JPH1114896A - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JPH1114896A
JPH1114896A JP9163910A JP16391097A JPH1114896A JP H1114896 A JPH1114896 A JP H1114896A JP 9163910 A JP9163910 A JP 9163910A JP 16391097 A JP16391097 A JP 16391097A JP H1114896 A JPH1114896 A JP H1114896A
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健一郎 山下
Yasuo Suda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焦点検出光学系の歪曲収差を許容しつつも、
簡易なセンサ構成で検出精度の高い千鳥状或いは格子状
の焦点検出視野を実現し、対象物の細部をより詳しく測
距する。 【解決手段】 受光エリア202、203は、3タイプ
のセンサ列タイプA、B、Cを組み合わせることによっ
て構成されている。各サンサー列は焦点検出回路によっ
て蓄積時間が同一に制御される複数の隣接した画素から
成る固定された画素領域を有する。センサ列タイプAに
は3つの画素領域が、センサ列タイプB、Cには2つの
画素領域がそれぞれ充てられている。焦点検出光学系を
通してこれらの画素領域に入射する光の強さに応じて、
画素領域毎の蓄積時間は独立に制御され、各々適切なレ
ベルの像信号を得ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結像光学系を透過
した光束を用いてその結像状態を検出するカメラ等の焦
点検出装置に関し、特に、多数の焦点検出視野を有する
改良された焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭61−198014
号公報や特開平8−114839号公報に開示されてい
るように、千鳥状や格子状に焦点検出視野が配置された
焦点検出装置が知られている。焦点検出視野を千鳥状や
格子状に配置すると、焦点検出視野の密度が高くなっ
て、対象物の細部をより詳しく測距することが可能とな
る。対象物の多くの部分についての焦点調節状態が分か
れば、より適切な位置に対物レンズのピント位置を設定
することが可能となって大変に好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
多数の焦点検出視野を設けようとすると、焦点検出光学
系の歪曲収差が悪影響を及ぼして測距精度は低下する傾
向にある。特開平5−150155号公報には、このよ
うな焦点検出光学系の歪曲収差を前提とした焦点検出光
学系について開示されている。この技術は、エリアセン
サを極めて細かい画素で構成し、歪曲に沿った領域の2
次元に分布した画素を足し合わせて、物体像を仮想的に
1次元サンプリングする手法である。
【0004】ところが、このエリアセンサには、指定さ
れた領域における光量のピーク値をモニターする機能
と、画素信号を加算して出力する機能とが必要であっ
て、光電変換部以外の周辺回路が複雑化するという欠点
がある。その結果、開口効率が低下して物体像の正確な
位相がセンサ出力に反映され難くなって、物体像の相対
的位置関係から得られる焦点状態情報の精度は低い。こ
の場合、特に精密さが要求されるカメラ等のピントを検
出することは不可能である。
【0005】そこで、本発明は、焦点検出光学系の歪曲
収差を許容しつつも、簡易なセンサ構成で検出精度の高
い千鳥状或いは格子状の焦点検出視野を実現し、対象物
の細部をより詳しく測距することを可能とする焦点検出
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の焦点検出装置
は、対物レンズと、前記対物レンズからの光束を受容す
る一対の結像光学系と、多数の画素からなる複数のセン
サ列が並列配置されてなる複数の受光領域を備えた光電
変換素子と、前記光電変換素子を駆動してその出力を処
理する焦点検出回路とを備えた焦点検出装置であって、
前記一対の結像光学系を介して前記光電変換素子上に視
差を持った一対の物体像を投影することにより、前記対
物レンズの焦点状態を検出するための焦点検出視野を形
成し、前記焦点検出回路において前記光電変換素子の出
力を基に前記一対の物体像の相対的位置関係を検出し
て、前記対物レンズの焦点状態を検知する機能を有して
おり、前記センサ列内には、前記焦点検出回路により蓄
積時間が略同一に制御される複数の隣接した画素からな
る固定された画素領域が設けられているとともに、前記
受光領域を構成するセンサ列が前記画素領域の位置に関
して複数のグループに分類されている。
【0007】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記焦点検出回路が、前記対物レンズの射出瞳を縦
方向に分離する第1の焦点検出系と、前記射出瞳を横方
向に分離する第2の焦点検出系とを有する。
【0008】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記対物レンズと前記一対の結像光学系との間に、
前記対物レンズの透過光束を反射収斂して前記対物レン
ズの光軸と異なる方向に光路を偏光させる反射鏡を有す
る。
【0009】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記反射鏡で偏光された光束から赤外線を除去する
赤外線除去フィルタを有する。
【0010】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、少なくとも前記対物レンズが合焦している際に、検
出対象となる前記光電変換素子の一対の前記センサ列上
に、物体上で同一位置に対応する2次物体像を投影す
る。
【0011】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記対物レンズにデフォーカスが生じた際に、検出
対象となる前記光電変換素子の一対の前記センサ列上
に、物体上で同一位置に対応する2次物体像を相対的な
位相差を持つように投影する。
【0012】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記光電変換素子の前記受光領域は、相異なる複数
の前記センサ列が所定の順序で繰り返し配置されたもの
である。
【0013】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記センサ列が、3つの前記画素領域が接続してな
る第1のセンサ列と、2つの前記画素領域が所定間隔を
もって隣接してなる第2のセンサ列と、2つの画素領域
が前記第2のセンサ列の前記画素領域の間隔に比して大
きい間隔をもって隣接してなる第3のセンサ列とから構
成されている。
【0014】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記センサ列が、1つの前記画素領域を有する第4
のセンサ列と、2つの前記画素領域が所定間隔をもって
隣接してなる第5のセンサ列とから構成されている。
【0015】本発明の焦点検出装置の一態様例において
は、前記光電変換素子が、前記焦点検出視野に対して、
歪曲した物体像に関して互いの位相差が1/2画素相当
となる並列した2つの前記画素領域を有し、前記各画素
領域における焦点検出結果の平均値を出力する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るのいくつかの
具体的な実施形態について図名を参照しながら説明す
る。
【0017】(第1の実施形態)先ず、第1の実施形態
について説明する。図1及び図2は、第1の実施形態の
焦点検出装置の主要構成部分を示す模式図であり、図1
1は、この焦点検出装置をカメラ等の光学機器に適用し
たときの模式図である。この焦点検出装置は、対物レン
ズの射出瞳を縦方向に分離する検出系と、横方向に分離
する検出系とを有し、図1は前者の、図2は後者の光路
を対物レンズの光軸を含む平面上に投影して示したもの
である。
【0018】図11において、401は対物レンズ、1
01は対物レンズの光軸、102は撮像面、103は対
物レンズの光軸101上に配置され、中央部に半透過性
の領域を有する主ミラー、403はフォーカシングスク
リーン、404はペンタプリズム、405は接眼レン
ズ、104は対物レンズの光軸101上に斜めに配置さ
れた第1の反射鏡、105は第1の反射鏡104によっ
て折り返された撮像面102に共役な近軸的結像面、1
06は第2の反射鏡、107は赤外線カットフィルタ
ー、108は4つの開口部を有する絞り、109は絞り
の開口部に対応して4つのレンズ部を有する再結像レン
ズブロック、110は第3の反射鏡、111は2対の2
次元型受光エリアを有するエリアセンサである。
【0019】各受光エリアは同一の開口を持った多数の
画素よりなる複数のセンサ列で構成され、センサ列同士
も対を成している。ここで、第1の反射鏡104は楕円
鏡であって、楕円を定義する二つの焦点は、対物レンズ
の光軸101上の光線が主ミラー103で屈折した後の
光路を逆に対物レンズ側に延長した線上と、その光線が
第1の反射鏡によって反射した後の光路を延長した線上
にそれぞれ位置する。また、第1の反射鏡は焦点検出領
域を制限する視野マスクの役割を兼ねるため、必要な領
域のみが光を反射するようになっている。第2の反射鏡
106と第3の反射鏡110は平面鏡である。なお、こ
れらの構成要素のうちの光学的に機能する部分は何れも
紙面に対して対称に構成されている。
【0020】図3は絞り108の平面図である。絞り1
08は金属製あるいは樹脂製の遮光性薄板よりなる。こ
の図3において、108e〜108hは絞り開口部、1
08i、108jは位置決め穴である。絞り108は位
置決め穴108i、108jを介して再結像レンズブロ
ック109に固定される。
【0021】再結像レンズブロック109の光入射側
は、第1の反射鏡によって偏向した対物レンズの光軸上
に中心を持つ単一の凹状球面、射出側は互いに反対方向
に偏芯した2対の凸レンズ109e〜109hとなって
いる。さらに凹状球面の中心は第1の反射鏡104によ
って形成される対物レンズの近軸的結像面105に、ま
た、前記2対のレンズ部109e〜109hの中心は前
記絞り開口中心の近傍に位置している。このような形に
レンズのパワーを配置する事によって広い波長域にわた
っての高精度な焦点検出が可能である。
【0022】絞り108と再結像レンズブロック109
との位置関係は、図3に破線で示した如く絞り108の
背後に2対のレンズ109e〜109hが位置するよう
に設定してある。絞り開口108e、108gの開口重
心は、対物レンズの光軸近傍の光路に平行であってレン
ズ部109e〜109gの曲率中心P6、P7を含む第
1の平面PL1上にあり、また、絞り開口108f、1
08hの開口重心とレンズ部109f〜109hの曲率
中心は対物レンズの光軸近傍の光路を含み第1の平面P
L1と直交する第2の平面PL2上にある。
【0023】焦点検出光束の光路としては、絞り開口部
とレンズ部とで同一の添え字で示したもの同士が対応
し、各開口部を通過した光束は第3の反射鏡を介してエ
リアセンサ111上に二次物体像を形成する。なお、異
なる添え字の要素を通過した光束はエリアセンサ上の所
定の位置に到達しないため焦点検出には寄与しない。添
え字e、gで示した要素を通過する光束を用いる検出系
は、対物レンズの射出瞳を縦方向に分離し、一方、添え
字f、hで示した要素を通過する光束を用いる検出系
は、対物レンズの射出瞳を横方向に分離する。以降、瞳
を縦方向に分離する検出系を第1の焦点検出系、瞳を横
方向に分離する検出系を第2の焦点検出系と呼ぶことに
する。
【0024】以上のように構成された焦点検出装置の光
学作用を説明する。
【0025】図1および図2に示した112e、112
g、112f、112hは絞り108を通過して焦点検
出に使われる画面中央への光束である。これらの光線の
進む順に説明を加えると、まず、不図示の対物レンズか
らの光束は主ミラー103を透過した後、第1の反射鏡
によってほぼ主ミラー103の傾きに沿った方向に反射
される。第1の反射鏡104は前述のように楕円鏡であ
って、二つの焦点の近傍同士を実質的に投影関係におく
ことができる。ここでは一方の焦点を対物レンズの代表
射出瞳位置の光学的な等価点に、他方の焦点を絞り10
8の光学的な等価点に設定し、フィールドレンズとして
の機能を持たせている。この対物レンズの代表射出瞳位
置とは、カメラに装着される種々の撮影レンズの射出窓
の条件を勘案し総合的に決定される焦点検出系固有の仮
定瞳位置である。
【0026】第1の反射鏡104で反射した光束は第2
の反射鏡106で再び反射し、赤外線カットフィルター
7に入射する。焦点検出の精度を低下させる要因となる
赤外線がここで除去され、対物レンズの収差補正が十分
に成されている波長域の光のみが背後に置かれた絞り1
08や再結像レンズブロック109まで到達する。再結
像レンズブロック109の作用で収斂した光束は第3の
反射鏡110を介して二次物体像をエリアセンサ111
上に形成する。
【0027】図4はエリアセンサ上の二次物体像の様子
を示す図であって、格子状の物体についての例である。
再結像レンズブロック109の4つのレンズによって4
つの二次物体像が形成され、122g、122eおよび
122f、122hがそれぞれ相対的位置関係を検出す
べき対の像となる。ここで、絞り108の開口部108
e、108gの間隔と、開口部108f、108hの間
隔とは異なり、間隔の広い第2の焦点検出系の方が二次
物体像の移動が敏感になるため、高精度な焦点検出が可
能である。
【0028】物体が投影される範囲は、二次物体像12
2g、122eと二次物体像122f、122hとでは
異なり、二次物体像122g、122eでは第1の反射
鏡104の大きさで決定される領域に、二次物体像12
2f、122hではその絞り開口部の間隔の差異から、
主ミラー103や第2の反射鏡106上で光線が通れる
だけの領域となって、二次物体像122g、122eよ
りも狭くなる。また、第1の反射鏡104が斜設されて
いることに起因して、各像には軸対称性の無いかなり大
きな歪みが生じる。
【0029】但し、このような歪みが存在する場合であ
っても、次の二つの条件を満たせば特に速やかなピント
合わせが必要なカメラ用の焦点検出装置としても問題は
ない。その条件とは、正確な合焦判定を得るためには、
以下に示す条件を満たすことが必要である。
【0030】(1)少なくとも対物レンズが合焦してい
るとき、検出対象となる一対のセンサ列上には物体上で
同一位置に対応する二次物体像が投影されていること、
つまり、センサ列に直交する方向において二像の倍率差
が小さいこと。
【0031】(2)また、正確なデフォーカス検出を得
るために、対物レンズのデフォーカスが生じた際、検出
対象となる一対のセンサ列上には物体上で同一位置に対
応する二次物体像が位置的な位相差を持って投影されて
いること。
【0032】さて、このような観点からこの焦点検出系
の像とセンサについて説明する。まず、瞳を縦方向に分
離する第1の焦点検出系については、第1の反射鏡10
4の傾きが瞳の分離方向と一致した図1の紙面内である
ために、二次物体像122g、122eの何れについて
も歪みはこの紙面に対称な扇形状となり、歪み自体はか
なり大きい。しかし、二像間での歪みの差に注目すれば
それは僅かであって、特に瞳の分離と直交する方向に相
当する図の横方向の像倍率差はほとんど無い。したがっ
て、例えば図6の如く受光エリアとセンサ列を配置すれ
ば、一方の受光エリア上の任意のセンサ列上に投影され
た物体像と対になる物体像は、他方の受光エリア上の対
応するセンサ列上に投影されることになる。つまり、上
記の条件(1)を満たす。
【0033】図10は2次像の移動方向を説明するため
に位相差検出方式の焦点検出系全体の役割を一般的に示
した要部ブロック図である。この図10において、51
0は物体、511は対物レンズ、514は焦点検出光学
系、515は光電変換素子である。焦点検出光学系51
4にはフィールドレンズとかフィーフドミラーといった
光学素子からなる瞳投影光学系512と、一対の結像レ
ンズ等で構成される再結像光学系513が含まれてい
る。516は光電変換素子の出力を処理するマイクロプ
ロセッシングユニットである。
【0034】ここで光電変換素子515に投影される物
体の2次像に歪が生じる要因は瞳投影光学系512と再
結像光学系513にあり得る。詳細にはこれらの光学系
について別個に光線トレースを行うことによって歪曲に
ついてのそれぞれ性質を求めている。
【0035】仮に2次像の歪が再結像光学系に起因して
いる場合について、対物レンズのデフォーカスに伴う2
次像の移動を1次像面に置き換えて考えれば、1次像面
に於いては再結像光学系の絞り開口の並び方向に正確に
移動している物体像が再結像光学系によって歪められて
光電変換素子上に投影されていると理解できるわけで、
2次像の移動は歪に沿った方向となることがわかる。逆
に瞳投影光学系に起因している場合には、1次像面上に
すでに歪んだ像があってこれを視差を持った再結像光学
系が歪みなく光電変換素子上に投影していると理解でき
るため、対物レンズのデフォーカスに伴う2次像の移動
方向は再結像光学系の絞り開口の並び方向となることが
判る。
【0036】さて、図4に戻ってこの焦点検出光学系に
よる歪曲の主な要因を考える。まず、簡単な光学的考察
よりこの内の再結像光学系のみを通して逆投影した光電
変換素子上の格子はかなり歪みが少ないことが判る。つ
まり、二次物体像の歪みの要因は第1の反射鏡104す
なわち瞳投影光学系にあり、第1の反射鏡104の近軸
的結像面105に生じた歪が、再結像レンズブロック1
09によってそのままエリアセンサ111上に投影され
ているといえる。
【0037】したがって、二次物体像の移動方向は絞り
開口部108e、108fの並び方向であって、像倍率
の変化分を取り除けばエリアセンサ上で図105に示す
矢印の方向である。上記のようにセンサ列を設定するこ
とによって同時に(2)の条件をも満たし、これをもっ
て二次物体像の相対的位置関係を比較し、対物レンズの
デフォーカス量を求めることが可能である。
【0038】図8は、このように配置した受光エリアに
よる撮像面上での焦点検出領域を示す。歪みのある二次
物体像を矩形に整列した受光エリア111g、111e
で光電変換するために、焦点検出領域103は撮像面1
30内で図のように歪んだ形状となる。
【0039】次に、瞳を横方向に分離する第2の焦点検
出系について説明する。二像間での像倍率差が瞳の分離
と直交する方向で小さくなるのは、今度は撮像面の中央
部に近い領域だけである。そこで、この部分だけに受光
エリアを限定すれば、一方の受光エリア上の任意のセン
サ列上に投影された物体像と対になる物体像は、他方の
受光エリア上の対応するセンサ列上に投影され、上記の
条件(1)を満たすことになる。
【0040】図7は図6に示した第1の焦点検出系の受
光エリア111g、111eに加えて第2の焦点検出系
のための受光エリア111f、111hを描いたエリア
センサの平面図である。対となる二次物体像122f、
122hの移動方向は第1の焦点検出系と同様の理由か
ら絞り開口部108f、108hの並び方向であって、
センサ列を図のように設定することによりすでに(2)
の条件も満たすことができている。このような受光リエ
アによる撮像面上での焦点検出領域は図9に示すとおり
であり、焦点検出領域134は撮像面130内の中央部
となる。
【0041】以上に示した焦点検出領域を分割して複数
の焦点検出視野を設定し、より細分化された焦点情報を
得られるようにすれば、撮像面上のデフォーカスマップ
から、主となる被写体の中で最も適切な位置に対物レン
ズのピントを自動制御することも可能である。
【0042】図17は焦点検出装置の回路構成を示すブ
ロック図である。エリアセンサ111にはインターフェ
イス回路160が接続され、さらにインターフェイス回
路160は処理装置であるマイクロコンピュータ165
に接続されている。マイクロコンピュータ165によっ
て焦点検出に用いるエリアセンサ111の受光エリア内
の領域指定や、光電荷の蓄積制御が行われる。マイクロ
コンピュータ165はCPU(中央処理部)161、R
OM162、RAM163、EEPROM(電気的消去
可能プログラマブルROM)164を有し、ROM16
2に格納されているプログラムに従って焦点検出処理動
作を実行する。また、EEPROM164には焦点検出
光学系の光学情報が調整行程などによって予め格納され
いる。
【0043】図12は焦点検出視野の分布の様子をカメ
ラのファインダーから見た状態として示した図である。
図13に以後説明に用いる焦点検出視野の名称を示し
た。撮影画面201の中央部に千鳥状に配置された合計
45個の焦点検出視野があり、各行はそれぞれ7,1
0,11,10,7個の焦点検出視野よりなっている。
第1の焦点検出系は45個の焦点検出視野のすべてを、
また、第2の焦点検出系は焦点検出視野TO、UL1、
UR1、C0、DL1、DR1、B0を構成し、各焦点
検出視野にはエリアセンサのセンサ列を分割して用いて
いる。
【0044】図14は第1の焦点検出系の受光エリアを
示した図である。受光エリア202、203は、図15
に示した3タイプのセンサ列タイプA、B、Cを組み合
わせることによって構成されている。各サンサー列は焦
点検出回路によって蓄積時間が同一に制御される複数の
隣接した画素から成る固定された画素領域を有し、図で
はこのような画素領域をハッチングで示している。セン
サ列タイプAには3つの画素領域が、センサ列タイプ
B、Cには2つの画素領域がそれぞれ充てられている。
焦点検出光学系を通してこれらの画素領域に入射する光
の強さに応じて、画素領域毎の蓄積時間は独立に制御さ
れ、各々適切なレベルの像信号を得ることが可能であ
る。
【0045】図18はエリアセンサ蓄積制御回路の要部
である。各画素領域の対ごとに最大値検出回路部と差動
アンプを持ち、各差動アンプの出力が共通の所定レベル
(VR)に到達するまで蓄積を行い、到達した時点で蓄
積動作を終了し、読みだし信号(ΦR)を各画素領域毎
に送る。回路規模の縮小のため、制御回路51は基準ク
ロック信号ICLKに基づいて各画素領域毎に設けられ
たアナログスイッチAS1a、AS1b〜ASna、A
Snb(nは一つの受光エリアにおける画素領域の数)
を順次走査し、共通のコンパレータCOMで全領域の蓄
積終了判断を行う様に構成されている。
【0046】図16は図12に示した45個の焦点検出
視野の中心を受光エリア202上に投影した状態を示す
図である。なお、受光エリア203上への投影もほぼ同
等と考えてよい。図中、円の中心が各焦点検出視野の中
心の投影位置であって、第1の反射鏡104による像の
歪曲の為に千鳥状に整列していた焦点検出視野がこでは
円弧に添った形に配列される。
【0047】なお、図10を用いて先に説明したよう
に、対物レンズのデフォーカスに伴って、物体像が移動
する方向は、像倍率の変化分を取り除けば図5の矢印方
向となる為、センサ列を像の歪曲に合わせて配置するの
は適切でない。
【0048】一般に、エリアセンサの画素間には配線を
通すスペースを必要とする為に、リニアセンサの場合よ
りも像の位相がセンサ出力に反映されにくく、エリアセ
ンサを焦点検出に用いると焦点検出精度の低下がしばし
ば起こる。図16に示したエリアセンサでは、焦点検出
の精度をできるだけ上げる為に、ほとんどの焦点検出視
野に対して、歪曲した像に関して互いの位相差が1/2
画素相当となる並列した二つの画素領域を用意し、各画
素領域での焦点検出結果の平均値を出力するようにして
いる。この場合、最終的な焦点検出結果では像の位相検
出誤差が打ち消され、特に高周波成分の多い物体パター
ンで検出精度の向上が期待できる。
【0049】各焦点検出視野を構成するセンサ列タイプ
を以下に示す。
【0050】
【表1】
【0051】複数のセンサ列タイプを用い、さらに、例
えば焦点検出視野TL6・CL6・BL6の列のように
使用するセンサ列タイプをA/C・A/A・A/Aとい
う具合に乗り移らせることによって、像の歪曲を許容し
ながらも千鳥状の焦点検出視野配置が可能となってい
る。
【0052】図19はROMに格納されている焦点検出
処理プログラムのフローチャートである。マイクロコン
ピューターが焦点検出処理を開始すると、先ずステップ
#101で光電荷の蓄積をエリアセンサ111に対して
指示する。このとき光電荷が所定量になるように画素領
域毎に蓄積時間が制御され、後のステップで取り出され
る像信号の大きさは物体の輝度に関わらずほぼ一定とな
る。
【0053】続くステップ#102では撮影者の視野位
置を検出する不図示の視線検出手段の出力や、対物レン
ズの開放Fナンバー情報に基づいて、一つまたは複数の
焦点検出視野を決定する。
【0054】撮像面30上での焦点検出視野が決定する
とステップ#103に移行し、二次物体像の光量分布に
応じて蓄積された電荷を像信号として読み出してRAM
に格納する。
【0055】所定の受光エリアからの像信号の読み出し
が完了した後、続くステップ#104ではEEPROM
に格納されている焦点検出光学系の情報に従って、その
像信号を焦点検出処理に適した形に変換する。具体的に
は、瞳を縦方向に分離する第1の焦点検出系について、
後述する如く演算上で歪曲を整える処理と、デフォーカ
スに伴う像の移動速度を一定に変換する補正処理を行
う。以降、対物レンズのデフォーカスに伴う像の移動速
度を像ズレ敏感度と呼ぶことにする。
【0056】ステップ#105では、像信号の低周波成
分を取り除くフィルター処理を施す。
【0057】最後にステップ#106では、ステップ#
104、ステップ#105で処理された像信号に対して
公知の像間隔検出処理を施し、先に設定された焦点検出
視野の焦点状態が検出される。
【0058】次に、ステップ#104に示した像信号の
補正処理について詳述する。大きく分けてこの補正処理
は次の二つの段階よりなる。 ・焦点検出光学系の周辺光量落ちの補正 ・像の歪曲と像ズレ敏感度の補正
【0059】第1段階の周辺光量落ちの補正はその次に
行う歪曲と像ズレ敏感度の補正の前処理であって、高精
度に二像間の距離を検出するために必要となる。また、
像の歪曲と像ズレ敏感度の補正では、対となる二つの像
の歪曲を同一とし、さらに対物レンズのデフォーカスに
伴う像の移動を信号上で一律に変換することができる。
すなわち、像ズレ敏感度の補正とは、デフォーカスに伴
って像が速く移動する焦点検出視野上の位置ではピッチ
の大きい画素で光電変換し、逆に像が遅く移動する位置
ではピッチの小さい画素で光電変換する状態を演算上で
仮想的に作り出す処理と言える。このときどこの位置で
も仮想画素の面積は同一である。
【0060】では、先ず周辺光量落ちの補正から説明す
る。二次物体像を図14の如く同一形状の画素を整列さ
せたセンサ列を用いて同一時間だけ光電変換すると言う
ことは、センサ列に入射する単位面積当たりの光束、す
なわち照度を調べることに相当する。
【0061】一般に、均一輝度面の光学像の照度は結像
系の焦点距離や倍率に依らずFナンバーで決定される。
この性質をこの焦点検出系に当てはめて考えると、一対
の再結像光学系についてのセンサ列と絞り開口との関係
が軸対称性を持つことから、センサ列上にも軸対称性を
持つ照度分布が生じ、その分布はコサイン4乗則で決ま
る。図20はセンサ列から得られる均一輝度面に対応し
た像信号を表す図である。横軸は画素位置、縦軸がその
出力となっており、照度分布となる像信号は実線17
0、171で示される。二次物体像が有する軸対称性の
ない歪曲とは無関係に像信号は対称性を呈している。
【0062】このような像信号に対し、焦点検出光学系
の周辺光量落ちの補正は、均一輝度面に対応した像信号
のピーク値と各画素の出力との比を各画素の出力に乗
じ、演算上で破線172、173で示した出力に補正す
るものである。これは後の像の歪曲と像ズレ敏感度の補
正では仮想サンプリング点を撮像面上に形成することか
ら、再結像光学系を通る前の、つまりコサイン4乗則に
よる光量落ちが生じる前の光量分布を再現する必要があ
るためである。
【0063】次に、像の歪曲と像ズレ敏感度の補正につ
いて説明する。図21は第1の焦点検出系の光路を説明
するための図である。図は第1の焦点検出系の焦点検出
視野の端部に達する光束のうち、絞り開口部108e、
108gの重心を通る光線を描いている。なお、簡単の
ために主にミラー103と第2の反射鏡106を省略
し、光路を展開した。
【0064】第1の反射鏡104が対物レンズの光軸1
01に対して斜設されているため、絞り108と第1の
反射鏡104との距離は焦点検出視野上の位置によって
異なる。先に説明したように第1の反射鏡104にはフ
ィールドレンズとしての作用があり、絞り108が対物
レンズ側に投影される際に、この距離差が原因となって
その像180、181は図のように斜めになる。これを
換言すれば、撮像面102上に図示の如く点PA、P
B、PCを定義したときに、これらの点から絞りの像1
80、181の重心を見込む角θ1、θ2、θ3の間に
は θ1<θ2<θ3 ………(1) なる大小関係があるということになる。
【0065】すなわち、対物レンズの瞳を二つに分割し
たときの視差θ1、θ2、θ3が焦点検出視野上の位置
によって異なり、対物レンズのデフォーカスで二つの像
が互いに近づいたり遠ざかったりする速度は一律でな
い。
【0066】しかも、二つの像の歪曲は厳密には同じで
はなく、図6の上下方向、つまりセンサ列の方向につい
て言えば、二次物体像122gの方が二次物体像122
eよりも大きく投影されている。このように像同士の大
きさが異なって二像の相似性が低い状態では、検出さ
れ、 K=k0 +k1 ×Sl(J)+k2 ×Sl(J)2 ………(2)
【0067】ここで、Kは像ズレ敏感度、Sl(J)は
x=0の位置からJ番目の画素の仮想サンプリング点の
位置、k0 、k1 、k2 は像ズレ敏感度の分布を表す係
数である。また、x=0の位置を基準とした像ズレ敏感
度の比Hの分布は、 H=K/k0 ………(3) である。
【0068】1次像面上での仮想サプリングピッチが像
ズレ敏感度に反比例すれば、見かけ上、像の移動速度は
一定になることから、一次結像面上でのサンプリングピ
ッチP(J)と像ズレ敏感度の比HにはAを定数として
式(4)のような関係があればよい。 P(J)=A/H ………(4) (Aは例えば A=pp×β pp=画素ピッチ
β:基準倍率)
【0069】ここで、簡単のために無限に細かい仮想サ
ンプリング点を考える。原点から仮想サンプリング点ま
での距離Slは、ピッチの足し合わせで表せるから、t
を距離Slの分割量として、 Sl=∫Pdt ………(5) なる関係がある。また、一次結像面上でのサンプリングピッチPは、 P=dSl/dt ………(6) のように、Slのtによる微分形として書き換えること
もできる。したがって、式(2)、(3)、(4)、
(6)より dSl/dt=A×k0 /(k0 +k1 ×Sl+k2 ×Sl2 ) ………(7) なる関係が導ける。
【0070】t=0のときSl=0なる境界条件の下
に、式(7)の微分方程式を解き、さらに、Slを離散
的な値Sl(J)に戻すと Sl(J)×(k0 +(k1 /2)×Sl(J)+(k2 /3)×Sl(J) 2 )=A×k0 ×t ………(8) となる。
【0071】最後に、t=J×t1 とし、適当な大きさ
のt1 を定めて、各JについてのSl(J)を求めれ
ば、Sl(J)以外はすべて定数となるため、{………
Sl(−2)、Sl(−1)、Sl(0)、Sl
(1)、Sl(2)………}なる数列を知ることがき
る。なお、t1 をSl(J)=pp×βのときのtとし
て式(8)から求めれば、原点付近の実サンプリング点
のピッチと仮想サンプリング点のピッチとがほぼ等しく
なる。
【0072】次に、撮像面130上におけるセンサ列に
よる実際のサンプリング点を求める。Xとxは、βを基
準倍率(x=0での倍率)として歪曲収差h(x)によ
って、 X=x×(β×(1+h(x)) ………(9) なる関係にある。さらに、センサ列を構成する画素のピ
ッチをpp(定数)とおけば、 X(n)=pp×J×(β×(1+h(pp×n))) ………(10) で表されるX(n)は実サンプリング点となる。したが
って、式(10)から算出される撮像面上の像のサンプ
リングピッチは、二次物体像の歪曲によって不等間隔で
あることが分かる。
【0073】前述したように、二次物体像の明るさは結
像光学系の焦点距離、倍率、歪曲等に依らずFナンバー
で決まる。また、二次物体像を等面積の画素で光電変換
した結果は像の照度分布を表している。そこで、各画素
出力が受光開口の重心位置における照度を代表している
と考えれば、センサ列の出力は撮像面を不等間隔にサン
プリングした点の照度を意味することになる。逆に言え
ば、同一面積の開口を持った画素を不等間隔に置いたと
きの出力に等しい。
【0074】すなわち、二点間の光量変化は直線的であ
るという仮定の下に、撮像面上の任意の点の照度は、そ
の点を挟む実サンプリング点の出力を補間することによ
って求めることができる。隣り合う実サンプリング点、
例えばX(n)、X(n−1)の間には、仮想サンプリ
ング点が複数ある場合や単数ある場合、あるいは全くな
い場合もあるが、何れにしても仮想サンプリング点の両
隣の実サンプリング点を用いることで、より高い補間精
度が期待できる。また、像信号にはすでに焦点検出光学
系の周辺光量落ちの補正が成されているので、補間演算
で二つの画素出力を合成することの弊害もない。
【0075】では、図22を用いて像信号の補正につい
て説明する。この図22において横軸は撮像面上に定義
したセンサ列方向の軸、縦軸は画素出力である。図では
実サンプリング点X(−12)、X(−11)、X(−
10)、X(−9)、X(−8)と、仮想サンプリング
点Sl(−12)、Sl(−11)、Sl(−10)、
Sl(−9)を含む領域について示している。
【0076】図8で撮像面上に投影されたセンサ列が下
方に行に従って伸びていることが、図5では実サンプリ
ング点X(−12)、X(−11)、X(−10)、X
(−9)、X(−8)の間隔が右に行くに従って伸びて
いることに対応し、また、式(1)で表される視差の変
化は、仮想サンプリング点Sl(−12)、Sl(−1
1)、Sl(−10)、Sl(−9)の間隔が左に行く
に従って伸びていることに相当する。
【0077】上記の手法に従って、Sl(−12)はX
(−12)とX(−11)から、Sl(−11)はX
(−10)とX(−9)から、Sl(−10)とSl
(−9)はX(−9)とX(−8)から算出される。例
えばSl(−12)の像出力についての算出式は、 W(−12)=(Sl(−12)−X(−12))/(X(−11)−X(− 12)) ………(11) IMF(−12)=(IMO(−11)−IMO(−12))×W(−12) +IMO(−12) ………(12) である。
【0078】すなわち、Sl(J)での補正された像信
号を求めるための一般式は、 X(n)<Sl(J)≦X(n+1) ………(13) を満たすnに対して、 W(J)=(Sl(J)−X(n))/(X(n+1)−X(n)) ………(14) IMF(J)=(IMO(n+1)−IMO(n))×W(J)+IMO(n ) ………(15) となる。
【0079】焦点検出装置内の実際の処理では、二次物
体像の歪曲収差h(x)と像ズレ敏感度Kに基づいて、
予め式(14)によるW(J)の配列と、Jとnとの対
応関係を算出しておき、式(15)の処理を行えばよ
い。
【0080】また、実サンプリング点を求めるための式
(9)に焦点検出光学系の製造誤差を補正する項を盛り
込んでおけば、製品個々に対してより高い精度で像の歪
曲の補正を行うことができる。エリアセンサ111上に
形成される物体の二次像は、レンズブロック109上の
対となるレンズ部の間隔変動によって動くが、ほぼ歪み
を同一として設計値からシフトすると考えて良い。した
がって、二次物体像の移動距離をδとして、実サンプリ
ング点を求めるための式を、 X=(x−δ)×(β×(1+h(x−δ)) ………(16) のように書き換えることが有効である。δは焦点検出装
置の調整時にEEPROM164に格納する調整データ
の一つとすればよい。
【0081】さらに、二次物体像の歪曲と像ズレ敏感度
の変化は、何れもセンサ列間での差が極めて小さいた
め、W(J)の配列と、Jとnとの対応関係は同じもの
を用いても差し支えない。
【0082】図15に示したように、蓄積時間が同一に
抑制される画素領域のセンサ列内での位置に関して、セ
ンサ列を複数のグループに分類しておけば、すでにグル
ープ毎に使用する画素が決まって為、特定の画素領域の
みに対して上記補正演算を適用するようにもできる。こ
のように構成すると、演算処理の高速化に有利である。
【0083】なお、以上は二次物体像の光量分布の最大
照度とゼロレベルとの間を含むように取り出した像信号
について、歪曲と像ズレ敏感度の補正を説明したが、最
大照度と最低照度との間を含むように取り出した像信号
についても同一の処理が適用できる。
【0084】(第2の実施形態)次いで、本発明の第2
の実施形態について説明する。図23〜図26は、第2
の実施形態を説明するための図である。
【0085】先ず、図23は焦点検出視野の分布の様子
をカメラのファインダーから見た状態として示した図で
あって、図24に以後説明に用いる焦点検出視野の名称
を示した。撮影画面210の中央部に格子状に配置され
た第1の焦点検出系による合計25個の焦点検出視野が
あり、各行はそれぞれ7,11,7個の焦点検出視野よ
りなっている。
【0086】第1の実施形態と同様に、各焦点検出視野
にはエリアセンサのセンサ列を分割して用いており、図
25に示した2タイプのセンサ列タイプD、Eを組み合
わせることによって全体の受光エリアが構成されてい
る。各センサ列は焦点検出回路によって蓄積時間が同一
に制御される複数の隣接した画素から成る固定された画
素領域を有し、図ではハッチングで示している。センサ
列タイプDには1つの画素領域が、センサ列タイプEに
は2つの画素領域がそれぞれ充てられている。焦点検出
光学系を通してこれらの画素領域に入射する光の強さに
応じて、画素領域毎の蓄積時間は独立に制御され、各々
適切なレベルの像信号を得る事が可能である。
【0087】図26は図23に示した25個の焦点検出
視野の中心を受光エリア211上に投影した状態を示す
図である。なお、不図示の他方の受光エリアへの投影も
ほぼ同等と考えてよい。図中、円の中心が各焦点検出視
野の中心の投影位置であって、第1の反射鏡104によ
る像の歪曲の為に格子状に整列していた焦点検出視野が
ここでは円弧に添った形に配列される。
【0088】各焦点検出視野を構成するセンサ列タイプ
を以下に示す。
【0089】
【表2】
【0090】複数のセンサ列タイプを用い、さらに、例
えば焦点検出視野TL6・CL6・BL6の列のように
使用するセンサ列タイプをE・D・Eと乗り移らせるこ
とによって、像の歪曲を許容しながらも格子状の焦点検
出視野配置が可能となっている。
【0091】
【発明の効果】本発明の焦点検出装置によれば、焦点検
出光学系の歪曲収差を許容しつつ、簡単なセンサ構成で
検出精度の高い千鳥状あるいは格子状の焦点検出視野を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焦点検出装置を構成する主要部分を示
す模式図である。
【図2】本発明の焦点検出装置を構成する主要部分を示
す模式図である。
【図3】焦点検出装置の絞りを示す平面図である。
【図4】エリアセンサ上の二次物体像の様子を示す模式
図である。
【図5】二次物体像の移動方向を示す模式図である。
【図6】受光エリアの配置を示す模式図である。
【図7】エリアセンサの平面図である。
【図8】映像面上での焦点検出視野を示す模式図であ
る。
【図9】撮像面上での焦点検出視野を示す図である。
【図10】位相差検出方式の焦点検出系全体の役割を一
般的に示した要部ブロック図である。
【図11】カメラの断面図である。
【図12】焦点検出視野の分布の様子をカメラのファン
イダーから見た状態として示した模式図である。
【図13】説明に用いる焦点検出視野の名称を示す模式
図である。
【図14】第1の焦点検出系の受光エリアを示した図で
ある。
【図15】第1の実施形態において、センサ列タイプの
を説明するための模式図である。
【図16】図12に示した焦点検出視野の中心を受光エ
リア上に投影した状態を示す模式図である。
【図17】焦点検出装置の回路構成を示すブロック図で
ある。
【図18】エリアセンサ蓄積制御回路の要部を示す回路
図である。
【図19】焦点検出処理プログラムのフローチャート図
である。
【図20】センサ列から得られる均一輝度面に対応した
像信号を表す特性図である。
【図21】第1の焦点検出系の光路を説明するための模
式図である。
【図22】像信号の補正を説明するための模式図であ
る。
【図23】焦点検出視野の分布の様子をカメラのファイ
ンダーから見た状態として示した模式図である。
【図24】説明に用いる焦点検出視野の名称を示す模式
図である。
【図25】第2の実施形態におけるセンサ列タイプを説
明するための模式図である。
【図26】図23に示した焦点検出視野の中心を受光エ
リア上に投影した状態を示す模式図である。
【符号の説明】
101 対物レンズの光軸 103 主ミラー 104 第1の反射鏡 106 第2の反射鏡 107 赤外線カットフィルター 108 絞り 109 再結像レンズブロック 110 第3の反射鏡 111 エリアセンサ 130 撮像面 160 インターフェイス回路 161 CPU 162 ROM 163 RAM 164 EEPROM 202,203,211 受光エリア 401 対物レンズ 403 フォーカシングスクリーン 404 ペンタプリズム 405 接眼レンズ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズと、前記対物レンズからの光
    束を受容する一対の結像光学系と、多数の画素からなる
    複数のセンサ列が並列配置されてなる複数の受光領域を
    備えた光電変換素子と、前記光電変換素子を駆動してそ
    の出力を処理する焦点検出回路とを備えた焦点検出装置
    において、 前記一対の結像光学系を介して前記光電変換素子上に視
    差を持った一対の物体像を投影することにより、前記対
    物レンズの焦点状態を検出するための焦点検出視野を形
    成し、前記焦点検出回路において前記光電変換素子の出
    力を基に前記一対の物体像の相対的位置関係を検出し
    て、前記対物レンズの焦点状態を検知する機能を有して
    おり、 前記センサ列内には、前記焦点検出回路により蓄積時間
    が略同一に制御される複数の隣接した画素からなる固定
    された画素領域が設けられているとともに、前記受光領
    域を構成するセンサ列が前記画素領域の位置に関して複
    数のグループに分類されていることを特徴とする焦点検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記焦点検出回路は、前記対物レンズの
    射出瞳を縦方向に分離する第1の焦点検出系と、前記射
    出瞳を横方向に分離する第2の焦点検出系とを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
  3. 【請求項3】 前記対物レンズと前記一対の結像光学系
    との間に、前記対物レンズの透過光束を反射収斂して前
    記対物レンズの光軸と異なる方向に光路を偏光させる反
    射鏡を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    焦点検出装置。
  4. 【請求項4】 前記反射鏡で偏光された光束から赤外線
    を除去する赤外線除去フィルタを有することを特徴とす
    る請求項3に記載の焦点検出装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記対物レンズが合焦してい
    る際に、検出対象となる前記光電変換素子の一対の前記
    センサ列上に、物体上で同一位置に対応する2次物体像
    を投影することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の焦点検出装置。
  6. 【請求項6】 前記対物レンズにデフォーカスが生じた
    際に、検出対象となる前記光電変換素子の一対の前記セ
    ンサ列上に、物体上で同一位置に対応する2次物体像を
    相対的な位相差を持つように投影することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の焦点検出装置。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子の前記受光領域は、相
    異なる複数の前記センサ列が所定の順序で繰り返し配置
    されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の焦点検出装置。
  8. 【請求項8】 前記センサ列は、3つの前記画素領域が
    接続してなる第1のセンサ列と、2つの前記画素領域が
    所定間隔をもって隣接してなる第2のセンサ列と、2つ
    の画素領域が前記第2のセンサ列の前記画素領域の間隔
    に比して大きい間隔をもって隣接してなる第3のセンサ
    列とから構成されていることを特徴とする請求項7に記
    載の焦点検出装置。
  9. 【請求項9】 前記センサ列は、1つの前記画素領域を
    有する第4のセンサ列と、2つの前記画素領域が所定間
    隔をもって隣接してなる第5のセンサ列とから構成され
    ていることを特徴とする請求項7に記載の焦点検出装
    置。
  10. 【請求項10】 前記光電変換素子は、前記焦点検出視
    野に対して、歪曲した物体像に関して互いの位相差が1
    /2画素相当となる並列した2つの前記画素領域を有
    し、前記各画素領域における焦点検出結果の平均値を出
    力することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に
    記載の焦点検出装置。
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