JP3476445B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

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JP3476445B2 JP2001199219A JP2001199219A JP3476445B2 JP 3476445 B2 JP3476445 B2 JP 3476445B2 JP 2001199219 A JP2001199219 A JP 2001199219A JP 2001199219 A JP2001199219 A JP 2001199219A JP 3476445 B2 JP3476445 B2 JP 3476445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性表面波素子
に関し、圧電基板上に弾性表面波を励振する電極を備え
た弾性表面波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波を利用したフィルタや共振器
は小型、安価といった特長がある。そのため今日では、
携帯電話等の通信機器のバンドパスフィルタや分波器で
は、弾性表面波素子は幅広く用いられている。
【0003】近年、携帯電話などの高性能化に伴い、弾
性表面波素子を用いたフィルタにもさらなる高性能化が
求められている。たとえば温度変化によって通過帯域が
移動してしまうという問題があり、温度安定性の改善が
要求されている。
【0004】現在、弾性表面波素子用基板材料として多
用されているタンタル酸リチウム(以下LT)は、広帯
域のフィルタ特性を実現するのに有利な材料であり、大
きな電気機械結合係数を持つ圧電材料である。しかし、
水晶基板に比べ温度安定性に劣るという欠点を持ってい
る。圧電材料の一般的な傾向として、電気機械結合係数
の大きな材料は温度安定性に劣り、逆に、温度安定性に
優れた水晶などの材料は、電気機械結合係数が小さいと
いう欠点を持つ。
【0005】これまで、大きな電気機械結合係数と優れ
た温度安定性を持った材料を実現するために、さまざま
な方法が提案されている。例えば、ニオブ酸リチウム
(以下LN)あるいはLT基板表面の全体に、逆の温度
係数をもつ石英膜を成膜した基板が提案されている(IE
EE Trans.on Sonicsand Ultrasonics., vol.SU-31,pp.5
1-57,1984)。また、LT基板表面に波長以下程度の分
極反転層を形成し、その電界短絡効果を利用することに
よって、温度安定性の向上を実現したものもある(日本
国特許第2516817号公報)。
【0006】さらに、薄い圧電基板と厚い低膨張材料基
板とを直接接合によって接合し、圧電基板の温度変化に
よる伸縮を抑制して、温度安定性の向上を実現しようと
した弾性表面波素子もあり(特開平11−55070号
公報,Proc. of IEEE Ultrasonics Symposium,pp.335-3
38,1998他)、これと同様の構造を接着剤などを用いて
実現した素子もある(第20回超音波シンポジウム1999
年11月)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大きな電気機械結合係
数を持ち、かつ温度安定性に優れた弾性表面波素子を実
現するために提案されたもののうち、LNあるいはLT
基板表面全面に石英膜を成膜した基板では、石英膜の膜
質を一定に制御することが難しい。また、温度特性改善
のために櫛形電極(以下IDT)上にも石英膜を成膜し
ているので、弾性表面波の伝播損失が大きくなることな
どから、実用化されていない。
【0008】また、LT基板表面に、分極反転層を形成
する方法では、キュリー点直下の高温(≦600℃)で
のアニールが必要であるので、分極反転層の深さの制御
性に難がある。圧電基板に低膨張材基板を接合するもの
では、温度変化による伸縮を抑制して、より高い効果を
得るためには接合面を鏡面とする必要がある。しかし、
その結果、接合界面でパルク波の反射が起こり、弾性表
面波に影響を与え、フィルタ特性の劣化を引き起こすな
ど課題があり、実用化されていない。
【0009】この問題に対して、特開2001−535
79号公報には、LT基板裏面を粗面化した後、接着剤
を用いて低膨張材と接合を行った素子が提案されてい
る。しかし、この素子も界面の接着力の低下に伴い、温
度安定性の改善効果も低下している。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、圧電基板の
表面上に弾性表面波を励振するための櫛形電極が形成さ
れ、前記櫛形電極が形成された領域の圧電基板の裏面側
に凹部が形成され、その凹部に低膨張部材が形成されて
いることを特徴とする弾性表面波素子を提供するもので
ある。この発明によれば、電気機械結合係数を低下させ
ることなく、温度安定性を向上させることができる。
た、この発明は、一方の表面上に弾性表面波を励振する
ための櫛形電極が形成される圧電基板と、熱膨張係数が
前記圧電基板よりも小さい低膨張部材からなる基板とを
接合する工程と、前記櫛形電極が形成される領域と対応
する領域の前記低膨張部材からなる基板に貫通穴を形成
し、前記低膨張部材の貫通穴の深さが、低膨張部材の厚
さより大きくなるようにした工程を有することを特徴と
する弾性表面波素子の製造方法を提供するものである。
また、前記貫通穴を形成した後、前記低膨張部材の貫通
穴に接合した前記圧電基板の表面を、粗面化する工程を
行うようにしてもよい。さらに、前記粗面化工程の後、
前記圧電基板の前記櫛形電極が形成された表面上に、弾
性表面波の波長の5倍以下の厚さの分極反転層を形成す
る工程を行うようにしてもよい。
【0011】また、この発明は、弾性表面波を励振する
ための櫛形電極が一方の表面に形成された圧電基板と、
櫛形電極が形成されていない他方の表面に密接し、熱膨
張係数が前記圧電基板よりも小さく、前記櫛形電極が形
成された領域と対応する領域に凹部が形成された低膨張
部材とからなることを特徴とする弾性表面波素子を提供
するものである。この発明によれば、温度安定性の向上
とともに、接合界面でのバルク波の反射による弾性表面
波への影響を抑制でき、フィルタ特性の劣化を防止でき
る。
【0012】ここで、温度安定性の向上のためには、前
記低膨張部材の凹部の深さは、低膨張部材の厚さに等し
いかまたは大きくすることが好ましい。また、バルク波
の反射による影響の低減のためには、前記低膨張部材の
凹部に密接する前記圧電基板の表面が、粗面化されるこ
とが好ましい。さらに、前記圧電基板の前記櫛形電極が
形成された表面上に、弾性表面波の波長の5倍以下の厚
さの分極反転層を備えてもよい。これにより、温度安定
性をより向上できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。以下の実施例に示した温
度安定性を示す数値は、有限要素法を用いた構造解析シ
ミュレーションによって計算した。温度変化を与えた場
合のシミュレーションによって求められる熱応力Tと、
表面弾性波素子の温度安定性を示す周波数温度特性(Te
mperature Coefficient of Frequency、以下TCFとい
う)との間に、近似的に以下の関係があることがわかっ
た。 TCF=0.00033・T2−0.0862・T−3
9.84 TCFの単位はppm/℃、応力Tの単位はMPaであ
る。
【0014】以下の実施例中のTCF値は、この関係か
ら導かれたものを示している。温度安定性向上のための
対策をしていないLT−42°Y−X基板上に櫛形電極
を形成した表面弾性波素子のTCFは、約−40ppm
/℃である。ここで温度安定性向上のための対策をして
いない基板とは、この基板上に、弾性表面波(以下、S
AWという)を励振するための櫛形電極(IDT)を単
に設けたものであり、低膨張材等を接合していない基板
である。
【0015】他の材料からなる基板、あるいは方位の異
なる基板を用いた場合は、厳密には、同様のシミュレー
ションと実験を行って、関係式を得る必要がある。但
し、LT基板のLT−42°Y−Xに近いカット角の基
板の場合には、前述の式で、T=0の時に、TCFがそ
のカット角のもともとのTCFになるように修正を加え
れば近似関係を得られる。
【0016】<第1実施例>図1に、この発明の弾性表
面波素子の第1の実施例の構成図を示す。この第1実施
例では、LT基板1上にアルミニウムを材料としたID
T型共振器2を形成し、基板1の表面のIDT型共振器
2の周囲の余白領域に、IDT型共振器2を囲むよう
に、LT基板1よりも熱膨張係数の小さい保護膜3を形
成する。この保護膜3は、石英(SiO2)膜で形成す
るものとする。保護膜3は、基板1の伸縮を制限する機
能を有する低膨張膜であり、基板1よりも熱膨張係数の
小さな膜であれば他の材料を用いてもよい。一般に、L
T基板1のSAWの進行方向の熱膨張係数T0は16.
1×10-6/℃であり、石英膜3の熱膨張係数T1
5.7×10-7/℃である。石英膜3の成膜法は、スパ
ッタ、CVD、蒸着、スピンコートなどを用いることが
でき、石英膜3のパターニング法は、エッチング、リフ
トオフ法などを用いることができる。
【0017】ただし、成膜法及びパターニング法は、I
DT型共振器2及びIDT型共振器2が形成された領域
の基板表面に悪影響を与える方法でなければこれ以外の
方法でも構わない。例えば、IDT型共振器2の周囲の
余白領域に石英膜3を形成した後に、IDT型共振器2
を形成するようにしても構わない。
【0018】IDT型共振器2とは、SAWを励振する
ためのいわゆる櫛形電極から構成されるが、一般に、中
央に、インターディジタルトランスデューサ(IDT)
を配置し、励振されたSAWの伝搬方向であって、その
IDTの両側に反射器を配置した構成を持つものであ
り、IDT及び反射器は、いずれも、アルミニウムや金
などの厚さ1μm以下程度の薄い金属膜で形成される。
【0019】LT基板1及び石英膜3の膜厚をパラメー
タとしてシミュレーションした結果を図2に示す。図2
において、この発明のサンプル1及び2とも、石英膜3
の膜厚W1を、櫛形電極の厚さW0(0.4μm)よりも
厚い50μmとし、サンプル3は、同じ厚さ(0.4μ
m)とした。図2には、比較のために従来の素子で、石
英膜を有していないもの(TCF=−40ppm/℃)
も示している。
【0020】IDTの周囲に50μm厚(W1)の石英
膜を形成した構造で、LT基板厚(L1)を350、1
50μmとしたサンプル1及び2の場合、応力Tはそれ
ぞれ−45.1、−84.6MPaとなるので、前記し
た式により、TCFは−36及び−31ppm/℃とな
る。したがってこのTCFの比較によれば、LT基板の
みの場合の−40ppm/℃に対して、それぞれ10
%、23%の温度安定性向上が可能である。
【0021】しかし、サンプル3のように、石英膜3の
膜厚が櫛形電極と同一である場合には、TCFは−3
9.9ppm/℃となるので、石英膜3の膜厚W1は少
なくとも櫛形電極の膜厚W0よりも厚くする必要があ
る。特に、石英膜3の膜厚W1は、櫛形電極の膜厚W0
対してW1≧50W0程度が好ましい。
【0022】また、LT基板1と石英膜3との熱膨張係
数の関係についても、LT基板の温度変化による伸縮を
抑えるという観点から、石英膜3の熱膨張係数T1は、
LT基板1の熱膨張係数T0よりも小さければよい。
【0023】さらに、図3に示したように、LT基板1
表面のIDT型共振器2の周囲の領域を数μm程度掘り
下げた後に、石英膜3を形成してもよい。IDT共振器
2の部分のLT基板1の伸縮が横方向からも抑えられる
ので、温度安定性が向上する。
【0024】<第2実施例>図4に、この発明の第2の
実施例の断面模式図を示す。LT基板1上にアルミニウ
ムを材料としたIDT型共振器2を形成し、LT基板1
のIDT型共振器2が形成されていない側である裏面に
キャビティ(凹部)4を形成する。
【0025】キャビティの形成法としては、エッチング
やサンドブラスト法を用いることができる。そして、キ
ャビティ4の底面に低膨張材5を成膜する。低膨張材5
としては、たとえば石英またはアルミナを用いることが
できる。これらの低膨張材5は、キャビティ4の形成後
に、第1実施例と同様にスパッタやCVDなどの方法で
形成可能である。
【0026】図4において、LT基板1の厚さL1を3
50μmとし、キャビティ4部分のLT基板の厚さL3
を30μm、低膨張材5の厚さL2を100μm程度と
する。キャビティ4は、IDT型共振器2が形成された
面と反対側の面でIDT型共振器2の領域と対応する領
域に形成し、キャビティ4の面積はIDT型共振器2が
形成された領域の面積と同程度とすればよい。たとえ
ば、IDT型共振器の形成領域を500μm×100μ
m程度の面積とすると、これと同程度の面積のキャビテ
ィ4を形成すればよい。
【0027】また、図5に示すように、キャビティ4の
くぼみ全体を埋めるように、低膨張材の小片を接着材な
どを用いて埋め込んでもよい。
【0028】図6に、キャビティ部分のLT基板1の厚
みL3、低膨張材5の厚みL2をパラメータとしてシミュ
レーションを行った結果を示す。サンプル2−1,2−
2は、図4に示した構成の場合であるが、低膨張材5と
して石英を用いた場合の応力が−42MPa、アルミナ
を用いた場合が−81MPaとなり、TCFはそれぞ
れ、−36ppm/℃、−32ppm/℃となる。低膨
張材5を30μm程度設けているので、いずれも従来の
サンプル(−40ppm/℃)よりもTCFは低くな
り、温度安定性を高くすることができる。
【0029】低膨張材厚を250μmとしたサンプル2
−3,2−4の構成(図5)では、低膨張材5として石
英を用いた場合は応力が−148MPa、アルミナを用
いた場合は−173MPaとなり、TCFはそれぞれ、
−22、−17ppm/℃まで低下する。すなわち、サ
ンプル2−1,2−2と比べて、低膨張材の厚さを厚く
した方が温度安定性が高くなる。また、石英の方がアル
ミナよりも熱膨張係数が小さいが、アルミナのヤング率
が大きいので、同じ膜厚の場合は、石英よりアルミナの
方がTCF改善効果が大きいことがわかる。
【0030】<第3実施例>図7に、この発明の第3の
実施例の断面模式図を示す。この実施例では、LT基板
1と低膨張材5からなる基板を直接接合により接合し、
キャビティ4を形成する。このキャビティ4は、IDT
型共振器2が形成された領域の裏面に形成する。また、
このキャビティ4は、このIDT型共振器2が形成され
た領域とほぼ同じ面積となるような大きさとする。たと
えば両領域は、100μm×400μmの矩形領域とす
る。
【0031】また、バルク波の反射の影響を低減するた
めに、このキャビティ4の中に露出したLT基板1の裏
面の部分は粗面化しておくことが好ましい。粗面化は、
サンドブラスト法により行えばよい。
【0032】製造法としては、LT基板1と低膨張材5
からなる基板を接合してから、サンドブラスト法などで
キャビティを形成すればよい。また、キャビティ4に相
当する貫通穴を低膨張材に空けておいて、それをLT基
板1に接合するようにしてもよい。また、図8に示すよ
うに、キャビティ4が低膨張材5の厚さより深く、LT
基板1もキャビティ4の一部となるようにしてもよい。
【0033】図9及び図10に、この発明の第3実施例
について、LT基板1の厚さ等をパラメータとしてシミ
ュレーションを行った結果を示す。図9は、低膨張材5
の厚さL5を一定値300μmとし、LT基板1の厚さ
1を変えた場合を示している。これによれば、LT基
板1の厚さL1を100μmとしたサンプル3−1の場
合に、応力Tが−214MPa、TCFが−8ppm/
℃となり、最も大きな効果が得られた。この場合、従来
の素子に比べてTCFは80%改善されている。
【0034】図10は、LT基板厚L1を100μm、
低膨張材5の厚さL5を300μmに固定し、キャビテ
ィ4の領域面積を変えた場合を示している。サンプル3
−1のキャビティ4の大きさは、100μm×400μ
mで、IDT型共振器2の形成領域と同じ大きさであ
る。サンプル3−4のキャビティの大きさは、IDT型
共振器2の形成領域の4倍であり、サンプル3−5のキ
ャビティの大きさは16倍である。図10によれば、サ
ンプル3−1の場合、応力Tが最も大きく、TCFは最
も小さく、温度安定性が最も良好であることがわかる。
【0035】<その他の実施例>また、バルク波の反射
の影響を少なくするためには、図11に示すように、キ
ャビティ4に、吸音材6を設けてもよい。たとえば、吸
音材6としては、エポキシなどの樹脂を用いることがで
きる。ここで、LT基板1の厚みL1等は、図7と同様
とすればよい。吸音材6は、100μm×400μmの
キャビティ4部分のLT基板1の裏面にスピンコートを
用いて塗布すればよい。
【0036】また、図12に示すように、キャビティ4
部分のLT基板1の裏面を粗面化した後に、このキャビ
ティ4部分にも、低膨張材7を形成してもよい。これに
よれば、さらに、LT基板1の伸縮が抑えられ、温度安
定性が向上できる。低膨張材7は、低膨張材5と同一の
石英等を用いてもよいが、LT基板1よりも熱膨張係数
の小さな材料であれば異なる材料を用いてもよい。
【0037】さらに、図13に示すように、図11に示
した吸音材6を形成した後に、残りのキャビティ4部分
に低膨張材7を形成してもよい。この構成でも、図7と
同様にバルク波の反射の抑制と、温度安定性の向上をす
ることができる。また、図9のように、LT基板1の裏
面を粗面化した後に、このキャビティ4部分は空間とし
たまま、低膨張材5に密接させて低膨張基板8を接合し
てもよい(図14参照)。これによれば、低膨張基板8
の接合工程より複雑な工程であるキャビティ4部分に低
膨張材等を埋め込むような工程を必要としないので、素
子形成工程の容易化、時間短縮が可能となる。
【0038】また、前記した第1、第2または第3の実
施例に示したLT基板1上のIDTが形成されている部
分に、従来から行われていた分極反転層を形成するよう
にすれば、より高い温度特性改善効果が得られる。ここ
で、分極反転層は、IDT型共振器2が形成されたLT
基板1の表面上でIDTが形成されている位置に、弾性
表面波の波長の5倍以下の厚さに形成することが好まし
い。
【0039】以上の実施例中で述べたパラメータ等の数
値、低膨張材料等は一例を示したものであり、これに限
られるものではない。弾性表面波素子も、1つの共振器
に限られるものではなく、複数個の共振器からなるラダ
ー型フィルタやDMSフィルタ、及びこれらのフィルタ
を用いたデュプレクサなどにも適用可能である。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、大きな電気機械結合
係数を維持したままで、温度安定性に優れた弾性表面波
素子を提供することができる。また、基板を接合した場
合でも、基板のバルク波の反射による影響を低減でき、
フィルタ特性の劣化が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の弾性表面波素子の第1実施例の構成
図である。
【図2】この発明の第1実施例と従来の素子の温度特性
のシミュレーション結果である。
【図3】この発明の弾性表面波素子の第1実施例の構成
図である。
【図4】この発明の弾性表面波素子の第2実施例の構成
図である。
【図5】この発明の弾性表面波素子の第2実施例の構成
図である。
【図6】この発明の第2実施例と従来の素子の温度特性
のシミュレーション結果である。
【図7】この発明の弾性表面波素子の第3実施例の構成
図である。
【図8】この発明の弾性表面波素子の第3実施例の構成
図である。
【図9】この発明の第3実施例と従来の素子の温度特性
のシミュレーション結果である。
【図10】この発明の第3実施例と従来の素子の温度特
性のシミュレーション結果である。
【図11】この発明の弾性表面波素子のその他の実施例
の構成図である。
【図12】この発明の弾性表面波素子のその他の実施例
の構成図である。
【図13】この発明の弾性表面波素子のその他の実施例
の構成図である。
【図14】この発明の弾性表面波素子のその他の実施例
の構成図である。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 IDT型共振器 3 保護膜(石英膜) 4 キャビティ(凹部) 5 低膨張材 6 吸音材 7 低膨張材 8 低膨張基板
フロントページの続き (72)発明者 松田 隆志 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (72)発明者 伊形 理 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開2000−236231(JP,A) 特許2516817(JP,B2) 佐藤浩輝、大西慶治、南波昭彦、小椋 哲義、田口 豊、冨田 佳宏、川崎 修,直接接合を用いた温度特性補償基 板,1998電子情報通信学会総合大会講演 論文集,1998年 3月 6日,基礎・境 界,p.305(A−11−22) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 9/145 H03H 3/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の表面上に弾性表面波を励振す
    るための櫛形電極が形成され、前記櫛形電極が形成され
    た領域の圧電基板の裏面側に凹部が形成され、その凹部
    に低膨張部材が形成されていることを特徴とする弾性表
    面波素子。
  2. 【請求項2】 前記低膨張部材が、Si膜又はSiO
    膜またはアルミナ膜であることを特徴とする請求項
    弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 一方の表面上に弾性表面波を励振するた
    めの櫛形電極が形成される圧電基板と、熱膨張係数が前
    記圧電基板よりも小さい低膨張部材からなる基板とを接
    合する工程と、 その後前記櫛形電極が形成される領域と対応する領域の
    前記低膨張部材からなる基板に貫通穴を形成し、前記低
    膨張部材の貫通穴の深さが、低膨張部材の厚さより大き
    くなるようにした工程を有することを特徴とする弾性表
    面波素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記貫通穴を形成した後、前記低膨張部
    材の貫通穴に接合した前記圧電基板の表面を、粗面化す
    る工程を有することを特徴とする請求項3の弾性表面波
    素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記粗面化工程の後、前記圧電基板の前
    記櫛形電極が形成された表面上に、弾性表面波の波長の
    5倍以下の厚さの分極反転層を形成する工程を有するこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載したいずれかの
    弾性表面波素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記圧電基板の前記櫛形電極が形成され
    た表面上に、弾性表面波の波長の5倍以下の厚さの分極
    反転層を備えたことを特徴とする請求項1または2に記
    載したいずれかの弾性表面波素子。
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