JP3471573B2 - インクジェットヘッドの取付け構造体の製造方法および製造装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの取付け構造体の製造方法および製造装置

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JP3471573B2
JP3471573B2 JP19344297A JP19344297A JP3471573B2 JP 3471573 B2 JP3471573 B2 JP 3471573B2 JP 19344297 A JP19344297 A JP 19344297A JP 19344297 A JP19344297 A JP 19344297A JP 3471573 B2 JP3471573 B2 JP 3471573B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの取付け構造体の製造方法および製造装置に関し、
詳しくは、複写機、ファクシミリ装置、プリンター装置
等に用いられ、吐出孔から記録紙にインクを噴射するこ
とにより画像を形成することができるインクジェットヘ
ッドの取付け構造体の製造方法および製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インク液滴を吐出孔から吐出して画像を
出力するインクジェット方式のプリンター装置は、低音
性に優れ、小型化が容易であることから、近時広く使用
されており、このインクジェット方式のプリンター装置
としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4
色のインクを充填した4個のインクジェットヘッドによ
ってフルカラーの画像を形成するものがある。
【0003】このプリンター装置でカラー画像を形成す
る場合には、インク液滴を噴射するインクジェットヘッ
ドをプリンター装置上に1列に並べ、各ヘッドから異な
る色のインク液滴を噴射するようになっているため、4
個のインクジェットヘッドのプリンター装置上の取付け
位置が画像品質を左右する大きな要因となる。具体的に
は、図15に示すように、プリンター装置上では、4色の
インク液を充填したインクジェットヘッド1a、1b、
1c、1dが一列に一体化(以下、この一体化されたも
のを4ヘッドユニットという)されており、この4ヘッ
ドユニットをX方向に走査しながら記録紙2にインク液
滴3a〜3dを噴射することにより画像を形成するよう
になっている。また、記録紙2もY方向に搬送されるこ
とにより記録紙2全体に画像を形成することができる。
【0004】なお、図15(b)(c)にあっては、それ
ぞれ同図(a)のY方向側面図およびX方向側面図を示
しているが、個々のインクジェットヘッド1a、1b、
1c、1dがX、Y方向に所定の位置からずれている
と、記録紙2上の特定した位置にインク液滴3a〜3d
を着弾することができず、色ずれや記録紙2の外形に対
して画像領域のずれ等が生じてしまい、画像の品質が低
下してしまう。
【0005】また、個々のインクジェットヘッド1a、
1b、1c、1dがZ方向に位置ずれしている場合で
も、各ヘッド1a〜1dから記録紙2までのインク液滴
3a〜3dの到達時間にずれが生じてしまい、X、Y方
向の位置ずれと同様な画像不良が生じてしまう。さら
に、X、Y、Z軸周りの回転成分であるα、β、γ方向
の位置ずれも同様な不具合を生じてしまう。
【0006】したがって、以上のようなインクジェット
ヘッド1a〜1dの位置ずれによる画像品質不良を発生
させないために、通常は4個のインクジェットヘッド1
a〜1dの相対位置およびインクジェットヘッド1a〜
1dと記録紙2の相対位置を所定の位置ずれ量以下で固
定する必要が生じる。通常、これらの位置精度は数μm
から数10μmが要求されており、この要求を満足するた
めに不可欠とされるのが、4個のインクジェットヘッド
1a〜1dの相対位置精度の必要量を維持しながら固定
する技術である。これはいくら高精度に位置調整して
も、固定時にずれると再度調整が必要になったり、分離
不可能な構成方法を採用している場合には、その部分を
廃棄処分するしかなくなってしまい、位置調整時間が長
くなったりコスト高の原因になるからである。
【0007】従来、この固定にはネジによる固定が多く
用いられてきたが、固定時の位置ずれ量が数10μmから
数100μmと大きすぎることにより、必要精度での固定が
できなかったり、また、できたとしても位置調整固定時
間が長くなったり、歩留りが低下したりして製造コスト
高の一因になっていた。このため、現在ではネジによる
固定に比べて固定時の位置ずれ量が少ないとされる接着
剤による固定が試みられており、この接着剤による固定
には一般的に充填接着と呼ばれる方法が多く用いられて
いる。
【0008】この充填接着とは、被接着物間に位置調整
のための調整代以上の隙間があり、その隙間に接着剤を
充填して固着させる方法である。従来のこの種の充填接
着方法としては、例えば、特開平7−89185号公報
に記載されたものがある。このものは、被接着物の形状
精度の影響があっても、被接着物同士が当接しないよう
に被接着物間の隙間量を設定してあり、その隙間に接着
剤を充填して固定するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の取付け構造にあっては、被接着物同士が当接
しないように被接着物間の隙間量を設定してあり、その
隙間に接着剤を充填して固定するようになっていたた
め、以下のような問題が発生してしまった。以下、この
充填接着の方法を図16に示すモデル図に基づいて説明す
るとともに、その問題点を具体的に説明する。
【0010】図16において、4は被接着物であるインク
ジェットヘッド、5はヘッド保持部材、6は接着剤であ
り、この方法では、ヘッド4とヘッド保持部材5の隙間
に接着剤6を充填して硬化させることにより、ヘッド4
をヘッド保持部材5に固定している。このため、ヘッド
4とヘッド保持部材5を当接させないで接着固定するに
は、ヘッド4側の接着面4aの位置ばらつき量A(ヘッ
ド4の位置調整代)とヘッド保持部材5側の接着面5a
のばらつき量Cが発生しても、ヘッド4側の接着面4a
とヘッド保持部材5側の接着面5aが当接せず、かつ、
接着剤6を充填する隙間を確保するために隙間Bが必要
になる。したがって、接着剤6の膜厚は最小でB、最大
でA+B+Cになってしまい、接着剤6の膜厚はA+C
の長さだけばらつくことになる。
【0011】さらに、ヘッド4側の接着面4aとヘッド
保持部材5側の接着面5aの面精度の影響でI+Jだけ
接着剤6の膜厚がばらついてしまうこともある。一般的
に、接着剤は硬化する際に収縮するため、例えば、図17
(a)に示すように、ヘッド4とヘッド保持部材5をそ
れぞれヘッド把持部7およびヘッド保持部材把持部8に
よって把持した後、ヘッド4およびヘッド保持部材5の
接着面4a、5aの間に接着剤6が充填された状態で接
着剤を硬化させると、接着剤6およびヘッド4とヘッド
保持部材5の内部に応力σが発生し、接着剤6の硬化後
にヘッド4およびヘッド保持部材5が弾性変形または塑
性変形した状態になる。
【0012】このため、接着剤6の硬化後に図17(b)
に示すようにヘッド保持部材把持部8によってヘッド保
持部材5の把持を開放すると、接着剤6、ヘッド4およ
びヘッド保持部材5の内部の応力σが解消する方向に接
着剤およびヘッド4およびヘッド保持部材5が変形して
しまい、ヘッド4とヘッド保持部材5の接着前の間隔P
0が接着後Pとなって狭くなってしまい、所望する固定
精度を得ることができなかった。
【0013】そして、このように接着剤の硬化後に被接
着物を位置ずれさせないためには接着剤の塗布量をでき
るだけ少なくすることが重要になってくる。ところが、
上述した充填接着方法では、接着剤の膜厚をB以下にす
ることができないので、接着剤の膜厚がBの場合に接着
剤の硬化収縮での位置ずれが許容値よりも多く発生した
としても、接着剤の膜厚の変更で対応できなくなり、固
定後の位置ずれ量の改善ができない場合があった。
【0014】また、インクジェットプリンターとして完
成した後の輸送時や実使用時に、接着部の周囲の雰囲気
温度が上昇して接着剤や被接着物が熱膨張した場合、接
着剤と被接着物の線膨張係数の差が原因で接着部が剥離
してしまう場合がある。その際にも、接着剤の膜厚を薄
くして寸法変化量を抑えることは有効な手段となるが、
接着剤の膜厚をB以下にすることができないことによ
り、その対応手段がとれず、接着剤の剥離対策が図れな
い場合があった。
【0015】また、接着剤の膜厚がA+Cだけ発生する
ことにより、接着剤の硬化収縮量もそのばらつきに応じ
て変化することになる。これにより固定後のヘッド1の
位置もばらついてしまい、必要な位置精度が確保できな
いという場合もあった。通常、紫外線硬化型の接着剤の
硬化時の体積収縮率は5〜10%程度である。体積収縮率
が7%の場合を考えてみると、接着剤の硬化形状が正方
体の場合には、3次元各方向に約2%程度収縮すること
になる。
【0016】したがって、接着剤の膜厚に0.5mm程度の
差が生じると、硬化収縮量は各方向とも10μm程度の差
が生じることになる。被接着物を樹脂の射出成形で製作
する場合には、上述した接着剤の膜厚のばらつきA+C
は0.5mm以上になる場合が考えられるため、固定後の位
置ずれが問題となる可能性が十分にある。また、図17
(a)に示すように、接着中にヘッド4およびヘッド保
持部材5を把持し、図17(b)に示すように接着後にヘ
ッド保持部材5の把持を開放したときに、応力σの影響
で接着剤6、ヘッド4およびヘッド保持部材5が変形し
てヘッド4の位置が動くが、これによって応力σが完全
に消滅せずに接着剤6、ヘッド4およびヘッド保持部材
5内部に若干の残留応力が蓄積されたままの状態とな
る。
【0017】この場合には、インクジェットヘッドプリ
ンターとして完成した後、輸送や実使用時に衝撃や熱衝
撃が加わったことが原因で接着剤6、ヘッド4およびヘ
ッド保持部材5が変形して接着部が剥離してしまう場合
がある。以上により、従来の充填接着方法にあっては、
インクジェットヘッドの固定位置の必要精度を維持する
ことができない場合が発生するため、生産時の歩留りが
低下したり、固定精度不良の被接着物を廃棄処分にしな
ければならず、製造コストが増大するという問題が発生
してしまった。
【0018】また、生産後に接着剤の剥離によりインク
ジェットヘッドの固定力の低下が発生してしまい、イン
クジェットプリンターの基本機能を維持できなくなって
しまうおそれがあった。そこで本発明は、インクジェッ
トヘッドの取付けを高精度に行なうことができるように
して、歩留りを高くすることができるとともに生産後の
インクジェットヘッドの固定力の低下が生じないインク
ジェットヘッドの取付け構造体の製造方法および製造装
置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するために、インク液滴を吐出孔から吐
出するインクジェットヘッドと、該インクジェットヘッ
ドが中間保持部材を介して取付けられたヘッド保持部材
と、を備え、前記中間保持部材が接着剤を介してインク
ジェットヘッドおよびヘッド保持部材に固定されたイン
クジェットヘッドの取付け構造体の製造方法であって、
インクジェットヘッド、中間保持部材およびヘッド保持
部材を把持した後、該インクジェットヘッド、中間保持
部材およびヘッド保持部材の少なくとも1つ以上の接着
面に接着剤を塗布した後、該インクジェットヘッド、中
間保持部材およびヘッド保持部材をそれぞれ接着初期位
置に移動させる工程と、該接着初期位置に移動した後、
前記インクジェットヘッド、中間保持部材およびヘッド
保持部材を最終的な接着位置になるように位置調整する
工程と、該位置調整が終了した後、前記中間保持部材の
把持を開放する工程と、該把持を開放した後、接着剤を
硬化させる工程と、接着剤の硬化後に前記インクジェッ
トヘッドの把持を開放する工程と、を含んでなることを
特徴としている。
【0020】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1記載のインクジェットヘッドの取付
け構造体を製造する製造装置であって、前記インクジェ
ットヘッドを把持および開放可能であるとともに、該ヘ
ッドを接着位置に移動して位置調整可能なヘッド移動手
段と、前記中間保持部材を把持および開放可能であると
ともに該中間保持部材を接着位置に移動して位置調整可
能な中間保持部材移動手段と、前記ヘッド保持部材を把
持および開放可能であるとともに、該ヘッド保持部材接
着位置に移動して位置調整可能なヘッド保持部材移動手
段と、前記インクジェットヘッド、中間保持部材および
ヘッド保持部材の何れかの接着面に接着剤を塗布する塗
布手段と、前記接着剤を硬化させる硬化手段と、前記塗
布手段による接着剤の塗布後にインクジェットヘッド、
中間保持部材およびヘッド保持部材が接着位置に位置調
整されたことを検出する第1検出手段と、該検出手段か
らの検出情報に基づいて中間保持部材移動手段による中
間保持部材の把持を開放する第1開放手段と、前記硬化
手段によって接着剤が硬化されたことを検出する第2検
出手段と、該第2検出手段からの検出情報に基づいて前
記ヘッド保持部材によるヘッド保持部材の把持を開放す
る第2開放手段と、を備えたことを特徴としている。
【0021】請求項1および2記載の発明では、接着剤
の硬化中に中間保持部材の把持を開放して無拘束状態に
することにより、接着剤の硬化収縮による内部応力の発
生時に中間保持部材が移動して、接着剤の硬化収縮を妨
げるのを防止することができ、接着剤、インクジェット
ヘッド、中間保持部材およびヘッド保持部材の内部に残
留応力が蓄積するのを防止することができる。
【0022】このため、接着剤の硬化後にインクジェッ
トヘッドの把持を開放したときにインクジェットヘッド
とヘッド保持部材の相対位置が接着前と変化するのを防
止することができる。この結果、インクジェットヘッド
の取付けを高精度に行なうことができ、生産時に固定位
置の位置精度不良による生産の歩留りが発生するのを防
止することができるとともに、生産後のインクジェット
ヘッドの固定力の低下が生じるのを防止することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜12は本発明に係るインクジェ
ットヘッドの取付け構造体の製造方法および製造装置の
第1実施形態を示す図である。まず、最初にインクジェ
ットヘッドの取付構造体の構成を説明する。図1〜3に
おいて、11a〜11dはそれぞれ10面形状のインクジェッ
トヘッドであり、このインクジェットヘッド11a〜11d
はそれぞれ順番にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クの4色のインクが充填され、複数の吐出孔12から各色
のインク液滴を吐出するようになっている。
【0024】各ヘッド11a〜11dはそれぞれL字形状の
4つの中間保持部材13a〜13dを介してヘッド保持部材
14に取付けられており、中間保持部材13a〜13dは紫外
線硬化型の接着剤15によってヘッド11a〜11dに固定さ
れるとともに同様に紫外線硬化型の接着剤15を介してヘ
ッド保持部材14に固定されている。また、この中間保持
部材13a〜13dは紫外線を透過する材料から構成されて
いる。
【0025】また、ヘッド保持部材14は仕切部14aによ
ってヘッド11a〜11dの取付け位置が仕切られていると
ともに、下面に図示しない固定部が設けられており、こ
の固定部が図示しないプリンター本体に取付けられるよ
うになっている。なお、このプリンター本体はプリンタ
ー装置、ファクシミリ装置あるいは複写機等に装着され
るものである。
【0026】図4、5はインクジェットヘッドの取付け
構造体の製造装置を示す図である。図4、5において、
21は定盤であり、この定盤21上には移動機構固定部材25
を介して6軸移動機構26が設けられており、この6軸移
動機構26の先端部にはインクジェットヘッド11a〜11d
を把持可能なチャック27が設けられている。この6軸移
動機構26は各ヘッド11a〜11dをチャック27で把持して
X方向、Y方向、Z方向、X軸周りのα方向、Y軸周り
のβ方向およびZ軸周りのγ方向に移動可能になってい
る。なお、本実施形態では、チャック27がヘッド把持部
16に相当し、6軸移動機構26がヘッド位置調整機構17に
相当し、このヘッド把持部16およびヘッド位置調整機構
17がヘッド移動手段を構成している。
【0027】また、定盤21上にはカメラ固定部材28を介
してCCDカメラ29が設けられており、このCCDカメ
ラ29は各ヘッド11a〜11dの吐出孔12(すなわち、ヘッ
ド11a〜11dの位置)を撮像するようになっている。こ
の撮像された画像は制御・演算部30で演算されるように
なっており、この演算結果に基づいて6軸移動機構26で
ヘッド11a〜11dを移動することにより、ヘッド11a〜
11dをヘッド保持部材14に位置決めするようになってい
る。
【0028】なお、チャック27によるヘッド11a〜11d
の把持力は ヘッド11a〜11dを接着固定する際の接着
剤15の硬化収縮による応力よりも大きい力で、かつ、ヘ
ッド11a〜11dを変形させない程度の力であることが望
ましい。また、ヘッド移動手段の近傍の定盤21にはヘッ
ド保持部材移動手段が設けられている。すなわち、この
定盤21には1軸移動機構を内蔵したヘッド保持部材移動
用テーブル22が設けられており、この移動用テーブル22
は固定部材23によって定盤21上に固定されている。この
移動用テーブル22上にはヘッド保持部材チャック24が設
けられており、このチャック24にはヘッド保持部材14を
位置決めして固定するようになっている。すなわち、移
動用テーブル22はチャック24でヘッド保持部材14を把持
して図4、5中、左右方向であるX方向に移動するよう
になっている。
【0029】また、チャック24の側方にはCCDカメラ
32が設けられており、このCCDカメラ32はヘッド保持
部材14の位置を撮像するようになっている。この撮像さ
れた画像は制御・演算部30で演算されるようになってお
り、この演算結果に基づいてヘッド保持部材移動用テー
ブル22によってヘッド保持部材14を移動することによ
り、ヘッド保持部材14を位置決めするようになってい
る。
【0030】本実施形態では、チャック24がヘッド保持
部材把持部19に相当し、ヘッド保持部材移動用テーブル
22がヘッド保持部材位置調整機構20を相当し、このヘッ
ド保持部材把持部19およびヘッド保持部材位置調整機構
20がヘッド保持部材移動手段を構成している。なお、チ
ャック24によるヘッド保持部材14の把持力は ヘッド11
a〜11dを接着固定する際の接着剤15の硬化収縮による
応力よりも大きい力で、かつ、ヘッド保持部材14を変形
させない程度の力であることが望ましい。
【0031】また、定盤21上にはチャックを有する中間
保持部材把持部33が設けられており、この把持部33は中
間保持部材13a〜13dを把持可能になっている。この把
持部33は6軸移動機構からなる中間保持部材位置調整機
構34によってX方向、Y方向、Z方向、X軸周りのα方
向、Y軸周りのβ方向およびZ軸周りのγ方向に移動可
能になっている。なお、本実施形態では、中間保持部材
把持部33および中間保持部材位置調整機構34が中間保持
部材移動手段を構成している。
【0032】また、定盤21上には図示しないカメラ固定
部材を介してCCDカメラ35が設けられており、このC
CDカメラ35は中間保持部材13a〜13dの位置を撮像す
るようになっている。この撮像された画像は制御・演算
部30で演算されるようになっており、この演算結果に基
づいて位置調整機構34で中間保持部材13a〜13dを移動
することにより、中間保持部材13a〜13dをヘッド保持
部材14に位置決めするようになっている。
【0033】なお、把持部33による中間保持部材13a〜
13dの把持力は 中間保持部材13a〜13dを変形させな
い程度の力であることが望ましい。また、図4、5中、
符号36は紫外線を照射するライトガイドであり、このラ
イトガイド36は紫外線光源部37から発生する紫外線を照
射するようになっている。また、ガイドライト36および
紫外線光源部37は制御・演算手段30からの制御信号によ
って接着剤15に任意の時間だけ紫外線を照射するように
駆動され、硬化手段を構成している。
【0034】また、図4中、符号38は接着剤15を中間保
持部材13a〜13dに塗布する接着剤塗布部(塗布手段)
であり、この塗布部38は把持部33の近傍に設けられ、制
御・演算部30からの出力信号に基づいて中間保持部材13
a〜13dに接着剤15を塗布するようになっている。な
お、この塗布に際しては、塗布部38を固定し、位置調整
機構34によって把持部33を移動させることにより中間保
持部材13a〜13dに塗布部38を近づても良く、塗布部38
に位置調整機構を設け、塗布部38を中間保持部材13a〜
13dに近づけて接着剤を塗布するようにしても良い。さ
らに、接着剤15は中間保持部材13a〜13dではなく、ヘ
ッド11a〜11dまたはヘッド保持部材14の何れかに塗布
するようにしても良いが、本実施形態では、中間保持部
材13a〜13dに塗布する例を説明する。
【0035】また、制御・演算手段30は上述したように
CCDカメラ29、32、35からの検出情報に基づいてヘッ
ド11a〜11d、中間保持部材13a〜13dおよびヘッド保
持部材14が接着位置に位置調整されるように6軸移動機
構26、ヘッド保持部材移動用テーブル22および位置調整
機構34を駆動制御するようになっており、CCDカメラ
29、32、35と共に第1検出手段を構成している。
【0036】また、制御・演算手段30は塗布部38によっ
て中間保持部材13a〜13dに接着剤15を塗布した後に、
ヘッド11a〜11d等が接着位置に位置したときに把持部
33による中間保持部材13a〜13dの把持を開放するよう
になっており、第1開放手段を構成している。また、制
御・演算手段30は紫外線光源部37を駆動してガイドライ
ト36によって接着剤15に所定時間だけ(硬化が完了する
までの時間)紫外線が照射されたことを検出して紫外線
の照射を停止するようになっており、第2検出手段を構
成している。
【0037】さらに、制御・演算手段30は紫外線の照射
が終了したときに、チャック24によるヘッド保持部材14
の把持を開放するようになっており、第2開放手段も構
成している。なお、本実施形態の中間保持部材13a〜13
dは紫外線を透過する材料から構成されている。次に、
インクジェットヘッドの取付け構造体の製造方法を図6
に示すフローチャートおよび図7、8に示すモデル図に
基づいて説明する。
【0038】まず、チャック27でヘッド11dを把持する
とともにチャック24でヘッド保持部材14を把持し、さら
に、把持部33で中間保持部材13a〜13dを把持した後
(ステップS1〜S3)、移動用テーブル22および6軸移
動機構26を駆動してヘッド11dおよびヘッド保持部材14
を接着初期位置に移動させる(ステップS4、S5)。次
いで、位置調整機構34を塗布部38に移動させて中間保持
部材13a〜13dに接着剤15を一定の膜厚になるように塗
布する(ステップS6)。このとき、CCDカメラ29に
よって接着剤15の膜厚をモニターしながら接着剤15の膜
厚が一定になるように調整する。
【0039】次いで、中間保持部材13a〜13dを把持部
33で把持して接着初期位置に移動させる(ステップS
7)。次いで、各CCDカメラ29、32、35によってヘッ
ド11d、ヘッド保持部材14および中間保持部材13a〜13
dの位置を撮像してヘッド11d、ヘッド保持部材14およ
び中間保持部材13a〜13dの位置を計測する(ステップ
S8〜S10)。
【0040】具体的には、ヘッド11dの吐出孔12をCC
Dカメラ29で撮像し、その吐出孔12の画像の重心位置を
演算部で演算してヘッドのX、Y方向の位置計測を行な
う。また、Z方向に関しては、CCDカメラ29に内蔵し
てある図示しないオートフォーカス装置からのZ方向の
デフォーカス量に関する出力データに基づいて制御・演
算部30で演算して位置を求める。
【0041】また、ヘッド保持部材14の基準位置をCC
Dカメラ32で撮像し、その基準位置の画像の重心位置を
演算部で演算してヘッドのX、Y方向の位置計測を行な
う。また、Z方向に関しては、CCDカメラ32に内蔵し
てある図示しないオートフォーカス装置からのZ方向の
デフォーカス量に関する出力データに基づいて制御・演
算部30で演算して位置を求める。
【0042】さらに、中間保持部材13a〜13dの基準位
置をCCDカメラ35で撮像し、その基準位置の画像の重
心位置を演算部で演算してヘッドのX、Y方向の位置計
測を行なう。また、Z方向に関しては、CCDカメラ35
に内蔵してある図示しないオートフォーカス装置からの
Z方向のデフォーカス量に関する出力データに基づいて
制御・演算部30で演算して位置を求める。
【0043】このようにしてヘッド11d、ヘッド保持部
材14および中間保持部材13a〜13dの位置を計測し、そ
の測定結果から目標位置の移動量を算出し、6軸移動機
構26でヘッド11dを目標位置までの移動量だけ移動させ
るとともに、移動用テーブル22でヘッド保持部材14を目
標位置までの移動量だけ移動させ、さらに、位置調整機
構34で中間保持部材13a〜13dを目標位置までの移動量
だけ移動させることにより、ヘッド11d、ヘッド保持部
材14および中間保持部材13a〜13dの位置調整を行ない
(ステップS11、S13、S15)、各部の位置調整が全て
完了したときに(ステップS12、S14、S16のYE
S)、図7に示すように、把持部33による中間保持部13
a〜13dの把持を開放する(ステップS17)。
【0044】次いで、開放時にCCDカメラ35の撮像結
果から中間保持部材13a〜13dが許容範囲外に位置ずれ
してしまった場合には(ステップS18のNO)、ステッ
プS19に進んで把持部33によって中間保持部13a〜13d
を再度把持してステップS8以降をフローを実行し、ス
テップS18において開放時にCCDカメラ35の撮像結果
から中間保持部材13a〜13dの位置ずれが許容範囲内に
収まったものと判断した場合には、ライトガイド36によ
って接着剤15に紫外線を照射することにより、接着剤15
を硬化させる(ステップS20)。
【0045】このとき、接着剤15の硬化が開始され、そ
れによって接着剤15およびヘッド11d、ヘッド保持部材
14および中間保持部材13a〜13dの内部に図7の矢印で
示すように応力σが生じる。この応力σによって外力に
よる姿勢の拘束がない中間保持部材13a〜13dが接着剤
15の硬化収縮方向に移動する。そして、このような挙動
が接着剤15が完全に硬化するまで継続される。
【0046】次いで、接着剤15の硬化が終了したとき
に、図8に示すように、チャック27によってヘッド11d
を把持するのを開放する(ステップS21)。このため、
接着剤15の硬化中に生じる内部応力σは中間保持部材13
a〜13dが無拘束状態であるために残留応力として接着
剤15およびヘッド11d、ヘッド保持部材14および中間保
持部材13a〜13dに蓄積されることが極めて少なくな
る。このため、接着剤15が硬化した後、ヘッド11dの把
持を開放してもヘッド11dとヘッド保持部材14の相対位
置の関係は接着前の位置を維持したままとなる。
【0047】但し、中間保持部材13a〜13dとヘッド11
dおよびヘッド保持部材14の関係は図7、8に示すよう
に、Q0からQになる。次いで、チャック24によってヘ
ッド保持部材14を把持するのを開放して(ステップS2
2)、取付けを一旦終了する。次いで、移動用テーブル2
2をX方向に移動させた後、チャック27でヘッド11cを
把持して上述した作業を行なうことにより、ヘッド11c
を中間保持部材13a〜13dを介してヘッド保持部材14に
取付ける。以降、上述した動作を行なうことにより、残
りのヘッド11b、11aを中間保持部材13a〜13dを介し
てヘッド保持部材14に取付ける作業を行なう。
【0048】このように本実施形態では、接着剤15の硬
化中に中間保持部材13a〜13dの把持を開放して無拘束
状態にすることにより、接着剤15の硬化収縮による内部
応力σの発生時に中間保持部材13a〜13dが移動して、
接着剤15の硬化収縮を妨げるのを防止することができ、
接着剤15、ヘッド11a〜11d、中間保持部材13a〜13d
およびヘッド保持部材14の内部に残留応力が蓄積するの
を防止することができる。
【0049】このため、接着剤15の硬化後にヘッド11a
〜11dの把持を開放したときにヘッド11a〜11dとヘッ
ド保持部材14の相対位置が接着前と変化するのを防止す
ることができる。この結果、ヘッド11a〜11dの取付け
を高精度に行なうことができ、生産時に固定位置の位置
精度不良による生産の歩留りが発生するのを防止するこ
とができるとともに、生産後のヘッド11a〜11dの固定
力の低下が生じるのを防止することができる。
【0050】また、接着剤15を紫外線硬化型の接着剤か
ら構成するとともに、中間保持部材13a〜13dを紫外線
が透過する材料から構成したため、中間保持部材13a〜
13dを通して接着剤15に紫外線を照射することができ
る。このため、接着箇所全域で同時に、かつ接着面に対
して垂直方向から紫外線を照射することができ、接着剤
15が硬化するまでの時間を短縮して、生産性を向上させ
ることができる。
【0051】なお、接着剤が硬化するまでの時間を考慮
しない場合には、中間保持部材13a〜13dに紫外線が透
過しない材料を使用しても良い。但し、この場合には、
被接着物の隙間に紫外線を照射して紫外線を硬化させる
必要があるため、中間保持部材13a〜13dを紫外線が透
過する材料から構成した方が好ましい。この場合には、
上述した効果に加えて、ヘッド11a〜11dに対する硬化
収縮による制御がし易くなり、固定後のヘッド11a〜11
dの位置ずれも制御し易くなる。
【0052】また、本実施形態では、中間保持部材13a
〜13dに予め接着剤15を塗布しているが、ヘッド保持部
材14とヘッド11a〜11dに予め接着剤15を塗布するよう
にしても良い。また、接着剤15の塗布はヘッド11a〜11
d、中間保持部材13a〜13d、ヘッド保持部材14が所定
の位置に移動した後でも良い。また、本実施形態では、
10面体形状のヘッド11a〜11dを使用しているが、これ
に限らず、図9〜12に示すような立方体形状のヘッド41
〜44を用いても良い。要は、接着面が1面以上あれば、
特に面の数に限定されるものではないのである。また、
相対する被接着面が平行になっていれば、面形状も特に
平面に限定されるものではなく、曲面や球面でも良い。
【0053】また、中間保持部材も4つではなく、図1
0、11に示すように、1つのインクジェットヘッドに対
して2つの中間保持部材45、46から構成しても良く、ヘ
ッド1個当りに1個以上配設すれば問題はない。また、
ヘッド保持部材14に関しても、仕切部14aに仕切られて
いる形状に限らず、図9〜12に示すように平板状のヘッ
ド保持部材47〜50であっても良い。
【0054】なお、本実施形態および図9〜12に示す態
様では、1つのヘッド11a〜11d、41〜44に対して中間
保持部材13a〜13d、45、46を複数個設けているが、こ
の中間保持部材13a〜13d、45、46は各ヘッド11a〜11
d、41〜44の中心線を挟んで対称な位置に同数個配設す
ることが重要である。以下、具体的に説明する。接着剤
は硬化する際に収縮するが、これにより硬化中にヘッド
11a〜11d、41〜44に対して力が発生し、ヘッド11a〜
11d、41〜44の位置が接着中にずれる場合がある。
【0055】また、接着中にヘッド11a〜11d、41〜44
の位置がずれなくとも接着剤の中に残留応力が蓄積さ
れ、接着後の熱等の衝撃でその残留応力がヘッド11a〜
11d、41〜44に作用し、ヘッド11a〜11d、41〜44の位
置がずれたり、接着部が剥離する場合がある。このよう
な場合に、中間保持部材13a〜13d、39、40をヘッド11
a〜11d、41〜44の中心線に対して両側の対称な位置に
同数配設することにより、硬化収縮による力や残留応力
による力が打ち消し合う方向に同じ量だけ作用すること
により、上記の不具合が発生するのを防止することがで
き、インクジェットヘッドの取付けをより一層高精度に
行なって、歩留りをより一層高くすることができるとと
もに生産後のインクジェットヘッドの固定力の低下が生
じるのをより一層防止することができる。
【0056】さらに、本実施形態では、ヘッド11a〜11
d、中間保持部材13a〜13dおよびヘッド保持部材14を
線膨張係数が同一または、同一に近いものを用いた材料
から構成することも考えられる。すなわち、ヘッド11a
〜11dがインクジェットプリンターの内部で稼働する際
や、ヘッド11a〜11dの取付けが終了した後に輸送され
る場合等に、接着部の周囲の雰囲気温度が数10℃上昇す
ることが往々としてある。
【0057】このような場合に、ヘッド11a〜11d、中
間保持部材13a〜13dおよびヘッド保持部材14の線膨張
に相違があると、接着部が剥離してしまうことがある。
したがって、ヘッド11a〜11d、中間保持部材13a〜13
d、ヘッド保持部材14の線膨張係数を同一、または同一
に近い材料から構成すれば、接着部に剥離が生じずに品
質を維持することができる。また、接着剤15の材料も硬
化した接着剤15の線膨張係数がヘッド11a〜11d、中間
保持部材13a〜13dおよびヘッド保持部材14の線膨張係
数と同一、または同一に近いものにすれば、上記不具合
を抑えることができる。
【0058】図13、14は本発明に係るインクジェットヘ
ッドの取付け構造体の製造方法および製造装置の第2実
施形態を示す図であり、1つのインクジェットヘッドに
対して中間部材を1つ設けた例を示している。なお、本
実施形態では、製造方法、製造装置、中間保持部材およ
び接着剤の材料等は第1実施形態と同様である。また、
本実施形態では、特に接着部分の詳細な構造を説明する
ものである。
【0059】図13において、51はインクジェットヘッ
ド、52はヘッド保持部材、53は中間保持部材、54は接着
剤である。中間保持部材53は2ヵ所の接着面53a、53b
を有しており、その接着面53a、53bは平面で各面が直
交している。また、接着面53aはヘッド51に接着剤54に
よって固定されており、接着面53bは接着剤54によって
ヘッド保持部材52に固定されている。このような構造を
有する組付け構造にあっては、図4、5に示す取付け装
置によってヘッド51が中間保持部材53を介してヘッド保
持部材52に取付けられる。本実施形態では、ヘッド51が
ヘッド保持部材52に取付けられた後に、ヘッド51側の接
着面51aがヘッド51の位置調整量やヘッド51の形状精度
によってAだけ位置がばらついた場合に、中間保持部材
53をX、γ方向に移動させることにより、接着剤54を所
定の厚さに調整することができる。ここでの接着剤54の
所定の膜厚とは寸法Eであるが、ヘッド51側の接着面51
aと中間保持部材53側の接着面53aの平行度によって接
着剤54の膜厚がDになる場合もある。
【0060】この際、ヘッド保持部材52のヘッド51側の
接着面51aに相対する面52aの位置ばらつきCの影響で
接着層の膜厚の値が制約を受けることは、面52aが接着
面でないことから影響がない。また、中間保持部材53と
ヘッド保持部材52の接着層に関しては、ヘッド保持部材
52の接着面52bの位置ばらつきがHだけ発生した場合
に、ヘッド51側の膜厚を所定の値に維持しながら中間保
持部材53をZ、α方向に移動させることによりヘッド保
持部材52側の接着層の膜厚を所定の値に維持することが
できる。但し、ここでもヘッド保持部材52の接着面52b
と中間保持部材53の接着面53bの平行度により接着剤54
の膜厚が変化する場合がある。
【0061】また、ヘッド51側の接着面51aとヘッド保
持部材52側の接着面52bおよび中間保持部材53の接着面
53a、53bのβ方向の傾きによる接着剤54の膜厚の変化
は吸収できない。以上のように、X、Y、Z、α、γ方
向に関する、ヘッド51の位置調整量、ヘッド51側の接着
面51aの位置精度、ヘッド保持部材52の面52aの位置精
度、ヘッド保持部材52側の接着面52bの位置精度による
接着層の膜厚の変化は抑えることができる。また、接着
剤54の膜厚は接着面間の平行度の影響てばらつくだけと
なり、必要最小限の膜厚に近づけることができる。
【0062】なお、本実施形態で得られる効果は第1実
施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実
施形態では、1つの中間保持部材53をヘッド51とヘッド
保持部材52の間に介装しているが、図14に示すように中
間保持部材61、62を分割することにより、ヘッド51側の
接着面51aの面精度による接着層の膜厚の影響の変化を
抑えることができる。
【0063】
【発明の効果】請求項1、2記載の発明によれば、接着
剤の硬化中に中間保持部材の把持を開放して無拘束状態
にすることにより、接着剤の硬化収縮による内部応力の
発生時に中間保持部材が移動して、接着剤の硬化収縮を
妨げるのを防止することができ、接着剤、インクジェッ
トヘッド、中間保持部材およびヘッド保持部材の内部に
残留応力が蓄積するのを防止することができる。
【0064】このため、接着剤の硬化後にインクジェッ
トヘッドの把持を開放したときにインクジェットヘッド
とヘッド保持部材の相対位置が接着前と変化するのを防
止することができる。この結果、インクジェットヘッド
の取付けを高精度に行なうことができ、生産時に固定位
置の位置精度不良による生産の歩留りが発生するのを防
止することができるとともに、生産後のインクジェット
ヘッドの固定力の低下が生じるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの取付け構
造体の製造方法および製造装置の第1実施形態を示す図
であり、そのインクジェットヘッドの取付け構造体の斜
視図である。
【図2】第1実施形態の取付け構造の要部正面図であ
る。
【図3】第1実施形態の取付け構造の要部分解図であ
る。
【図4】第1実施形態の取付け装置の全体の概略構成図
である。
【図5】第1実施形態の取付け装置のヘッド移動手段お
よびヘッド保持部材移動手段の概略構成図である。
【図6】第1実施形態のインクジェットヘッドの取付け
構造体の製造方法のフローチャートである。
【図7】第1実施形態のインクジェットヘッドの取付け
構造体の製造方法のモデル図であり、中間保持部材の把
持を開放した状態を示す図である。
【図8】第1実施形態のインクジェットヘッドの取付け
構造体の製造方法のモデル図であり、中間保持部材の把
持を開放した後、ヘッドの把持を開放した状態を示す図
である。
【図9】第1実施形態の取付け構造の他の態様を示す図
である。
【図10】第1実施形態の取付け構造の他の態様を示す図
である。
【図11】第1実施形態の取付け構造の他の態様を示す図
である。
【図12】第1実施形態の取付け構造の他の態様を示す図
である。
【図13】本発明に係るインクジェットヘッドの取付け構
造体の製造方法および製造装置の第2実施形態を示す図
であり、(a)はそのインクジェットヘッドの取付け構
造体の上面図、(b)は同図(a)のF−F断面図であ
る。
【図14】第2実施形態の取付け構造体の他の態様を示す
図である。
【図15】(a)は一般的なインクジェットヘッドの取付
け配設体を示す図であり、記録紙とヘッドの斜視図、
(b)は同図(a)のY方向側面図、(c)は同図
(a)のX方向側面図である。
【図16】従来の充填接着方法のモデル図であり、(a)
はその上面図、(b)は同図(a)のH−H断面図であ
る。
【図17】(a)はヘッドとヘッド保持部材をそれぞれヘ
ッド把持部およびヘッド保持部材把持部によって把持し
て接着剤を硬化させた状態を示す従来例、(b)はヘッ
ド保持部材把持部によってヘッド保持部材の把持を開放
した状態を示す従来例である。
【符号の説明】
11a〜11d、41〜44、51 インクジェットヘッド 12 吐出孔 13a〜13d、45、46、53、61、62 中間保持部材 14、47〜50、52 ヘッド保持部材 15、54 接着剤 16 ヘッド把持部(ヘッド移動手段) 17 ヘッド位置調整機構(ヘッド移動手段) 19 ヘッド保持部材把持部(ヘッド保持部材移動手
段) 20 ヘッド保持部材位置調整機構(ヘッド保持部材移
動手段) 29、32、35 CCDカメラ29、32、35(第1検出手
段) 30 制御・演算手段(第1検出手段、第1開放手段、
第2検出手段、第2開放手段) 33 中間保持部材把持部(中間保持部材移動手段) 34 中間保持部材位置調整機構(中間保持部材移動手
段) 38 接着剤塗布部(塗布手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−89185(JP,A) 特開 平9−1820(JP,A) 特開 平7−40531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 25/304

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク液滴を吐出孔から吐出するインクジ
    ェットヘッドと、該インクジェットヘッドが中間保持部
    材を介して取付けられたヘッド保持部材と、を備え、前
    記中間保持部材が接着剤を介してインクジェットヘッド
    およびヘッド保持部材に固定されたインクジェットヘッ
    ドの取付け構造体の製造方法であって、 インクジェットヘッド、中間保持部材およびヘッド保持
    部材を把持した後、該インクジェットヘッド、中間保持
    部材およびヘッド保持部材の少なくとも1つ以上の接着
    面に接着剤を塗布した後、該インクジェットヘッド、中
    間保持部材およびヘッド保持部材をそれぞれ接着初期位
    置に移動させる工程と、 該接着初期位置に移動した後、前記インクジェットヘッ
    ド、中間保持部材およびヘッド保持部材を最終的な接着
    位置になるように位置調整する工程と、 該位置調整が終了した後、前記中間保持部材の把持を開
    放する工程と、 該把持を開放した後、接着剤を硬化させる工程と、 接着剤の硬化後に前記インクジェットヘッドの把持を開
    放する工程と、を含んでなることを特徴とするインクジ
    ェットヘッドの取付け構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のインクジェットヘッドの取
    付け構造体を製造する製造装置であって、 前記インクジェットヘッドを把持および開放可能である
    とともに、該ヘッドを接着位置に移動して位置調整可能
    なヘッド移動手段と、 前記中間保持部材を把持および開放可能であるとともに
    該中間保持部材を接着位置に移動して位置調整可能な中
    間保持部材移動手段と、 前記ヘッド保持部材を把持および開放可能であるととも
    に、該ヘッド保持部材接着位置に移動して位置調整可能
    なヘッド保持部材移動手段と、 前記インクジェットヘッド、中間保持部材およびヘッド
    保持部材の何れかの接着面に接着剤を塗布する塗布手段
    と、 前記接着剤を硬化させる硬化手段と、 前記塗布手段による接着剤の塗布後にインクジェットヘ
    ッド、中間保持部材およびヘッド保持部材が接着位置に
    位置調整されたことを検出する第1検出手段と、 該検出手段からの検出情報に基づいて中間保持部材移動
    手段による中間保持部材の把持を開放する第1開放手段
    と、 前記硬化手段によって接着剤が硬化されたことを検出す
    る第2検出手段と、 該第2検出手段からの検出情報に基づいて前記ヘッド保
    持部材によるヘッド保持部材の把持を開放する第2開放
    手段と、を備えたことを特徴とするインクジェットヘッ
    ドの取付け構造体の製造装置。
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