JP3468923B2 - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置及びその製造方法

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JP3468923B2
JP3468923B2 JP19481095A JP19481095A JP3468923B2 JP 3468923 B2 JP3468923 B2 JP 3468923B2 JP 19481095 A JP19481095 A JP 19481095A JP 19481095 A JP19481095 A JP 19481095A JP 3468923 B2 JP3468923 B2 JP 3468923B2
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清治 田沼
貴 笹林
剛宗 間山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置及び
その製造方法に関し、更に詳しくいえば、TN(Twiste
d Nematic)型の液晶表示装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】TN型液晶表示パネルは現在、各分野で
応用されている。特に、能動素子によって各画素の電位
を制御する能動素子型液晶表示パネルは、CRT(catho
de raytube)並の表示特性が得られるため液晶テレビ
や、パソコンなどへの応用が盛んである。
【0003】また、液晶表示パネルの低消費電力という
特徴を利用し、ノート型パソコンなどの携帯用機器に利
用されることも多い。携帯用機器では、携行時間を延ば
すために、液晶表示パネルを駆動する電池の消費電力を
さらに低減することが検討されている。その消費電力の
低減手段の1つは、液晶表示パネルの駆動電圧を低くす
ることである。
【0004】次に、従来の能動素子型液晶表示パネルの
画素とその周辺の構造について図1(a),(b) を参照しな
がら説明する。図1(a) は、液晶パネルの画素とバスラ
インの配置を示す平面図、図1(b) は、同図(a) のI−
I線断面図である。図1(a),(b) において、第一の透明
基板11の第1面の上には、Crのような金属からなる
走査バスライン14が間隔をおいて複数本配置され、ま
た、走査バスライン14の上には絶縁膜(不図示)を介
してデータバスライン19が間隔をおいて複数本配置さ
れている。走査バスライン14とデータバスライン19
は直交する方向にそれぞれ延在している。
【0005】走査バスライン14とデータバスライン1
9により囲まれる領域の第一の透明基板11の上には画
素電極13が形成されている。画素電極13は、能動素
子20を介してデータバスライン19に接続され、ま
た、能動素子20は走査バスライン14に印加される電
圧によって駆動される。能動素子としてはTFT、MI
Mなどがある。
【0006】走査バスライン14、データバスライン1
9、能動素子20及び画素電極13はそれぞれ第一の配
向膜15Aに覆われている。第二の透明基板12の第1
面の上には、透明電極16、第二の配向膜15Bが順に
形成されている。また、第一の透明基板11と第二の透
明基板12は、それぞれの第一及び第二の配向膜15
A,15Bが向き合う状態で互いに配置され、第一の配
向膜15Aと第二の配向膜15Bの間には液晶17が封
入されている。また、第一の透明基板11と第二の透明
基板12のそれぞれの第2面には、偏光板18A,18
Bが形成されている。
【0007】このような液晶表示パネルの低電圧化を実
現するための検討が盛んに行われているが、その内容と
しては液晶材料の改善や液晶分子のカイラルピッチの長
大化などが主に検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような技
術の改善とともに、さらに別な技術の改善を行ってより
一層の液晶表示装置の低電圧駆動化を図る必要がある。
本発明は、より低電圧で駆動できる液晶表示装置及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図1、
図6に例示するように、第一の基板11と第二の基板1
2の間に形成される走査配線14とデータ配線19が絶
縁状態で交差する交差領域又は該交差領域の近傍に位置
する画素領域13Aと、前記第一の基板11と前記第二
の基板12のそれぞれの対向面側に形成される第一の配
向膜15A及び第二の配向膜15Bと、前記第一の配向
膜15Aと前記第二の配向膜15Bの間に封入される液
晶17を有する液晶表示装置において、前記第一の配向
膜15Aと前記第二の配向膜15Bの少なくとも一方で
は、前記画素領域13A中央の液晶アンカリングエネル
ギーよりも前記画素領域13A周囲の液晶アンカリング
エネルギーの方が大きいことを特徴とする液晶表示装置
によって解決する。
【0010】上記液晶表示装置において、前記走査配線
14及び前記データ配線19の前記交差領域の近傍の前
記画素領域には画素電極13が形成され、前記走査配線
14に印加される信号によって該画素電極13と前記デ
ータ配線19を選択的に導通させる能動素子20が前記
第一の基板11の上に形成されていることを特徴とす
る。
【0011】上記した課題は、図1、図6に例示するよ
うに、第一の基板11と、前記第一の基板11の上で間
隔をおいて複数配列された走査配線14と、前記第一の
基板14の上で、前記走査配線14と絶縁状態で交差し
且つ間隔をおいて複数配列されたデータ配線19と、前
記第一の基板11の上で、複数の前記走査配線14と複
数の前記データ配線19に囲まれた複数の画素領域13
Aの各々に形成された画素電極13と、前記第一の基板
11上に形成され、前記走査配線14に印加される信号
によって前記画素電極13と前記データ配線19を選択
的に導通させる能動素子20と、前記第一の基板11、
前記画素電極13、前記走査配線14及び前記データ配
線19を覆い、且つ前記画素電極13中央の上方の領域
の液晶アンカリングエネルギーよりも前記画素電極13
周囲の液晶アンカリングエネルギーが大きな第一の配向
膜15Aと、前記第一の基板11に対向して配置される
第二の基板12と、前記第二の基板12のうち前記第一
の基板11側に向かい合う面に形成される対向電極16
と、前記対向電極16を覆う第二の配向膜15Bと、前
記第二の配向膜15Bと前記第一の配向膜15Aの間に
封入される液晶17とを有することを特徴とする液晶表
示装置により解決する。
【0012】上記2つの液晶表示装置において、前記画
素領域13Aにある前記第一の配向膜15Aの表面にお
いて、前記画素領域13Aの中央領域よりも前記走査配
線14寄りの領域の方が液晶アンカリングエネルギーが
大きいことを特徴とする。上記2つの液晶表示装置にお
いて、前記画素領域13Aにある前記第一の配向膜15
Aの表面において、前記画素領域13A中央の液晶アン
カリングエネルギーよりも前記画素領域13A周囲の液
晶アンカリングエネルギーの方が大きいことを特徴とす
る。
【0013】上記2つの液晶表示装置において、前記第
二の配向膜15Bの表面において、前記画素領域13A
中央の液晶アンカリングエネルギーよりも前記画素領域
13A周囲の液晶アンカリングエネルギーの方が大きい
ことを特徴とする。上記2つの液晶表示装置において、
前記第二の配向膜15Bの全面の液晶アンカリングエネ
ルギーは、前記画素領域13A中央にある前記第一の配
向膜15Aの表面の液晶アンカリングエネルギーよりも
小さいことを特徴とする。
【0014】上記2つの液晶表示装置において、前記画
素領域13Aの周囲にある前記第一又は第二の配向膜1
5A,15B表面の液晶17のプレチルト角は10度以
上であることを特徴とする。上記課題は、図2、図6、
図7に例示するように、第1の基板11側に形成された
第一の配向膜15Aをラビングする工程と、前記第一の
配向膜15Aに対向し且つ第2の基板12側に形成され
た第二の配向膜15Bをラビングする工程と、ラビング
された前記第一の配向膜15Aと前記第二の配向膜15
Bの間に液晶17を封入する工程を含む液晶表示装置の
製造方法において、ラビング布21aに対する前記第一
又は第二の基板11,12の移動方向と、該ラビング布
21aによる前記第一又は第二の配向膜15A,15B
のラビングの方向とが相対的に逆方向となる成分を有す
る逆方向ラビングを、画素領域13Aの少なくとも中央
にある前記第一又は第二の配向膜15A,15Bの表面
に施す工程と、前記ラビング布21aに対する前記第一
又は第二の基板11,12の移動方向と、前記ラビング
布21aによる前記第一又は第二の配向膜15A,15
Bのラビングの方向とが相対的に同方向となる成分を有
する同方向ラビングを、前記画素領域13Aの周囲にあ
る前記第一又は第二の配向膜15A,15Bの表面に施
す工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造
方法により解決する。
【0015】上記液晶表示装置の製造方法において、前
記画素領域13Aの周縁領域にある前記第一又は第二の
配向膜15A,15Bの表面に前記同方向ラビングを施
すことを特徴とする。上記液晶表示装置の製造方法にお
いて、前記画素領域13Aのうち前記走査配線14に近
い領域にある前記第一又は第二の配向膜15A,15B
の表面に前記同方向ラビングを施すことを特徴とする。
【0016】上記液晶表示装置の製造方法において、前
記同方向ラビングと前記逆方向ラビングとでは、前記ラ
ビング布21aの押し込み量、ラビングの回数、前記第
一又は第二の基板11,12の前記ラビング布21aに
対する移動速度、前記ラビング布21aが巻かれている
ラビングロール21の回転数の条件のうちいずれかの条
件が異なっている工程を有することを特徴とする。
【0017】上記した課題は、図9、図10に例示する
ように、第1の基板11側に形成された第一の配向膜2
5Aをラビングする工程と、前記第一の配向膜25Aに
対向させて第2の基板12上に形成された第二の配向膜
25Bをラビングする工程と、ラビングされた前記第一
の配向膜25Aと前記第二の配向膜25Bの間に液晶1
7を封入する工程を含む液晶表示装置の製造方法におい
て、第一の基板11と第二の基板12の間に形成される
走査配線14とデータ配線19が絶縁状態で交差する交
差領域又は該交差領域の近傍に位置する画素領域13A
にある前記第一又は第二の配向膜25A,25Bの表面
にはラビング処理を施さず、該画素領域13Aの周囲の
前記第一又は第二の配向膜25A,25Bの表面にはラ
ビング処理を施すことを特徴とする液晶表示装置の製造
方法によって解決する。
【0018】上記液晶表示装置の製造方法において、前
記画素領域13Aにある前記第一又は第二の配向膜25
A,25Bの表面に電磁波を照射することにより、該電
磁波が照射された第一又は第二の配向膜25A,25B
の表面で前記液晶17の分子を一軸方向に配向させる工
程を有することを特徴とする。前記電磁波は、偏光板2
8を通過させた紫外線である。
【0019】上記液晶表示装置の製造方法において、前
記第一又は第二の配向膜25A,25Bへの前記ラビン
グ処理は、前記第一又は第二の配向膜25A,25Bの
全面に前記電磁波を照射した後に行われることを特徴と
する。上記液晶表示装置の製造方法において、図12
(b) に例示するように、LB膜を前記第一又は第二の基
板11,12側にバスラインを介して張りつけることに
よって前記第一又は第二の配向膜25A,25Bを形成
する工程を有することを特徴とする。
【0020】上記液晶表示装置の製造方法において、図
12(a) に例示するように、前記画素領域13Aにある
前記第一又は第二の配向膜25A,25Bの表面に複数
の溝25Cを形成することにより、該溝25Cの延在方
向に前記液晶17の分子を配向させる工程を有すること
を特徴とする。上記液晶表示装置の製造方法において、
前記第二の配向膜25Bの全面にはラビング処理がなさ
れることを特徴とする。
【0021】上記液晶表示装置の製造方法において、前
記第一の基板11の前記画素領域13Aには画素電極1
3が形成されていることを特徴とする。次に、上記した
発明の作用について説明する。本発明の液晶表示装置で
は、配向膜のうち画素領域には低い液晶アンカリングエ
ネルギーを付与し、またその配向膜のうち画素領域の周
辺には高い液晶アンカリングエネルギーを付与した。こ
れにより、画素領域での液晶分子の変化が容易になるの
で、液晶表示装置の低駆動電圧化が可能になる。また、
画素領域の周辺では液晶分子が変化しにくくなるので、
画素領域の周囲に生じる電界によって液晶分子が大きく
変化することはなくなり、画素領域・走査配線間や画素
領域・データ配線間に生じる横方向の電界による画素の
欠陥が防止される。
【0022】なお、画素領域内の配向膜であっても、そ
の周縁部分がそのような電界の影響を受けやすい場合に
は、その周縁部分のアンカリングエネルギーを大きくす
ると、画素の欠陥が確実に防止される。1つの配向膜に
おいて、低アンカリングエネルギーの領域と高アンカリ
ングエネルギーの領域を形成する方法を以下に説明す
る。
【0023】配向膜材料やラビング処理条件により液晶
の飽和電圧が変化することは経験的によく知られてい
る。このうち、配向膜材料は電圧保持率など、駆動電圧
以外の特性から限定されてしまう面が大きいため、本発
明者らはラビング条件による飽和電圧の変化について注
目し、ラビング条件による飽和電圧の変化を詳細に調査
した。
【0024】その結果、ラビング条件として従来から知
られた、ラビング布の押し込み量、ラビング回数、基板
移動速度、ラビング布が巻かれたラビングロール回転数
のほかに、ラビング布に対する配向膜の相対的な移動方
向を変えることによって液晶表示パネルの光透過量と駆
動電極の関係が変化することがわかった。すなわち、逆
方向ラビングが施された配向膜のアンカリングエネルギ
ーは低くなり、また、同方向ラビングが施された配向膜
のアンカリングエネルギーは高くなることが、実験的に
確かめられた。ここで、逆方向ラビングは、ラビング布
に対する配向膜の移動方向と、ラビング布による配向膜
のラビングの方向とが相対的に逆となる成分を有するこ
とである。同方向ラビングは、ラビング布に対する配向
膜の移動方向と、ラビング布による配向膜のラビングの
方向とが相対的に同じになる成分を有することである。
配向膜の移動は、配向膜が形成される基板を移動するこ
とによって行う。
【0025】逆方向ラビングを画素領域の配向膜に施す
ことによりその領域のアンカリングエネルギーが小さく
なり、印加電圧に対する液晶分子の立ち上がる角度の変
化が大きくなるので、従来に比らべて小さな印加電圧で
液晶表示パネルを駆動することが可能になる。しかし、
配向膜の全面を逆方向ラビングにより配向処理すると、
複数の画素領域の周囲に形成される配線の電位の影響を
受けやすいので、液晶分子の立ち上がる向きが正常領域
と異なるような異常領域が発生してしまう。このため、
画素領域以外の領域の配向膜の少なくとも一部には同方
向ラビングを施し、これにより非画素部のアンカリング
エネルギーを大きくして異常領域の発生を抑制すること
が可能になる。
【0026】また、能動素子型の液晶表示装置におい
て、パネルの開口率を稼ぐために画素と、能動素子のバ
スラインの間隔を例えば10μm以下に狭くした場合に
は、画素領域の周縁近傍で液晶分子の立ち上がり方向に
異常が発生しやすい。この異常の発生を防ぐためには、
配向膜のうち画素領域の周辺部、特に配線の近傍にも同
方向ラビングを施してアンカリングエネルギーを大きく
することが有効である。なお、能動素子型の液晶表示装
置では、画素領域に画素電極が形成される。
【0027】さらに、能動素子型液晶表示パネルでは、
バスラインがない基板側に形成された配向膜に近い液晶
分子がバスラインからの電界による影響を受けにくいの
で、その配向膜の全面に逆方向ラビングを施しても画素
の異常は発生しない。このようなラビング方法を変える
こと以外に、アンカリングエネルギーを小さくする方法
として、配向膜にラビングは施さずに、溝を形成する方
法、配向膜に電磁波を照射する方法、配向膜としてLB
膜を使用する方法がある。
【0028】そこで、配向膜のうち画素領域に、溝を形
成するか、電磁波を照射するか、或いは配向膜としてL
B膜を使用すればよい。また、画素領域の周囲の配向膜
のアンカリグエネルギーを高くするために、画素領域の
周囲の配向膜に通常のラビングを行う必要がある。これ
により、液晶表示パネルの低駆動電圧化が図れ、しかも
画素の欠陥の発生を防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の形態を図
面に基づいて説明する。 (第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態に係る
液晶表示パネルは、配向膜を除いては従来のものと構造
上の相違は無いので、配向膜と配向処理を中心にして説
明する。
【0030】その液晶表示パネルの構造は、図1(a),
(b) に示すように、第一の透明基板11の第一面の上に
はCrのような金属からなる走査バスライン(走査配
線)14が間隔をおいて複数本配置され、また、走査バ
スライン14の上には絶縁膜(不図示)を介してデータ
バスライン(データ配線)19が間隔をおいて複数本配
置されている。走査バスライン14とデータバスライン
19は直交する方向にそれぞれ延在している。
【0031】走査バスライン14とデータバスライン1
9により囲まれる領域の第一の透明基板11の上には画
素電極13が形成されている。画素電極13は、能動素
子20を介してデータバスライン19に接続され、ま
た、能動素子20は走査バスライン14に印加される電
圧によって駆動される。画素電極13はマトリクス状に
複数配置されている。
【0032】能動素子20としてはTFT(薄膜トラン
ジスタ)、MIM(Metal InsulatorMetal) ダイオード
などがある。TFTを使用する場合に、走査バスライン
14はゲートバスラインと呼ばれ、データバスライン1
9はドレインバスラインと呼ばれることもある。第一の
透明基板11上の走査バスライン14、データバスライ
ン19、能動素子20及び画素電極13は、第一の配向
膜15Aによって覆われている。第一の配向膜15Aの
表面には、図2(a) 〜(d) に示すようなラビングロール
21を用いて配向処理が施される。ラビングロール21
は、その表面に貼り付けられたレーヨン製又は絹製のラ
ビング布21aによって配向膜15Aをラビングするた
めのものである。配向膜のラビングは、液晶分子を一軸
方向に配向させるために配向膜を擦ることである。
【0033】第二の透明基板12の第一面の上には透明
導電膜よりなる対向電極16、第二の配向膜15Bが順
に形成され、第二の配向膜15Bの表面はラビングロー
ル21aを用いて配向処理が施される。また、第二の配
向膜15Bと第二の透明基板12の間にカラーフィルタ
ーを形成してもよい。また、第一の透明基板11と第二
の透明基板12は、それぞれの第一及び第二の配向膜1
5A,15Bが向き合う状態で互いに配置され、第一の
配向膜15Aと第二の配向膜15Bの間には液晶17が
封入されている。また、第一の透明基板11と第二の透
明基板12のそれぞれの第二面には、偏光板18A,1
8Bが形成されている。
【0034】なお、第一の透明基板11の上方に第一の
配向膜15Aを形成し、第二の透明基板12の上方に第
二の配向膜15Bを形成し、それらの配向膜15A,1
5Bの表面を配向処理した後に、第一及び第二の配向膜
15A,15Bを対向させてその間に液晶を封入する。
ところで、第一の配向膜15Aと第二の配向膜15Bを
ラビングする際に、従来にないラビング方法を施すこと
により、液晶表示装置の低電圧駆動が可能になることが
確かめられた。
【0035】以下に、配向処理の詳細について説明す
る。配向のためのラビングは、図2(a) 〜図2(d) に示
すような方向になされる。図2(a) 〜2(d) において、
符号11は表面に第一の配向膜15Aが形成された第一
の透明基板(ガラス基板)、22は第一の透明基板11
を載置するステージであり、21は表面にレーヨンより
なるラビング布21aが貼付されたラビングロールであ
る。
【0036】ラビングロール21は、例えば15cm程度
の直径を有し、また、ステージ22の移動速度は数十mm
/秒程度である。ステージ22の移動速度は、第一の透
明基板11の移動速度でもある。なお、ラビングロール
21を移動する場合には、その移動速度は数十mm/秒程
度とする。ラビング工程の際には、駆動機構(不図示)
によってラビングロール21が数百rpmで高速回転さ
れ、ラビング布21aによって第一及び第二の配向膜1
5A,15Bの表面をラビングする。このラビングの方
法には以下のように2通りある。
【0037】第1のラビング方法は、図2(a),(b) に示
すように、ラビングロール21をステージ22に沿って
移動させず、ラビングロール21の下でステージ22だ
けを移動させて第一の配向膜15Aの表面をラビングす
る方法である。第一の透明基板11及びその上の配向膜
15Aの移動方向はステージ22の移動方向と同じであ
る。
【0038】図2(a) でのラビングロール21の回転方
向RDは、配向膜15A表面でのラビングロールのラビ
ングする方向SRと第一の透明基板11の移動方向DD
が同じになるように設定される。このように、ラビング
ロール21によるラビング方向とステージ22の移動方
向とが同じ場合を、以下に「同方向ラビング」と称す
る。
【0039】図2(b) でのラビングロール21の回転方
向RDは、配向膜15A表面をラビングする方向SRが
第一の透明基板11の移動方向DDと逆方向になるよう
に設定される。このように、ラビングロール21による
ラビング方向とステージ22の移動方向とが逆の場合
を、以下に「逆方向ラビング」と称する。
【0040】第2のラビング方法は、図2(c),(d) に示
すように、ステージ22を移動させずに、ラビングロー
ル21を配向膜15Aの表面に沿って回転させ且つ移動
させる方法である。図2(c) でのラビングロール21の
回転方向RDは、ラビングロール21の移動方向HDと
配向膜15Aのラビング方向SRとが逆になるように設
定される。この場合のラビング状態を「同方向ラビン
グ」と称する。なぜならば、ラビングロール21とステ
ージ22の相対的な移動関係は図2(a) と同じだから。
【0041】図2(d) でのラビングロール21の回転方
向RDは、ラビングロール21の移動方向HDと配向膜
15Aのラビング方向SRとが同じなるように設定され
る。この場合のラビング状態を「逆方向ラビング」と称
する。なぜならば、ラビングロール21とステージ22
の相対的な移動関係は、図2(b) と同じだから。ところ
で、図2(a) 〜2(d) においては、ラビングロール21
とステージ22の相対的な移動方向は、ラビングロール
21の回転軸に直交する方向となっている。
【0042】しかし、図3(a) と図3(b) に示すよう
に、ラビングロール21とステージ22の相対的な移動
方向が、ラビングロール21の回転軸に直交しないよう
な場合でも、「同方向ラビング」と「逆方向ラビング」
を判断する。即ち、図3(a) に示すように、ラビングロ
ール21の回転によるラビング方向SRがステージ22
の移動方向と同じ成分を含んでいる場合には、そのラビ
ング処理を「同方向ラビング」と称する。また、図3
(b) に示すように、ラビングロール21の回転によるラ
ビング方向SRがステージ22の移動方向と逆の成分を
含んでいる場合には、そのラビング処理を「逆方向ラビ
ング」と称する。
【0043】ところで、本願の発明者らは、同方向ラビ
ングを施した第一の配向膜15Aを有する第一の液晶パ
ネルと逆方向ラビングを施した第一の配向膜15Aを有
する第二の液晶パネルについて、それぞれ対向電極・画
素電極間の電圧と光透過率の関係を調べた。この結果、
「同方向ラビング」と「逆方向ラビング」では、光透過
率が飽和する電圧(以下、飽和電圧という)が異なるこ
とが発見された。
【0044】そこで以下に、同方向ラビングの飽和電圧
と逆方向ラビングの飽和電圧の違いについての実験結果
を示す。飽和電圧Vsat は、ノーマリホワイト表示にお
いて、電圧零の場合の透過率を100%としたときに透
過率が1%となる電圧で定義している。まず、第一の液
晶表示パネルと第二の液晶表示パネルの各々について、
ラビング回数と、飽和電圧Vsat との関係を実験により
調べたところ図4に示す結果が得られた。
【0045】なお、配向膜15A,15Bの材料とし
て、日本合成ゴム社製の商品名AL1054のポリイミドを
用いた。また、それらの第一及び第二の液晶表示パネル
は、本質的構造が図1に示す装置と同じである。また、
封入した液晶17は、末端の極性基としてフッ素(F)
を含み、長軸方向の誘電率ε1 が12.5、短軸方向の
誘電率ε2 が3.8の材料を使用した。
【0046】図4によれば、同方向ラビングが施された
配向膜を有する第一の液晶表示パネルの飽和電圧Vsat
は平均して約3.1Vであった。これに対して、逆方向
ラビングが施された配向膜を有する液晶表示パネルの飽
和電圧Vsat は平均して約2.7Vとなり、第一の液晶
表示パネルよりも約0.4V小さくなった。このよう
に、逆方向ラビングを施した方が、同方向ラビングを施
した場合に比べて飽和電圧が低下することが確かめられ
た。
【0047】次に、本発明者らは、その原因が、電圧無
印加時の配向膜表面の液晶分子の傾角度、いわゆるプレ
チルト角の変化にあると考えて調査した。しかし、プレ
チルト角の大きさとラビング方向に有意義な差は見られ
なかった。そこで、ラビング方向の相違によるアンカリ
ングエネルギー(極角方向)を調査したところ、逆方向
ラビングで 〜10-4J/m2 、同方向ラビングで 〜
10-3J/m2 となってアンカエネルギーに約1桁の違
いがあることがわかった。アンカリングエネルギーの測
定は、H. Yokoyama et al., J. Appl. Phys. 61, (198
7) 4501に記載の方法を参考にして行った。
【0048】これにより、同方向ラビングの場合には、
アンカリングエネルギーが大きいために電圧印加時に配
向膜表面に近い液晶分子の立ち上がりが緩慢であり、そ
のために飽和電圧が高くなるためであると推察される。
次に、1つの配向膜に同方向ラビングと逆方向ラビング
を交互に複数回施す場合には、どちらのラビングの影響
を受けるかを調査したところ図5のような結果が得られ
た。
【0049】図5では、逆方向ラビングから始めて、
逆、同、逆、同…とラビングした場合の飽和電圧Vsat
の変化を示している。図5において、奇数回目のラビン
グは逆方向ラビングであり、偶数回のラビングは同方向
ラビングとなる。
【0050】図4と図5を比較すると、奇数回目の逆方
向ラビングでは、図4の逆方向ラビングとほぼ同じ飽和
電圧値が得られ、また、偶数回目の同方向ラビングでは
図4の同方向ラビングとほぼ同じ飽和電圧値が得られ
た。従って、一番最後に施すラビングが同方向ラビング
か逆方向ラビングかによって飽和電圧が決定されること
が分かる。
【0051】そこで、本発明では、配向膜に施されたラ
ビングが同方向ラビングか逆方向ラビングかの判断は、
最後のラビング処理だけを対象にする。以上のことか
ら、液晶表示パネルの低電圧駆動を実現するためには、
液晶材料の改善の他に、逆方向ラビングを施して配向膜
のアンカリングエネルギーを小さくすることが有効であ
る、ということがわかる。
【0052】しかし、逆方向ラビングを配向膜の全面に
施したところ、液晶パネルの画素の周縁の近傍の液晶分
子の配列が乱れるという事態が生じることもある。例え
ば、能動素子型液晶表示パネルの場合には、画素電極1
3の間に形成される走査バスライン14に負の大きな電
圧が印加されているので、走査バスライン14と画素電
極13の間に電位差が生じて配向膜15Aの面に平行な
成分のある電界Eが発生する(図1(b) 参照)。
【0053】その電界の発生によって液晶分子のプレチ
ルト角が大きくなり過ぎたり又は小さくり過ぎてしまう
特異な領域が走査バスライン周囲に局部的に発生する。
その異常領域では飽和電圧Vsat が他の領域と異なるの
で、画像が乱れて低駆動電圧化の障害となる。このよう
な不都合を解消するためには、図6の示すように、画素
領域13Aにある配向膜15Aには逆方向ラビングを施
し、さらに、画素領域13A以外の領域の配向膜15A
には同方向ラビングを施せばよい。図6において、斜線
で示された画素領域13Aで逆方向ラビングが施されて
いる。
【0054】なお、画素領域13Aは、画素電極13が
形成される領域と、画素電極13に対向する領域の双方
をさす。これにより、画素電極13上方の配向膜15A
のアンカリングエネルギーを小さくし、その他の領域で
は配向膜15Aのアンカリングエネルギーを大きくする
ことになり、異常画素領域の発生を防ぐことができる。
【0055】即ち、バスライン14,19の近傍で且つ
画素領域13Aを除く領域での配向膜15A,15Bの
アンカリングエネルギーを大きくすることにより、バス
ライン14,19近傍の液晶分子が電界Eによる影響を
受けにくくなり、この領域での液晶分子の配向が乱れに
くくなる。なお、能動素子を搭載していない第二の透明
基板12の上の配向膜15Bは、上記した電界Eによる
影響は小さいので、その配向膜15Bの全面に逆方向ラ
ビングを施してもよいし、画素電極13に対向する部分
だけに逆方向ラビングを施してもよい。
【0056】以上のように、1層の配向膜15A,15
Bに逆方向ラビングと同方向ラビングを混在させる方法
としては、図7(a),(b) に示すようにレジストパターン
を用いて行う。即ち、図7(a) に示すように、画素電極
13直上にある配向膜15Aを第1のレジストマスク2
3で覆った状態で、レジストマスク23に覆われない領
域の配向膜15Aに同方向ラビングを施す。そして、第
1のレジストマスク23を剥離した後に、図7(b) に示
すように、画素電極13直上に窓24Aを有する第2の
レジストマスク24を配向膜15A上に形成した状態
で、窓24Aを通して配向膜15Aに逆方向ラビングを
施し、ついで、第2のレジストマスク24を剥離する。
これにより、1層の配向膜15Aの表面に逆方向ラビン
グ領域と同方向ラビング領域が形成される。
【0057】次に、上述した技術を利用して作製した液
晶表示パネルについてさらに具体的に説明する。第1例 図1(a) 及び図6に示すように縦横に600×400の
画素数で画素電極13を複数配置した第1の透明基板1
1を使用し、図1(b) に示すような断面構造を有するノ
ーマリーホワイトモードの液晶表示パネルを作製した。
能動素子としてTFTを用いている。
【0058】画素電極13の大きさを約150×150
μm2 とし、画素電極13と走査バスライン14又はデ
ータバスライン19との間隔を約10μmとした。液晶
17の材料は、上記した末端にFを有する液晶Aを使用
し、第一及び第二の配向膜15A,15Bを構成するポ
リイミドとして、日本合成ゴム社製の商品名AL3046を使
用した。第一及び第二の配向膜15A,15Bは、第一
及び第二の透明基板11,12上でそれぞれスピンコー
テングにより形成される。
【0059】TFTが形成されている第1の透明基板1
1側の第一の配向膜15A のラビングは、次のように
行う。ラビングは、図2(a),(b) に示すような方法で行
う。外周面がレーヨン布21aで覆われたラビングロー
ル21を使用する。ラビングの条件として、レーヨン布
21aの押し込み量を0.3mm、ラビングの回数を5
回、基板の移動速度を350mm/秒、ラビングロールの
回転数を300rpmに設定する。この場合、図7(a),
(b) に示す方法を採用して、画素領域13Aには逆方向
ラビングを5回施し、それ以外の領域には同方向ラビン
グを5回施した。TFTを搭載しない第2の透明基板側
12側の第二の配向膜15Bにおいて、画素電極13に
対向する領域には逆方向ラビングを5回施し、その他の
領域には同方向ラビングを5回施した。
【0060】この第1例の液晶表示パネルの液晶の飽和
電圧Vsat を調べるとともに、液晶分子の立ち上がり方
向に異常が存在する画素の欠陥率Rを調べたところ表1
に示すような結果が得られた。なお、飽和電圧Vsat
は、ノーマリーホワイトモードの液晶表示パネルで画素
電極・対向電極間の電圧が0Vの状態での透過率を10
0%とした場合に、透過率が1%となる電圧である。ま
た、画素の欠陥率Rは、画素500個のうち異常領域が
発生している画素数で評価した。
【0061】次に、全面に同方向ラビングが施された配
向膜を有する第一の液晶表示パネル(不図示)と、全面
に逆方向ラビングが施された配向膜を有する第二の液晶
表示パネル(不図示)を作製し、それぞれについて液晶
の飽和電圧Vsat と画素の欠陥率Rを調べたところ、表
1に示すような結果が得られた。なお、表1において、
第一の液晶表示パネルを比較資料1として示し、第二の
液晶表示パネルを比較資料2として示した。これらの液
晶表示パネルは双方とも、配向膜のラビング方向を除い
て、図6に示す第1例の液晶表示パネルと同じ条件、構
造で形成されている。
【0062】
【表1】
【0063】表1から明らかなように、第一の液晶表示
パネル(比較資料1)によれば、画素の欠陥率Rは零で
あるが飽和電圧Vsat は低くならず、また、第二の液晶
表示パネル(比較資料2)によれば、飽和電圧Vsat は
低くなるが画素の欠陥率Rが高いことがわかった。これ
に対して、図6に示す構造を有する第1例の液晶表示パ
ネルによれば、画素の欠陥率Rは零で、飽和電圧Vsat
が低くなることがわかり、逆方向ラビングの長所である
飽和電圧の低電圧化と同方向ラビングの長所である配向
安定性とが同時に実現されていることが分かる。
【0064】第2例 第1例で説明したTFT駆動の液晶表示パネルにおい
て、画素とバスラインの間隔を5μmと狭くしたとこ
ろ、画素の欠陥率Rが約250となった。そこで、この
例では図8(a) のように、配向膜15Aのうち画素電極
13の周囲の領域だけではなく、画素領域13の周縁か
ら内方に10μm程度入り込んだ枠状領域13Bにも同
方向ラビングを施し、その枠状領域13Bに囲まれた斜
線の領域13Cの配向膜15Aにのみ逆方向ラビングを
施したところ、画素の欠陥率Rが零になった。このとき
の飽和電圧Vsat は2.80Vであった。
【0065】これは、画素電極13直上の配向膜15A
において、走査バスライン14又はデータバスライン1
9に近い部分のアンカリングエネルギーを大きくする
と、バスライン14,19からの電界による液晶分子の
プレチルト角の変化が生じにくくなり、液晶分子の配向
が乱れにくくなるためである。なお、この第2の例で
は、TFTが形成されない第二の透明基板12側の第二
の配向膜15Bにおいても、画素電極13に対向する領
域に施すべき逆方向ラビングの面積を狭くした。
【0066】第3例 第1例で説明した液晶表示パネルにおいて、画素電極1
3とバスライン14,19の間隔を8μmと狭くしたと
ころ、画素の欠陥率Rが約60となった。そこで、TF
Tを搭載する第一の透明基板11側の第一の配向膜15
Bのラビング処理は第2例と同様にし、それに対向する
第二の透明基板12側の第二の配向膜15Bには全面に
逆方向ラビングのみを施したところ、欠陥率R=0とす
ることができた。このとき、飽和電圧Vsat は2.80
Vであった。
【0067】これは、第二の配向膜15B表面では、バ
スライン14,19と画素電極13の電位差によって生
じる電界Eが小さくなるからである。第4例 第1例で説明した液晶表示パネルを作製する際のラビン
グ回数だけを変えて画素の欠陥率Rと飽和電圧Vsat を
測定した。
【0068】そのラビング処理は、同方向ラビングの回
数を5回、逆方向ラビングの回数を2回とした。また、
他のラビング条件、即ち、レーヨン布の押し込み量、基
板移動速度、ラビングロール回転数は第1例と同じにし
た。この結果、欠陥率Rが零で飽和電圧Vsat =2.7
1Vとなり、第1例よりも飽和電圧が低電圧化した。同
様な効果は、ラビング布の押し込み量、ステージ移動速
度、ラビングロール回転数の変更によっても実現でき
る。
【0069】本発明者による検証によれば、同方向ラビ
ング、逆方向ラビングを選択する方法の他に、アンカリ
ングエネルギーを小さくして低飽和電圧化するために
は、次の条件を選択してもよい。即ち、ラビング布の押
し込み量を小さくするか、ラビング回数を少なくする
か、ラビングロールの回転数を小さくするか、基板移動
速度を速くするか、の少なくとも1つを選択するほど低
駆動電圧化する。その条件を逆方向ラビングの際に加え
れば、アンカリングエネルギーが第1例よりも小さくな
ってさらに低駆動電圧が実現できる。
【0070】第5例 上述の第2例、 第3例では図8(a) に示すように、画素
電極13上の配向膜15A,15Bの枠状領域13Bに
同方向ラビングを施すことで画素内での液晶分子の異常
な立ち上がりを規制している。そのような異常な領域の
発生は走査(ゲート)バスライン14による影響がかな
り大きく関与する。そこで、図8(b) に示すように、画
素電極13上の第一の配向膜15Aのうち、ゲートバス
ライン4の寄りの2つの領域13Dに同方向ラビングを
施しその間の領域13Eに逆方向ラビングを施しても、
第2例及び第3例と同じ結果が得られる。
【0071】また、上記した第1例〜第4例にかかる液
晶表示パネルでは、能動素子型のTN液晶について述べ
たが、その他の駆動方式を用いても同様の効果を奏す
る。 (第2の実施の形態)上記した本発明の第1の実施の形
態においては、ラビング布21aによって配向膜15
A,15Bの表面を擦る方向と、配向膜15A,15B
が移動する方向を同じにするか或いは逆にするかによっ
て飽和電圧Vsat を従来よりも小さくするようにしてい
る。飽和電圧Vsat が小さくなる原因は、配向膜のアン
カリングエネルギーを小さくしたからと考えられる。
【0072】そこで、本発明者らは、ラビング条件を変
えること以外の配向方法によって配向膜のアンカリング
エネルギーを変化させることを試みた。そのような方法
としては次に3つの配向方法が知られている。第1に、
配向膜に溝を形成して液晶分子を配向する方法が、SID
DIGEST 93, 957 (1993) に記載されている。
【0073】第2に、配向膜に電磁波を照射して液晶分
子を配向する方法が、Jpn, J. Appl. Phys. 31, 2155
(1992) に記載されている。第3に、配向膜としてLB
膜(Langnuir-Blodgett film )を用いる方法がJpn,J. A
ppl. Phys. 31, L189 (1992) に記載されている。LB
膜は、引張方向が配向方向になる。
【0074】これらの手法による配向膜のアンカリング
エネルギーの低下について本発明者らが検討したとこ
ろ、それらの文献にも一部記載されている通り、10-5
〜10 -4J/m2 のオーダの値が得られ、ラビングによ
る配向方法に比べてアンカリングエネルギーが1桁以上
小さくなることがわかった。アンカリングエネルギーの
測定法は、本発明の第1の実施の形態で採用した方法に
よった。
【0075】図1(a),(b) に示した能動素子型の液晶表
示パネルに、それらの3つの配向方法を採用したとこ
ろ、配向不良領域の発生という問題が発生した。これ
は、走査バスライン又はデータバスラインに近い領域の
配向膜のアンカリングエネルギーが小さいと、バスライ
ンからの横方向の電界Eによってその領域の液晶分子の
立ち上がり方向が乱れて、所謂リバースチルト領域が生
じるからである。その電界Eは、本発明の第1の実施の
形態でも述べたように、バスライン14,19と画素電
極13の電位差によって発生する。
【0076】リバースチルト領域の発生を防止するため
には、配向膜15A,15Bのうちバスライン14,1
9及びその周囲の領域内ではアンカリングエネルギーを
強い状態にし、画素電極13上ではアンカリングエネル
ギーを弱い状態にすることが有効である。その手段とし
ては、図1(a),(b) に示す液晶表示パネルを構成する配
向膜15A,15Bに上記した第1〜第3の配向方法を
施した後に、画素電極13直上の配向膜15A,15B
をレジストマスクで覆う。そして、レジストマスクに覆
われない領域の配向膜15A,15Bをラビングして強
いアンカリングエネルギーを付与する。このラビング方
法としては、例えば本発明の第1の実施の形態で説明し
た同方向ラビングを採用してもよい。
【0077】ところで、リバースチルト領域は、能動素
子側の第一の配向膜15Aの表面の液晶分子の配向の乱
れに起因するものであるから、能動素子の無い第二の透
明基板12側の第二の配向膜15Bについてだけ上記し
た第1〜第3の配向方法を採用してもよい。この場合、
液晶表示パネルの駆動電圧を低減する効果はやや劣る
が、リバースチルト領域の発生を防ぐには十分な効果が
ある。
【0078】なお、画素領域を除く領域の配向膜のプレ
チルト角は大きい方が望ましい。これは、次の2つの理
由による。第1の理由としては、上記した第1〜第3の
配向方法を施した配向膜は、一般にプレチルト角が0度
程度と小さいので、画素領域以外の配向膜のプレチルト
角を大きくすることにより、配向膜上でのプレチルト角
の平均値を大きくすることができるからである。
【0079】第2の理由としては、リバースチルト領域
の発生は、プレチルト角が大きくなるほど有効に防止さ
れるからである。従って、画素領域以外の領域の配向膜
は、ラビング条件を選ぶことによって5度以上、好まし
くは10度以上に設定することが必要である。なお、一
般的なプレチルト角は2〜3度である。
【0080】次に、アンカリングエネルギーの調整につ
いて、より具体的に説明する。第1例 本第1例では、ノーマリーホワイトモードの液晶表示パ
ネルを採用した。その構造は、配向膜を除いて、本発明
の第1の実施の形態の第1例と同じ構造とした。液晶
は、末端にFを有する材料を使用した。従って、基本的
な構造は、図1(a),(b) と同じになる。
【0081】本例の配向膜25A,25Bを構成する樹
脂として、高プレチルト角が得られる日産化学製のRN
1046(商品名)を使用し、スピンコーティングと加熱を
経て膜状に形成される。能動素子が形成されている第一
の透明基板11側に形成された第一の配向膜25Aの平
面は、図9のようになる。
【0082】第一の配向膜25Aを形成した後に、図1
0(a) に示すように、第一の配向膜25Aのうち画素領
域13Aを第1のレジストマスク26で覆う。この後
に、第一の配向膜25A表面を一定方向にラビングし
た。そのラビングされた第一の配向膜25A表面に供給
された液晶分子のプレチルト角が約6度となることは別
途調査しておいた。第1のレジストマスク26はラビン
グ処理後に剥離される。
【0083】次に、図10(b) に示すように、金属製の
フォトマスク27を通して電磁波である紫外線を第一の
配向膜25Aに照射した。そのフォトマスク27は、画
素領域13Aの上方に窓27Aを有するとともに、その
窓27Aに偏光板28を取付けたものである。その偏光
板28は、上記ラビング方向に直交する方向に紫外線を
直線偏光する構造となっている。なお、紫外線強度を約
15J/cm2 とした。
【0084】このような配向処理は、能動素子のない第
二の透明基板12側の第二の配向膜25Bについても同
様に行う。即ち、画素電極13に対向する領域には偏光
された紫外線を照射し、それ以外の領域には一般的なラ
ビングを行う。偏光された紫外線が照射された配向膜表
面では、偏光された方向に液晶分子が配向する。
【0085】配向処理の後に、液晶封入工程を経て液晶
表示パネルが完成する。このような配向処理がされた液
晶表示パネルの液晶の飽和電圧Vsat と画素の欠陥率R
を調べたところ表2に示すような結果が得られた。な
お、飽和電圧Vsat は、ノーマリーホワイトモードの液
晶表示パネルで電極間電圧が0Vの状態での透過率を1
00%としたときの、透過率1%となる電圧である。ま
た、画素の欠陥率Rは、画素500個のうち異常領域が
発生している画素数で評価した。
【0086】次に、全面に通常のラビングが施された配
向膜を有する第一の液晶表示パネル(不図示)と、全面
に紫外線が照射された配向膜を有する第二の液晶表示パ
ネル(不図示)を作製し、それぞれについて液晶の飽和
電圧Vsat と画素の欠陥率Rを調べたところ、表2に示
すような結果が得られた。なお、表2において、第一の
液晶表示パネルを比較資料1として示し、第二の液晶表
示パネルを比較資料2として示した。これらの液晶表示
パネルは双方とも、配向膜のラビング方向を除いて、図
9に示す第1例の液晶表示パネルと同じ条件、構造で形
成されている。
【0087】
【表2】
【0088】表2から明らかなように、第一の液晶表示
パネル(比較資料1)によれば、画素の欠陥率Rは零で
あるが、飽和電圧Vsat は低くならず、また、第二の液
晶表示パネル(比較資料2)によれば、飽和電圧Vsat
は低くなるが画素の欠陥率Rが高いことがわかった。こ
れに対して、図9に示す本実施形態の液晶表示パネルに
よれば、画素の欠陥率Rは零で、飽和電圧Vsat も低く
なることがわかり、紫外線照射によるアンカリングエネ
ルギーの低減による飽和電圧の低電圧化とラビングによ
る配向安定性とが同時に実現されていることが分かる。
【0089】ところで、第一及び第二の配向膜25A,
25Bの全面にラビング処理を施した後に、上記したフ
ォトマスク27を使用して、画素電極13上の配向膜2
5A,25Bにのみ偏光された紫外線を照射したとこ
ろ、飽和電圧Vsat が2.75V、画素の欠陥率Rは零
となった。この工程によれば、レジストマスク26の形
成工程が不要となるので、スループットが向上する。
【0090】第2例 第1例で示した構造の液晶表示パネルの画素電極とバス
ラインとの間隔を5μmとしたところ、画素の欠陥率R
が約280となってしまった。そこで、本例では、能動
素子を有する第一の透明基板11側の第一の配向膜25
Aについては、第1例のような紫外線を照射せずに、全
面をラビングした。また、能動素子を有しない第二の透
明基板12側の第二の配向膜25Bについては、第1例
と同様に、画素電極13に対向する領域に紫外線を偏光
して照射し、それ以外の領域には一般的なラビングを行
った。
【0091】このような配向がなされた液晶表示パネル
の飽和電圧Vsat は2.85、その画素の欠陥率Rは零
となり、従来よりも低い電圧駆動が実現できた。第3例 第1例で示した構造の液晶表示パネルの画素電極とバス
ラインとの間隔を5μmとすると、画素の欠陥率Rが約
280となる。
【0092】そこで、画素領域以外の領域の配向膜25
A,25Bのプレチルト角を変えることによってその画
素の欠陥率Rを低減できるかどうかを調べた。配向膜2
5A,25Bの材料として、プレチルト角の調整が容易
な日本合成ゴム製のJALS-214(商品名)を使用した。プ
レチルト角の調整は、ラビング条件を変えることによっ
て行う。例えば、ラビング回数を増やすとプレチルト角
は小さくなり、ラビング布の押し込み量を大きくすると
プレチルト角は小さくなる傾向にある。
【0093】このように画素領域以外の領域の配向膜2
5A,25Bのプレチルト角θを変えたところ、画素欠
陥率Rとプレチルト角θの関係は図11のようになっ
た。図11によれば、プレチルト角θが10度又はそれ
以上になると画素欠陥率Rが零になることがわかった。
図11に示したプレチルト角θの調整はラビング回数の
変更によって行い、図の括弧内の数字はラビング回数を
示している。
【0094】なお、図11のプレチルト角θの相違にか
かわらずに液晶表示パネルの飽和電圧Vsat は2.70
〜2.75Vと低くなった。第4例 上記した第1例〜第3例では、紫外線のような電磁波を
画素領域の配向膜に照射してその領域のアンカリングエ
ネルギを低くしている。
【0095】画素領域の配向膜のアンカリングエネルギ
を低くする方法として、図12(a)に示すように画素電
極13上の配向膜25Aに溝25Cを形成する方法や、
図12(b) に示すように配向膜25AとしてLB膜を使
用する方法がある。溝25Cが形成された配向膜25A
表面の液晶分子は溝25Cの延在方向に沿って向きを揃
える。また、LB膜上の液晶分子は、膜の引張方向に配
向方向を揃える。
【0096】これらの方法においても、配向膜25Aの
画素領域以外には、第1例と同様に一般的なラビングを
施す。第5例 アンカリングエネルギーを小さくする領域は、画素領域
の全てであってもよいが、バスラインと画素電極の間の
電位差による電界の影響が大きい場合には、本発明の第
1の実施形態で説明したように、画素領域にある配向膜
の枠状領域13Bまでラビングを施したり(図8(a) 参
照)、或いは、画素領域にある配向膜のうちのゲートバ
スライン14の寄りの領域13Dまでラビングを施して
もよい(図8(b) 参照)。 (第3の実施の形態)上記した液晶表示パネルでは、能
動素子型のTN液晶表示パネルについて述べているが、
その他の駆動方式を用いても、同様の効果を奏する。
【0097】例えば図13(a),(b) に示すような単純マ
トリクス型のTN液晶表示パネルにも適用できる。な
お、図13(a) では、1つの基板と走査配線とデータ配
線だけが描かれている。図13(a),(b) において、第一
の透明基板31の第一面の上には走査配線34が間隔を
おいて複数本形成されている。第一の透明基板31と走
査配線34は第一の配向膜35Aによって覆われてい
る。
【0098】また、第二の透明基板32のうち第一の透
明基板31に対向する側の面には、データ配線39が間
隔をおいて複数本形成されている。第二の透明基板32
とデータ配線39は第二の配向膜35Bによって覆われ
ている。第一の配向膜35Aと第二の配向膜35Bは間
隔をおいて互いに向き合って配置される。この場合、走
査配線34とデータ配線39が直交するように第一及び
第二の透明基板31,32を配置する。
【0099】また、第一の配向膜35Aと第二の配向膜
35Bの間には、液晶37が封入されている。さらに、
第一の透明基板31と第二の透明基板32の相反する側
の面には、それぞれ偏光板38A,38Bが形成されて
いる。このような単純マトリクス型のTN液晶表示パネ
ルにおいては、走査配線34とデータ配線39が交差す
る領域が画素領域13Aとなる。
【0100】この画素領域13Aの第一の配向膜35A
の液晶分子のアンカリングエネルギーを小さくし、その
画素領域13Aの周囲の第一の配向膜35Aの液晶分子
のアンカリングエネルギーを大きくする。また、第二の
配向膜35Bの液晶分子のアンカリグエネルギーの分布
を、第一の配向膜35Aと同様にしてもよい。
【0101】これにより、画素領域13Aの液晶分子の
立ち上がりの変化を容易にして駆動電圧を低減するとと
もに、画素領域13A以外の領域での液晶分子の立ち上
がりを緩慢にして画素の欠陥の発生を防止する。なお、
アンカリングエネルギーの制御方法は、上記した第1及
び第2の実施の形態によって行う。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、配向
膜のうち画素領域には低い液晶アンカリングエネルギー
を付与し、またその配向膜のうち画素領域の周辺には高
い液晶アンカリングエネルギーを付与したので、画素領
域での液晶分子の変化が容易になるので、液晶表示装置
の低駆動電圧化が可能になる。また、画素領域の周辺で
は液晶分子が変化しにくくなるので、画素領域・走査配
線間や画素領域・データ配線間に生じる横方向の電界に
よる画素の欠陥が防止される。
【0103】また、画素領域内の配向膜のうち周縁寄り
の部分のアンカリングエネルギーを大きくしているの
で、画素の欠陥を確実に防止できる。アンカリングエネ
ルギーを調整する1つの方法としては、ラビング条件を
変えることである。即ち、ラビング布の押し込み量、ラ
ビング回数、基板移動速度、ラビング布が巻かれたラビ
ングロール回転数のほかに、ラビング布と配向膜の相対
的な移動方向を変えることによってアンカリングエネル
ギーを変えることができる。これらの作業は、極めて簡
単であり、スループットが低下することを防止できる。
【0104】このようなラビング方法を変えること以外
に、アンカリングエネルギーを小さくする方法として、
配向膜に溝を形成する方法、配向膜に電磁波を照射する
方法、配向膜としてLB膜を使用する方法がある。即
ち、配向膜のうち画素領域に、溝を形成するか、電磁波
を照射するか、或いは配向膜としてLB膜を使用すれば
よい。また、画素領域の周囲の配向膜のアンカリグエネ
ルギーを高くするために、画素領域の周囲の配向膜に通
常のラビングを行う必要がある。これにより、液晶表示
パネルの低駆動電圧化が図れ、しかも画素の欠陥の発生
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は、能動素子を有する液晶表示パネル
の基本的な構造を示す平面図、図1(b) は、そのI−I
線断面図である。
【図2】図2(a),(c) は、本発明の第1の実施の形態に
利用される同方向ラビングを示す側面図、図2(b),(d)
は、その第1の実施の形態に利用される逆方向ラビング
を示す側面図である。
【図3】図3(a) は、本発明の第1の実施の形態で使用
させるラビングロールを透明基板の進行方向に対して斜
めに配置する場合の同方向ラビングを示す斜視図、図3
(b) は、そのラビングロールを透明基板の進行方向に対
して斜めに配置する場合の逆方向ラビングを示す斜視図
である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態において、
同方向ラビングと逆方向ラビングによって得られたラビ
ング回数と飽和電圧の関係を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態において、
同方向ラビングと逆方向ラビングを交互に行った場合の
飽和電圧の変化を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態において、
1つの配向膜の同方向ラビング領域と逆方向ラビング領
域の第1例を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態において、
1つの配向膜に同方向ラビング領域と逆方向ラビング領
域を形成する工程を示す断面図である。
【図8】図8(a) は、本発明の第1の実施の形態におい
て、1つの配向膜の同方向ラビング領域と逆方向ラビン
グ領域の第2例を示す平面図、図8(b) は、その第3の
例を示す平面図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施の形態において、
電磁線が照射される配向膜の画素領域を示す平面図であ
る。
【図10】図10(a) は、本発明の第2の実施の形態に
おいて、画素領域の周囲の配向膜をラビングする状態を
示す断面図、図10(b) は、その配向膜の画素領域に電
磁線を偏光して照射する状態を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態におい
て、配向膜のプレチルト各と画素の欠陥率の関係を示す
図である。
【図12】図12(a) は、本発明の第2の実施の形態に
おいて、透明基板上の配向膜の画素領域に溝が形成され
た状態を示す断面図、図12(b) は、本発明の第2の実
施の形態において、透明基板上の配向膜としてLB膜が
使用されている状態を示す断面図である。
【図13】図13(a) は、本発明の第3の実施の形態に
かかる単純マトリクス型の液晶表示パネルを示す平面
図、図13(b) は、そのII−II線断面図である。
【符号の説明】
11 第一の透明基板 12 第二の透明基板 13 画素電極 13A 画素領域 14 走査バスライン 15A、15B、25A、25B 配向膜 16 対向電極 17 液晶 18A,18B 偏光板 19 データバスライン 20 能動素子 21 ラビングロール 21a ラビング布 22 ステージ 23、24、26 レジストマスク 27 フォトマスク 28 偏光板 25C 溝 31 第一の透明基板 32 第二の透明基板 33 画素電極 34 走査配線 35A、35B 配向膜 37 液晶 39 データ配線
フロントページの続き (72)発明者 間山 剛宗 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−271901(JP,A) 特開 平7−318946(JP,A) 特開 平8−328007(JP,A) 特開 昭64−55527(JP,A) 特開 平5−264972(JP,A) 特開 平1−198725(JP,A) 特開 昭63−271233(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 G02F 1/13 101 G02F 1/1343 G02F 1/1362

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の基板と第二の基板の間に形成される
    走査配線とデータ配線が絶縁状態で交差する交差領域又
    は該交差領域の近傍に位置する画素領域と、前記第一の
    基板と前記第二の基板のそれぞれの対向面側に形成され
    る第一の配向膜及び第二の配向膜と、前記第一の配向膜
    と前記第二の配向膜の間に封入される液晶を有する液晶
    表示装置において、 前記第一の配向膜と前記第二の配向膜の少なくとも一方
    では、前記画素領域中央の液晶アンカリングエネルギー
    よりも前記画素領域周囲の液晶アンカリングエネルギー
    の方が大きいことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記走査配線及び前記データ配線の前記交
    差領域の近傍の前記画素領域には画素電極が形成され、
    前記走査配線に印加される信号によって該画素電極と前
    記データ配線を選択的に導通させる能動素子が前記第一
    の基板の上に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】第一の基板と、 前記第一の基板の上で、間隔をおいて複数配列された走
    査配線と、 前記第一の基板の上で、前記走査配線と絶縁状態で交差
    し且つ間隔をおいて複数配列されたデータ配線と、 前記第一の基板の上で、複数の前記走査配線と複数の前
    記データ配線に囲まれた複数の画素領域の各々に形成さ
    れた画素電極と、 前記第一の基板上に形成され、前記走査配線に印加され
    る信号によって前記画素電極と前記データ配線を選択的
    に導通させる能動素子と、 前記第一の基板、前記画素電極、前記走査配線及び前記
    データ配線を覆い、且つ前記画素電極中央の上方の領域
    の液晶アンカリングエネルギーよりも前記画素電極周囲
    の液晶アンカリングエネルギーが大きな第一の配向膜
    と、 前記第一の基板に対向して配置される第二の基板
    と、 前記第二の基板のうち前記第一の基板側に向かい合う面
    に形成される対向電極と、 前記対向電極を覆う第二の配向膜と、 前記第二の配向膜と前記第一の配向膜の間に封入される
    液晶とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記画素領域にある前記第一の配向膜の表
    面において、前記画素領域の中央領域よりも前記走査配
    線寄りの領域の方が液晶アンカリングエネルギーが大き
    いことを特徴とする請求項1又は3記載の液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】前記画素領域にある前記第一の配向膜の表
    面において、前記画素領域中央の液晶アンカリングエネ
    ルギーよりも前記画素領域周囲の液晶アンカリングエネ
    ルギーの方が大きいことを特徴とする請求項1又は3記
    載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記第二の配向膜の表面において、前記画
    素領域中央の液晶アンカリングエネルギーよりも前記画
    素領域周囲の液晶アンカリングエネルギーの方が大きい
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記第二の配向膜の全面の液晶アンカリン
    グエネルギーは、前記画素領域中央にある前記第一の配
    向膜の表面の液晶アンカリングエネルギーよりも小さい
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記画素領域の周囲にある前記第一又は第
    二の配向膜表面の液晶のプレチルト角は10度以上であ
    ることを特徴とする請求項1又は3記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】第1の基板側に形成された第一の配向膜を
    ラビングする工程と、前記第一の配向膜に対向し且つ第
    2の基板側に形成された第二の配向膜をラビングする工
    程と、ラビングされた前記第一の配向膜と前記第二の配
    向膜の間に液晶を封入する工程を含む液晶表示装置の製
    造方法において、 ラビング布に対する前記第一又は第二の基板の移動方向
    と、該ラビング布による前記第一又は第二の配向膜のラ
    ビングの方向とが相対的に逆方向となる成分を有する逆
    方向ラビングを、画素領域の少なくとも中央にある前記
    第一又は第二の配向膜の表面に施す工程と、 前記ラビング布に対する前記第一又は第二の基板の移動
    方向と、前記ラビング布による前記第一又は第二の配向
    膜のラビングの方向とが相対的に同方向となる成分を有
    する同方向ラビングを、前記画素領域の周囲にある前記
    第一又は第二の配向膜の表面に施す工程とを有すること
    を特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記画素領域の周縁領域にある前記第一
    又は第二の配向膜の表面に前記同方向ラビングを施すこ
    とを特徴とする請求項9記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】前記画素領域のうち前記走査配線に近い
    領域にある前記第一又は第二の配向膜の表面に前記同方
    向ラビングを施すことを特徴とする請求項9記載の液晶
    表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記同方向ラビングと前記逆方向ラビン
    グとでは、前記ラビング布の押し込み量、ラビングの回
    数、前記第一又は第二の基板の前記ラビング布に対する
    移動速度、前記ラビング布が巻かれているラビングロー
    ルの回転数の条件のうちいずれかの条件が異なっている
    工程を有することを特徴とする請求項7、請求項8又は
    請求項9記載の晶表示パネルの製造方法。
  13. 【請求項13】第1の基板側に形成された第一の配向膜
    をラビングする工程と、前記第一の配向膜に対向させて
    第2の基板上に形成された第二の配向膜をラビングする
    工程と、ラビングされた前記第一の配向膜と前記第二の
    配向膜の間に液晶を封入する工程を含む液晶表示装置の
    製造方法において、 第一の基板と第二の基板の間に形成される走査配線とデ
    ータ配線が絶縁状態で交差する交差領域又は該交差領域
    の近傍に位置する画素領域にある前記第一又は第二の配
    向膜の表面にはラビング処理を施さず、該画素領域の周
    囲の前記第一又は第二の配向膜の表面にはラビング処理
    を施すことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  14. 【請求項14】前記画素領域にある前記第一又は第二の
    配向膜の表面に電磁波を照射することにより、該電磁波
    が照射された第一又は第二の配向膜の表面で前記液晶の
    分子を一軸方向に配向させる工程を有することを特徴と
    する請求項13記載の液晶表示装置の製造方法。
  15. 【請求項15】前記電磁波は、偏光板を通過させた紫外
    線であることを特徴とする請求項14記載の液晶表示装
    置の製造方法。
  16. 【請求項16】前記第一又は第二の配向膜への前記ラビ
    ング処理は、前記第一又は第二の配向膜の全面に前記電
    磁波を照射した後に行われることを特徴とする請求項1
    3記載の液晶表示装置の製造方法。
  17. 【請求項17】LB膜を前記第一又は第二の基板にライ
    ンを介して張りつけることによって前記第一又は第二の
    配向膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項
    13記載の液晶表示装置の製造方法。
  18. 【請求項18】前記画素領域にある前記第一又は第二の
    配向膜の表面に複数の溝を形成することにより、該溝の
    延在方向に前記液晶の分子を配向させる工程を有するこ
    とを特徴とする請求項13記載の液晶表示装置の製造方
    法。
  19. 【請求項19】前記第二の配向膜の全面にはラビング処
    理がなされることを特徴とする請求項13記載の液晶表
    示装置の製造方法。
  20. 【請求項20】前記第一の基板の前記画素領域には画素
    電極が形成されていることを特徴とする請求項9又は請
    求項13記載の液晶表示装置の製造方法。
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