JP3471467B2 - 粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法 - Google Patents

粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法

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JP3471467B2 JP04404795A JP4404795A JP3471467B2 JP 3471467 B2 JP3471467 B2 JP 3471467B2 JP 04404795 A JP04404795 A JP 04404795A JP 4404795 A JP4404795 A JP 4404795A JP 3471467 B2 JP3471467 B2 JP 3471467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路において発生
するノイズ抑制のための電子部品として広く使用されて
いる粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方
法、特に、拡散剤の熱処理における拡散方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化,高速高性能化
に伴い、セラミックコンデンサーは小型,大容量かつ高
周波特性に優れているため、ノイズフィルター等の用途
に数多く用いられている。特に、粒界層型半導体セラミ
ックコンデンサーは、半導体化結晶間の粒界領域を高抵
抗化し、結晶粒界に誘電体層を設けるもので、超小型で
高誘電率、高絶縁抵抗を特徴とする。
【0003】以下に従来の粒界層型半導体セラミックコ
ンデンサーについて説明する。特開昭59−17228
号公報には、半導体磁器を拡散剤が金属成分を含有する
有機系金属石鹸液につけ乾燥した後、拡散処理すること
を特徴とする粒界層型半導体セラミックコンデンサーの
拡散剤塗布方法が開示されている。これにより、拡散剤
成分を均一,安価に半導体セラミック表面に形成させる
ことを目的とし、拡散剤の拡散剤量,拡散温度,拡散時
間の改善を効果として量産化を図っている。ここで、拡
散方法において、拡散剤を塗布した後乾燥した半導体磁
器を大気下1100〜1200℃の温度で熱処理する方
法が開示されている。一般的に粒界層型半導体セラミッ
クコンデンサーの拡散を行う場合、拡散剤を塗布した半
導体磁器をセラミック製の容器に挿入して熱処理する方
法が行われている。これにより、半導体磁器の中の結晶
粒子の境界線に粒界絶縁層が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、セラミック製の容器を使用して熱処理す
るため、容器から放出される酸化性のガスにより半導体
磁器に塗布された拡散剤表面が変質し、粒界層型半導体
セラミックコンデンサーの静電容量,誘電体損失等の変
動係数が大きくなり電気特性が劣化するという問題点を
有していた。また、拡散剤を塗布した半導体磁器がセラ
ミック製の容器に融着して工程の歩留りが低下するとい
う問題点を有していた。さらに、半導体磁器に塗布した
拡散剤が熱処理中にセラミック製の容器を腐食するた
め、セラミック製の容器の寿命が短く、工程費用等がか
さむという問題点を有していた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、静電容量と誘電体損失の変動係数が小さく、信頼性
及び製品の歩留まりが高く、低原価の粒界層型半導体セ
ラミックコンデンサーの製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の粒界層型半導体セラミック
コンデンサーの製造方法は、半導体磁器の表面部に金属
成分を含有する拡散剤を塗布する拡散剤塗布工程と、拡
散剤塗布工程において拡散剤が塗布された半導体磁器を
ニッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅
(Cu)を主成分とするニッケル系合金からなる容器に
挿入して熱処理する拡散熱処理工程と、を備えた構成を
有している。
【0007】本発明の請求項2に記載の粒界層型半導体
セラミックコンデンサーの製造方法は、請求項1におい
て、拡散熱処理工程が、ニッケル(Ni)−クロム(C
r)−鉄(Fe)−銅(Cu)を主成分とするニッケル
系合金からなる円筒形状の容器を用いて、拡散熱処理工
程中に円筒形状の容器を0.1から30rpmの回転速
度で回転制御する拡散回転工程を備えた構成を有してい
る。
【0008】本発明の請求項3に記載の粒界層型半導体
セラミックコンデンサーの製造方法は、請求項1又は2
において、金属成分を含有する拡散剤が、銅(Cu)、
ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ラ
ンタン(La)のうち少なくとも1以上含有する構成を
有している。
【0009】ここで、ニッケル(Ni)系合金として
ニッケル(Ni)−鉄(Fe)系,ニッケル(N
i)−銅(Cu)系,ニッケル(Ni)−アルミニウム
(Al)系,ニッケル(Ni)−マンガン(Mn)系,
ニッケル(Ni)−クロム(Cr)系,ニッケル(N
i)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)系又は
ニッケル(Ni)−モリブデン(Mo)系等の成分が
るが、本発明においては、ニッケル(Ni)−クロム
(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)系のニッケル(N
i)系合金が用いられる。粒界層型半導体セラミックコ
ンデンサーの誘電体層をなす半導体磁器としては、Ba
TiO3,SrTiO3,CaTiO3,Nb25,Y2
3,SiO2,MnO2,CeO2,MgO,Al23等の
成分が用いられる。
【0010】また、拡散熱処理工程における熱処理温度
は、1000〜1200℃の温度範囲内で制御が行われ
る。また、拡散回転工程におけるニッケル系合金の容器
の回転数制御は、0.1から30rpmの回転速度で、
好ましくは0.5〜10rpmの回転速度で行われる。
このことにより、拡散剤が半導体磁器の表面に均一に形
成され、静電容量、及び誘電体損失の変動係数のばらつ
きの少ない粒界層型半導体セラミックコンデンサーを得
ることができる。
【0011】
【作用】この構成によって、金属成分を含有する拡散剤
を塗布した半導体磁器をニッケル(Ni)−クロム(C
r)−鉄(Fe)−銅(Cu)を主成分とするニッケル
系合金からなる容器に挿入し熱処理する拡散熱処理工程
において、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(F
e)−銅(Cu)を主成分とするニッケル系合金からな
る容器を用いるため酸化性のガスの発生を防止でき、半
導体磁器に塗布された拡散剤表面が変質することがな
く、拡散剤を塗布した半導体磁器が熱処理中にニッケル
系合金からなる容器に融着することがないため、静電容
量、誘電体損失の変動係数を小さくすることができ、電
気特性を向上させることができるとともに、製品の歩留
りを向上させることができる。さらに、容器がニッケル
(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)を
主成分とするニッケル系合金からなるため、熱処理中の
雰囲気に汚されたり、拡散剤により腐食されたりするこ
とがなく、熱処理における急激な加熱、冷却にも強く、
半永久的に使用でき、製造原価を削減することができ
る。
【0012】さらに、拡散剤を塗布した半導体磁器を
ッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(C
u)を主成分とするニッケル系合金からなる容器に挿入
し熱処理する拡散熱処理工程において、容器を円筒状に
形成し、回転制御する拡散回転工程により、静電容量お
よび誘電体損失の変動係数の小さい安定した電気特性を
得ることができ、拡散剤を塗布した半導体磁器とニッケ
ル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)
を主成分とするニッケル系合金からなる容器との融着を
より確実に防止でき、製品の歩留りをより向上できる。
【0013】また、金属成分を含有する拡散剤におい
て、半導体磁器の表面に銅(Cu)、ビスマス(B
i),鉛(Pb),マンガン(Mn),ランタン(L
a)等の金属成分のうち少なくとも1以上を含有する有
機系の拡散剤を塗布することにより、ニッケル系合金か
らなる容器との反応による拡散剤表面の変質をより効果
的に防止でき、大容量で、絶縁抵抗の高い高周波特性に
優れた粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方
法を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の第1実施例
における粒界層型半導体セラミックコンデンサーの側断
面図を示す。1は本発明の第1実施例の粒界層型半導体
セラミックコンデンサー、2は高誘電率を有する粒界層
型半導体セラミック誘電体、3は電極ペーストにより粒
界層型半導体セラミック誘電体2に密着接合をなすよう
に形成された電極である。4は接合剤であり、半田や導
電性接着剤が用いられる。5は絶縁性材料からなり、絶
縁性に加えて内部の粒界層型半導体セラミック誘電体2
や電極3等の腐食及び変質を防止するための耐候性をも
ったエポキシ樹脂等の熱硬化樹脂からなる外装剤であ
る。6は電気回路等に実装接続するために接合剤4によ
り電極3に接合されるリード線である。
【0016】ここで、本発明の第1実施例の粒界層型半
導体セラミックコンデンサーの製造方法における拡散熱
処理工程で用いるニッケル系合金からなる容器は、箱型
の形状を有し、寸法は200〜800mm□,高さが2
0〜150mmHで、ニッケル(Ni)−クロム(C
r)−鉄(Fe)−銅(Cu)を成分として構成され
る。
【0017】以上のように構成された本発明の第1実施
例における粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製
造方法について説明する。まず、SrTiO3を主成分
とする粒界層型半導体セラミックコンデンサー用粉末,
メチルセルロース系結合剤,グリセリン系可塑剤及び水
の各成分を、(表1)に示す配合比率になるように秤量
する。
【0018】
【表1】
【0019】このように配合された溶液を、混練機で6
0分間混練した後、ロールミルで3〜10回処理して押
し出して、成形坏土を形成した。この坏土をシート状に
押出し成形して乾燥した後、パンチング用金型で打ち抜
きを行い、直径が9.5mmφ,厚みが0.45mmt
の円盤状の成形体を作成した。次に、この成形体を窒素
ガスと水素ガスによる還元性雰囲気中で1370〜14
50℃の温度範囲内で焼成し、半導体磁器を形成した。
【0020】次の工程として、本発明の第1実施例の粒
界層型半導体セラミックコンデンサー1の製造方法にお
ける半導体磁器へ拡散剤を拡散する拡散方法について説
明する。まず、拡散剤塗布工程として、上記のように形
成された半導体磁器の表面に銅(Cu)、ビスマス(B
i)、鉛(Pb)、マンガン(Mn)、ランタン(L
a)の金属成分のうち少なくとも1以上を含有する有機
系の拡散剤を塗布する。ここで、本実施例においては、
銅(Cu),ビスマス(Bi)と鉛(Pb)を含有する
有機系の拡散剤を用いた。次に、拡散熱処理工程とし
て、拡散剤が塗布された半導体磁器をニッケル系合金か
らなる容器に挿入し、1000〜1200℃の温度範囲
内で熱処理して粒界層型半導体セラミック誘電体2を得
た。この結果、従来の方法に比べ、半導体磁器に塗布し
た拡散剤の表面が変質することなく、又、拡散剤が塗布
された半導体磁器が拡散熱処理工程中に酸化性のガス等
に汚されたり、拡散剤により腐食されたりすることがな
かった。
【0021】次に、電極形成工程として、粒界層型半導
体セラミック誘電体2の両側面に電極ペーストを直径が
7.6mmφになるようにスクリーン印刷法で塗布し乾
燥した後、800〜850℃の温度範囲内で熱処理して
電極3を形成する。ここで、電極ペーストとしては、銀
を主成分にしたものを使用した。次に、この電極3に対
してリード線6を接合剤4となる半田を用いて接合し
た。最後に、封止工程として、エポキシ樹脂を用いて外
装材5を形成し、本発明の第1実施例の粒界層型半導体
セラミックコンデンサー1を形成することができた。
【0022】本発明の第1実施例の製造方法で得られた
粒界層型半導体セラミックコンデンサー1、及び、従来
の製造技術により得られた粒界層型半導体セラミックコ
ンデンサーから50個のサンプル抽出を行い、電圧1
V,周波数1KHzの条件のもとで静電容量と誘電体損
失を測定した。その結果を(表2)に示す。
【0023】
【表2】
【0024】また、この(表2)から静電容量及び誘電
体損失の平均値,標準偏差,変動係数を(表3)に示
す。
【0025】
【表3】
【0026】この(表3)から明らかなように、本実施
例の粒界層型半導体セラミックコンデンサー1の製造方
法、特に金属成分を含有する拡散剤の半導体磁器への拡
散方法により、従来の製造技術に比べて静電容量と誘電
体損失の変動係数が極めて小さい電気特性に優れた粒界
層型半導体セラミックコンデンサー1を得ることができ
た。
【0027】ここで、金属成分を含有する拡散剤におい
ては、特に、銅(Cu),ビスマス(Bi),鉛(P
b)を含有する有機系の拡散剤を用いることにより、静
電容量,誘電体損失等の変動係数をより小さくなるよう
に改善が図れ、また、拡散剤表面の変質等を防止するこ
とができた。
【0028】以上のように本実施例によれば、ニッケル
系合金からなる容器を用いて、粒界層型半導体セラミッ
クコンデンサーの製造方法における半導体磁器への拡散
剤の熱処理を行う拡散熱処理工程において、安定した電
気特性を有し、信頼性及び製品の歩留りが高い低原価の
粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法を実
現することができる。さらに、容器がニッケル系合金か
ら形成されているため、熱処理中の雰囲気に汚された
り、拡散剤により腐食されたりすることがなく、熱処理
における急激な加熱、冷却にも強く、半永久的に使用で
き、製造原価を削減することができ、保全性のよい低原
価の粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法
を行うことができる。
【0029】(実施例2)以下本発明の第2実施例につ
いて図面を参照しながら説明する。ここで、粒界層型半
導体セラミックコンデンサーの構成は実施例1で説明し
た図1と同様であるので、説明を省略する。
【0030】以上のように構成された粒界層型半導体セ
ラミックコンデンサーの製造方法を以下に説明する。第
1実施例と同様の方法で成形用坏土を形成した後、直径
が9.5mmφ、厚みが4.5mmtの円盤状に成形し
て、還元性雰囲気中で1370〜1450℃の温度範囲
内で焼成し半導体磁器を得た。
【0031】次の工程である本発明の第2実施例である
粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法にお
ける半導体磁器への拡散剤の拡散熱処理工程について説
明する。ここで、本発明の第1実施例と異なるのは、拡
散熱処理工程に用いるニッケル系合金の容器の形状であ
り、外径が100〜300mmφ、高さが200〜50
0mHの円筒形状を有し、拡散熱処理工程において、ニ
ッケル系合金の容器を回転制御する拡散回転工程を備え
ていることである。まず、拡散剤塗布工程として、上記
で形成された半導体磁器2の表面に銅(Cu),ビスマ
ス(Bi),鉛(Pb),マンガン(Mn),ランタン
(La)等の金属成分のうち少なくとも1以上を含有す
る有機系の拡散剤を塗布する。ここで、本実施例におい
ては、銅(Cu),ビスマス(Bi),鉛(Pb)を含
有する有機系の拡散剤を用いた。次に、拡散熱処理工程
として、拡散剤が塗布された半導体磁器を円筒形状のニ
ッケル系合金からなる容器に挿入し、1000〜120
0℃の温度範囲内で熱処理を行い、粒界層型半導体セラ
ミック誘電体2を得た。ここで、拡散熱処理工程におい
て、拡散回転工程として、さらに、ニッケル系合金から
なる容器の回転数を0.1〜30rpmに制御を行う。
本実施例では、回転数制御を好ましくは0.5〜10r
pmで制御を行った。このことにより、拡散剤が半導体
磁器の表面に均一に形成され、静電容量、及び誘電体損
失のばらつきの少ない粒界層型半導体セラミック誘電体
2を得ることができた。この結果、従来の方法に比べ、
半導体磁器に塗布された拡散剤表面が変質することな
く、又、拡散剤が塗布された半導体磁器が拡散熱処理工
程中に酸化性のガス等に汚されたり、拡散剤により腐食
することがなかった。
【0032】次に、電極形成工程として、第1実施例と
同様に、粒界層型半導体セラミック誘電体2の両面に電
極3となる電極ペーストの直径が7.6mmφになるよ
うにスクリーン印刷法で塗布し乾燥した後、800〜8
50℃の温度範囲内で熱処理して電極3を形成した。次
に、この電極3に対してリード線6を接合剤4となる半
田を用いて接合した。最後に、封止工程として、エポキ
シ樹脂を用いて外装材5を形成し、本発明の第2実施例
の粒界層型半導体セラミックコンデンサー1を得ること
ができた。
【0033】本実施例で得られた粒界層型半導体セラミ
ックコンデンサー1の静電容量と誘電体損失を第1実施
例と同様に、電圧1V,周波数1KHzの条件のもとで
測定した結果、従来の製造方法に比べて静電容量と誘電
体損失の変動係数が極めて小さい粒界層型半導体セラミ
ックコンデンサーを得ることができた。特に、半導体磁
器2に金属成分を含有した拡散剤を塗布した拡散剤塗布
工程の後の拡散を行う拡散熱処理工程において、円筒形
状のニッケル系合金からなる容器を用いて、その容器を
回転制御する拡散回転工程により、半導体磁器の誘電体
形成が均一に行われ、静電容量と誘電体損失の変動係数
をより極めて小さくすることができた。また、ニッケル
系合金の容器に拡散剤を塗布した半導体磁器が融着する
ことをより確実に防止し、粒界層型半導体セラミックコ
ンデンサー1の電気特性,信頼性,製品の歩留りを向上
させることができた。
【0034】以上のように本実施例によれば、拡散熱処
理工程において、ニッケル系合金からなる円筒形状の容
器を用いて、その容器を回転させる拡散回転工程によ
り、粒界層型半導体セラミックコンデンサー1の製造方
法における半導体磁器への拡散剤をより均一に行うこと
ができ、安定した電気特性を有し、信頼性及び製品の歩
留りが高く、低原価の粒界層型半導体セラミックコンデ
ンサーの製造方法を得ることができる。
【0035】本発明の第1及び第2実施例では、円盤型
の粒界層型半導体セラミックコンデンサーを用いたが、
円筒型にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属成分
を含有する拡散剤を塗布した半導体磁器をニッケル(N
i)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)を主成
分とするニッケル系合金からなる容器に挿入し熱処理す
る拡散熱処理工程により、静電容量および誘電体損失の
変動係数の極めて小さい安定した電気特性を有し、半導
体磁器に塗布された拡散剤表面の変質がなく、拡散剤を
塗布した半導体磁器とニッケル(Ni)−クロム(C
r)−鉄(Fe)−銅(Cu)を主成分とするニッケル
系合金からなる容器との融着防止により製品の歩留りを
著しく向上させ、信頼性,電気特性に優れた低原価の粒
界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法を実現
することができる。さらに、容器がニッケル(Ni)−
クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)を主成分とす
ニッケル系合金からなるため、熱処理中の雰囲気に汚
されたり、拡散剤により腐食されたりすることがなく、
熱処理における急激な加熱,冷却にも強く、半永久的に
使用でき、製造原価を削減することができるため、低原
価の粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法
を実現することができる。
【0037】さらに、拡散剤を塗布した半導体磁器を
ッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(C
u)を主成分とするニッケル系合金からなる容器に挿入
し熱処理する拡散熱処理工程において、容器を円筒形状
に形成し、回転制御を行う拡散回転工程により、静電容
量及び誘電体損失の変動係数の小さいより安定した電気
特性を有し、拡散剤を塗布した半導体磁器とニッケル
(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)を
主成分とするニッケル系合金からなる容器との融着をよ
り確実に防止でき、製品の歩留りをより向上させ、信頼
性,電気特性に優れた低原価の粒界層型半導体セラミッ
クコンデンサーの製造方法を実現することができる。
【0038】また、金属成分を含有する拡散剤が半導体
磁器の表面に銅(Cu)、ビスマス(Bi)、鉛(P
b)、マンガン(Mn)、ランタン(La)の金属成分
のうち少なくとも1以上を含有する拡散剤を塗布するこ
とにより、ニッケル系合金の容器との反応による拡散剤
表面の変質を防止でき、大容量で、絶縁抵抗の高い高周
波特性に優れた粒界層型半導体セラミックコンデンサー
の製造方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における粒界層型半導体セ
ラミックコンデンサーの側断面図
【符号の説明】
1 粒界層型半導体セラミックコンデンサー 2 粒界層型半導体セラミック誘電体(半導体磁器) 3 電極 4 接合剤 5 外装剤 6 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒武 義博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−100908(JP,A) 特開 昭63−96235(JP,A) 特開 平6−5461(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体磁器の表面部に金属成分を含有す
    る拡散剤を塗布する拡散剤塗布工程と、前記拡散剤塗布
    工程において前記拡散剤が塗布された前記半導体磁器を
    ニッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅
    (Cu)を主成分とするニッケル系合金からなる容器に
    挿入して熱処理する拡散熱処理工程と、を備えたことを
    特徴とする粒界層型半導体セラミックコンデンサーの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記拡散熱処理工程が、前記ニッケル
    (Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)−銅(Cu)を
    主成分とするニッケル系合金からなる円筒形状の容器
    用いて、前記拡散熱処理工程中に前記円筒形状の容器を
    0.1から30rpmの回転速度で回転制御する拡散回
    転工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粒界
    層型半導体セラミックコンデンサーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属成分を含有する前記拡散剤が、
    銅(Cu)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、マンガン
    (Mn)、ランタン(La)のうち少なくとも1以上含
    有することを特徴とする請求項1又2に記載の粒界層型
    半導体セラミックコンデンサーの製造方法。
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