JP4005703B2 - アレイアンテナの送受信方法および周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置 - Google Patents

アレイアンテナの送受信方法および周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アレイアンテナを用いて二次元映像を得る二次元映像装置に係り、特に周波数が30GHz以上のいわゆるミリ波を用いて二次元映像を得るのに好適なアレイアンテナの送受信方法および周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミリ波を用いて二次元的な映像を求める場合、一般的に次の2通りの方法がある。1つはアンテナ素子を一次元等の次元の低い配置にし、アンテナ素子を機械的に移動させてミリ波の送信と受信とを行なって二次元の映像を合成する方法(合成開口法)であり、他の1つは複数の送信アンテナ素子と受信アンテナ素子とを二次元的に配置し、各送信アンテナ素子と受信アンテナ素子とを順次切替えて送信と受信とを行ない、各受信アンテナ素子の受信信号に基づいて二次元映像を得る方法である。しかし、アンテナ素子を機械的に移動させる方法は、駆動装置などを必要とするために装置が大型化、重量化するばかりでなく、リアルタイム性に欠ける問題がある。これに対して、複数のアンテナ素子を二次元的に配置したものは、軽量でリアルタイム性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、30GHz以上のミリ波を用いてリアルタイムに二次元映像を求めようとすると、二次元的に配置された各アンテナ素子を電子的に切り替えてミリ波を給電する必要がある。ところが、現状の高周波技術では、半導体の高周波における特性や、それを実装する技術に多くの制限や困難が伴い、ミリ波信号を電子的に高速で切り替えることは困難であり、またかりにできたとしても非常に高価な装置となってしまう。
【0004】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、周波数を下げてアンテナ素子を切り替えることで回路実現の困難を緩和することができるとともに、ミリ波による二次元映像を得ることができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るアレイアンテナの送受信方法は、複数の送信用進行波アンテナを切替えて送信信号を放射するとともに、複数の受信用進行波アンテナを切替えて前記送信信号の反射信号を受信するアレイアンテナの送受信方法において、送信信号を放射する平行に並べられた複数の送信用進行波アンテナと、前記複数の送信用進行波アンテナに対して直交配置され、前記送信信号の反射信号を受ける平行に並べられた複数の受信用進行波アンテナとを有するとともに、送信用進行波アンテナを切替えた後、発振器が出力した送信信号の周波数を逓倍してから前記送信用進行波アンテナに与えて放射し、前記複数の送信用アンテナ素子列の1つから送信信号を放射するごとに、前記複数の受信用アンテナ素子列を順次切替えてその反射信号を受信し、前記受信用アンテナ素子が受けた反射信号を前記発振器出力と同じ周波数の参照信号によって分数調波検波する構成にしてある。
【0006】
そして、上記送受信方法を適用して周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置は、送信信号を放射する複数の送信用進行波アンテナと、前記複数の送信用進行波アンテナに対して直交配置され、前記送信信号の反射信号を受ける複数の受信用進行波アンテナとを有するアレイアンテナと、前記送信用進行波アンテナと前記受信用進行波アンテナとの任意の組合わせを選択可能であるとともに、前記複数の送信用進行波アンテナの1つが選択されて送信信号を放射したときに、前記複数の受信用進行波アンテナを順次切替えるアンテナ切替え手段と、前記送信用進行波アンテナから放射する送信信号を出力する送信信号生成手段と、前記切替え手段により選択された前記送信用進行波アンテナが放射する前記送信信号生成手段の出力信号を逓倍する逓倍手段と、前記送信信号生成手段が出力した前記送信信号と同じ周波数の参照信号が与えられ、この参照信号によって前記受信用進行波アンテナの各アンテナ素子が受けた反射信号を分数調波検波する検波手段と、を有する構成にしてある。
【0007】
検波手段は、送信信号生成手段が出力した送信信号と同位相の参照信号と位相が45度ずれた参照信号とを交互に出力する位相シフタが接続され、参照信号を二乗し発生する逓倍周波数と、アレイアンテナ側から入力した信号と混合するように構成できる。
【0008】
【作用】
上記のごとく構成した本発明は、送信信号生成手段において周波数が例えば15GHzの送信信号を生成して出力する。そして、素子切替え手段によって選択した送信用アンテナ素子から放射する送信信号、すなわち送信用アンテナ素子に入る直前の送信信号の周波数を逓倍して30GHz、45GHzなどのミリ波にして放射する。また、受信用アンテナ素子が受けた反射信号は、検波手段において送信信号生成手段が出力した送信信号と同じ周波数の参照信号によって検波される。
【0009】
これにより、高周波が流れる回路の大半においてミリ波より低い切替えの容易な周波数を用いることができる。従って、切替えの簡単な低周波を切替えることにより、ミリ波を直接切替える必要がなく、ミリ波の切替えの困難性を回避できるとともに、ミリ波による二次元映像装置を実現することができる。
【0010】
参照信号を送信信号生成手段が出力した送信信号と同位相の信号と、位相を45度ずらせた信号とにより構成し、これらの信号を交互に検波手段に与えるようにし、また検波手段によって参照信号を二乗したのち、アレイアンテナ側から入力する信号と混合すると、検波手段から複素信号を取り出すことができ、二次元映像を得るのが容易となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアレイアンテナの送受信方法および二次元映像装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る二次元映像装置の要部を示すブロック図である。図1において、二次元映像装置10は、送信信号生成手段である発振器12を有している。この発振器12は、図示しない物標(物体)を映像化するためのミリ波(例えば、30GHz)の分数調波(1/2倍、1/3倍、1/4倍等)の周波数fの送信信号を生成し、方向性結合器14に出力する。そして、方向性結合器14に入力された送信信号は、一部が増幅器16を介して素子切替え手段を構成している送信側のSPNT(Single Port N Transfer)切替え器18に入力し、一部が45度位相シフタ20に入力するようになっている。
【0012】
SPNT切替え器18は、システム制御回路22から切替え制御信号を受けるようになっていて、詳細を後述するアレイアンテナ24を構成しているN個の送信用進行波アンテナを順次切り替えて増幅器16に接続する。そして、SPNT切替え器18とアレイアンテナ24との間には、各送信用進行波アンテナに対応して設けた周波数逓倍器(逓倍手段)26が設けてあって、アレイアンテナ24に供給される周波数fの送信信号を周波数逓倍(2倍、3倍、4倍等)してミリ波にし、ミリ波の送信信号をアレイアンテナ24から放射できるようにしてある。
【0013】
アレイアンテナ24を構成しているN個の受信用進行波アンテナは、それぞれに対応して設けた検波手段であるサブハーモニックミキサ(分数調波検波器)28に接続してあり、受けた反射信号をサブハーモニックミキサ28に入力できるようにしてある。また、サブハーモニックミキサ28には、45度位相シフタ20が接続してあり、45度位相シフタ20の出力した参照信号が入力するようになっていて、この参照信号によりアレイアンテナ24の出力した反射信号を検波するようになっている。そして、45度位相シフタ20は、システム制御回路22からの切替え信号に同期し、方向性結合器14が出力した信号、すなわち発振器12の出力した送信信号と同相または位相を45度進めた(または遅らせた)信号とを交互にサブハーモニックミキサ28に参照信号として入力する。
【0014】
各サブハーモニックミキサ28は、出力側が受信側のSPNT切替え器30に接続してある。このSPNT切替え器30は、システム制御回路22から切替え制御信号が入力し、N個のサブハーモニックミキサ28を順次切替えて増幅器32に接続する。そして、各サブハーモニックミキサ28の出力した検波信号(IF信号)は、増幅器32によって増幅されたのち、アナログ・ディジタル変換器(A/D変換器)34によってディジタル信号に変換されたのち、図示しない映像処理回路に送られ、二次元映像が求められるようになっている。
【0015】
アレイアンテナ24は、図2のようになっていて、詳細を後述するN個の送信用進行波アンテナ36(36a、36b、……36n)と、N個の受信用進行波アンテナ38(38a、38b、……38n)とが直交して配設してある。そして、送信用の各進行波アンテナ36は、一端が周波数逓倍器26に接続してあり、他端が終端抵抗40を介してアース42に接続してある。また、受信用の各進行波アンテナ38は、一端がサブハーモニックミキサ28に接続してあり、他端が終端抵抗40を介してアース42に接続してある。
【0016】
各送信用進行波アンテナ36は、送信用アンテナ素子を構成しているN個の平面パッチアンテナ44(44a、44b、……44n)を有し、これらのパッチアンテナ44が導波路46によって接続された構造となっている。また、受信用進行波アンテナ38も送信用進行波アンテナ36と同様に構成してあって、N個の平面パッチアンテナ48(48a、48b、……48n)と、これらを接続する導波路50とを有している。従って、アレイアンテナ24は、N2 個の送信用アンテナ素子とN2 個の受信用アンテナ素子とを有する。
【0017】
送信用進行波アンテナ36は、図3に示したように形成してあって、3枚の細長い誘電体板52、54、56を積層して一体化した構造となっている。誘電体板52は、両側の側面58に金属メッキが施してあるとともに、下面に接地用の金属メッキが設けてある。そして、誘電体板52の上面幅方向の中央部には、ミリ波からなる送信信号60を伝播させる金属パターン62が長手方向に沿って設けてある。この金属パターン62は、送信信号60の進行方向先端側が終端抵抗40を介してアース42に接続される。
【0018】
一方、誘電体板54は、両側の側面64と上面66とに金属メッキが設けてあって、金属パターン62とともに導波路46を形成している。そして、誘電体板54の上面66には、金属メッキの一部を除去して形成したN個の送信用スロット68(68a〜68n)が設けてあり、導波路46を伝播する送信信号60の一部を誘電体板54の上方に導くことができるようにしてある。これらのスロット68のピッチLは、導波路46内での送信信号60の1波長の長さ、
【数1】
Figure 0004005703
に設定してあって、送信信号60の同じ位相のところが各スロット68a〜68nを通過するようにしてある。なお、数式1において、cは真空中における送信信号(ミリ波)60の伝播速度であり、fは送信信号60の周波数、ε'は誘電体板の比誘電率である。
【0019】
誘電体板56は、両側面70に金属メッキが施してあるとともに、上面72の送信用スロット68a〜68nと対応した位置に、金属メッキからなる平面パッチアンテナ44a〜44nが設けてある。そして、各スロット68から漏れた送信信号60は、平面パッチアンテナ44において共振し、共振波74として空中に放射され、合成された波面76を形成する。
【0020】
誘電体板54に形成したスロット68a〜68nは、図4に示したように、長さsが周波数逓倍器26に近い方から遠い方に向けて、すなわち送信信号60の進行方向に沿って漸次大きくしてあり、各スロット68から漏れる放射波の強さが等しくなるようにしてある。すなわち、各スロット68a〜68nは、長さsが周波数逓倍器26に最も近い最初のスロット68aの長さをs0 としたとき、
【数2】
Figure 0004005703
となるように形成してある。ここに、mは周波数逓倍器26側からm番目のスロットであることを表しており、αは定数であって、実施の形態の場合、実験によって求めている。
【0021】
なお、アレイアンレナ24の列に対応する受信用進行波アンテナ素子38も同様に構成してあって、受信用スロットの長さがサブハーモニックミキサ28に近い方から遠い方に向けて漸次長くしてある。
【0022】
図5は、周波数逓倍器26の一例を示したもので、伝送線路78とアース80との間にバラクタダイオード82とバンドパスフィルタ84とが並列接続された構造となっていて、バラクタダイオード82の非線形性を用いて入力周波数の逓倍周波数を作り、バンドパスフィルタ84によって入力周波数の所定倍の周波数(実施の形態の場合、2倍の周波数)のみの信号を取り出すようになっている。そして、バラクタダイオード82は、カソードがアース80に接続してあるとともに、アノードが伝送線路78に設けた一対の1/4波長スタブ86、88間に配設してある。バラクタダイオード82の入力側の1/4波長スタブ86は接地してあり、出力側の1/4波長スタブ88はオープンとなっていて、入力側へ2倍の周波数が回り込まないように、また出力側へ基本周波数が回り込まないようにしてある。
【0023】
図6は、45度位相シフタ20の具体的構成の一例を示したものでる。45度位相シフタ20は、RF(高周波)入力とRF出力との間に90度ハイブリッド回路90が設けてある。また、90度ハイブリッド回路90には、一端をアース92に接続したコイル94、96が接続してあるとともに、バラクタダイオード98、100のアノードが接続してある。そして、各バラクタダイオード98、100のカソード側は、入力信号に対して1/4波長((1/4)λ)の長さを有するマイクロストリップ102、104の一端に接続してある。このマイクロストリップ102、104の他端側は、コイル106、108を介してバイアス110、112が接続してある。こうして、バラクタダイオード98、100の電圧可変容量性を利用して出力の位相を電気的に変えるようになっている。
【0024】
一方、サブハーモニックミキサ28は、図7のようになっていて、アレイアンテナ24が受けたRF信号(周波数2f)をその1/2の周波数fの参照信号によって検波するようになっている。このサブハーモニックミキサ28は、伝送電路113に設けたミキサ本体118が一対のショットキダイオード114、116を逆向きに並列接続して構成してあり、その非線形特性(電流・電圧特性、I−V特性)が奇関数となるようにしてある。また、ミキサ本体118の両側には、参照信号の周波数fを基準にした1/4波長スタブ120、122が配設してあって、ショットキダイオード114、116の両側の絶縁を保持し、RF信号と参照信号とが反対側に漏れないようにしてある。
【0025】
RF信号の入力側となるミキサ本体118のアレイアンテナ24側に設けた1/4波長スタブ120はオープンとなっており、参照信号入力側の1/4波長スタブ122はアース124に接続してある。1/4波長スタブ120のRF信号入力側には、コンデンサ126が設けてある。そして、ミキサ本体118によってRF信号と参照信号との混合により得られたIF(中間周波)信号は、コンデンサ126と1/4波長スタブ120との間に一端を接続したローパスフィルタであるコイル128を介して取り出すようにしてある。
【0026】
このように構成した実施の形態の作用は、次のとおりである。
発振器12は、映像に使用する周波数の1/2の周波数f(この実施の形態の場合、15GHz)を出力し、方向性結合器14に入力する。方向性結合器14に入力した信号は、一部が増幅器16を介して送信側のSPNT切替え器18に与えられ、一部が45度位相シフタ20に与えられる。
【0027】
システム制御回路22は、図8(a)のように映像スタートトリガ信号が入力すると、同図(b)に示したように、映像スタートトリガ信号に同期して進行波アンテナ切替え信号をN2 個発生し、送信側と受信側とのSPNT切替え器18、30に与える。すなわち、システム制御回路22は、例えばSPNT切替え器18に切替え信号を与えてアレイアンテナ24の送信用進行波アンテナ36aを選択すると、受信側SPNT切替え器30にN個の切替え信号を与えて受信用進行波アンテナ38a〜38nを順次選択する。そして、送信用進行波アンテナ36aについてのすべての受信用進行波アンテナ38の選択が終了したならば、送信側SPNT切替え器18に切替え信号を与えて送信用進行波アンテナ36bを選択し、これに対して前記と同様にすべての受信用進行波アンテナ38a〜38nを選択する。この動作が最後の送信用進行波アンテナ36nが選択されるまで行なわれる。これにより、N送信×N受信の行列からなる(i,j)要素(進行波アンテナ)が順次選択される。
【0028】
そして、送信側SPNT切替え器18は周波数f(15GHz)で切り替えられ、アレイアンテナ24のN個の送信用進行波アンテナ36が順次選択される。また、増幅器16が出力した周波数fの送信信号は、SPNT切替え器18を介して選択された送信用進行波アンテナ36に対応した周波数逓倍器26に与えられ、周波数逓倍器26によって所定の倍率に逓倍(実施の形態では2倍)の周波数に逓倍され、周波数2f(30GHz)のミリ波とる。すなわち、周波数逓倍器26は、バラクタダイオード82がその非線形性により入力周波数fの逓倍周波数を作って出力し、この逓倍周波数の信号のうち、バンドパスフィルタ82により入力周波数fの2倍の周波数2fの信号のみが取り出され、アレイアンテナ24の送信用進行波アンテナ36に与えられ、図示しない物標に向けた放射される。
【0029】
また、システム制御回路22は、図8(c)のように、位相切替え信号を45度位相シフタ20に入力する。45度位相シフタ20は、バラクタダイオード98、100の容量が電圧により変化するために反射の位相が変化する。そして、45度位相シフタ20は、90度ハイブリッド回路90のRF入力側に入力した信号を、システム制御回路22からの切替え信号に同期して入力信号に対して位相を0度進めたものと、45度進めた(遅らせた)ものとを交互に出力してサブハーモニックミキサ28に参照信号として入力する。これは、サブハーモニックミキサ28の出力(IF信号)を複素信号として取り出すためで、位相が0度が実部、位相が45度が虚部に対応している。
【0030】
アレイアンテナ24は、送信用進行波アンテナ36が周波数2fの送信信号を放射し、受信用進行波アンテナ38がその反射信号を受信する。受信した周波数2fの反射信号は、サブハーモニックミキサ28に入力し、図7のコンデンサ126を介してミキサ本体118に与えられる。また、45度位相シフタ20からの周波数fの参照信号は、ミキサ本体118がショットキダイオード114、116を逆向きに並列接続されいてその非線形特性が奇関数となっているため、ミキサ本体118によって2乗されて周波数が2fとなると同時に位相も2倍ずれる。すなわち、ミキサ本体118は、参照信号の位相が0度進んでいる場合、周波数2f、位相0度の信号にし、参照信号の位相が45度進んでいる場合、周波数2f、位相90度の信号にする。このように参照信号の2乗とRF信号の1乗との積に比例した信号がミキサ内部で生成され、この信号により反射信号が検波される。すなわち、サブハーモニックミキサ28におけるミキシングにおいては、アレイアンテナ24からのRF信号(周波数2f)に、周波数2f、位相が0度の参照信号、または周波数2f、位相が90度の参照信号を加えたことになる。そして、位相0度の参照信号とRF信号との混合により生じた信号が複素信号の実部となり、位相90度の参照信号とRF信号との混合により生じた信号が複素信号の虚部となる。
【0031】
反射信号(RF信号)と参照信号とを混合して得られたMHz帯以下の周波数のIF信号は、ローパスフィルタであるコイル128を介して取り出されて受信側のSPNT切替え器30に送られる。このSPNT切替え器30は、前記したように図8(b)のアンテナ選択信号によって順次切替えられ、サブハーモニックミキサ28が出力したIF信号を増幅器32を介してA/D変換器34に入力する。そして、A/D変換器34は、アナログのIF信号をディジタル信号に変換し、図示しない映像処理回路に送出する。
【0032】
このように、実施の形態においては、映像に使用する周波数が例えば30GHzのミリ波である場合、発振器12によってその周波数の半分の15GHzの信号を生成し、送信側のSPNT切替え器18を15GHzで切り替えることができ、また受信側のSPNT切替え器30にはIF信号が入力するため、アンテナ素子の切り替えを容易に行なうことが可能で、リアルタイムな二次元映像装置を安価に製作することができる。そして、実施の形態の場合、受信した反射信号を検波するためにサブハーモニックミキサ28を必要とするが、このミキサ28はショットキバリアダイオードにより容易に実現することができる。
【0033】
また、リアルタイムな二次元映像装置の製作が可能となるため、マイクロ波、ミリ波の透過能力を利用した不可視情報の可視化ができ、例えば霧や雲、またはプラスチックや布等を透過してこれらに遮られて見えないものを映像化する映像化レーダに用いることができる。さらに、船舶用レーダ、航空機用レーダ、その他通常遮蔽されて見えないところを画像化する装置への応用が可能となる。
前記実施の形態においては、周波数逓倍器26によって周波数を2倍にする場合について説明したが、周波数を3倍、4倍等してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、送信信号生成手段において周波数が目的とする周波数の例えば半分の周波数の送信信号を生成して出力し、送信用アンテナ素子に入る直前に送信信号の周波数を2倍に逓倍して放射するようにしているため、高周波が流れる回路の大半においてミリ波より低い切替えの容易な周波数を用いることができる。従って、切替えの簡単な低周波を切替えることにより、ミリ波を直接切替える必要がなく、ミリ波の切替えの困難性を回避できるとともに、ミリ波による二次元映像装置を実現することができる。
【0035】
参照信号を送信信号生成手段が出力した送信信号と同位相の信号と、位相を45度ずらせた信号とにより構成し、これらの信号を交互に検波手段に与えるようにし、また検波手段によって参照信号を二乗したのち、アレイアンテナ側から入力する信号と混合すると、検波手段から複素信号を取り出すことができ、二次元映像を得るのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る二次元映像装置の要部ブロック図である。
【図2】実施の形態に係るアレイアンテナの模式図である。
【図3】実施の形態に係るアレイアンテナを構成している送信用進行波アンテナの詳細説明図である。
【図4】実施の形態に係る送信用進行波アンテナのスリットの詳細説明図である。
【図5】実施の形態に係る周波数逓倍器の説明図である。
【図6】実施の形態に係る45度位相シフタの説明図である。
【図7】実施の形態に係るサブハーモニックミキサの説明図である。
【図8】実施の形態の作用を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 二次元映像装置
12 送信信号生成手段(発振器)
14 方向性結合器
18、30 素子切替え手段(SPNT切替え器)
20 45度位相シフタ
22 システム制御回路
24 アレイアンテナ
26 逓倍手段(周波数逓倍器)
28 検波手段(サブハーモニックミキサ)

Claims (4)

  1. 複数の送信用進行波アンテナを切替えて送信信号を放射するとともに、複数の受信用進行波アンテナを切替えて前記送信信号の反射信号を受信するアレイアンテナの送受信方法において、
    送信信号を放射する平行に並べられた複数の送信用進行波アンテナと、前記複数の送信用進行波アンテナに対して直交配置され、前記送信信号の反射信号を受ける平行に並べられた複数の受信用進行波アンテナとを有するとともに、
    送信用進行波アンテナを切替えた後、発振器が出力した送信信号の周波数を逓倍してから前記送信用進行波アンテナに与えて放射し、
    前記複数の送信用アンテナ素子列の1つから送信信号を放射するごとに、前記複数の受信用アンテナ素子列を順次切替えてその反射信号を受信し、
    前記受信用アンテナ素子が受けた反射信号を前記発振器出力と同じ周波数の参照信号によって分数調波検波する、
    ことを特徴とするアレイアンテナの送受信方法。
  2. 送信信号を放射する複数の送信用進行波アンテナと、前記複数の送信用進行波アンテナに対して直交配置され、前記送信信号の反射信号を受ける複数の受信用進行波アンテナとを有するアレイアンテナと、
    前記送信用進行波アンテナと前記受信用進行波アンテナとの任意の組合わせを選択可能であるとともに、前記複数の送信用進行波アンテナの1つが選択されて送信信号を放射したときに、前記複数の受信用進行波アンテナを順次切替えるアンテナ切替え手段と、
    前記送信用進行波アンテナから放射する送信信号を出力する送信信号生成手段と、
    前記切替え手段により選択された前記送信用進行波アンテナが放射する前記送信信号生成手段の出力信号を逓倍する逓倍手段と、
    前記送信信号生成手段が出力した前記送信信号と同じ周波数の参照信号が与えられ、この参照信号によって前記受信用進行波アンテナの各アンテナ素子が受けた反射信号を分数調波検波する検波手段と、
    を有することを特徴とする周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置。
  3. 送信信号を放射する複数の送信用進行波アンテナと、前記複数の送信用進行波アンテナに対して直交配置され、前記送信信号の反射信号を受ける複数の受信用進行波アンテナとを有するアレイアンテナと、
    一列のアンテナ素子からなる送信用進行波アンテナと一列のアンテナ素子からなる受信用アンテナとの任意の組合わせを選択可能であるとともに、前記複数の送信用アンテナ素子列の1つが選択されて送信信号を放射したときに、前記複数の受信用アンテナ素子列を順次切替えるアンテナ切替え手段と、
    前記送信用アンテナ素子から放射する送信信号を出力する送信信号生成手段と、
    前記アンテナ切替え手段が選択した前記送信用アンテナ素子列が放射する前記送信信号生成手段が出力する信号の周波数を逓倍する逓倍手段と、
    前記送信信号と同じ周波数の参照信号が与えられ、この参照信号によって前記逓倍された反射信号を分周調波検波する検波手段と、
    を有することを特徴とする周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置。
  4. 前記検波手段は、前記送信信号生成手段が出力した送信信号と同位相の参照信号と位相が45度ずれた参照信号とを交互に出力する位相シフタが接続され、前記参照信号を二乗したのち、前記アレイアンテナ側から入力した信号と混合することを特徴とする請求項2または3に記載の周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置。
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