JP3472133B2 - リチウム二次電池、および電気二重層キャパシタの製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池、および電気二重層キャパシタの製造方法Info
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Description
およびこれを用いたリチウム二次電池と電気二重層キャ
パシタに関する。
池から民生用小型電池まで拡大の一途をたどっている。
エレクトロニクスの進歩による電子機器の小型化、軽量
化、高機能化に伴い、高エネルギー密度と長サイクル寿
命とを併せ持つ二次電池の開発が望まれている。
常、液体が用いられているが、電解質を固体状にできれ
ば、電池の全固体化が達成され、液漏れの防止やシート
構造化が可能となる。このため、固体電解質を利用する
電池は、次世代タイプの電池として注目を集めている。
特に、現在、ノート型パソコン、携帯電話等での利用が
急速に広まっているリチウムイオン二次電池等の全固体
化が実現すれば、小型電池のみならず、電力ロードリベ
リング用二次電池、電気自動車用二次電池等の大型電池
に対しても、応用展開が加速されると期待されている。
ラミックス材料、高分子材料、あるいは、それらを複合
化した材料が提案されている。中でも、高分子電解質と
電解液等とを用い、可塑化したゲル電解質は、液体系の
高導電率と高分子系のプラスチック性とを兼ね備えてお
り、固体電解質として有望視されている。
た例は既に開示されており、米国特許第5,296,3
18号明細書、同第5,418,091号明細書等によ
り実用的な系も提示されている。
下、「ゲル電解質」と呼ぶ)は、導電率が液体のそれに
近く、10-3S・cm-1レベルの値を示すものもある。
明細書には、フッ化ビニリデン(VDF)と8〜25重
量%の6フッ化プロピレン(HFP)の共重合体〔P
(VDF−HFP)〕に、リチウム塩が溶解した溶液が
20〜70重量%含まれているゲル電解質が開示されて
いる。このゲル電解質の導電率は10-3S・cm-1に達す
る。
溶液系と同様の電解液を含有しているため、漏液が起こ
りやすく、また、ゲル電解質から有機溶媒が揮発しやす
く、長期間の信頼性に欠ける。また、有機溶媒が引火性
なので、溶液系ほどではないにせよ、安全性にも問題が
ある。
池特性を著しく劣化させるので、ゲル電解質の製造は露
点マイナス数十度といった水分のコントロールされた特
殊な環境で行わなければならない。工業的にゲル電解質
を製造しようとする場合、全工程をドライな雰囲気に維
持する必要があり、多額な設備投資・維持費が必要にな
るとともに、工程内の在庫管理も容易ではない。低額な
設備で生産可能で、高い生産性を有した高性能のゲル電
解質とその製造方法が要望されている。
なされている。
族四級アンモニウムのハロゲン化物とハロゲン化アルミ
ニウムとの錯体が提案されている(高橋、電気化学、59
巻、14頁、1991年)。しかし、このものはハロゲン化物
イオンによる腐食の問題がある。また、安定性にも問題
がある。
カルボン酸の脂肪族四級アンモニウム塩とリチウム塩と
を混合してなる常温溶融塩が開示されている。しかし、
このものも、窒素雰囲気下等の水分のコントロールされ
た特殊な環境でしか製造できない。さらには、イオン伝
導率が10-4S・cm-1以下で、実用化するためには低す
ぎる。
化合物で固体化させた高分子化合物複合体が提案されて
いる。
−ブチルピリジニウムハロゲン化物とハロゲン化アルミ
ニウムとの錯体を高分子化合物で固定化したものが提案
されている(渡辺ら、J.C.S.Chem.Commun., 929, 199
3)。しかし、このものはハロゲン化物イオンによる腐
食の問題がある。また、安定性にも問題がある。
カルボン酸の脂肪族四級アンモニウム塩とリチウム塩と
の混合物から成る常温溶融塩を高分子化合物で固体化さ
せた高分子化合物複合体が開示されている。しかし、こ
のものも、窒素雰囲気下等の水分のコントロールされた
特殊な環境でしか製造できない。さらには、イオン伝導
率が10-4S・cm-1以下で、実用化するためには低すぎ
る。
素体まで大気中で製造できる、より信頼性、安全性が高
く、導電率もよい高分子固体電解質を有するリチウム二
次電池と電気二重層キャパシタの製造方法を提供するこ
とにある。
の本発明により達成される。 (1) 大気中で、フッ素系高分子化合物のマトリクス
中に、下記の一般式(I)で表されるイミダゾリウム塩
とリチウム塩とを含有させて高分子固体電解質を得、さ
らにこの高分子固体電解質と電極とを有する電池素体を
製造し、その後、水分を除去するリチウム二次電池の製
造方法。
びR3はそれぞれアルキル基または水素原子を表し、A
―は(RSO2)3C―、(RSO2)2N―、RSO
3 ―、BF4 ―、PF6 ―、AsF6 ―およびClO4
―のいずれかを表し、Rは炭素数1〜3のパーフルオロ
アルキル基を表し、Rが複数存在するときには互いに同
一でも異なっていてもよい。) (2) 前記リチウム塩がLiC(RSO2)3、Li
N(RSO2)2、LiRSO3、(Rは炭素数1〜3
のパーフルオロアルキル基を表し、Rが複数存在すると
きには互いに同一でも異なっていてもよい。)LiBF
4、LiPF6、LiAsF6およびLiClO4のい
ずれか一種以上である上記(1)のリチウム二次電池の
製造方法。 (3) 前記フッ素系高分子化合物がフッ化ビニリデン
の単独重合体または共重合体であるである上記(1)ま
たは(2)のリチウム二次電池の製造方法。 (4) 前記イミダゾリウム塩と前記リチウム塩との混
合比率が、モル比で、10:1〜1:2である上記
(1)〜(3)のいずれかのリチウム二次電池の製造方
法。 (5) 前記フッ素系高分子化合物が微多孔膜化したも
のである上記(1)〜(4)のいずれかのリチウム二次
電池の製造方法。 (6) 上記(1)の高分子固体電解質と、電極とから
なる電気二重層キャパシタを大気中で製造し、その後、
水分を除去する電気二重層キャパシタの製造方法。
中で、フッ素系高分子化合物のマトリクス中に、下記の
一般式(I)で表されるイミダゾリウム塩とリチウム塩
とを含有して高分子固体電解質を得るというものであ
る。イミダゾリウム溶融塩が水分を含んだ大気中でも安
定であり、常温での蒸気圧が無視できるほど小さく、沸
点/分解温度が高いために、従来のものとは違って、高
分子固体電解質、電極、これらを組み合わせた電池素体
を大気中で製造した後に、減圧加熱乾燥して水分を除去
することができる。これにより、電池等の製造工程の著
しい簡素化を図ることができ、工業的に非常に有利であ
る。
電解質なので、液漏れの防止、シート構造化可能といっ
た全固体型電池あるいは電気二重層キャパシタの特徴を
有するものである。
つまり、有機溶媒を含まないので、漏液、揮発といった
問題がなく、信頼性、耐久性が高い。また、従来の常温
溶融塩の成分として知られているハロゲン化アルミニウ
ムのような腐食の問題もない。
に、このイミダゾリウム塩を用いる溶融塩は、他の化合
物と比べて安定である。従って、電解質は不燃性であ
り、安全性が高い。
は、10-4〜10-2S・cm-1で、従来のゲル電解質と同
等であり、液体のそれに近いものが得られる。
体のポリマーとリチウム塩(リチウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホンイミド))との混合物を電解質に用い
ることを既に提案している(1997年10月、高分子
討論会)。しかし、この電解質は、現時点では、イオン
伝導度が10-4S・cm-1程度以下であり、今後実用に供
するために、薄層フィルム化、あるいは更なる伝導度の
向上が課題として残されている。
二重層キャパシタに用いられる高分子固体電解質の製造
方法は、大気中で、フッ素系高分子化合物のマトリクス
中に、下記の一般式(I)で表されるイミダゾリウム塩
とリチウム塩とを含有して高分子固体電解質を得るとい
うものである。
3はそれぞれアルキル基または水素原子を表し、A-は
(RSO2)3C-、(RSO2)2N-、RSO3 -、B
F4 -、PF6 -、AsF6 -およびClO4 -のいずれかを表
す。Rは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表
し、Rが複数存在するときには互いに同一でも異なって
いてもよい。
化合物に非常によく含浸できる。そのため、従来の電解
液を含まない、信頼性の高い、より安全な電池を作製す
ることができる。また、このイミダゾリウム塩を用いる
溶融塩は、他の化合物と比べて安定である。従って、電
解質としても不燃性であり、安全性が高い。
ついて説明する。
3はそれぞれアルキル基または水素原子を表す。アルキ
ル基は総炭素数1〜5のものが好ましく、特に総炭素数
1〜3のもの、さらにはメチル基、エチル基が好まし
い。アルキル基は、直鎖状であっても分枝を有するもの
であってもよい。
あることが好ましい。特に、R1とR3とがアルキル基で
あり、R2は水素原子であることが好ましい。R1〜R3
は同一でも異なるものでもよい。
2N-、RSO3 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -およびCl
O4 -のいずれかである。Rは炭素数1〜3のパーフルオ
ロアルキル基を表す。Rは、パーフルオロメチル基が好
ましい。Rが複数存在するときには互いに同一でも異な
っていてもよい。
が特に好ましい。
リウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、化4、化5、化6、化7は、化
3の一般式(I)の表示を用いて表している。
対称型のイミダゾリウム塩が特に好ましい。
J.Chem.Soc.,Chem.Commun., 965,1992、V.R.Koch et a
l., J.Electrochem.Soc., 142, L116, 1995、V.R.Koch
etal., J.Electrochem.Soc., 143, 798, 1996 等に準じ
て合成すればよい。
分子化合物のマトリクス中に、上記のイミダゾリウム塩
とともに、リチウム塩を含有して得られる。
N(RSO2)2、LiRSO3、LiBF4、LiP
F6、LiAsF6およびLiClO4を用いることが好
ましい。Rは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を
表す。Rは、パーフルオロメチル基が好ましい。Rが複
数存在するときには互いに同一でも異なっていてもよ
い。
3SO2)2が好ましい。
を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合
比は任意である。
率は、モル比で、10:1〜1:2、特に4:1〜1:
1であることが好ましい。これよりもイミダゾリウム塩
が多いと、融点が高くなり実用に供しなくなってくる。
これよりもリチウム塩が少ないと、リチウムイオン伝導
度が低下し、やはり実用に供しなくなってくる。
ミダゾリウム塩とリチウム塩とをフッ素系高分子化合物
に含浸させたものである。
ッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−塩
化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体〔P(VDF
−CTFE)〕、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム〔P
(VDF−TFE−HFP)〕、フッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテルフッ素ゴム等が好ましい。これらフッ化ビニリデ
ン(VDF)系ポリマーは、フッ化ビニリデンが50重
量%以上、特に70重量%以上のものが好ましい。これ
らのうちでは、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデ
ン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)と
の共重合体、フッ化ビニリデンと塩化3フッ化エチレン
との共重合体〔P(VDF−CTFE)〕が特に好まし
い。共重合体とすることにより、結晶性が低くなって、
常温溶融塩を含浸しやすくなり、また、これを保持しや
すくなる。
トラル硝子(株)から商品名「セフラルソフト(G15
0,G180)」として、日本ソルベイ(株)から商品
名「ソレフ31508」等として市販されている。ま
た、VDF−HFP共重合体は、エルフアトケム社から
商品名「KynarFlex2750(VDF:HFP=85:15wt%) 」、「Kyna
rFlex2801(VDF:HFP=90:10wt%) 」等として、日本ソルベ
イ(株)から商品名「ソレフ11008」、「ソレフ1
1010」、「ソレフ21508」、「ソレフ2151
0」等として市販されている。
て述べる。製造は、従来のものとは違って、大気中で行
う。有機電解液への水分の混入は電池特性を著しく劣化
させるので、従来のゲル電解質は、全工程を水分量5pp
m以下という特殊な環境で行わなければならなかった。
本発明のゲル電解質は、イミダゾリウム溶融塩が水分を
含んだ大気中でも安定であり、沸点/分解温度が高いた
めに、高分子固体電解質、電極、これらを組み合わせた
電池素体を大気中で製造した後に、減圧加熱乾燥して水
分を除去することができる。これにより、電池等の製造
工程の著しい簡素化を図ることができ、工業的に非常に
有利である。
このときの溶媒は高分子が溶解可能な各種溶媒から適宜
選択すればよく、例えば、アセトン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸メチル等を用いることが好ましい。溶媒に対す
る高分子の濃度は5〜40重量%が好ましい。溶解方法
は、室温または100℃以下に加温しながら攪拌するこ
とが好ましい。
加する。イミダゾリウム塩とリチウム塩とから成る常温
溶融塩の含有量は、重量比で、高分子:常温溶融塩=5
0:50〜20:80が好ましい。
(「ゲル電解質溶液」と呼ぶことにする)を基体上に塗
布する。この基体は平滑なものなら何でもよい。例え
ば、ポリエステルフィルム、ガラス、ポリテトラフルオ
ロエチレンフィルム等が挙げられる。ゲル電解質溶液を
基体に塗布するための手段は特に限定されず、基体の材
質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メ
タルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、ス
プレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード
法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用され
ている。その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダ
ーロール等により圧延処理を行う。
発させて、ゲル電解質のフィルムが得られる。溶媒を蒸
発させるときの温度は室温でもよいが、加熱してもよ
い。
質溶液作製時に混合しておいてもよいが、あらかじめ常
温溶融塩を含まないフィルムを作製後、常温溶融塩を含
浸させてもよい。
ゲル電解質には、シリカ、アルミナ等の充填剤(フィラ
ー)を添加してもよい。加える充填剤の材質、粒度、形
状、充填量に特に制限はないが、固体電解質のイオン伝
導度は充填量とともに低下するので、充填量を30wt
%以下にすることが好ましい。
することが好ましい。例えば、米国特許第5,418,
091号明細書に記載されている、高分子溶液に可塑剤
を加え、これを基材に塗布後、溶媒を揮発させて微多孔
膜化させる方法を用いてもよい。あるいは、膨潤性のあ
る高分子フィルムを用い、常温溶融塩を含浸させて微多
孔膜化してもよい。他にも、海島型の相分離を示すポリ
マーブレンドを用いたり、針で穴をあけたり、電子線を
当てたりする方法がある。
μm、特に0.01〜0.5μmが好ましい。また、気
孔率が20〜90%、特に35〜70%の範囲にある膜
が実用上好ましい。
常、5〜200μmとする。
体電解質の導電率は、10-4〜10-2S・cm-1で、従来
のゲル電解質と同等であり、液体のそれに近い。
次電池の構造は特に限定されないが、積層型電池や円筒
型電池等に適用される。
好ましくは電極活物質とゲル電解質、必要により導電助
剤との組成物を用いる。
ウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用
い、正極には、リチウムイオンがインターカレート・デ
インターカレート可能な酸化物または炭素材料のような
正極活物質を用いることが好ましい。このような電極を
用いることにより、良好な特性のリチウム二次電池を得
ることができる。
ば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あ
るいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラッ
ク、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉
末として用いられる。中でも黒鉛が好ましく、その平均
粒子径は1〜30μm 、特に5〜25μm であることが
好ましい。
ンターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む
複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiM
n2O4、LiNiO2、LiV2O4などが挙げられる。
これらの酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm 程度
であることが好ましい。
る。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラ
ック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の
金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好まし
い。
質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:3〜10:1
0〜70の範囲が好ましく、負極では、重量比で、活物
質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:0〜10:1
0〜70の範囲が好ましい。
は正極活物質、好ましくは両活物質を、好ましくは上述
したゲル電解質中に混合して集電体表面に接着させる。
て導電助剤を、ゲル電解質溶液に分散し、塗布液を調製
する。
る。塗布する手段は特に限定されず、集電体の材質や形
状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマ
スク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレー
コート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラ
ビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。
その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール
等により圧延処理を行う。
やケース内への集電体の配置方法などに応じて、適宜通
常の集電体から選択すればよい。一般に、正極にはアル
ミニウム等が、負極には銅、ニッケル等が使用される。
なお、集電体は金属箔、金属メッシュなどが、通常、使
用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接
触抵抗が小さくなるが、本発明のゲル電解質の場合は金
属箔でも十分接触抵抗が小さくなる。
る。塗布厚は、50〜400μm 程度とすることが好ま
しい。
ゲル電解質を含有させることにより、ゲル電解質との密
着性が向上し、内部抵抗が減少する。なお、負極活物質
にリチウム金属、リチウム合金を用いる場合には、負極
活物質とゲル電解質との組成物を用いなくてもよい。
質、負極をこの順に積層し、圧着して電池素体とする。
体電解質、電極、これらを組み合わせた電池素体を減圧
加熱乾燥して水分を除去することができる。このときの
真空度は10〜10-5Pa、特に1〜10-3Paが好まし
い。温度は25〜120℃、特に40〜90℃が好まし
い。乾燥する時間は0.1〜8時間、特に1〜3時間が
好ましい。乾燥はAr等の不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましい。
の環境で電池素体を外装体中に密閉してリチウム二次電
池が得られる。このとき、Ar等の不活性ガス雰囲気下
であることが好ましい。このように大気中で電池素体ま
で作製しても、水分量5ppm以下の環境で全工程を行っ
た場合と同等の電池特性が得られ、製造工程の著しい簡
素化を図ることができ、工業的に非常に有利である。
は、電気二重層キャパシタにも有効である。これも大気
中で電気二重層キャパシタを製造できるので、製造工程
の著しい簡素化を図ることができ、工業的に非常に有利
である。
ブチルゴム等の導電性ゴムなどであってよく、またアル
ミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成しても
よく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設してもよ
い。
分極性電極と、ゲル電解質とを組み合わせる。
ン、ブチルゴム等の絶縁体を用いればよい。
層キャパシタの構造は特に限定されないが、通常、一対
の分極性電極がゲル電解質を介して配置されており、分
極性電極およびゲル電解質の周辺部には絶縁性ガスケッ
トが配置されている。このような電気二重層キャパシタ
はコイン型、ペーパー型、積層型等と称されるいずれの
ものであってもよい。
をさらに詳細に説明する。
用いた。
体)常温溶融塩 (ILと略す) 下記の1,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフル
オロメチルスルホニル)イミド(DMIIm)とLiN
(CF3SO2)2との混合物 DMIIm:LiN(CF3SO2)2=2:1 (モル
比)溶媒 アセトン (Acと略す)
L:Ac=3:7:5となるように秤量し、50℃に加
熱して溶解し、ゲル電解質溶液を調整した。
タレート(PET)フィルムにギャップ0.8mmのアプ
リケーターで幅50mmに塗布した。そして、室温から5
0℃の範囲でアセトンを蒸発させ、ゲル電解質シートを
得た。
剤としてアセチレンブラックを用いた。これらを、上記
ゲル電解質溶液に対し、重量比で、ゲル電解質溶液:L
iCoO2 :アセチレンブラック=10:8:1となる
ように秤量し、室温でホモジナイザーを用いてゲル電解
質溶液に正極活物質と導電助剤とを分散・混合して正極
用スラリーとした。得られたスラリーをメタルマスク印
刷でタンタル箔に塗布して乾燥し、正極シートとした。
この電極の膜厚は0.15mmであった。
た。これを、上記ゲル電解質溶液に対し、重量比で、ゲ
ル電解質溶液:人造黒鉛=2:1となるように秤量し、
室温でホモジナイザーを用いてゲル電解質溶液に負極活
物質を分散・混合して負極用スラリーとした。得られた
スラリーをメタルマスク印刷で銅箔に塗布して乾燥し、
負極シートとした。この電極の膜厚は0.15mmであっ
た。
質、負極を所定のサイズに切断して、各シートをこの順
に積層し、適宜圧着して電池素体とした。
た。
ゴングローブボックス(水分量3ppm)に接続した真空
乾燥機で、真空度10-1Pa、90℃で一昼夜放置して、
水分を除去した。そして、乾燥アルゴンで大気圧まで戻
した。
ックスに移してアルミラミネートパックに入れ、リード
部を取り出し、ポリオレフィン系のホットメルト接着剤
等で封口し、シート型リチウム二次電池を得た。
た後、定電流で2.8Vまで放電して、充放電特性を測
定した。電流密度は20mA/dm2 とした。測定の結
果、この電池の容量は98mAhであった。
チル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメ
チルスルホニル)イミド(EMIIm)とLiN(CF
3SO2)2との混合物(EMIIm:LiN(CF3SO
2)2=2:1 (モル比))を用いた他は、実施例1と
同様にしてリチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は103mAhであっ
た。
性フッ素樹脂を用いた他は、実施例1と同様にしてリチ
ウム二次電池を作製した。この熱可塑性フッ素樹脂とし
ては、具体的には、商品名 セフラルソフト(セントラ
ル硝子社製:主鎖がフッ化ビニリデンと塩化フッ化エチ
レンの共重合体からなり、側鎖がポリフッ化ビニリデン
からなる構造のもの)を用いた。
様に測定した。この電池の容量は100mAhであっ
た。
性フッ素樹脂を用いた他は、実施例2と同様にしてリチ
ウム二次電池を作製した。この熱可塑性フッ素樹脂とし
ては、具体的には、商品名 セフラルソフト(セントラ
ル硝子社製:主鎖がフッ化ビニリデンと塩化フッ化エチ
レンの共重合体からなり、側鎖がポリフッ化ビニリデン
からなる構造のもの)を用いた。
様に測定した。この電池の容量は104mAhであっ
た。
DFとアセトンとで電解質を作製し、正極、負極を積層
した後で溶融塩を含浸させて、高分子化合物をゲル化し
て、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は97mAhであった。
DFとアセトンとで電解質を作製し、正極、負極を積層
した後で溶融塩を含浸させて、高分子化合物をゲル化し
て、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は101mAhであっ
た。
塑性フッ素樹脂とアセトンとで電解質を作製し、正極、
負極を積層した後で溶融塩を含浸させて、高分子化合物
をゲル化して、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は98mAhであった。
塑性フッ素樹脂とアセトンとで電解質を作製し、正極、
負極を積層した後で溶融塩を含浸させて、高分子化合物
をゲル化して、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は102mAhであっ
た。
グローブボックス中(水分量3ppm)で、あらかじめ乾
燥してある材料を用いて実施例1と同様にゲル電解質、
正極、負極を作製し、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は98mAhであった。
グローブボックス中(水分量3ppm)で、あらかじめ乾
燥してある材料を用いて実施例2と同様にゲル電解質、
正極、負極を作製し、リチウム二次電池を作製した。
様に測定した。この電池の容量は102mAhであっ
た。
電池は、大気中で電池素体まで作製しても、その後の水
分除去過程で電池素体が変化せず、露点−70℃以下の
アルゴングローブボックス中で全工程を行った場合と同
等の電池特性が得られた。
は、従来のゲル電解質を用いた電池と同様の充放電特性
を得ることができた。
体まで大気中で製造できる、より信頼性、安全性が高
く、導電率もよい高分子固体電解質を用いたリチウム二
次電池と電気二重層キャパシタの製造方法を提供でき
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 大気中で、フッ素系高分子化合物のマト
リクス中に、下記の一般式(I)で表されるイミダゾリ
ウム塩とリチウム塩とを含有させて高分子固体電解質を
得、 さらにこの高分子固体電解質と電極とを有する電池素体
を製造し、 その後、水分を除去するリチウム二次電池の製造方法。 【化1】 (一般式(I)において、R1、R2およびR3はそれ
ぞれアルキル基または水素原子を表し、 A―は(RSO2)3C―、(RSO2)2N―、RS
O3 ―、BF4 ―、PF6 ―、AsF6 ―およびClO
4 ―のいずれかを表し、 Rは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、 Rが複数存在するときには互いに同一でも異なっていて
もよい。) - 【請求項2】 前記リチウム塩がLiC(RS
O2)3、LiN(RSO2)2、LiRSO3、 (Rは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基を表し、 Rが複数存在するときには互いに同一でも異なっていて
もよい。) LiBF4、LiPF6、LiAsF6およびLiCl
O4のいずれか一種以上である請求項1のリチウム二次
電池の製造方法。 - 【請求項3】 前記フッ素系高分子化合物がフッ化ビニ
リデンの単独重合体または共重合体であるである請求項
1または2のリチウム二次電池の製造方法。 - 【請求項4】 前記イミダゾリウム塩と前記リチウム塩
との混合比率が、モル比で、10:1〜1:2である請
求項1〜3のいずれかのリチウム二次電池の製造方法。 - 【請求項5】 前記フッ素系高分子化合物が微多孔膜化
したものである請求項1〜4のいずれかのリチウム二次
電池の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1の高分子固体電解質と、電極と
からなる電気二重層キャパシタを大気中で製造し、その
後、水分を除去する電気二重層キャパシタの製造方法。
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