JPH10164747A - 3相電動機装置ならびにそれを用いた空調装置 - Google Patents

3相電動機装置ならびにそれを用いた空調装置

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JPH10164747A
JPH10164747A JP31794896A JP31794896A JPH10164747A JP H10164747 A JPH10164747 A JP H10164747A JP 31794896 A JP31794896 A JP 31794896A JP 31794896 A JP31794896 A JP 31794896A JP H10164747 A JPH10164747 A JP H10164747A
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power supply
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circuit
voltage
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JP31794896A
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Mitsuhiro Dobashi
光浩 土橋
Yoshio Kikuiri
良夫 菊入
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3相電源の欠相による焼損などを未然に防止
し得る3相電動機装置とその機能を備えた空調装置を簡
便な構成で提供する。 【解決手段】 空調装置500は熱源機100の圧縮部
2で圧縮した冷媒を室内機100に与えて空調を行う。
圧縮部2は3相電動機62で駆動され、3相電源30の
いずれか1相が欠相すると焼損などの事故が起きる。3
相R・S・Tのうちの2相S・T間の電圧波形を波形整
形した信号11Aの所定側レベルの存否を制御部70で
判別して欠相を検出した信号で駆動継電回路51を遮断
することにより3相電動機62に対する給電を停止す
る。他の2相R・S間から制御電源12を取ると、その
相が欠相したときは、制御電源12が無くなるので、駆
動継電回路51の保持が無くなり、駆動継電回路51が
遮断されて3相電動機62に対する給電が停止する。制
御電源12を無停電型に構成して、他の2相R・S間
も、同様に、波形整形した信号で欠相検出して制御する
こともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は3相電動機装置な
らびに、その3相電動機装置を利用する装置、例えば、
3相電動機により駆動される圧縮部により圧縮した冷媒
などの熱操作流体にもとづいて熱源を得る空調装置、極
低温冷凍装置などに関するものであり、特に、3相交流
のうちの1相が欠けること(この発明において、欠相と
いう)による弊害を除去する構成をもつ3相電動機駆動
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の空調装置として、図14のよう
に、3相交流電源(この発明において3相電源という)
の3相R・S・Tを動力源とする電動機(この発明にお
いて3相電動機という)62により駆動される圧縮部2
で圧縮した熱操作流体にもとづいて、冷房用の熱源また
は暖房用の熱源(この発明において、空調用熱源とい
う)を得る空気調和装置(この発明において、空調装置
という)、つまり、圧縮冷凍サイクルによる空調用熱源
を用いた空調装置500の構成(以下、第1従来技術と
いう)が周知である。
【0003】図14において、太線で示す回路部分は、
熱源を得るための熱操作流体、例えば、冷媒の管路であ
り、細線で示す回路部分は、電気的な検出信号・制御信
号などのための電路であって、熱源機100は、一般
に、室外に配置するため、室外機とも言っているが、室
内に配置する場合もある。また、一般に、1つの熱源機
100から複数の室内機200に熱源を供給するように
構成している。
【0004】そして、3相電動機62は、例えば、ロー
タリー型コンプレッサの場合には、圧縮部2のロータ
(図示せず)を駆動して、熱源を得るための熱操作流
体、例えば、フロンR137またはアンモニアなどの冷
媒を加圧し、管路切換部4に与える。
【0005】管路切換部4は、室内機200に冷却動
作、つまり、冷房を行わせる場合には、室内機200側
の熱交換器25を上記の吸熱用熱交換器Yとして動作す
るように接続するとともに、熱源機100側の熱交換器
5を上記の放熱用熱交換器Xとして動作するように各管
路を接続し、また、室内機200を加温動作、つまり、
暖房を行わせる場合には、熱源機100側の熱交換器5
を吸熱用熱交換器Yとして動作するように接続するとと
もに、室内機200側の熱交換器25を放熱用熱交換器
Xとして動作するように各管路を接続する部分であり、
例えば、四方弁などの切換弁を電動動作する管路切換機
構である。
【0006】熱交換器5は、熱操作流体を流通する蛇行
管に多数のフィンを付設したものに、送風機構(図示せ
ず)による外気の送風を与えて、外気に放熱または吸熱
を行うようにした熱交換器であり、室外の外気と熱交換
を行うので、一般に、室外熱交換器と言っている。
【0007】熱交換器25は、熱交換器5と同様の構成
のものであって、送風機構(図示せず)により室内空気
の還流を与えて、冷却動作時、つまり、冷房時には室内
空気から吸熱し、加温動作時には室内空気に放熱するよ
うにした熱交換器であり、室内の空気と熱交換を行うの
で、一般に、室内熱交換器と言っている。
【0008】そして、熱源機100側では、熱源機10
0側の所要部分の状態を検出した各検出信号、例えば、
圧力検出信号・温度検出信号などと、設定操作部76か
ら入力して設定した各設定信号、運転開始時間信号・運
転終了時間信号などとを制御部70に与えるとともに、
室内機200側の制御部26から所要の制御指令信号、
例えば、設定操作部27から入力して設定した各設定信
号、例えば、冷却動作または加温動作の目標温度の設定
信号などを制御部70に与え、これらの各信号にもとづ
いて制御部70に設けた制御処理機能により、圧縮部2
を駆動する3相電動機62などに所要の制御信号を与え
て熱源機100側の運転制御を行う。
【0009】また、室内機200側では、操作部27か
らの設定した各設定信号、例えば、冷却動作または加温
動作の目的温度の設定信号などと、所要部分の状態を検
出した各検出信号、例えば、熱交換器5の温度検出信号
などとを制御部26に与え、これら各信号にもとづい
て、制御部26に設けた制御処理機能により、室内空気
を還流する送風機構や室内熱交換器25を通る熱操作流
体の流量調整弁(図示せず)などに所要の制御信号を与
えて室内機200側の運転制御を行う。
【0010】なお、3相電動機62を駆動するための3
相電源30は、後記の第2従来技術における構成と同様
に、駆動用継電回路51を介して供給されており、ま
た、3相電源30と3相電動機62との間には、駆動用
継電回路51の他に、必要に応じて、相切換回路(図示
せず)を設けている。
【0011】次に、この種の極低温冷凍装置としては、
例えば、図10のように、圧縮部60で冷媒65、例え
ば、ヘリウムガスを圧縮して冷凍部80に供給すること
により、冷凍部80の冷却対象、例えば、無塵真空を得
る真空室部分を極低温に冷却するための極低温冷凍装置
100において、圧縮部60の圧縮機61を3相電動機
62によって駆動する構成(以下、第2従来技術とい
う)が本願出願人の先願による特開平5−95622に
よって開示されている。
【0012】図10において、3相電動機62は、例え
ば、3相誘導電動機であり、駆動用継電回路51・相切
換回路52を介して供給される3相電源30を動力源と
して圧縮機61を駆動する。
【0013】圧縮機61は、戻入管路67から供給され
る低圧の冷媒65を圧縮して得られる高圧の冷媒65を
吐出し、この吐出された高圧の冷媒65は図示しない熱
交換器で冷却され、冷却された冷媒65が管路66から
冷凍部80に与えられる。冷却された冷媒65は、冷凍
部80の所要の冷却対象を冷却することにより低圧の冷
媒65になって戻入管路67から圧縮機61に戻し入れ
られ、再び圧縮されるという循環を繰り返す。
【0014】冷凍部80は、圧縮部で圧縮した冷媒を往
復動作機構により膨張させることにより極低温を得る冷
凍部であり、例えば、クライオポンプユニットであっ
て、クライオポンプのディスプレーサ81、つまり、冷
媒を膨張させるための往復動作機構、例えば、クランク
軸で往復動作するシリンダに高圧の冷媒65を供給する
とともに、単相交流電源、つまり、2相の交流電源(以
下、2相電源という)の2相RA・SAを用いて駆動す
る電動機(この発明において2相電動機という)82、
例えば、単相同期電動機によりディスプレーサ81のシ
リンダを駆動することにより、冷却対象とする無塵真空
を得る真空室部分を極低温に冷却し、この冷却によって
低圧にされた冷媒65を戻入管路67に排出する。
【0015】2相電動機82に与える2相電源は、3相
電源30を2相変換回路53、例えば、スコット巻線ト
ランスで2相RA・SAに変換している。したがって、
何らかの理由、例えば、公共3相電源からの引き込み線
路の保守工事などの際に、3相R・S・Tの各相のいず
れかが入れ換えられ、または、誤って2相電源にされた
場合、さらに、2相電動機82を交換した際に、2相電
源の線路を逆に接続してしまった場合などには、2相電
動機82が逆回転するため、例えば、ディスプレーサ8
1が目的とする動作を行わなくなるので、冷凍部80は
所要の冷却動作を果し得なくなるという事故が生ずる。
【0016】このため、3相電源30における3相R・
S・Tのうちの所定の1つの相の線路Tと2相電源の1
つの相の線路Rとの間の電圧の位相を第1位相側とし、
線路Tと2相電源の他の1つの相の線路Sとの間の電源
の位相を第2位相側として、波形整形回路54に与える
ことにより、第1位相側と第2位相側との電圧波形を、
図12のような方形波、つまり、「矩形波」に整形し
て、整形波信号54Aと整形波信号54Bを得るととも
に、整形波信号54Aと整形波信号54Bとの各始縁間
または各終縁間、つまり、各立上がり時点の間または各
立下がり時点の間の位相差を、時間差T1として検出
し、この時間差T1が正規の時間差になっていないとき
は、相切換回路52によって3相電源30の3相のうち
の適宜の2相を入れ換えて、正規の位相をもつ2相電源
を2相電動機82に供給するように、制御部70によっ
て切換制御するように構成している。
【0017】ここで、正規の時間差は、90°の位相差
に相当する時間値であり、例えば、50Hzの場合には
約6.7msec、また、60Hzの場合には約5.6
msecであるが、許容範囲をもたせ、例えば、3〜9
msecを基準値T2として定めている。
【0018】波形整形回路54は、例えば、図11のよ
うに、光電変換素子を介在させた波形整形回路であり、
3相電源30の所定の1相Tの線路と2相電源の一方の
線路SAとの間、つまり、入力端子SA−T間の電圧が
抵抗R1を通してフォトカプラPc1の1次側に電流が
流れ、この電流が規定値を越えるとフォトカプラPc1
のトランジスタがON動作して、トランジスタQ1・ト
ランジスタQ2をON動作させ、出力端子Aの電圧がL
0Wレベル側に変化するので、端子Aには入力端子SA
−T間の電圧の変化に対応する第1位相側の方形波信
号、つまり、図12の整形波信号54Aが得られる。
【0019】また、同様にして、3相電源30の所定の
1相Tの線路と2相電源の他の相SAの線路との間、つ
まり、入力端子RA−T間の電圧変化にしたがって、フ
ォトカプラPc2・トランジスタQ3・トランジスタQ
4が動作し、出力端子Bには、入力端子RA−T間の電
圧の変化に対応する第2位相側の方形波信号、つまり、
図12の整形波信号54Bが得られる。なお、ダイオー
ドD1・D2は、フォトカプラPc1・Pc2に対する
各入力が正側電圧のみになるように、負側電圧を側路す
るためのものである。
【0020】制御部70は、マイクロコンピュータ(以
下、CPUという)を主体にして構成した制御部分であ
り、時間差T1をCPUのクロックパルスによって計数
して、CPUの処理メモリ(図示せず)またはデータ用
メモリ(図示せず)に記憶した上記の基準値T2と比較
することにより、2相電動機82に与えられている2相
電源が正規の位相になっているか否かを判別し、正規の
位相になっていないときは、相切換回路52に制御信号
を与えて、3相電源30のうちの2相間の入れ換え、例
えば、R・Sを入れ換えを行う切換、つまり、相変更を
行い、この相切換によっても、正規の位相にならないと
き、つまり、時間差T1が基準値T2の範囲に入らない
ときには、駆動用継電回路51に制御信号を与えて、3
相電源30をOFF状態にするとともに、表示部77に
警報表示を行うように制御処理する。
【0021】そして、この警報表示と駆動用継電回路5
1のOFF状態とは、操作部76から操作入力を与えて
解除するまで続行するように仕組まれている。また、相
切換路52は、例えば、図示のような2極2投切換形の
電磁継電器であり、その電磁コイルに与える電流をON
−OFFすることによって、可動接点を移動動作させる
ことにより、3相電源30の3相R・S・Tのうちの2
相R・Sが入れ換えられように構成したものであり、駆
動用継電回路51は、例えば、図示のように、3極単投
形の電磁継電器であり、その電磁コイルに与える電流を
ON−OFFすることによって、可動接点を移動動作さ
せることにより、3相電源30の3相R・S・T全体が
ON−OFFされように構成したものである。
【0022】また、図10の構成における3相電動機6
2と同様の3相電動機62Aを駆動する3相電動機装置
300において、3相電源30の欠相を検出して3相電
動機62Aに対する3相電源30の供給を遮断する制御
を行う図13のような構成(以下、第3従来技術とい
う)が特開平5−68327に開示されている。
【0023】図13において、3相検出回路41は、3
相電源30の各相間のそれぞれに、図11における抵抗
R1・ダイオードD1・フォトカプラPc1のみの組み
合わせによる回路を設けて、各相間の電圧に対する図1
2と同様の整形波信号を3つ得た後に、この3つの整形
波信号を合流させて、1つの矩形波状の検出信号41A
を得るようにしたものである。
【0024】積分回路42は、コンデンサCと抵抗Rと
による大きなC・R積分定数をもっており、検出信号4
1Aを積分した直流電圧状の比較入力信号42Aにして
比較検出回路44に与える。基準電圧回路43は、電源
電圧を分圧して所定の基準電圧にしたものを基準入力信
号43Aとして比較検出回路44に与える。
【0025】そして、比較検出回路44は、比較入力信
号42Aの電圧値が基準入力信号43Aの電圧値よりも
高いときに、比較検出信号44Aを制御器70Bに与え
て、遮断器51Bを遮断するとともに、表示器70Aに
欠相がある旨の表示を行わせるようにしたものである。
【0026】ここで、検出信号41Aは、3相交流を矩
形波に整形して得られる3つの整形波信号、つまり、図
12の整形波信号と同様の波形信号が位相120°ずつ
つ異なった3つの整形波信号を得た後に、この3つの整
形波信号を合流させたものになるので、各整形波信号が
高レベルの箇所が他の整形波信号の低レベルで消去され
るため、欠相のない場合には、高レベルの箇所が短い時
間幅になり、低レベルの箇所が長い時間幅になった1つ
の矩形波状信号になって現れる。
【0027】しかし、欠相がある場合には、3つの整形
波信号のうちの1つが無くなるので、検出信号41A
は、高レベルの箇所のみが時間幅が3倍程度に広がった
波形になるため、比較入力信号42Aは、欠相が無いと
きには低い電圧値、また、欠相があるときは高い電圧値
になるように電圧変化することになる。したがって、基
準入力信号43Aをこの電圧変化の中間の電圧値に設定
しておくことにり、上記の制御動作を行わせることがで
きるものである。
【0028】さらに、上記の第2従来技術における2相
変換回路22による構成の複雑さを無くするために、2
相変換回路22を除去するとともに、2相電動機82を
3相電動機に変更した構成(以下、第4従来技術とい
う)が本願出願人の出願にもとづく特願平7−2912
18により開示されている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上記の第3従来技術に
よる欠相制御構成のものでは、3相電動機62Aに現に
供給されている3相電源の各相間電圧を波形成形して合
流した合流信号を得るとともに、この合流信号を積分回
路42で積分して直流状の信号の電圧変化とし、この電
圧変化を、電源電圧を分圧した基準電圧と比較して得ら
れる比較検出信号により欠相を検出している。
【0030】そして、第1には、電源電圧の変動によっ
て基準電圧が変化すること、第2には、C・R積分定数
の値が回路素子の温度によって変化すること、第3に
は、積分した直流状の信号に脈流状の信号が残っている
と、その脈流による電圧の変動が基準電圧との比較に支
障を生ずることなどのため、C・R積分定数を十分に大
きな値にして脈流のない直流信号にする必要がある。
【0031】したがって、上記の第3従来技術による欠
相制御構成の3相電動機装置では、欠相してから比較入
力信号に十分な変化が現れるまでには、相当の時間が掛
かり、この間に、3相電動機62Aが焼損を起こしてし
まうという不都合がある。
【0032】また、上記の第2従来技術・第3従来技術
・第4従来技術では、3相電動機62・62Aに現に供
給されている3相電源30の各相間の電圧にもとづいて
欠相を検出しているため、3相電動機62Aを運転した
後でなければ、欠相が検出できないので、運転開始時に
欠相状態があった場合にも、欠相状態の電源がそのまま
供給されてしまうため、上記と同様に焼損を起こしてし
まうという不都合がある。
【0033】さらに、上記の第1従来技術の構成に第3
従来技術による欠相制御構成を適用した空調装置、また
は、上記の第2従来技術・第4従来技術の構成に第3従
来技術による欠相制御構成を適用した極低温冷凍装置の
場合にも、上記の不都合と同様の不都合か生ずる。
【0034】このため、こうした不都合のない3相電動
機装置や空調装置の提供が望まれているという課題があ
る。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
為されたものであり、3相電源を駆動用継電回路を介し
て3相電動機に与えるとともに、3相電源の欠相を検出
して3相電動機を保護する構成を設けた3相電動機装置
において、3相電源の3相のうちの少なくとも1つの2
相間の電圧波形を波形整形して得られる整形波信号の所
定側レベルの存否にもとづいて上記の欠相を検出する欠
相検出手段を具備することを特徴とする。
【0036】また、本発明は、3相電源を駆動用継電回
路を介して3相電動機に与えるとともに、3相電源の欠
相を検出して3相電動機を保護する構成を設けた3相電
動機装置において、3相電源と駆動用継電回路との間の
電路における3相電源の3相のうちの少なくとも1つの
2相間の電圧波形を波形整形して得られる整形波信号の
所定側レベルの存否にもとづいて欠相を検出する欠相検
出手段を具備することを特徴とする。
【0037】また、本発明は、3相電源を駆動用継電回
路を介して3相電動機に与えるとともに、3相電源の欠
相を検出して3相電動機を保護する構成を設けた3相電
動機装置において、3相電源と駆動用継電回路との間の
電路における3相電源の3相のうちの1つの2相間の電
圧波形を波形整形して得られる整形波信号の所定側レベ
ルの存否にもとづいて欠相を検出する欠相検出手段と、
電路における3相電源の3相のうちの1つの2相間とは
異なる他の1つの2相間の電圧にもとづいて駆動用継電
回路を制御する制御部分の動作電源を得る制御電源手段
とを具備したことを特徴とする。
【0038】さらに、本発明は、駆動用継電回路を介し
て3相電源を与える3相電動機により駆動される圧縮部
で圧縮した熱操作流体にもとづいて空調用熱源を得ると
ともに、3相電源の欠相を検出して3相電動機を保護す
る構成を設けた空調装置において、3相電源の3相のう
ちの少なくとも1つの2相間の電圧波形を波形整形して
得られる整形波信号の所定側レベルの存否にもとづいて
上記の欠相を検出する欠相検出手段を具備することを特
徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、上記の図10〜図13によ
り説明した3相電動機装置300・空調装置500・極
低温冷凍装置1000の構成に、この発明を適用した実
施の形態を説明する。なお、図1〜図9において、図1
0〜図14における符号と同一符号で示す部分は、図1
0〜図14で説明した同一符号の部分と同一の機能をも
つ部分である。また、図1〜図9において同一符号で示
す部分は、図1〜図9のいずれかにおいて説明した同一
符号の部分と同一の機能をもつ部分である。
【0040】まず、図1〜図5により、第1実施形態を
説明する。図1の構成が図14の構成と異なる箇所は、
第1には、3相電源30の欠相制御構成を追加した箇所
であり、実際の欠相検出を、3相のうちの1つの2相間
の電圧、つまり、3相のうちのいずれか2つの相の間の
電圧波形を波形整形して得られる整形波信号のみによっ
て検出するように構成した箇所である。
【0041】第2には、他の相の欠相に対しては直接的
な検出を行わずに、上記の1つの2相間とは異なる他の
1つの2相間から制御部70と駆動用継電回路51の電
源を得るようにしておくことにより、欠相によって制御
部70と駆動用継電回路51の動作用電源が無くなり、
自動的に駆動用継電回路51がOFF状態、つまり、遮
断状態になるように構成した箇所である。
【0042】第3には、上記の欠相を検出する部分と、
制御部70と駆動用継電回路51の動作用電源を得る部
分とを、3相電源30と駆動用継電回路51との間の電
路に設けることによって、3相電動機62の運転開始前
に欠相検出が行えるようにした箇所である。
【0043】そして、第4には、上記の欠相検出を上記
の1つの2相間の電圧波形を波形整形して得られる整形
波信号の所定側レベルの存否によって検出するように構
成した箇所である。
【0044】具体的には、図1において、2相間波形整
形回路11(1/2)は、例えば、図3の各2相間波形
整形回路11のうちのS相端子・T相端子間に設けた部
分の回路により整形波信号11Aを得る構成部分のみを
設けたものである。
【0045】ここで、まず、図3の各2相間波形整形回
3の構成を説明すると、図3の構成は、図11の回路に
おけるトランジスタQ2・Q4による極性反転部分を除
去するとともに、各回路素子を図中に記載した規格と値
をもつもので構成した回路によって、図4のように、1
つの2相間、例えば、S−T相間における電圧波形を矩
形波状に波形整形した整形波信号11Aと、他の1つの
2相間、例えば、R−S相間における電圧波形を同様に
波形整形した整形波信号11Bとを得るようにしたもの
である。
【0046】そして、図3の回路構成では、欠相が無い
ときには、Hレベル、つまり、高いレベルの状態のHレ
ベル期間T11と、Lレベル、つまり、低いレベルの状
態のLレベル期間T12とが交互に現れる。
【0047】Hレベル期間T11・Lレベル期間T12
は、それぞれ、50Hzの場合には約10msec程
度、また、60Hzの場合には約8.3msec程度で
あるが、欠相によって入力電圧が無くなったときには、
図11のトランジスタQ2・Q4による極性反転が無い
ので、Hレベルの信号が連続的に現れるようになる。
【0048】つまり、整形波信号11Aでは、例えば、
時点t1にT相が欠相したとすると、それ以後は、Hレ
ベル期間T11AがT相が与えられるまで続行し、ま
た、整形波信号11Bでは、例えば、時点t2にR相が
欠相したとすると、それ以後は、Hレベル期間T11B
がR相が与えられるまで続行する。
【0049】したがって、欠相を検出するための判別に
は、4つの判別方法があり、第1の判別方法は、Lレベ
ルが所定期間以上に亙って存在しないことを判別する方
法であり、第2の判別方法は、Hレベルが所定期間以上
に亙って存在し続けていることを判別する方法であり、
第3の判別方法は、所定期間内にHレベルとLレベルの
交替がないことを判別する方法であり、第4の判別方法
は、所定期間内にHレベルとLレベルの交替が所定回数
だけ行われないことを検出する方法である。
【0050】具体的には、第1の判別方法の場合は、欠
相時には、図4における整形波信号11AのLレベルが
無い期間が所定値以上に長くなることを検出するもので
あり、厳密には、Lレベル期間T12の1.3倍程度の
長さに亙ってLレベルが存在しなければ、欠相として判
断してもよいが、確実性を増すために、例えば、5回の
波形分程度の長さを判別期間として、Lレベル期間T1
2の10倍程度の長さ、つまり、50Hzの場合は、約
200ms以上に亙ってLレベルが存在しないときには
欠相として判別することにすればよい。
【0051】また、第2の判別方法の場合には、欠相時
には、図4における整形波信号11AのHレベル期間T
11が、Hレベル期間T11A・T11Bのように、所
定値以上に長くなることを検出するものであり、厳密に
は、Hレベル期間T11が、その1.3倍程度の長さに
なれば、欠相として判断してもよいが、確実性を増すた
めに、第1の判別方法の場合と同様に、例えば、5回の
波形分程度の長さを判別期間として、Hレベル期間T1
1の10倍程度の長さ、つまり、50Hzの場合は、H
レベルが約200ms以上継続したときには欠相として
判別することにすればよい。
【0052】そして、第3の検出検出の場合には、欠相
時には、図4における整形波信号11AのHレベルとL
レベルとの交替が無くなることを判別するものであり、
所定の判別期間内、例えば、第2の判別方法と同様に、
約200msの期間内にHレベルとLレベルとの交替が
無かったことを判別すればよい。
【0053】また、第4の判別方法の場合には、欠相時
には、図4における整形波信号11AのHレベルとLレ
ベルとの交替数が所定回数だけ行われないことを判別す
るものであり、厳密には、1回半程度の交替が無けれ
ば、欠相として判断してもよいが、確実性を増すため
に、第1の判別方法の場合と同様に、例えば、5回の波
形分程度の交替を判断基準として、Hレベル期間T11
またはLベル期間T12の10倍程度の長さ、つまり、
50Hzの場合として、周波数変動を考慮して、205
ms程度の判別期間に、LレベルとHレベルの交替数が
5回未満のときには欠相として判別することにすればよ
い。なお、上記の判別の基準は、60Hzの場合にもそ
のまま使用してもよく、また、60Hzの場合に見合う
ように変更してもよい。
【0054】この第4の判別方法は、欠相時に限らず、
「周波数異常」、つまり、周波数低下がある場合も、欠
相と同様に判別されてしまうが、「周波数異常」がある
場合にも、3相電動機62の焼損事故は起きるので、一
応、欠相保護と同様の保護を行って差し支えないもので
ある。
【0055】なお、第4の判別方法は、判別期間と交替
数との関係を、3相電源30の周波数に対して、周波数
変動幅を許容する程度の厳密さに設定しておき、交替数
が所定数を超えた場合も、所定数に満たない場合も、欠
相と同様に判別させるように構成することによって、周
波数低下の場合のほかに、3相電源30に高調波が含ま
れた高調波異常が生じた場合にも、3相電動機62の焼
損をも防止する保護を行うことができる。
【0056】第1実施形態では、いずれの検出方法を用
いる場合でも、後記の制御電源12に用いる1つの2相
間とは異なる他の1つの2相間の電圧波形を波形整形す
るように構成してあり、ここでは、図1の2相間波形整
形回路11(1/2)は、S−T相間の電圧波形を波形
整形して、図4の整形波信号11Aを制御部70に与え
ようにしてある。
【0057】制御部70は、例えば、図5のように、C
PU70Aを主体に構成した制御部、例えば、市販のC
PUボードであり、3相電動機62に3相電源30を供
給する電源供給系の動作を制御するための専用の制御部
として設けた構成であってもよく、また、こうした電源
供給系の制御を、空調装置500の全体動作を制御する
ための制御部に兼用させる構成であってもよい。そし
て、ここでは、図1の制御部70は、後者の構成のもの
における要部のみを示したものとする。
【0058】図5において、検出信号の1つとして、整
形波信号11AのHレベル・Lレベルの変化を、入出力
ポート71を介して、作業用メモリ73、例えば、RA
Mに取り込んで記憶する。
【0059】CPU70Aは、処理用メモリ72、例え
ば、ROMに記憶された制御処理フローのプログラム
と、データ用メモリ、例えば、電気的に書換可能なPR
OM、つまり、EEPROM(Erectricall
y Erasable PROM)に記憶されたデータ
と、作業用メモリ73に記憶されたデータと、時計回路
75による計時データなどにもとづいて、作業用メモリ
73に記憶したデータを処理して得られる各制御信号、
つまり、駆動用継電回路51など制御する制御信号51
Aなどを入出力ポート71を介して所要の各制御対象部
分に出力する。
【0060】こうした制御処理は、例えば、図2のよう
な制御処理フローのプログラムを処理用メモリ72に記
憶することによって、目的とする制御処理を行うもので
ある。なお、上記の処理用メモリ72とデータ用メモリ
74とを1つのEEPROMによって構成し、その記憶
領域を処理用メモリ72の記憶領域とデータ用メモリ7
4の記憶領域とに分けて使用するようにしてもよい。
【0061】操作部76を操作して入力したデータは、
入出力ポート71を介して作業用メモリ73に取り込ま
れ、また、表示部77は、CPU70Aにおける制御処
理の状態、各メモリ72・73のデータ状態などのうち
所要のものを表示する。
【0062】制御電源12は、2相波形整形回路11
(1/2)に与えている1つの2相間とは異なる他の1
つの2相間、例えば、R−S相間の電圧から直流電圧1
2A1を作り、2相間波形整形回路11(1/2)、駆
動用継電回路51の保持回路13、制御部70などに供
する回路であり、例えば、一般の整流電源であって、交
流電圧を整流した後に平滑用の濾波回路12Aを通して
直流電圧12A1を得ているものである。
【0063】保持回路13は、駆動用継電回路51を接
続側、つまり、ON側に制御する継電制御信号51Aが
短いパルス状信号であるために、ON状態を継続させる
ように保持するための回路であり、例えば、小型の継電
器とJ−Kフリップフロップとを組み合わせた回路であ
る。
【0064】したがって、図1の構成では、3相電動機
62の運転を開始する前に、R相またはS相が欠相して
いる場合には、制御電源12の入力側に電圧が与えられ
ず、直流電圧12A1が出力されないため、結局、保持
回路13が全く動作しないことになり、必然的に、駆動
用継電回路51は、3相電源30を遮断した状態にする
ので、3相電動機62は欠相から保護されることにな
る。
【0065】また、3相電動機62が運転動作中に、R
相またはS相が欠相した場合には、制御電源12の入力
側の電圧が無くなるため、直流電圧12A1が出力され
なくなり、同様にして、保持回路13が不動作状態にな
るため、駆動用継電回路51がOF状態になり3相電源
30を遮断するので、3相電動機62は欠相から保護さ
れることになる。
【0066】ここで、直流電圧12A1は、平滑用の濾
波回路12Aに設けたコンデンサに充電されているの
で、R相またはS相が欠相した場合でも、駆動用継電回
路51は直ちにOF状態にはならないが、コンデンサの
充電による直流電圧12A1の持続は、一般に、長い場
合でも、0.3秒〜1秒程度なので、その間の欠相によ
って3相電動機62が焼損するなどの不都合を生ずるこ
とはない。
【0067】なお、継電制御信号51Aが連続的な制御
信号を与える構成の場合には、保持回路13が不要であ
り、また、R相またはS相が欠相した場合には、直流電
圧12A1が出力されないので、必然的に、制御部70
からの継電制御信号51Aが出力されないか、または、
中断されてしまうため、駆動用継電回路51が3相電源
30を遮断状態にするので、3相電動機62は欠相から
保護されることになる。
【0068】そして、T相が欠相した場合には、制御電
源12から直流電源12A1が出力されており、2相間
波形整形回路11(1/2)・保持回路13・制御部7
0が動作状態になっているので、図2の制御処理フロー
による制御処理によって、3相電動機62が欠相から保
護されるように動作するものである。
【0069】欠相の検出に、第1の検出方法または第2
の検出方法を用いる場合には、50Hzの場合として、
判別基準とした200msに相当する時間データTB2
と、正規のLレベル期間またはHレベル期間、つまり、
10msに相当する時間データTB1とをデータ用メモ
リ74に記憶し、また、第3の検出方法を用いる場合に
は、判別基準とした200msに相当する時間データT
B2と、LレベルとHレベルの交替数の5回に相当する
交替数データNとをデータ用メモリ74に記憶してあ
る。これらの判別基準のデータは60Hzの場合にもそ
のまま使用してもよく、また、60Hzの場合に見合う
ように変更してもよい。
【0070】また、3相電動機62の運転開始を行う場
合には、制御電源12が十分に安定した直流電圧12A
1を出力できるようにした後に、欠相を判別した方が、
確実性が増すので、このための待ち時間を、例えば、約
0.4秒程度と考えて、予め、400msに相当する時
間データTA1をデータ用メモリ74に記憶してある。
【0071】図2の制御処理フローは、空調装置500
の定常の制御処理を行うためのメイン制御処理ルーチン
に付属するサブルーチンとして構成してあり、例えば、
約0.5秒ごとに、メモリ制御処理ルーチンから図2の
制御処理ルーチンに移行してくるものとする。
【0072】以下、図2の制御処理フローを説明する。
【0073】◆ステップSP1では、設定操作部76か
ら設定した設定データまたはメイン制御処理フローによ
り設定され、処理メモリに記憶さている運転指令に関す
る設定データを取り込んで取り込んで次のステップSP
2に移行する。
【0074】◆ステップSP2では、取り込んだデータ
の中に、「運転開始」、つまり、3相電動機62を開始
する旨のデータがあるか否かを判別する。「運転開始」
であるときは次のステップSP3に移行し、そうでない
ときはステップSP11に移行する。
【0075】◆ステップSP3では、制御部70に直流
電圧12A1が与えられて時計回路75が計時を開始し
てからの経過時間TAを、データ用メモリ74に記憶さ
れている時間データTA1と比較して、経過時間TAが
時間データTA1を超えているか否かを判別する。超え
ているときは次のステップSP4に移行し、そうでない
ときは、同じステップSP3を繰り返す。つまり、時間
待ちを行う。
【0076】◆ステップSP4では、整形波信号11A
のデータを取り込んで、次のステップSP5に移行す
る。
【0077】◆ステップSP5では、所定側レベルが存
在しているか否かを判別する。所定側レベルが存在して
いるときは次のステップSP6に移行し、そうでないと
きはSP7に移行する。
【0078】ここでの判別は、4つの判別方法のうちの
1つによって判別を行えばよいものであり、第1の判別
方法をとる場合には、Lレベルの存否を判別することに
なるので、Lレベルが無い状態、つまり、Hレベルの状
態の期間を時計回路75で計時した時間長TBと、デー
タ用メモリ74に記憶されている時間データTB1・T
B2とを比較して、時間長TBが時間データTB1を超
え、かつ、時間データTB2を超えていることによって
欠相を判別する。
【0079】つまり、時間長TBが、時間データTB1
を超えていないときは所定側レベルが存在している「Y
ES」のもの、つまり、欠相がないものとし、また、時
間データTB1を超え、かつ、時間データTB2を超え
ているときは所定側レベルが存在していない「NO」の
ものとして判別する。したがって、第2の判別方法をと
る場合にも、上記の第1の判別方法の場合と同様の判別
を行えばよいことになる。
【0080】また、第3の判別方法をとる場合には、時
計回路75で計時を開始するとともに、HレベルとLレ
ベルとの交替数を計数してゆき、時計回路75が時間デ
ータTB2を計時し終えたときに得られる交替数の計数
値が「0」であれば「NO」、つまり、欠相として判別
し、「1」を超えていれば「YES」、つまり、欠相で
はないものと判別する。
【0081】さらに、第4の判別方法をとる場合には、
ここでは周波数低下と高調波を含む場合を検出するもの
とすれば、時計回路75で計時を開始するとともに、H
レベルとLレベルとの交替数を計数してゆき、時計回路
75が時間データTB2を計時し終えたときに得られる
交替数の計数値NAと、データ用メモリ74に記憶され
ている交替数データNとを比較して、計数値NAがデー
タNと等しいときは「YES」、計数値NAがデータN
と等しくないときは「NO」として判別する。
【0082】◆ステップSP6では、3相電源30を3
相電動機62・82Aに与えるための継電制御信号51
Aを保持回路13に与えて、駆動用継電回路51を接続
状態にした後に、メイン制御処理ルーチンの所定のステ
ップ箇所に移行する。
【0083】◆ステップSP7では、「欠相警報」、つ
まり、欠相がある旨の警報表示を行うための警報制御信
号を与えて、警報表示を行った後に、次のステップSP
8に移行する。ここでの警報表示は、視覚的表示のほか
に、表示部77または制御部70内の適宜の箇所に設け
た警音器、例えば、ブザーを設けて警音を行うようにす
ることもできる。
【0084】◆ステップSP8では、ステップSP1と
同様に、操作データを取り込んで次のステップSP9に
移行する。
【0085】◆ステップSP9では、設定操作部76を
操作して入力された「警報解除」、つまり、「欠相警
報」を解除する旨の指令データがあるか否かを判別す
る。「警報解除」のデータがあるとき次のステップSP
10に移行し、そうでないときはステップSP8に戻
る。
【0086】◆ステップSP10では、ステップSP7
で行った「欠相警報」を解除した後に、メイン制御処理
ルーチンの所定のステップ箇所に移行する。
【0087】◆ステップSP11では、「運転中」、つ
まり、電動機62・82Aが運転中である旨のデータが
あるか否かを判別する。「運転中」であるときは次のス
テップSP12に移行し、そうでないときはメイン制御
処理ルーチンの所定のステップ箇所に移行する。
【0088】◆ステップSP12では、ステップSP4
と同様に、整形波信号11Aのデータを取り込んで、次
のステップSP5に移行する。
【0089】◆ステップSP13では、ステップSP5
と同様の判別を行い、所定側レベルが存在しているとき
はメイン制御処理ルーチンの所定のステップ箇所に移行
し、そうでないときはSP14に移行する。
【0090】◆ステップSP14では、3相電源30を
遮断するための継電制御信号51Aを保持回路13に与
えて、駆動用継電回路51を遮断状態にした後に、ステ
ップSP7に移行する。
【0091】次に、図6・図7により第2実施形態を説
明する。上記の第1実施形態の構成ではR相またはS相
が欠相した場合には、「欠相警報」を行えないので、第
2実施形態では、こうした場合にも「欠相警報」を行え
るようにしたものである。そして、図6の構成が図1の
構成と異なる箇所は、第1には、制御電源12を図6の
ように構成して、濾波回路12Aの後に、停電時のバッ
クアップ電源と同様の充電電池部12B、つまり、小型
のUPS式の電源部分を設けるとともに、濾波回路12
から得られる図1の直流電圧12A1と同様の直流電圧
を直流電圧(1)12A1とし、充電電池12Bから得
られる直流電圧を直流電圧(2)12B1として設けた
箇所である。
【0092】つまり、図6において、変圧器TRにより
R−S相間の電圧を降圧した電圧は、ダイオードD1に
より整流されて脈流成分をもつ直流になり、チョークコ
イルL11・コンデンサC31による平滑用の濾波回路
12Aで脈流成分を除去されて直流電圧(1)12A1
として出力されるとともに、直流電圧(1)12A1を
分岐した直流電圧が充電電池部12Bに入り、逆流阻止
用のダイオードD12を通ってバックアップ電池B11
に充電され、この充電された電圧が直流電圧(2)12
B1として出力されるようになっている。
【0093】また、第2には、直流電圧(1)12A1
を保持回路13の動作電源として与えるとともに、R相
またはS相の欠相を検出するための検出信号として制御
部70の入出力ポート71とに与え、また、直流電圧1
2B1を2相間波形成形回路11・制御部70・表示部
77の動作電源として与えている箇所である。
【0094】したがって、R相またはS相が欠相した場
合でも、制御部70・表示部77は動作し続けることが
できるので、制御部70は直流電圧12A1が無くなっ
たことを検出して、「欠相警報」を行うための制御信号
を表示部77に与え、「欠相警報」を行うようにした制
御処理フローを追加するだけで、R相またはS相に対す
る「欠相警報」を行うことができるようになり、また、
S相またはT相の欠相による「欠相警報」動作と、駆動
用継電回路51による欠相時の遮断動作とは、第1実施
形態の場合と全く同様に行うことができるわけである。
【0095】次に、図8・図9により第3実施形態を説
明する。上記の第1・第2実施形態では、実際には、R
相またはS相の電圧波形による欠相を検出せずに、制御
電源12の電源電圧12A1が無くなることを利用して
いるため、制御電源12の故障を欠相として誤認するこ
ともあり得るので、この第3実施形態では、R−S相間
の電圧波形による検出をも行い得るようにしたものであ
る。
【0096】図8の構成が、図7の構成と異なる箇所
は、第1には、2相間波形成形回路の部分を、図3にお
ける回路全体を用いた各2相間波形整形回路11によっ
て構成することにより、図4における整形波信号11A
をS−T相間側の電圧波形を波形整形した信号として得
るとともに、図4における整形波信号11BをR−S相
間側の電圧波形を波形整形した信号として得るように変
更した箇所である。
【0097】また、第2には、各2相間波形整形回路1
1・保持回路13・制御部70の各動作電源として、全
て、充電電池部12Bから出力される直流電圧(2)1
2B1を与えるように変更した箇所である。
【0098】さらに、第3には、処理メモリ72に記憶
する制御処理フローのプログラムを、図9の制御処理フ
ローによるプログラムを記憶するように変更した箇所で
あり、図9の制御処理フローも、図2の制御処理フロー
と同様に定常の制御処理を行うためのメイン制御処理ル
ーチンに付属するサブルーチンとして構成してあり、例
えば、約0.5秒ごとに、メモリ制御処理ルーチンから
図9の制御処理ルーチンに移行してくるものとする。
【0099】以下、図9の制御処理フローを説明する。
【0100】◆ステップSP21〜ステップSP25で
は、図2の制御処理フローにおけるステップSP1〜ス
テップSP5における制御処理と同様の制御処理を行う
ものであり、異なることは、ステップSP22での判別
が「運転開始」でないときはステップSP41に移行す
ること、また、ステップSP25における判別で「所定
側のレベル」が存在するときは次のステップSP26に
移行し、そうでないときはステップSP29に移行する
ことである。
【0101】◆ステップSP26では、整形波信号11
Bのデータを取り込んで、次のステップSP27に移行
する。
【0102】◆ステップSP27では、所定側レベルが
存在しているか否かを判別する。所定側レベルが存在し
ているときは次のステップSP28に移行し、そうでな
いときはSP19に移行する。なお、ここでの判別は、
整形波信号11Bに対して、第1実施形態の図2の制御
処理フローにおけるステップSP5と同様の判別を行
う。
【0103】◆ステップSP28〜ステップSP32で
は、図2の制御処理フローにおけるステップSP6〜ス
テップSP10と同様の制御処理を行うものである。
【0104】◆ステップSP41〜ステップSP43で
は、図2の制御処理フローにおけるステップSP11〜
ステップSP13における制御処理と同様の制御処理を
行うものであり、異なることは、ステップSP11での
判別が「運転中」でないときはメイン制御処理ルーチン
の所定のステップ箇所に移行すること、また、ステップ
SP13における判別で「所定側のレベル」が存在する
ときはメイン制御処理ルーチンの所定のステップ箇所に
移行し、そうでないときはステップSP46に移行する
ことである。
【0105】◆ステップSP46では、3相電源30を
遮断するための継電制御信号51Aを保持回路13に与
えて、駆動用継電回路51を遮断状態にした後に、ステ
ップSP29に移行する。
【0106】この発明は次のように変形して実施するこ
とを含むものである。
【0107】(1)図1・図3・図7・図8における2
相間波形整形回路11(1/2)・各2相間波形整形回
路11に入力する相と、制御電源12に入力する相と
を、適宜に変更して、同様の欠相検出と欠相制御を行え
るように構成する。
【0108】(2)図3の各2相間波形整形回路11
に、図11における極性反転用のトランジスタQ2・Q
4を追加して、図4の整形波信号11A・整形波信号1
1Bを、HレベルとLレベルとが入れ換わった信号にす
るとともに、所定側レベルの存否の判別を、第1実施形
態における判別と異なる側のレベルによって行うように
変更して構成する。
【0109】(3)制御部70の構成を、CPU構成に
よらず、ディスクリートな回路構成によって構成する。
【0110】(4)装置自体に3相電源30を投入する
ための電源投入スイッチ30Aを設けて構成する。
【0111】(5)図10の第1従来技術における逆相
検出・相切換と同様の逆相検出・相切換を設けて構成す
る。
【0112】(6)欠相検出と欠相制御を行うための制
御部と、空調装置500または極低温冷凍装置1000
における定常的な制御を行う制御部とを別個の制御部に
よって行うように構成する。
【0113】
【発明の効果】この発明によれば、以上のように、3相
のうちの2相間の電圧波形を波形整形して得られる信号
の所定側レベルの存否により欠相を判別して3相電動機
に保護しているため、積分回路のように所定のレベルを
得るまでの時間による検出遅れが無くなり、3相電動機
を保護するための欠相時の制御が迅速に行えるので、3
相電動機の欠相による焼損事故を確実に防止できる。
【0114】また、3相のうちの1つの2相間を上記の
整形波信号の所定側レベルの存否によって判別して欠相
時の制御を行うとともに、他の1つの2相間の電圧によ
って制御部などのの電圧によって得ることにより、欠相
によって必然的に3相電動機に対する3相電源の供給を
遮断し得るようにしているため、構成を簡便になり、装
置を安価に提供できる。
【0115】さらに、上記のような欠相時の制御を行う
構成を3相電源と駆動用継電回路との間に設けているた
め、3相電動機を運転前に欠相時の制御を行えるので、
運転開始時の欠相による3相電動機の焼損事故をも防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
図面中、図1〜図10はこの発明の実施の形態を、ま
た、図11〜図14は従来技術を示し、各図の内容は次
のとおりである。
【図1】全体ブロック構成図
【図2】要部制御処理フロー図
【図3】要部回路構成図
【図4】要部信号波形図
【図5】要部ブロック構成図
【図6】要部回路構成図
【図7】全体ブロック構成図
【図8】全体ブロック構成図
【図9】要部制御処理フロー図
【図10】全体ブロック構成図
【図11】要部回路構成図
【図12】全体ブロック構成図
【図13】全体ブロック構成図
【図14】全体ブロック構成図
【符号の説明】
2 圧縮部 4 管路切換部 5 熱交換器 11 2相間波形整形回路 11(1/2) 2相間波形整形回路 11A 整形波信号 11B 整形波信号 12 制御電源 12A 濾波回路 12A1 直流電圧 12B1 直流電圧 12B 充電電池部 13 保持回路 22 2相切換回路 25 熱交換器 26 制御部 27 設定操作部 30 3相電源 30A 電源投入スイッチ 41 3相検出回路 41A 検出信号 42 積分回路 42A 比較入力信号 43 基準電圧回路 43A 基準入力信号 44 比較検出回路 44A 比較検出信号 51 駆動用継電回路 51A 継電制御信号 51B 遮断器 52 相切換回路 53 2相変換回路 54 波形整形回路 54A 波形整形信号 54B 波形整形信号 60 圧縮部 61 圧縮機 65 冷媒 66 吐出管路 67 戻入管路 62 3相電動機 62A 3相電動機 70 制御部 70A CPU 70B 制御部 71 入出力ポート 72 処理用メモリ 73 作業用メモリ 74 データ用メモリ 75 時計回路 76 設定操作部 77 表示部 80 冷凍部 81 ディスプレーサ 82 2相電動機 100 熱源機 200 室内機 500 空調装置 1000 極低温冷凍装置 A 出力端子 B 出力端子 B11 バックアップ電池 C コンデンサ C11 コンデンサ C12 コンデンサ C21 コンデンサ C22 コンデンサ C31 コンデンサ D1 ダイオード D2 ダイオード D11 整流器 D12 ダイオード L1 チョークコイル Pc1 ホトカプラ Pc2 ホトカプラ Q1 トランジスタ Q2 トランジスタ Q3 トランジスタ Q4 トランジスタ R 相 R1 抵抗 R2 抵抗 R11 抵抗 R12 抵抗 R21 抵抗 R22 抵抗 S 相 SA 線路 T 相 T1 時間差 T11 Hレベル期間 T11A Hレベル期間 T11B Hレベル期間 T12 Lレベル期間 TR 変圧器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相電源を駆動用継電回路を介して3相
    電動機に与えるとともに、前記3相電源の欠相を検出し
    て前記3相電動機を保護する構成を設けた3相電動機装
    置であって、前記3相電源の3相のうちの少なくとも1
    つの2相間の電圧波形を波形整形して得られる整形波信
    号の所定側レベルの存否にもとづいて前記欠相を検出す
    る欠相検出手段を具備することを特徴とする3相電動機
    装置。
  2. 【請求項2】 3相電源を駆動用継電回路を介して3相
    電動機に与えるとともに、前記3相電源の欠相を検出し
    て前記3相電動機を保護する構成を設けた3相電動機装
    置であって、前記3相電源と前記駆動用継電回路との間
    の電路における前記3相電源の3相のうちの少なくとも
    1つの2相間の電圧波形を波形整形して得られる整形波
    信号の所定側レベルの存否にもとづいて前記欠相を検出
    する欠相検出手段を具備することを特徴とする3相電動
    機装置。
  3. 【請求項3】 3相電源を駆動用継電回路を介して3相
    電動機に与えるとともに、前記3相電源の欠相を検出し
    て前記3相電動機を保護する構成を設けた3相電動機装
    置であって、前記3相電源と前記駆動用継電回路との間
    の電路における前記3相電源の3相のうちの1つの2相
    間の電圧波形を波形整形して得られる整形波信号の所定
    側レベルの存否にもとづいて前記欠相を検出する欠相検
    出手段と、前記電路における前記3相電源の3相のうち
    の前記1つの2相間とは異なる他の1つの2相間の電圧
    にもとづいて前記駆動用継電回路を制御する制御部分の
    動作電源を得る制御電源手段とを具備することを特徴と
    する3相電動機装置。
  4. 【請求項4】 駆動用継電回路を介して3相電源を与え
    る3相電動機により駆動される圧縮部で圧縮した熱操作
    流体にもとづいて空調用熱源を得るとともに、前記3相
    電源の欠相を検出して前記3相電動機を保護する構成を
    設けた空調装置装置であって、前記3相電源の3相のう
    ちの少なくとも1つの2相間の電圧波形を波形整形して
    得られる整形波信号の所定側レベルの存否にもとづいて
    前記欠相を検出する欠相検出手段を具備することを特徴
    とする空調装置。
JP31794896A 1996-11-28 1996-11-28 3相電動機装置ならびにそれを用いた空調装置 Pending JPH10164747A (ja)

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