JP3472922B2 - 紙塗工ラテックス用反応性乳化剤、紙塗工用共重合体ラテックス、及び紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工ラテックス用反応性乳化剤、紙塗工用共重合体ラテックス、及び紙塗工用組成物

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JP3472922B2
JP3472922B2 JP2000244077A JP2000244077A JP3472922B2 JP 3472922 B2 JP3472922 B2 JP 3472922B2 JP 2000244077 A JP2000244077 A JP 2000244077A JP 2000244077 A JP2000244077 A JP 2000244077A JP 3472922 B2 JP3472922 B2 JP 3472922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工ラテックス
用反応性乳化剤、紙塗工用共重合体ラテックス、及び紙
塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようする課題】塗工紙を製
造するための紙塗工液(紙塗工用組成物)は、主として
顔料、結合剤、水、及び各種の添加剤からなる水系分散
体混合物であり、顔料としては、焼成クレー、炭酸カル
シウム、カオリン等が、また、結合剤(または接着剤)
としては、SBR系ラテックス、NBR系ラテックス等
の共重合体ラテックスが用いられている。
【0003】近年、需要激増によって塗工紙の生産能力
の向上が社会的に熱望されている。これに鑑み、塗工工
程の高速化が進んでおり、そのためには、紙塗工用組成
物に優れた高速流動性が要求されるようになった。また
一方、印刷速度の高速化も進められており、塗工紙には
このような高速印刷に耐え得る優れたウエットピック強
度、耐ブリスター性が必要となる。
【0004】前述した結合剤である共重合体ラテックス
にもこれらの性能の向上が要求されてきている。紙塗工
用組成物の高速流動性を改良するには、これに含まれる
前記共重合体ラテックスの粒子径を小さくすることが有
効であることが知られている。
【0005】共重合体ラテックスの粒子径を小さくする
方法としては、例えば特開平8−48705号公報に示
されているように、遷移金属化合物の存在下、重合開始
剤および反応性乳化剤を使用することで重合安定性を確
保し、それにより粒径分布が狭く微小な粒子径のラテッ
クスが得られるという技術が提案されている。
【0006】しかしながら、ここで開示されている反応
性乳化剤を使用したラテックスでは耐水性向上が十分で
ないため、塗工紙のウエットピック強度、耐ブリスター
性が低いという問題があった。
【0007】[発明の目的] 本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、その
目的は、高速流動性が良好な(より微小な共重合粒子を
含有する)紙塗工用組成物を提供するところにあり、ウ
エットピック強度、耐ブリスター性、光沢性に優れた塗
工紙を得ることのできる紙塗工用共重合体ラテックスお
よびこれを用いた紙塗工用組成物を提供するところにあ
り、前記組成物および前記ラテックスを得ることのでき
る紙塗工ラテックス用反応性乳化剤を提供するところに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の紙塗工ラ
テックス用反応性乳化剤は、下記一般式(II)で表さ
れる化合物(II)および下記一般式(III)で表さ
れる化合物(III)からなる紙塗工ラテックス用反応
性乳化剤。
【0009】
【化4】
【化5】 (ここで、上記[化4]及び[化5]中、Rは炭素数
8〜12のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン
基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数、X
は水素または下記[化6]で表される置換基であり、
[化6]中、Mはアルカリ金属、NH又はアルカノー
ルアミン残基、Rは上記[化4]及び[化5]のX以
外の残基である。なお、上記したR、A、n、X、
M、及びRはそれぞれ互いに同じであってもよいし、
異なっていてもよい。)
【化6】 請求項2に記載の紙塗工ラテックス用反応性乳化剤は、
前記化合物(II)および前記化合物(III)との重
量比率が80:20〜99:1の範囲であることを特徴
とする請求項1記載の紙塗工ラテックス用反応性乳化
剤。
【0010】請求項3に記載の紙塗工用共重合体ラテッ
クスは、請求項1または2に記載の紙塗工ラテックス用
反応性乳化剤の存在下、下記(a)、(b)及び(c)
からなる単量体混合物を乳化重合することにより得られ
た重合体粒子を含有してなる。
【0011】(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜7
0重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10
重量% (c)共重合可能な他の単量体20〜79.5重量%。
【0012】請求項4に記載の紙塗工用共重合体ラテッ
クスは、請求項3に記載の紙塗工用共重合体ラテックス
において、前記単量体混合物を、当該単量体混合物10
0重量部(以下、単に「部」という)に対して上記一般
式(I)で表される化合物(I)又は上記一般式(I
I)、(III)で表される化合物(II)、(II
I)の混合物0.1〜15重量部を存在させて乳化重合
することによって得られた重合体粒子を含有してなる紙
塗工用共重合体ラテックス。
【0013】請求項5に記載の紙塗工用組成物は、請求
項3またはに記載の紙塗工用共重合体ラテックスと顔
料を含有してなる。
【0014】
【発明の実施の形態】化合物(II)及び(III) 化合物(II)、(III)におけるRは炭素数8〜
12のアルキル基であり、具体的には、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられる。R
の炭素数が8未満の場合、親水性が高くなり、耐水性が
悪くなるという問題が生じ、12を超える場合、乳化重
合時の安定性が悪くなるという問題が生じる。
【0015】プロペニル基には1−プロペニル基、2−
プロペニル基、イソプロペニル基があり、特に1−プロ
ペニル基が共重合しやすいという理由で好ましい。
【0016】Aは炭素数2〜4のアルキレン基、又はメ
チルやエチルなどによって置換された置換アルキレン基
である。例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、イソブチレン基の単独若しくはホモポリマー又はブ
ロック若しくはランダムポリマーあるいはそれらの混合
物であってもよい。
【0017】nは1〜200であり、好ましくは1〜1
00である。nが200を超える場合、界面活性能が低
下するという問題が生じる。
【0018】Mは、Na、Kなどのアルカリ金属、NH
またはアルカノールアミン残基である。
【0019】脂肪族共役ジエン系単量体(a) 脂肪族共役ジエン系単量体(a)としては1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン
などが挙げられる。これらの脂肪族共役ジエン系単量体
は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用する
こともできる。その割合は全単量体混合物に対して20
〜70重量%であり、25〜65重量%であることが好
ましい。20重量%未満の場合、得られるラテックスの
弾性と膜の硬さに劣り、70重量%を超える場合、得ら
れるラテックスの柔軟性が過ぎ、また耐水性に劣るので
好ましくない。
【0020】エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b) エチレン系不飽和カルボン酸単量体(b)としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸などが挙げられる。これらのエチレン系不
飽和カルボン酸単量体は1種を単独で使用してもよい
し、2種以上を併用することもできる。
【0021】単量体(b)の割合は、全単量体混合物に
対して0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の
範囲である。この量が0.5重量%未満では重合時のラ
テックスの安定性が悪く、凝集物が発生し易く、また、
得られるラテックスの機械的、化学的安定性に劣る。一
方、10重量%以上では得られるラテックスの粘度が高
くなり、実用上好ましくない。
【0022】共重合可能な他の単量体(c) 共重合可能な他の単量体(c)としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン
などの芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジ
ルなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエ
ステル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル
系単量体、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの
ヒドロキシアルキル基を有する不飽和単量体、アクリル
アミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有エチレン
系不飽和化合物、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエ
ステル類などが挙げられる。これらの共重合可能な他の
単量体(c)は1種あるいは2種以上を組み合わせても
よい。
【0023】その他 本発明のラテックスを用いた場合の塗工紙性能を維持で
きる範囲内で、必要に応じて上記の反応性乳化剤以外に
他の反応性乳化剤や非反応性の乳化剤を併用しても良
い。非反応性の乳化剤としては、例えば、脂肪族セッケ
ン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性
界面活性剤、ラウリルベタイン、ステアリルベタインの
各々の塩、ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミ
ノエチル)グリシンの各々の塩などの両性界面活性剤が
挙げられる。
【0024】本発明の共重合体ラテックスの乳化重合で
は、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを使
用することが望ましい。これを用いることにより優れた
性能の塗工紙が得られるラテックスを得る。α−メチル
スチレンダイマーは、全単量体混合物100部に対して
0.1〜5部使用する。α−メチルスチレンダイマーが
0.1部以上で、耐ブリスター性に優れる。5部以下で
安定的に重合することができる。
【0025】また、連鎖移動剤としてα−メチルスチレ
ンダイマーと共に他の連鎖移動剤を併用してもよい。他
の連鎖移動剤としては、n−ブチルメルカプタン、n−
オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンな
どのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハ
ロゲン化炭化水素類などが挙げられる。
【0026】本発明のラテックスの乳化重合では、重合
開始剤は公知のものが使用でき、特に制限されない。重
合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性開始剤、過酸化ベ
ンゾイル、アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性開
始剤、あるいはレドックス系などの公知の開始剤が挙げ
られる。
【0027】本発明に関わる紙塗工用組成物は、本発明
のラテックスと顔料を含有せしめることにより得られ
る。顔料としては、公知の顔料が公知の方法で使用でき
特に制限されない。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0029】反応性乳化剤(A)の参考合成例A オートクレーブにノニルプロペニルフェノール260g
を仕込み水酸化カリウムを触媒として圧力1.5kg/
cm、温度130℃の条件にて、エチレンオキサイド
440gを反応させ、エチレンオキサイド10モル付加
体を得た。
【0030】次に、上記のエチレンオキサイド10モル
付加体700gを、スルファミン酸97gを用いて12
0℃、3時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物
、反応性乳化剤(A)とした。得られた反応性乳化剤
(A)の構造式を下記[化7]に示す。
【0031】
【化7】 本発明反応性乳化剤(B)の合成例B オートクレーブにノニルプロペニルフェノール260g
(ノニル基がヒドロキシル基に対してパラ位/オルト位
=80/20の混合物)を仕込み水酸化カリウムを触媒
として圧力1.5kg/cm、温度130℃の条件に
て、エチレンオキサイド220gを反応させ、エチレン
オキサイド5モル付加体を得た。
【0032】次に、上記のエチレンオキサイド5モル付
加体480gを、スルファミン酸97gを用いて120
℃、3時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物
を、本発明反応性乳化剤(B)とした。得られた反応性
乳化剤(B)の構造式を下記[化8]に示す。
【0033】
【化8】 反応性乳化剤(C)の参考合成例C 乳化剤(A)の合成例の中間体であるエチレンオキサイ
ド10モル付加体700gを反応容器に仕込み、撹拌し
ながらモノクロル酢酸ナトリウム117gを粉末のまま
室温にて30分間かけて仕込んだ。次に、反応容器内を
40℃に保ち、水酸化ナトリウム44gを粉末のまま3
時間かけて添加した。その後、更に40℃にて17時間
反応させた。
【0034】次に75%リン酸で中和した後、塩化メチ
レン400ml及び水200mlを加え、水洗を行なっ
た。更に水200mlを使用した水洗を2回行なった
後、有機層の塩化メチレンを蒸留により除去した。残さ
れた反応粗製物を48%水酸化ナトリウムを用いてpH
8まで中和し、反応性乳化剤(C)を得た。得られた反
応性乳化剤(C)の構造式を下記[化9]に示す。
【0035】
【化9】 反応性乳化剤(D)の参考合成例D 乳化剤(A)の合成例の中間体であるエチレンオキサイ
ド10モル付加物700gに対し、無水リン酸47gを
用いてリン酸エステル化反応を80℃で5時間行ない乳
化剤(D)を得た。なお、本合成例の乳化剤(D)で
は、[化6]に示したX基が(b)のモノエステル及び
(c)のジエステルの混合物であり、(b)のモノエス
テルがモル比で70%、(c)のジエステルがモル比で
30%の混合比となっていた。得られた反応性乳化剤
(D)の構造式を下記[化10]に示す。
【0036】
【化10】 反応性乳化剤(E)の参考合成例E オートクレーブにオクチルプロペニルフェノール246
gを仕込み水酸化カリウムを触媒として圧力1.5kg
/cm、温度130℃の条件にて、エチレンオキサイ
ド880gを反応させ、エチレンオキサイド20モル付
加体を得た。
【0037】次に、上記のエチレンオキサイド20モル
付加体1126gを、スルファミン酸97gを用いて1
20℃、3時間の条件にて硫酸化し、得られた反応粗製
物を、反応性乳化剤(E)とした。得られた反応性乳化
剤(E)の構造式を下記[化11]に示す。
【0038】
【化11】 反応性乳化剤(F)の参考合成例F 乳化剤(E)の合成例で得られたエチレンオキサイド2
0モル付加体1126gを、スルファミン酸97gを用
いて120℃、3時間の条件にて硫酸化し、得られた反
応粗製物を反応性乳化剤(F)とした。得られた反応性
乳化剤(F)の構造式を下記[化12]に示す。
【0039】
【化12】 反応性乳化剤(G)の参考合成例G 乳化剤(E)の合成例で得られたエチレンオキサイド2
0モル付加体1126gと無水マレイン酸100gとの
エステル化反応を80℃で2時間行なった。その後、こ
の反応混合物に水3000gを投入し、内温30℃以下
にて水酸化ナトリウム水溶液により中和した。
【0040】次に、重亜硫酸ソーダ120gを仕込み、
70℃にて3時間スルホン化反応を行ない、反応性乳化
剤(G)を得た。得られた反応性乳化剤(G)の構造式
を下記[化13]に示す。
【0041】
【化13】 反応性乳化剤(H)の参考合成例H オートクレーブにドデシルプロペニルフェノール302
gを仕込み水酸化カリウムを触媒として圧力1.5kg
/cm、温度130℃の条件にて、ブチレンオキサイ
ド360g、次にエチレンオキサイド2200gを反応
させ、ブチレンオキサイド5モル、エチレンオキサイド
50モルブロック付加体を得た。
【0042】次に、上記のブチレンオキサイド5モル、
エチレンオキサイド50モルブロック付加体2862g
を、スルファミン酸97gを用いて120℃、3時間の
条件にて硫酸化し、得られた反応粗製物を、反応性乳化
剤(H)とした。得られた反応性乳化剤(H)の構造式
を下記[化14]に示す。
【0043】
【化14】 実施例および参考例 イオン交換水100部、ブタジエン37部、スチレン5
0部、アクリロニトリル5部、メタクリル酸メチル5
部、イタコン酸3部、t−ドデシルメルカプタン0.7
部、α−メチルスチレンダイマー1.5部および下記
[表1]に示す反応性乳化剤3部からなる混合液を作成
した。
【0044】次に、オートクレーブの内部を窒素置換
し、作成した混合液の20%を仕込み80℃に調整した
後、過硫酸アンモニウム1部をイオン交換水5部ととも
に添加し、次に残りの混合液を内温を80℃に保ちなが
ら5時間にわたって添加した。混合物を添加終了したあ
と90℃に昇温し、3時間経過後に乳化重合を終了し
た。
【0045】次に水酸化ナトリウムでpHを8に調整し
た後、残存する単量体を水蒸気蒸留にて除去し、共重合
体ラテックスを得た。
【0046】得られた共重合体ラテックスの凝集物量、
粒子径、ゲル分率及び起泡性を測定した。結果を下記
[表1]に併記する。
【0047】また、得られた共重合体ラテックスと、下
記[表2]に示す成分とを、同表に記載した割合で以て
混合し、紙塗工用組成物を調製した。この組成物に関す
る高せん断下での粘度を測定した。結果を下記[表1]
に併記する。
【0048】次に、調製した紙塗工用組成物を秤量80
g/mの上質紙に15g/m(ドライ換算)塗布
し、熱風乾燥機で乾燥後、スーパーカレンダー処理を行
ない、塗工紙を得た。得られた塗工紙に関する白紙光沢
度、ブリスター発生温度、及びウエットピック強度を測
定した。結果を下記[表1]に併記する。
【0049】比較例1〜3 反応性乳化剤を比較乳化剤(X)〜(Z)のいずれかに
変更したという以外は上記の実施例及び参考例と同様の
操作を行なった。結果を下記[表1]に併記する。比較
乳化剤(X)〜(Z)の構造式は下記[化15]〜[化
17]の通りである。
【0050】
【化15】 R=C12,C13の混合 「エレミノールJS−2」(三洋化成工業(株)製)
【化16】 n=10 「アデカリアソープSE−10N」 (旭電化工業(株)製)
【化17】 「ネオゲンSC」(第一工業製薬(株)製)。
【0051】なお、上記した各測定事項の測定方法、及
び評価方法は次の通りである。
【0052】[凝集物量]:乳化重合後のラテックスを
150メッシュの金網でろ過し、金網上の残査を105
℃で乾燥し、その重量を測定し全モノマーに対する重量
%で示した。 [粒子径]:コールター社のサブミクロンアナライザー
(モデルN4)で測定した。 [ゲル分率]:ラテックスをイソプロピルアルコールで
凝固させ、この凝固物を洗浄、乾燥したのち、0.5g
をトルエン100ml中に20時間浸漬した。その後、
試料を120メッシュの金網でろ過し、得られた残存固
形分の仕込み全固形分に対する割合を求めた。 [起泡性]:蒸留水にて2倍に希釈したラテックスを1
00mlの栓付メスシリンダーに50ml入れ、25℃
にて上下に激しく30回振り、静置1分後の泡量を評価
した。 [高せん断粘度]:ハーキュレス高せん断粘度計HR−
801C、Fボブ、8800回転25℃の条件で測定し
た。 [白紙光沢度]:日本電色工業株式会社製VG−10
型、測定角度75°、表示%。 [ブリスター発生温度]:両面印刷塗工紙を調湿(約6
%)した後、加熱したオイルバスに投げ込みブリスター
が発生するときの最低温度で示した。 [ウエットピック強度]:RI印刷機でモントンロール
を用い、湿し水を与えたときのピッキングの程度を肉眼
で判定し、5段階で評価した。点数の高いものほど良好
である。
【0053】
【表1】
【表2】 参考例5〜8 イオン交換水100部、ブタジエン30部、スチレン5
0部、アクリロニトリル5部、メタクリル酸メチル10
部、イタコン酸3部、アクリル酸2部、t−ドデシルメ
ルカプタン0.5部、α−メチルスチレンダイマー1.
5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部
および下記[表3]に示す反応性乳化剤1部からなる混
合液を作成した。
【0054】次に、オートクレーブの内部を窒素置換
し、作成した混合液の20%を仕込み80℃に調整した
後、過硫酸アンモニウム1部をイオン交換水5部ととも
に添加し、次に残りの混合液を内温を80℃に保ちなが
ら5時間にわたって添加した。混合物を添加終了したあ
と90℃に昇温し、1時間経過後に乳化重合を終了し
た。
【0055】次に水酸化ナトリウムでpHを8に調整し
た後、残存する単量体を水蒸気蒸留にて除去し、共重合
体ラテックスを得た。
【0056】得られた共重合体ラテックスの凝集物量、
粒子径、ゲル分率及び起泡性を測定した。結果を下記
[表3]に併記する。
【0057】また、得られた共重合体ラテックスと、上
記[表2]に示す成分とを、同表に記載した割合で以て
混合し、紙塗工用組成物を調製した。この組成物に関す
る高せん断下での粘度を測定した。結果を下記[表3]
に併記する。
【0058】次に、調製した紙塗工用組成物を秤量80
g/mの上質紙に15g/m(ドライ換算)塗布
し、熱風乾燥機で乾燥後、スーパーカレンダー処理を行
ない、塗工紙を得た。得られた塗工紙に関する白紙光沢
度、ブリスター発生温度、及びウエットピック強度を測
定した。結果を下記[表3]に併記する。
【0059】なお、上記した各測定事項の測定方法、及
び評価方法は前述した方法と同じである。
【0060】比較例4 反応性乳化剤をラウリル硫酸ナトリウムに変更したとい
う以外は上記した参考例5〜8と同様の操作を行なっ
た。結果を下記[表3]に併記する。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明において、紙塗工用共重合体ラテ
ックスを得るべく行われる乳化重合時に特定の反応性乳
化剤を使用することにより、乳化重合時の凝集物の発生
が少なくなり、結果的に細かい粒子(平均粒子径20〜
60nm)のラテックスが得られるとともに粒子径分布
も狭くなる。得られた紙塗工用共重合体ラテックスがこ
のように微粒子からなることにより、高速流動性に優れ
た紙塗工用組成物が得られる。
【0063】また、得られた紙塗工用共重合体ラテック
スは、非反応性の界面活性剤を使用した時と比べ、表面
張力が高く、泡立ち(起泡性)が少ない。さらに、ラテ
ックスから得られるポリマーフィルムは耐水性、光沢性
に優れている。紙塗工用に使用すると、耐ブリスター
性、ウエットピック強度、光沢性に優れた塗工紙が得ら
れるといった作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 65/335 C08G 65/335 (56)参考文献 特開 平6−248005(JP,A) 特開 平4−50204(JP,A) 特開 平4−53802(JP,A) 特開 平11−247099(JP,A) 特開 平11−235867(JP,A) 特開 平5−171598(JP,A) 特開 昭62−221432(JP,A) 特開 昭62−221431(JP,A) 特開 昭62−100502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 C08F 2/00 - 2/60 C08F 6/00 - 246/00 C08G 65/00 - 67/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(II)で表される化合物(I
    I)および下記一般式(III)で表される化合物(I
    II)からなる紙塗工ラテックス用反応性乳化剤。 【化1】 【化2】 (ここで、上記[化1]及び[化2]中、Rは炭素数
    8〜12のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン
    基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数、X
    は水素または下記[化3]で表される置換基であり、
    [化3]中、Mはアルカリ金属、NH又はアルカノー
    ルアミン残基、Rは上記[化1]及び[化2]のX以
    外の残基である。なお、上記したR、A、n、X、
    M、及びRはそれぞれ互いに同じであってもよいし、
    異なっていてもよい。) 【化3】
  2. 【請求項2】 前記化合物(II)および前記化合物(I
    II)との重量比率が80:20〜99:1の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1記載の紙塗工ラテックス用
    反応性乳化剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の紙塗工ラテックス
    用反応性乳化剤の存在下、下記(a)、(b)及び
    (c)からなる単量体混合物を乳化重合することにより
    得られた重合体粒子を含有してなる紙塗工用共重合体ラ
    テックス。 (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量% (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10
    重量% (c)共重合可能な他の単量体20〜79.5重量%。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の紙塗工用共重合体ラテック
    スにおいて、前記単量体混合物を、当該単量体混合物1
    00重量部に対して上記一般式(II)及び(III)
    で表される化合物(II)及び(III)の混合物0.
    1〜15重量部を存在させて乳化重合することによって
    得られた重合体粒子を含有してなる紙塗工用共重合体ラ
    テックス。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の紙塗工用共重合
    体ラテックスと顔料を含有してなる紙塗工用組成物。
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