JP3469712B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Description
しながら騒音・振動性能を向上しうる空気入りタイヤに
関する。 【0002】 【従来の技術】近年、走行時においてタイヤから生じる
車外(通過)騒音、車内音(ロードノイズ)の低減が要
請されている。 【0003】従来、タイヤから生じる騒音の低下を図る
べく、カーカスにあっては、それを構成するカーカスコ
ードに細糸を用いて、タイヤ剛性を下げることによって
騒音・振動の発生を抑制していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、細糸を
カーカスコードとして用いた場合には、前述のようにタ
イヤ剛性が低下することによって、操縦安定性が低下す
るという問題が生じる。 【0005】なお例えば特開平6−122302号公報
では、カーカスの巻上げ端を、カーカスの本体部とベル
ト層との間に位置させることを提案している。 【0006】かかる提案のものでは、サイドウォール部
の剛性が大きくなり、操縦安定性を向上しうるのである
が、トレッド部にまでカーカスが巻上げられるため、騒
音・振動性能がより問題になることが判明した。 【0007】本発明は、カーカスの巻上げ部先端を、カ
ーカスの本体部とベルト層との間に位置させ、しかもカ
ーカスコードの中間伸度を巻上げ部に比して本体部を大
とすることを基本として、操縦安定性を向上しつつ騒音
・振動性能をも高めうる空気入りタイヤの提供を目的と
している。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウ
ォール部を通りビード部にのびる本体部にビードコアの
周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折返す巻上
げ部が一体に設けられた1枚のカーカスプライからなる
カーカスと、このカーカスの半径方向外側かつトレッド
部内方に配されるベルト層とを具え、前記巻上げ部は、
その先端を前記本体部とベルト層との間に位置させるこ
とにより、この巻上げ部とベルト層とが重なり周方向に
のびる重なり部を形成するとともに、前記重なり部は、
タイヤ軸方向の長さをベルト層のタイヤ軸方向の長さの
0.10倍以上かつ0.25倍以下とし、しかも前記カ
ーカスプライは、前記本体部におけるカーカスコードの
中間伸度Eaを巻上げ部におけるカーカスコードの中間
伸度Ebよりも大かつその差(Ea−Eb)を0.5%
以上かつ2.0%以下としたことを特徴としている。 【0009】ここで中間伸度、すなわち一定荷重伸び率
とは、JIS L107(化学繊維タイヤコード試験方
法)の7.7項に記載された一定荷重伸び率に拠り測定
を行った一定荷重Wを加えたときの伸び率(%)であ
り、その7.7.1項の標準時試験に基づき行われる。 【0010】なお一定荷重Wは下記(1)式によって算
出するように定められている。 W(kgf)=4.5×(d2 /d1 ) (1) ここに、d1 :繊維の種類によって定まる基準デニール d2 :試料の表示デニール 又、試験は10回行い、その平均値を少数点以下1けた
まで算出することが前記JISに定められている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を
図面に基づき説明する。図において本発明の空気入りタ
イヤ1は、1枚のカーカスプライ10からなるカーカス
9と、このカーカス9の半径方向外側に配されるベルト
層17とを具え、かつ偏平比が50%以下の偏平タイヤ
として形成される。 【0012】カーカスプライ10は、トレッド部2から
サイドウォール部3を通りかつ三角形状のビードエーペ
ックス8のタイヤ軸方向内面に沿って垂下し、ビード部
4のビードコア5に至る本体部11に、該ビードコア5
の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向かって折返し前
記ビードエーペックス8の外側で立上がる巻上げ部12
を一体に設けている。 【0013】カーカスプライ10の本体部11と巻上げ
部12とは、ともにナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維からなるカー
カスコード14をタイヤ赤道Cに対して84〜90°の
角度で傾けてラジアル配列したすだれ状のファブリック
をトッピングゴムにより被覆したシート状をなす。 【0014】なお本体部11と巻上げ部12とにおける
各カーカスコード14A、14Bは、同じ材質からなる
有機繊維によって形成されるとともに、カーカスコード
のデニール数、コード外径及び単位長さ当たりの打込数
を略同一としている。 【0015】又トレッド部2の内方に配される前記ベル
ト層17は、本実施形態では、ナイロン、レーヨン、ポ
リエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維又はスチー
ルコードからなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して
傾斜させて並列した2枚のベルトプライ17A、17B
を各ベルトコードが互いに交差する向きに配してタガ効
果を発揮させて重ね合わせることにより形成し、トレッ
ド部2の剛性を高めている。 【0016】前記カーカスプライ10の巻上げ部12の
先端12eは、前記本体部11とベルト層17の内側の
広巾のベルトプライ17Bとの間に位置し、これによっ
て巻上げ部12とベルト層17とが重なり周方向にのび
る重なり部13が形成される。 【0017】又前記重なり部13のタイヤ軸方向の長さ
Lを、ベルト層17の広巾の前記ベルトプライ17Bの
タイヤ軸方向の長さBWの0.10倍以上かつ0.25
倍以下としている。 【0018】このようにカーカス9は、カーカスコード
14のタイヤ赤道Cに対する傾き角度を84〜90°と
したラジアル構造としているため、操縦安定性、耐久性
を向上し、かつ転がり抵抗を減じうる。 【0019】又前記巻上げ部12の先端12eを本体部
11とベルト層17との間に位置させたいわゆる1−0
超HTU構造としているため、トレッド部2の剛性、特
にベルト層17の部位での剛性が増し、偏平タイヤの空
気充填時のトレッド面のプロファイルをフラットにする
ことが出来、操縦安定性、特に応答性、コントロール性
を確保できる。 【0020】なお前記重なり部13の前記長さLが、ベ
ルト層17の前記長さBWの0.10倍よりも小さくな
ると、ベルト層17の部位におけるトレッド部2の剛性
を十分に大きくできず、操縦安定性の確保が困難となる
一方、逆に0.25倍をこえて大きくすることは重量を
増すだけで、操縦安定性の向上に特に寄与することはな
い(後述の図3のテスト結果参照)。 【0021】又前記本体部11と、巻上げ部12との間
では、本体部11のカーカスコード14Aの中間伸度E
aを巻上げ部12のカーカスコード14Bの中間伸度E
bよりも大きくしかつその差(Ea−Eb)を0.5%
以上かつ2.0%以下としている。 【0022】このように本体部11においてカーカスコ
ード14Aの中間伸度を高めることによって、前記重な
り部13によるトレッド部2の剛性増大にもかかわら
ず、中間伸度が高まった部分により騒音・振動性能、殊
に車内音、ロードノイズの性能が向上する。 【0023】この理由としては、中間伸度Eaが高い本
体部11がカーカス9全体のテンションを低下させ(例
えば弦を緩く張った状態のように)荒れた路面を走行す
る際に路面からの振動入力が伝わりにくくなるからであ
る。加うるに空気入りタイヤ1の共振周波数が周波数の
低い側に移動し、車両の共振周波数からずれることによ
って一層の制振効果を高めることとなる。 【0024】他方、中間伸度Ebを高めない巻上げ部1
2にあっては、従来のタイヤにおけるカーカスプライと
略同じ伸びを有するカーカスコード14Bからなるた
め、タイヤの形状、寸法の安定性、操縦安定性などの走
行性能を維持することが出来るのである。 【0025】前記本体部11と巻上げ部12との間で中
間伸度の差(Ea−Eb)が0.5%未満では、カーカ
ス9の制振能力が不足し、騒音の低減を達成し得ず、又
ばらつきも大きくなる。他方、中間伸度の差(Ea−E
b)が2.0%をこえるとカーカス9のテンションの低
下が過大となり操縦安定性に劣ることとなる。 【0026】なお、本体部11と巻上げ部12との間に
おいてカーカスコードの中間伸度に差を与えるための一
方法としては、カーカスプライ10の成形に際して本体
部11、巻上げ部12両部におけるカーカスコードを、
前記の如く同材質かつ同じ太さで形成するとともに、中
間伸度を高めたい方の部分、即ち本体部11を、成形前
の材料の段階で加熱し、予め熱収縮を与えることにより
前記差(Ea−Eb)を設けることが出来る。又加熱の
際の温度、又は処理時間を調節することにより中間伸度
の差(Ea−Eb)を任意に設定することが出来る。 【0027】又カーカスコードをトッピングゴムにディ
ップ処理をすることにより形成する場合には、その処理
条件を変えることによっても前記中間伸度の設定を容易
になしうる。 【0028】ビード部4には、前記ビードコア5から半
径方向外方に立上がりかつ硬質のゴムからなる前記ビー
ドエーペックス8と、このビード部4を補強するチェー
ファ21とフィラ22とを具える。 【0029】チェーファ21は、合成又は天然の繊維を
ネット状に繊成し、ビード部4のタイヤ軸方向外側にお
いてカーカスプライ10の外面に一端が添着するととも
に、ビード部4の底面4aに沿ってタイヤ軸方向内方に
のびかつビード部4の内壁面に沿って立上がる。 【0030】前記フィラ22は、合成又は天然の繊維を
配設し、カーカスプライ10と、ビードコア5との間で
該ビードコア5を囲んで配される。 【0031】このようなチェーファ21及びフィラ22
を介在させることにより、ビード部4の縦、横の剛性を
高めうるが、チェーファ、フィラを設けることなくビー
ド部を形成してもよい。 【0032】 【実施例】タイヤサイズが195/50 R15であ
り、かつ図1に示す構成を有する空気入りタイヤについ
て、表1に示す仕様により試作する(実施例1、2)と
ともに、その性能についてテストを行った。なお本願構
成外のタイヤ(従来例、比較例1、2)についても併せ
てテストを行いその性能を比較した。 【0033】又表2に示す仕様でタイヤ(サンプル1〜
8)を試作し、重なり部の長さLと操縦安定性、ロード
ノイズとの関係を調べた。 【0034】中間伸度Ea、Ebは、実施例、従来例、
比較例、サンプルともに完成タイヤよりサンプルしたコ
ードについて計測した値であり材料を計測したものでは
ない。又テストに際して各タイヤを15×6JJのリム
にリム組みし200kPaの内圧で1600ccのFF
車に装着するとともに、1名乗車のもとで実車走行を実
施した。 【0035】テスト要領は次の通り。 イ)操縦安定性、応答性、旋回性及びコントロール性 テストコースを実車走行し、ドライバーのフィーリング
により判定した。従来例を6とした10段階評価(数値
が大きいほど良好)とし、その結果を表1、表2(図
3)に示す。なお評価8は、相当良好であることを示
す。 【0036】ロ)ロードノイズ 荒れたアスファルト路における速度50km/hの定常走
行時のオーバオールの騒音を従来例を±0とした各低減
量(dBA)で表1に表示した。 【0037】又表2の各サンプル1乃至8についても同
様にテストし、サンプル2を±0とした各低減量(dB
A)で表2に示した。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】 【0040】テストの結果、実施例のものは、従来例、
比較例のものに比べて操縦安定性を保持しつつ騒音を低
下していることが確認出来た。 【0041】 【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
操縦安定性を向上した上で、走行時におけるタイヤから
生じる騒音、特にロードノイズを大巾に低減しうる。
断面図である。 【図2】そのカーカスプライの構成を例示する展開平面
図である。 【図3】重なり部の長さと操縦安定性との間の関係を示
す線図である。 【符号の説明】 2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 9 カーカス 10 カーカスプライ 11 本体部 12 巻上げ部 13 重なり部 17 ベルト層
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
ード部にのびる本体部にビードコアの周りをタイヤ軸方
向内側から外側に向かって折返す巻上げ部が一体に設け
られた1枚のカーカスプライからなるカーカスと、この
カーカスの半径方向外側かつトレッド部内方に配される
ベルト層とを具え、 前記巻上げ部は、その先端を前記本体部とベルト層との
間に位置させることにより、この巻上げ部とベルト層と
が重なり周方向にのびる重なり部を形成するとともに、 前記重なり部は、タイヤ軸方向の長さをベルト層のタイ
ヤ軸方向の長さの0.10倍以上かつ0.25倍以下と
し、 しかも前記カーカスプライは、前記本体部におけるカー
カスコードの中間伸度Eaを巻上げ部におけるカーカス
コードの中間伸度Ebよりも大かつその差(Ea−E
b)を0.5%以上かつ2.0%以下としたことを特徴
とする空気入りタイヤ。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP15834796A JP3469712B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 空気入りタイヤ |
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---|---|
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ID=15669668
Family Applications (1)
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JP15834796A Expired - Fee Related JP3469712B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 空気入りタイヤ |
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Families Citing this family (3)
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-
1996
- 1996-06-19 JP JP15834796A patent/JP3469712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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