JP3471134B2 - 二軸延伸ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフイルム

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JP3471134B2
JP3471134B2 JP20868795A JP20868795A JP3471134B2 JP 3471134 B2 JP3471134 B2 JP 3471134B2 JP 20868795 A JP20868795 A JP 20868795A JP 20868795 A JP20868795 A JP 20868795A JP 3471134 B2 JP3471134 B2 JP 3471134B2
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は二軸延伸ポリエステ
ルフイルムに関し、更に詳しくは耐熱性、フイルム強度
に優れ、磁気記録媒体、グラフィック材、電子基材、包
装材、写真フイルム等に有用な二軸延伸ポリエステルフ
イルムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステルフイルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートからなる二軸延伸フイルムは磁気テー
プ、フロッピーディスク等の磁気記録媒体用として、ま
た包装材、写真フイルム、グラフィック材料等の一般工
業材料用として広く使用されている。しかし、近年これ
らの用途に用いるポリエステルフイルムに対する耐熱性
の要求が高まり、その改良が求められている。 【0003】二軸延伸ポリエチレンナフタレートフイル
ムは、従来から使用されている二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフイルムよりも耐熱性が良好であるため、
耐熱性が要求される一部の用途で用いられている。しか
しながら、このポリエチレンナフタレートフイルムはフ
イルム強度に優れたものであるが、耐熱性が十分なもの
とはいえず、更に改良が求められている。 【0004】一方、耐熱性に優れたフイルムとしてフェ
ニルインダンジカルボン酸成分をジカルボン酸成分とし
て用いたポリエステルからなるフイルムが提案されてい
る。このフイルムは上記の耐熱性の要求を満たすもので
ある。しかしながら、このポリエステルは分子配向性に
乏しく二軸延伸することが困難なため、強度に優れたフ
イルムとすることができない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、耐熱性とフイルム強度を
兼ね備えたポリエステルフイルムを提供することにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、 フェニルインダンジカルボン酸成分を1〜
70モル%、ナフタレンジカルボン酸成分を30〜99
モル%含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール成
分を80モル%以上含むグリコール成分とからなる固有
粘度が0.5以上のポリエステルよりなる二軸延伸ポリ
エステルフイルムにより達成される。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。 【0007】[ポリエステル]本発明におけるポリエス
テルは、フェニルインダンジカルボン酸成分を1〜70
モル%、ナフタレンジカルボン酸成分を30〜99モル
%含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール成分を
80モル%以上含むグリコール成分とからなるポリエス
テルであり、フェニルインダンジカルボン酸成分とは、
下記式(I)の一般式で示される成分である。 【0008】 【化1】 【0009】上記の式(I)中でR1 、R2 およびR3
はそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基である。かかる
フェニルインダンジカルボン酸成分の特に好ましい例を
下記式(II)に示す。 【0010】 【化2】 【0011】また、本発明におけるナフタレンジカルボ
ン酸成分とは、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、
1,5−ナフタレンジカルボン酸成分または2,7−ナ
フタレンジカルボン酸成分であり、特に2,6−ナフタ
レンジカルボン酸成分が好ましい。 【0012】本発明におけるポリエステルのジカルボン
酸成分は、フェニルインダンジカルボン酸成分を1〜7
0モル%、ナフタレンジカルボン酸成分を30〜99モ
ル%含むものであり、好ましくはフェニルインダンジカ
ルボン酸成分を5〜65モル%、ナフタレンジカルボン
酸成分を35〜95モル%含むものである。ジカルボン
酸成分中のフェニルインダンジカルボン酸成分が1モル
%未満であり、ナフタレンジカルボン酸成分が99モル
%を超えると、ポリエステルフイルムの耐熱性が不足
し、フェニルインダンジカルボン酸成分が70モル%を
超え、ナフタレンジカルボン酸成分が30ル%未満であ
ると、ポリエステルの延伸性が不足し均一な肉厚で強度
の優れたフイルムが得られない。 【0013】上記ジカルボン酸成分以外に共重合成分と
して用いることができるジカルボン酸成分としては、例
えばテレルタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、4.4´−ジフェニルジカルボン酸、4.4´
−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4.4´−ジフェ
ニルスルホキシジカルボン酸、4.4´−ジフェニルメ
タンジカルボン酸、4.4´−ジフェニルプロパンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボ
ン酸等を挙げることができる。これらの共重合成分はジ
カルボン酸成分として5モル%以下の割合で用いること
ができる。 【0014】また、本発明におけるポリエステルは、グ
リコール成分としてエチレングリコール成分を80モル
%以上含むポリエステルであり、好ましくは90モル%
以上含むものである。このエチレングリコール成分が8
0モル%未満であるとポリエステルフイルムの耐熱性が
不足する。 【0015】エチレングリコール成分以外に共重合成分
として用いることができるグリコール成分としては、例
えばジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、デ
カンジオール、ポリエチレングリコール、ビスフェノー
ルA・アルキレンオキシド付加体、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等を挙げることができる。これらの共
重合成分はグリコール成分として20モル%以下の割合
で用いることができる。 【0016】上記のポリエステルは、通常用いられる重
合法により得ることができる。ポリエステルの固有粘度
は0.50dl/g以上であることが好ましく、特に
0.53dl/g以上であることが好ましい。固有粘度
が0.50dl/g未満であるとフイルムの延伸性が劣
り、フイルムの強度が不足することがある。 【0017】本発明におけるポリエステルには、フイル
ムの滑り性を良好なものとするため、例えば平均粒径が
0.005〜2μmの有機や無機の微粒子を滑剤とし
て、例えば0.01〜25重量%、特に0.1〜15重
量%の配合割合で含有させることができる。かかる微粒
子としては、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、硫酸バリウム、カオリン、カーボンブ
ラック等の無機微粒子、架橋シリコーン樹脂、メラミン
樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂等の樹
脂微粒子を好ましく挙げることができる。 【0018】前記微粒子以外にも酸化防止剤、帯電防止
剤、着色剤、顔料、蛍光増白剤、架橋剤、紫外線吸収
剤、紫外線反射剤、赤外線吸収剤、赤外線反射剤、光線
調整剤、隠蔽剤等を添加することができる。 【0019】[ポリエステルフイルム]本発明における
ポリエステルフイルムは、従来から知られている方法で
製造することができる。例えば、前記のポリエステルを
押出機にて加熱溶融し、回転冷却ドラム上にキャストし
て未延伸フイルムとし、該未延伸フイルムをポリエステ
ルの二次転移点以上の温度で縦方向に2〜7倍延伸して
一軸延伸フイルムとし、次いでポリエステルの二次転移
点以上の温度で横方向に2〜8倍延伸して二軸延伸フイ
ルムとすることができる。或いは、該未延伸フイルムを
ポリエステルの二次転移点以上の温度で縦方向に2〜7
倍、横方向に2〜8倍同時に延伸して二軸延伸フイルム
とすることができる。二軸方向の延伸倍率は面積倍率で
8〜35倍、特に10〜33倍であることが好ましい。
面積倍率が上記の範囲であると均一な肉厚のフイルムが
得られ、また切断することなく延伸することができる。 【0020】この二軸延伸フイルムは必要であれば縦方
向及び/又は横方向に更に延伸することもできる。ま
た、二軸延伸後に100〜280℃で熱処理することが
できる。或いは、縦方向に一軸延伸した後に制電性塗膜
や易接着性塗膜を塗設するための水性塗液を塗布し、乾
燥、横方向に延伸することもできる。 【0021】尚、二軸延伸後のポリエステルフイルムの
厚さは2〜300μm、特に3〜260μmであること
が好ましい。フイルムの厚さが2μm未満であると、フ
イルム強度が不足することがあり、300μmを超える
と製膜が困難となることがある。 【0022】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。各特性値は下記の方法で測定した。 【0023】1.フイルム強度 サンプルフイルムの縦方向(縦延伸方向)の引張破断強
度(Is) kg/mm2 を測定し、基準フイルム(比較例1
に示す二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
イルム)の縦方向の引張破断強度(I0 ) kg/mm2 との
比率を下記式(1)により求め、フイルム強度とした。 フイルム強度=Is/I0 ……(1) 尚、引張破断強度は、幅0.5インチのフイルムをオリ
エンティック・コーポレーション製・UTC−100型
引張試験機によりチャック間隔100mm、引張速度
100mm/分にて測定した。 【0024】2.耐熱性(フイルムの耐熱性) 200mm×300mm角に切断したフイルムサンプル
5枚を122℃の恒温槽にて6時間保存した後に取り出
して変形状態(凹凸状に変形)を観察し、基準フイルム
(二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレートフイル
ム:比較例1に示すフイルム)の変形状態との比較から
下記の基準で評価した。 A:変形の程度が極めて微小(耐熱性良好) B:変形の程度が基準フイルムよりも良好(耐熱性やや
良好) C:変形の程度が基準フイルムと同等かそれよりも大き
い(耐熱性不良) 【0025】[実施例1]ジカルボン酸成分が、前記式
(II)で示したフェニルインダンジカルボン酸成分8モ
ル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸92モル%、グ
リコール成分がエチレングリコール100モル%であ
り、固有粘度が0.64の共重合ポリエステルを溶融押
出して23℃の冷却ドラムにキャストして未延伸フイル
ムを得た。次いでこの未延伸フイルムを、131℃で縦
方向に3.2倍延伸し、更に162℃で横方向に4.8
倍延伸した後、212℃で熱固定して厚さ82μmの二
軸延伸ポリフイルムを得た。このフイルムの特性を表1
に示す。 【0026】[実施例2〜9、比較例1〜3]実施例1
においてポリエステルの組成、フイルムの厚さを表1に
示すように変更した以外は実施例1と同様にして二軸延
伸フイルムを得た。これらのフイルムの特性を表1に示
す。 【0027】 【表1】【0028】[実施例10〜13、比較例4〜5]縦方
向及び横方向の延伸倍率(延伸面積倍率)と二軸延伸フ
イルムの肉厚を表2に示すように変更した以外は実施例
1と同様にして二軸延伸フイルムを得た。これらのフイ
ルムの特性を表2に示す。 【0029】 【表2】 【0030】表1及び表2より明らかなとおり、本発明
の二軸延伸ポリエステルフイルムは、耐熱性、強度に優
れたものであった。 【0031】尚、表1においてポリエステルのジカルボ
ン酸成分の記号はそれぞれ下記の成分を示す。 【0032】PD:フェニルインダンジカルボン酸成分 ND:2,6−ナフタレンジカルボン酸成分 TA:テレフタル酸成分 【0033】 【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリエステルフイルム
は耐熱性、強度に優れ、磁気テープ、フロッピーディス
ク等の磁気記録媒体用として、また包装材、写真フイル
ム、グラフィック材料等の一般工業材料用等に有用であ
る。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 縦方向に2〜7倍、横方向に2〜8倍、
    なおかつ面積倍率では8〜35倍の倍率条件で延伸が施
    された、厚さ2〜105μmのフィルムであって、フェ
    ニルインダンジカルボン酸成分を1〜70モル%、ナフ
    タレンジカルボン酸成分を30〜99モル%含むジカル
    ボン酸成分と、エチレングリコール成分を80モル%以
    上含むグリコール成分とからなり、さらにはフェニルイ
    ンダンジカルボン酸とナフタレンジカルボン酸以外のジ
    カルボン酸成分の割合は5モル%を超えず、固有粘度が
    0.5以上のポリエステルよりなる二軸延伸ポリエステ
    ルフイルム。
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