JP3467705B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP3467705B2
JP3467705B2 JP12705793A JP12705793A JP3467705B2 JP 3467705 B2 JP3467705 B2 JP 3467705B2 JP 12705793 A JP12705793 A JP 12705793A JP 12705793 A JP12705793 A JP 12705793A JP 3467705 B2 JP3467705 B2 JP 3467705B2
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佳明 栗田
康治 佐久間
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孝典 大西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、特開平1−234
740号公報に、空気調和機およびその他の機器を接続
する給電線の電流を検出し、給電線に過電流が流れた時
に空気調和機を抑制運転または停止するように制御する
方法が開示されている。これは、電流検出値が予め設定
した上限設定値を超えた時に、空気調和機を抑制運転あ
るいは停止し、電流検出値が予め設定した下限設定値を
下回った時に、空気調和機の運転を復帰させる制御方法
である。しかし、この従来の制御方法においては、電流
値を検出する際に、検出系にのったノイズの影響で過電
流の発生を誤って検知することに対する防止策について
は述べられていない。
【0003】一般に圧縮機の過電流保護制御を行う際
は、変流器によって電流値を検出し、制御機構にて過電
流に対応する設定値を決め、その設定値を基に過電流保
護制御を行う。上記の従来技術においては過電流保護の
点については考慮されているが、圧縮機の起動時の突入
電流により、誤検知して圧縮機を誤動作させるという問
題がある。また空気調和機の制御のために、圧縮機の過
電流の他に圧縮機の温度や吐出圧力、凝縮器の配管温度
等を検出する。これら温度、圧力の検出値がノイズの影
響で誤って検出された場合に空気調和機を誤動作させる
という問題が生じる。
【0004】
【0005】本発明の課題は、制御因子をタイミングよ
く高い信頼性をもって検知することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の空気調和機は、圧縮機、凝縮器、膨張機構
および蒸発器から冷凍サイクルを構成し、圧縮機の運転
電流、温度及び吐出圧力と凝縮器の配管温度と外気温度
とを検出し、この各検出値を基に冷凍サイクルを制御
し、圧縮機に過電流が流れた場合、圧縮機の運転を抑制
または停止し、圧縮機は電磁接触器を介して交流電源に
接続され、圧縮機の運転電流は電磁接触器と交流電源と
の間に設けられた変流器によって検出され、ブリッジ整
流回路、平滑コンデンサを介して直流に変換され、A/
Dコンバータで数値化されてマイコンに読み込まれ、
縮機の起動から所定時間内はA/Dコンバータのチャン
ネルを圧縮機の運転電流を検出するチャンネルに固定し
て一定時間ごとに検出し、この検出値により圧縮機の運
転電流として記憶する値を更新し、その後、A/Dコン
バータへ圧縮機の温度、凝縮器の配管温度、外気温度及
び前記圧縮機の吐出圧力とを順番に周期的に取り込み、
検出値が過電流に対応する設定値に達したとき、電磁接
触器をOFFして圧縮機の運転を停止することを特徴と
する。
【0007】また、上記各機器から構成する空気調和機
において、マイコンは、圧縮機の起動から所定時間は圧
縮機の運転電流が過電流か否かの検出値による判断を行
わないことを特徴とする。
【0008】また、上記各機器から構成する空気調和機
において、圧縮機の運転電流を一定時間ごとに近接した
所定間隔の2時点で検出し、この2時点での電流検出値
が所定範囲内で一致するか否かを判定し、一致した場合
にこの一致した値を最新値として既に運転電流として記
憶した値を更新し、一致しない場合は既に運転電流とし
て記憶した値を最新値として保持し、この最新値が圧縮
機の過電流設定値以上であるか否かを判定し、以上の場
合に圧縮機を停止あるいは抑制運転するように構成され
ることが好ましい。加えて、圧縮機の冷媒吐出圧力を一
定時間ごとに近接した所定間隔の2時点で検出し、2時
点での冷媒吐出圧力検出値が所定範囲内で一致するか否
かを判定し、一致した場合にこの一致した値を最新値と
して既に冷媒吐出圧力として記憶した値を更新し、一致
しない場合は既に冷媒吐出圧力として記憶した値を最新
値として保持し、この最新値を基に膨張機構の開度を制
御するように形成することが好ましい。
【0009】また、上記各機器から構成する空気調和機
において、圧縮機の温度を一定時間ごとに近接した所定
間隔の2時点で検出し、2時点での温度検出値が所定範
囲内で一致するか否かを判定し、一致した場合に圧縮機
の温度を記憶するメモリの値を更新し、一致しない場合
にはメモリに既に記憶されている値を保持し、このメモ
リの記憶する値を基に膨張機構の開度を制御するような
構成とすることが好ましい。さらに、凝縮器の冷媒液側
配管温度を一定時間ごとに近接した所定間隔の2時点で
検出し、2時点での温度検出値が所定範囲内で一致する
か否かを判定し、一致した場合にこの一致した値を最新
値として既に配管温度として記憶した値を更新し、一致
しない場合は既に配管温度として記憶した値を最新値と
して保持し、この最新値を基に除霜運転の制御を行う
成とすることが好ましい。
【0010】また、上記各機器から構成する空気調和機
において、外気温度を一定時間ごとに近接した所定間隔
の2時点で検出し、2時点での温度検出値が所定範囲内
で一致するか否かを判定し、一致した場合にこの一致し
た値を最新値として既に外気温度として記憶した値を更
新し、一致しない場合は既に外気温度として記憶した値
を最新値として保持し、この最新値を基に圧縮機の運転
開始の可否を決定するように制御する構成とすることが
できる。
【0011】また、上記各機器から構成する空気調和機
において、圧縮機の起動から所定時間内は、A/Dコン
バータのチャンネルを圧縮機の運転電流を検出するチャ
ンネルに固定して一定時間ごとに検出し、この検出値に
より運転電流のメモリに記憶する値を更新し、このメモ
リの値を冷凍サイクルの制御に用いることを中止するこ
とを特徴とする。
【0012】本発明の空気調和機において、圧縮機の起
動から所定時間内に検知した値を冷凍サイクルの制御に
用いることを中止することにより、圧縮機の突入電流に
よって生じる誤作動を防ぐことができる。
【0013】また、基本的に検出系にのるノイズは急峻
な立上り立ち下がりを示し、それに比べて制御因子は変
化してもなだらかな変化を示すという考えがある。従っ
て近接した所定間隔の2時点の間隔で制御因子を検出す
れば、ノイズをピックアップした場合には一時点での検
出値はノイズの値となり、他時点での検出値は制御因子
の値となり、それらの値は大きな差があるので、ノイズ
と判定でき、一方、両時点での検出値の差が小さな範囲
内にあればその値を制御因子の値と判定することがで
き、この判定方法により制御因子の誤検知を防止するこ
とができ、正確に検出した各制御因子の値を基に空気調
和機を的確に制御することができる。
【0014】また、圧縮機起動所定時間内、マイコン
接続するA/Dコンバータのチャンネルを圧縮機の運転
電流のチャンネルに固定することにより、信頼性の高い
運転電流の検知を可能とするからである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の制御方法を具現化する空気調和機に
おける圧縮機の過電流保護を行う制御回路図、図2は圧
縮機の運転電流の交流波形とその運転電流の実効値なる
検出電圧を示す図である。
【0016】空気調和機は、概して圧縮機、凝縮器、膨
張機構および蒸発器から構成されている。圧縮機1は、
図1に示すように、電磁接触器2を介して3相交流電源
に接続されており、制御基板11上の運転・停止用補助
リレー4をONすることにより電磁接触器用コイル3を
通電し、そして電磁接触器2をONして運転をする。圧
縮機1の運転電流iは変流器5によって検出し、ブリッ
ジ整流回路6、平滑コンデンサ7を介して直流に変換さ
れ、検出電圧VcとしてA/Dコンバータ8で数値化さ
れて、マイコン10に読み込まれる。マイコン10は、
過電流設定値テーブル9を備えており、検出電圧Vcと
過電流に対応する設定値と比較して、検出電圧がその流
設定値より大きい場合に、圧縮機の保護制御を行う。
【0017】図2に示すように、圧縮機1の運転電流i
が徐々に大きくなり過電流に移行するにつれて、検出電
圧Vcも徐々に高くなり過電流に対応する電圧に達す
る。マイコン10は、検出電圧Vcが過電流設定値テー
ブル9の設定値に達した時、運転・停止用補助リレー4
の通電をOFFし、電磁接触器2をOFFしして圧縮機
1の運転を停止する。このような過電流保護制御によっ
て、圧縮機1は過負荷から保護される。
【0018】図3は圧縮機1の運転電流に対応する検出
電圧Vcをマイコン10に読み込む要領、即ち本発明を
特徴づける”2度読み”を示している。過電流保護制御
のために検出される電流値(検出電圧Vc)は、340m
secの周期でマイコン10に取込まれ、この時1度目と
2度目の読込みは20msecの間隔で行われる。図中、A
点及びC点においては1回目と2回目の読込み値が同一
であるため、マイコン10はこの値を圧縮機の運転電流
として判断し、その都度最新値としてメモリに保持す
る。それに対して、ノイズが発生した検出値に影響を与
えたB点においては、1回目と2回目の読込み値が異な
るため、マイコン10はこの値を圧縮機の運転電流でな
いと判断して破棄し、既に保持されていた電流値、つま
りA点の電流値がそのまま最新値としてマイコンに保持
される。かくして、圧縮機の運転電流を”2度読み”す
ることにより、真の運転電流を検知して、ノイズの影響
による誤検知を防ぎ、確実に圧縮機の過電流保護制御を
行うことができる。
【0019】次に本発明の他の実施例について、図4及
び図5を用いて説明する。図4は前述の圧縮機の運転電
流検出機構にさらに温度検出機構、圧力検出機構を設け
た圧縮機の制御回路図であり、図5は上記各検出機構に
よるの2度読みの状況を示す図である。
【0020】図4に示すように、空気調和機には、温度
検出機構として圧縮機の過熱を監視するための圧縮機用
サーミスタ12、凝縮器の氷結を監視するための配管サ
ーミスタ13、その他空気調和機の運転許可を決定する
外気温度を検出する外気サーミスタ14を設け、サーミ
スタ12,13,14からA/Dコンバータ8に取込ま
れる検出値を各々V1,V2,V3とする。また、膨張
機構の制御にかかわる圧縮機の吐出圧力を検出する圧力
検出機構として圧力センサ15を設け、A/Dコンバー
タ8に取込まれる検出値をV4とする。圧縮機用サーミ
スタ12、圧力センサ15による検出値は凝縮器のファ
ンや冷凍サイクル冷媒のバイパス制御にも用いられ、ま
た外気サーミスタ14の検出値は凝縮器のファンの制御
に用いられる。
【0021】2度読みは、図5に示すように、圧縮機の
運転電流(Vc)、圧縮機上温度(V1)、配管温度(V
2)、外気温度(V3)、圧力(V4)の順に、周期的に実
施する。このように2度読みを行い、1回目と2回目の
読込み値が一致する時に、マイコン10は検出値が正し
いとしてそれを記憶し、不一致の時にはそれを読み棄て
ることにより、過電流保護制御におけるノイズ対策だけ
でなく、温度検出機構、圧力検出機構からの検出値に関
しても、ノイズによる誤検知を防ぐことができる。
【0022】図6は圧縮機の起動時における運転電流の
検出電圧波形とマイコンに検出値として保持される電流
値を示す図である。圧縮機1の起動時には、過渡的に大
きな突入電流が流れる。この突入電流を過電流検出機構
が検出し、マイコン10に取込んでしまうと、マイコン
10はそれを過電流と判断し、圧縮機1を停止するよう
に制御するので、圧縮機1は起動しないことになる。従
って、圧縮機1の起動直後の1秒間は、マイコンは圧縮
機の運転電流が過電流か否かの判断を行わず、起動して
1秒経過してから運転電流の検出値を保持するように制
御を行う。かくして圧縮機の起動時の突入電流によって
生じる誤検知を防ぐことができる。
【0023】図7は過電流検出機構、温度検出機構、圧
力検出機構からの各検出値をマイコンに取込むタイミン
グを示す図である。従来は、起動直後から各検出機構か
らの検出値を順番に周期的にマイコンに取込むため、マ
イコンが検出値を読み込むために接続するA/Dコンバ
ータのチャンネルは、周期的に変わっていた。ここで
は、起動後1秒間、過電流保護制御のチャンネルに固定
し、マイコンが他のチャンネルを読込まないで、過電流
保護制御の検出値のみを取込むこととした。これによっ
て、圧縮機起動1秒間における運転電流の検出値を確実
につかみ信頼性の高い検知を行うことができる。
【0024】本実施形態によれば、圧縮機の運転電流を
一定時間ごとに近接した所定間隔の2時点で検出する、
いわゆる2度読みして、それら検出値が所定範囲内で一
致した値を運転電流として判定するように構成したの
で、検出系にノイズがのっても誤検知がなく、その判定
した値を圧縮機の過電流設定値と比較して圧縮機の過電
流保護制御を行うので、確実に保護制御ができるという
効果がある。
【0025】また、それぞれ圧縮機の冷媒吐出圧力、温
度を2度読みし、冷媒吐出圧力、温度を判定するように
構成したので、検出系にノイズがのっても誤検知がな
く、その判定した値により確実に膨張機構の開度を制御
できる。
【0026】また、凝縮器の冷媒液側配管温度を2度読
みしその配管温度を判定するように、また第5の空気調
和機の制御方法は、外気温度を2度読みし外気温度を判
定するようにしたので、検出系にノイズがのっても誤検
知がなく、その判定した配管温度の値により確実に除霜
運転の制御でき、その判定した外気温度により圧縮機の
運転開始の可否を確実に決定できる。また、定常運転時
に圧縮機の運転電流、温度及び吐出圧力と凝縮器の液冷
媒側配管温度と外気温度の各因子を順次に2度読みし、
各因子それぞれの検出値をA/Dコンバータにより数値
化して、マイコンにより所定範囲内で一致する値を各因
子の値として判定するようにしたので、検出系にノイズ
がのっても誤検知がなく、その判定した各制御因子の値
により確実に空気調和機の制御を行うことができ、また
圧縮機の起動から所定時間内は、圧縮機の運転電流の検
出値を冷凍サイクルの制御に用いることを中止するよう
にしたので、圧縮機の起動時に生じる大きな突入電流に
より圧縮機が保護制御されて運転停止となる誤動作を防
止することができる効果がある。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、制御因子をタイミング
よく高い信頼性をもって検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気調和機の制御方法の一実施例を適
用する制御回路である。
【図2】圧縮機の運転電流波形とその検出電圧波形を示
す図である。
【図3】圧縮機の過電流保護制御における電流の2点読
込みとマイコンに保持される電流値を示す図である。
【図4】本発明の別の実施例で、温度及び圧力検出機構
を設けた制御回路図である。
【図5】図4における2点読込みのタイミングを示す図
である。
【図6】圧縮機起動時の検出電圧波形とマイコンに保持
される電流値である。
【図7】過電流保護制御機構、温度検出機構、圧力検出
機構における各々の検出値をマイコンに取込むタイムチ
ャート図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 運転・停止用電磁接触器 3 電磁接触器用コイル 4 運転・停止用補助リレー 5 変流器 6 ブリッジ整流回路 7 平滑コンデンサ 8 A/Dコンバータ 9 過電流設定値テーブル 10 マイコン 11 マイコン 12 圧縮機上サーミスタ 13 配管サーミスタ 14 外気サーミスタ 15 圧力センサ
フロントページの続き (72)発明者 望月 佳彦 静岡県清水市村松390番地 株式会社 日立製作所 清水工場内 (72)発明者 大西 孝典 静岡県清水市村松390番地 株式会社 日立製作所 清水工場内 (56)参考文献 特開 平2−183520(JP,A) 特開 昭61−98499(JP,A) 特公 昭63−33623(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 341

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、膨張機構および蒸発器
    から冷凍サイクルを構成し、前記圧縮機の運転電流、温
    度及び吐出圧力と前記凝縮器の配管温度と外気温度とを
    検出し、該各検出値を基に冷凍サイクルを制御し、前記
    圧縮機に過電流が流れた場合、圧縮機の運転を抑制また
    は停止する空気調和機において、前記圧縮機は電磁接触器を介して交流電源に接続され、
    前記圧縮機の運転電流は前記電磁接触器と交流電源との
    間に設けられた変流器 によって検出され、ブリッジ整流
    回路、平滑コンデンサを介して直流に変換され、A/D
    コンバータで数値化されてマイコンに読み込まれ、前記圧縮機の起動から所定時間内は前記A/Dコンバー
    タのチャンネルを前記圧縮機の運転電流を検出するチャ
    ンネルに固定して一定時間ごとに検出し、該検出値によ
    り前記圧縮機の運転電流として記憶する値を更新し、そ
    の後、前記A/Dコンバータへ前記圧縮機の温度、前記
    凝縮器の配管温度、外気温度及び前記圧縮機の吐出圧力
    とを順番に周期的に取り込み、 前記検出値が過電流に対応する設定値に達したとき、前
    記電磁接触器をOFFして前記圧縮機の運転を停止する
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したものにおいて、前記
    圧縮機の起動から所定時間は前記圧縮機の運転電流が過
    電流か否かの前記検出値による判断を行わないことを特
    徴とする空気調和機。
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