の実施例と同様である。本例で
は、反射部材7の後方に配置された焦点検出光学系の明
るさ絞り128と、一方の面が分光回折特性のピーク波
長が700nmから900nmのDOEで構成される再
結像レンズ129と、この再結像レンズ射出した光束の
約半分を透過し約半分を反射するハーフミラー121
と、このハーフミラーを透過した光束を反射するミラー
122と、ハーフミラー121で反射された光束を受光
し、予定結像面4の共役面より前に配置された受光素子
列120aと、前記ミラー122で反射された光束を受
光し、予定結像面4の共役面より後に配置された受光素
子列120a,120bとを具えるものである。これら
の受光素子列120a,120bは同一平面上に配置さ
れている。
【0095】DOEはキノフォームで構成するのが好適
であるが、バイナリ光学素子 で構成しても良い。DO
Eの面構成を図40に示す。合焦すべき物体を発した光
束は、撮影レンズ1を通過し、クイックリターンミラー
2を透過し、サブミラー3を経て予定結像面4に達す
る。撮影レンズ1が合焦状態のとき、予定結像面4上に
結像する。予定結像面4を通過した光束は、ミラーボッ
クス底部の視野絞り5を通過して焦点検出光学系に入射
する。コンデンサレンズ6で瞳をリレーされ反射部材7
で反射され、開口128に達し、再結像レンズ129に
入射する。撮影に用いられる可視領域の光束はDOEに
よるレンズ作用を受けず再結像レンズの巨視的な形状で
決定される屈折によるレンズ作用を受ける。補助光は、
DOEによるレンズ作用と再結像レンズの巨視的な形状
で決定される屈折によるレンズ作用を受ける。再結像レ
ンズ129を射出した光束はハーフミラー121で反射
光と透過光に分けられ、異なった光路長を経て受光素子
列120a,120bに入射する。すなわち、補助光と
撮影用の波長域の光束を独立にレンズ作用を受けること
により、撮影レンズの色収差や焦点検出光学系の色収差
による補助光使用時の測距精度の劣化を軽減する効果が
ある。また、DOEの分光回折特性のピーク波長を50
0nmから600nmにして撮影に用いられる可視領域
の光束はDOEによるレンズ作用と再結像レンズの巨視
的な形状で決定される屈折によるレンズ作用を受け、D
OEによるレンズ作用を受けず再結像レンズの巨視的な
形状で決定される屈折によるレンズ作用を受けるように
構成しても同様の効果を得ることができる。図41に比
較のため、従来の屈折型の再結像光学系を用いたものを
示す。色収差により、可視光と補助光が別の位置に結像
することがわかる。
【0096】(第13実施例)第13実施例はコントラ
スト式の焦点検出光学系である。図42は第13実施例
の焦点検出光学系の部分を取り出したものを示してい
る。本実施例においても撮影装置全体の構成は図7に示
した第1の実施例と同様である。本実施例においては、
反射部材7の後方に配置された焦点検出光学系の明るさ
絞り128と、一方の面が2種類の領域を持つDOEで
構成された再結像レンズ139と、この再結像レンズか
ら射出した光束の約半分を透過し約半分を反射するハー
フミラー121と、このハーフミラーを透過した光束を
反射するミラー122と、前記ハーフミラー121で反
射された光束を受光し、予定結像面4の共役面より前に
配置された受光素子列120aと、前記ミラー122で
反射された光束を受光し、予定結像面4の共役面より後
に配置された受光素子列120bとを設ける。受光素子
列120a,120bは同一平面上に配置されている。
DOEはキノフォームで構成するのが好適であるが、バ
イナリ光学素子で構成しても良い。DOEの面構成は後
述する。
【0097】合焦すべき物体を発した光束は、撮影レン
ズ1を通過し、クイックリターンミラー2を透過し、サ
ブミラー3を経て予定結像面4に達する。撮影レンズ1
が合焦状態のとき、予定結像面4上に結像する。予定結
像面4を通過した光束は、ミラーボックス底部の視野絞
り5を通過して焦点検出光学系に入射する。コンデンサ
レンズ6で瞳をリレーされ反射部材7で反射され、明る
さ絞り128を通過し、再結像レンズ139に入射す
る。再結像レンズの2種類のDOEの領域でそれぞれ異
なったレンズ作用を受ける。再結像レンズを射出した光
束はハーフミラーで反射光と透過光に分けられ、異なっ
た光路長を経て受光素子列120a,120bに入射す
る。この時、同一点を発した光束において、再結像レン
ズのDOEの異なった種類の領域でレンズ作用を受けた
光束は受光素子列の異なった位置に入射する。
【0098】再結像レンズ139は2種類のDOEの領
域を持ち2焦点となるよう構成されている。受光素子列
120a,120bの受光素子のピッチをPとする。予
定結像面上の点Io を発した光は、受光素子列面上に受
光素子の並ぶ方向にP/2離れたP1とP2の2点にほ
ぼ結像するように構成する。図43に再結像レンズ13
9の構成を示す。それぞれの再結像レンズは点IO を発
した光束をP1に集光する領域C1RとP2に集光する
領域C2Rを持つ。このとき、受光素子列上のP1とP
2は受光素子面上に受光素子の並ぶ方向にP/2より離
れる。それぞれの領域は同じ中心をもつ同心円の一部か
らなる回折格子から構成される。2種類の領域のそれぞ
れの同心円の中心は受光素子列方向にずれている。集光
検出に有効な低周波数のコントラストを大きく下げるこ
となく、これによりモワレを発生するナイキスト周波数
のコントラストを零にでき、焦点検出機能の劣化を防ぐ
所謂ローパス効果がある。
【0099】再結像レンズ139は、DOEで構成され
ているので特に領域と領域の境目に段差はない。通常の
屈折型レンズで複数のレンズ作用領域を構成すると領域
と領域の境目に段差に段差ができ、段差の周辺は所定の
レンズ作用を起こさないので測距誤差の要因となる。再
結像レンズの構成は、DOEで構成しているので製作,
評価は通常の屈折型レンズで複数のレンズ作用領域を構
成するより容易である。すなわち、DOEの場合、リソ
グラフィの手法で製作が可能であり、これは容易に2次
元的な設計情報からDOEを製作できる。また、出来栄
えに評価についても、顕微鏡等で回折格子を観察し得ら
れる2次元情報でほぼできるので容易に行われる。ま
た、それぞれの再結像レンズの2種類の領域の配置は、
また、コンデンサレンズに2種類の領域を持たせても同
様の効果が得られ、本発明に含まれるが、再結像レンズ
が、明るさ絞りに最も近く2つの領域に大きな差をつけ
ずに容易に本実施例の効果が得られる。尚、受光素子列
と受光素子列でローパス効果に差が生じるが、それぞれ
の受光素子のピッチを異ならせるか、すなわち受光素子
列のピッチを受光素子列のピッチより広くするか、受光
素子列からの出力を電気的またはソフト的に処理するこ
とにより、焦点検出精度の劣化を防ぐことができる。
【0100】上述した本発明の実施の態様を要約すると
以下の通りである。 (1)請求項1記載の焦点検出光学系において、前記回
折現象を用いたレンズ作用面を、少なくとも前記コンデ
ンサレンズの一面が持つように構成したもの。 (2)前項(1)の焦点検出光学系において、 前記コ
ンデンサレンズは、一面が回折現象を用いたレンズ作用
面であり、別の一面が屈折現象を用いたレンズ作用面で
あるように構成され、Dをコンデンサレンズの最大有効
径(コンデンサレンズの有効範囲が長方形ならば対角線
の長さ、すなわち、コンデンサレンズの光軸からコンデ
ンサレンズの有効範囲の最も離れた点とコンデンサレン
ズの光軸の距離の2倍の値)、fcをコンデンサレンズ
の焦点距離とするとき、 0.2<D/fc<2.5 なる条件を満足するもの。 (3)撮影レンズの予定結像面の近傍に配置されたコン
デンサレンズと、合焦精度を確保し得る間隔を以て並ぶ
少なくとも一対の開口部を有する明るさ絞りと、再結像
レンズと、光電変換素子列とを具える焦点検出光学系に
おいて、少なくとも前記再結像レンズの一面が回折現像
を用いたレンズ作用面を持つもの。 (4)前項(3)の焦点検出光学系において、少なくと
も前記再結像レンズの一面が回折現象を用いたレンズ作
用面を持ち、該回折現象を用いたレンズ作用面と前記明
るさ絞りが一体となったもの。 (5)前項(3)の焦点検出光学系において、少なくと
も前記再結像レンズの一面が回折現象を用いた偏向作用
面を持つもの。 (6)請求項1または前項(5)の焦点検出光学系にお
いて、前記焦点検出光学系は少なくとも回折現象を用い
た一面を持ち、該回折面は最大回折効率を得る波長の異
なる複数の領域から構成されるもの。 (7)請求項2記載の焦点検出光学系において、前記焦
点検出光学系は複数の開口部に対応する複数の光電変換
素子列を有し、該光電変換素子列は互いに平行に配置さ
れ、予定結像面より焦点検出光学系側に光電変換素子列
の素子の並び方向に垂直方向の視野を制限する手段を持
ち、前記焦点検出光学系は、光電変換素子列の素子の並
び方向と光電変換素子列の素子の並び方向に垂直方向の
焦点距離が異なり、光電変換素子列の素子の並び方向の
断面において該撮影レンズの予定結像面と光電変換素子
列の配置された面がほぼ共役な関係にあるもの。 (8)請求項2または前項(7)の焦点検出光学系にお
いて、前記焦点検出光学系は一対の開口部に対応する一
対の光電変換素子列を有し、該一対の光電変換装置は互
いに平行に配置され、予定結像面より焦点検出光学系側
に光電変換素子列の素子の並び方向に垂直方向の視野を
制限する手段を持ち、前記焦点検出光学系は、光電変換
素子列の素子の並び方向と光電変換素子列の素子の並び
方向に垂直方向の焦点距離が異なる焦点検出光学系で、
光電変換素子列の素子の並び方向と光電変換素子列の素
子の並び方向に垂直方向のパワーの違う回折現象を用い
たレンズ作用面を有するもの。 (9)請求項2または前項(7)の焦点検出光学系にお
いて、少なくとも前記再結像レンズの一面が回折現象を
用いた偏向作用面を持つもの。 (10)請求項1記載の焦点検出光学系において、上記
回折現象を用いたレンズ作用面が回折型光学素子より成
るもの。 (11)前項(10)記載の焦点検出光学系において、
上記回折型光学素子が、一つの回折次数の特定波長の回
折効率が67%を越えるように構成したもの。 (12)前項(10)記載の焦点検出光学系において、
上記回折型光学素子をキノフォームで構成したもの。 (13)前項(10)記載の焦点検出光学系において、
上記回折型光学素子をバイナリ光学素子で構成したも
の。 (14)前項(13)既済の焦点検出光学系において、
上記バイナリ光学素子を4段近似以上のバイナリ光学素
子で構成したもの。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、焦点検出光学系の全長
の短縮化、センサの集約化(以上2点はコンパクト性に
関わる要素),視野の広さ,焦点検出の精度,部品点
数,製作性(以上2点はコストに関わる要素)の各要素
のバランスをより高い次元で取ることのできる焦点検出
光学系を提供することができる。
【0102】本発明の効果を更に具体的にすると、 広視野でコンパクトな焦点検出光学系を提供するこ
とができる。 コンパクトな精度の確保のし易い焦点検出光学系を
提供することができる。 焦点検出系として良好な色収差を有する焦点検出光
学系を提供することができる。 モワレ縞が発生しにくく、また、デフォーカス時の
情報を確保し易い焦点検出光学系を提供することができ
る。 センサの集積度が高く測距精度が良い焦点検出光学
系を提供することができる。 モワレ縞が発生しにくく、または、予定結像面と視
野絞りの位置関係に拘らずセンサをコンパクトで集積度
を高くすることができ、測距精度の良い焦点検出光学系
を提供することができる。 上記からまでいずれかまたは、幾つかを実現す
ることにより各要素のバランスをより高い次元で取るこ
とが可能となる焦点検出光学系を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】位相差方式による焦点検出の原理を示す線図で
ある。
【図2】(a)および(b)はコントラスト方式による
焦点検出の原理を示す線図である。
【図3】回折現象を用いたレンズ作用面であるDOEの
動作を示す線図である。
【図4】DOEのレンズ作用を示す線図である。
【図5】キノフォームとして構成したDOEの断面形状
を示す図である。
【図6】(a)および(b)はキノフォームを段階近似
したバイナリー光学素子の断面形状を示す図である。
【図7】本発明による焦点検出光学系の第1の実施例を
有する撮影装置の全体の構成を示す線図である。
【図8】本発明による焦点検出光学系の第1の実施例の
基本的な構成を示す線図である。
【図9】第1の実施例の数値例の構成を示す線図であ
る。
【図10】第1の実施例において0次光をフレアとして
処理した場合の構成を示す線図である。
【図11】空間周波数とコントラストとの関係をフレア
光の有無をパラメータとして示すグラフである。
【図12】第1の実施例においてDOEの基板を光軸に
対して傾けた構成を示す線図である。
【図13】第1の実施例においてDOEで光束を曲げる
ようにした構成を示す線図である。
【図14】本発明による焦点検出光学系の第2の実施例
の基本的な構成を示す線図である。
【図15】第2の実施例のDOEの回折分光特性を示す
グラフである。
【図16】第2の実施例においてコンデサンレンズにも
DOEを設けた構成を示す線図である。
【図17】DOEを2枚重ねたときの回折効率を示すグ
ラフである。
【図18】(a)は本発明による焦点検出光学系の第3
の実施例の構成を示す線図であり、(b)は従来の焦点
検出光学系の構成を示す線図である。
【図19】波長とコンデンサレンズの焦点距離との関係
を示すグラフである。
【図20】本発明による焦点検出光学系の第4の実施例
の構成を示す線図である。
【図21】第4の実施例のDOEの回折分光特性を示す
グラフである。
【図22】本発明による焦点検出光学系の第5の実施例
の構成を示す線図である。
【図23】第5の実施例の再結像レンズを入射側から見
た平面図である。
【図24】第5の実施例において0次光をフレア光とし
て処理する構成を示す線図である。
【図25】本発明による焦点検出光学系の第6の実施例
の構成を示す線図である。
【図26】第6の実施例の再結像レンズを入射側から見
た平面図である。
【図27】(a)は本発明による焦点検出光学系の第7
の実施例の構成を示す線図であり、(b)は(a)の光
軸を中心に90°傾けた状態を示す線図である。
【図28】(a)は再結像レンズの出射側にDOEを設
けた場合、(b)は再結像レンズの出射側に屈折作用を
持たせた場合をしめす線図である。
【図29】受光素子上の0次光の入射位置を示す平面図
である。
【図30】本発明による焦点検出光学系の第8の実施例
を有する撮影装置全体の構成を示す線図である。
【図31】(a)は第8の実施例を示す線図であり、
(b)はその光軸を中心に90°傾けた状態を示す線図
である。
【図32】(a)は第8の実施例における受光素子上で
の光の入射状態を示す線図であり、(b)は従来の光学
系における受光素子上での入射状態を示す線図である。
【図33】(a)は本発明による焦点検出光学系の第9
の実施例の構成を示す線図であリ、(b)はその光軸を
中心として90°傾けた状態を示す線図である。
【図34】第9の実施例の再結像レンズの構成を示す平
面図である。
【図35】(a)は本発明による焦点検出光学系の第1
0の実施例の構成を示す線図であり、(b)はその光軸
を中心として90°傾けた状態を示す線図である。
【図36】第10の実施例の再結像レンズの受光素子側
のDOEの構成を示す平面図である。
【図37】本発明による焦点検出光学系の第10の実施
例の構成を示す線図である。
【図38】第11の実施例の再結像レンズの構成を示す
平面図である。
【図39】本発明による焦点検出光学系の第12の実施
例の構成を示す線図である。
【図40】第12実施例のDOEの構成を示す平面図で
ある。
【図41】従来の屈折型の再結像レンズを用いた焦点検
出光学系の構成を示す線図である。
【図42】本発明による焦点検出光学系の第13の実施
例の構成を示す線図である。
【図43】第13実施例のDOEの構成を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 撮影レンズ、 4 予定結像面、 5 視野絞り、
11,21,31,41 赤外光カットフィルタ作用
を持つ光学素子、 16,26,46 コンデンサレン
ズ、 8a,8b,128 明るさ絞り、 9a,9
b,59a,59b,69a,69b,79a,79
b,89a,89b,99a,99b,109a,10
9b,119a,119b,129,139 再結合レ
ンズ、 10a,10b,70a,70b,120a,
120b 受光素子列、 DOE 回折現象を用いたレ
ンズ作用面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−37611(JP,A) 特開 平4−147207(JP,A) 特開 平5−297209(JP,A) 特開 平5−150107(JP,A) 特開 平4−3336(JP,A) 特開 昭58−37610(JP,A) 実開 平3−35502(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/28 - 7/40

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの予定結像面の近傍に配置さ
    れたコンデンサレンズと、明るさ絞りと、再結像レンズ
    と、光電変換素子列とを具え、この光電変換素子列の出
    力信号を処理して撮影レンズの焦点状態を検出する焦点
    検出光学系において、 少なくとも一面が回折現象を用いたレンズ作用面を、前
    記予定結像面と前記光電変換素子列との間に配置したこ
    とを特徴とする焦点検出光学系。
  2. 【請求項2】前記回折現象を用いたレンズ作用面を、少
    なくとも前記コンデンサレンズの一面が持つように構成
    したことを特徴とする請求項1記載の焦点検出光学系。
  3. 【請求項3】前記コンデンサレンズは、一面が回折現象
    を用いたレンズ作用面であり、別の一面が屈折現象を用
    いたレンズ作用面であるように構成され、Dをコンデン
    サレンズの最大有効径、fcをコンデンサレンズの焦点
    距離とするとき、 0.2<D/fc<2.5 なる条件を満足することを特徴とする請求項2記載の焦
    点検出光学系。
  4. 【請求項4】前記D/fcを1.5以下にしたことを特
    徴とする請求項3に記載の焦点検出光学系。
  5. 【請求項5】前記焦点検出光学系は少なくとも回折現象
    を用いた一面を持ち、該回折面は最大回折効率を得る波
    長の異なる複数の領域 から構成されたことを特徴とす
    る請求項1に記載の焦点検出光学系 。
  6. 【請求項6】上記回折現象を用いたレンズ作用面が回折
    型光学素子より成ることを特徴とする 請求項1に記載
    の焦点検出光学系。
  7. 【請求項7】上記回折型光学素子が、一つの回折次数の
    特定波長の回折効率が67%を越えるように構成したこ
    とを特徴とする請求項6に記載の焦点検出光学系。
  8. 【請求項8】上記回折型光学素子をキノフォームで構成
    したことを特徴とする請求項6に記載の焦点検出光学
    系。
  9. 【請求項9】上記回折型光学素子をバイナリ光学素子で
    構成したことを特徴とする請求項6に記載の焦点検出光
    学系。
  10. 【請求項10】上記バイナリ光学素子を4段近似以上の
    バイナリ光学素子で構成したことを特徴とする請求項9
    に記載の焦点検出光学系。
  11. 【請求項11】前記回折現象を用いたレンズ作用面を、
    少なくとも前記コンデンサレンズの撮影レンズ側か、前
    記コンデンサレンズの光電変換素子列側か、前記再結像
    レンズの撮影レンズ側か、前記再結像レンズの光電変換
    素子列側の面に構成したことを特徴とする請求項1に記
    載の焦点検出光学系。
  12. 【請求項12】前記焦点検出光学系の中に赤外カットフ
    ィルタを配置し、該赤外カットフィルタのいずれかの面
    を前記回折現象を用いたレンズ作用面で構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  13. 【請求項13】前記コンデンサレンズの撮影レンズ側を
    巨視的な平面上にレンズ作用を持たせた前記回折現象を
    用いたレンズ作用面で構成したことを特徴とする請求項
    1に記載の焦点検出光学系。
  14. 【請求項14】前記コンデンサレンズの光電変換素子列
    側を巨視的な平面上にレンズ作用を持たせた前記回折現
    象を用いたレンズ作用面で構成したことを特徴とする請
    求項1に記載の焦点検出光学系。
  15. 【請求項15】前記回折現象を用いたレンズ作用面の回
    折効率のもっとも高い波長を可視域に設定したことを特
    徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  16. 【請求項16】Maxλを前記回折現象を用いたレンズ
    作用面のピーク波長としたとき、 400nm<Maxλ<550nm を満足するように設定し、可視域を対象とした撮像装置
    に用いたことを特徴とする請求項1に記載の焦点検出光
    学系。
  17. 【請求項17】赤色または、赤外線による補助光を用い
    る撮影装置に用いられ、前記回折現象を用いたレンズ作
    用面は、回折効率の最も高い波長が可視光の領域と回折
    効率の最も高い波長が赤外光の領域から構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  18. 【請求項18】MaxλR を、長波長側を対象とした回
    折現象を用いたレンズ作用面の回折効率の最も高い波長
    とし、MaxλGを、可視光域を対象とした回折現象を
    用いたレンズ作用面の回折効率の最も高い波長としたと
    き、 200nm<MaxλR −MaxλG <800nm を満足することを特徴とする請求項17に記載の焦点検
    出光学系。
  19. 【請求項19】MaxλRを、長波長側を対象とした回
    折現象を用いたレンズ作用面の回折効率の最も高い波長
    とし、MaxλS を、前記補助光のピーク波長または平
    均波長とするとき、 −500nm<MaxλR −MaxλS <500nm を満足することを特徴とする請求項17または18に記
    載の焦点検出光学系。
  20. 【請求項20】前記回折現象を用いたレンズ作用面を、
    焦点検出光学系の最も物体側の面以外の面としたことを
    特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  21. 【請求項21】前記回折現象を用いたレンズ作用面での
    回折する光束と回折しない光束を分けるため、回折する
    光束を入射光束に対して角度を持たせたことを特徴とす
    る請求項1に記載の焦点検出光学系。
  22. 【請求項22】前記回折現象を用いたレンズ作用面の回
    折効率の最も高い波長を可視域より長い波長に設定する
    ことにより、補助光のみの2像間隔と可視光による2像
    間隔を概略等しくしたことを特徴とする請求項1に記載
    の焦点検出光学系。
  23. 【請求項23】前記回折現象を用いたレンズ作用面を、
    前記光電変換素子列の並び方向に少なくとも2つ焦点位
    置を持つように構成したことを特徴とする請求項1に記
    載の焦点検出光学系。
  24. 【請求項24】前記予定結像面と光軸の交わる位置を発
    し、同一の明るさ絞りを通過した光束が前記光電変換素
    子列に入射する光電変換素子列の並び方向の離散的また
    は連続的な幅をwとし、前記光電変換素子の列の並び間
    隔をpとするとき、 0.5*p<w<p を満足することを特徴とする請求項23に記載の焦点検
    出光学系。
  25. 【請求項25】前記回折現象を用いたレンズ作用面が再
    結像レンズに構成されたことを特徴とする請求項24に
    記載の焦点検出光学系。
  26. 【請求項26】前記回折現象を用いたレンズ作用面は焦
    点位置がそれぞれ異なる複数の領域から成り立つ多焦点
    光学素子であることを特徴とする請求項25に記載の焦
    点検出光学系。
  27. 【請求項27】前記焦点検出光学系は位相差式の焦点検
    出光学系であり、前記再結像レンズの一面をレンズ作用
    面、他方の一面を前記光電変換素子列の並び方向に垂直
    な方向な偏向作用を持つ偏向面から構成し、この偏向面
    を前記回折現象を用いたレンズ作用面で構成したことを
    特徴とする請求項1に記載の焦点検出光学系。
  28. 【請求項28】撮影レンズの予定結像面の近傍に配置さ
    れたコンデンサレンズと、合焦精度を確保し得る間隔を
    以て並ぶ少なくとも一対の開口部を有する明るさ絞り
    と、再結像レンズと、光電変換素子列とを具え、この光
    電変換素子列の出力信号を処理して前記撮影レンズの焦
    点状態を検出する焦点検出光学系において、前記焦点検
    出光学系は複数の開口部に対応する複数の光電変換素子
    列を有し、これらの光電変換素子列は互いに平行に配置
    され、予定結像面より焦点検出光学系側に光電変換素子
    列の素子の並び方向に対して垂直な方向の視野を制限
    する手段を持ち、前記焦点検出光学系は、光電変換素子
    列の素子の並び方向と光電変換素子列の素子の並び方向
    に対して垂直な方向との焦点距離が異なり、光電変換素
    子列の素子の並び方向に対して垂直な方向の断面におい
    て該光電変換素子列の素子の並び方向に対して垂直な方
    向の視野を制限する手段を有する面と、光電変換素子列
    の配置された面とがほぼ共役な関係にあることを特徴と
    する焦点検出光学系。
  29. 【請求項29】前記光電変換素子列の素子の並び方向の
    断面において、前記撮影レンズの予定結像面と光電変換
    素子列の配置された面とがほぼ共役な関係にあることを
    特徴とする請求項28に記載の焦点検出光学系。
  30. 【請求項30】前記焦点検出光学系は一対の開口部に対
    応する一対の光電変換素子列を有し、該一対の光電変換
    装置は互いに平行に配置され、且つ前記焦点検出光学系
    は、光電変換素子列の素子の並び方向と光電変換素子列
    の素子の並び方向に垂直方向のパワーが異なる回折現象
    を用いたレンズ作用面を有することを特徴とする請求項
    28または29に記載の焦点検出光学系。
  31. 【請求項31】少なくとも前記再結像レンズの一面が回
    折現象を用いた偏向作用面を持つことを特徴とする請求
    項28または29に記載の焦点検出光学系。
  32. 【請求項32】撮影レンズの予定結像面の近傍に配置さ
    れたコンデンサレンズと、明るさ絞りと、再結像レンズ
    と、光電変換素子列と、回折現象を用いたレンズ作用面
    とを具え、この回折現象を用いたレンズ作用面の個数を
    1以上で5以下としたことを特徴とする焦点検出光学
    系。
  33. 【請求項33】前記回折現象を用いたレンズ作用面を3
    枚以下同一の光路上に重ねたことを特徴とする請求項3
    2に記載の焦点検出光学系。
  34. 【請求項34】撮影レンズの予定結像面の近傍に配置さ
    れたコンデンサレンズと、合焦精度を確保し得る間隔を
    以て並ぶ少なくとも一対の開口部を有する明るさ絞り
    と、再結像レンズと、光電変換素子列とを具える焦点検
    出光学系において、少なくとも前記再結像レンズの一面
    が回折現象を用いたレンズ作用面を持つことを特徴とす
    る焦点検出光学系。
  35. 【請求項35】前記回折現象を用いたレンズ作用面と前
    記明るさ絞りとが一体に構成されていることを特徴とす
    る請求項34に記載の焦点検出光学系。
  36. 【請求項36】少なくとも前記再結像レンズの一面が回
    折現象を用いた偏向作用面を持つことを特徴とする請求
    項34に記載の焦点検出光学系。
  37. 【請求項37】前記焦点検出光学系は少なくとも回折現
    象を用いた一面を持ち、該回折面は最大回折効率を得る
    波長の異なる複数の領域から構成されたことを特徴とす
    る請求項36に記載の焦点検出光学系。
  38. 【請求項38】撮影レンズによる予定結像面の近傍に配
    置されたコンデンサレンズと、複数の開口からなる明る
    さ絞りと、それぞれの開口に対応する回折現象を用いた
    レンズ作用面から構成される再結像レンズ面と、再結像
    レンズの射出面とそれぞれの明るさ絞りの開口に対応す
    る光電変換素子列とを具え、複数の再結像レンズを前記
    回折現象を用いたレンズ作用面によるプレートレンズを
    以て構成し、それぞれの有効範囲を互いに隣接して構成
    したことを特徴とする焦点検出光学系。
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