JP3475644B2 - 多糸条流体処理装置 - Google Patents

多糸条流体処理装置

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JP3475644B2 JP05478196A JP5478196A JP3475644B2 JP 3475644 B2 JP3475644 B2 JP 3475644B2 JP 05478196 A JP05478196 A JP 05478196A JP 5478196 A JP5478196 A JP 5478196A JP 3475644 B2 JP3475644 B2 JP 3475644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のフィラメン
トから構成される糸条のフィラメント相互を流体の作用
により交絡処理を施し、糸条に集束性を付与する多糸条
で狭いピッチで構成した多糸条流体処理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】撚りや糊付けされていない複数のフィラ
メントからなる糸条は、集束性が乏しいため製造工程で
の糸切れや巻き上げた糸パッケージから糸を取り出す際
に、糸切れを多発するため、交絡処理が施される。
【0003】近年、繊維製造工程において、複数の糸条
を一度に溶融紡糸し、交絡処理、巻取る工程が設備化さ
れている。これにより、糸条を増した分だけ生産量が増
加しコストダウンが図られている。
【0004】しかしながら、多糸条化を図った場合、
接する糸条の間隔(条ピッチも縮めなければ、従来
設備が使えず、設備コストが上がる問題点があった。
【0005】多糸条化を図った交絡処理装置としては、
特公平7−81223号公報、特表平5−503963
号公報等に開示されたものが知られている。
【0006】また、流体処理装置の糸条走行方向に曲面
の断面形状を有することにより、噴流部から糸条走行方
向の両端部に向かって流れている吹付け媒体の速度を次
第に減少させることにより、弱い交絡を解きほぐさない
ようにしたもの特開平6−17359号公報開示さ
れている。
【0007】ところで、上述した交絡処理装置は、多糸
条化を図り糸条ピッチを狭めた特公平7−81223
公報に記載のものの場合、ノズル本体全体が一つの部材
よりなる一体化構造をしているため、多糸条の内、1糸
条でも製作不良による性能不良や物の接触による破壊が
起きた場合、多糸条分取り替える必要が生じる。さら
に、導糸スリットが略90度に方向を変えているため、
製作加工上、かなりの高度の技術を有し、コスト面や製
作歩留まりで問題がある。
【0008】また、特表平5−503963号公報に記
載のものの場合、噴射孔が2孔設置されているため、噴
射孔の圧力損失を抑えるために中空通路(図2.21)
の容積を広く取る必要があり、狭ピッチ化が困難であ
る。
【0009】さらに、特開平6−17359号公報に記
載されている流体処理装置の糸条走行方向に曲面の断面
形状を有するものは、噴射孔の軸線と中空通路の軸線が
ほぼ同軸であり、多糸条、狭ピッチ化は困難である。
【0010】本発明の目的は、上記従来の多糸条化、狭
ピッチ化に容易に対応可能で、かつ、高性能な交絡性能
を有する多糸条流体処理装置を提供せんとするものであ
る。
【0011】上記課題を解決するための本発明の多糸条
流体処理装置は、体供給部材と、流体処理部及び該流
体処理部と外部とを連通する糸掛けスリットが相互の間
に介在するように間隔を置いて列状に配置された少なく
とも三つの糸道部材とを備え両端を除く前記糸道部材
は、一方側に隣接する他の糸道部材との間前記流体処
理部に向かって開口する単一の流体噴射孔が穿設されて
いるとともに、反対側に隣接する他の糸道部材の単一の
流体噴射孔との間の前記流体処理部に糸道走行溝が形成
されたものであり、前記流体噴射孔を備えた糸道部材
は、前記流体供給部材の加圧流体導入路から分岐され、
前記流体噴射孔に連通する流体流路を備えたものである
ことを特徴とする
【0012】本発明の流体処理装置は、走行する糸条に
流体を噴射させ交絡処理を施す糸道部材とコンプレッサ
などの流体供給源からの流体を流体処理部へ供給する流
体供給部材から構成される。
【0013】通常、流体供給部材は糸道部材とネジ止め
により接合されており、連結部材は、Oリングなどの流
体シール材を介して糸道部と流体供給部材と接触してい
る。流体供給部材は、製糸製造工程の機械の一部に固定
されている。使用中、流体処理部が汚れなどにより性能
低下した場合、構造が単純なため流体の配管内の圧力損
失などの影響を受けにくい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基づい
て本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の実施例の多糸条流体処理
装置の構成を示す模式図である。
【0016】図2は、図1のA−A断面の矢視図であ
り、図3は流体処理部の拡大図、図4は図2の流体処理
部の正面図の拡大図である。
【0017】本実施例の多糸条流体処理装置1は、加圧
流体の導入路18を内部に設けた流体供給部材6と、該
流体供給部材の加圧流体導入路の方向に沿って間隔をお
いて列状に配置された少なくと三つの糸道部材2,3,
4とからなり、該少なくとも三つの糸道部材は、隣接す
る他の糸道部材との間に、流体処理部8と、この流体処
理部と外部とを連通する糸掛けスリット14とが介在す
るように離間させられ、該各々の糸道部材2、3には、
前記流体処理部8に向かって開口する単一の流体噴射孔
7が穿設されているとともに、前記流体供給部材6の加
圧流体導入路18から分岐された該流体噴射孔に連通す
る流体通路15が設けられ、さらに、前記流体噴射孔7
と対向する他の糸道部材の流体処理部8に糸道走行溝1
が形成され、該糸道走行溝19が糸条の走行方向に沿
って、前記糸道部材の配置の方向に曲がった曲面で構成
されている。
【0018】この多糸条流体処理装置1は、流体噴射孔
7のみを有する糸道部材2、流体噴射孔7と流体処理部
8を有する糸道部材3、流体処理部8のみを有する糸道
部材4を少なくとも有し、また、これらを一つのユニッ
トに構成するハウジング部材5、流体噴射孔7に流体を
供給する流体供給部材6から構成される。
【0019】図2に示すように、糸道部材2、糸道部材
3、糸道部材4及びこれらの糸道部材間に流体処理部8
へ糸条を挿入させるための糸掛けスリット14を構成す
る、スペーサ13をハウジング部材5を両側から挟み込
みネジ12で固定する。上記ユニットと流体供給部材6
は、2本のボルト10により固定され、この間のシール
を行うために、Oリング11が設置されている。
【0020】コンプレッサなどの流体源(図示せず)か
ら供給される圧縮空気は流体供給孔9を介して流体供給
部材6の加圧流体導入路18へ供給され、流体通路16
及び糸道部材内に形成された流体通路15を介して流体
噴射孔7から糸条17へ衝突させる。
【0021】上記構成において、糸条の間隔(糸条ピッ
チ)が15mm以下であることが好ましく、より好まし
くは10mm以下、さらに好ましくは7mm以下であ
る。
【0022】また、流体噴射孔径(d)と前記糸道走
行溝幅(a)の比(d/a)は、噴流が糸条走行溝底
面に衝突し、糸条走行方向の曲面に沿って(コアンダ効
果)排出されればよく、これを満足するためには0.5
以上1以下であることが好ましく、より好ましくは0.
8以上1以下で構成する。
【0023】噴射孔径(d)と糸道走行溝幅(a)の比
(d/a)は0.5より小さいと噴流直下の糸道断面に
圧力差が生じ、間隙から糸が飛び出して交絡処理ができ
にくくなる。また、1より大きい場合、間隙に直接噴流
が衝突し、糸が飛び出しやすくなる。
【0024】糸道走行溝曲面の曲率半径は、20mm以
上、100mm以下で構成することが好ましく、より好
ましくは30mm以上、70mm以下で構成する。曲率
半径が20mmより小さい場合、噴流が糸条走行方向の
曲面に沿って排出しにくくなり、100mmより大きい
場合、コアンダ効果が弱まり、排出流れが乱されて、交
絡性能が低下する。
【0025】間隙は噴流軸に対して対称に2ヶ所から構
成されていることが好ましい。対でない場合、噴流軸
の排出エアバランスが崩れ交絡性能が低下する。
【0026】糸条走行溝としては断面形状が丸形、三角
形、四角形、多角形などに凹溝であれば種類を問わず、
糸道部材の材質としては、糸条に対して耐久性がある材
質であればよく、金属やセラミック、ガラスが適してい
る。
【0027】図5は糸条走行方向にみた糸条走行溝部断
面形状の他の例を示す拡大図である。図5において、
(A)は糸条走行溝の断面形状が三角形の場合、(B)
は四角形の場合、(C)は五角形の場合についてそれぞ
れ示す。
【0028】以下に、具体的な流体処理装置の条件の一
例を示す。
【0029】本流体処理装置の糸条ピッチP(図2)
は、図4に示すように、糸道部材3の幅t1及びスペー
サの厚みt2により決定する。t1は流体通路配管φ
d、壁厚みt3,t4から構成している。φDは、噴流
孔径φdへ圧力損失無く、流体を供給できればよく、φ
D≧φd、好ましくはφD≧1.5×φdより好ましく
はφD≧2×φdの関係を満足すればよい。本件ではφ
d=1.5、φD=3mmで実施した。
【0030】また、t3は、最も厚みが小さくなるt5
が、流体通路配管15にかかる圧力に耐えられればよ
く、実施例ではt3=2.5mm、t5=1.0mmで
実施した。t4は、流体通路配管15にかかる圧力に耐
えられればよく、実施例では、t3=0.8mmで実施
し、糸道部材3の厚みt1=6.3mmとした。また、
t2は、糸条を挿入させるだけの、間隙さえあればよ
く、t2=0.2mmで、ピッチPとしては、6.5m
mで実施した。
【0031】また、流体噴射孔径(d)と糸道走行溝幅
(a)の比(d/a)は0.8とし、糸道部材の曲面の
曲率半径は、50mmで実施した。
【0032】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、製糸製造工程において、構造が単純なため、
流体の配管内の圧力損失などの影響を受けにくく、さら
に、多糸条分を配列した場合、糸条間の幅方向の厚みを
小さくできるため、狭い糸条間距離にも対応可能であ
り、多糸条化によるコストダウンの効果が得られるとと
もに、メンテナンス性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の多糸条流体処理装置の構成を
示す模式図である。
【図2】図1のA−A断面の矢視図である。
【図3】流体処理部の拡大図である。
【図4】糸道部分の拡大図である。
【図5】糸条走行方向にみた糸条走行溝部断面形状の他
の例を示す拡大図であり、(A)は糸条走行溝の断面形
状が三角形の場合、(B)は四角形の場合、(C)は五
角形の場合についてそれぞれ示す。
【符号の説明】
1:多糸条流体処理装置 2,3,4:糸道部材 5:ハウジング部材 6:流体供給部材 7:流体噴射孔 8:流体処理部 9:流体供給孔 10:ボルト 11:Oリング 12:ネジ 13:スペーサ 14:糸掛けスリット 15,16:流体通路 17:糸条 18:加圧流体の導入路 19:糸道走行溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体供給部材と、流体処理部及び該流体処
    理部と外部とを連通する糸掛けスリットが相互の間に介
    在するように間隔を置いて列状に配置された少なくとも
    三つの糸道部材とを備え両端を除く前記糸道部材は、
    一方側に隣接する他の糸道部材との間前記流体処理部
    に向かって開口する単一の流体噴射孔が穿設されている
    とともに、反対側に隣接する他の糸道部材の単一の流体
    噴射孔との間の前記流体処理部に糸道走行溝が形成され
    たものであり、前記流体噴射孔を備えた糸道部材は、前
    記流体供給部材の加圧流体導入路から分岐され、前記流
    体噴射孔に連通する流体流路を備えたものであることを
    特徴とする多糸条流体処理装置。
  2. 【請求項2】前記糸道走行溝は、糸条の走行方向に沿っ
    て、前記糸道部材の配置の方向に曲がった曲面で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の多糸条流体
    処理装置。
  3. 【請求項3】隣接する糸条の間隔が15mm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多糸条流体
    処理装置。
  4. 【請求項4】前記流体噴射孔径(d)と前記糸道走行
    幅(a)の比(d/a)が0.5以上、1以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多
    糸条流体処理装置。
  5. 【請求項5】前記糸道走行溝の曲面の曲率半径が20m
    m以上、100mm以下で構成されていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の多糸条流体処理装
    置。
  6. 【請求項6】前記糸道走行溝の曲面が、流体噴射孔の噴
    射軸に対して糸条の入口側および出口側に対称であるこ
    とを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多糸条
    流体処理装置。
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