JP3476318B2 - 周波数変換器およびこれを用いた無線受信機 - Google Patents

周波数変換器およびこれを用いた無線受信機

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信に用いられ
る周波数変換器およびこれを用いた無線受信機に係り、
特に小さい局部発振信号により駆動することのできる周
波数変換器およびこの周波数変換器を用いることにより
ダイレクトコンバージョン受信機等における自己混合を
回避することのできる無線受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の周波数変換器としては、例えば図
44に示すものが知られている。無線周波数(RF)端
子1から入力される信号は、高周波入力回路(図示せ
ず)を介して第1のトランジスタTr1のベースに入力
される。また、第1及び第2の局部発振(Lo、*L
o)端子2及び3から入力される局部発振信号は、差動
対4を構成する第2及び第3のトランジスタTr2及び
Tr3の両ベースに入力される。なお信号*Loは、信
号Loの反転信号である。トランジスタ差動対4の動作
は、P.R.Gray及びR.G.Meyer 著、「Analysis and Desi
gn of Analog Integrated Circuits 」に述べられてい
るとおり、第1のトランジスタTr1のコレクタ電流を
第2及び第3のトランジスタTr2及びTr3の両ベー
ス間の電位差にもとづいて両トランジスタにそれぞれ分
配する。前記コレクタ電流は、負荷回路5により電圧出
力に変換され、出力VOUT として出力される。前記負荷
回路5は第4及び第5のトランジスタTr4及びTr5
より構成されている。
【0003】トランジスタ差動対を用いる周波数変換器
は、変換利得の変動を少なくするため両ベース端子に大
きな電圧振幅を与えて差動対を構成する第1及び第2の
トランジスタTr1、Tr2をスイッチ動作させる。こ
のときの出力は、次式(1)により表わすことができ
る。 VOUT (t)=K×F(t)×{Irf(t)+Iee } … (1) ただし、IrfはトランジスタTr1のコレクタから出力
される高周波信号電流であり、IeeはトランジスタTr
1のコレクタに流れるバイアス電流であって、F(t)
は局部発振信号の周波数と同じ周波数で1と−1が交互
に現れる関数、Kは負荷回路によって定まる定数であ
る。
【0004】F(t)は、局部発振信号の周波数の整数
倍の周波数成分を含む。所望の信号はF(t)の基本波
成分sin(2πft)とIrfの積である。ただしfは
局部発振周波数である。
【0005】ここで、「Irf=A(t)sin(2πf
rft)」とすると、以下の式(2)のように表わすこと
ができる。
【0006】
【数1】 低域通過フィルタを用いて上式の「A(t)cos(2
π(frf−f)t)」の信号成分を取り出すことによっ
て、搬送波周波数がfrfである信号を搬送波周波数がf
rf−fに変換することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような周波数変換
回路を直接変換受信機(Direct-Conversion Receiver)
に用いた場合、Asad Abidi著「Low-Power Radio-Freque
ncy IC´s for PortableCommunications 」(Proceedin
gs of the IEEE,vol.83,No.4,April 1995)に述べられ
ているように、局部発振信号が高周波信号入力端子から
漏洩し、低雑音増幅回路やアンテナのインスピーダンス
ミスマッチなどのために反射され、高周波入力信号Irf
に重畳されて周波数変換器に入力される。この信号は本
来の局部発振信号と混合されて、直流オフセットにな
る。またアンテナの周囲の環境変動に伴って、反射量が
変動したりするとオフセットが変動するために周波数が
低い雑音となることがある。
【0008】直接変換受信機においては、受信信号を直
流近辺のベースバンド信号に変換するため、直流オフセ
ットや低い周波数の雑音をフィルタによって所望信号と
分離することは不可能であり、通信品質の劣化の原因と
なる。この問題は局部発振信号の自己混合(self-mixin
g )と呼ばれているが、この解決手段として、伊東、川
上らは1995年電子情報通信学会総合大会、講演番号
C−87「ダイレクトコンバータ用偶高調波ミクサの偶
数次混合特性」において、アンチパラレルダイオードペ
アを用いた偶高調波ミクサを用いることを提案してい
る。ダイオードの電圧電流特性は、「I=Is {exp
(αV)−1}」と表わすことができる。なおIs およ
びαは素子によって定まる定数である。上式における
「exp(x)」をテーラー展開すると、下式(3)の
ように
【0009】
【数2】 となり、xについては偶数次の項も奇数次の項も含まれ
ている。ここで、アンチパラレルダイオードペアは特性
が等しいダイオードを逆向きに接続することにより偶数
次の項を互いに打ち消して、全体として奇数関数特性を
持っている。局部発振信号周波数を高周波信号周波数の
2分1に設定すると、高周波信号と局部発振信号の2次
歪みが混合された3次歪み成分が所望のベースバンド信
号として出力される。一方、アンテナや低雑音増幅回路
などにおいて反射されてくる局部発振信号は、本来の局
部発振信号と混合されるが、直流近辺に変換されるのは
2次歪み成分(自乗成分)であるため、局部発振信号の
自己混合は小さくなる。
【0010】しかしながら、アンチパラレルダイオード
ペアを用いる場合には、変換損失を少なくするために、
大きな局部発振信号入力が必要となる。例えば、高橋、
桑鶴らによる、1993年電子情報通信学会秋季大会、
講演番号B−329、「偶数次の相互変調歪み特性を改
善したダイレクトコンバージョン受信機の検討」に説明
されているように、差動増幅回路型の周波数変換回路は
90dBμV、約90mVp−pの局部発振信号入力で
動作しているのに対して、アンチパラレルダイオードペ
アを用いる場合には、伊東らの評価結果が示していると
おり、少なくとも0dBm,約630mVp−p以上の
局部発振信号が必要である。このことは、アンチパラレ
ルダイオードペアによる偶高調波ミキサがダイオードの
導通状態と非導通状態を利用していることを示してい
る。すなわち、 (1) 一方のダイオードが導通している状態 (2) 両方のダイオードが非導通状態 (3) 他方のダイオードが導通している状態 の3つの状態を遷移することにより周波数変換を実現し
ている。
【0011】このように、局部発振信号として大きな信
号振幅を出力すると、受信機からそれだけ大きな不要輻
射が発生することが予想され、他の無線通信に妨害を与
えることが懸念されている。また、携帯電話や携帯無線
端末を電池により駆動するためには、消費電力の低減化
が求められているが、高い周波数で0.6V以上の信号
を得るためには局部発振器、あるいは局部発振信号増幅
回路の消費電流を大きくする必要がある。
【0012】本発明は前述のように、ダイレクトコンバ
ージョン受信機の自己混合の問題を回避するとともに、
小さい局部発振信号で駆動可能な周波数変換器及びこれ
を用いた無線受信機を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の周波数変換器は、高周波信号(第1の入力
信号)と局部発振信号(第2の入力信号)とを入力して
両信号を合成した合成信号を出力する信号合成回路と、
この信号合成回路の出力信号を増幅して振幅が一定の信
号を出力する振幅制限増幅回路と、この振幅制限増幅回
路の出力信号を入力して不要信号成分を抑圧して所望の
信号成分を出力するフィルタと、を具備している。
【0014】上記構成において、本発明に係る振幅制限
増幅回路は従来の偶高調波ミキサにおけるアンチパラレ
ルダイオードペアの機能を担っている。すなわち、 (1) 入力信号が正の制限振幅を超えている状態 (2) 入力信号が負の制限振幅と正の制限振幅との間
にある状態 (3) 入力信号が負の制限振幅を超えている状態 の3つの状態を遷移することによって周波数変換を実現
するようにしている。
【0015】このような状態を踏まえて、局部発振(ロ
ーカル)信号の小さい振幅により周波数変換器の動作を
可能にするためには、正の制限振幅と負の制限振幅の間
隔を狭く設定するようにすればよい。その極限は、上記
(2)の状態がなくなった理想的な振幅制限回路である
場合である。
【0016】このような理想的な振幅制限回路を用いた
場合、第1の入力信号(高周波信号または変調信号)と
して第2の入力信号(局部発振信号)の周波数の偶数倍
の周波数を有する信号を入力すると、第1の入力信号の
振幅情報がパルス幅変調(PWM)信号として出力され
ることになる。
【0017】一方、第1の入力信号として、第2の入力
信号(局部発振信号)の周波数の奇数倍の周波数を入力
すると、第1の入力信号の振幅情報がパルス位置変調
(PPM)信号として出力される。広く知られている通
り、低域通過フィルタはPWM信号を復調するが、PP
M信号を復調することはない。
【0018】実際の振幅制限増幅回路には僅かではある
が上記(2)の状態が存在するが、事実上PWM信号ま
たはPPM信号とみなすことのできる信号出力を得るこ
とができる。したがって、本発明に係る周波数変換器に
よれば振幅の小さい局部発振信号により動作することが
可能な偶高調波用の周波数変換器を構成することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る周波数変換
器およびこれを用いた無線受信機の好適な実施の形態に
ついて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の第1の実施の形態に係る周
波数変換器の構成を示すブロック図である。図1におい
て、第1の実施の形態に係る周波数変換器は、入力端子
1及び2を介して入力した高周波入力信号と局部発振信
号とを合成して合成信号を出力する信号合成手段10
と、この信号合成手段10により合成された合成信号を
入力してその振幅を制限して出力する振幅制限増幅手段
20と、前記高周波入力信号によりPWM変調されかつ
振幅制限手段20により振幅制限された信号の低域成分
を通過させることにより振幅制限手段20の出力信号を
復調するフィルタ手段(低域通過フィルタ)30と、を
備えている。フィルタ手段30により復調された信号出
力は、ベースバンド信号として出力端子6を介して外部
に出力される。
【0021】図2は、第1の実施の形態に係る周波数変
換器のより詳細な構成を示した回路図である。図2にお
いて、信号合成回路(手段)10は、それぞれのベース
に高周波入力信号が供給されるトランジスタTr10及
びTr11と、それぞれのベースに第1及び第2の局部
発振信号が供給されると共にそれぞれのエミッタが前記
トランジスタTr10及びTr11のコレクタにそれぞ
れ接続されるトランジスタTr12及びTr13と、を
備えている。なお、符号11は、バイアス回路である。
【0022】振幅制限回路(手段)20は、前記トラン
ジスタTr10とTr12のコレクタ・エミッタ間の接
続点の信号をベースに入力するトランジスタTr20
と、トランジスタTr11とTr13のコレクタ・エミ
ッタ間の接続点の信号をそのベースに入力するトランジ
スタTr21と、前記トランジスタTr20のコレクタ
にそのベースが接続されたトランジスタTr22と、前
記トランジスタTr21のコレクタにそのベースが接続
されたトランジスタTr23と、前記トランジスタTr
20及びTr21のエミッタに共通接続された定電流源
21と、トランジスタTr22のエミッタに接続された
定電流源22と、トランジスタTr23のエミッタに接
続された定電流源23と、を備えている。前記フィルタ
手段としての低域通過フィルタ30は、抵抗を介して前
記トランジスタTr22と定電流源22との接続点の電
圧を正端子に入力すると共に抵抗を介して前記トランジ
スタTr23と定電流源との接続点の電圧を負端子に入
力する差動演算増幅器31を備えている。
【0023】以上の構成において、端子1及び1を介し
て高周波(RF)信号とその反転された反転高周波(*
RF)信号とが、差動アンプとして動作する2つのトラ
ンジスタTr10とTr11とのそれぞれのベースに供
給される。このトランジスタTr10及びTr11はそ
れぞれの負荷としてインダクタL1及びL2を備えてい
る。
【0024】一方、局部発振(Lo)信号は、端子2及
び3を介してトランジスタTr12及びTr13のそれ
ぞれのベースに入力される。これらのトランジスタTr
12及びTr13はエミッタフォロワであるため、それ
ぞれのエミッタと接地との間にインダクタL1及びL2
を介してそれぞれ負荷としてのトランジスタTr10及
びTr11のコレクタが接続されており、これらのトラ
ンジスタTR10及びTr11のコレクタのインピーダ
ンスが高いので、Lo信号はTr20,Tr21のベー
スに供給される。また、負荷としてのインダクタンスL
1及びL2により入力された高周波信号電流も振幅制限
増幅回路20のトランジスタTr20及びTr21のそ
れぞれのベースに供給される。
【0025】以上の構成・動作に基づく本発明に係る周
波数変換器の基本的な原理を図3及び図4の特性図を参
照しながら説明する。
【0026】まず、局部発振信号周波数が高周波信号周
波数の2分の1の場合について動作原理を説明する。前
記信号合成回路により合成された信号は振幅制限増幅回
路に入力される。理想的な特性の振幅制限増幅回路は、
入力信号の正負に応じて2値の出力信号を出力する。図
3において、局部発振信号のグラフは実線、高周波信号
にマイナス1を掛けたグラフを点線で示している。合成
信号が零になるのは実線と点線の交点(図中□印で表
示)である。図3では、振幅制限増幅回路の入力が正で
ある時間の長さ(図中←→で表示)は、入力が負である
時間の長さより短くなる。高周波信号入力の振幅が小さ
くなっていくと、正である時間と負である時間はそれぞ
れ50%に近付いていく。また、図3に示される信号と
逆位相の高周波入力信号に対しては、正である時間と負
である時間の割合も逆転する。図3は局部発振信号が0
になる時刻に高周波入力信号が最大値または最小値をと
るような位相関係になっているが、高周波入力信号の位
相をπ/2ずらすと、局部発振信号が0になる時刻に
は、高周波入力信号も0になるので、振幅によらず振幅
制限増幅回路の入力が正である時間と負である時間は5
0%づつである。すなわち、高周波信号の振幅と位相に
よって振幅制限増幅回路の出力はパルス幅変調(PW
M)される。PWM信号は低域通過フィルタによって復
調されているので、ベースバンド信号を取り出すことが
できる。
【0027】一方、図2に示される第1の実施形態に係
る周波数変換器において、局部発振信号が高周波アンプ
やアンテナから反射されてきた場合は、図4に示すよう
に、ゼロクロスポイント(記号○印で表示)をほぼ平行
に移動させるので、パルス幅変調(PWM)ではなくパ
ルス位置変調(PPM)となる。パルス位置変調は低域
通過フィルタでは復調されないので、反射波はベースバ
ンド出力に対してはほとんど影響を与えない。
【0028】これは局部発振信号の2倍あるいは1倍の
周波数に限られる現象ではない。0倍も含む偶数倍の周
波数はパルス幅変調によって出力に現れる。しかし奇数
倍の周波数はパルス位置変調として伝搬されるので低域
通過フィルタによって復調されることはない。
【0029】図3を用いて説明したように、本発明に係
る偶高調波周波数変換器は、一度PWM信号に変換した
後、LPFによりベースバンド信号を取り出している。
このとき、パルス幅変調(PWM)は局部発振信号(L
o)の立ち上がり・立ち下がりがほぼ一定に近い直流領
域を用いているので、局部発振信号が、例えば三角波の
ように、立ち下がり・立ち上がりが一定であるとき、つ
まり直線領域が充分に確保されているときに、最も効率
が良いことになる。このように、効率性の観点より三角
波を発生させるための具体的な回路について、図5ない
し図9を用いて詳細に説明する。
【0030】図5は三角波発生回路の第1の具体例を示
す回路図であり、図において、入力端子24は振幅制限
回路(LIM)25の局部発振信号の入力端子である。
この振幅制限回路25の出力端子26はインバータ(I
NV)7とバッファ(NーINV)8の入力端子であ
り、それぞれの出力端子は符号7aおよび8aにより示
されている。第1のスイッチSW1の端子T1 は電流源
I1 を介して電圧源VCCに接続されると共に、端子9は
三角波発生回路の出力端子である。インバータ7の出力
端子7aは第1のスイッチSW1の導通・遮断を制御す
る信号入力端子であり、信号レベルがHのときに第1の
スイッチSW1が導通する。同様に、第2のスイッチS
W2の制御端子はバッファ8の出力端子8aであり、端
子9は出力端子である。第2のスイッチSW2の端子T
2 は電流源I1 と等しい電流Iを発生させる電流源I2
を介して接地されている。また、端子9と電源VB との
間には充電用キャパシタC1 が接続されている。
【0031】次に、上記構成を有する第1の具体例に係
る三角波発生回路の動作について、図6を参照しながら
説明する。局部発振信号の入力端子24には、局部発振
信号が入力され、振幅制限回路25により図6(a)に
示すような矩形波が端子26に出力される。端子7aに
は、インバータ7により端子26の波形の逆相の波形が
得られ、端子8aにはバッファ8により同相の出力が得
られる。端子7aおよび8aの信号レベルがHのとき
に、第1および第2のスイッチSW1およびSW2がそ
れぞれ導通状態となるため、キャパシタC1 においては
電流源I1 の電流の充電と電流源I2 の電流の充電とが
交互に発生することになる。したがって、図6(b)に
示すような三角波の波形が得られる。
【0032】しかしながら、電流源I1 と電流源I2 の
電流を等しくするように回路を設計したとしても、製造
上のバラツキ等により電流源I1 の電流に比べて電流源
I2の電流の方が小さくなってしまうと、図6(c)に
示すように、出力端子9の出力電位は次第に上昇してし
まい、結果的には、後段に接続される回路の誤動作を招
くことになる。同様に、電流源I2 の電流よりも電流源
I1 の電流の方が小さくなってしまうと、出力端子9の
出力電位は次第に下降してしまい、やはり次段の回路の
誤動作を招いてしまうという問題があった。
【0033】上記に示す問題が生じた場合の対策を施し
た第2の具体例について図7を参照しながら説明する。
基本的な構成は、図5に示された第1の具体例に係る三
角波発生回路と同じなので、構成の異なる部分のみを説
明する。図7において、出力端子9に流れる信号は、低
域通過フィルタ(LPF)30を介して、線形増幅器3
3の+(プラス)端子32に供給される。線形増幅器3
3の−(マイナス)端子は電源VB に接続され、増幅器
33の出力端子34は可変電流源IV2の制御端子となっ
ている。可変電流源IV2の出力は第2のスイッチSW2
の端子T2 と接続され、もう一方の出力端子は接地レベ
ルGNDに接続されている。ここで、可変電流源IV2は
端子32の直流電位により線形に電流が変化するものと
する。
【0034】この図7に示された第2の具体例に係る三
角波発生回路の動作を説明する。例えば、電流源I1 の
電流が可変電流源IV2の電流よりも大きい場合、出力端
子9の電位は徐々に上昇してしまい、図6(c)に示す
ような波形となる。そこで、出力端子9に現れる信号と
同じ信号を低域通過フィルタ30により低周波数領域の
信号成分のみ通過させ、この信号成分が線形増幅器33
の入力端子32に供給されているので、端子32は、局
部発振信号の1周期の期間に電流源I1 と可変電流源I
V2電流の誤差値とこの期間との乗算結果を、キャパシタ
C1 の容量値により除算した分だけ電源VB よりも電位
が上昇する。線形増幅器33は、端子32の信号と電源
VB の電位との差分に比例する信号を発生させ、制御端
子34を介して可変電流源IV2を制御する。この例の場
合、可変電流源IV2の電位が上昇するので、可変電流源
の出力電流は大きくなり、電流源I1 と同じ電流となる
ように制御されることになる。この状態が図6(d)に
示されており、2点鎖線で表されている三角波の上昇波
形に対して実線で示されるような補正された電流が出力
されることになる。
【0035】次に、三角波発生回路の第3の具体例につ
いて図8および図9を参照しながら詳細に説明する。図
8には、第3の具体例に係る三角波発生回路の構成が示
されており、図5および図7と同一若しくは相当する構
成要素には同一符号を付して重複説明を省略する。図に
おいて、インバータ7の出力端子7aに現れる信号は第
1のスイッチSW1の制御信号として用いられると共
に、微分回路34にも供給されている。微分回路34の
出力信号は、出力端子35を介して比較器36の+(プ
ラス)端子に供給されており、比較器36の−(マイナ
ス)端子には所望の電源VREF からの基準電位が供給さ
れている。この比較器36の出力は、第3のスイッチS
W3の動作を制御しており、この第3のスイッチSW3
の可動接点(被制御端子)38は出力端子9と電源VB
に接続される。
【0036】次に、図8に示される三角波発生回路の動
作に就いて図9の特性図も併せ参照しながら説明する。
リミッタ25の出力端子26に現れる信号波形は図9
(a)に示されるような矩形波となっており、この信号
波形の反転信号が微分回路34に供給されて微分される
と、その微分出力は図9(b)に示されるような波形と
して現れる。比較器36は、図9(b)に示される微分
回路34の出力端子35の波形と、基準電位VREF とを
比較して図9(c)に示されるような端子37の波形を
出力する。したがって、この第3の具体例に係る三角波
発生回路は、図9(a)に示されるリミッタ25の出力
波形の立ち下がり時にパルスが発生し、この立ち下がり
パルスによりキャパシタC1 を強制的に放電させ、これ
により第1および第2の電流源I1 およびI2 がマッチ
ングしていない場合{図9(c)}であっても、強制的
にリセットをかけているので、所望の三角波{図6
(b)}とほぼ同一の波形{図9(d)}の出力を端子
9に得ることができる。
【0037】図10は、図2に示された回路とは異なる
構成を有する本発明の第2の実施形態に係る周波数変換
器を示す回路図である。この第2の実施形態において
は、局部発振信号の偶数倍の雑音を除去するため、信号
合成回路12に局部発振信号の4分の1波長のショート
スタブ13及び14を用いた例である。4分の1波長の
ショートスタブ13及び14は、直流および、局部発振
周波数の偶数倍の周波数においては短絡に、奇数倍の周
波数においては開放にみえるため局部発振信号の偶数倍
の雑音は除去され、局部発振(Lo)信号入力はベース
接地トランジスタTr14及びTr15のエミッタ端子
から入力される。高周波(RF)信号入力は、ベース接
地トランジスタTr16及びTr17のエミッタ端子か
ら入力される。なお、信号合成回路12におけるキャパ
シタC1 ,C2 とインダクタL1 ,L2 はRF入力の整
合回路である。信号合成回路(手段)12においては、
局部発振信号の偶数倍の雑音が抑圧されるので、それだ
け雑音特性が良好になる。
【0038】なお、振幅制限増幅回路20Aは、一対の
トランジスタTr24及びTr25よりなる差動アンプ
より構成されており、差動アンプのコレクタ出力が低域
通過フィルタ30に供給されている。低域通過フィルタ
30は、振幅制限増幅回路20Aの差動アンプを構成す
るトランジスタTr20及びTr21のそれぞれのコレ
クタに接続されて電圧源Vccに接続された2つの抵抗
と、それぞれの抵抗に並列に接続された2つのキャパシ
タと、前記それぞれの抵抗とそれぞれのコレクタ間の2
つの接続点間に介挿されたキャパシタと、を備えてい
る。
【0039】以上の構成において、ベース接地のトラン
ジスタTr14及びTr15のそれぞれのエミッタに正
逆2相の局部発振信号が供給され、トランジスタTr1
6及びTr17のエミッタに正逆2相の高周波信号が供
給されている。前記トランジスタTr14及びTr15
のエミッタと接地との間には、2本のλ/4の伝送線路
13及び14がそれぞれ介挿されており、このλ/4の
伝送線路13及び14により2つの局部発振信号に混合
されている不要波成分を短絡させて除去することができ
る。λ/4の伝送線路13により不要波成分を除去され
た局部発振信号と一方の高周波信号とは、トランジスタ
Tr14及びTr16のエミッタより入力されてそれぞ
れのコレクタへ出力され、電流加算されてトランジスタ
Tr20のベースに供給される。また、λ/4の伝送線
路14により不要波成分を除去された局部発振信号と他
方の高周波信号とは、トランジスタTr15及びTr1
7のエミッタより入力されてそれぞれのコレクタへ出力
され、電流加算されてトランジスタTr21のベースに
供給される。トランジスタTr20及びTr21より構
成される差動アンプにより電流加算されて供給されてき
た信号は増幅されると共に振幅が制限される。
【0040】図11は本発明の第3の実施の形態に係る
周波数変換器を示すブロック構成図である。図11にお
いて、局部発振信号の入力端子2と信号合成回路10と
の間に、信号合成回路(手段)10に入力される局部発
振信号の振幅を制御する可変利得増幅回路40が設けら
れている。この実施の形態に係る周波数変換器において
は端子1を介して信号合成回路10に入力される高周波
信号の振幅が大きい場合には、端子2より入力される局
部発振信号の振幅も可変利得増幅回路40により増幅し
て大きな振幅とすることによって、出力信号の振幅を一
定の範囲にすることができる。
【0041】図12は図11に示された第3の実施形態
に係る周波数変換器における振幅制限増幅回路20Aの
具体的構成例である。上記文献「Analysis and Design
ofAnalog Integrated Circuits 」にも述べられている
とおり、差動増幅回路には一定以上の振幅の入力信号に
対しては単独でも振幅制限増幅回路として動作するが、
入力信号が小さい場合は線形の増幅回路として動作する
という特徴がある。振幅制限増幅回路20A、トランジ
スタTr43およびTr44より構成される差動対27
と、トランジスタTr47およびTr48より構成され
る差動対28と、それぞれが出力バッファ回路として動
作するトランジスタTr45,Tr46,Tr49およ
びTr50と、より構成されている。このため、図13
に示すように、差動増幅回路を用いた周波数変換器の変
換利得は、局部発振信号が200mV付近で最大となる
ので、より小さい信号入力に対しても振幅制限増幅回路
として動作させるため、図12に示される振幅制限増幅
回路20Aは差動アンプを2段に接続して用いており、
高周波信号入力が小さいときは、局部発振信号も小さく
するように動作している。
【0042】このとき、前段の差動アンプ24はほぼ線
形の増幅回路として動作し、主に後段の差動アンプ25
が振幅制限増幅回路の役割をする。高周波入力信号が大
きいときは、主に前段の差動アンプ24により信号合成
回路10より供給される入力信号の振幅が制限され、後
段の差動アンプ25は、パルス幅が変調されたPWM信
号のバッファアンプとして機能する。したがって、多段
構成の振幅制限増幅回路20Aを用いると利得の可変範
囲を広くすることができる。
【0043】以上は、入力信号の周波数より低い周波数
の信号を出力するダウンコンバータの動作であるが、逆
に、低い周波数の信号を入力して局部発振信号をPWM
により変調して、局部発振信号の偶数倍の被変調信号を
得ることもできる。その場合は、所望信号の偶数周波数
を通過域とする帯域通過フィルタを用いる。
【0044】図14は本発明の第4の実施形態に係る周
波数変換器の構成を示すブロック図である。この第4の
実施形態に係る周波数変換器においては、信号合成回路
(手段)10Aに変調信号と局部発振信号とが入力され
て合成信号が形成されている。この合成信号は、振幅制
限増幅回路20Aに入力されてその振幅が制限される。
振幅制限回路20Aの出力は変調信号によってPWM変
調されている。PWM変調信号は局部発振信号周波数の
偶数倍の周波数成分の振幅は変調信号振幅に比例するの
で、これを帯域通過フィルタ30Aによって取り出すこ
とにより被変調信号を得る。したがって、この実施の形
態は周波数変換回路を変調器として用いた例である。変
調信号に変えて中間周波数を入力するアップコンバータ
として用いることもできる。
【0045】図15は、図14に示される第4の実施形
態に係る周波数変換器のより詳細な構成を示す回路図で
ある。図15において、信号合成回路10Aは、局部発
振信号(Lo)入力をそれぞれのエミッタに受け入れる
一対のトランジスタTr6及びTr7と、このトランジ
スタTr6及びTr7のコレクタにそれぞれのコレクタ
が接続されると共に前記変調信号がそれぞれのベースに
供給される一対のトランジスタTr8及びTr9と、よ
り構成されている。振幅制限増幅回路20Aはトランジ
スタTr6とTr8のそれぞれのコレクタ間の接続点出
力がそのベースに供給されるトランジスタTr24と、
トランジスタTr7及びTr9のそれぞれのコレクタ間
の接続点出力がそのベースに供給されるトランジスタT
r25とよりなる差動アンプにより構成されている。帯
域通過フィルタ(BPF)30Aは、差動アンプを構成
する一対のトランジスタTr24及びTr25のそれぞ
れのコレクタに接続される一対のインダクタと、このイ
ンダクタにそれぞれ並列接続されるキャパシタと、コイ
ルとキャパシタとの接続点より被変調信号としてRF出
力を取り出すための端子6、6を備え、それぞれの端子
6と接続点間にもキャパシタが介挿されている。
【0046】図16は、本発明の第5の実施形態に係る
周波数変換器を示すブロック図である。図16におい
て、第5の実施の形態に係る周波数変換器は高周波(R
F)信号と局部発振(Lo)信号とを入力してこれら2
つの信号を比較する比較器(コンパレータ)25と、こ
の比較器25の比較出力を入力してその低域成分のみ通
過させる低域通過フィルタ(LPF)30と、を備えて
いる。
【0047】上記の構成において、比較器25の一方の
入力端子に高周波(RF)信号を、他方の入力端子に局
部発信(Lo)信号をそれぞれ入力する。比較器の出力
は高電位と低電位の2値であり、第1の入力端子の電圧
が第2の入力端子の入力電圧より高い場合は高電位に、
逆の場合には低電位になる。このため、この1つの比較
器25により信号合成と振幅制限の2つの機能を表現で
きる。出力は第1の実施形態と同様に、高周波信号の振
幅によってパルス幅変調されており、LPF30によっ
て不要信号成分を除去することにより、所望の信号を取
り出すことができる。
【0048】比較器においては、第1の入力信号の振幅
と第2の入力信号の振幅との何れが大きいかに応じて2
値の信号を出力する。これによって、信号合成手段とし
ての機能と振幅制限増幅手段としての機能とを比較器の
みにより実現することができる。このようにして、周波
数変換器の構成を簡略なものとすることができるので、
延いては無線通信機器の小型化及び低価格化に資するこ
とになる。
【0049】次に、上記第5の実施形態の具体的な構成
を有する第6及び第7の実施形態に係る周波数変換器に
ついて、図17および図18に従い説明する。図17は
本発明の第6の実施形態に係る周波数変換器を示す回路
図である。この第6の実施形態においては、比較器は一
対のトランジスタよりなる差動アンプ15により構成さ
れている。差動アンプ15の一方の入力端子15aに高
周波信号を、他方の入力端子15bに局部発振信号をそ
れぞれ入力し、1つの差動アンプに信号合成と振幅制限
の機能をもたせている。差動アンプ15に付随している
負荷回路に、低域通過フィルタ(LPF)30が接続さ
れており、このような低域通過特性を持たせることによ
り、簡略な構成の周波数変換器を実現している。すなわ
ち、バイぽーらトランジスタTr41およびTr42よ
りなる差動アンプ15に信号合成と振幅制限の機能を持
たせている。なお、キャパシタC3 およびインダクタL
3 と、C4 およびL4 は、それぞれRF入力およびLo
入力のためのインピーダンス整合回路である。
【0050】この第6の実施形態は、比較器を差動アン
プによって実現したものであり、差動アンプの負荷回路
に低域通過特性を持たせることにより、簡略な構成の周
波数変換器を実現している。
【0051】図18は本発明の第7の実施形態に係る周
波数変換器を示す回路図である。この第7の実施の形態
は、第6の実施の形態における差動アンプ15を構成す
るバイポーラトランジスタを電界効果トランジスタ(F
ET)で構成した差動アンプ15Aを含む構成例であ
る。すなわち、差動アンプ15Aは、電界効果トランジ
スタM1およびM2により構成されている。1つの差動
アンプが信号合成と振幅制限を行なっている点及び差動
アンプ15Aの負荷回路としてLPF30が接続されて
いる点等は図17に示された第6の実施形態と同じ機能
及び構成を備えている。
【0052】次に、図19および図20を用いて本発明
の第8の実施形態に係る周波数変換器を説明する。第8
の実施形態に係る周波数変換器は、図19に示すよう
に、図16に示された第5の実施形態に係る周波数変換
器における比較器を対にした構成を有している。図19
において、第1の比較器16は高周波(RF)信号と局
部発振(Lo)信号とを比較し、第2の比較器17は高
周波反転(*RF)信号と局部発振(Lo)信号とを比
較して、それぞれの比較器の出力は低域通過フィルタ
(LPF)に入力される。低域通過フィルタ30は、第
1および第2の比較器16および17の出力を合成する
と共に、低周波数成分のみ通過させて出力している。
【0053】図20は本発明の第8の実施形態の詳細な
構成を示す回路図である。図20において、周波数変換
器はLPF30と、第1の比較器16と、第2の比較器
17と、により構成されている。それぞれの比較器を構
成する一方側のトランジスタのベースには高周波(R
F)信号がそれぞれ供給されており、また他方側のトラ
ンジスタのベースには端子15cを介して反転された高
周波(*RF)信号がそれぞれ供給されている。すなわ
ち、バイポーラトランジスタTr41Aのベースには、
インピーダンス整合回路を構成するC3 AおよびL3 A
を開して高周波(RF)信号が入力され、バイポーラト
ランジスタTr41Bのベースにはインピーダンス整合
回路を構成するC3 BおよびL3 Bを介して高周波(*
RF)信号が入力される。また、バイポーラトランジス
タTr42Aおよび42Bのベースには、インピーダン
ス整合回路を構成するC4 およびL4 を介してローカル
信号が入力されている。
【0054】比較器を差動アンプにより構成した場合、
寄生容量などの影響で同相モードの信号も出力される。
特に高い周波数では同相除去比(CMRR:Common Mo
deRejection Ratio )を高くするのは難しいことであ
る。第6及び第7の実施の形態に係る周波数変換器は、
ローカル信号と高周波信号をそれぞれ一方の入力端子に
のみ入力するので、同相除去比を大きくですることがき
ないときには同相モードの歪みが出力に現れる。同相モ
ードの歪みは偶数次歪みも含むので、同相除去比が小さ
いと偶数次歪みが少ないという偶高調波ミキサの利点が
引き出せないことになる。
【0055】本発明の第8の実施形態に係る周波数変換
器によれば、同相モードの歪みを除去するため、差動増
幅回路を2つ組み合わせた構成になっている。ローカル
信号は両方の差動回路に同相で入力される。両差動アン
プの出力電流は高周波入力によってパルス幅変調されて
いるが、高周波入力は逆相になっているので、一方の出
力電流のパルス幅が拡がっているとき、他方はパルス幅
が狭くなっている。このためパルス、すなわちローカル
信号入力が互いに打ち消しあう様に両差動端子を接続す
ると、所望の出力成分は互いに強めあって出力される。
歪みに関しては、高周波信号の奇数倍の歪み成分は出力
されるが、偶数倍の成分は互いに打ち消しあうので出力
には現れない。
【0056】図21は本発明の第9の実施の形態に係る
周波数変換器の構成を示すブロック図である。この実施
の形態においては非線形素子(図では可変容量ダイオー
ド)を直列に接続した直列回路45の一方の端子に局部
発振信号(Lo)入力が供給されている。局部発振信号
入力(Lo)端子は局部発振信号周波数において4分の
1波長の伝送線路を介して接地されショートスタブ46
となっている。ショートスタブ46によって直流と局部
発振周波数の偶数倍の周波数においては短絡に見える。
非線形素子直列回路45の他方の端子には、4分の1波
長のオープンスタブ47が接続されている。4分の1波
長のオープンスタブ47は局部発振周波数において低イ
ンピーダンスとなるので、局部発振信号電圧は非線形素
子の直列回路45の両端に印加される。高周波入力信号
は、局部発振信号のほぼ偶数倍となっているので、オー
プンスタブ47は開放に見え、ショートスタブ46は短
絡にみえる。このため帯域通過フィルタ(BPF)48
を通過した高周波信号電圧は非線形素子直列回路45の
両端に印加される。前記非線形素子直列回路45の電流
は電圧の奇関数特性となるので、奇数次歪みを多く含む
ことになり、この奇数次歪みのうちの低周波成分が低域
通過フィルタ49により取り出されて出力される。
【0057】このように、局部発振信号周波数の偶数倍
の周波数の変換利得が大きく、奇数倍の周波数の変換利
得が小さい特性は、振幅制限増幅回路で効率良く実現さ
れるが、入出力特性が非線形で、かつ奇関数である回路
を用いると実現できる。しかしながら、アンチパラレル
ダイオードペアはダイオードの導通状態と非導通状態を
利用するので上述の通り大きな局部発振信号を入力する
必要がある。一方、非線形素子を逆向きに直列に接続す
ることによっても、アンチパラレルダイオードペアと同
様に奇関数の特性を持たせる事ができる。通常のダイオ
ード素子を用いた場合は、少なくとも一方が非導通状態
になるので、電流が流れないが、可変容量ダイオードな
どの素子を逆向きに直列に接続すると、容量に信号電流
が流れ、かつ信号電圧によって容量が変動するために周
波数変換が可能である。小さい電圧で容量が大きく変動
する素子を用いることにより、局部発振信号が小さくて
も変換効率の良い周波数変換器を構成することができ
る。
【0058】なお、図21の第9の実施形態において
は、非線形素子としてダイオードペア45を用いていた
が、このダイオードペア45の代わりにトランジスタを
用いて第10の実施形態のように構成しても良い。図2
2および図23に第10の実施形態に係る周波数変換器
の構成例を示す。図22はダイオードペア45の代わり
にデプレッション(Depletion )型の金属酸化膜半導体
(MOS― Metal Oxide layer Semiconductor ―)
トランジスタ41および42を直列接続したトランジス
タ直列体43が介挿されている。このトランジスタ直列
体43は奇関数特性を有する非線形素子である。また、
図22におけるトランジスタ直列体43に代えて、図2
3に示す第10の実施形態のように、デプレッション型
MOSFETのデュアルゲートトランジスタ44を用い
ても同様の作用・効果を期待できる。
【0059】また、非線形素子を逆向きに接続し、接続
点にバイアス電圧または電流を供給することにより、局
部発振信号の入力が小さくても動作可能な周波数混合器
を構成することができる。ダイオード素子を逆向きに直
列に接続し、接続点にバイアス電流を流しておくと、両
ダイオードを貫通する電流はバイアス電流によって制限
されるのでトランジスタ差動対と同様に振幅制限回路と
して動作させることができる。アンチパラレルダイオー
ドペアは信号電圧そのものがダイオードを導通させる電
圧にまで大きくなる必要があるが、本発明の直列接続ダ
イオードペアは、バイアス回路により、予め導通状態に
設定されているため、小さい入力信号で非線形特性を示
し、その結果、効率の良い周波数変換が可能になる。
【0060】図24は本発明の第11の実施形態に係る
周波数変換器を示すブロック図である。非線形素子(ダ
イオード)の直列回路50にバイアス電流を供給する電
流源51とインダクタ52を備えることによって小さい
振幅の局部発振信号により動作可能な周波数変換回路を
構成している。図24において、直列回路50の非線形
素子の接続点には、他端が接地された定電流源51の一
端が接続される。また直列回路50及びオープンスタブ
47とBPF48及びLPF49との共通の接続点に
は、他端が接地されたインダクタ52の一端が接続され
ている。他の構成は図21に示された第9の実施の形態
に係る周波数変換器と同一であり、小さな局部発振信号
により動作可能である。
【0061】なお、図1に示された第1の実施形態にお
ける周波数変換器においては、信号合成回路10、振幅
制限増幅回路20を1つずつ用いて高周波信号からベー
スバンド信号を作成していたが、本発明はこれに限定さ
れず、図25ないし図27に示される第12の実施形態
のように、高周波信号と局部発振信号とを合成する信号
合成回路と、局部発振信号の反転信号と高周波信号とを
合成する信号合成回路と、を並列的に設けてそれぞれに
振幅制限増幅回路を接続し、2つの振幅制限増幅回路に
フィルタ手段を接続するようにしても良い。
【0062】図25は、本発明の第12の実施形態に係
る周波数変換器の構成を示すブロック図である。図25
において、第1の信号合成手段10Aと第1の振幅制限
増幅手段20Aは、図1に示された第1の実施形態に係
る周波数変換器と同様に、第1の入力信号(RF等の高
周波信号)の振幅情報をパルス幅変調信号として出力し
ている。また、第2の信号合成手段10Bと第2の振幅
制限増幅手段20Bも第1の実施形態と同様に第1の入
力信号の振幅情報をパルス幅変調信号として出力してい
る。第1および第2の振幅制限増幅手段20Aおよび2
0Bより出力された両PWM変調信号はフィルタ手段3
0により合成されて、所望の周波数成分を取り出すこと
ができる。
【0063】この第12の実施形態に係る周波数変換器
は、第2の信号合成手段10Bに第2の入力信号(局部
発振信号)の反転信号を入力している点に特徴がある。
第1および第2の信号合成手段10Aおよび10B入力
された第2の入力信号およびその反転信号は、それぞれ
第1の入力信号を入力する入力端子に漏洩される。ここ
で、第2の信号合成手段10Bに入力されている第2の
入力信号は反転信号なので、漏洩信号も第1の信号合成
手段10Aの漏洩信号の反転信号となる。したがって、
第1および第2の信号合成手段10Aおよび10Bより
漏洩される第2の入力信号は互いに打ち消し合うことに
なり、見掛け上は漏洩が小さくなる。漏洩信号が小さく
なると、反射信号も小さくなり、結果として局部発振信
号の自己混合による直流オフセットをさらに小さくする
ことができる。
【0064】図26は、第12の実施形態に係る周波数
変換器のより詳細な第1の具体的構成としての第13実
施形態に係る周波数変換器を示す回路図である。図26
において、第2の入力信号である局部発振(Lo)信号
は差動信号であるので、信号線を図示のように構成する
ことにより簡単に局部発振反転(*Lo)信号を生成す
ることができる。第1の信号合成手段10Aと第2の信
号合成手段10Bとは全く同一の構成を有しており、異
なる点は第2の入力信号である局部発振信号の差動入力
の接続が入れ替わっている点のみである。また、第1の
振幅制限増幅手段20Aと第2の振幅制限増幅手段20
Bも全くの同一の回路構成を有している。個々の回路構
成は、図2に示される第1の実施形態に係る周波数変換
器の各回路の構成と同一なので重複説明を省略する。
【0065】図27は、第12の実施形態に係る周波数
変換器の第2の具体的構成としての第14の実施形態に
係る周波数変換器を示す回路図である。この第14の実
施形態においては、第1の信号合成回路10Aと第2の
信号合成回路10Bは、第1の入力(RF)信号の入力
インピーダンス整合回路と、第2の入力(Lo)信号の
偶数倍波抑制手段と、を共通化することにより部品点数
を減らしている。図10を用いて説明した第2の実施形
態に係る周波数変換器と同様に、第2の入力(Lo)信
号からの雑音を除去する手段を備えているので、良好な
雑音特性を有すると共に、第13の実施形態と同様に、
局部発振(Lo)信号の漏洩が第1および第2の信号合
成回路12Aおよび12Bの出力において打ち消し合う
ことになり、自己混合によるオフセットも極めて小さい
ことになる。なお、この第1および第2の信号合成回路
12Aおよび12Bの具体的な回路は、偶数倍波抑圧手
段13および14と、キャパシタC1 およびC2 とイン
ダクタL1 およびL2 より成るインピーダンス整合回路
を共有し、その他の部分の構成は同一の回路構成を有し
ており、異なる点は局部発振信号の差動入力の接続が入
れ替わっている点のみである。また第1および第2の振
幅制限増幅回路20Aおよび20Bの構成も図10にお
ける振幅制限増幅回路20Aの構成とそれぞれ同一であ
るので、重複説明を省略する。
【0066】図28は本発明の第15の実施形態に係る
周波数変換器を用いた無線受信機の概略構成を示すブロ
ック図である。図28において、無線受信機60は、高
周波信号(RF)入力が供給される端子61と、端子6
1を介して供給された高周波信号を受入れる高周波入力
回路62と、局部発振(Lo)信号が入力される端子6
3と、入力された局部発振信号を2つの信号成分に分配
する信号分配器64と、信号分配器64により分配され
た局部発振信号を用いて高周波入力回路62の出力をベ
ースバンドに変換する偶高調波周波数変換器65と、変
換されたベースバンドをIチャンネル成分として出力す
る端子66と、前記信号分割器64により分割された局
部発振信号の位相をシフトさせる移相器67と、位相を
シフトされた局部発振信号を用いて高調波入力回路62
の出力をベースハンドルに変換する偶高調波周波数変換
器68と、変換された偶高調波をQチャンネル成分とし
て出力する端子69と、を備えている。
【0067】この第15の実施の形態に係る受信機は、
2つの偶高調波周波数変換器を用いて直交復調器を構成
した例である。移相器67として伝送線路を用いる場
合、信号分割器64の入出力インピーダンスは伝送線路
インピーダンスと整合をとる必要があるために、信号振
幅は3dB小さくなる。一方、伝送線路から周波数変換
器65及び68に入力される熱雑音は伝送線路のインピ
ーダンスが一定ならば一定となる。このため2分割した
高周波入力信号の位相をπ/2だけずらす場合には信号
対雑音比が3dBほど劣化する。位相と振幅が等しい2
信号を得るには、周波数変換器65及び68の入力を並
列に接続したうえで伝送線路とインピーダンス整合をと
ればよい。この場合は信号も雑音も半分になるので信号
対雑音比の劣化はない。したがって、高調波入力回路6
2には移相器を用いないほうが信号対雑音比については
有利である。局部発振入力の位相を伝送線路を用いてず
らしても同様に信号対雑音比(S/N)は劣化する。し
かしながら、偶高調波周波数変換回路65及び68は、
局部発振信号周波数の偶数倍の雑音成分が強く出力にあ
らわれ、奇数倍の雑音成分は影響が小さい。必要な信号
と問題となる雑音の周波数が異なるので、偶数倍波抑圧
手段を備えることで、信号分割回路による信号対雑音比
の劣化を回避できる。なお、高周波信号周波数の2倍な
ので、高周波信号のπ/2移相器と局部発振信号のπ/
4移相器は同じ長さの伝送線路となる。
【0068】図29は本発明の第16の実施形態に係る
周波数変換器を用いた無線受信機を示すブロック図であ
る。図29において、無線受信機70は、無線周波数
(RF)信号等の高周波信号を受信するアンテナ71
と、受信された高周波信号を低雑音で増幅する低雑音増
幅器(Low Noise Amplifier ―LNA―)72と、この
LNA72の増幅出力を帯域濾波するBPF73と、帯
域濾波された信号出力を分配する信号分配器と、局部発
振信号を生成する局部発振器75と、この局部発振信号
を可変で減衰させる可変減衰器76と、減衰された局部
発振信号を分配する信号分配器77と、分配された一方
の局部発振信号と信号分配器により分配されたRF信号
とを乗算する乗算器78と、乗算器78の出力の低域成
分を通過させて乗算器78の出力を濾波するLPF79
と、LPF79のアナログ出力をディジタル信号に変換
するA/D変換器80と、前記信号分配器77により分
配された他方の局部発振信号を所定量だけ移相する移相
器81と、分配され且つ移相された他方の局部発振信号
と信号分配器により分配されたRF信号とを乗算する乗
算器82と、乗算器82の出力の低域成分を通過させて
乗算器82の出力を濾波するLPF83と、LPF83
のアナログ出力をディジタル信号に変換するA/D変換
器84と、A/D変換器80及び84よりそれぞれ出力
されるディジタル信号を処理するディジタル信号処理部
85と、処理されたディジタル信号を出力する端子86
と、を備えている。
【0069】なお、図28に示される第15の実施形態
に係る無線受信機においては、信号分配器64および移
相器67を用いて局部発振信号を2つに分配し、一方の
位相をπ/4シフトするようにしていた。この信号の分
配および移相についての詳細を図30ないし図32を用
いて説明する。図30に示す第17の実施形態に係る周
波数変換器を用いた無線受信機600は、図28の無線
受信機60における局部発振信号入力端子63、信号分
配器64および移相器67を纏めて含むリングオシレー
タ640を設けたものである。
【0070】図30に示すように、第17の実施形態に
係る無線受信機におけるリングオシレータ640は、第
1の偶高調波周波数変換器65と第2の偶高調波周波数
変換器68にπ/4ずつ位相がずれた2つに局部発振信
号を出力している。この局部発振器としてのリングオシ
レータ640は、図31に示すように、4段の全差動増
幅器を1箇所を除き+(−)端子出力を次段の−(+)
端子入力に接続した構成となっている。すなわち、第1
の増幅器641、第2の増幅器642、第3の増幅器6
43および第4の増幅器644を図示のように接続し、
第3の増幅器643の差動出力を第1の偶高調波周波数
変換器65へ供給すると共に、第4の増幅器の差動出力
を第2の偶高調波周波数変換器68へ供給している。各
段の増幅器の位相差は、π/4であるので、第3の増幅
器643と第4の増幅器644の位相さもπ/4とな
り、信号分配機能とπ/4移相機能との両者を兼ねるこ
とができる。
【0071】この第17の実施形態に係る無線受信機に
おける局部発振器640のさらに詳細な回路構成につい
て、図32を用いて説明する。図32において、各段の
増幅回路641,642,643,644は、同一の構
成を有し、具体的には、+および−入力をベース電極に
受け入れるトランジスタ差動対Tr31およびTr32と、
トランジスタTr31と抵抗R31との接続点電位をベース
に受け入れるトランジスタTr33と、トランジスタTr
32と抵抗R32との接続点電位をベースに受け入れるトラ
ンジスタTr34と、それぞれのトランジスタのエミッタ
側に設けられる電流源I31,I32,I33と、を備えてい
る。このように、全差動増幅器はエミッタフォロアを出
力段に有する差動増幅回路により実現することができ
る。
【0072】なお、この第17の実施形態に係る周波数
変換においては4段のリングオシレータを用いて説明し
たが、この発明はこの構成に限定されることなく、N段
当たりの位相差がπ/4となる「4×N」段のリングオ
シレータを用いても上記第17の実施形態に係る周波数
変換器と同様の結果が得られる。
【0073】なお、第17の実施形態に係る周波数変換
器においては、4段のリングオシレータを用いて局部発
振信号の分配と移相とを行なうものとして説明したが、
ハーモニックミキサ(HMIX)を用いた周波数変換器
を実現するためにはIチャネルとQチャネルの局部発振
信号として各々45度位相のシフトした信号が必要であ
り、この位相がシフトされた信号を得るための移相器を
図33に示すブリッジ回路により構成しても良い。
【0074】図33は本発明の第18の実施形態に係る
周波数変換器の回路図であり、同図において、局部発振
器330は所望の発信周波数fcの1/2の周波数を出
力するものである。局部発振器330の一端は端子36
に接続され、他端は端子37を介して接地されている。
上記端子36および37の間には抵抗R33とキャパシタ
C33とのRC直列回路と、抵抗R34およびR35のRR直
列回路とが並列に接続されている。RC直列回路の抵抗
R33とキャパシタC33の接続端子38はバッファ回路を
含む第1の振幅制限回路41の入力端子に接続され、こ
の第1の振幅制限回路41の出力端子は第1の低域通過
フィルタ(LPF)43の入力端子に接続され、第1の
LPFの出力は端子55を介して出力されている。ま
た、RR直列回路の抵抗R34およびR35の接続端子39
はバッファを含む第2の振幅制限回路42の入力端子に
接続され、この第2の振幅制限回路の出力端子は第2の
LPF44の入力端子に接続され、第2のLPFの出力
は端子56を介して出力されている。
【0075】上記構成の移相器の動作を説明する。説明
の簡略化のため抵抗R33、R34およびR35は全て同一の
抵抗値Rを有するものとし、キャパシタC33の容量値C
は「C=1/(1/2*wc*R)」とする。また、第
1および第2の振幅制限回路41および42は、それぞ
れ信号を増幅した後、振幅を所定の値に制限するために
等しい特性を有しているものとする。第1および第2の
LPF43および44は「1/2*wc」を通過させる
ものとし、その整数倍(特に奇数倍)の高調波充分に減
衰されるものとする。局部発振器330の出力電圧をV
とすると、出力端子38には以下に示す電圧V(38)が
発生する。 V(38)=(1/jwcC)/(R+1/jwcC)V=
1/2(1ーj)V 同様に端子39には以下に示す電圧V(39)が発生す
る。 V(39)=(R/2R)V=1/2V したがって、端子38および39には振幅の異なるもの
の各々の出力信号の位相は45度シフトした信号が現れ
る。この場合の位相差は以下の式により示される。
【0076】
【数3】 端子39および39における出力信号の各々の振幅を等
しくするために、移相器の後段に振幅制限回路41およ
び42がそれぞれ接続されている。この振幅制限回路4
1および42により移相器の2つの出力信号の振幅は等
しくなるが、この場合、1/2*wcの整数倍の高調波
が同時に発生してしまうので、次段の第1および第2の
LPF43および44によりこの整数倍の高調波を減衰
させるようにしている。
【0077】上記第18の実施形態に係る移相器におい
ては、RC直列回路およびRR直列回路における抵抗の
値を等しくするものとして説明したが、本発明はこれに
限定されず、図34に示す第19の実施形態のように、
抵抗R34およびR35の比をR34/R35=ルート2−1と
するように構成しても良い。このような構成とすること
により、図33の第18の実施形態に係る移相器におけ
る振幅制限回路41と第1のLPF43を第1のバッフ
ァ53とし、振幅制限回路42と第2のLPF44を第
2のバッファ54として置き代えることができる。この
第19の実施形態においては、抵抗R34およびR35の抵
抗比と第1および第2のバッファ53および54への置
き換え以外の構成については、第18の実施形態に係る
移相器と同じなので同一符号を付すことにより重複説明
を省略する。
【0078】次に、本発明の第20の実施形態に係る周
波数変換器に用いられる移相器について説明する。図3
5は第20の実施形態に係る移相器の構成を示すブロッ
ク図であり、同図において移相器100は、局部発振
(Lo)信号を入力する入力端子101と、端子101
を介して入力された位相角「sin(ωt)」を有するLo入
力信号に基づいて「sin(ωt)」および「cos(ωt)」の信
号を生成して出力するπ/2移相器102と、移相器1
02より出力された2つの信号を加算する加算器103
と、移相器102の「sin(ωt)」の信号と加算器103
の出力信号とのそれぞれの振幅を制限する振幅制限器
(リミッタ)104および105と、リミッタ104お
よび105のそれぞれの出力から角周波数ωの項だけ取
り出す低域通過フィルタ(LPF)106および107
と、これらLPF106および107よりそれぞれ出力
される互いの位相がπ/4ずれた信号の出力端子108
および109と、を備えている。
【0079】上記構成に基づく移相器100の動作につ
いて説明する。前記加算器103の加算動作は下式によ
り行なわれる。
【0080】
【数4】 ここで、加算器103に入力される2つの信号は図35
に示されるような角周波数を有している。すなわち、
「sin(ωt)」を有する信号111とこれに直交する「co
s(ωt)」を有する信号112とは加算器103に入力さ
れて加算され、信号111とπ/4の関係にある信号1
13が形成される。信号111はリミッタ104に供給
され、信号113はリミッタ105に供給される。リミ
ッタ104および105の出力L1 およびL2 はそれぞ
れ下式により求められる。 L1 =4/π{sin( ωt)+1/3sin(3ωt)+1/5sin(5ωt)
+...} L2 =4/π{sin( ωt-π/4) +1/3sin(3ωt-3 π/4) +
1/5sin(5ωt-5 π/4) +...}これらのリミッタ104および105の出力をL
PF106および107により角周波数の項だけ取り出
すと、 4/π.sin( ωt) 4/π.sin( ωt −π/4) となり、2つの出力端子108および109には位相が
π/4ずれた信号が得られる。
【0081】上記第20の実施形態に係る移相器は、理
論上は加算器103により図36に示すようにπ/4の
位相差の出力が得られるはずであるが、実際にはπ/2
移相器102の位相差や出力レベルの誤差等により加算
器103の出力がπ/4にならないことがある。これを
補正するために、図37ないし図39に示す第21ない
し第23の実施の形態に係る移相器について説明する。
【0082】図37に示す第21の実施形態に係る移相
器は、リミッタ104の出力を乗算器110および低域
通過フィルタ(LPF)112を用いてその直流成分の
み取り出している。また、リミッタ105の出力は乗算
器111によりπ/4ずれたリミッタ104の出力と乗
算した後、LPF113によりその直流成分を取り出し
てから増幅器114によりルート2倍する。LPF11
2と増幅器114の出力は、比較器115により比較さ
れており、この比較器115の出力によりπ/2移相器
のcos(ωt)の振幅が補正されている。
【0083】上記構成に基づく動作を説明する。もし
も、リミッタ104と105の出力差がπ/4よりも小
さいと増幅器114の出力はLPF112の出力よりも
大きくなり、比較器115と可変増幅器116によりco
s(ωt)の振幅を大きくしてリミッタ104と105の出
力の位相差がπ/4となるように制御する。この逆に、
リミッタ104と105の出力の位相差がπ/4よりも
大きい場合には、比較器115および可変増幅器116
によりcos(ωt)の振幅を小さくして、両者の位相差がπ
/4となるように制御している。
【0084】また、図38に示す第22の実施形態に係
る移相器においては、比較器115により増幅器114
とLPF112の出力を比較してπ/2移相器の出力の
うちsin(ωt)の出力を補正する可変増幅器117を設け
ている。この構成において、リミッタ104と105と
の出力の位相差がπ/4より小さい場合、sin(ωt)の振
幅を小さくして両者の位相差がπ/4となるように制御
し、逆にリミッタ104と105の位相差がπ/4より
も大きい場合には、sin(ωt)の振幅を大きくして両者の
位相差がπ/4となるように制御している。
【0085】なお、図39に示される第23の実施形態
に係る移相器においては、上記第21および第22の実
施形態に係る移相器における可変増幅器116および1
17の両方を設けて、sin(ωt)およびcos(ωt)の両者を
補正することによりπ/2移相器102の出力の位相差
を制御している。すなわち、リミッタ104および10
5の出力の位相差がπ/4よりも小さい場合には、cos
(ωt)の振幅を大きくすると共にsin(ωt)の振幅を小さ
くするように補正し、リミッタ104および105の出
力の位相差がπ/4よりも大きい場合には、cos(ωt)の
振幅を小さくすると共にsin(ωt)の振幅を大きくするよ
うに補正している。
【0086】次に、図40および図41に示す第24の
実施形態に係る移相器について説明する。図40におい
て、入力端子121には図41(a)に示すような矩形
波が入力されている。入力端子121には可変遅延素子
等よりなる可変移相器122が接続されており、この可
変移相器122は比較器129の比較出力により移相量
を変化させている。可変移相器122にはバッファ12
3および124が接続されて出力端子130および13
1よりπ/4の位相差を有する出力が得られると共に、
両出力の位相差のずれ量を補正するために排他的論理和
(XOR)回路125が接続されている。XOR回路1
25の出力は、LPF126により低域成分のみ取り出
され、また、バッファ124に供給される成分と同じ信
号成分もLPF127によりその低域成分のみ取り出さ
れて比較器127に供給される。また、LPF126の
出力も増幅器128により2倍に増幅され多後、前記L
PF127の出力と比較するため前記比較器129に供
給されている。
【0087】上記構成において入力端子121に入力さ
れた矩形波の信号{図41(a)}は、可変移相器12
2によりそのまま出力されてXOR回路125の一方の
端子に供給されると共にバッファ123にも供給されて
いる。また、可変移相器122の他方の出力は、図41
(b)に示すような1/4遅延した矩形波の信号として
XOR回路125の他方の端子とバッファ124にも供
給されている。XOR回路125の出力は、図41
(c)に示すようになっている。このXOR回路125
の出力と、可変移相器122の他方の出力とをLPF1
26および127により低域成分のみ通過させて直流成
分のみ取り出すと図41(d)に示すような2つのレベ
ルが得られる。
【0088】LPF126の出力はLPF127の出力
の半分のレベルなので増幅器128により2倍に増幅す
るとLPF127と増幅器128の出力は同レベルとな
る。比較器129は2つの入力端子にLPF127およ
び増幅器128の出力を入力して比較し、両入力に差が
あるときには可変移相器122に補正信号を出力して移
相器122の移相量がπ/4となるように補正してい
る。補正された可変移相器122の2つの出力は、バッ
ファ123および124を介して出力端子130および
131より出力される。
【0089】上記構成による第24の実施形態に係る移
相器における可変移相器125の具体的な構成は、図4
2に示されるように、インバータを用いた第25の実施
形態に係る移相器により実現できる。インバータは、ト
ランジスタM52およびM53より構成され、トランジ
スタM52に流れる電流を制限するための電流源として
動作するトランジスタM50と、トランジスタM53に
流れる電流を制限するための電流源として動作するトラ
ンジスタM51と、を備えている。図42において、制
御端子141および143は、各々トランジスタM50
とM51のゲートに接続され、これらの制御端子141
および143に印加される電圧を制御することにより、
各インバータを流れる電流を変化させることができる。
この電流の変化により、インバータの遅延時間を変えて
出力信号の移相量を変えることができる。図43にイン
バータを10段接続した移相器のシミュレーション結果
を示す。図43により、波形151は入力波形であり、
波形151,153および154は、制御端子141お
よび143に印加される電圧を制御し、かつ、インバー
タに流れる電流を制御したときの出力波形である。この
ように、流れる電流を制御できるインバータを多段に渡
って縦続接続(cascade connection)することにより、
可変移相器を実現することができる。
【0090】上記構成において、無線受信機は到来信号
の強度に合わせて利得を制限する必要がある。高周波信
号の振幅を制御する場合は、可変利得増幅回路や可変減
衰回路は最も利得が大きい(減衰量が小さい)場合でも
雑音の増加をまねく。一方、局部発振信号の振幅を制御
する場合は、偶数倍波雑音を抑圧することによって雑音
の増加を回避できる。したがって、雑音が少なく、感度
の高い無線受信機を構成することができる。
【0091】
【発明の効果】本発明の周波数変換器を用いれば、局部
発振信号の反射よる直流オフセットや反射量の変動によ
る低周波雑音の発生を抑圧することができるので、微弱
な高周波入力信号を良好な品質で受信可能な受信機を構
成でき、かつ、アンチパラレルダイオードを用いる場合
に比べ局部発振信号振幅を小さくできるので、不要輻射
を少なくすることができる。
【0092】また、図3より明らかなように、高周波信
号の振幅と局部発振信号の振幅の比が等しければゼロク
ロスポイントの位置が同じになる。セロクロスポイント
が同じならば、PWMの復調信号の振幅の等しくなる。
したがって、変換利得は局部発振信号振幅に反比例す
る。この特性を利用し、局部発振信号振幅を制御するこ
とによって変換利得を制御できる。この方式は次のよう
な利点がある。受信信号の振幅を可変減衰器や可変利得
増幅回路で制御する方式の場合、可変減衰器や可変利得
増幅回路で発生する所望信号と同じ周波数の雑音成分は
フィルタ等による分離は不可能である。一方局部発振信
号の振幅を制御する場合は、可変減衰器や可変利得回路
で発生する雑音は、局部発振信号に重畳される。局部発
振周波数近辺の雑音成分は自己混合の影響が少ないのと
同じ理由で周波数変換器の出力には現れない。周波数変
換器の出力には、局部発振信号周波数の偶数倍の雑音成
分が現われるので、これらの雑音を除去することによ
り、可変減衰器や可変利得増幅回路で発生する雑音の増
加を防ぐことができる。
【0093】また、無線通信端末として直接変換方式受
信機と直接変調方式送信機を組み合わせると部品点数が
少なくなり、通信端末を小形化できるが、送信信号の周
波数と、局部発振信号の周波数が等しいため、送信信号
が局部発振器に混入し、発振周波数が不安定になること
がある。これを防ぐには金属板などで、局部発振器を覆
うなどの対策が必要であるが、局部発振周波数を送信周
波数の半分にし、周波数逓倍回路を用いて所望の周波数
を得ることにより、送信信号の影響を回避する方法もあ
る。本発明の周波数変換器をこのような方式の送信機と
組合わせると、局部発振器を新たに設ける必要がない。
さらに、変調器として本発明の周波数変換回路を用いる
と周波数逓倍器も不要になり、さらに小形化できる。
【0094】以上述べたように、本発明によれば自己混
合の問題を解消することができると共に、局部発振信号
の漏洩が少ない周波数変換器を構成することができる。
また本発明に係る周波数変換器を用いた直交復調器にお
いては、信号分配による雑音特性の劣化が少なくなると
いう効果を有し、さらに、本発明に係る周波数変換器を
用いた無線受信機によれば、利得調整のために設けられ
る回路が雑音の増加を防ぐことができ、これにより雑音
が少ない受信機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器の
構成を示すブロック図。
【図2】図1に示された周波数変換器の詳細な構成を示
す回路図。
【図3】偶数倍信号がPWM変調信号に変換されること
を示す説明図。
【図4】奇数倍信号がPWM変調信号に変換されること
を示す説明図。
【図5】本発明の周波数変換器の三角波発生回路の第1
の具体例を示す構成図。
【図6】図4の三角波発生回路の特性を示す波形図。
【図7】本発明の周波数変換器の三角波発生回路の第2
の具体例を示す構成図。
【図8】本発明の周波数変換器の三角波発生回路の第3
の具体例を示す構成図。
【図9】図7の三角波発生回路の各部の出力波形を示す
波形図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示す回路図。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示すブロック図。
【図12】図11に示された周波数変換器における振幅
制限増幅回路を示す回路図。
【図13】第3の実施形態に係る周波数変換器において
差動増幅回路を振幅制限増幅回路として用いたときの局
部発振信号振幅−変換利得特性を示す特性図。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示すブロック図。
【図15】図14に示された周波数変換器の詳細な構成
を示す回路図。
【図16】本発明の第5の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示すブロック図。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示す回路図。
【図18】本発明の第7の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示す回路図。
【図19】本発明の第8の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示すブロック図。
【図20】本発明の第8の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示す回路図。
【図21】本発明の第9の実施形態に係る周波数変換器
の構成を示すブロック図。
【図22】本発明の第10の実施形態に係る周波数変換
器の構成を示すブロック図。
【図23】第10の実施形態に係る周波数変換器の変形
例を示すブロック図。
【図24】本発明の第11の実施の形態に係る周波数変
換器の構成を示すブロック図。
【図25】本発明の第12の実施形態に係る周波数変換
器の構成を示すブロック図。
【図26】図25の具体例としての第13の実施形態に
係る周波数変換器の回路構成を示す回路図。
【図27】図25の他の具体例としての第14の実施形
態に係る周波数変換器の他の回路構成を示す回路図。
【図28】本発明の第15の実施の形態に係る周波数変
換器を用いた無線受信機の構成を示すブロック図。
【図29】本発明の第16の実施の形態に係る周波数変
換器を用いた無線受信機の構成を示すブロック図。
【図30】本発明の第17の実施形態に係る無線機の構
成を示すブロック図。
【図31】図30におけるリングオシレータの一例を示
す構成図。
【図32】図31に示したリングオシレータの詳細な構
成を示す回路図。
【図33】本発明の第18の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図34】本発明の第19の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図35】本発明の第20の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図36】図35の移相器の動作を説明するための特性
図。
【図37】本発明の第21の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図38】本発明の第22の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図39】本発明の第23の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図40】本発明の第24の実施形態に係る移相器の構
成を示すブロック図。
【図41】図40の移相器の各部の動作を説明するため
の波形図。
【図42】図40の具体例としての第25実施形態に係
るπ/2移相器を示す回路図。
【図43】第25の実施形態に係る移相器の動作を示す
特性図。
【図44】従来の周波数変換器の一例を示す回路図。
【符号の説明】
10 信号合成手段 11 バイアス供給手段 20 振幅制限手段 13,14 偶数倍波抑圧手段 15 差動増幅回路 16 第1の比較器 17 第2の比較器 25 比較器 30,300 フィルタ手段 45 (第1の)2端子非線形素子、(第2の)2端子
非線形素子 60 無線受信機 62 高周波分配回路 64 局部発振信号分配回路 65 第1の偶高調波周波数変換器 67 直交復調器 68 第2の偶高調波周波数変換器 Tr20,Tr21 差動増幅回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大 高 章 二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 藤 本 竜 一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 谷 本 洋 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−78007(JP,A) 特開 昭59−191907(JP,A) 特開 平3−125507(JP,A) 特開 昭64−11404(JP,A) 特開 平7−202747(JP,A) 特開 平5−315843(JP,A) 実開 昭57−163813(JP,U) 特公 昭36−7814(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/26 H04B 1/30 H03D 7/00 - 9/06 H04L 27/00 - 27/30

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の入力信号と第2の入力信号を入力
    し、これら第1および第2の入力信号を合成して合成信
    号を出力すると共に、前記第2の入力信号としての局部
    発振信号の周波数の偶数倍の周波数の雑音を除去する偶
    数倍波抑圧手段を備える信号合成手段と、 差動増幅回路により構成され、前記信号合成手段が出力
    する前記合成信号を増幅し、振幅が一定である増幅信号
    を出力する振幅制限増幅手段と、 前記振幅制限増幅手段が出力する増幅信号を入力し、こ
    の増幅信号の中から不要信号成分を除去して所望の信
    号成分を出力するフィルタ手段と、 を備えることを特徴とする周波数変換器。
  2. 【請求項2】第1の入力端子に第1の入力信号を入力
    第2の入力端子に第2の入力信号を入力して、前記
    第1および第2の入力信号を比較する第1の比較器と、第1の入力端子に第2の入力信号を入力し第2の入力端
    子に第1の入力信号の反転信号を入力して、入力された
    両信号を比較する第2の比較器と、 前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力と
    入力して、両信号を合成し不要信号成分を除去して所望
    の信号成分のみを出力するフィルタと、 を備えることを特徴とする周波数変換器。
  3. 【請求項3】第1および第2の入力信号の何れか一方が
    入力される第2端子を備える第1の2端子非線形素子
    と、 第2および第1の入力信号の何れか他方が入力される第
    2端子を備える第2の2端子非線形素子と、 前記第1の2端子非線形素子の第1端子と前記第2の2
    端子非線形素子の第1端子とがそれぞれ接続される出力
    端子を備えるバイアス供給手段と、 を備え、 前記第1および第2の2端子非線形素子のそれぞれの第
    2端子の何れかより出力信号を取り出すことを特徴とす
    る周波数変換器。
  4. 【請求項4】前記第1および第2の2端子非線形素子が
    ダイオードであることを特徴とする請求項3に記載され
    た周波数変換器。
  5. 【請求項5】第1の入力信号と第2の入力信号を入力
    し、これら第1および第2の入力信号を合成して第1の
    合成信号を出力する第1の信号合成手段と、 前記第1の信号合成手段が出力する前記第1の合成信号
    を増幅し、振幅が一定である第1の増幅信号を出力する
    第1の振幅制限増幅手段と、 第1の入力信号と第2の入力信号の反転信号とを入力
    し、これら第1の入力信号と第2の入力信号の反転信号
    を合成して第2の合成信号を出力する第2の信号合成手
    段と、 前記第2の信号合成手段が出力する前記第2の合成信号
    を増幅し、振幅が一定である第2の増幅信号を出力する
    第2の振幅制限増幅手段と、 前記第1および第2の振幅制限増幅手段がそれぞれ出力
    する第1および第2の増幅信号を入力し、両信号を合成
    して不要な信号成分を除去し、所望の信号成分のみを出
    力するフィルタと、 を備えることを特徴とする周波数変換器。
  6. 【請求項6】高周波信号を入力して2つの高周波信号に
    分配してそれぞれを出力する高周波分配回路と、 少なくともトランジスタ差動対を備え、前記高周波分配
    回路により分配された一方の高周波信号を入力してその
    周波数を変換する第1の偶高調波周波数変換器と、 少なくともトランジスタ差動対を備え、前記高周波分配
    回路により分配された他方の高周波信号を入力してその
    周波数を変換する第2の偶高調波周波数変換器と、 局部発振信号を入力し、前記第1の偶高調波周波数変換
    器および前記第2の偶高調波周波数変換器のそれぞれ
    に、位相が互いにπ/4異なる局部発振信号を分配する
    局部発振信号分配回路よりなる直交復調器と、 を備えることを特徴とする周波数変換器を用いた無線受
    信機。
  7. 【請求項7】前記局部発振信号分配回路は、可変移相回
    路と、前記可変移相回路の入力信号と出力信号の排他的
    論理和を演算する排他的論理和回路と、この排他的論理
    和回路の出力信号の直流成分レベルを検出する第1の低
    域通過フィルタと、前記可変移相回路の入力信号の直流
    成分レベルを検出する第2の低域通過フィルタと、前記
    第1の低域通過フィルタの出力信号を増幅する増幅回路
    と、前記増幅回路の出力信号と前記第2の低域通過フィ
    ルタの出力信号を比較しその差を増幅する比較回路と、
    前記可変移相回路の入力信号を各々入力し前記第1およ
    び第2の偶高調波周波数変換器に出力する第1および第
    2のバッファと、により構成され、 前記比較回路の出力により前記移相回路の移相量が制御
    されることを特徴とする請求項6に記載された周波数変
    換器を用いた無線受信機。
  8. 【請求項8】前記第1および第2のバッファは、入力信
    号を三角波に変換する変換機能をそれぞれ有することを
    特徴とする請求項7に記載された周波数変換器を用いた
    無線受信機。
  9. 【請求項9】前記移相回路は、M段(Mは偶数)のイン
    バータ回路よりなることを特徴とする請求項7に記載さ
    れた周波数変換器を用いた無線受信機。
  10. 【請求項10】前記局部発振信号分配回路は、局部発振
    信号を入力する直列接続された第1および第2の抵抗
    と、局部発振信号を入力する直列接続された第3の抵抗
    および第1の容量と、前記第1の抵抗と第2の抵抗の直
    列接続点の信号を振幅制限し、その高調波成分を除去し
    て前記第1または第2の偶高調波周波数変換器の何れか
    一方に供給するための第3のフィルタと、前記第3の抵
    抗と第1の容量との直列接続点の信号を振幅制限し、そ
    の高調波成分を除去して前記第1および第2の偶高調波
    周波数変換器の他方に供給するための第4のフィルタ
    と、により構成されることを特徴とする請求項6に記載
    された周波数変換器を用いた無線受信機。
  11. 【請求項11】前記局部発振信号分配回路は、局部発振
    信号を入力する直列接続された第1および第2の抵抗
    と、局部発振信号を入力する直列接続された第3の抵抗
    および第1の容量と、前記第1の抵抗と第2の抵抗との
    直列接続点の信号を前記第1および第2の偶高調波周波
    数変換器の何れか一方に供給する第1のバッファと、前
    記第3の抵抗と第1の容量との直列接続点の信号を前記
    第2および第1の偶高調波周波数変換器の他方に供給す
    る第2のバッファと、により構成され、 前記第1の抵抗の抵抗値は、前記第2の抵抗の抵抗値の
    ほぼ(ルート2−1)倍であることを特徴とする請求項
    6に記載された周波数変換器を用いた無線受信機。
  12. 【請求項12】第1の入力信号と第2の入力信号を入力
    し、これら第1および第2の入力信号を合成して合成信
    号を出力する信号合成手段と、前記信号合成手段が出力
    する前記合成信号を増幅し振幅が一定である増幅信号を
    出力する振幅制限増幅手段と、前記振幅制限増幅手段が
    出力する増幅信号を入力してこの増幅信号の中から不要
    な信号成分を除去して所望の信号成分を生成して出力す
    るフィルタ手段と、を備える周波数変換器を用いた無線
    受信機であって、 局部発振器の出力を可変減衰器または可変利得アンプに
    入力し、前記可変減衰器または可変利得アンプの出力を
    前記第1の入力信号として周波数変換器に入力すること
    により、利得制御を行なうことを特徴とする周波数変換
    器を用いた無線受信機。
  13. 【請求項13】前記局部発振器の出力波形の立ち上がり
    または立ち下がりの少なくとも一方の信号の時間変化率
    が、立ち下がりまたは立ち上がりの期間においてほぼ一
    定となるように設定されていることを特徴とする請求項
    12に記載された周波数変換器を用いた無線受信機。
  14. 【請求項14】前記局部発振器の出力は、三角波である
    ことを特徴とする請求項12に記載された周波数変換器
    を用いた無線受信機。
  15. 【請求項15】高周波信号を入力して2つの高周波信号
    に分配してそれぞれを出力する高周波分配回路と、 前記高周波分配回路により分配された一方の高周波信号
    を入力してその周波数を変換する第1の偶高調波周波数
    変換器と、 前記高周波分配回路により分配された他方の高周波信号
    を入力してその周波数を変換する第2の偶高調波周波数
    変換器と、 4×N(Nは正の整数)段のリングオシレータよりなる
    局部発振器と、 前記リングオシレータの第1の出力を前記第1の偶高調
    波周波数変換器に供給し、前記リングオシレータの前記
    第1の出力よりN段シフトされた第2の出力を前記第2
    の偶高調波周波数変換器に供給する直交復調器と、 を備えることを特徴とする周波数変換器を用いた無線受
    信機。
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