JP3469491B2 - 燃料電池用セパレーター用樹脂組成物及び燃料電池用セパレーター - Google Patents
燃料電池用セパレーター用樹脂組成物及び燃料電池用セパレーターInfo
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Description
ーター用樹脂組成物、並びにそれに基づく燃料電池用セ
パレーターに関する。
気的エネルギーに直接変換する燃料電池に関する需要が
高まっている。一般に燃料電池は、電解質を含有するマ
トリックスを挟んで電極板が配置され、さらにその外側
にセパレーターが配置された単位セルを、多数積層した
構成となっている。通常、セパレーターの片面には燃料
が、もう一方の面には気体酸化剤等が供給されるので、
セパレーターは両者が混合しないよう、気体不透過性に
優れることが必要である。また、単位セルを積層して用
いるので、セパレーターは高い導電性を有し、かつ強度
にも優れることが要求される。
は、黒鉛シートをプレス成形して得られた成形品、炭素
焼結体に樹脂を含浸させた樹脂含浸材、熱硬化性樹脂を
不活性雰囲気で焼成して得られるガラス状カーボン、炭
素粉末と樹脂を混合後成形した樹脂成形品等が用いられ
ている。例えば特開昭58-53167号公報、特開昭60-37670
号公報、特開昭60-246568号公報、特公昭64-340号公
報、特公平6-22136号公報、WO97/02612号公報には、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛、カーボンから成
るセパレーターが;特公昭57-42157号公報には、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂とグラファイト等の導電性物質
とから成る双極隔離板が;特開平1-311570号公報には、
フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂に膨張黒
鉛及びカーボンブラックを配合して成るセパレーター
が;特開平8-259767号公報にはエチレン-酢酸エチル共
重合体等にカーボンブラックを含有させた導電性プラス
チック板が、それぞれ開示されている。また、特開平8-
31231号公報には、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に
ケッチェンブラック及び真球状黒鉛を配合して得られる
成形品が開示され、樹脂として芳香族ポリイミド等が記
載されている。
池用セパレーターとして樹脂含浸材を使用する場合、燃
料ガス等を流通させるチャンネル(溝)を形成するため
に切削加工が必要となり、製造に手間とコストがかか
る。また、ガラス状カーボンを用いると焼成前に製品形
状への成形加工が可能となるが、焼成時の寸法収縮等、
寸法安定性の点で問題が生じる。また、樹脂成形品は、
成形が容易であるが、樹脂の電気絶縁性の故に導電性に
劣る欠点があり、これを改善すべく炭素粉末等のフィラ
ーを多量充填すると、成形が困難または不可能となる。
であり、フィラーを多量に含有でき、かつ成形性にも優
れ、高い導電性と機械的強度とを兼備した燃料電池用セ
パレーターが得られる燃料電池用セパレーター用の樹脂
組成物を提供すること、並びに前記燃料電池用セパレー
ター用樹脂組成物を成形して得られる燃料電池用セパレ
ーターを提供することを目的とする。
等のフィラーとの複合化に使用する樹脂について検討し
た結果、エポキシ樹脂と付加型熱硬化性ポリイミド樹脂
とを併用することによって、フィラーの含有量を高めて
も成形が容易で、燃料電池用セパレーターとして十分に
高い導電性と機械的強度が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
ために、A)エポキシ樹脂5〜99重量部と付加型熱硬
化性ポリイミド樹脂95〜1重量部とからなる樹脂10
0重量部に対して、B)黒鉛、ケッチャンブラック、ア
セチレンブラック、ファーネスカーボンブラック、サー
マルカーボンブラックから成る群より選択される1以上
のフィラーを40〜900重量部配合して成ることを特
徴とする燃料電池用セパレーター用樹脂組成物を提供す
る。また、上記燃料電池用セパレーター用樹脂組成物を
成形して得られる燃料電池用セパレーターを提供する。
加型熱硬化性ポリイミド樹脂とを併用することが、本発
明の重要な要件である。後記する実施例でも示すよう
に、エポキシ樹脂のみあるいは他のポリマーをベースポ
リマーとする樹脂組成物では、得られる成形品は高温で
の強度が不十分となる。これに対して本発明に従い、エ
ポキシ樹脂と付加型熱硬化性ポリイミド樹脂とのブレン
ドをベースポリマーとする樹脂組成物は、良好な導電性
と機械的強度(特に、熱間での強度に優れる)とを兼備
する成形品が得られる。また、ブレンドによっては、付
加型熱硬化性ポリイミド樹脂のみをベースとする場合と
比べても優れた強度を発現し、あるいはよりマイルドな
条件で成形を行うことができる。更に、エポキシ樹脂や
付加型熱硬化性ポリイミド樹脂は通常、絶縁体として用
いられるようなポリマーであるにも拘わらず、これらを
成分とする本発明の燃料電池用セパレーター用樹脂組成
物は導電性が良好である。樹脂自体の電気抵抗がエポキ
シ樹脂や付加型熱硬化性ポリイミドよりも小さいポリマ
ーを用いても、複合材の導電性は必ずしも良好にならな
いことを考えると、これは全く予期されなかったことで
ある。
る。本発明の燃料電池用セパレーター用樹脂組成物(以
下、単に樹脂組成物ともいう)に使用されるエポキシ樹
脂は公知の物で構わない。また本発明においてエポキシ
樹脂とは、多官能性エポキシ化合物と硬化剤との反応で
形成される構造体、並びに該構造体を与えるエポキシ化
合物及び硬化剤全てを包含する。以後、反応前のエポキ
シ化合物をエポキシ樹脂前駆体、反応により生じた構造
体をエポキシ硬化物と言うことがある。また、本発明の
樹脂組成物におけるエポキシ樹脂量とは、エポキシ硬化
物の重量に等しい。
の化合物を使用することができる。例えば、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル型、ビスフェノールFジグ
リシジルエーテル型、ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル型、ビスフェノールADジグリシジルエーテル
型、レゾルシノールジグリシジルエーテル型等の2官能
性エポキシ化合物;フェノールノボラック型、クレゾー
ルノボラック型等の多官能性エポキシ化合物;さらに
は、エポキシ化大豆油のような線状脂肪族エポキシ化合
物、環式脂肪族エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合
物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジル
アミン系エポキシ化合物等が挙げられるが、これらに限
定されない。ハロゲン等の置換基を有する化合物、芳香
環が水素化された化合物をも使用することができる。ま
た、そのエポキシ当量、分子量、エポキシ基数等にも、
特に制限はない。しかしながら、エポキシ樹脂前駆体と
して、エポキシ当量が約400以上、特に約700以上
のエポキシ化合物を主に使用すると、可使時間を長くす
ることができる。また、それら化合物は常温で固体であ
る故、粉体成形を行う場合には取り扱いが容易となる。
複数のエポキシ化合物を併用することも可能である。例
えばエポキシ当量200程度の、網目密度の高い硬化物
を与えるエポキシ樹脂前駆体を、エポキシ当量900程
度の、可使時間の長い前駆体に混入させ、粉体として、
あるいは可使時間のやや長い液状物として取り扱うこと
ができる。
応することによって、エポキシ硬化物を生成する。硬化
剤も各種公知の化合物を使用することができる。例えば
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、メンセンジアミン、イソホロン
ジアミン、N-アミノエチルピペラジン、m-キシレンジ
アミン、ジアミノジフェニルメタン等の脂肪族、脂環
式、芳香族のポリアミンまたはその炭酸塩;無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無
水コハク酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼラ
イン酸無水物等の酸無水物;フェノールノボラックのよ
うなポリフェノール;ポリメルカプタン;トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、イミダゾール、エチル
メチルイミダゾール等のアニオン重合触媒;BF3やそ
の錯体のようなカチオン重合触媒;さらには熱分解や光
分解によって上記化合物を生成する潜在性硬化剤等が挙
げられるが、これらに限定されない。複数の硬化剤を併
用することもできる。上記の内、ポリアミンやその炭酸
塩、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等の
硬化剤は、自身がエポキシ化合物と重付加反応してエポ
キシ硬化物を構成するので、重付加型硬化剤と呼ばれ
る。重付加型硬化剤の過不足は未反応官能基の残存につ
ながる故、添加量には適正域が存在する。一般に、エポ
キシ樹脂前駆体のエポキシ基1個当たり0.7〜1.2
当量の、特に0.8〜1.1当量の重付加型硬化剤を使
用するのが好ましい。一方、アニオン重合触媒及びカチ
オン重合触媒は、エポキシ基の付加重合触媒として作用
するものであり、硬化構造には組み込まれない。それ
故、適正添加域は存在せず、添加量は反応速度に応じて
決定することができる。これら触媒は、触媒型硬化剤あ
るいは付加型硬化剤と呼ばれる。尚、先記したように、
本発明の組成物においてエポキシ樹脂量とは、エポキシ
硬化物の重量を指しているが、これは使用したエポキシ
樹脂前駆体と重付加型硬化剤との合計重量に等しい。こ
れら硬化剤の種類、量とエポキシ樹脂前駆体の種類を種
々に選択することにより、エポキシ樹脂の硬化速度を任
意に変化させることができる。当業者であれば、所望の
硬化条件に合わせ、前駆体や硬化剤の種類及び使用量を
決定することは容易であろう。
としては、例えばアリルナジイミド型、マレイミド型、
トリアジン型、またはマイケル付加型等のポリイミドを
使用する。付加型熱硬化性ポリイミドは、プレポリマー
(低分子量モノマーまたはオリゴマー)中の不飽和基の
付加反応によって硬化が進行する。それ故、硬化時に縮
合水その他の揮発性物質が生じず、気泡やクラックのな
い組成物を与える。付加型熱硬化性ポリイミドのプレポ
リマーは、例えばアリルナジック酸無水物とジアミン
(ヘキサメチレンジアミン、ビス(4―アミノフェニ
ル)メタン、m―キシリレンジアミン等)との反応、ア
リルナジック酸無水物とヒドロキシフェニルアミンやア
リルアミンとの反応、無水マレイン酸等とジアミン(例
えばジアミノジフェニルメタン等)との反応、ビニルベ
ンジル化合物等とマレイミド等との反応によって得るこ
とができる。また、丸善石油化学(株)より「BAN
I」の商標で、東芝ケミカル(株)より「イミダロイ
(KIR)」の商標で、それぞれ市販もされている。こ
れらの内でも特に、ビスマレイミド系のポリイミドが好
ましい。一般にビスマレイミド型ポリイミドは硬化が迅
速であり、それ故成形に際して過酷な条件を選定する必
要がない。
樹脂は、上記エポキシ樹脂5〜99重量部と、上記付加
型熱硬化性ポリイミド樹脂95〜1重量部から成る。こ
の範囲外では、両樹脂の併用により生じる利点が僅かで
ある。エポキシ樹脂:付加型熱硬化性ポリイミド樹脂の
重量比は、好ましくは97:3〜30:70、より好ま
しくは95:5〜50:50、特に好ましくは90:1
0〜60:40である。
ェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスカーボ
ンブラック、サーマルカーボンブラックから成る群より
選択される1以上のフィラーを必須成分とする。これら
のフィラーを、以下で導電性フィラーと言うことがあ
る。導電性フィラーとしてこれらのカーボン系のものを
用いることより、組成物の耐腐食性を高め、また、燃料
電池用セパレーターに用いられる際にも副反応を防止す
ることができる。これらの内、ケッチェンブラック、ア
セチレンブラックは導電性フィラーとして開発されたも
のであり、それぞれ天然ガス等の不完全燃焼、アセチレ
ンの熱分解により得られる。また、ファーネスカーボン
ブラックは炭化水素油や天然ガスの不完全燃焼により得
られるフィラーであり、粒径に応じてSAF,ISA
F,IISAF,HAF,FF,FEF,MAF,GP
F,SRF,CF等に分類される。また、サーマルカー
ボンブラックは天然ガスの熱分解により得られる大粒子
径のカーボンであり、例としてFTカーボン、MTカー
ボン等が挙げられる。
いずれを用いても良く、また、複数のフィラーを併用す
ることも可能であるが、より好ましくは黒鉛またはケッ
チェンブラックを、特に好ましくは黒鉛を使用する。黒
鉛の種類に特に制限はなく、粒状黒鉛、鱗片状黒鉛、膨
張黒鉛、コロイド黒鉛等、どのような形態の黒鉛をも使
用することができる。フッ化グラファイト、または各種
金属原子、ハロゲン原子、ハロゲン化合物等をインター
カレートしたグラファイト層間化合物の使用も可能であ
る。ここで、膨張黒鉛とは黒鉛結晶構造の層間を拡張処
理したもので、極めて嵩高いものとなっている。膨張黒
鉛としては、好ましくは嵩比重が0.3程度以下、より
好ましくは0.1程度以下、特に好ましくは0.05程
度以下のものを使用する。これら膨張黒鉛を用いると、
導電性、潤滑性が特に良好となる。上記した黒鉛の中で
も膨張黒鉛が、次いで粒状黒鉛が、特に好ましい。
100重量部に対し、40〜900重量部とする。導電
性フィラーの配合量が40重量部を下回ると満足な導電
性が得られず、900重量部を越えると強度あるいは成
形上の点で問題を生じる。これらの点を考慮すると、導
電性フィラーの配合量はより好ましくは60〜800重
量部、さらに好ましくは100〜600重量部、特に好
ましくは150〜400重量部程度である。
とにより、得られる成形品を強化することも可能であ
る。例えば、炭素繊維やガラス繊維を、成分A)の樹脂1
00重量部に対して1〜100重量部、特に10〜50
重量部程度配合すると、得られる成形品の強度、特に耐
衝撃性を改善することができる。炭素繊維、ガラス繊維
の種類に特に制限はなく、種々の公知の繊維を使用する
ことができる。他に、綿、羊毛、絹、麻、ナイロン繊
維、アラミド繊維、ビニロン(ポリビニルアルコール)繊
維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アセテート繊
維、フェノール-ホルムアルデヒド繊維、ポリフェニレ
ンサルファイド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、テト
ラフロロエチレン繊維等の繊維を使用することも可能で
ある。しかしながら本発明においては、炭素繊維、特に
PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維を使用するのが好
ましい。このことによって、組成物の導電性を殆ど損な
わずに強度を改善することができる。
くは長さが約0,01〜100mm、特に約0.1〜20
mmの範囲内の繊維を使用する。繊維長さが100mmを越
えると成形が難しく、また表面を平滑にし難くなり、
0.01mmを下回ると補強効果が期待できなくなる。
によって製造することができる。例えば、エポキシ樹脂
及び付加型熱硬化性ポリイミドまたはそれらのプレポリ
マーを加熱溶融または溶剤に溶解させて、導電性フィラ
ー等を添加する。あるいは、エポキシ及び付加型熱硬化
性ポリイミド(プレポリマー)粉末と導電性フィラーと
をそのまま混練しても良い。このようにして得られた本
発明の樹脂組成物は、種々の慣用の手段により、各種形
状へと成形することが可能である。例えばエポキシ及び
付加型熱硬化性ポリイミドのプレポリマーを導電性フィ
ラーの存在下、所定形状へと直接重合させることによっ
て;また、原料の種類に応じて種々の温度で種々の時間
加熱プレスすることによって、それぞれ成形することが
できる。放射線、電子線、紫外線による硬化法を採るこ
ともできる。また、これらの成形法を複数組み合わせて
も良い。例えば押出成形等により得られたシート状物を
プレス成形等によって複雑な凹凸形状の物品へと本成形
することもできる。また、成形品を加熱オーブン、電子
線照射等によって二次架橋させることも可能である。当
業者であれば、用途及び形状に応じ、好ましい成形法及
び成形条件を選定することは容易であろう。
付加型熱硬化性ポリイミド樹脂とを硬化速度がほぼ同じ
ものを選定するのが好ましい。このことは、例えば成形
温度、エポキシ樹脂前駆体の種類、エポキシ硬化剤の種
類・量を選択することによって達成することができる。
その際に特定の化合物を添加し、付加型熱硬化性ポリイ
ミド側の硬化条件を変化させることも可能である。例え
ばp―トルエンスルホン酸、p―キシレンスルホン酸、
トルエンスルホン酸メチル、ビリジニウム・p―トルエ
ンスルホネート、ピリジニウム・m―ニトロベンゼンス
ルホネート、硫酸メチルヒドラジン等の化合物を、付加
型熱硬化性ポリイミド100重量部に対して0.1〜5
重量部程度加えることにより、硬化温度、硬化時間を低
減させることができる
化性ポリイミド樹脂の比率が低い場合、例えば約5〜4
0重量%、特に約5〜20重量%の場合には、ポリイミ
ドが殆ど硬化しないような条件、例えば150〜180
℃程度でプレスしてエポキシ樹脂のみを硬化させ、付加
型熱硬化性ポリイミド成分は後にオーブン中等で架橋さ
せても良い。こうすることによって、プレス作業をより
安全なものとし、かつ作業効率を高めることができる。
また、プレス性能を上回る温度で架橋を行うことも可能
となる。
分として他のポリマー、例えばPET、PBT、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー、低分子量ポリエステ
ル、ポリアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム等;他の
充填材、例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、粘度鉱物等のフィラー、顔料等;さらには分散剤、
例えばジエチレングリコールモノステアレート、モノエ
タノールアミン、ジエチレングリコール、パインター
ル、老化防止剤例えば各種フェノール系、アミン系老化
防止剤、カップリング剤、例えばアミノプロピルトリエ
トキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンス
ルホニルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート、相容化剤、難燃剤、表面平滑剤、脂
肪酸、例えばステアリン酸やそのエステル、フタル酸エ
ステル等の可塑剤、プラスチック粉末、加工助剤等を配
合することもできる。これらの内、エラストマー成分の
添加は、耐衝撃性が要求される場合に特に有利である。
特に高温での強度が高い成形品が得られるという利点を
有する。また、耐熱性、耐溶剤性等の点でも優れてい
る。また、成形加工が容易であり、溶剤を用いる必要も
ない(但し、所望によって使用しても良い)。 また、本発明の樹脂組成物の内、成分B)の導電性フィ
ラーとして黒鉛、特に膨張黒鉛を用いたものは、気体不
透過性等に優れる上、良好な摺動性や表面なじみ性を有
する。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1〜5、比較例1〜6] ・サンプルの調製 下記に示す樹脂及び表1に示す導電性フィラーを用い
て、表1に示す配合割合にて各種の樹脂組成物を作製し
た。 EPX-1:油化シェルエポキシ(株)のビスフェノール
A型エポキシ樹脂前駆体「エピコート828」(エポキ
シ当量184〜194、常温で液状) EH-1:油化シェルエポキシ(株)の酸無水物タイプの
エポキシ硬化剤「エピキュアYH-308H」(中和当
量約91、融点約85℃) IMI-1:丸善石油化学(株)の付加型熱硬化性ポリイ
ミド「BANI-M」(アリルノルボルネン骨格を有す
るナジック酸型イミドモノマー、融点75℃、体積固有
抵抗1.74×1017Ω・cm、比重1.13) PA-1:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の
ポリアミド6「ノバミッド1012C2」(体積固有抵抗1×
1015Ω・cm、比重1.14) PA-2:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の
ポリアミド66「ノバミッド3010」(体積固有抵抗1×
1014Ω・cm、比重1.15) PBT:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)の
ポリブチレンテレフタレート「ノバドゥール5010」(体
積固有抵抗1×1016Ω・cm、熱変形温度60℃、比重1.
31) TPEE:東レ・デュポン(株)のポリエステル系熱可
塑性エラストマー「ハイトレル4047P」(体積固有抵抗
1.8×1012Ω・cm、比重1.15)
加熱装置を備えたミル中に入れ、溶融温度以上の温度に
て30rpmで混練しながら、膨張黒鉛等の導電性フィラ
ーを添加した。全15分間混練後、混練物を取り出して
型内に所定量充填し、熱プレスにて100×100×2
mmのシートに成形した。この際、フィラー添加の容易
さ、プレス後のシート状態(膨れや流れ跡、表面剥離等
の有無)を評価し、サンプル調製容易さの指標とした
(表1中の〇はフィラー添加が容易またはシート状態が
良好であったことを、×はその逆であったことを示
す。)尚、熱プレスの条件は、実施例1〜5、比較例
1、2では200℃×30分間、比較例3〜6では13
0〜150℃×2分間である。次いで、成形品から試験
片を打ち抜き、曲げ強さ及び体積固有抵抗率を、それぞ
れASTM D790、JIS K7194に従い測定した。測定
結果を表1に示す。尚、実施例No.において「比」が付
されているものは、比較例である。
試験の結果を、樹脂成分中のポリイミド重量百分率に対
してプロットしたグラフを図1に示す。尚、図中、点線
は、曲げ強さが(エポキシ:ポリイミド)比に対して一
次関数で表される関係にある(即ち、加成性を示す)と
仮定した場合のプロットを示す。本発明に従い樹脂成分
としてエポキシ樹脂と付加型熱硬化性ポリイミド樹脂と
を併用するサンプルは、いずれか一方の樹脂のみをベー
スとするサンプルと比べ、高導電性を保ちながら曲げ強
さが改善されていることが明らかである。フィラー充填
の容易さ、成形後のシートの状態も良好で、樹脂組成物
の調製、成形が容易であるとが分かる。また、実施例で
用いた原料ポリイミド樹脂自体の体積抵抗率は、比較例
で用いたPA−1、PA−2、PBT及びPTEEより
も高い。エポキシ樹脂硬化物の体積抵抗率も、1011
〜1014Ω・cmと、さして低くはない。それにも拘
わらず得られる成形品が良好な導電性を有することは、
予想外の結果となった。また、実施例5に見られるよう
に、本発明に従うサンプルは、導電性フィラーの種類を
変えても高い強度と導電性を示す。
形の手法を用い、サンプル調製を行った。表2記載の配
合原料を秤量し、ジューサーミキサーを用いて混練し
た。尚、表2中の略号は、以下の原材料を示す: EPX-2:ソマール(株)の粉体エポキシ樹脂「F-6
136」(ビスフェノールA型ノボラックタイプのエポ
キシ樹脂前駆体とジシアンジアミド硬化剤との混合物) IMI-2:東芝ケミカル(株)の付加型熱硬化性ポリイ
ミド「KIR-30」(ビスマレイミド型ポリイミドプ
レポリマー、軟化温度約120℃体積固有抵抗≧1016Ω
・cm、比重1.3) 得られた粉体状混合物を加熱プレスにて200℃×5分
間硬化させてシートを得、これをオーブン中で190℃
×5hで二次架橋した。得られた各サンプルのシート状
態及び物性を表2に示す。尚、実施例No.において
「比」とあるのは、比較例である。
00℃での曲げ試験の結果を、樹脂成分中のポリイミド
重量百分率に対してプロットしたグラフを図2に示す。
尚、図中、点線は、曲げ強さが(エポキシ:ポリイミ
ド)比に対して一次関数で表される関係にある(即ち、
加成性を示す)と仮定した場合のプロットを示す。 本
発明に従い樹脂成分としてエポキシ樹脂と付加型熱硬化
性ポリイミド樹脂とを併用するサンプルは、いずれか一
方の樹脂のみをベースとするサンプルと比べ、高導電性
を保ちながら曲げ強さが改善されていることが明らかで
ある。シート状態を見ても、膨れや剥離が少なく、成形
が容易であることが示唆される。
記のエポキシ樹脂及び硬化剤とIMI−1、2を用い、
実施例6〜12と同様の操作を行った。但し二次架橋は
行っていない。 EPX-3:油化シェルエポキシ(株)のビスフェノール
A型エポキシ樹脂前駆体「エピコート1004」(エポ
キシ当量875〜975、軟化点97℃) EPX-4:ソマール(株)の粉体エポキシ樹脂「F-6
976」(ビスフェノールA型ノボラックタイプのエポ
キシ樹脂前駆体と酸無水物系及びフェノール系硬化剤と
の混合物) EX-2:油化シェルエポキシ(株)のイミダゾールタイ
プのエポキシ硬化剤「エピキュアEMI24」(2-エチ
ル-4(5)-メチルイミダゾール) 尚、実施例15及び比較例9は、樹脂を予めTHF(テ
トラヒドロフラン)に溶解させて膨張黒鉛に含浸させ、
THFを乾燥させた後、プレスでの硬化成形を行った。
配合、硬化条件及び物性試験結果を、表3に示す。
ポリイミド樹脂の種類を変えても、本発明に従い両樹脂
を併用するサンプルが良好な導電性を保ちながら大きな
曲げ強さを示すことが分かる。
成形が容易で、強度、導電性に優れる燃料電池用セパレ
ーター用樹脂組成物、並びにそれより成る燃料電池用セ
パレーターが提供される。
を樹脂成分中のポリイミド重量百分率に対してプロット
したグラフである。
曲げ試験の結果を樹脂成分中のポリイミド重量百分率に
対してプロットしたグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 A)エポキシ樹脂5〜99重量部と付加
型熱硬化性ポリイミド樹脂95〜1重量部とからなる樹
脂100重量部に対して、B)黒鉛、ケッチャンブラッ
ク、アセチレンブラック、ファーネスカーボンブラッ
ク、サーマルカーボンブラックから成る群より選択され
る1以上のフィラーを40〜900重量部配合して成る
ことを特徴とする燃料電池用セパレーター用樹脂組成
物。 - 【請求項2】 付加型熱硬化性ポリイミド樹脂がビスマ
レイミド型ポリイミドであることを特徴とする請求項1
記載の燃料電池用セパレーター用樹脂組成物。 - 【請求項3】 p―トルエンスルホン酸、p―キシレン
スルホン酸、トルエンスルホン酸メチル、ビリジニウム
・p―トルエンスルホネート、ピリジニウム・m―ニト
ロベンゼンスルホネート、硫酸メチルヒドラジンからな
る群より選択される一以上の化合物を、付加型熱硬化性
ポリイミド樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部
含有することを特徴とする請求項1または2記載の燃料
電池用セパレーター用樹脂組成物。 - 【請求項4】 エポキシ樹脂が、エポキシ当量400以
上のエポキシ化合物をベースとすることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレー
ター用樹脂組成物。 - 【請求項5】 フィラーが膨張黒鉛または粒状黒鉛であ
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
の燃料電池用セパレーター用樹脂組成物。 - 【請求項6】 フィラーの配合量が100〜600重量
部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
に記載の燃料電池用セパレーター用樹脂組成物。 - 【請求項7】 炭素繊維及び/またはガラス繊維1〜1
00重量部をさらに含有することを特徴とする請求項1
〜6のいずれか一項に記載の燃料電池用セパレーター用
樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃
料電池用セパレーター用樹脂組成物から成ることを特徴
とする燃料電池用セパレーター。
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- 1999-02-19 JP JP04202199A patent/JP3469491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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