JP3469372B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3469372B2
JP3469372B2 JP27591295A JP27591295A JP3469372B2 JP 3469372 B2 JP3469372 B2 JP 3469372B2 JP 27591295 A JP27591295 A JP 27591295A JP 27591295 A JP27591295 A JP 27591295A JP 3469372 B2 JP3469372 B2 JP 3469372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
関し、詳しくは、グリップ力及びウェット性能を維持し
ながら、耐摩耗性と低温特性に優れた、特定のゴム組成
物を用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤは、通常、路面に接触す
るゴム組成物からなるトレッド部、タイヤの内圧を保つ
ための補強部材であるカーカス及びカーカスの端部を巻
付け固定するとともに、タイヤの内寸を規定するビード
コアから構成される。
【0003】通常、高性能タイヤに用いるトレッド用ゴ
ム組成物に要求されるウェット、ドライ時の路面グリッ
プ性能を満たすために、スチレン含量の高い、即ち、ガ
ラス転移温度(以下、適宜Tgと称する)の高い重合体
が用いられている。
【0004】この高Tgの重合体は、低温時(例えば、
0℃〜−20℃)にゴム弾性が著しく低下して硬くな
り、その結果、運動性能が低下すると共に、トレッド部
にクラックが発生する虞があった。
【0005】この低温特性を改良するため、アロマオイ
ル等の通常のプロセスオイルに比較してTgが低く、粘
度の低いオクチルオレート等の脂肪酸エステルのオイル
が軟化剤として用いられている。また、近年、前記通常
のプロセスオイルに換えて低分子量の液状ポリマーをゴ
ム組成物に添加することが提案されている。例えば、特
公平3−65828号には、ゴム組成物にトランス含有
量70〜90%のトランスポリブタジエン3〜20重量
部を添加して、加工性を向上させる技術が記載されてい
る。
【0006】しかしながら、プロセスオイルや前記の軟
化剤を比較的多量に配合すると、高性能タイヤの如く高
グリップ性が要求される部位において、ゴム組成物の耐
摩耗性が著しく低下するという欠点があり、また、脂肪
酸エステルのオイルは粘度が低いため、計量作業性など
の点からハンドリングが困難で、混練り時にはスリップ
等に起因する練り作業の悪化がみられ、工業的には実用
性に劣るという問題があった。さらに、ゴム組成物にト
ランス含有量70〜90%トランスポリブタジエンを3
〜20重量部添加することにより加工性は改良されるも
のの、前記添加量の範囲においては高ヒステリシスロス
性及び耐摩耗性については、改善が見られなかった。ま
た、配合量を増加させようと試みても、トランスポリブ
タジエンはゴム組成物の基材となる共役ジエン/ビニル
芳香族炭化水素共重合体とは非相溶性であるため、同様
に本発明の目的である高グリップ性、低温特性及び耐摩
耗性の効果をバランスよく得ることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的
は、ウェット時及びドライ時のグリップ性を維持しなが
ら、耐摩耗性と低温特性に優れ、更に、ハンドリング性
が良好な材料を用いて工業的に簡単に製造することがで
きる高性能の空気入りタイヤを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、結晶性トランスポリブタジエンとプロセスオイル
とを特定の比率で含有するゴム組成物を用いたトレッド
を有するタイヤがこの優れた特性を有することを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明の請求項1に記載
の空気入りタイヤは、路面に接触するゴム組成物からな
るトレッド部と、補強部材であるカーカス及びカーカス
の端部を巻付け固定するとともに、タイヤの内寸を規定
するビードコアから構成される空気入りタイヤであっ
て、前記ゴム組成物が、ビニル芳香族炭化水素含量35
%以上の共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素共重合体を
50重量部以上含有する重合物100重量部に対して、
プロセスオイル30〜100重量部、重量平均分子量1
×10〜10×10であり、且つ、トランス含有量
91%以上である結晶性トランスポリブタジエン5〜5
0重量部、カーボンブラック40〜150重量%を配合
してなる、ことを特徴とする。
【0009】また、前記プロセスオイルの配合量は、前
記結晶性トランスポリブタジエンの配合量に対して、5
分の1を超え、且つ、2倍未満の範囲であることが好ま
しい。
【0010】さらに、前記ゴム組成物に、結晶性トラン
スポリブタジエンを5重量部以上、50重量部以下配合
してなることが好ましい。
【0011】本発明の効果が発現する詳細は明らかでは
ないが、本発明に用いられる高トランスポリブタジエン
は融点が100℃以下であって、混練り中に液状化し、
混練り後に、室温等融点以下の温度に加工した場合も、
プロセスオイルに相溶化しており、低温で再び結晶化す
ることなく、低温性軟化剤として作用すると考えられ
る。
【0012】このゴム組成物中の非結晶高トランスポリ
ブタジエンは従来の低温性軟化剤と異なり、マトリック
スポリマーである共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素共
重合体との分子のからみあい構造などの効果により、耐
摩耗性の改良と低温特性が両立すると考えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0014】本発明に用いられる結晶性トランスポリブ
タジエンは主としてトランス1,4結合を有する結晶性
ポリブタジエンを指し、そのトランス含有量は70〜1
00%であり、結晶性の観点から好ましくは91〜10
0%である。トランス含有量が70%未満であるもの
は、高ヒステリシスロス効果が不十分である。
【0015】本発明のトランス含有量の高い、即ち、高
トランスポリブタジエンは、汎用の高シスポリブタジエ
ンと同様にTgは非常に低い(−104℃、DSCによ
る)が、本発明に規定される分子量の範囲においては、
高シスポリブタジエンが液状であるのに対して、トラン
ス構造の結晶化により室温では樹脂状となる。即ち、結
晶性トランスポリブタジエンは、トランス含有量を9
%以上とすることにより、ブタジエンのトランス1,4
結合に基づく結晶化が起こり、低分子量であるにも関わ
らず粉体状である。このため、計量、配合等のハンドリ
ング性が良好であり、取扱いが極めて容易である。ト
ンス含有量が91%以上のものは、結晶性が良好であ
り、高温高湿条件下においても粉末がべとつかず、ハン
ドリング性に特に優れている。
【0016】本発明に用いられる結晶性トランスポリブ
タジエンは、例えば、特開昭55−38827号、同5
6−112913号に記載の方法、また、下記の如き触
媒を用いる、後記実施例に記載の如き製造方法によって
得ることができる。
【0017】
【化1】
【0018】ここで、B(ONiOCOR)3 と(Ph
O)3 Pとの比を調整することにより、トランス含有量
を制御することができ、NiとAlとの比、Ni含有量
及び反応温度を調整することにより、重合体の分子量を
制御することができる。
【0019】トランスブタジエンのブタジエン部分のミ
クロ構造は、赤外法(モレロ法)によって求め、トラン
ス含有量を算出することができる。
【0020】また、結晶性トランスポリブタジエンの重
量平均分子量は1×104 〜10×104 の範囲であ
り、1×104 未満であると、分子間の絡み合いが少な
くなり、耐摩耗性効果が小さくなり、10×104 を超
えるものは、本発明のゴム組成物に対する相溶性が低
く、また、共加硫することによりグリップ性が低下する
ため、何れも好ましくない。トランスポリブタジエンの
重量平均分子量(Mw)の測定は後記の如きゲルパーミ
エイションクロマトグラフィ法によって行うことができ
る。
【0021】前記結晶性トランスポリブタジエンは、ゴ
ム組成物の基材となるビニル芳香族炭化水素含量35%
以上の共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素共重合体を5
0重量部以上含有する重合物100重量部に対して、5
〜50重量部配合される。5重量部未満であると、低温
特性の改良及び耐摩耗性の効果が不十分となり、50重
量部を超えるとウェット時、ドライ時のグリップ性に劣
るため、いずれも好ましくない。効果の観点から、好ま
しくは10重量部を超え、50重量部以下である。
【0022】本発明に用いられるプロセスオイルには特
に制限はなく、通常、石油系軟化剤として汎用のオイ
ル、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、
芳香族系オイル等を使用することができる。引張強度、
耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、低温特
性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用
いられるが、中でも、本発明のゴム組成物に配合される
結晶性トランスポリブタジエンとの相溶性の観点からア
ロマオイル等の芳香族系オイルが好ましく用いられる。
プロセスオイルは、前記共役ジエン共重合体100重量
部に対して、30〜100重量部配合される。100重
量部を超えると加硫ゴムの引張強度が著しく悪化し、3
0重量部未満であると、結晶性トランスポリブタジエン
が完全に相溶せず、いずれも好ましくない。
【0023】前記結晶性トランスポリブタジエンは、単
独ではゴム組成物の基材となる共役ジエン/ビニル芳香
族炭化水素共重合体との相溶性がないため、プロセスオ
イルを併用することが必要である。即ち、本発明に係る
結晶性トランスポリブタジエンはプロセスオイルに可溶
であるため、これらを併用することによってプロセスオ
イルに溶解した結晶性トランスポリブタジエンが共役ジ
エン共重合体に相溶性を有するようになり、均一に配合
しうるとともに、優れた高ヒステリシスロス効果を発現
するものと考えられる。
【0024】プロセスオイルが結晶性トランスポリブタ
ジエンを可溶化するため、結晶性トランスポリブタジエ
ンに対して、一定量のプロセスオイルを配合することが
好ましく、好ましい範囲は下記式にて表される。
【0025】2(プロセスオイル)>トランスブタジエ
ン>1/5(プロセスオイル) 即ち、前記プロセスオイルの配合量が、前記結晶性トラ
ンスポリブタジエンの配合量に対して、5分の1を超
え、且つ、2倍未満の範囲であることが好ましい。結晶
性トランスポリブタジエンの配合量がプロセスオイル配
合量の2倍量以上であると、十分に結晶性トランスポリ
ブタジエンが可溶化されなくなり、ゴム組成物の弾性率
が上昇し、一方、結晶性トランスポリブタジエンの配合
量がプロセスオイル配合量の5分の1量以下であると、
結晶性トランスポリブタジエンの配合量が少なくなるた
め高ヒステリシスロス効果が不十分となり、いずれも好
ましくない。
【0026】本発明において、タイヤトレッド用ゴム組
成物の基材として用いられる重合物とは、ビニル芳香族
炭化水素単位及び共役ジエン単位を含む共重合体を50
重量部以上含有するものであり、このうち、共役ジエン
単位とは1分子当たり炭素原子4〜12個、好ましく
は、4〜8個を含有する共役ジエン炭化水素である。具
体的には、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、オクタジエン等が挙げられ、1,3−ブタジ
エンが好ましい。これらは単独でも2種以上混合して用
いても良い。特に耐摩耗性等に優れているブタジエンモ
ノマーを用いることが好ましい。
【0027】共役ジエンモノマーと共重合するビニル芳
香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−ブチルスチレン、ビニルナフタリン及びこれらの同
様物が包含され、特にスチレンが好ましい。
【0028】本発明に用いられる共役ジエン/ビニル芳
香族炭化水素共重合体の製造方法に特に制限はないが、
有機リチウム触媒等による溶液重合法、乳化重合法、懸
濁重合法等により、共役ジエンモノマーとビニル芳香族
炭化水素モノマーとを共重合する方法を採用することが
できる。
【0029】この共重合体としては、耐摩耗性及び耐老
化性等に優れているブタジエン/スチレン共重合体が好
ましい。ブタジエン/スチレン共重合体中のブタジエン
部のミクロ構造(シス−1,4、トランス−1,4、ビ
ニル)は特に制限されないが、通常、有機リチウム触媒
系で得られる範囲のミクロ構造を取ることができる。
【0030】また、共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
共重合体、例えばブタジエン/スチレン共重合体の組成
は、ビニル芳香族炭化水素含量35%を満たすものであ
れば特に制限されないが、通常、30/70〜65/3
5の重量比が用いられる。ビニル芳香族炭化水素含量3
5%未満では、ウエット時、ドライ時のグリップ性能が
十分に得られないため好ましくない。
【0031】また、共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素
共重合体の組成分布はランダム構造、ブロック構造又は
その中間構造を取ることができるが、通常、ランダム構
造又は中間構造が好ましい。
【0032】本発明において、ゴム組成物の基材として
用いられる重合物中に共役ジエン/ビニル芳香族炭化水
素共重合体を50重量部以上含有することが必要である
が、70重量部以上含有することが好ましく、80重量
部以上含有することが、効果の観点からさらに好まし
い。また、重合物が100%共役ジエン/ビニル芳香族
炭化水素共重合体であってもよい。
【0033】本発明のタイヤトレッド用として用いられ
るゴム組成物のゴム原料である重合物のうち、前記共役
ジエン/ビニル芳香族炭化水素共重合体とともに用いう
る重合体としては、天然ゴム及びイソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム(ハロゲン化ブチルゴムを含
む)、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム等が挙げ
られる。この併用される重合体は、50重量部未満であ
れば、本発明の効果を損なわない範囲において、いずれ
の含有量でも、また、1種のみならず2種以上を組み合
わせても使用することができる。
【0034】また、本発明のタイヤのトレッドに用いら
れるゴム組成物には、前記重合物100重量部に対し
て、カーボンブラック40〜150重量部が配合され
る。カーボンブラックは充填剤として用いられるもので
あり、これによって、諸物性の改良効果は大きくなる。
使用されるカーボンブラックとしては、FEF、SR
F、HAF、ISAF、SAF等のカーボンブラックが
挙げられ、好ましくはヨウ素吸着量(IA)が60mg
/g以上、かつ、ジブチルフタレート吸油量(DBP)
が80ml/100g以上のカーボンブラックが用いら
れる。特に、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SA
Fが好ましい。カーボンブラックの配合量は前記ゴム原
料重合物100重量部に対して40〜150重量部であ
り、40重量部未満である補強性が不十分となり、15
0重量部を超えると加工性が低下するため、いずれも好
ましくない。
【0035】また、本発明に係るゴム組成物には、前記
必須成分とともに、加硫剤、加硫促進剤等が併用され
る。加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、これらの使用
量は、ゴム原料重合物100重量部に対して0.1〜5
重量部、好ましくは1〜2重量部である。0.1重量部
未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性が低下し、5重
量部を越えるとゴム弾性が失われる。
【0036】本発明に係るゴム組成物に使用できる加硫
促進剤は、特に限定されるものではないが、好ましくは
M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベン
ゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾー
ル系加硫促進剤、TT(テトラメチルチウラムスルフィ
ド)等のチウラム系加硫促進剤、DPG(ジフェニルグ
アニジン)等のグアジニン系の加硫促進剤等を挙げるこ
とができ、その使用量は、重合物100重量部に対して
0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部であ
る。
【0037】本発明に係るゴム組成物には、これら以外
にもゴム工業で通常使用されている老化防止剤、酸化亜
鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の
添加剤を配合することもできる。
【0038】本発明に係るゴム組成物は、ロール、イン
ターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすること
によって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレ
ッド、アンダートレッド等に用いられて本発明の空気入
りタイヤを構成する。このゴム組成物は、トレッド部の
他、タイヤのカーカス、サイドウォール、ビード部分等
に、用いることもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
【0040】なお、実施例において、部及び%は特に断
らない限り、重量部及び重量%を意味する。
【0041】各種の測定は下記の方法によった。結晶性
トランスポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)の測
定はゲルパーミエイションクロマトグラフィ〔GPC;
東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−
XL(2本直列)〕により行い、示差屈折率(RI)を
用いて、単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン
換算で行った。
【0042】結晶性トランスポリブタジエンのブタジエ
ン部分のミクロ構造は、赤外法(モレロ法)によって求
め、トランス含有量を算出した。
【0043】ヒステリシスロス性の指標としてtanδ
を用いた。tanδが大きい程、高ヒステリシスロス性
であると評価する。tanδの測定は、粘弾性測定装置
(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み
5%、周波数15Hzで行った。
【0044】耐摩耗性はランボーン型摩耗試験機を用
い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し
た。耐摩耗指数は、下記比較例1の耐摩耗性を100と
して、他を指数表示した。指数が大きい程、耐摩耗性は
良好であると評価する。
【0045】低温特性(G’)は、粘弾性測定装置(レ
オメトリックス社製)を使用し、温度−20℃、歪み
0.1%、周波数15HzでG’値を測定することにより
行った。ここでG’値が高い程、ゴム組成物が固く、低
温特性が悪いと評価する。
【0046】低温脆化温度はJIS K6301に準拠
して測定した。 〔実施例1〜3〕 (結晶性トランスポリブタジエンの調整)温度計、攪拌
装置、加圧装置、注入注出口を備えたステンレス製反応
装置を窒素ガス置換し、4086gのブタジエン/ヘキ
サン ブレンド溶液(23.7重量% 1,3−ブタジ
エンモノマー)、25mlのヘキサンに溶解させた1
2.0mlのニッケルボロアシレート(以下、NiOB
と称する:0.84M/ヘキサン溶媒;1.0mMph
gm)、49mlのトリブチルアルミニウム(以下、T
IBALと称する:0.62M/ヘキサン溶媒;3.0
mMphgm)、25mlのヘキサンに溶解させた1.
32mlのトリフェニルホスファイト(以下、TPPと
称する:0.5mMphgm)、25mlのヘキサンに
溶解させた7.8mlのトリフルオロ酢酸(以下、TF
Aと称する:10.0mMphgm)を注入する。その
後、重合温度106℃で、6時間重合させ、過剰のイソ
プロパノールと老化防止剤の入った容器に移し、停止、
再沈させる。さらにろ過し、50℃で真空乾燥し、結晶
性トランスポリブタジエンを得た。触媒モル比は、Ni
OB/TIBAL/TPP/TEA=1:3:1:20
であった。ここで、phgmとはモノマー100gに対
する添加量を表す。
【0047】かくして得られた結晶性トランスポリブタ
ジエンは、トランス含有量91%、重量平均分子量3.
3×104 であった。 (ゴム組成物の調整)共役ジエン共重合体としてスチレ
ン含量40%の乳化重合スチレン/ブタジエン共重合
体、前記の如くして得たトランス含有量91%、重量平
均分子量3.3×104 の結晶性トランスポリブタジエ
ン及びプロセスオイルとして各々所定量を用いて、下記
表1及び表2に示す配合処方に従って混練し、145℃
で33分間加硫を行い、得られた加硫物の物性を評価し
た。結果を表2に示した。
【0048】基材であるスチレン/ブタジエン共重合体
に添加される配合剤は、低粘度液状のアロマオイルを除
いて、結晶性トランスポリブタジエンをはじめ全て粉体
状又はフレーク状であるため、ハンドリング性が良好で
あり、配合、混練りを簡単に行うことができた。
【0049】〔比較例4〕実施例1の結晶性トランスポ
リブタジエンの調整において、下記触媒の添加量をそれ
ぞれ、NiOB 1.0mMphgm、TIBAL
3.0mMphgmとし、重合温度を41℃、重合時間
を24時間に変更した他は実施例1と同様にして合成を
行った。触媒モル比は、NiOB/TIBAL/TPP
/TEA=1:3:0.5:10であった。得られた結
晶性トランスポリブタジエンはトランス含有量91%、
重量平均分子量14.5×104 であった。これを比較
例4に用いた。
【0050】下記表1及び表3に示す配合処方に従っ
て、結晶性トランスポリブタジエンを用いず、軟化剤と
してオクチルオレートを添加した比較例1〜3、前記の
如くして得た重量平均分子量が14.5×104 と本発
明の範囲外である結晶性トランスポリブタジエンを用い
た比較例4、結晶性トランスポリブタジエン及び軟化剤
のいずれも用いない比較例5を配合し、実施例1と同様
に加硫し、得られた加硫物の物性を評価した。結果を表
3に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】上記表2及び表3から明らかな如く、本発
明の実施例1〜3のタイヤトレッド用ゴム組成物はいず
れも高いヒステリシスロス効果を示し、耐摩耗性にも優
れていた。このことから得られるタイヤは高いグリップ
性及び低い低温脆化温度を維持したまま、耐摩耗性が改
良され、実用的に優れていることがわかる。
【0055】一方、結晶性トランスポリブタジエンを含
有せず、公知の低温軟化剤を用いた比較例1〜3は、高
ヒステリシスロス効果はある程度発現するものの、軟化
剤の含有量を上げて低温脆化温度を改良するに従って耐
摩耗性が低下することがわかった。また、本発明の範囲
外である高分子量の結晶性トランスポリブタジエンを配
合した比較例4は、耐摩耗性は十分であるが高ヒステリ
シスロス効果が得られず、グリップ力が不充分であっ
た。さらに、結晶性トランスポリブタジエン及び軟化剤
のいずれも含有しない比較例5は、低温特性に劣ること
がわかった。
【0056】このように、本発明の空気入りタイヤは、
そのトレッド部に用いるゴム組成物を簡単に製造するこ
とができるため、工業的な生産に適しており、該ゴム組
成物は高ヒステリシスロス効果及び耐摩耗性に優れてい
るため、得られた空気入りタイヤは、ドライ時、ウェッ
ト時の高い路面グリップ力、低温特性及び優れた耐久性
を実現することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは前記構成とし
たため、ウェット時及びドライ時のグリップ性を維持し
ながら、耐摩耗性と低温特性に優れ、更に、ハンドリン
グ性が良好な材料を用いて工業的に簡単に製造すること
ができるという効果を示した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面に接触するゴム組成物からなるトレ
    ッド部と、補強部材であるカーカス及びカーカスの端部
    を巻付け固定するとともに、タイヤの内寸を規定するビ
    ードコアから構成される空気入りタイヤであって、 前記ゴム組成物が、ビニル芳香族炭化水素含量35%以
    上の共役ジエン/ビニル芳香族炭化水素共重合体を50
    重量部以上含有する重合物100重量部に対して、 プロセスオイル30〜100重量部、重量平均分子量1
    ×10〜10×10であり、且つ、トランス含有量
    91%以上である結晶性トランスポリブタジエン5〜5
    0重量部、カーボンブラック40〜150重量%を配合
    してなる、 ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記プロセスオイルの配合量が、前記結
    晶性トランスポリブタジエンの配合量に対して、5分の
    1を超え、且つ、2倍未満の範囲であることを特徴とす
    る請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記ゴム組成物に、前記結晶性トランス
    ポリブタジエンを5重量部以上、50重量部以下配合し
    てなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
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