JP3470788B2 - 樹脂製取付品の取付方法及び取付装置 - Google Patents

樹脂製取付品の取付方法及び取付装置

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JP3470788B2 JP29535197A JP29535197A JP3470788B2 JP 3470788 B2 JP3470788 B2 JP 3470788B2 JP 29535197 A JP29535197 A JP 29535197A JP 29535197 A JP29535197 A JP 29535197A JP 3470788 B2 JP3470788 B2 JP 3470788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被取付部材への樹
脂製取付品の取付方法及び取付装置に関し、特に、取付
品を溶着により固定する取付構造の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の取付構造は、取付品が樹脂製か
らなり、被取付部材に対し多数の取付品を取り付ける場
合等に多用され、作業性や溶着強度等の観点から工夫が
なされている。その一例としては、本発明を適用した図
3に例示される如く、取付品2の非溶融側に開口した凹
状2bの薄肉部を形成しておくことにより、溶着面を加
熱して溶融する過程で、溶融により薄肉部に貫通穴15
が形成された状態から、非取付部材1に対し溶着操作す
るようにした方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した方式は、本出
願人が先に開発したもので、取付品2の圧着操作開始時
点を、貫通穴15の形成されるときに対応させておき、
貫通穴15を視覚で検出することにより、溶着後の固定
状態の評価を容易にすることに加え、取付品2が加熱溶
融し過ぎて設計厚さを維持できなくなったり、逆に溶融
不足により設計上の溶着強度不足となることを防ぐよう
にしたものである。すなわち、それまでは、取付品2の
圧着操作開始時点を、取付品2に対する適用加熱手段の
加熱効率ないしは溶融効率等から予め設定された加熱時
間にて判断していた。この方法では、作業環境の室温や
湿度等の変動により固定品質が安定し難くなる。また、
固定状態の良否は溶着作業を終了し、固定強度試験や取
付品2の厚さを精密計測等しなければ分からない。上記
した方式はそのような問題を解消したものである。とこ
ろが、上記した方式は、圧着操作開始時点が溶融過程に
て貫通穴15の有無を作業者の視覚で判断することを前
提としていることから、自動化し難く、作業者の判断ミ
スや人的誤差も発生すると言う虞がある。
【0004】本発明は上記した方式を更に改善したもの
である。その第1の目的は作業者の判断ミスや人的及び
外的誤差を構造的になくして最適な状態で圧着操作可能
にし、溶着後の固定品質をより安定できるようにするこ
とにある。第2の目的は取付操作又は取付装置的に高精
度を維持して自動化し易くすることにある。第3の目的
は作業開始から終了までの1サイクルをより短縮できる
ようにすることにある。更に他の目的は、以下に説明す
る内容の中で順次明らかにして行く。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明方法は、図1,図2に例示される如く、薄肉部2
cを持つ樹脂製取付品2を、セット治具4に保持した状
態でその溶着面2aを加熱して溶融すると共に、その溶
融により薄肉部2cに貫通穴15を形成してから被取付
部材1に対し溶着固定する樹脂製取付品の取付方法であ
って、セット治具4に対し取付品2をその非溶融側より
一定の負圧で真空吸引しておき、前記負圧が溶融により
形成される貫通穴15から、セット治具4内に侵入され
る外気により変化するのを検出し、この検出値により取
付品2の溶融度合いを判断して取付品2を被取付部材1
に溶着するよう構成したものである。
【0006】この取付方法によれば、薄肉部2cの厚さ
設定は設計上の溶融量に対応させる。つまり、取付品2
の圧着操作開始時点(溶着面2aが最適な溶融状態にな
った時点)を、貫通穴15の形成されるときに対応させ
ておく。そして、取付品2は、セット冶具4に対し保持
されると共に、非溶融側より一定の負圧で真空吸引され
た状態で加熱溶融される。貫通穴15が形成されると、
その負圧は侵入される外気により急速に下がる。この急
速な圧変位は圧力センサ等により検出可能であることか
ら、その検出値に基づいて圧着操作開始時点を判断する
ようにしたものである。したがって、この取付方法にあ
っては、加熱時間を判断基準としたり、作業者の視覚に
基づく方法よりも、室温や湿度等の外的な要因に左右さ
れず、実際の溶融度合を直に判断要素にしていることか
らより判断精度的に優れている。同時に、圧力センサ等
の検出機器を用いた判断を可能にすることから、正確か
つより安定した溶着固定状態を得ることができる。
【0007】以上の取付方法を適用する場合は取付品2
として次のように工夫するとより好ましいものとなる。
すなわち、取付品20の溶着面側に凹凸又は溝状の気体
流路21を形成しておき、取付品20が被取付部材1に
溶着された後、負圧状態により気体流路21を通じて侵
入される外気により冷やすようにする。これは、この種
の溶着固定の場合、溶着面の溶融状態から被取付部材1
に圧着するが、その溶融樹脂が冷やされてある程度硬化
しないと接合状態が安定化されない。そこで、この構造
では溶着面に相当する側に気体流路21を設け、真空吸
引力により気体流路21から外気を侵入させるように
し、溶着後の冷却作用を効率的に付与するものである。
なお、薄肉部2cについての他の構成として、薄肉部を
段差を持たせて複数段に形成しておくことである。具体
的には、図7,図8の如く圧着開始時点として設計上、
決められた薄肉部30e(例えば、厚さが0、1〜0、
4mm)と共に、それの外側に少しだけ厚い寸法(例え
ば、薄肉部30eの厚さに0.1〜0.2mm程度を加
えた合計厚さが0、2〜0、6mm)の薄肉部30dを
形成する構成である。この場合は、溶着固定後、仮に、
その少しだけ厚い寸法の薄肉部30dまで貫通穴35b
が形成されていると、溶融過剰であることを視覚により
知ることができる。
【0008】また、上記目的を達成するため本発明装置
は、図1,図2に例示される如く、薄肉部2cを持つ樹
脂製取付品2を保持するセット治具4を有し、該セット
治具4に取付品2を保持した状態で加熱して取付品2の
溶着面2aを溶融すると共に、その溶融により薄肉部2
cに貫通穴15を形成した状態から被取付部材1に対し
溶着固定する樹脂製取付品の取付装置であって、セット
治具4内に配管7を通じて接続されて、取付品2を保持
した状態でセット治具4内を一定の負圧になるよう吸引
する真空吸引手段8と、取付品2の溶着面2aを加熱す
る加熱手段11と、配管7又はセット治具4に設けられ
て前記負圧の圧力値を検出する圧力検出手段9と、被取
付部材1とセット冶具4側の取付品2とを圧着する圧着
手段12と、を少なくとも備えている構成である。
【0009】この取付装置によれば、上記本発明方法を
量産工程で適用する場合、その利点を比較的簡易な装置
構成によって実現し、溶着固定品質的により安定化させ
ることができる。また、この取付装置において、自動化
する場合は圧力検出手段9により検出された圧力値を判
断して、加熱手段11の作動及び圧着手段12の作動を
制御する制御部10を用いることになる。自動化自体は
従来もそれなりに行われている。しかし、従来の制御方
式は、専ら加熱手段の加熱時間を基準とするものであ
り、上記した課題に述べたような問題を有している。そ
れに対し、本発明装置は、溶融過程で形成される貫通穴
15に基づいて圧力検出手段9により検出することか
ら、室温等の外的要因の影響を受けず、精度的にも向上
し易いものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形
態は技術的に好ましい種々の限定を付しているが、本発
明の範囲を制約するものではない。
【0011】図1は本発明に係る取付装置の形態例を模
式的に示し、図2は主な作業手順を示し、図3は溶着固
定を完了した状態と最終的な製品例を示している。本発
明の被取付部材1及び取付品2は、取付品2が樹脂成形
体であり、被取付部材1に対する溶着面2aを有してい
るという要件を除いて何であってもよい。この形態で
は、図3に示す如く被取付部材1として自動車用の成形
天井や内装ボードを想定し、取付品2として取付用ブラ
ケットを想定している。この取付品2は、矩形板体であ
り、複数個が被取付部材1の上面定位置に溶着固定され
た後、その上にクリップ3を取り付ける構成となってい
る。このような、取付品2は、下面である溶着面2aの
溶融肉寸法が全体の大きさ等に応じて設定され、被取付
部材1に溶着固定された状態での高さ寸歩が厳格に決め
られている。また、この形態では、取付品2の非溶融面
側に設けられた凹部2bにより、薄肉部2cが設けられ
る。薄肉部2cは略中央部に位置している。厚さ寸法
は、前記した溶融肉厚寸法をベースにし、後述する如く
取付品2を非溶融側より一定の負圧で真空吸引した状態
で、溶融により形成される貫通穴15の状態等を考慮し
て決められる。
【0012】図1の取付装置は、取付品2を保持するセ
ット治具4と、セット治具4内を一定の負圧になるよう
吸引する真空吸引手段であるバキューム8と、取付品2
を加熱する加熱手段11と、被取付部材1と取付品2と
を圧着する圧着手段12と、加熱手段11及び圧着手段
12の作動を制御する制御部10とを備えている。この
うち、セット治具4は耐熱性の材質で、ブロック状に形
成されている。前面側には、取付品2を位置決めするた
めの凹所5aと、この凹所5aの内側に更に窪んだ収容
部5bとが設けられている。背面側には収納部5bに連
通する貫通穴5cが設けられている。そして、収容部5
bには吸盤6が配設されている。この吸盤6は、略半球
状に形成されて、図2(c)に示す如く中央部6aに設
けられて前記貫通穴5cに対応する貫通穴6b及び先端
部分6cとを有し、先端部分6cが凹所5aに位置決め
される取付品2の非溶融側の面に吸い付くことにより、
間に空間6dを形成する。貫通穴6bには、空間6dと
バキューム8とを連通しているパイプ等の配管7の対応
端部が装着されている。配管7の途中には、管内の圧力
を検出する圧力センサー9が付設されている。
【0013】バキューム8は、配管7を通じて空間6d
内を負圧にするもので、所定の真空ないしは吸引能力の
ものが用いられる。つまり、この種の取付品2は、被取
付部材1に対し複数個を溶着固定することが一般的であ
り、そのような場合は取付品2の数分だけセット冶具4
(吸盤6と配管7及び圧力センサー9を組としたセット
冶具4)が用意され、バキューム8が真空源として共用
されることとなる。加熱手段11と圧着手段12は従来
と同じものを適用することができる。加熱手段11はこ
の形態の場合に熱風Hを吹き付ける方式であるが、ヒー
トプレートを近接して加熱する方式でもよい。この加熱
手段11は、セット冶具4に対し図示しない移送機構に
より前後方向に自動的に移動可能になっている。圧着手
段12は、取付品2を所定の押圧力で被取付部材1に圧
着するものであり、取付品2の大きさや重量等に応じて
それに適した各種の方式が採用される。この形態の場合
は、被取付部材1を保持した状態から、セット冶具4に
対し図示しない移送機構により左右及び前後に自動移送
可能になっていると共に、取付品2をセット冶具4との
間に所定の押圧力で挟み込んで圧着することができる。
これに対し、制御手段10は、バキューム8と、圧力セ
ンサ9と、加熱手段11と、圧着手段12とに信号線を
介して接続されており、それらを予め組み込まれている
プログラムに従って決められた手順で処理ないしは制御
するものである。例えば、バキューム8に対し駆動の開
始及び停止信号を送信したり、圧力センサ9により検出
された圧力値を予め設定された値に達したか否かを判断
して、後述する如く加熱手段11及び圧着手段12の作
動を制御する。図4はそのような制御部10を介して行
われる取付手順例を示したものである。
【0014】次に、本発明方法について、制御部10を
介して行われる作業手順例を図4((a)を参照しつつ
更に詳述する。 (1)先ず、バキューム8が作動される(ステップS
1)。同時に、取付品2がセット治具4の凹所5にセッ
トされる(ステップS2)。すると、取付品2はセット
冶具4に対しバキューム8の吸引力を受けて保持され
る。取付品2が設計通りに保持されると、空間6d及び
配管7内の圧力が次第に高くなる。圧力センサ9はその
変動している圧力値を検出して制御部10に検出信号と
して送信する。 (2)制御部10は、受信した検出信号が加熱開始時
(実際は加熱手段11の移動時間も考慮されている)と
して予め設定された圧力値P1に達したか、否かを判断
する(ステップS3)。そして、設定圧力値P1と判断す
ると、加熱手段10に対し加熱開始信号を送信する。 (3)加熱手段10はその信号により移動されて取付品
2の溶着面2aに対向した状態から、溶着面2aに対し
熱風Hを吹き付ける(ステップS4)。この熱風Hによ
り溶着面2aが加熱されて次第に軟化しつつ溶かされ
る。なお、圧力センサ9は前記圧力値P1に達した後
も、配管7内の圧状態を監視し、それを制御部10に順
次送信している。 (4)制御部10は、前記圧力値P1がそれよりも小さ
な圧力値P2に変化したと判断すると、加熱手段10に
対し加熱停止信号を送信し(ステップS5,S6)、続い
て圧着手段12に圧着開始信号を送信する。このとき
は、図2(a)に示す如く溶着面2aの溶融が進行し
て、肉薄部2cに貫通穴15が形成される。すると、空
間6dに外気が侵入し圧力値P1が急速に下がる。圧力
値P2はその貫通穴15の形成過程で、最適な圧着開始
時として設定された値である。 (5)加熱手段10は、加熱停止信号により加熱を止め
後方の定位置まで移動される。同時に、圧着手段12
は、被取付部材1を保持した状態で、加熱手段10と入
れ替わるべく移動されきて、図2(b)に示す如く、被
取付部材1を溶着面2aに一定時間押し付ける(ステッ
プS7)。この圧着後はバキューム8の作動が停止され
(ステップS8)、また、取付品2はその状態で自然冷
却ないしはファン等により溶着面2aが所定の温度にま
で冷やされる(ステップS9)。この冷却により溶着部
分が固化し、溶着操作が完了する。そして、圧着手段1
2は図2(c)に示す如く、取付品2を溶着固定した被
取付部材1を元の位置あるいは次工程に移動する。
【0015】図5は取付品2の変形例を示し、図6
(a)と(b)はその変形例の取付品の作用を示してい
る。なお、図6(a)と(b)は図2(a)と(b)に
対応している。この変形例は、使用する取付装置自体は
上記したものと同じことから、技術的に特長的な点を詳
述する。この樹脂製取付品20は、非溶融面側に凹部2
0bの存在により薄肉部20cを形成していることに加
え、溶着面側に碁盤状に複数の凸部20aを設けること
により凸部20a間に気体流路21を介在したものであ
る。すなわち、溶融面である各凸部20aは、溶融して
被取付部材1に溶着固定された状態でも、被取付部材1
の取付面との間に気体通路21による若干の溝状の隙間
を形成するよう、その高さが設定されている。
【0016】したがって、この構造では、図6(b)に
示す如く取付品20が溶着固定された状態において、バ
キューム8の吸引力により気体通路21に対応した隙間
から外気が吸い込まれる。この外気の吸い込みは、溶着
面を直に通ることから、高効率の冷却作用となる。ま
た、この取付品20のときは、制御部10を介して行わ
れる図4(a)の作業手順の一部が変更される。すなわ
ち、この場合は冷却とバキューム停止時期が入れ替わり
図4(b)に示す如く、被取付部材1に取付品20を一
定時間押し付け溶着固定を行っても、バキューム8の作
動を直ちに停止せず、バキューム8による外気の吸い込
みを伴って所定温度まで冷却された後(ステップS
8)、バキューム8の作動が停止されることになる(ス
テップS9)。
【0017】図7は取付品の第2の変形例を断面と上か
ら見た状態で示し、図8(a)から同(d)はその第2
の変形例の取付品を上記した取付方法を適用して溶着し
た後の状態で示している。なお、図8(a),(b)
と、図8(a),(b)は異なる溶着状態を断面と上か
ら見た状態で示している。この変形例は、使用する取付
装置自体は上記したものと同じことから、特長点だけを
詳述する。
【0018】この樹脂製取付品30は、上記の例と同様
に非溶融面側に凹部の存在により薄肉部を形成している
が、その薄肉部が薄肉部30dと薄肉部30eの2段に
形成されている。つまり、薄肉部30dは、円状の凹部
30bを設けることにより比較的厚く形成されている。
これに対し、薄肉部30eは、凹部30bの円内に位置
して、更に三角状の凹部30cを設けることにより薄肉
部30dよりも一段薄く形成されている。設計上は、薄
肉部30eの厚さ(例えば、厚さが0、1〜0、4m
m)が圧着開始時点に対応し、薄肉部30dの厚さ(例
えば、薄肉部30eの厚さに0.1〜0.2mm程度を
加えた合計厚さが0、2〜0、6mm)にまで溶着が達
した場合に溶融過剰として判断できるように設定されて
いる。したがって、この取付品30の場合には、被取付
部材1に溶着した状態において、形成される貫通孔35
a,35bを見ることにより次のようにその溶着品質が
判断される。図8(a),(b)の如く凹部30bの円
状が完全に残っている場合、その溶着状態は設計通りに
溶着されたことが確認される。仮に、図8(c),
(d)の如く凹部30cの三角状まで溶着が進んでいる
場合、その溶着状態は溶融過剰であり、品質的に不良品
として確認される。
【0019】このように、本発明は、請求項1と3に記
載された技術要素以外についてはこれをベースにして種
々変形することができるものである。また、対象取付品
は取付ブラケットを想定した例を挙げたが、例えば、図
3(b)に示されるようなクリップの取付力の設計値が
比較的弱くてもよく、ベース部が面的に広い場合等には
同様なクリップ自体を取付品として溶着固定することも
ある。
【0020】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明にあって
は、取付品がセット冶具に対し保持されて非溶融側より
一定の負圧で真空吸引された状態で加熱溶融される。そ
の負圧は形成される貫通穴により急速に下がる。この急
速な圧変位は圧力センサ等の圧力検出手段により検出可
能であり、その検出値に基づいて圧着操作開始時点を判
断するようにしたものである。したがって、本発明は、
実際の溶融度合を直に判断要素にしていることから、室
温等の外的要因に左右されず、作業者の判断ミスや人的
誤差をなくして最適な状態で圧着操作可能にし、溶着後
の固定状態ないしは固定品質をより安定化できる。ま
た、前記圧変位は溶融過程で形成される貫通穴に基づい
て圧力センサ等の圧力検出手段により検出されることか
ら、室温等の外的要因の影響を受けず、自動化した場合
も精度を確実に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態例として示す取付装置の概略構成
配置図である。
【図2】上記取付装置を用いた取付方法を示す図であ
る。
【図3】上記取付方法を適用した取付品の溶着固定状態
と使用状態例を示す図である。
【図4】上記取付方法の主要部の手順例を示す図であ
る。
【図5】上記取付品の第1の変形例を示す斜視図であ
る。
【図6】図5の取付品の場合の取付方法を示す図であ
る。
【図7】上記取付品の第2の変形例を断面及び正面から
見た図である。
【図8】図7の取付品を取り付けたときの作用を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1は被取付部材、2,20,30は樹脂製取付品、2
a,30aは溶着面、20aは凸部(凸部上面が溶着面
に相当する部分) 2b,20b,30b,30cは凹部 2c,20c,30d,30eは薄肉部、21は気体通
路、4はセット治具、6は吸盤、7は配管 8はバキューム(真空吸引手段)、9は圧力センサ、1
0は制御部 11は加熱手段、12は圧着手段、15,35a,35
bは貫通穴

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉部を持つ樹脂製取付品を、セット治
    具に保持した状態でその溶着面を加熱して溶融すると共
    に、その溶融により前記薄肉部に貫通穴を形成してから
    被取付部材に対し溶着固定する樹脂製取付品の取付方法
    であって、 前記セット治具に対し前記取付品をその非溶融側より一
    定の負圧で真空吸引しておき、前記負圧が前記溶融によ
    り形成される貫通穴から、前記セット治具内に侵入され
    る外気により変化するのを検出し、この検出値により前
    記取付品の溶融度合いを判断して前記取付品を前記被取
    付部材に溶着する、ことを特徴とする樹脂製取付品の取
    付方法。
  2. 【請求項2】 前記取付品が、溶着面に凹凸又は溝状の
    気体流路を形成しており、前記被取付部材に溶着された
    後、前記負圧状態により前記気体流路を通じて侵入され
    る外気により冷やされる請求項1に記載の樹脂製取付品
    の溶着方法。
  3. 【請求項3】 薄肉部を持つ樹脂製取付品を保持するセ
    ット治具を有し、該セット治具に前記取付品を保持した
    状態で加熱して取付品の溶着面を溶融すると共に、その
    溶融により前記薄肉部に貫通穴を形成した状態から被取
    付部材に対し溶着固定する樹脂製取付品の取付装置であ
    って、 前記セット治具内に配管を通じて接続されて、前記取付
    品を保持した状態でセット治具内を一定の負圧になるよ
    う吸引する真空吸引手段と、 前記取付品の溶着面を加熱する加熱手段と、 前記配管又は前記セット治具に設けられて前記負圧の圧
    力値を検出する圧力検出手段と、 前記被取付部材と前記セット冶具側の取付品とを圧着す
    る圧着手段と、 を少なくとも備えていることを特徴とする樹脂製取付品
    の取付装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力検出手段により検出された圧力
    値を判断して、前記加熱手段の作動及び前記圧着手段の
    作動を制御する制御部を有している請求項3に記載の樹
    脂製取付品の取付装置。
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