JP3470299B2 - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの製造方法

Info

Publication number
JP3470299B2
JP3470299B2 JP31593992A JP31593992A JP3470299B2 JP 3470299 B2 JP3470299 B2 JP 3470299B2 JP 31593992 A JP31593992 A JP 31593992A JP 31593992 A JP31593992 A JP 31593992A JP 3470299 B2 JP3470299 B2 JP 3470299B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
ceramic capacitor
dielectric
raw material
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31593992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06151236A (ja
Inventor
野 晴 信 佐
地 幸 生 浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP31593992A priority Critical patent/JP3470299B2/ja
Publication of JPH06151236A publication Critical patent/JPH06151236A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3470299B2 publication Critical patent/JP3470299B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は積層セラミックコンデ
ンサの製造方法に関し、特にNiあるいはNi合金から
なる内部電極を有し、たとえば電子機器に用いられる積
層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に積層セラミックコンデンサの製
造工程では、まず、その表面に内部電極となる電極材料
を塗布したシート状の誘電体材料が準備される。誘電体
材料としては、たとえばBaTiO3 を主成分とする材
料などが用いられる。この電極材料を塗布したシート状
の誘電体材料を積層して熱圧着し、一体化したものを自
然雰囲気中において1250〜1350℃で焼成するこ
とで、内部電極を有する誘電体磁器が得られる。そし
て、この誘電体磁器の端面に、内部電極と導通する外部
電極を焼き付けて、積層セラミックコンデンサが得られ
る。
【0003】したがって、このような積層セラミックコ
ンデンサに用いられる内部電極の材料としては、次のよ
うな条件を満たす必要がある。
【0004】(a)誘電体磁器と内部電極とが同時に焼
成されるので、誘電体磁器が焼成される温度以上の融点
を有すること。
【0005】(b)酸化性の高温雰囲気中においても酸
化されず、しかも誘電体と反応しないこと。
【0006】このような条件を満足する電極材料として
は、Pt,Au,PdあるいはAg−Pd合金などのよ
うな貴金属が用いられていた。
【0007】しかしながら、これらの電極材料は優れた
特性を有する反面、高価であった。そのため、積層セラ
ミックコンデンサに占める電極材料費の割合は30〜7
0%にも達し、製造コストを上昇させる最大の要因とな
っていた。
【0008】貴金属以外に高融点をもつものとしてN
i,Fe,Co,W,Moなどの卑金属があるが、これ
らの卑金属は高温の酸化性雰囲気中では容易に酸化され
てしまい、電極としての役目を果たさなくなってしま
う。そのため、これらの卑金属を積層セラミックコンデ
ンサの内部電極として使用するためには、誘電体磁器と
ともに還元性雰囲気中で焼成する必要がある。しかしな
がら、従来の誘電体磁器材料では、このような還元性雰
囲気中で焼成すると著しく還元されてしまい、半導体化
してしまうという欠点があった。
【0009】このような欠点を克服するために、たとえ
ば特公昭57−42588号公報に示されるように、チ
タン酸バリウム固溶体において、バリウムサイト/チタ
ンサイトの比を化学量論比より過剰にした誘電体材料が
考えだされた。
【0010】このような誘電体材料を使用することによ
って、還元性雰囲気中で焼成しても半導体化しない誘電
体磁器を得ることができた。そして、内部電極としてN
iなどの卑金属を使用した積層セラミックコンデンサの
製造が可能となった。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】しかしながら、内部電極としてNiなどの
卑金属を使用した積層セラミックコンデンサは、自然雰
囲気中で焼成されるPt,Au,PdあるいはAg−P
d合金などのような貴金属を内部電極とする積層セラミ
ックコンデンサと比較して、高温負荷試験,湿中負荷試
験時の寿命が短く、信頼性が低いという問題点を有して
いた。
【0012】一方、近年のエレクトロニクスの発展に伴
い、電子部品の小型化が急速に進行し、積層セラミック
コンデンサも小型化の傾向が顕著になってきた。積層セ
ラミックコンデンサを小型化する方法としては、一般的
に大きな誘電率を有する材料を用いて、誘電体層を薄膜
化することが知られている。
【0013】しかし、大きな誘電率を有する材料は、結
晶粒が大きい。そのため、15μm以下のような薄膜に
なると、1つの層中に存在する結晶粒の数が減少し、著
しく信頼性が低下してしまう。
【0014】それゆえに、この発明の主たる目的は、還
元性雰囲気中で焼成しても半導体化せず、しかも結晶粒
径が小さいにもかかわらず、大きな誘電率が得られ、さ
らに低コストで信頼性の高い小型大容量の積層セラミッ
クコンデンサの製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の内部
電極を介在させて積層された誘電体磁器焼結体と、誘電
体磁器焼結体の内部電極に電気的に接続されるように設
けられた外部電極とを含む積層セラミックコンデンサ
製造方法において、不純物として含まれるアルカリ金属
酸化物の含有量が0.03重量%以下、ハロゲンの含有
量が0.03重量%以下の一般式ABO 3 で表されるペ
ロブスカイト型酸化物(ただし、AはBa,Sr,Ca
およびMgのうちの少なくとも1種類、BはTi,Zr
およびNbのうちの少なくとも1種類)を水熱反応を利
用して得る工程と、該一般式ABO 3 で表されるペロブ
スカイト型酸化物に、該一般式ABO 3 のAサイト構成
元素および/またはBサイト構成元素の化合物を、一般
式(MO) x ・M′O 2 (ただし、1.000≦x≦
1.035、MはBa,Sr,CaおよびMgのうちの
少なくとも1種類、M′はTi,ZrおよびNbのうち
の少なくとも1種類)で表される組成物が得られるよう
に添加し、仮焼して原料粉末を得る工程と、該原料粉末
を含有するグリーンシートを成形する工程と、該グリー
ンシートにNiおよびNi合金のうちの1種類を含有す
る導電ペースト層を形成する工程と、該導電ペースト層
を形成したグリーンシートを複数枚積層して生の積層体
を得る工程と、該生の積層体を焼成して、NiおよびN
i合金のうちの1種類を内部電極として備えた誘電体磁
器焼結体を得る工程と、を備えることを特徴とする、
層セラミックコンデンサの製造方法である。
【0016】前記一般式ABO 3 で表されるペロブスカ
イト型酸化物に、該一般式ABO 3 のAサイト構成元素
および/またはBサイト構成元素の化合物とともに、前
記一般式(MO) x ・M′O 2 で表される組成物を10
0重量部として、Mn,Fe,Cr,Co,Niの各酸
化物をMnO2 ,Fe2 3 ,Cr2 3 ,CoO,N
iOと表したとき、前記各酸化物の少なくとも1種類以
を合計で2.0重量部以下添加するのが好ましい。
【0017】
【作用】積層セラミックコンデンサの原料粉末として
は、一般式ABO3 で表されるペロブスカイト型の酸化
物がよく用いられる。このペロブスカイト型の酸化物の
製造方法としては、従来A群元素(AはBa,Sr,C
a,Mg)の炭酸塩と、B群元素(BはTi,Zr,N
b)の酸化物との混合物を1000℃以上で仮焼し、そ
の後粉砕して原料粉末を得る方法が用いられている。磁
器焼結体の結晶粒径を小さくするために、これらの原料
粉末の微細化が要望されているが、従来の製造方法で
は、仮焼時に焼結が進み、粗大粒子を多量に含むので、
微細で均一な粒度を有する粉末を得ることは困難であっ
た。
【0018】この問題を解決するための試みとして、共
沈法,アルコキシド法,加水分解法,水熱合成法などに
よって、原料粉末の合成が行われている。中でも、水熱
反応によって合成された粉末は、粒子が微細であるだけ
でなく、組成が均一であり、従来の製造方法によって作
製された原料粉末を用いた誘電体磁器焼結体に比較し
て、結晶粒径が小さく、大きな誘電率が得られるという
ことが知られている。
【0019】一方、水熱合成法で合成されるペロブスカ
イト型酸化物粉末は、出発原料として塩化物が用いられ
ることが多く、また、結晶化を促進するために、鉱化剤
としてNaOH,KOHなどの各種の塩溶液を用いるの
が一般的である。そのため、Na2 O,K2 Oなどのア
ルカリ金属酸化物とClなどのハロゲンが不純物として
取り込まれている。
【0020】本発明者らは、NiまたはNi合金からな
る内部電極を有する積層セラミックコンデンサの誘電体
磁器焼結体の原料粉末として、水熱合成法で合成される
ペロブスカイト型酸化物粉末を用いる場合に、不純物と
して存在するNa2 O,K2Oなどのアルカリ金属酸化
物およびClなどのハロゲンの含有量が、その高温負荷
試験,湿中負荷試験時の寿命に大きく影響することを見
いだした。
【0021】すなわち、水熱反応を利用して製造した一
般式ABO3 で表されるペロブスカイト型酸化物(ただ
し、AはBa,Sr,CaまたはMg、BはTi,Zr
またはNb)の不純物として含まれるアルカリ金属酸化
物およびハロゲンの含有量がいずれも0.03重量%以
下の原料粉末を用いて、一般式(MO)x ・M′O
2(ただし、1.000≦x≦1.035、MはBa,
Sr,CaまたはMg、M′はTi,ZrまたはNb)
の誘電体磁器組成物を調製することによって、還元雰囲
気中においても、その特性を劣化させることなく焼成す
ることができ、内部電極として、卑金属であるNiおよ
びNi合金を用いた高信頼性の積層セラミックコンデン
サを得ることができる。さらに、前記誘電体磁器組成物
を100重量部として、Mn,Fe,Cr,Co,Ni
の各酸化物をMnO2 ,Fe2 3 ,Cr2 3 ,Co
O,NiOと表したとき、各酸化物の少なくとも1種類
以上を2.0重量部以下添加することによって、さらに
信頼性が向上する。
【0022】また、水熱反応によって合成された原料粉
末を用いていることから、結晶粒径が小さく、大きな誘
電率が得られるため、1つの誘電体層中に存在する結晶
粒の数を増やすことができる。そのため、誘電体層の厚
みを薄くしても、信頼性の低下を防ぐことができ、大き
な容量を有する積層セラミックコンデンサを得ることが
できる。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、還元性雰囲気中で焼
成しても還元されず、高温負荷試験,湿中負荷試験時に
絶縁抵抗が劣化しない誘電体磁器組成物を得ることがで
きるので、この誘電体磁器組成物を用いることによっ
て、電極材料として卑金属を用いても、高信頼性の積層
セラミックコンデンサを提供することができる。さら
に、この誘電体磁器組成物は、比較的低温で焼成可能で
あるため、積層セラミックコンデンサのコストダウンを
図ることができる。
【0024】また、この誘電体磁器組成物を用いた積層
セラミックコンデンサでは、高誘電率であるにもかかわ
らず、結晶粒が小さい。したがって、誘電体層を薄膜化
しても、従来の積層セラミックコンデンサのように層中
に存在する結晶粒の量が少なくならない。このため、電
圧依存性が小さく、信頼性が高く、しかも小型で大容量
の積層セラミックコンデンサを得ることができる。
【0025】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、以下の実施例の詳細な説明から一層明
らかとなろう。
【0026】
【実施例】
実施例1 まず、0.084モルのチタンイソプロポキシド(Ti
(OC3 7 4 )と0.016モルのジルコニウムイ
ソブトキシド(Zr(OC4 9 4 )とを秤量して、
約300mlのイソプロピルアルコール(IPA)に溶
解させた溶液を数種類用意した。これらの溶液を十分に
攪拌した後、それぞれに0.2モル〜0.6モルのNa
OHを含有する水溶液120ccを加えて加水分解させ
た。これらの加水分解させた溶液それぞれに、0.09
モルのBaCl2 ・2H2 Oと0.01モルのCaCl
2 ・2H2 Oとを、N2 ガスを吹き込みながら添加,混
合して、混合溶液を得た。そののち、これらの混合溶液
をそれぞれ500mlのオートクレーブに入れ、200
℃で10時間水熱処理した。水熱処理後、冷却して得ら
れたスラリをろ過して、純水で洗浄した。そして、再び
希釈,ろ過,洗浄を1回〜10回繰り返し行った後、1
10℃で乾燥した。このようにして、表1に示すような
不純物としてのNa量とCl量とが異なった5種類の
(Ba0.9 Ca0.1 )(Ti0.84Zr0.16)O3 の白色
粉末を得た。これらの5種類の白色粉末の(BaCa)
/(TiZr)比は1.00であった。
【0027】
【表1】
【0028】次に、上記の5種類の(Ba0.9
0.1 )(Ti0.84Zr0.16)O3 粉末とともに、純度
99.8%以上のBaCO3 ,CaCO3 ,TiO2
ZrO2 ,MnO2 ,Fe2 3 ,Cr2 3 ,Co
O,NiOを準備した。これらの原料を用いて、{ (B
0.9 Ca0.1 )O}x ( Ti0.84Zr0.16)O2 の組
成式で表され、xが表2に示す割合となるように配合し
て、配合原料を得た。なお、MnO2 ,Fe2 3 ,C
2 3 ,CoO,NiOについては、{ (Ba0.9
0.1 )O}x ( Ti0.84Zr0.16)O2 を100重量
部としたときの添加量を示す。この配合原料をボールミ
ルで湿式混合し、粉砕したのち乾燥し、空気中において
1100℃で2時間仮焼して仮焼物を得た。この仮焼物
を乾式粉砕機によって粉砕し、粒径が1μm以下の原料
粉末を得た。この原料粉末に、ポリビニルブチラール系
バインダおよびエタノールなどの有機溶剤を加えて、ボ
ールミルによって湿式混合し、セラミックスラリを調製
した。そののち、セラミックスラリをドクターブレード
法によってシート成形し、厚み23μmの矩形のグリー
ンシートを得た。
【0029】
【表2】
【0030】次に、このセラミックグリーンシート上
に、Niを主体とする導電ペーストを印刷し、内部電極
を構成するための導電ペースト層を形成した。導電ペー
スト層が形成されたセラミックグリーンシートを、導電
ペーストの引き出されている側が互い違いとなるように
複数枚積層し、積層体を得た。得られた積層体をN2
囲気中において350℃の温度に加熱し、バインダを燃
焼させたのち、酸素分圧が10-9〜10-12 MPaのH
2 −N2 −空気ガスからなる還元性雰囲気中において表
3に示す温度で2時間焼成し、セラミック焼結体を得
た。得られたセラミック焼結体の表面を、走査型電子顕
微鏡で倍率1500倍で観察し、グレインサイズを測定
した。
【0031】焼成後、得られた焼結体の両端面にAgペ
ーストを塗布し、N2 雰囲気中において600℃の温度
で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を
形成した。このようにして得られた積層セラミックコン
デンサの外形寸法は、幅1.6mm,長さ3.2mm,
厚さ1.2mmであり、内部電極間に介在する誘電体セ
ラミック層の厚みは15μmである。また、有効誘電体
セラミック層の総数は19であり、一層当たりの対向電
極の面積は2.1mm2 である。
【0032】静電容量(C)および誘電損失(tan
δ)は、自動ブリッジ式測定器を用いて、周波数1kH
z,1Vrms ,温度25℃にて測定し、静電容量から誘
電率(ε)を算出した。次に、絶縁抵抗(R)を測定す
るために、絶縁抵抗計を用い、25Vの直流電圧を2分
間印加して、25℃,85℃での絶縁抵抗(R)を測定
し、静電容量(C)と絶縁抵抗(R)との積、すなわち
CR積を求めた。また、温度変化に対する静電容量の変
化率を測定した。さらに、直流破壊電圧値を測定し、1
kHz,1Vrms の電圧を印加し、直流電圧を13V重
畳したときの静電容量の変化率を測定した。なお、温度
変化に対する静電容量の変化率については、20℃での
静電容量を基準とした−25℃と85℃での変化率(Δ
C/C20)を示した。
【0033】高温負荷試験としては、各試料を100個
ずつ準備し、温度85℃にて直流電圧を50V印加し
て、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。また、
湿中負荷試験としては、各試料を100個ずつ準備し、
湿度95%,温度70℃にて直流電圧を25V印加し
て、1000時間経過後の絶縁抵抗を測定した。なお、
高温負荷試験,湿中負荷試験ともに、1000時間経過
後の絶縁抵抗値(R)と静電容量(C)との積、すなわ
ちCR積を調べた。そして、CR積が50MΩ・μF以
下の試料を不良として、その個数を調べた。
【0034】比較例として、純度99.8%以上のBa
CO3 ,CaCO3 ,TiO2 ,ZrO2 ,MnO2
準備し、これらの原料を用いて、{ (Ba0.9
0.1 )O}1.01( Ti0.8 Zr0.2 )O2 +0.25
重量%MnO2 の組成となるように配合して、配合原料
を得た。この配合原料をボールミルで湿式混合し、粉砕
したのち乾燥し、空気中において1100℃で2時間仮
焼して仮焼物を得た。この仮焼物を乾式粉砕機によって
粉砕し、粒径が1μm以下の原料粉末を得た。この原料
粉末を用いて、上述と同様の方法によって、積層コンデ
ンサを作製した。そして、上述の各特性を測定した。
【0035】以上の各試験の結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例2 0.1モルのチタンイソプロポキシド(Ti(OC3
7 4 )と0.001モルのマグネシウムイソプロポキ
シド(Mg(OC3 7 2 )とを秤量して、約300
mlのイソプロピルアルコール(IPA)に溶解させ、
十分に攪拌した後、0.2モルのKOHを含有する水溶
液120ccを加えて加水分解させた。この加水分解さ
せた溶液に、0.079モルのBaCl2 ・2H2 Oと
0.02モルのSrCl2 とを、N2 ガスを吹き込みな
がら添加,混合して、混合溶液を得た。そののち、この
混合溶液をそれぞれ500mlのオートクレーブに入
れ、170℃で6時間水熱処理した。水熱処理後、冷却
して得られたスラリをろ過して、純水で洗浄した。そし
て、再び希釈,ろ過,洗浄を数回繰り返し行った後、1
10℃で乾燥し、(Ba0.79Sr0.2 Mg0.01)TiO
3 の白色粉末を得た。この白色粉末の(BaSrMg)
/Ti比は0.995であり、K量は0.015重量
%、Cl量は0.01重量%であった。
【0038】次に、上記の(Ba0.79Sr0.2
0.01)TiO3 粉末とともに、純度99.8%以上の
BaCO3 ,SrCO3 ,MgO,MnO2 を準備し
た。これらの原料を用いて、{(Ba0.79Sr0.2 Mg
0.01)O}1.01TiO2 +0.25重量%MnO2 の組
成となるように配合して、配合原料を得た。この配合原
料をボールミルで湿式混合し乾燥したのち、空気中にお
いて1100℃で2時間仮焼して仮焼物を得た。この仮
焼物を乾式粉砕機によって粉砕し、粒径が1μm以下の
原料粉末を得た。この原料粉末を用いて、実施例1と同
様の方法によって、積層コンデンサを作製した。そし
て、実施例1と同様の各特性を測定した。
【0039】比較例として、純度99.8%以上のBa
CO3 ,SrCO3 ,MgO,MnO2 を準備し、これ
らの原料を用いて、{(Ba0.79Sr0.2 Mg0.01
O}1.01TiO2 +0.25重量%MnO2 の組成とな
るように配合して、配合原料を得た。この配合原料をボ
ールミルで湿式混合し、粉砕したのち乾燥し、空気中に
おいて1100℃で2時間仮焼して仮焼物を得た。この
仮焼物を乾式粉砕機によって粉砕し、粒径が1μm以下
の原料粉末を得た。この原料粉末を用いて、上述と同様
の方法によって、積層コンデンサを作製した。そして、
上述の各特性を測定した。
【0040】以上の各試験の結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】表3,表4から明らかなように、この発明
にかかる積層セラミックコンデンサは、従来の製造方法
によって作製された粉末を用いた積層セラミックコンデ
ンサに比較して、誘電率および破壊電圧が高く、電圧依
存性が小さい。しかも、この積層セラミックコンデンサ
は、比較的低温で焼結可能であり、焼結後の粒径も小さ
い。さらに、この積層セラミックコンデンサは、高温負
荷および湿中負荷時の絶縁抵抗の劣化寿命が長く、優れ
た信頼性を示す。
【0049】しかしながら、この発明の範囲外では、次
のような特性を示す。
【0050】試料番号4のように、水熱反応を利用して
製造した原料粉末のアルカリ金属の含有量が0.03重
量を超えると、高温負荷寿命での不良数が多くなり好ま
しくない。また、試料番号5のように、水熱反応を利用
して製造した原料粉末のハロゲンの含有量が0.03重
量を超えると、高温負荷寿命および湿中負荷寿命での不
良数が多くなり好ましくない。
【0051】試料番号6のように、(MO)/M′O2
比xが1.00未満であれば、還元雰囲気で焼成したと
きに、磁器が還元され、半導体化して絶縁抵抗が低下し
好ましくない。一方、試料番号9のように、(MO)/
M′O2 比xが1.035を超えると、焼結性が極端に
悪くなり好ましくない。
【0052】試料番号12のように、MnO2 ,Fe2
3 ,Cr2 3 ,CoO,NiOの含有量が2.0重
量部を超えると、絶縁抵抗が低下し、高温負荷寿命およ
び湿中負荷寿命での不良数が多くなり好ましくない。
【0053】なお、この発明にかかる積層セラミックコ
ンデンサの磁器焼結体において、微量のシリカおよび酸
化物ガラスのような焼結助材を添加することは、得られ
る積層セラミックコンデンサの特性を何ら損なうもので
はない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−87456(JP,A) 特開 昭62−250626(JP,A) 特開 平2−92865(JP,A) 特開 平3−93211(JP,A) 特開 平4−114906(JP,A) 特公 昭54−38288(JP,B2) 特公 昭42−7800(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の内部電極を介在させて積層された
    誘電体磁器焼結体と、前記誘電体磁器焼結体の前記内部
    電極に電気的に接続されるように設けられた外部電極と
    を含む積層セラミックコンデンサの製造方法において、不純物として含まれるアルカリ金属酸化物の含有量が
    0.03重量%以下、ハロゲンの含有量が0.03重量
    %以下の一般式ABO 3 で表されるペロブスカイト型酸
    化物(ただし、AはBa,Sr,CaおよびMgのうち
    の少なくとも1種類、BはTi,ZrおよびNbのうち
    の少なくとも1種類)を水熱反応を利用して得る工程
    と、 該一般式ABO 3 で表されるペロブスカイト型酸化物
    に、該一般式ABO 3 のAサイト構成元素および/また
    はBサイト構成元素の化合物を、一般式(MO) x
    M′O 2 (ただし、1.000≦x≦1.035、Mは
    Ba,Sr,CaおよびMgのうちの少なくとも1種
    類、M′はTi,ZrおよびNbのうちの少なくとも1
    種類)で表される組成物が得られるように添加し、仮焼
    して原料粉末を得る工程と、 該原料粉末を含有するグリーンシートを成形する工程
    と、 該グリーンシートにNiおよびNi合金のうちの1種類
    を含有する導電ペースト層を形成する工程と、 該導電ペースト層を形成したグリーンシートを複数枚積
    層して生の積層体を得る工程と、 該生の積層体を焼成して、NiおよびNi合金のうちの
    1種類を内部電極として備えた誘電体磁器焼結体を得る
    工程と、 を備えることを特徴とする、 積層セラミックコンデンサ
    の製造方法
  2. 【請求項2】 前記一般式ABO 3 で表されるペロブス
    カイト型酸化物に、該一般式ABO 3 のAサイト構成元
    素および/またはBサイト構成元素の化合物とともに、
    前記一般式(MO) x ・M′O 2 で表される組成物を1
    00重量部として、Mn,Fe,Cr,Co,Niの各
    酸化物をMnO2 ,Fe2 3 ,Cr2 3 ,CoO,
    NiOと表したとき、前記各酸化物の少なくとも1種類
    以上を合計で2.0重量部以下添加することを特徴とす
    、請求項1記載の積層セラミックコンデンサの製造方
JP31593992A 1992-10-29 1992-10-29 積層セラミックコンデンサの製造方法 Expired - Lifetime JP3470299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31593992A JP3470299B2 (ja) 1992-10-29 1992-10-29 積層セラミックコンデンサの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31593992A JP3470299B2 (ja) 1992-10-29 1992-10-29 積層セラミックコンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06151236A JPH06151236A (ja) 1994-05-31
JP3470299B2 true JP3470299B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=18071424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31593992A Expired - Lifetime JP3470299B2 (ja) 1992-10-29 1992-10-29 積層セラミックコンデンサの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3470299B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100351542B1 (ko) * 2000-10-09 2002-09-05 학교법인대우학원 Chs 공정에 의한 bto계 유전체 박막 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06151236A (ja) 1994-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4110978B2 (ja) 誘電体セラミックおよびその製造方法ならびに積層セラミックコンデンサ
JP4935671B2 (ja) 誘電体磁器組成物、およびこれを用いたコンデンサの製造方法
JP3503568B2 (ja) 非還元性誘電体セラミック及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP3180681B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JPWO2006132086A1 (ja) 誘電体セラミック、及び積層セラミックコンデンサ
JP2001351828A (ja) 非還元性誘電体セラミック及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JPH09232180A (ja) 積層セラミックコンデンサ
EP0630032B1 (en) Non-reducible dielectric ceramic composition
JP4552419B2 (ja) 誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ
US11769632B2 (en) Ceramic capacitor having barium titanate-based dielectric layers including six sub-components
JP5194370B2 (ja) 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP4862501B2 (ja) 誘電体セラミック、その製造方法及び積層セラミックコンデンサ
JP3482654B2 (ja) 誘電体磁器組成物粉末およびそれを用いた積層セラミックコンデンサ並びに誘電体磁器組成物粉末の製造方法
US10879002B2 (en) Ceramic capacitor and manufacturing method thereof
JP7262640B2 (ja) セラミックコンデンサ
JPH0925162A (ja) 非還元性誘電体磁器組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ
JP7441110B2 (ja) 誘電体、電子部品、および積層セラミックコンデンサ
JP3470299B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP3634930B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3675076B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3316717B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3675077B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3557623B2 (ja) 誘電体磁器原料粉末の製造方法
JP3250932B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JPH0734326B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10