JP3471452B2 - メカニカルハンドを備えた間欠割り出し装置 - Google Patents

メカニカルハンドを備えた間欠割り出し装置

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JP3471452B2 JP31166894A JP31166894A JP3471452B2 JP 3471452 B2 JP3471452 B2 JP 3471452B2 JP 31166894 A JP31166894 A JP 31166894A JP 31166894 A JP31166894 A JP 31166894A JP 3471452 B2 JP3471452 B2 JP 3471452B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメカニカルハンドを備え
た間欠割り出し装置に係り、特にカム機構とクラッチ手
段とを用いて、回転運動から間欠割り出し運動を合理的
な構成で得ることができ、このようにして得られた間欠
割り出し運動をワークの搬入・搬出を含む搬送動作に利
用すると共に、この間欠割り出し運動に対応してクラン
プ作動しかつ反転する多数のメカニカルハンドを組み込
んで、多数のワークを一挙にハンドリングすることがで
きるメカニカルハンドを備えた間欠割り出し装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、ピックアンドプレースユ
ニットにメカニカルハンドを組み込んだ装置を既に提案
している(実開平5−26282号公報)。この提案で
は、揺動回転運動と軸方向往復直線運動とを組み合わせ
た複合運動を行う出力軸に、単一のメカニカルハンドを
取り付け、このメカニカルハンドを正逆方向に旋回運動
させると共に出力軸の軸方向へ往復運動させ、この運動
によって旋回角度範囲の一方の限界である搬入端から、
他方の旋回限界である搬出端へメカニカルハンドでワー
クを移送するようになっている。またこの際、メカニカ
ルハンドは、搬入端位置で停止されてワークをクランプ
し、その後ワークをクランプした状態で旋回移動され、
搬出端位置で再度停止されてワークをアンクランプし排
出する動作を行うようになっている。そして上記提案で
は特に、これらピックアンドプレース動作と、メカニカ
ルハンドのクランプ、アンクランプ動作とを、単一の出
力軸からの運動出力で達成できるようにして、複雑な運
動を極めて簡単な構成で得られるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記提案の
装置、並びに一般のピックアンドプレースユニットの考
え方では、予め設定されている単一の搬入端から単一の
メカニカルハンドで単一のワークを取り込み、またこれ
も予め設定されている単一の搬出端へ排出するという、
作動において極めて制限的な運動しか行えないものであ
った。すなわち、一般的にピックアンドプレースユニッ
トは、単一のメカニカルハンドで単一のワークを設定さ
れた揺動回転角度範囲で搬送するというもので、その際
のワークの受け入れから排出は、単一の経路のみで行わ
れるようになっている。そしてまた従来のピックアンド
プレースユニットにあっては、ワークを上記の2点間で
搬送することのみが考慮され、搬入端におけるワークの
受け入れ姿勢や搬出端でのワークの排出の姿勢など、ワ
ークのオリエンテーションについてこのピックアンドプ
レースユニット自体で対処できる構成は備えられてはい
なかった。
【0004】ここに本願出願人は、このような従来のピ
ックアンドプレースユニットの考え方から脱却すること
を企図し、出力軸回りの回転軌跡に従うワークの搬送経
路に多数のメカニカルハンドを備えるとともにこの搬送
経路に多数の停止位置を設定して、多数のメカニカルハ
ンドを、一挙に旋回移動させると共に多数の停止位置で
一挙に作動させるようにして、単一種の多数のワークを
多数位置から受け入れ、かつまた多数位置で排出するこ
とを可能として、一台の装置で一挙に多数のワークを搬
送処理できることや、多種のワークを一挙に受け入れ、
これを目的の搬出位置で排出するというような、多種の
ワークに対しても、その搬送の流れを一台の装置の中に
持たせながら一挙に搬送処理できること、さらにはこれ
らの機能を併せ持たせて、複数多種のワークを一挙にハ
ンドリングして搬送することもできるという三方向の要
望に応えることができる単一構成の新規な装置の開発に
成功したものである。そしてこれに止まらずさらに、こ
れらのメカニカルハンド自体を適宜に反転させることが
できるように構成して、搬入端からのワークの受け入れ
姿勢、クランプしているワークの姿勢変更、搬出端から
のワークの排出姿勢というワークのオリエンテーション
の設定をも、単一構成の装置で達成できるようにしたも
のである。
【0005】本発明は、上述したような従来の課題に鑑
みて創案されたものであり、その目的は、カム機構とク
ラッチ手段とを用いて、回転運動から間欠割り出し運動
を合理的な構成で得ることができ、このようにして得ら
れた間欠割り出し運動をワークの搬入・搬出を含む搬送
動作に利用すると共に、この間欠割り出し運動に対応し
てクランプ作動しかつ反転する多数のメカニカルハンド
を組み込んで、多数のワークを一挙にハンドリングする
ことができるメカニカルハンドを備えた間欠割り出し装
置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
メカニカルハンドを備えた間欠割り出し装置は、カム機
構から、回転運動と軸方向レシプロ運動とを独立に生ず
る複合運動が伝達される出力軸と、該出力軸に設けられ
た入力部材および該入力部材に対して相対回転可能な出
力部材を有し、これら入・出力部材間に発生する回転負
荷に応じて断続されるクラッチ手段と、上記出力軸の軸
方向レシプロ運動に伴って運動する上記クラッチ手段の
上記出力部材が係脱自在に係合して、該クラッチ手段を
断続作動させるクラッチ作動手段と、上記クラッチ手段
の出力部材に設けられて該出力部材とともに割り出し回
転されるとともに、該クラッチ手段の切り離しによる該
出力部材に対する上記出力軸の相対回転運動が上記出力
軸に設けられた駆動カムによって伝達されてクランプ動
作を行うメカニカルハンドと、上記クラッチ手段の継続
による上記出力部材の回転運動が伝達されて上記割り出
し回転期間中に上記メカニカルハンドを反転させる反転
手段と、を備え、上記回転軸における回転運動は、停留
期間を有する間欠的なオシレート運動であり、上記軸方
向レシプロ運動は、順次間欠的に生成される上記停留期
間に対して交互に、上記クラッチ手段の前記出力部材
に、上記クラッチ作動手段を係合させる進出運動と離脱
させる後退運動であり、上記反転手段は、上記メカニカ
ルハンドにその反転軸回りに設けられた第1の歯車と、
該第1の歯車に噛合され、上記出力部材の回転運動を伝
達する第2の歯車とからなるギヤ機構で構成されてい
る、ことを特徴とする。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】また、前記メカニカルハンドは、前記駆動
カムに加えて、空気圧供給系から供給される空気圧でク
ランプ動作されることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1に係る発明の作用について説明する
と、出力軸は、カム機構から伝達される回転運動とその
軸方向に沿うレシプロ運動とを独立して個別に行うよう
に運動される。具体的には出力軸は、カム機構から伝達
される回転運動によってある回転角度で回転された後、
ある一定期間停止され、その後さらにある回転角度で回
転された後、さらにある一定期間停止されるという、間
欠的な回転運動を繰り返す。他方、出力軸はさらに、こ
のような間欠的な回転運動におけるいずれかの停留期間
において少なくとも一方向に進出する軸方向のレシプロ
運動を行った後ある一定期間停止され、その後のいずれ
かの停留期間において少なくとも反対方向に後退する軸
方向のレシプロ運動を行った後にある一定期間停止され
るという、レシプロ運動を繰り返す。すなわち出力軸
は、回転運動するとともに、その間のいずれかの停留期
間中において、少なくともいずれか一方向に進退するレ
シプロ運動を行うことになる。
【0012】このような運動を行う出力軸には、断続制
御されるクラッチ手段が設けられる。このクラッチ手段
は、出力軸に設けられた入力部材と、この入力部材に対
して相対回転可能な出力部材とを備えていて、これら入
・出力部材間に発生する回転負荷に応じて、すなわち回
転負荷が小さいときには入・出力部材を一体に接続し、
他方、回転負荷が大きいときには、両者を切り離して出
力部材の入力部材に対する相対回転を許容するようにな
っている。従ってこのクラッチ手段は、回転負荷が小さ
いときには入力部材と出力部材とを共に出力軸の回転に
従って回転運動させ、他方、回転負荷が大きいときに
は、出力軸に従って回転運動する入力部材に対し、出力
部材を相対的に回転させるように断続されるようになっ
ている。
【0013】このように作動されるクラッチ手段にその
断続動作を行わせるべく、その入・出力部材間の回転負
荷を制御する操作がクラッチ作動手段によって行われ
る。すなわち、回転運動の停留期間の際、出力軸がその
軸方向にレシプロ運動するのに伴ってクラッチ手段も移
動され、このクラッチ手段の移動によってその出力部材
がクラッチ作動手段に対して係合され、若しくは離脱さ
れるようになっている。具体的には、いずれかの回転運
動の停留期間に出力部材をクラッチ作動手段に向かって
進出させる出力軸の一方向へのレシプロ運動とその停止
によって、出力部材がクラッチ作動手段に係合している
ときには、出力軸の回転運動の再開により出力軸ととも
に出力部材が回転しようとしても、その回転運動はクラ
ッチ作動手段によって制止される。この制止作用によ
り、入力部材と出力部材との間に大きな回転負荷を発生
させることができ、クラッチ手段は切り離される。この
クラッチ手段の切断より、入力部材が出力軸とともに回
転運動する一方で、出力部材は入力部材に対する相対回
転が許容されて、制止されたままとなる。他方、その後
のいずれかの回転運動の停留期間における、出力部材を
クラッチ作動手段から後退させる出力軸の反対方向への
レシプロ運動とその停止によって、出力部材がクラッチ
作動手段から離脱している場合には、出力部材と入力部
材との間にクラッチ作動手段による回転負荷の発生はな
く、従ってクラッチ手段は接続状態となる。このクラッ
チ手段の接続状態では、出力軸の回転運動の再開によ
り、出力部材は入力部材とともに出力軸の回転角度で回
転することになる。
【0014】このように、出力軸はカム機構から伝達さ
れる回転運動を継続する一方で、出力部材は、カム機構
による出力軸のレシプロ運動に基づく、クラッチ作動手
段によるクラッチ手段の断続制御によって、制止動作と
回転動作とを繰り返すこととなり、これにより間欠回転
運動されることになる。そして、この間欠回転運動の際
の位置割り出しは、カム機構のカム曲線と、上下動され
るクラッチ手段の出力部材に係合しこれを制止させるク
ラッチ作動手段とによって的確に確保されることとな
り、これにより確動の間欠割り出し運動を得ることがで
きる。
【0015】すなわち、本発明の間欠割り出し装置は基
本的に、ドエルによって確実な停留状態を創出すること
ができて運動全体の確動を容易かつ確実に得ることがで
きる、高速運動安定性及び高い信頼性を有するカム機構
という機械要素を用いて構成され、このカム機構によっ
て得られた回転運動から、出力軸のレシプロ運動に伴っ
てクラッチ作動手段により制御されるクラッチ手段の断
続により間欠回転運動が取り出され、この間欠回転運動
においてさらにクラッチ作動手段の出力部材に対する係
合動作で割り出し位置が保持されて、確動の間欠割り出
し運動を合理的に高精度で得ることができる。殊に本発
明にあっては、既存のピックアンドプレースユニットに
おける作動原理を適用しながら、これとは全く異なる動
きが要求される間欠割り出し運動を、カム機構とクラッ
チ手段とを用いて合理的な構成で得ることができる。
【0016】また、出力部材の位置割り出し精度は本質
的に、カム機構に備えられるカム曲線によって高い精度
で確保され、さらにこのカム機構によって位置割り出し
された出力部材の不必要な回りを、クラッチ作動手段に
よって完全に阻止することができる。
【0017】そして上述してきたように、出力軸は常に
カム機構から伝達される運動に従って回転運動を行い、
またそれと同時に出力部材は、クラッチ手段の断続制御
に従って間欠回転運動を行うもので、これらの2種類の
運動が単一の出力軸から同軸で出力されることになる。
そしてこのような2種類の運動系において、第1にクラ
ッチ手段の切り離しにより割り出し位置で制止されてい
る出力部材に対し、出力軸を相対回転運動させるように
し、この相対回転運動の出力を出力部材に設けられた
カニカルハンドに伝達して割り出し位置でのクランプ動
作に利用できるようになっている。また第2に、クラッ
チ手段の継続により出力軸と共に出力部材を一体的に回
転運動させてメカニカルハンドを旋回させる際に、この
出力部材の回転運動の出力を反転手段に伝達し、当該割
り出し回転期間中を利用してメカニカルハンドに反転動
作を行わせることができるようになっている。
【0018】これにより、第1に、メカニカルハンド
は、出力部材が制止される間欠割り出し運動の割り出し
位置においてクランプ、アンクランプのクランプ動作を
行うことができる。間欠割り出し運動における割り出し
位置は、出力軸回りに多数設定することができると共
に、この割り出し位置の全て、若しくはいずれかに対応
させて多数のメカニカルハンドを備えることができて、
多数の割り出し位置で作動する多数のメカニカルハンド
を配設することができる。これにより、出力軸回りの回
転軌跡に従うワークの搬送経路に多数のメカニカルハン
ドを備えるとともにこの搬送経路に多数の停止位置を設
定して、多数のメカニカルハンドを、出力部材とともに
一挙に旋回移動させると共に多数の停止位置で一挙に作
動させることができる。従って、単一種の多数のワーク
を多数位置から受け入れ、かつまた多数位置で排出する
ことを可能として、一台の装置で一挙に多数のワークを
搬送処理できることや、多種のワークを一挙に受け入
れ、これを目的の搬出位置で排出するというような、多
種のワークに対しても、その搬送の流れを一台の装置の
中に持たせながら一挙に搬送処理できること、さらには
これらの機能を併せ持たせて、複数多種のワークを一挙
にハンドリングして搬送することもできる単一構成の装
置を得ることができる。
【0019】また第2に、メカニカルハンド自体は、出
力部材が割り出し回転される期間中、すなわちワークの
搬送途上で反転動作を行うことができる。1回の割り出
し回転中におけるメカニカルハンドの反転角は適宜に設
定することができ、1回の割り出し回転で所望の反転角
で反転させることも、数回の割り出し回転を経て所望の
反転角で反転させることもできる。すなわち、搬入端か
ら搬出端に至るまでの割り出し回数で所望の反転角を除
算することで、メカニカルハンドが搬入端から受け入れ
たワークを、望ましい姿勢で搬出端から排出することが
できる。また搬入端でワークを受け入れる際にも、メカ
ニカルハンドを所望の姿勢に調整することができる。こ
れにより、出力軸回りの回転軌跡に従うワークの搬送経
路において、ワークの受け入れ姿勢、クランプしている
ワークの姿勢変更、ワークの排出姿勢というワークのオ
リエンテーションを、単一構成の装置で必要に応じて設
定することもできる。
【0020】要するに、カム機構とクラッチ手段とを用
いて、回転運動から間欠割り出し運動を合理的な構成で
得、このようにして得られた間欠割り出し運動をワーク
の搬入・搬出を含む搬送動作に利用できると共に、この
間欠割り出し運動に対応してクランプ作動しかつ反転す
る多数のメカニカルハンドを組み込んで、多数のワーク
を一挙にハンドリングすることができる。
【0021】また、上記出力軸の複合運動を前提とし
て、上記の出力軸の回転運動を、上記の軸方向レシプロ
運動が行われる停留期間を備えたオシレート運動とし、
出力軸の軸方向レシプロ運動については、クラッチ手段
の出力部材のクラッチ作動手段に対する進出・後退のい
ずれかの一方の動作を、順次間欠的に生じる各停留期間
に対して交互に生じさせるようになっている。要する
に、一方向へ回転しまた戻るというオシレート運動に対
し、出力軸は例えば、往運動の後の停留期間では必ずク
ラッチ手段の出力部材をクラッチ作動手段に向かって進
出させ、復運動の後の停留期間には必ず後退させるとい
うレシプロ運動を行う。
【0022】具体的には、出力軸が最初に一方向に回転
する。このときには、クラッチ手段が接続されていて、
出力部材が入力部材とともに出力軸によって回転され
る。その後ある一定期間停止する。この停留期間中に、
出力軸がクラッチ手段の出力部材をクラッチ作動手段に
向かって進出させるように一方向へ運動して出力部材を
クラッチ作動手段に係合させ、その状態で一定期間停止
する。このような係合状態で、その後出力軸は、次の反
対方向に戻る回転運動を行うことになる。この戻り回転
の際には、クラッチ作動手段による回転負荷の発生でク
ラッチ手段は切り離され、入力部材が出力軸とともに戻
り回転する一方で、出力部材は制止される。その後の戻
り回転後の停留期間中には、出力軸は前回とは逆に、出
力部材をクラッチ作動手段から後退させるように反対方
向へ運動して出力部材をクラッチ作動手段から離脱さ
せ、その状態で一定期間停止する。これによりクラッチ
手段が接続状態となり、その後の出力軸の一方向への回
転運動の際には、出力部材が出力軸とともに回転する。
そしてこの運動を反復的に繰り返すことになる。
【0023】すなわち、出力軸の一方向への回転運動時
は、クラッチ手段の接続によって出力部材は出力軸と一
体に一定の揺動回転角度で回転し、それ以外の期間中
は、出力軸の回転運動の停留期間とクラッチ手段の切断
とにより停止しているという、一方向への間欠回転運動
を行い、これによって間欠割り出し運動が得られること
になる。またこの際、出力軸は、出力部材の運動とは別
個に、カム機構からのオシレート運動に従って回転運動
される。
【0024】このような運動構成にあっても、出力部材
対する出力軸の相対回転運動の出力をメカニカルハン
ドに伝達することで、メカニカルハンドは、出力部材が
制止される間欠割り出し運動の割り出し位置においてク
ランプ、アンクランプのクランプ動作を行うことがで
き、かつまた出力部材の回転運動の出力を反転手段に伝
達することで、メカニカルハンドは割り出し回転中にお
いて反転動作を行うことができることになる。
【0025】当該オシレート運動に関しては、カム機構
におけるカム曲線で得られるオシレート運動の揺動回転
角度範囲には制限がなく、従って180°以上の角度範
囲のオシレート運動を創り出すこともできる。
【0026】さらに、反転手段をギヤ機構で構成したの
で、回転運動を簡単な構成で確実にメカニカルハンドに
伝達することができ、ワークの姿勢制御を、単一の装置
内の一貫した回転運動作用によって的確に行うことがで
きる。
【0027】他方また、メカニカルハンドを、カム機構
によって運動される出力軸に設けた駆動カムによって駆
動される駆動手段によってクランプ動作させるように構
成したので、メカニカルハンドの作動を、空気圧や油圧
・電気駆動機構などのその他一切の別の動力源を用いる
ことなく、カム構成の運動伝達系のみによって、且つ単
一の出力軸からの運動出力で行わせることができ、複雑
な運動を極めて合理的な構成で得ることができる。
【0028】また、請求項の発明の作用について述べ
ると、メカニカルハンドを空気圧制御でもクランプ動作
させることができるようにしたので、クランプ状態であ
っても、不具合が発生した場合に空気圧を強制的に供給
してアンクランプ状態とすることが可能である。
【0029】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例を、添付図面に
従って詳述する。図1〜図6には、本実施例に係るメカ
ニカルハンドを備えた間欠割り出し装置が示されてい
る。図1〜図3に示すように、30は、中空箱体状のハ
ウジングであり、このハウジング30には、その一側壁
30aから相対向する他側壁30bに亘って水平に貫通
させて入力回転軸31が設けられる。この入力回転軸3
1は、ハウジング30のこれら側壁30a,30bに軸
受71等を介して回転自在に支持され、モータ等の駆動
源によって一方向に回転駆動されるようになっている。
【0030】この入力回転軸31には、ハウジング30
内部においてカム機構32が設けられる。このカム機構
32は、入力回転軸31に固定された、揺動回転カム3
3と上下動カム36とを一体的に備える複合カム35
と、揺動回転カム33の従節となるターレット34およ
び上下動カム36の従節となるリフトアーム37とから
構成される。
【0031】まず、従節となるターレット34とその取
付支持構造について説明すると、図1に示したように、
このターレット34は、下端部が径方向外方へ膨出され
た中空筒体状に形成され、ハウジング30の上下方向に
沿って配設されるようになっている。一方、ハウジング
30の天井面30cには、開口部30dが形成され、こ
の開口部30dの下縁部には、その周方向に沿って径方
向内方へ突出させてリング状の鍔部30eが形成され
る。そしてこの開口部30dには、ターレット34を支
持するための中空円筒体状のスリーブ41が装着され
る。円筒体状のスリーブ41の上端部外周縁には、その
周方向に沿って径方向外方へ突出させてフランジ部41
aが形成され、このフランジ部41aが開口部30d内
の鍔部30eに上方から重ね合わされ、これらフランジ
部41aと鍔部30eとがボルト42で締結されて、ハ
ウジング30にスリーブ41が固定される。この中空円
筒体状のスリーブ41内には、その上端開口から下端鍔
部との間に、リング状のスペーサ43によってスリーブ
41の軸方向に間隔を隔てて、リング状の軸受44が一
対装着される。そして、ターレット34は、このスリー
ブ41内に挿入されこれら軸受44によって回転自在に
支持されて、取り付けられる。なお、スリーブ41の上
端開口に位置されるスペーサ43とターレット34との
間には、リング状のシール材45が装着されている。そ
してこのようにハウジング30に回転自在に支持された
中空筒体状のターレット34は、その膨出された下端部
から水平方向外方へ突出させて配設されたローラ34a
を介して揺動回転カム33の運動が伝達されて、回転駆
動されるようになっている。
【0032】複合カム35に備えられる揺動回転カムと
して、本実施例にあっては、いわゆるローラギヤカム3
3が採用されている。このローラギヤカム33には、図
3に示したように、入力回転軸31回りの外周表面にそ
の周方向に沿って、1つのテーパリブ33aが形成さ
れ、このテーパリブ33aの両側壁に一対のリブ面33
bが形成されて、これらリブ面33bがローラ34aの
摺接面として構成されるようになっている。
【0033】他方、上述したターレット34のローラ3
4aは、ターレット34の周りに当該ローラギヤカム3
3のテーパリブ33a側に向かってそれぞれ突出されて
いる。これらローラ34aは、ターレット34に回転自
在に取り付けられており、ローラギヤカム33に形成さ
れた一対のリブ面33bそれぞれに摺動回転自在に摺接
されるようになっている。そしてこれらローラ34a
は、テーパリブ33aに拘束されつつ案内されて、テー
パリブ33aによってローラギヤカム33に創出された
カム曲線に沿って移動され、この移動に従ってターレッ
ト34がオシレート運動されるように構成される。
【0034】具体的には、図8に示したように、揺動回
転カムとしてのローラギヤカム33には、入力回転軸3
1の回転運動に伴いその回転角の増加に従ってターレッ
ト34を旋回させて任意の旋回角αまで回転させ、その
後ドエルによって一定期間ターレット34を停止させ、
その後さらに入力回転軸31の回転角の増加に従ってタ
ーレット34を戻り方向に旋回させて旋回角0°まで戻
し回転させ、その後再びドエルによって一定期間ターレ
ット34を停止させるカム曲線が形成される。本実施例
では、入力回転軸31の360°の1回転の期間におい
て、最初の90°の範囲でターレット34を旋回角αま
で回転させ、その後の180°の範囲でターレット34
を停止させ、その後の270°の範囲でターレット34
を旋回角0°まで戻し回転させ、さらにその後の360
°の範囲でターレット34を停止させ、その後の入力回
転軸31の回転で再度ターレット34を旋回角αまで回
転させていく動作を反復するようにカム曲線が設定され
ている。すなわち、揺動回転カム33は、入力回転軸3
1の回転運動を、停留期間を有する間欠的なオシレート
運動に変換するように構成される。
【0035】殊に本実施例で採用しているローラギヤカ
ム33のテーパリブ33aとローラ34aとからなる構
造は、拘束型でしかも予圧構造になっているため、バッ
クラッシがなく、剛性が高く、高速駆動に適しており、
特に割り出し装置の駆動用カムとして好ましい。しかし
ながら、揺動回転カム33としては、上記ローラギヤカ
ムに限定されることなく、その他の平面カムや立体カ
ム、例えば板カム、溝カム、端面カム、円筒リブカム、
円筒溝カム、円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、
鼓形溝カムなど、いずれのカムを適用してもよいことは
もちろんである。
【0036】他方、図1および図3に示すように、上記
複合カム35にはさらに、上記ローラギヤカム33と一
体的に上下動カム36が備えられる。本実施例にあって
は、上下動カムとしていわゆる平面溝カム36が採用さ
れている。この平面溝カム36は、ローラギヤカム33
の側壁面に、入力回転軸31回りに沿って所定のカムプ
ロフィールで溝36aが刻設されて構成される。
【0037】この平面溝カム36の従節となるリフトア
ーム37は、ハウジング30内部で入力回転軸31に干
渉しないその下方位置に、ほぼ水平に配設される。そし
てリフトアーム37は、その一端の回動中心37aがハ
ウジング30に支持ピン72で回転自在に支持されると
ともに、他端のリフト端37bが後述する出力軸40の
下端に係合されて、ハウジング30内でリフト自在に取
り付けられる。さらにリフトアーム37の中間部分に
は、平面溝カム36の溝36aに向かって突出させてロ
ーラ37cが回転自在に設けられ、このローラ37c
は、平面溝カム36の溝36aに摺動回転自在に係合さ
れるようになっている。そしてこのローラ37cは、溝
36aに案内されつつ平面溝カム36に創出されたカム
曲線に沿って移動され、この移動に従ってリフトアーム
37はその回動中心37a回りに上下に運動されるよう
に構成される。
【0038】具体的には、図8に示したように、上下動
カムとしての平面溝カム36には、入力回転軸31の回
転運動に伴い最初はドエルに従って一定期間リフトアー
ム37を停止させ、その後の回転角の増加に従ってリフ
トアーム37を所定の変位量γで下方へ進出運動させ、
その後さらにドエルによって一定期間リフトアーム37
を停止させ、その後再び回転角の増加に従ってリフトア
ーム37を変位量0の位置まで上方へ後退運動させるカ
ム曲線が形成される。本実施例では、入力回転軸31の
360°の1回転の期間において、最初の90°の範囲
ではリフトアーム37を停止させ、その後の90°〜1
80°の範囲においてリフトアーム37を変位量γまで
下方に進出移動させ、その後270°までの範囲でリフ
トアーム37を停止させ、さらにその後の270°〜3
60°の範囲においてリフトアーム37を変位量0まで
上方に後退移動させ、その後、次回転の90°の範囲ま
ではリフトアーム37を停止させる動作を反復するよう
にカム曲線が設定されている。
【0039】このようなカム曲線によるリフトアーム3
7の運動は、図8のカム線図から明らかなように、順次
間欠的に生成される揺動回転カム33の各停留期間に対
し、リフトアーム37の上昇運動と下降運動とのいずれ
か一方の運動を交互に生じさせることになる。
【0040】上下動カム36としては、上記平面溝カム
に限定されることなく、その他の平面カムや立体カム、
例えば溝カム、端面カム、円筒リブカム、円筒溝カム、
円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、鼓形溝カム、
ローラギヤカムなど、いずれのカムを適用してもよいこ
とはもちろんである。
【0041】このように構成されたカム機構32から、
回転運動と軸方向レシプロ運動とを独立に生ずる複合運
動、具体的には間欠的なオシレート運動と、当該オシレ
ート運動の停留期間での軸方向レシプロ運動とが伝達さ
れる出力軸40について説明する。出力軸40は図1に
示すように、ハウジング30内部からその天井部30c
を貫通して外方へ延出される軸体状に形成され、その下
端にリフトアーム37のリフト端37bが係合される係
合部40aを有する。またこの出力軸40は図3に示し
たように、係合部40aの上方がターレット34の中空
部に軸方向に沿ってスプライン嵌合されて取り付けられ
る。そしてこのスプライン嵌合によって、出力軸40は
ターレット34に対し、軸方向にスライド自在であっ
て、かつ回転方向に一体に装着されることになる。また
この出力軸40の下端部の係合部40aは、上下一対の
係合フランジ40bによって出力軸40回りに区画形成
された環状の案内摺動溝40cで構成される。そしてリ
フトアーム37のリフト端37bに回転自在に設けられ
たローラ37dが、これら係合フランジ40bに上下方
向から拘束されつつ案内摺動溝40cに回転摺動自在に
係合される。そして平面溝カム36によってリフトアー
ム37がその回動中心37a回りに上下動する運動が、
ローラ37dを介して出力軸40に入力され、これによ
り出力軸40がターレット34に対し軸方向に沿ってス
ライドして、往復上下運動するようになっている。
【0042】このようにしてハウジング30に回転自在
かつ上下レシプロ運動自在に取り付けられた出力軸40
のハウジング30外方へ延出された端部側には、図1,
図4,図5および図9に示すように、クラッチ装置46
が設けられる。このクラッチ装置46は、出力軸40に
設けられた入力部材としての筒体47と、この筒体47
に対して相対回転可能な出力部材としての円盤48とを
有し、これら筒体47と円盤48との間に発生する回転
負荷に応じて断続されるように構成される。
【0043】詳述すると、図4および図5に示すよう
に、出力軸40のハウジング30外方へ延出された部分
には、当該出力軸40を囲繞する円筒状部材49がキー
部材50によって一体的に固設される。この円筒状部材
49には、さらにその外側に入力部材としての筒体47
が一体的に装着される。この筒体47には、その下端部
側にその周方向に沿ってこれより外側に突出させて外フ
ランジ部47aが形成されるとともに、上端部には、後
述するコイルスプリング51の上端を支持するリング状
の上部リテーナ52が取り付けられる。他方、筒体47
の外フランジ部47a回りには、その上面側から側面側
を取り囲むドラム状に形成され、さらにその内周縁側に
コイルスプリング51の下端が係止される内鍔部53a
を有する下部リテーナ53が設けられる。そして出力軸
40を囲繞しつつこれらリテーナ52,53間に装着さ
れるコイルスプリング51は、上部リテーナ52に反力
をとって下部リテーナ53を常時下方へ付勢するように
構成される。
【0044】他方、筒体47の下部には、外フランジ部
47aにその下方から重ね合わせて出力部材である円盤
48が設けられる。この円盤48は、円筒状部材49と
筒体47とによって上下方向から挟み込まれる配置で、
かつ円筒状部材49を取り囲むようにして設けられ、ま
たこの円盤48と当該円筒状部材49および筒体47と
の間にはそれぞれ、ベアリング54が介設される。従っ
て、円盤48は、出力軸40に一体的に設けられてこれ
とともに回転運動する円筒状部材49および筒体48に
対して、出力軸40回りに相対回転可能に取り付けられ
ている。そしてこのように構成された円盤48の下側に
は、これに重ねて割り出しフレーム55が設けられ、両
者はボルト56で締結される。この割り出しフレーム5
5は、上方部分55bが大径で、下方部分55cが小径
な短筒体状に形成され、かつこの上方部分55bの外周
には周方向に沿って等間隔で4つの突出端が形成され、
この突出端部分に後述するメカニカルハンド74の収容
空間90が形成されると共に、下方部分55cには、こ
の収容空間90に連通させて、これも後述する反転手段
91の収容空間92が形成される。また、割り出しフレ
ーム55には、その中央部に、円筒状部材49を含めて
出力軸40を貫通突出させるための穴部55aが形成さ
れている。
【0045】このように構成された円盤48と、筒体4
7の外フランジ部47aと、下部リテーナ53との間に
おいて、外フランジ部47aには図5および図9に示す
ように、出力軸40回りのその周方向に沿って間隔を隔
てて複数個の切欠部47bが形成され、これら切欠部4
7bにはそれぞれ円筒体状の転動体57が回転自在に装
着される。またこの切欠部47bに対応させて円盤48
の上面には、転動体57の円筒面下部が摺接されるポケ
ット48aが形成される。殊にこのポケット48aは、
出力軸40回りの筒体47と円盤48との相対回転方向
に沿って傾斜されたテーパ面で形成され、転動体57を
係脱自在に保持するようになっている。また下部リテー
ナ53には、外フランジ部47aの切欠部47b上方
に、筒体47と円盤48との相対回転方向に沿って環状
に、転動溝部53bが形成される。そして転動体57
は、これらポケット48aと切欠部47b内とに収容さ
れ得る外径寸法で形成され、ポケット48aから離脱さ
れた際には、切欠部47bから上方へ突出されて、下部
リテーナ53の転動溝部53b内にこれに沿って転動さ
れるようになっている。
【0046】ところで、切欠部47bおよびこれに対応
するポケット48aの形成位置は、上述した揺動回転カ
ム33によって与えられる旋回角αに一致させて設定さ
れ、一般的には、出力軸40が1回転する期間(360
°)を、割り出し回数Sで除算することによって与えら
れる旋回角αに設定される。本実施例では図9(A)に
示したように、旋回角αが90°の場合が示されてお
り、従って90°間隔で4カ所に設定されている。な
お、図4において、58は出力軸40にクラッチ装置4
6を装着するためのフランジであり、このフランジ58
には、上部リテーナ52の上面に当接されるセットボル
ト59が螺合され、このセットボルト59を締め付ける
ことでテーパ構造のクラッチ部材58aが押圧されて、
クラッチ装置46が出力軸40に固定される。また、上
部リテーナ52を回動することにより、コイルスプリン
グ51のセット荷重を調整できるようになっている。
【0047】クラッチ装置46の作動について説明する
と、クラッチ装置46の接続状態が図9(B)にトルク
伝達状態として示されている。筒体47と円盤48との
間に発生する回転負荷が小さく、従ってコイルスプリン
グ51の弾発付勢力が下部リテーナ53を筒体47の外
フランジ部47aの上面に当接させ、かつ転動体57が
外フランジ部47aの切欠部47bと円盤48のポケッ
ト48aとに収容されて保持されている図示の状態で
は、入力部材である筒体47と出力部材である円盤48
とが転動体57を介して一体的に接続される。従って、
クラッチ装置46は接続状態にあって、円盤48には出
力軸40の回転トルクが筒体47を介して伝達されて、
円盤48、ひいては割り出しフレーム55は出力軸40
とともに一体的に回転運動する。
【0048】次に、クラッチ装置46の切り離し状態
が、図9(C)にトルク遮断状態として示されている。
円盤48と筒体47との間に大きな回転負荷が発生する
と、例えば円盤48が制止されるような負荷が加わる
と、円盤48のポケット48aと、筒体47の外フラン
ジ部47aの切欠部47bとの間に収容されていた転動
体57は、制止された円盤48に対し出力軸40からの
回転トルクを受けて回転を継続しようとする筒体47に
押されて、コイルスプリング51の弾発付勢力に抗して
下部リテーナ53を押し上げつつ、ポケット48aのテ
ーパ面に沿って当該ポケット48aから離脱する。これ
により、クラッチ装置46が切断される。そして転動体
57は、コイルスプリング51の弾発付勢力により円盤
48と下部リテーナ53との間に挟み込まれた状態で、
切欠部47b内で転動しつつ下部リテーナ53の転動溝
部53b内を転がることとなり、この結果、筒体47
は、制止された円盤48に対して相対回転していくこと
になる。この期間中、クラッチ装置46は切り離し状態
となり、出力軸40とともに筒体47が回転する一方
で、出力軸40の回転トルクの円盤48への伝達が遮断
され、割り出しフレーム55は停止する。すなわち、コ
イルスプリング51に設定したセット荷重を超える負荷
が円盤48と筒体47との間に発生すると、転動体57
がコイルスプリング51の付勢力に抗してポケット48
aから離脱してクラッチ装置46が切断されるようにな
り、転動体57の離脱している回転角度範囲である旋回
角αにおいて、筒体47と円盤48との相対回転が発生
することになる。
【0049】その後図9(D)に示したように、転動体
57が次のポケット48aに収まると、円盤48と筒体
47との間の回転負荷がコイルスプリング51のセット
荷重以下であることを条件にクラッチ装置46が接続さ
れて、再びトルク伝達状態が得られ、出力軸40ととも
に円盤48および割り出しフレーム55が回転されるよ
うになっている。本実施例では上述したように、旋回角
αが90°の設定とされていることから、図9に示した
ように、一回のトルク遮断状態(クラッチ切断状態)は
90°の回転角度範囲で生ずるようになっている。
【0050】このように構成されたクラッチ装置46に
その断続動作を行わせるべく、その入・出力部材である
筒体47と円盤48との間の回転負荷を制御する操作が
クラッチ作動手段であるストッパ38によって行われ
る。このストッパ38は図1,図4及び図6に示すよう
に、ハウジング30の天井面30c上に、出力部材であ
る円盤48に一体的に取り付けられた割り出しフレーム
55に対して下方から臨ませて設けられる。このストッ
パ38は、台部38aとこの台部38aの中央から立設
された縦壁38bとからなる逆T字状のブロックでな
り、割り出しフレーム55の下方部分55cの周縁位置
に配置される。このストッパ38上方の割り出しフレー
ム55の下方部分55cの周側壁には、その周方向に沿
って旋回角αの間隔を隔てて、当該ストッパ38に係脱
自在に係合される係合体として一対のローラ39が4組
設けられる。これらローラ39は、当該下方部分55c
から外方へ向かって水平に突出させて回転自在に設けら
れ、ストッパ38の縦壁38bを両側から挟み込むよう
に、当該縦壁38bに回転摺動自在に摺接しつつ係合す
るように構成される。そしてこれらローラ39は、出力
軸40による割り出しフレーム55の上下運動に従っ
て、ストッパ38に対しその上方から進退自在に進入し
て係脱自在に係合するようになっている。
【0051】そしてハウジング30に設けられたストッ
パ38は、出力軸40によって割り出しフレーム55が
変位量γで進出移動されてそのローラ39が係合するこ
とにより、割り出しフレーム55の移動を制止し、これ
により出力部材である円盤48側の回転負荷を増大させ
て、クラッチ装置46を切り離し作動させるクラッチ作
動手段として機能するとともに、係合している割り出し
フレーム55の位置を的確に保持する位置決め手段とし
て機能されることになる。この作用は、図8において入
力回転軸31の180°〜270°の回転角度範囲にお
いてなされる。他方、ローラ39は、割り出しフレーム
55が出力軸40によって上下動されたり、変位量0の
位置に維持されるときには、ストッパ38から離脱さ
れ、これにより割り出しフレーム55、ひいては円盤4
8には当該ストッパ38による何らの回転負荷も発生せ
ず、クラッチ装置46を接続状態に制御できるようにな
っている。この作用は、図8において入力回転軸31の
270°〜次回の180°の回転角度範囲においてなさ
れる。
【0052】このようにして間欠割り出し運動される割
り出しフレーム55に対して、これと相対的にオシレー
ト運動される出力軸40には、図1,図4及び図6に示
すように、クラッチ装置46で覆われた割り出しフレー
ム55の穴部55a内に、当該割り出しフレーム55に
対する出力軸40の相対回転運動が伝達されて回転駆動
される駆動カム73が設けられる。本実施例にあって
は、この駆動カム73として板カムが採用されている。
この板カム73は、ボルト60により上記円筒状部材4
9に一体的に固設される。また割り出しフレーム55の
上方部分55bには、上述した揺動回転カム33によっ
て与えられる旋回角αに一致させて、具体的には図9
(A)で説明したように90°間隔で4カ所に、メカニ
カルハンド74が配設される。図示例にあっては、これ
らメカニカルハンド74は、割り出しフレーム55の4
つの突出端それぞれに、これより水平方向外方へ突出さ
せて設けられている。
【0053】メカニカルハンド74の取付構造について
詳述すると図4および図6に示すように、割り出しフレ
ーム55の上方部分55bには、その周方向に互いに間
隔を隔てて、かつ径方向外方に向かって水平に、上記し
たメカニカルハンド74の収容空間90が4個所形成さ
れる。これらの収容空間90はそれぞれ円筒面で区画形
成され、その中空内部には、スペーサ61を介して互い
に間隔を隔てて設けられた一対の軸受62に回転自在に
支持されて、反転スリーブ93が設けられる。反転スリ
ーブ93は、一端が割り出しフレーム55外方へ向けて
開口されると共に、他端に段違いに縮径された縮径部9
3aを備えて、形成される。そしてこの反転スリーブ9
3内に、開口側に寄せてメカニカルハンド74が配設さ
れるようになっている。
【0054】メカニカルハンド74それぞれは、中央の
湾曲凹部75aを挟んで互いに鈍角の関係で反対方向に
延出されたクランプアーム部75b及び入力側アーム部
75cを備える一対のクランプ片75によって、いわゆ
る洗濯バサミのようなクリップ様に構成される。そし
て、これらクランプ片75は、その湾曲凹部75aが、
反転スリーブ93内を横切って直径方向に設けられた支
持ピン76周りに回転自在に摺接されるとともに、さら
にこの湾曲凹部75a外側の球面が、反転スリーブ93
の内周面に摺接されて、これら支持ピン76と反転スリ
ーブ93の内周面とに回転自在に狭持され、支持ピン7
6周りにクランプアーム部75b及び入力側アーム部7
5cが互いに反対に拡縮されて、これによりクランプア
ーム部75bがクランプ動作されるようになっている。
また、一対のクランプ片75の入力側アーム部75c間
には、これら両者を離隔させてクランプアーム部75b
を当接状態、すなわち閉じた状態に設定するためのバネ
78が設けられ、当該バネ78によってメカニカルハン
ド74は通常時クランプ状態とされるように構成されて
いる。なお、この設定は反対に構成することもできる。
【0055】このように構成されたメカニカルハンド7
4と上記板カム73との間には、当該板カム73に駆動
されてメカニカルハンド74を動作させるための駆動手
段79が設けられる。この駆動手段79は図4及び図6
に示すように、収容空間90と穴部55aとの間に配設
されており、板カム73側から、反転スリーブ93内の
メカニカルハンド74側に向かってスライド移動自在に
設けられたプッシャ80と、このプッシャ80の板カム
73側端部に位置され、板カム73に摺接されるローラ
フォロワ81と、このローラフォロワ81とプッシャ8
0との間に設けられたスライダ82と、割り出しフレー
ム55にその穴部55aと収容空間90とを連通させて
形成され、スライダ82をスライド自在に収容しつつそ
の移動を案内する案内孔部83と、プッシャ80と反転
スリーブ93との間に設けられたスプリング84とから
主に構成される。
【0056】プッシャ80は全体的に、反転スリーブ9
3内に収容されてメカニカルハンド74側に臨む大径な
先端筒部80aと、反転スリーブ93から外方へ突出さ
れて板カム73側に臨む小径の後端軸部80bとから形
成される。先端筒部80aは反転スリーブ93内に摺動
自在に装着され、さらにこの先端筒部80aには、一対
のクランプ片75の入力側アーム部75cを挟み込む凹
部80cが形成されると共に、この凹部80c内面に
は、先端側から奥に向かって順次厚みが増大されてテー
パ面80dが形成される。そしてプッシャ80は、メカ
ニカルハンド74側へのスライド移動によりこの凹部8
0cのテーパ面80dでクランプ片75の入力側アーム
部75cを順次強く狭圧して、バネ78に抗してメカニ
カルハンド74をアンクランプ状態とするように構成さ
れる。他方、後端軸部80bには、その端部側に反転ス
リーブ93の縮径部93aと相対向させて係止突起80
eが形成され、これら間にスプリング84が設けられ
る。そしてこのスプリング84は、反転スリーブ93に
反力をとって後端軸部80bを板カム73側へ付勢し、
これにより板カム73とローラフォロワ81との摺接を
確実なものとすると共に、プッシャ80全体を反転スリ
ーブ93内で後退させて、クランプ片75の狭圧を解除
し、メカニカルハンド74をクランプ状態に維持するよ
うになっている。
【0057】スライダ82は、案内孔部83内でスライ
ド自在なブロック体で形成され、板カム73側後端面か
らは、その内部に軸止したベアリング構成のローラフォ
ロワ81の一端が突出される。またプッシャ80側の前
端面には、これに形成された横向きの凹陥部内に内設し
た反転用軸受94を介して、プッシャ80の後端軸部8
0bが装着される。すなわち、スライダ82では、その
前端面がプッシャ80の後端軸部80bに連結されると
共に、後端面のローラフォロワ81が板カム73に回転
摺動自在に摺接される。そしてローラフォロワ81は、
板カム73に創出されたカム曲線に沿って移動され、こ
の移動に従ってスライダ82を移動させるようになって
いる。スライド移動されるスライダ82は、スプリング
84との相互作用でプッシャ80を反転スリーブ93内
で押し引きし、プッシャ80は、その凹部80cのテー
パ面80dとバネ78との相互作用でクランプ片75の
入力側アーム部75cを順次拡縮させることとなり、こ
れに応じてクランプアーム部75bが逆に拡縮されて、
メカニカルハンド74のクランプ、アンクランプの作動
が行われることになる。
【0058】具体的なクランプ作動状態を、ポジション
のメカニカルハンド74(図6のクランプ状態参照)
を例にとって説明すると、まず基本的に割り出しフレー
ム55の回転運動期間中にあっては、当該メカニカルハ
ンド74は初期のクランプ状態を維持し、クランプ動作
されない。この期間中は、割り出しフレーム55と出力
軸40とが一体に回転し、これら両者間に相対回転運動
が生じない期間であることから、出力軸40の板カム7
3と、割り出しフレーム55のメカニカルハンド74及
び駆動手段79との間には相対的な運動は発生せず、従
って駆動手段79のプッシャ80は移動せず、メカニカ
ルハンド74は作動されない(入力回転軸31の0°〜
90°の回転角度範囲参照)。またその他の揺動回転カ
ム33のドエルに従う停留期間にあっても、出力軸40
は上下運動するのみであり、当該出力軸40及び割り出
しフレーム55は回転運動することはなく、メカニカル
ハンド74はそのときの状態を維持して動作されない
(入力回転軸31の90°〜180°及び270°〜3
60°の回転角度範囲参照)。これに対し、出力軸40
と割り出しフレーム55との間に相対回転を発生させる
ためのストッパ38によるクラッチ装置46の切り離し
操作がなされて、割り出しフレーム55が停止されてい
る状態で出力軸40が回転運動される(入力回転軸31
の180°〜270°の回転角度範囲参照)と、ここで
初めて出力軸40の板カム73と割り出しフレーム55
の駆動手段79との間に相対回転運動が発生し、板カム
73によってローラフォロワ81がプッシャ80を順次
クランプ片75側へ移動させて、当該メカニカルハンド
74をクランプ状態からアンクランプ状態へと動作させ
ていく。このクランプ動作は、クラッチ装置46の切り
離し状態において完了され、その後出力軸40と割り出
しフレーム55との相対回転が終了しクラッチ装置46
が接続される際には、アンクランプ状態が安定化した状
態となるように設定されている。本実施例では、4つの
メカニカルハンド74の反対側に位置するもの同士が反
対の動きを行うように設定されていて、図6に示した状
態では、ポジションのメカニカルハンド74(図6の
アンクランプ状態参照)は、ポジションのメカニカル
ハンド74と逆の動きを行うようになっている。このよ
うなクランプ動作を行わせるカム曲線が板カム73に形
成される。本実施例では、入力回転軸31の360°の
1回転の期間において、180°〜270°までの範囲
でクランプ動作させ、それ以外の回転角度状態ではクラ
ンプ動作完了状態を維持させるカム曲線が板カム73に
設定され、図8のカム線図から明らかなように、出力軸
40と割り出しフレーム55とが相対回転運動される期
間でクランプ動作を生じさせることになる。
【0059】駆動カム73としては、上記板カムに限定
されることなく、その他の平面カムや立体カム、例えば
溝カム、端面カム、円筒リブカム、平面溝カム、円筒溝
カム、円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、鼓形溝
カム、ローラギヤカムなど、いずれのカムを適用しても
よいことはもちろんである。
【0060】そしてさらにこのようなクランプ動作を行
うメカニカルハンド74に、クラッチ装置46の継続に
よる円盤48、すなわち割り出しフレーム55の回転運
動を伝達して、これらメカニカルハンド74を反転させ
る反転手段91が当該装置に備えられる。図4及び図7
に示すように、この反転手段91は、主にメカニカルハ
ンド74にその反転軸回りに設けられた第1の歯車95
と、この第1の歯車95に噛合され、割り出しフレーム
55の回転運動を伝達する第2の歯車96とからなるギ
ヤ機構で構成される。
【0061】さらに詳述すると、まずハウジング30の
天井部30cにおいて、出力軸40には、これを囲繞す
るスリーブ状の軸カバー63が両者間をシールするシー
ル材を介して配設され、この軸カバー63はボルトで天
井部30cに固定される。そしてこの軸カバー63の縮
径された上端部には、割り出しフレーム55の下方部分
55cの反転手段91を収納する上記の収納空間92に
臨ませて、第2の歯車としての平歯車96がボルトで固
設される。このように構成すれば、固定された平歯車9
6に対して割り出しフレーム55が回転運動すると、両
者間において相対回転が発生することとなり、割り出し
フレーム55にこの平歯車96と噛合する歯車を設けて
おくことにより、この第2歯車としての平歯車96を利
用して割り出しフレーム55の回転運動を取り出すこと
ができる。ここに、割り出しフレーム55の円環状に形
成された収容空間92内には、割り出しフレーム55に
担持させてこの平歯車96と噛合する中間歯車64が配
列される。これら中間歯車64は、その下端部に形成さ
れ平歯車96に噛合する平歯車部64aと、その上端部
に形成されたベベルギヤ部64bとを備えて、中空軸体
状に形成される。そしてこの中間歯車64は、割り出し
フレーム55の下面にボルトで取り付けられ、中間歯車
64の中空軸芯部に挿通される支持軸65に軸受66を
介して回転自在に支持される。従って、この中間歯車6
4は、割り出しフレーム55の回転運動によって平歯車
96側から回転駆動されるようになっている。本実施例
にあっては、割り出しフレーム55が上下移動されるこ
とから、この動きを保証すべく、第2の歯車96は、こ
れと噛合する中間歯車64の平歯車部64aの上下移動
を許容すべく平歯車で構成されているが、割り出しフレ
ーム55が上下移動されない構成の場合には、第2の歯
車96を平歯車とする必要はなく、その他の種々の歯車
を採用できることは勿論である。
【0062】他方、メカニカルハンド74側において
は、これを収容する反転スリーブ93の軸心が反転軸と
して設定され、この反転スリーブ93の縮径部93aに
は当該反転軸周りに、第1の歯車としてベベルギヤ95
が設けられる。そしてこのベベルギヤ95は、上記の中
間歯車64のベベルギヤ部64bに噛合され、このベベ
ルギヤ構成によって出力軸40回りの割り出しフレーム
55の回転運動がこれと直交する反転軸周りの回転運動
に変換され、これにより反転スリーブ93が反転される
ように構成されている。この反転スリーブ93の反転動
作において、これと共に反転するプッシャ80の反転
は、上記の反転用軸受94によって保証される。また中
間歯車64のベベルギヤ部64b側と、支持軸65との
間には、ベベルギヤ構成で発生するスラストを受けるた
めのスラスト受け67が介装されている。
【0063】具体的な反転作動状態を、図6のポジショ
ンのメカニカルハンド74を例にとって図8に従って
説明すると、クラッチ装置46の切り離し時、並びにそ
の他の揺動回転カム33のドエルに従う停留期間におけ
る出力軸40の上下運動時に対応する割り出しフレーム
55の停止期間中にあっては、当該メカニカルハンド7
4は初期の姿勢を維持し、反転動作されない。この期間
中は、固定されている軸カバー63の平歯車96と、停
止している割り出しフレーム55との両者間に相対運動
が生じない期間であることから、中間歯車64を介して
の運動伝達はなく、従って反転スリーブ93は作動せ
ず、メカニカルハンド74は反転されない(入力回転軸
31の90°〜360°の回転角度範囲参照)。これに
対し、出力軸40と割り出しフレーム55とを一体的に
回転運動させるためのクラッチ装置46の接続操作がな
されて、割り出しフレーム55が出力軸40とともに回
転運動されると、ここで初めて平歯車96と割り出しフ
レーム55との間に相対回転運動が発生し、中間歯車6
4によって割り出しフレーム55の回転運動が反転スリ
ーブ93に伝達され、これにより反転角βでメカニカル
ハンド74の姿勢を反転させていく。この反転動作は、
クラッチ装置46の接続状態において完了され、その後
クラッチ装置46の制御のために出力軸40が上下動さ
れる際には、反転姿勢が安定化した状態となるように設
定されている。本実施例にあっては、入力回転軸31の
360°の1回転の期間において、割り出し回転期間で
ある0°〜90°までの範囲で1回の反転動作が行わ
れ、それ以外の期間ではメカニカルハンド74の姿勢が
維持されるように設定されている。また1回の反転動作
の反転角βの設定はギヤ機構の選定によって任意である
が、本実施例では、反転角βを90°に設定して説明し
ており、従って、メカニカルハンドは1回の反転で横向
きに、2回目の反転で逆さまに、3回目の反転で逆の横
向きに、さらに4回目の反転で元の姿勢に戻るように、
すなわち入力回転軸31の4回転で1ローテーションす
るようになっている。従って図6にあっては、4つのメ
カニカルハンド74は割り出しフレーム55の回転方向
に沿って順次90°づつ異なる姿勢となっている。
【0064】以上の構成の作用について、図8のカム線
図と図10とを参照しつつ、メカニカルハンド74によ
るワークの搬送状態を想定して説明する。図10では、
ポジションが搬出端とされ、ポジションが搬入端と
されて、ワークをメカニカルハンド74でポジション
からポジションへ搬送する例が示されている。従っ
て、ポジションの位置では、ワークを搬送するメカニ
カルハンド74のクランプ状態が維持される一方、ポジ
ションの位置では、メカニカルハンド74はワークを
搬送しないアンクランプ状態が維持されるようになって
いる。またワークにオリエンテーションを与える反転動
作については、ポジションの搬入端で受け入れたワー
クを、ポジションの搬出端で180°反転させた姿勢
で排出する例が示されており、したがってポジション
の位置では、ワークは90°反転されるような設定とな
っている。このワーク搬送状態をメカニカルハンド74
aを中心にして説明する。図10(A)の初期状態で
は、メカニカルハンド74aは搬入端(ポジション)
で何らかのワークをつかんでクランプ状態にある。この
とき、メカニカルハンド74bはこれも何らかのワーク
を、90°反転させて横向きにつかんで搬入端から搬出
端に向かって搬送している状態(ポジション)にあ
る。またメカニカルハンド74cは、搬出端(ポジショ
ン)で、180°反転させて逆さまにしたワークを離
して排出したアンクランプ状態にある。さらにメカニカ
ルハンド74dは、270°の反転状態で、次のワーク
の受け入れのために搬出端から搬入端に移動している状
態(ポジション)にある。
【0065】次に、図8のカム線図に示されているよう
に、入力回転軸31の1回転360°の回転運動におい
て、入力回転軸31が90°まで回転する間にカム機構
32の揺動回転カム33はターレット34を介して、出
力軸40に旋回角α(=90°の割り出し角度)の一方
向への回転を出力する。このときは、上下動カム36は
ドエルによってリフトアーム37を停止させており、出
力軸40を変位量0の位置に停止させている。これによ
りクラッチ装置46には大きな回転負荷は発生せず、従
ってクラッチ装置46は接続状態で筒体47と円盤48
とが一体的に回転駆動されて、図10(B)の割り出し
回転終了時に示すように割り出しフレーム55は出力軸
40とともに旋回角αで一方向に回転される。これによ
りメカニカルハンド74aはポジションに移動されて
ワークを搬送する。このときメカニカルハンド74bは
ポジションの搬出端に達しているとともに、メカニカ
ルハンド74dはポジションの搬入端に達している。
そしてこの搬送期間中において、割り出しフレーム55
の回転運動により反転手段91を介して反転スリーブ9
3が反転角β(=90°)で反転し、これにより全ての
メカニカルハンド94が反転されて、ワークの姿勢を変
更させる。
【0066】次に、入力回転軸31が90°〜180°
まで回転する期間にあっては、揺動回転カム33はドエ
ルによって回転を出力せず、出力軸40は旋回角αを維
持したままで停留期間に入る。この際、割り出しフレー
ム55も停止する。この停止位置では、ストッパ38の
上方には、揺動回転カム33のカム曲線に従って割り出
しフレーム55のローラ39が旋回角αの位置割り出し
で位置しており、この状態において上下動カム36はリ
フトアーム37を介して出力軸40を変位量γで下方へ
進出移動させることとなり、ローラ39はストッパ38
に進入して係合し、割り出しフレーム55をハウジング
30側に固定する。そしてこの係合状態は、その後上下
動カム36がドエルによってリフトアーム37を停止さ
せ、出力軸40がその変位量γを維持して停止されるこ
とから、維持される。このとき全メカニカルハンド74
は回転移動されず、搬入端及び搬出端に位置しているメ
カニカルハンド74b,74dを含む全てのメカニカル
ハンド74が、同様の変位量で下降されることになる。
【0067】次に、入力回転軸31が180°〜270
°まで回転する期間にあっては、図8及び図10(C)
に示すように、揺動回転カム33は旋回角αで反対の戻
り方向への回転を出力し、旋回角を0°とする。このと
きは、上下動カム36はドエルによって出力軸40を変
位量γの位置に停止させている。これによりクラッチ装
置46には大きな回転負荷が発生し、従ってクラッチ装
置46は切り離し状態となり、筒体47と円盤48との
間に相対回転が発生することになる。すなわち、出力軸
40は戻り回転される一方で、割り出しフレーム55は
ローラ39とストッパ38との係合作用も相俟って、旋
回角αの位置に停止される。この相対回転運動が発生す
ると、図10(C)に示すように、駆動カム73によっ
て駆動手段79を介し一部のメカニカルハンド74b,
74dが作動される一方で、残りのメカニカルハンド7
4a,74cの作動は行われない。すなわち、搬入端・
搬出端に位置されたメカニカルハンド74b,74d
は、下降位置においてクランプ、アンクランプのクラン
プ動作を行う。またこのクランプ動作時にあっては、反
転手段91は作動せず、ワークの姿勢を保ったままでの
クランプ、アンクランプ動作が行われる。これに対し
て、殊にワーク搬送中のメカニカルハンド74aはクラ
ンプ動作されないと共に、受け入れ準備態勢のメカニカ
ルハンド74cも搬出時のアンクランプ状態を維持して
いる。
【0068】次に、入力回転軸31が270°〜360
°まで回転する期間にあっては、揺動回転カム33はド
エルによって回転を出力せず、出力軸40の旋回角0°
を維持したままで停留期間に入る。この停留期間では、
上下動カム36はリフトアーム37を駆動して出力軸4
0を変位量γで上方へ後退移動させることとなり、割り
出しフレーム55のローラ39は、ストッパ38から離
脱して変位量0の位置に戻されてクラッチ装置46が接
続される。そしてこの離脱状態は、その後上下動カム3
6がドエルによってリフトアーム37を停止させ、出力
軸40がその変位量0を維持して停止されることから、
維持される。そしてこの停留期間中も、揺動回転カム3
3が回転を出力しないことから割り出しフレーム55に
は何らの回転トルクも伝達されず、停止状態を維持して
いる。このときも全メカニカルハンド74は回転移動も
反転もされず、搬入端及び搬出端に位置しているメカニ
カルハンド74b,74dを含む全てのメカニカルハン
ド74が、同様の変位量で上昇されることになる。以上
の作動が、入力回転軸31の1回転で達成される。
【0069】入力回転軸31の2回転目には、同様な作
動の下、メカニカルハンド74aが上記のメカニカルハ
ンド74bに代わってポジションでさらに90°反転
した状態でアンクランプ作動されてワークを搬出し、他
方、メカニカルハンド74cが上記のメカニカルハンド
74dに代わってポジションで90°反転された状態
でクランプ動作されてワークを受け入れることになる。
この際、メカニカルハンド74b,74dは上記のメカ
ニカルハンド74a,74cと同様に単に反転される。
【0070】すなわち、メカニカルハンド74は、90
°の割り出し間隔で、入力回転軸31の4回転によって
一回りのワークの搬送と反転とを完了することになる。
【0071】上述してきたように本実施例の間欠割り出
し作用に関しては、出力軸40は揺動回転カム33から
伝達されるオシレート運動を継続する一方で、割り出し
フレーム55は、ストッパ38によるクラッチ装置46
の断続制御によって、制止動作と回転動作とを繰り返す
こととなり、これにより間欠回転運動されることにな
る。そして、この間欠回転運動の際の位置割り出しは、
揺動回転カム33のカム曲線と、上下動カム36に駆動
されて上下動する割り出しフレーム55のローラ39に
係合しこれを制止させるストッパ38とによって的確に
確保されることとなり、これにより確動の間欠割り出し
運動を得ることができる。さらに本実施例にあっては、
クラッチ装置46を構成する筒体47の切欠部47bお
よび円盤48のポケット48aを旋回角αに一致させて
いることから、このクラッチ装置46の断続動作自体が
割り出し位置において行われるようになっており、従っ
てこのクラッチ装置46によっても割り出し位置を適切
に保持することができる。すなわち本実施例では、揺動
回転カム33の旋回角α、クラッチ装置46の切欠部4
7bおよびポケット48aの配置角度α、割り出しフレ
ーム55のローラ39の配置角度αが全て一致されてい
て、極めて高い位置割り出し精度が得られるようになっ
ている。
【0072】また本実施例では、入力回転軸31の1回
転においては、出力軸40が1往復のオシレート運動を
行うのに対して、割り出しフレーム55は、旋回角αだ
け一方向へ送り出される回転運動を行うことになる。ま
た、上下動カム36は、入力回転軸31の1回転におけ
る揺動回転カム33の2回の停留期間それぞれにおい
て、ストッパ38に対する割り出しフレーム55のロー
ラ39の係合のための進出運動と離脱のための後退運動
とのいずれか一方の運動を交互に、出力軸40に伝達す
ることになる。そして、旋回角αを90°とした本実施
例にあっては、割り出しフレーム55は90°づつで間
欠回転運動され、入力回転軸31の4回転で1回転され
るようになっている。
【0073】ところで以上説明した本実施例のメカニカ
ルハンドを備えた間欠割り出し装置は基本的に、ドエル
によって確実な停留状態を創出することができて運動全
体の確動を容易かつ確実に得ることができる、高速運動
安定性及び高い信頼性を有するカム機構32及び駆動カ
ム73という機械要素を用いて構成され、揺動回転カム
33によって得られた間欠的なオシレート運動から、ス
トッパ38により制御されるクラッチ装置46の断続に
よって間欠回転運動が取り出され、この間欠回転運動に
おいてさらにストッパ38に対する割り出しフレーム5
5の係合動作で割り出し位置が保持されて、確動の間欠
割り出し運動を合理的に高精度で得ることができる。殊
に本実施例では、既存のピックアンドプレースユニット
における作動原理を適用しながら、これとは全く異なる
動きが要求される間欠割り出し運動を、カム機構32と
クラッチ装置46とを用いて合理的な構成で得ることが
できる。
【0074】また、割り出しフレーム55の位置割り出
し精度は本質的に、揺動回転カム33に備えられるカム
曲線によって高い精度で確保され、さらにこの揺動回転
カム33によって位置割り出しされた割り出しフレーム
55の不必要な回りを、ストッパ38によって完全に阻
止することができる。
【0075】そしてまた他方、上述してきたように、出
力軸40は常にカム機構32から伝達される運動に従っ
てオシレート運動を行い、またそれと同時に割り出しフ
レーム55は、クラッチ装置46の断続制御に従って間
欠回転運動を行うもので、これらの2種類の運動が単一
の出力軸40から同軸で出力されることになる。そして
このような2種類の運動系において、第1にクラッチ装
置46の切り離しにより割り出し位置で制止されている
割り出しフレーム55に対し、出力軸40を相対回転運
動させるようにし、この相対回転運動の出力をメカニカ
ルハンド74に伝達して割り出し位置でのクランプ動作
に利用できるようになっている。また第2に、クラッチ
装置46の継続により出力軸40と共に割り出しフレー
ム55を一体的に回転運動させる際に、この割り出しフ
レーム55の回転運動の出力を反転手段91に伝達し、
当該割り出し回転期間中を利用してメカニカルハンド7
4に反転動作を行わせることができるようになってい
る。
【0076】これにより、第1に、メカニカルハンド7
4は、割り出しフレーム55が制止される間欠割り出し
運動の割り出し位置においてクランプ、アンクランプの
クランプ動作を行うことができる。本実施例では、4つ
の割り出し位置で、1組の搬入端・搬出端を設定し、4
つのメカニカルハンド74を備えて構成したが、例えば
単純に、8つの割り出し位置で、2組の搬入端・搬出端
を設定し、8つのメカニカルハンド74を備えて構成す
るなど、間欠割り出し運動における割り出し位置は、出
力軸40回りに多数設定することができると共に、この
割り出し位置の全て、若しくはいずれかに対応させて多
数のメカニカルハンド74を備えることができて、多数
の割り出し位置で作動する多数のメカニカルハンド74
を配設することができる。これにより、出力軸40回り
の回転軌跡に従うワークの搬送経路に多数のメカニカル
ハンド74を備えるとともにこの搬送経路に多数の停止
位置を設定して、多数のメカニカルハンド74を、一挙
に旋回移動させると共に多数の停止位置で一挙に作動さ
せることができる。従って、単一種の多数のワークを多
数位置から受け入れ、かつまた多数位置で排出すること
を可能として、一台の装置で一挙に多数のワークを搬送
処理できることや、多種のワークを一挙に受け入れ、こ
れを目的の搬出位置で排出するというような、多種のワ
ークに対しても、その搬送の流れを一台の装置の中に持
たせながら一挙に搬送処理できること、さらにはこれら
の機能を併せ持たせて、複数多種のワークを一挙にハン
ドリングして搬送することもできる単一構成の装置を得
ることができる。
【0077】また第2に、メカニカルハンド74自体
は、割り出しフレーム55が割り出し回転される期間
中、すなわちワークの搬送途上で反転動作を行うことが
できる。1回の割り出し回転中におけるメカニカルハン
ド74の反転角βは適宜に設定することができ、1回の
割り出し回転で所望の反転角で反転させることも、数回
の割り出し回転を経て所望の反転角で反転させることも
できる。すなわち、搬入端から搬出端に至るまでの割り
出し回数で所望の反転角を除算することで、メカニカル
ハンド74が搬入端から受け入れたワークを、望ましい
姿勢で搬出端から排出することができる。また搬入端で
ワークを受け入れる際にも、メカニカルハンド74を所
望の姿勢に調整することができる。これにより、出力軸
40回りの回転軌跡に従うワークの搬送経路において、
ワークの受け入れ姿勢、クランプしているワークの姿勢
変更、ワークの排出姿勢というワークのオリエンテーシ
ョンを、単一構成の装置で必要に応じて設定することも
できる。
【0078】要するに、カム機構32とクラッチ装置4
6とを用いて、オシレート運動から間欠割り出し運動を
合理的な構成で得、このようにして得られた間欠割り出
し運動をワークの搬入・搬出を含む搬送動作に利用でき
ると共に、この間欠割り出し運動に対応してクランプ作
動しかつ反転する多数のメカニカルハンド74を組み込
んで、多数のワークを一挙にハンドリングすることがで
きる。
【0079】また、上下動カム36により、揺動回転カ
ム33の各回の停留期間に対して交互に、出力軸40を
進出・後退のいずれか一方向へのみ運動させるようにし
たので、揺動回転カム33の一方向への回転運動時は、
クラッチ装置46の接続によって割り出しフレーム55
は出力軸40と一体に一定の揺動回転角度で回転し、そ
れ以外の期間中は、揺動回転カム33の停留期間とクラ
ッチ装置46の切断とにより停止しているという、一方
向への間欠回転運動を得ることができ、これによって間
欠割り出し運動を行わせることができる。そしてこのよ
うな運動構成にあっても、割り出しフレーム55に対す
る出力軸40の相対回転運動の出力をメカニカルハンド
74に伝達することで、メカニカルハンド74は、割り
出しフレーム55が制止される間欠割り出し運動の割り
出し位置においてクランプ、アンクランプのクランプ動
作を行うことができ、かつまた割り出しフレーム55の
回転運動の出力を反転手段91に伝達することで、メカ
ニカルハンド74は割り出し回転中において反転動作を
行うことができ、上記と同様な作用を発揮することにな
る。
【0080】また、揺動回転カム33におけるカム曲線
では、オシレート運動の揺動回転角度範囲に制限はな
く、従って180°以上の角度範囲のオシレート運動を
創り出すこともできる。
【0081】さらに、反転手段91をギヤ機構で構成し
たので、回転運動を簡単な構成で確実にメカニカルハン
ド74に伝達することができ、ワークの姿勢制御を、単
一の装置内の一貫した回転運動作用によって的確に行う
ことができる。
【0082】他方また、メカニカルハンド74を、カム
機構32によって運動される出力軸40に設けた駆動カ
ム73により駆動される駆動手段79によってクランプ
動作させるように構成したので、メカニカルハンド74
の作動を、空気圧や油圧・電気・磁気駆動機構などのそ
の他一切の別の動力源を用いることなく、カム構成の運
動伝達系のみによって、且つ単一の出力軸40からの運
動出力で行わせることができ、複雑な運動を極めて簡単
な構成で得ることができる。
【0083】ところで図11には、メカニカルハンド7
4を、上記駆動機構に加えて、空気圧でも駆動できるよ
うにした実施例が示されている。図中、(A)はその側
断面図、(B)は平面断面図、(C)はエア供給状態を
示す側断面図である。空気圧は、瞬時に圧力を給排する
ことができて、高速作動するメカニカルハンド74に適
用して、上記の駆動手段79によるものと遜色のない動
作を達成することができる。具体的には、上記反転スリ
ーブ93と、これに挿入されたプッシャ80の先端筒部
80aとの間に空気圧給排空間97を形成し、反転スリ
ーブ93には、この空気圧給排空間97に連通する、空
気圧供給系を構成する空気圧給排孔98を形成して構成
されている。そして、図示されない空気圧源および空気
圧排出経路などからなる空気圧供給系からの空気圧が、
空気圧給排孔98を介して空気圧給排空間97に給排さ
れ、これにより上記駆動機構のバネ84に抗して、メカ
ニカルハンド74を強制的にクランプ動作させるように
なっている。なお、これらプッシャ80と反転スリーブ
93との間には、エア漏れを防止するシール99が適宜
に施されている。このようにしてメカニカルハンド74
を空気圧制御によってもクランプ動作させる構成にあっ
ては、クランプ状態で不具合が発生した場合に、空気圧
を強制的に供給してアンクランプ状態に移行させること
ができる。
【0084】また上記実施例では、揺動回転カム33の
各回の停留期間に対して交互に、出力軸40を進出・後
退のいずれか一方向へのみ運動させるようにしたが、揺
動回転カム33の停留期間に対する出力軸40の制御は
これに限られるものではない。間欠割り出し運動の設定
については、上下動カム36による出力軸40のレシプ
ロ駆動に関し、揺動回転カム33が作り出すいずれかの
停留期間において少なくとも一方向に進出する運動を生
じさせて一定期間停止させ、その後のいずれかの停留期
間において少なくとも反対方向に後退する運動を生じさ
せて一定期間停止させるカム曲線を創出するようにして
もよい。これにより、出力軸40は、揺動回転カム33
のいずれかの停留期間中において、少なくともいずれか
一方向に進退するレシプロ運動を生じることになり、こ
れによって得られる間欠割り出し運動は多種多様のもの
となる。
【0085】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
係る発明によれば、カム機構から出力軸に、回転運動に
加えて独立した軸方向レシプロ運動を伝達して、クラッ
チ作動手段によりクラッチ手段を断続制御させるように
したので、出力部材に制止動作と回転動作とを反復的に
生じさせることができ、カム機構の回転運動から間欠回
転運動を得ることができる。そして、この間欠回転運動
の際の位置割り出しは、カム機構のカム曲線と、当該カ
ム機構により駆動されてレシプロ運動するクラッチ手段
の出力部材に係合しこれを制止させるクラッチ作動手段
とによって的確に確保することができ、これにより確動
の間欠割り出し運動を得ることができる。
【0086】特に、ドエルによって確実な停留状態を創
出することができて運動全体の確動を容易かつ確実に得
ることができるカム機構という機械要素を用いて構成し
たので、このカム機構によって得られた回転運動から、
クラッチ作動手段により制御されるクラッチ手段の断続
によって間欠回転運動を取り出すことができ、この間欠
回転運動においてさらにクラッチ作動手段の出力部材に
対する係合動作で割り出し位置を保持することができ
て、確動の間欠割り出し運動を合理的に高精度で得るこ
とができる。殊に本発明にあっては、既存のピックアン
ドプレースユニットにおける作動原理を適用しながら、
これとは全く異なる動きが要求される間欠割り出し運動
を、カム機構とクラッチ手段とを用いて合理的な構成で
得ることができる。
【0087】また、出力部材の位置割り出し精度は本質
的に、カム機構に備えられるカム曲線によって高い精度
で確保され、さらにこのカム機構によって位置割り出し
された出力部材の不必要な回りを、クラッチ作動手段に
よって完全に阻止することができる。
【0088】そしてこのようにして、出力軸は常にカム
機構から伝達される運動に従って回転運動を行い、また
それと同時に出力部材は、クラッチ手段の断続制御に従
って間欠回転運動を行うという、これらの2種類の運動
を単一の出力軸から同軸で出力させることができ、この
ような2種類の運動系により、第1にクラッチ手段の切
り離しにより割り出し位置で制止されている出力部材に
対し、出力軸を相対回転運動させるようにし、この相対
回転運動の出力をメカニカルハンドに伝達して割り出し
位置でのクランプ動作に利用できるようになっている。
また第2に、クラッチ手段の継続により出力軸と共に出
力部材を一体的に回転運動させる際に、この出力部材の
回転運動の出力を反転手段に伝達し、当該割り出し回転
期間中を利用してメカニカルハンドに反転動作を行わせ
ることができるようになっている。
【0089】これにより、第1に、メカニカルハンド
は、出力部材が制止される間欠割り出し運動の割り出し
位置においてクランプ、アンクランプのクランプ動作を
行うことができる。間欠割り出し運動における割り出し
位置は、出力軸回りに多数設定することができると共
に、この割り出し位置の全て、若しくはいずれかに対応
させて多数のメカニカルハンドを備えることができて、
多数の割り出し位置で作動する多数のメカニカルハンド
を配設することができる。これにより、出力軸回りの回
転軌跡に従うワークの搬送経路に多数のメカニカルハン
ドを備えるとともにこの搬送経路に多数の停止位置を設
定して、多数のメカニカルハンドを、一挙に旋回移動さ
せると共に多数の停止位置で一挙に作動させることがで
きる。従って、複数多種のワークを一挙にハンドリング
して搬送することができる単一構成の装置を得ることが
できる。
【0090】また第2に、メカニカルハンド自体は、出
力部材が割り出し回転される期間中、すなわちワークの
搬送途上で反転動作を行うことができる。1回の割り出
し回転中におけるメカニカルハンドの反転角は適宜に設
定することができ、1回の割り出し回転で所望の反転角
で反転させることも、数回の割り出し回転を経て所望の
反転角で反転させることもできる。すなわち、搬入端か
ら搬出端に至るまでの割り出し回数で所望の反転角を除
算することで、メカニカルハンドが搬入端から受け入れ
たワークを、望ましい姿勢で搬出端から排出することが
できる。また搬入端でワークを受け入れる際にも、メカ
ニカルハンドを所望の姿勢に調整することができる。こ
れにより、出力軸回りの回転軌跡に従うワークの搬送経
路において、ワークの受け入れ姿勢、クランプしている
ワークの姿勢変更、ワークの排出姿勢というワークのオ
リエンテーションを、単一構成の装置で必要に応じて設
定することもできる。
【0091】要するに、カム機構とクラッチ手段とを用
いて、回転運動から間欠割り出し運動を合理的な構成で
得、このようにして得られた間欠割り出し運動をワーク
の搬入・搬出を含む搬送動作に利用できると共に、この
間欠割り出し運動に対応してクランプ作動しかつ反転す
る多数のメカニカルハンドを組み込んで、多数のワーク
を一挙にハンドリングすることができる。
【0092】また、出力軸の一方向への回転運動時にお
いては、クラッチ手段の接続によって、出力部材を出力
軸と一体に一定の揺動回転角度で回転させることがで
き、それ以外の期間中は、出力軸の回転運動の停留期間
とクラッチ手段の切断とにより出力部材を停止させるこ
とができて、出力部材の一方向への間欠回転運動を得る
ことができ、これによって間欠割り出し運動を得ること
ができる。そしてこのような運動構成にあっても、出力
部材に対する出力軸の相対回転運動の出力をメカニカル
ハンドに伝達することで、メカニカルハンドは、出力部
材が制止される間欠割り出し運動の割り出し位置におい
てクランプ、アンクランプのクランプ動作を行うことが
でき、かつまた出力部材の回転運動の出力を反転手段に
伝達することで、メカニカルハンドは割り出し回転中に
おいて反転動作を行うことができ、請求項1の発明と同
様な効果を奏することになる。
【0093】また、カム機構におけるカム曲線では、オ
シレート運動の揺動回転角度範囲に制限はなく、従って
180°以上の角度範囲のオシレート運動を創り出すこ
ともできる。
【0094】さらに、反転手段をギヤ機構で構成したの
で、回転運動を簡単な構成で確実にメカニカルハンドに
伝達することができ、ワークの姿勢制御を、単一の装置
内の一貫した回転運動作用によって的確に行うことがで
きる。
【0095】さらに、メカニカルハンドを、カム機構に
よって運動される出力軸に設けた駆動カムにより駆動さ
れる駆動手段によってクランプ動作させるように構成し
たので、メカニカルハンドの作動を、空気圧や油圧・電
気駆動機構などのその他一切の別の動力源を用いること
なく、カム構成の運動伝達系のみによって、且つ単一の
出力軸からの運動出力で行わせることができ、複雑な運
動を極めて簡単な構成で得ることができる。
【0096】また、請求項の発明によれば、メカニカ
ルハンドを空気圧制御でもクランプ動作させることがで
きるようにしたので、クランプ状態であっても、不具合
が発生した場合に空気圧を強制的に供給してアンクラン
プ状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメカニカルハンドを備えた間欠割
り出し装置の好適な一実施例を示す側断面図である。
【図2】上記実施例の装置の平面図である。
【図3】図1の平面断面図である。
【図4】上記実施例の装置のハウジングよりも上方に位
置する、割り出しフレームやメカニカルハンド部分を示
す側断面図である。
【図5】上記実施例に採用されたクラッチ装置を示す側
断面図である。
【図6】図4の平面断面図である。
【図7】割り出しフレームの下方部分の平面断面図であ
る。
【図8】上記実施例の間欠割り出し動作及びメカニカル
ハンドの作動を説明するためのダイヤグラムである。
【図9】上記実施例に採用されたクラッチ装置の構造お
よび作動を示す説明図である。
【図10】上記実施例に採用されたメカニカルハンド及
びその駆動機構を説明するための説明図である。
【図11】上記実施例のメカニカルハンドの他の駆動機
構の構造および作動を示す説明図である。
【符号の説明】
32 カム機構 38 ストッパ 40 出力軸 46 クラッチ装置 47 筒体 48 円盤 73 駆動カム 74 メカニカルハンド 79 駆動手段 91 反転手段 95 第1の歯車 96 第2の歯車 98 空気圧給排孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム機構から、回転運動と軸方向レシプ
    ロ運動とを独立に生ずる複合運動が伝達される出力軸
    と、 該出力軸に設けられた入力部材および該入力部材に対し
    て相対回転可能な出力部材を有し、これら入・出力部材
    間に発生する回転負荷に応じて断続されるクラッチ手段
    と、 上記出力軸の軸方向レシプロ運動に伴って運動する上記
    クラッチ手段の上記出力部材が係脱自在に係合して、該
    クラッチ手段を断続作動させるクラッチ作動手段と、 上記クラッチ手段の出力部材に設けられて該出力部材と
    ともに割り出し回転されるとともに、該クラッチ手段の
    切り離しによる該出力部材に対する上記出力軸の相対回
    転運動が上記出力軸に設けられた駆動カムによって伝達
    されてクランプ動作を行うメカニカルハンドと、 上記クラッチ手段の継続による上記出力部材の回転運動
    が伝達されて上記割り出し回転期間中に上記メカニカル
    ハンドを反転させる反転手段と、 を備え 上記回転運動は停留期間を有する間欠的なオシレート運
    動であり、上記軸方向レシプロ運動は、順次間欠的に生
    成される上記停留期間に対して交互に、上記クラッチ手
    段の前記出力部材に、上記クラッチ作動手段を係合させ
    る進出運動と離脱させる後退運動であり、 上記反転手段は、上記メカニカルハンドにその反転軸回
    りに設けられた第1の歯車と、該第1の歯車に噛合さ
    れ、上記出力部材の回転運動を伝達する第2の歯車とか
    らなるギヤ機構で構成されている、 ことを特徴とするメカニカルハンドを備えた間欠割り出
    し装置。
  2. 【請求項2】 前記メカニカルハンドは、前記駆動カム
    に加えて、空気圧供給系から供給される空気圧でクラン
    プ動作されることを特徴とする請求項1に記載のメカニ
    カルハンドを備えた間欠割り出し装置。
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