JP3473366B2 - 塗装鋼板の製造装置及び製造方法 - Google Patents

塗装鋼板の製造装置及び製造方法

Info

Publication number
JP3473366B2
JP3473366B2 JP35792397A JP35792397A JP3473366B2 JP 3473366 B2 JP3473366 B2 JP 3473366B2 JP 35792397 A JP35792397 A JP 35792397A JP 35792397 A JP35792397 A JP 35792397A JP 3473366 B2 JP3473366 B2 JP 3473366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
temperature
steel sheet
baking
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP35792397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11179263A (ja
Inventor
紀夫 井上
宣嗣 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP35792397A priority Critical patent/JP3473366B2/ja
Publication of JPH11179263A publication Critical patent/JPH11179263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3473366B2 publication Critical patent/JP3473366B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続塗装による塗
装鋼板の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装鋼板は、家電、建材など幅広い分野
で利用されており、この塗装鋼板の塗膜は塗装鋼板の用
途毎に所要の厚さ、色彩、加工性や耐疵付性などの機能
を有することを要求される。
【0003】一般的に、塗装鋼板の製造は、鋼板を塗装
装置、焼付炉等が配置されたオンライン上を連続的に走
行させることで行われる。すなわち、鋼板は、まず塗装
装置によって塗料を塗布され、その後焼付炉で焼付けら
れる。また、このオンライン上には塗膜厚測定器、色彩
計、鋼板の表面温度(以下、板温という)を測定する板
温計等が配置され、塗膜厚や色彩等の制御が行われてい
る。
【0004】特開昭63−7870号公報には、焼付炉
出側の塗膜が形成された鋼板の表面温度、塗膜厚、及び
塗膜面色彩を検出し、検出した鋼板の焼付最高板温に基
づいて炉内温度を調節するとともに、検出した塗膜厚及
び塗膜面の色彩に基づいて塗料塗布量を調節するフィー
ドバック制御を行う塗膜制御装置が開示されている。
【0005】また、特開平2−222750号公報に
は、供給塗料の重量から塗膜厚を測定する塗膜厚計によ
り塗膜厚を制御し、乾燥・焼付工程の後段に設置した測
色計により色差信号を検出し、この検出した色差信号に
従って別途用意された塗装色毎の管理基準に基づいて、
塗膜厚又は焼付温度の制御目標値を調整する制御方法が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭63−7870号公報に開示された塗膜制御装
置を利用して、オンラインにより塗装鋼板を製造した場
合、又は上述した特開平2−222750号公報に開示
された制御方法を利用して塗装鋼板を製造した場合に
は、塗装鋼板の製品の色彩が変動することがある。
【0007】この色彩の変動は、オンラインにおける色
彩測定時の鋼板の板温を考慮せずに色彩を測定している
ので、正確な色彩の測定が行われておらず、その測定結
果に基づいて色彩制御を行って塗装鋼板を製造したこと
が起因となっている。
【0008】このように、従来の塗装鋼板の製造装置及
び製造方法においては、塗装鋼板の製品の色彩が変動す
るという問題があった。本発明は以上のような実情に鑑
みてなされたもので、連続塗装ラインにおいて、常に安
定した色彩の塗装鋼板を製造する塗装鋼板の製造装置及
び製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、走行する鋼板に塗料を
連続的に塗布して塗装鋼板を製造する塗装鋼板の製造装
置において、塗膜厚制御機能を有し、走行する鋼板に塗
料を塗布して、鋼板上に指定された厚さの塗膜を形成す
る塗装手段と、塗装手段の後段に備えられ、焼付温度制
御機能を有し、鋼板の表面温度を指定温度に制御して、
塗布された塗料を鋼板に焼付ける焼付手段と、焼付手段
の後段に備えられ、焼付けられた鋼板の色彩を測定する
色彩測定手段と、色彩測定手段による色彩の測定位置近
傍の鋼板の表面温度を測定する板温測定手段と、板温測
定手段によって測定された表面温度を用いて、色彩測定
手段によって測定された色彩を、基準となる表面温度に
おける色彩に変換する色彩変換手段とを具備し、色彩変
換手段における変換によって得られる基準となる表面温
度における色彩に基づいて、塗装手段の塗膜厚制御機能
の制御目標値焼付手段の焼付温度制御機能の制御目標
とのうち少なくとも一方を調整する塗装鋼板の製造装
置である。
【0010】この請求項1に対応する発明の塗装鋼板の
製造装置においては、色彩変換手段が、色彩測定手段に
よって測定された色彩を、基準となる表面温度における
色彩に変換し、この変換によって得られる基準となる表
面温度における色彩が制御目標の色彩を基準とする許容
範囲に含まれるように、塗膜の厚さ焼付けにおける塗
膜の表面温度の指定温度とのうち少なくとも一方を調整
する。
【0011】塗膜の厚さ又は焼付けにおける塗膜の表面
温度の指定温度を制御することによって、色彩の状態の
制御が可能である。ゆえに、基準となる表面温度におけ
る色彩が、制御目標の色彩を基準とする許容範囲に含ま
れるように、塗膜の厚さ焼付けにおける塗膜の表面温
度の指定温度とのうち少なくとも一方を適切に調整する
ことにより、連続塗装ラインにおいて常に安定した色彩
の塗装鋼板を製造することができる。
【0012】また、請求項2に対応する発明は、走行す
る鋼板に塗料を連続的に塗布して塗装鋼板を製造する塗
装鋼板の製造方法において、指定された厚さの塗膜を形
成する塗膜厚制御機能を有する塗装手段が走行する鋼板
に塗料を塗布し、塗料が塗布された後の鋼板の表面温度
を指定された温度に制御する焼付温度制御機能を有する
焼付手段が塗料を鋼板に焼付け、塗料が焼付けられた後
の鋼板の色彩を色彩測定手段で測定し、色彩測定手段に
よる色彩の測定位置近傍に備えられた板温測定手段が色
彩の測定位置近傍の鋼板の表面温度を測定し、色彩変換
手段が、板温測定手段によって測定された表面温度を用
いて、色彩測定手段によって測定された色彩を、基準と
なる表面温度における色彩に変換し、色彩変換手段にお
ける変換によって得られる基準となる表面温度における
色彩に基づいて、塗装手段の塗膜厚制御機能の制御目標
焼付手段の焼付温度制御機能の制御目標値とのうち
少なくとも一方を調整する塗装鋼板の製造方法であり、
請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本実施の形態による塗装鋼板の製
造装置及び製造方法においては、測定された鋼板の色彩
値を、基準となる板温(以下、基準板温という)におけ
る色彩値に変換し、この変換によって得られる基準板温
における色彩値が、制御目標の色彩値を基準とする許容
範囲に含まれるように塗装鋼板の塗膜厚又は焼付最高温
度の少なくとも1つを制御するものである。
【0014】すなわち、本実施の形態による塗装鋼板の
製造装置及び製造方法においては、測定された板温を用
いて、例えば変換式による演算又はテーブルによる対応
付け等の手法により、測定された色彩値を基準板温にお
ける色彩値に変換し、この変換によって得られる基準板
温における色彩値が、制御目標色彩値を基準とした許容
範囲に含まれるように制御を行う。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に
よる塗装鋼板の製造方法を採用した塗装鋼板の製造装置
の構成例を示すブロック図であり、鋼板1(1a、1
b、1c)の搬送路に沿って塗装装置2、焼付炉5、板
温計9、冷却帯10、塗膜厚計12、色彩計13、色彩
計部板温計14が設置されている。
【0016】鋼板1aに塗料を塗布する塗装装置2は、
ピックアップロール2a、アプリケータロール2b及び
バックアップロール2cとからなり、ピックアップロー
ル2a、アプリケータロール2bはそれぞれ図示しない
電動機によって回転駆動される。ピックアップロール2
aは塗料パン3から塗料をピックアップし、アプリケー
タロール2bに供給する。アプリケータロール2bは、
接触する鋼板1aに塗料を付着させる。
【0017】また、ピックアップロール2a及びアプリ
ケータロール2bには、サーボモータとネジ機構を含む
ロール間圧力調節装置4が備えられており、塗料の付着
量はこのロール間圧力調節装置4によって変更されるロ
ール間の圧力によって調節される。
【0018】塗装装置2の後段に焼付炉5が配置されて
いる。焼付炉5は燃料ガスを燃焼させた熱風ガスの供給
により塗装された鋼板1bを加熱し、塗料を鋼板1bに
焼付ける。
【0019】燃料ガスの量は、燃料調節弁6の開度によ
って調節され、また熱風量は熱風ブロア7を駆動するモ
ータ8の回転速度によって調節される。すなわち、燃料
調節弁6の開度やモータ8の回転速度を調節すること
で、焼付炉5による焼付けにおける塗膜の表面温度の指
定温度である焼付最高板温の制御が行われる。
【0020】焼付炉5の直後に、塗膜が形成された鋼板
1cの焼付最高板温を検出する板温計9が備えられてい
る。この板温計9には、例えば非接触式の放射温度計を
利用することができる。
【0021】板温計9の後段には焼付後の鋼板1cを冷
却する冷却帯10が備えられており、更にこの冷却帯1
0の後段には塗膜の厚さの測定を行う塗膜厚計12が備
えられている。この塗膜厚計12には、例えばβ線後方
散乱方式膜厚計が利用できる。
【0022】この塗膜厚計12の後段に塗装面の色彩の
測定を行う色彩計13が備えられている。色彩計13の
測定位置近傍(以下、色彩計部という)には、板温を測
定する色彩計部板温計14を設けて、色彩計部を通過す
る鋼板1cの板温を測定できるようにしている。この色
彩計部板温計14には、先に述べた板温計9と同様に、
例えば非接触式の放射温度計を利用することができる。
【0023】板温計9、塗膜厚計12、色彩計13には
それぞれ比較演算器15〜17及び不感帯回路19〜2
1が接続されている。不感帯回路19〜21は制御系の
ハンチングを防止する。
【0024】製造命令ファイル23には、鋼板1の板
厚、板幅、長さ、製品の塗膜厚設定値、塗膜厚の許容範
囲、塗膜の不感帯設定値、塗布すべき塗料の種類、色彩
特性(焼付最高板温と色彩の関係、焼付後の塗膜厚と色
彩の関係)、適正焼付最高板温とその不感帯設定値等が
記憶されている。
【0025】さらに、この製造命令ファイル23には、
測定された板温を用いて、測定された色彩値を基準板温
における色彩値に変換する演算式又はテーブル、基準板
温、基準板温における鋼板の制御目標色彩値とその不感
帯設定値が記憶されている。
【0026】主計算機24は塗膜厚設定値に従って所要
のロール間圧力を求め、塗膜厚調節器25を介して塗装
装置2のロール間圧力調節装置4の設定を行う。また、
主計算機24は鋼板1の板幅、板厚、塗料の種類、適正
焼付最高板温等の情報に基づいて適切な燃料調節弁6の
開度と熱風量を予め決定し、この決定した燃料調節弁6
の開度に基づいて燃料弁開度調節器26を介して燃料調
節弁6の開度を制御し、決定した熱風量に基づいて熱風
量調節器27を介してモータ8の回転速度を制御し、こ
れにより焼付炉5の状態が設定される。
【0027】さらに、主計算機24は色彩計13によっ
て測定された色彩値を入力すると共に、色彩計部板温計
14によって色彩計部の板温を入力する。そして、主計
算機24は、色彩計部板温計14によって測定された板
温を用いて、製造命令ファイル23に記憶されている演
算式又はテーブルによって、測定された色彩値を基準板
温における色彩値に変換し、当該変換によって得られる
基準板温における色彩値が、製造命令ファイル23に記
憶されている制御目標色彩値を基準とする許容範囲に含
まれるように、ロール間圧力又は焼付最高板温の少なく
とも1つを制御する。
【0028】図2は、赤色塗装鋼板の分光強度分布の一
例を示す図であり、横軸は波長(nm)、縦軸は分光強
度を示す反射率(%)を示している。また、波長の幅
は、400nm〜720nmを示している。
【0029】この図2は、板温20℃、50℃、70℃
の3通りの板温について反射率(%)と波長(nm)と
による分光強度分布を示しており、波長が600(n
m)前後となる位置において大きな差を生じる。ここで
は、板温が高い程反射率が低くなっている。
【0030】図3は、赤色塗装鋼板の色彩値と板温との
関係の一例を示す図であり、横軸は板温(℃)、縦軸は
標準色のデータとの色彩値の差を示している。明度
*、色度a*、b*は、図2に示した赤色塗装鋼板の分
光強度分布における反射率と波長との関係を基に、三刺
激値X、Y、Zによる測定方法を用いて色彩の数値化を
行って求めたものであり、具体的に明度L*、色度a*
*は、次の式(1)〜(3)によって計算される。
【0031】 L*=116( Y/Yn)1/3 −16 …(1) a*=500[(X/Xn)1/3 −(Y/Yn)1/3 ] …(2) b*=200[(Y/Yn)1/3 −(Z/Zn)1/3 ] …(3) ここで、X/Xn、Y/Yn、Z/Znはいずれも0.
008856より大きく、Xn、Yn、Znは三刺激値
X、Y、Zを有する物体面と同一照明下の完全拡散面の
三刺激値で通常Yn=100に標準化されている。
【0032】色度a*、色度b*は各々「+」、「−」に
分けられる。色度a*は「+」側で数値が大きい程赤色
の度合いが大きく、「−」側で数値が大きい程緑色の度
合いが大きくなる。また、色度b*は「+」側で数値が
大きい程黄色の度合いが大きく、「−」側で数値が大き
い程青色の度合いが大きくなる。
【0033】明度L*は、値が100に近い程白色、0
に近い程黒色となる。総合色彩差ΔE*は、鋼板の色彩
値と基準値データの色彩値との差が表される。この総合
色彩差ΔE*は、まず色彩実測値と色彩設定値との差を
式(4)〜(6)により求め、得た値に基づいて式
(7)によって計算される。
【0034】 ΔL*=L*実測値−L*設定値 …(4) Δa*=a*実測値−a*設定値 …(5) Δb*=b*実測値−b*設定値 …(6) ΔE*=(Δa*2 +Δb*2 +ΔL*21/2 …(7) この図3においては、赤色塗装鋼板について、板温20
℃の場合を基準データとして板温を変化させたときのΔ
*、Δa*、Δb*、ΔL*をプロットしている。符号□
はΔL*、符号△はΔa*、符号◇はΔb*、符号・はΔ
*の状態を示しており、板温が高くなる程色彩値の差
が大きくなっていることを表している。
【0035】このように、板温が変化すると色彩値も変
化するため、安定した色彩の塗装鋼板を製造するには、
板温を基準板温に調節して正確に色彩値を測定し、この
正確に測定された色彩値に基づいて塗装鋼板の色彩を制
御するか、または,測定された色彩値を基準板温におけ
る色彩値に変換し、当該変換によって得られる基準板温
における色彩値に基づいて塗装鋼板の色彩を制御する必
要がある。このような操作を行うことなく、単に測定さ
れただけの色彩値と固定的に定められた単一の制御目標
色彩値に基づいて色彩値を制御して塗装鋼板を製造する
と、製品の色彩判定の際にユーザ等によって異なった評
価をされる可能性がある。
【0036】本実施の形態による塗装鋼板の製造装置に
おいては、板温の変化にともなう色彩の変化を考慮し、
測定された色彩値を基準板温における色彩値に変換し、
当該変換によって得られる基準板温における色彩値に基
づいて塗装鋼板の色彩を制御することで、安定した色彩
の塗装鋼板を製造する。
【0037】次に、本実施形態による塗装鋼板の製造装
置の動作について説明する。製造命令ファイル23に
は、上述したように、鋼板の板厚、板幅、長さ、製品の
塗膜厚設定値、塗膜厚の許容範囲、塗膜の不感帯設定
値、塗布すべき塗料の種類、色彩特性(焼付後の塗膜厚
と色彩の関係、焼付最高板温と色彩の関係)、適正焼付
最高板温とその不感帯設定値、測定された色彩値を基準
板温における色彩値に変換する演算式又はテーブル、制
御目標色彩値とその不感帯設定値が記憶されており、色
彩値は明度L*、色度a*、色度b*を用いて定量的に表
現されている。
【0038】鋼板1aは図示しないアンコイラから繰り
出され、塗装装置2によって塗料が連続的に塗布され
る。そして、塗料が塗布された鋼板1bは焼付炉5にお
いて加熱されて塗膜が焼付けられる。塗膜が焼付けられ
た鋼板1cは冷却帯10で冷却されて図示しないコイラ
に巻き取られる。
【0039】この工程の間、焼付炉5の直後の焼付最高
板温、冷却帯10の後段における塗膜厚、色彩値、色彩
計部の板温がそれぞれ板温計9、塗膜厚計12、色彩計
13、色彩計部板温計14により連続的に計測される。
板温計9、塗膜厚計12、色彩計13によって計測され
た焼付最高板温、塗膜厚、色彩はそれぞれ比較演算器1
5〜17に出力され、色彩計部板温計14によって計測
された色彩計部の板温は主計算機24に出力される。
【0040】主計算機24は製造命令ファイル23の内
容を参照し、各比較演算器15〜17及び不感帯回路1
9〜21に必要な情報を出力する。すなわち、板温計9
の出力段の比較演算器15には適正焼付最高板温、比較
演算器15の出力段の不感帯回路19には焼付最高板温
の不感帯設定値、塗膜厚計12の出力段の比較演算器1
6には塗膜厚設定値、比較演算器16の出力段の不感帯
回路20には塗膜厚不感帯設定値、色彩計13の出力段
の比較演算器17には色彩設定値、比較演算器17の出
力段の不感帯回路21には色彩不感帯設定値をそれぞれ
送信する。
【0041】不感帯回路19〜21を経て主計算機24
に戻されるデータに従って、主計算機24は塗膜厚調節
器25、燃料弁開度調節器26、熱風量調節器27へそ
れぞれ制御命令を送り、この制御命令に基づいて適正な
制御が行われる。
【0042】図4は、主計算機24における演算処理を
示すフロー図である。主計算機24は、焼付最高板温の
計測値が不感帯設定値を超えて適正焼付最高板温と差を
有するときは燃料弁開度と熱風量を調整する命令をそれ
ぞれ燃料弁開度調節器26、熱風量調節器27に出力す
る(s1)。すなわち、焼付最高板温が高い場合には燃
料弁開度は閉める旨を出力し、熱風量は少なくする旨を
出力する(s2)。また、焼付最高板温が低い場合には
燃料弁開度は開く旨を出力し、熱風量は多くする旨を出
力する(s3)。
【0043】同様に、主計算機24は、塗膜厚の計算値
が不感帯設定値を超えて塗膜厚設定値と差を有するとき
には、ロール間の圧力を調節する命令を塗膜厚調節器2
5に出力する(s4)。すなわち、塗膜厚が厚い場合に
は塗料の塗布量を少なくする旨を出力し(s5)、塗膜
厚が薄い場合には塗料の塗布量を多くする旨を出力する
(s6)。
【0044】また、主計算機24は、色彩計13から比
較演算器17及び不感帯回路21を介して明度L*、色
度a*、b*からなる色彩値の情報を入力すると共に、色
彩計部板温計14から色彩計部における板温を入力する
(s7)。
【0045】さらに、主計算機24は、製造命令ファイ
ル23から入力した演算式又はテーブルと色彩計14か
ら入力した板温とを用いて、色彩計14によって測定さ
れた色彩値を基準板温における色彩値に変換する(s
8)。
【0046】そして、主記憶装置24は、変換によって
得られた基準板温における色彩値が、製造命令ファイル
23から入力した制御目標色彩値を基準とする許容範囲
にあるか否か、すなわち変換によって得られた基準板温
における明度L*、色度a*、b*からなる色彩値が不感
帯設定値を超えて制御目標色彩値と差を有するか否かを
判断し、これにより色彩が適正か否かを判断する(s
9)。
【0047】図5の塗膜厚−色彩特性の一例及び図6の
板温−色彩特性の一例で示すように、色彩と塗膜厚及び
色彩と板温とは密接な関係を有しており、塗膜厚や板温
を調整することで色彩の調整が可能である。
【0048】色彩値が適正でない場合は、式(4)〜式
(6)における各L*実測値、a*実測値、b*実測値
を、それぞれ基準板温における色彩値に変換したL*
換色彩値、a*変換色彩値、b*変換色彩値に置き換えて
ΔL*、Δa*、Δb*を求め、当該制御偏差を示すΔ
*、Δa*、Δb*のチェックが行われる。Δa*、Δb
*、ΔL*が不感帯設定値よりも小さい場合、不感帯回路
21からの出力信号は0である。
【0049】Δa*のチェック(s10)、Δb*のチェ
ック(s11a、s11b)、ΔL*のチェック(s1
2a、s12b)を通して、Δa*、Δb*、ΔL*がす
べて0以上の場合には、主計算機24は予め定められて
いる塗膜厚設定値の変更可能範囲内で塗膜厚設定値を小
さく変更する旨の指示を塗膜厚調節器25に出力する
(s13)。Δa*、Δb*、ΔL*がすべて0より小さ
い場合には、主計算機24は予め定められている塗膜厚
設定値の変更可能範囲内で塗膜厚設定値を大きく変更す
る旨の指示を塗膜厚調節器25に出力する(s14)。
【0050】また、塗膜厚設定値の変更のみで色彩が適
正になったか判断し(s15a、s15b)、適正にな
っていない場合には、再びΔa*のチェック(s1
6)、Δb*のチェック(s17a、s17b)、ΔL*
のチェック(s18a、s18b)を通して、Δa*
Δb*、ΔL*がすべて0以上の場合には、主計算機24
は予め定められている焼付最高板温の設定値の変更可能
範囲内で焼付最高板温設定値を上昇させる旨の指示を燃
料弁開度調節器26、熱風量調節器27に出力する(s
19)。Δa*、Δb*、ΔL*がすべて0より小さい場
合には、主計算機24は予め定められている焼付最高板
温の設定値の変更可能範囲内で焼付最高板温設定値を低
下させる旨の指示を燃料弁開度調節器26、熱風量調節
器27に出力し(s20)、色彩が適正になったか否か
を判断する(s21a、s21b)。
【0051】ここで、塗膜厚が変更可能範囲の上下限の
いずれかを超えるために変更できない場合、焼付最高板
温が変更可能範囲の上下限のいずれかを超えるために変
更できない場合、Δa*、Δb*、ΔL*の正負から塗膜
厚変更の判断がつかない場合、焼付最高板温の変更の判
断がつかない場合には、その塗膜を形成した鋼板を「色
彩異常有り」として認識・記憶し(s22)、この情報
を塗装鋼板の使用、出荷等の際の情報として利用する。
【0052】最後に、処理を処理を続行するか否かを判
断し(s23)、続行の場合には同様の処理を繰り返
す。以上のように、本実施の形態による塗装鋼板の製造
装置においては、色彩計部板温計14によって測定され
た板温を用いて、製造命令ファイル23に記憶されてい
る演算式又はテーブルにより、色彩計13によって測定
された色彩値を基準板温における色彩値に変換し、当該
変換によって得られた基準板温における色彩値が、制御
目標色彩値を基準とする許容範囲に含まれるように塗装
鋼板の塗膜厚又は焼付最高温度の少なくとも1つを制御
するため、常に安定した色彩の塗装鋼板を製造すること
ができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、焼付炉5
の出側に焼付最高板温を測定する板温計9を設置した
が、この板温計9の設置位置はこれに限定されるもので
はなく、板温計9を焼付炉5の後部に備えてもよい。ま
た、焼付炉5に吹込む燃焼ガスの量を適切に保つことで
板温計9、比較演算器15、不感帯回路19を除去して
もよい。
【0054】また、塗膜厚計12を冷却帯10の後段に
設置したがこれに限定されず、他の位置に設置してもよ
い。さらに、板温計9、色彩測定用板温計14には、非
接触式の放射温度計だけではなく、接触式の放射温度
計、さらには特開平8−101079号公報で開示され
た走行物体の温度計測方法を適用した計測装置など様々
なものが利用できる。
【0055】さらに、本実施の形態においては、焼付炉
5及び板温計9の後段に冷却帯10を備えているが、こ
の冷却帯10を削除しても同様の効果を得ることができ
る。さらに、本実施の形態においては、色彩計13によ
って測定された色彩値を基準温度における色彩値に変換
する際の手法に、演算式又はテーブルを用いた場合を例
として説明したが、これに限定されるものではなく、様
々な変換手法を用いることができる。
【0056】さらに、塗膜厚計12には赤外線塗膜厚計
が利用できるとしたが、これに限定されるものではな
く、様々なものが利用できる。さらにまた、塗膜厚計1
2、比較演算器16、不感帯回路20を除去し、色彩計
13及び色彩測定用板温計14による測定結果のみによ
り、塗膜厚や焼付最高板温を制御して色彩を安定させる
こともできる。
【0057】加えて、本実施の形態においては、測定さ
れた板温を用いて、測定された色彩値を基準板温におけ
る色彩値に変換し、この変換によって得られる基準板温
における色彩値が、制御目標色彩値を基準とする許容範
囲に含まれるように制御を行うとしたが、これとは逆
に、基準板温における制御目標色彩値を演算式又はテー
ブル等のような変換手法により測定された板温における
制御目標色彩値に変換し、測定された色彩値が、当該変
換によって得られる測定された板温における制御目標色
彩値を基準とする許容範囲に含まれるように制御を行う
としてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による塗装
鋼板の製造装置及び製造方法は、指定された厚さの塗膜
を形成する塗膜厚制御機能を有する塗装手段が走行する
鋼板に塗料を塗布し、塗装手段の後段の焼付温度制御機
能を有する焼付手段が鋼板の表面温度を指定された温度
で焼付け、塗料が焼付けられた後の鋼板の色彩を色彩測
定手段で測定し、色彩測定手段による色彩の測定位置近
傍に備えられた板温測定手段が鋼板の表面温度を測定
し、色彩変換手段が板温測定手段によって測定された表
面温度を用いて、色彩測定手段によって測定された色彩
を、基準となる表面温度における色彩に変換し、この変
換によって得られる基準となる表面温度における色彩に
基づいて、塗装手段の塗膜厚制御機能の制御目標値
付手段の焼付温度制御機能の制御目標値とのうち少なく
とも一方を調整するものである。
【0059】したがって、本発明による塗装鋼板の製造
装置及び製造方法においては、変換によって得られる基
準板温における色彩値が、制御目標色彩値を基準とする
許容範囲に含まれるように制御されるため、常に安定し
た色彩の塗装鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る塗装鋼板の製造方法を
採用した塗装鋼板の製造装置の構成例を示すブロック
図。
【図2】赤色塗装鋼板の分光強度分布の一例を示す図。
【図3】赤色塗装鋼板の色彩値の差と板温との関係の一
例を示す図。
【図4】同実施形態の主計算機における演算処理を示す
フロー図。
【図5】塗膜厚−色彩特性の一例を示す図。
【図6】板温−色彩特性の一例を示す図。
【符号の説明】
1a、1b、1c…鋼板 2…塗装装置 2a…ピックアップロール 2b…アプリケータロール 2c…バックアップロール 3…塗料パン 4…ロール間圧力調節装置 5…焼付炉 6…燃料調節弁 7…熱風ブロア 8…モータ 9、14…板温計 10…冷却帯 12…塗膜厚計 13…色彩計 15〜17…比較演算器 19〜21…不感帯回路 23…製造命令ファイル 24…主計算機 25…塗膜厚調節器 26…燃料弁開度調節器 27…熱風量調節器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−7870(JP,A) 特開 平2−222750(JP,A) 特開 平2−73122(JP,A) 特開 平10−235268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 9/14 B05D 1/28 B05D 3/02 B05D 5/06 B05D 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する鋼板に塗料を連続的に塗布して
    塗装鋼板を製造する塗装鋼板の製造装置において、 塗膜厚制御機能を有し、走行する前記鋼板に塗料を塗布
    して、鋼板上に指定された厚さの塗膜を形成する塗装手
    段と、 前記塗装手段の後段に備えられ、焼付温度制御機能を有
    し、前記鋼板の表面温度を指定温度に制御して、前記塗
    布された塗料を鋼板に焼付ける焼付手段と、 前記焼付手段の後段に備えられ、前記焼付けられた鋼板
    の色彩を測定する色彩測定手段と、 前記色彩測定手段による色彩の測定位置近傍の前記鋼板
    の表面温度を測定する板温測定手段と、 前記板温測定手段によって測定された表面温度を用い
    て、前記色彩測定手段によって測定された色彩を、基準
    となる表面温度における色彩に変換する色彩変換手段と
    を具備し、 前記色彩変換手段における変換によって得られる基準と
    なる表面温度における色彩に基づいて、前記塗装手段の
    塗膜厚制御機能の制御目標値前記焼付手段の焼付温度
    制御機能の制御目標値とのうち少なくとも一方を調整す
    ることを特徴とする塗装鋼板の製造装置。
  2. 【請求項2】 走行する鋼板に塗料を連続的に塗布して
    塗装鋼板を製造する塗装鋼板の製造方法において、 指定された厚さの塗膜を形成する塗膜厚制御機能を有す
    る塗装手段が走行する前記鋼板に塗料を塗布し、 前記塗料が塗布された後の鋼板の表面温度を指定された
    温度に制御する焼付温度制御機能を有する焼付手段が前
    記塗料を鋼板に焼付け、 前記塗料が焼付けられた後の鋼板の色彩を色彩測定手段
    で測定し、 前記色彩測定手段による色彩の測定位置近傍に備えられ
    た板温測定手段が色彩の測定位置近傍の前記鋼板の表面
    温度を測定し、 色彩変換手段が、前記板温測定手段によって測定された
    表面温度を用いて、前記色彩測定手段によって測定され
    た色彩を、基準となる表面温度における色彩に変換し、 前記色彩変換手段における変換によって得られる基準と
    なる表面温度における色彩に基づいて、前記塗装手段の
    塗膜厚制御機能の制御目標値前記焼付手段の焼付温度
    制御機能の制御目標値とのうち少なくとも一方を調整す
    ることを特徴とする塗装鋼板の製造方法。
JP35792397A 1997-12-25 1997-12-25 塗装鋼板の製造装置及び製造方法 Expired - Lifetime JP3473366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35792397A JP3473366B2 (ja) 1997-12-25 1997-12-25 塗装鋼板の製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35792397A JP3473366B2 (ja) 1997-12-25 1997-12-25 塗装鋼板の製造装置及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11179263A JPH11179263A (ja) 1999-07-06
JP3473366B2 true JP3473366B2 (ja) 2003-12-02

Family

ID=18456634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35792397A Expired - Lifetime JP3473366B2 (ja) 1997-12-25 1997-12-25 塗装鋼板の製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3473366B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11179263A (ja) 1999-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107801403A (zh) 与金属处理炉结合使用的快速响应加热器和相关控制系统
JP3473366B2 (ja) 塗装鋼板の製造装置及び製造方法
US8299409B2 (en) Fuzzy logic-based control of microwave dryers
JP3407583B2 (ja) 塗装鋼板の製造装置及び製造方法
JPH01252761A (ja) 溶融亜鉛めっき用合金化炉の板温制御装置
JPS637870A (ja) 塗装鋼板の塗膜制御装置
JP3069494B2 (ja) 連続焼鈍炉の冷却帯における金属ストリップ温度の制御方法
JPH10239156A (ja) 塗装鋼板の色彩測定装置
JPS63190681A (ja) 塗装鋼板の焼付け方法
KR100797264B1 (ko) 코팅강판의 유도가열 최종목표온도 제어 장치 및 그 방법
JPH08196984A (ja) 塗装鋼板の焼付方法および装置
JP2001096216A (ja) 金属帯板の塗料連続焼付オーブンにおける焼付温度監視システム
JPS61247948A (ja) ストリツプのコ−テイング状態検出方法
JPH06312153A (ja) 塗装および/または印刷金属板の焼付装置
JP3403745B2 (ja) 塗装乾燥炉シミュレーションシステム
JP2738587B2 (ja) 塗装金属帯板の製造方法
JPH10239160A (ja) 連続式乾燥焼付炉の板温測定方法及び装置
JPH10296174A (ja) 塗装金属板の焼付け温度制御方法
JP2930210B2 (ja) 連続塗装鋼板製造装置における塗膜品質の制御方法
JP2619044B2 (ja) 温度制御装置
JPH01300188A (ja) 加熱炉の温度制御装置
JPH0219419B2 (ja)
JPH08323282A (ja) 塗装鍍金鋼板の製造方法
JPS62197140A (ja) 反応器の内部温度制御方法
JPH05111712A (ja) 連続圧延機の板厚・板クラウン制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 9