以下、本発明の実施の形態による圧縮機の制御装置として、スクロール式空気圧縮機に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1ないし図11は第1の実施の形態を示している。図1および図2において、1は空気を圧縮する圧縮部で、該圧縮部1は、軸方向一側が開口した略筒状のケーシング2と、後述の固定スクロール3、旋回スクロール9、駆動軸19とによって大略構成されている。そして、圧縮部1は、固定スクロール3に対して旋回スクロール9が順方向に回転運動することによって、外部の空気を圧縮して圧縮空気を吐出するものである。
3はケーシング2の開口側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール3は、図2に示すように、軸線O−Oを中心として略円板状に形成された鏡板4と、該鏡板4の表面となる歯底面に軸方向に立設された渦巻状のラップ部5と、該ラップ部5を取囲んで鏡板4の外径側に設けられた筒部6と、鏡板4の背面に突設された複数の冷却フィン7とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部5は、例えば最内径端を巻始め端として、最外径端を巻終り端としたときに、内径側から外径側に向けて例えば3巻前,後の渦巻状に巻回されている。そして、ラップ部5の歯先面は、相手方となる旋回スクロール9の鏡板10の歯底面から一定の軸方向寸法だけ離間し、この歯先面側にはチップシール8が設けられている。
9はケーシング2内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール9は、固定スクロール3の鏡板4と対向して配置された略円板状の鏡板10と、該鏡板10の表面となる歯底面に立設された渦巻状のラップ部11と、鏡板10の背面に突設された複数の冷却フィン12と、該冷却フィン12の先端側に位置して固定された背面プレート13とによって大略構成されている。
ここで、ラップ部11は、固定スクロール3のラップ部5とほぼ同様に、例えば3巻前,後の渦巻状をなしている。そして、ラップ部11の歯先面は、相手方となる固定スクロール3の鏡板4の歯底面から一定の軸方向寸法だけ離間し、この歯先面側にはチップシール14が設けられている。
また、背面プレート13の中央側には、後述する駆動軸19のクランク部19Aと回転可能に連結される筒状のボス部13Aが一体形成されている。また、背面プレート13の外径側とケーシング2との間には、旋回スクロール9の自転を防止する例えば3個の補助クランク15(1個のみ図示)が設けられている。
16は固定スクロール3の外径側に設けられた例えば2個の吸込口で、該各吸込口16は、鏡板4の外径側から筒部6にかけて開口し、後述する外径側の圧縮室18に連通している。そして、吸込口16は、例えば空気等の流体を吸込フィルタ16Aを通じて外径側の圧縮室18内に吸込むものである。
17は固定スクロール3の鏡板4の内径側(中心側)に設けられた吐出口で、該吐出口17は、最内径側の圧縮室18に連通し、この圧縮室18内の圧縮空気を外部に吐出させるものである。
18は固定スクロール3と旋回スクロール9との間に設けられた複数の圧縮室で、これらの圧縮室18は、ラップ部5,11の間に位置して外径側から内径側にわたって順次形成され、チップシール8,14によって気密に保持されている。そして、各圧縮室18は、旋回スクロール9が順方向に旋回運動するときに、ラップ部5,11の外径側から内径側に向けて移動しつつ、これらの間で連続的に縮小される。
これにより、各圧縮室18のうち最外径側の圧縮室18には、吸込口16から外部の空気が吸込まれ、この空気は最内径側の圧縮室18に達するまでに圧縮されて圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は吐出口17から外部に吐出され、貯留タンク(図示せず)に貯えられる。
19はケーシング2に軸受等を介して回転可能に設けられた駆動軸で、該駆動軸19は、後述の電動モータ22によって駆動されることにより、旋回スクロール9を旋回運動させる。
ここで、駆動軸19の一端側には、軸線O−Oに対して一定の寸法だけ径方向に偏心したクランク部19Aが設けられ、このクランク部19Aは、旋回軸受等を介して旋回スクロール9の背面プレート13のボス部13Aに回転可能に連結されている。また、駆動軸19の他端側には、ケーシング2の外部に位置してプーリ19Bが設けられ、このプーリ19Bは、電動モータ22の出力側にベルト(図示せず)等を介して連結されている。
また、プーリ19Bにはボルト等を用いて冷却ファン20が取付けられ、該冷却ファン20は、ファンケーシング21内で冷却風を発生させる。これにより、冷却ファン20は、冷却風をファンケーシング21内のダクト等に沿ってケーシング2の内部や各スクロール3,9の背面側に送風し、ケーシング2、固定スクロール3、旋回スクロール9等を冷却する。
22は駆動源としての電動モータで、該電動モータ22は、例えば三相誘導電動機によって構成されている。また、電動モータ22は、電磁接触器23Aを備えた電源回路部23を介して三相交流電源24に接続されている。そして、電動モータ22は、電磁接触器23AをOFF状態からON状態に切換えることによって、三相交流電源24から三相交流電力が供給される。これにより、電動モータ22は、駆動軸19を回転駆動し、旋回スクロール9を旋回運動させるものである。
25は電源回路部23に接続された電源監視装置(電源監視手段)で、該電源監視装置25は、図1および図3に示すように、後述する電源部26、パルス発生器27、コントロールユニット32等によって構成されている。そして、電源監視装置25は、電動モータ22が正転するように三相交流電源24のR相、S相、T相が適切に接続されているか否か、および三相交流が平衡状態か否かを監視する。
26は三相交流のうち任意の二相(例えばR相とS相)に接続された電源部で、該電源部26は、交流電圧から例えば+5Vの直流電圧Vccを生成し、この直流電圧Vccをパルス発生器27、コントロールユニット32等の駆動電圧として供給する。
27は電源回路部23に接続されたパルス発生器で、該パルス発生器27は、三相交流電力のうち任意の二相(例えばR相とS相)の相間電圧Vrsに応じて第1のパルス信号S1を発生する第1のパルス発生回路28と、他の二相(例えばS相とT相)の相間電圧Vstに応じて第2のパルス信号S2を発生する第2のパルス発生回路29とによって構成されている。
ここで、第1のパルス発生回路28は、相間電圧Vrsに応じた1次電流I1を供給する1次電流供給部28Aと、該1次電流供給部28Aによる1次電流I1がしきい値Itを超えたか否かに応じて第1のパルス信号S1の低レベル(Lowレベル)または高レベル(Highレベル)を決定して当該パルス信号S1を出力するフォトカプラ28Bとを備えている。
また、フォトカプラ28Bの一次側入力には、逆電圧用のダイオード28Cが並列に接続されている。さらに、フォトカプラ28Bの出力側には、プルアップ抵抗28Dを介して直流電圧Vccが印加されている。そして、フォトカプラ28Bの出力は、コントロールユニット32の割込み端子に接続されている。これにより、フォトカプラ28Bは、相間電圧Vrsによる1次電流I1がしきい値Itよりも増加したときに低レベル(0V)となり、しきい値Itよりも減少したときに高レベル(5V)となった第1のパルス信号S1を出力する。
一方、第2のパルス発生回路29も、第1のパルス発生回路28とほぼ同様に、1次電流供給部29A、フォトカプラ29B、ダイオード29Cおよびプルアップ抵抗29Dを備えている。そして、フォトカプラ29Bは、相間電圧Vstによる1次電流I2がしきい値Itよりも増加したときに低レベル(0V)となり、しきい値Itよりも減少したときに高レベル(5V)となった第2のパルス信号S2を出力する。
30,31は第1,第2の電流制限抵抗を示し、第1,第2の電流制限抵抗30,31は、1次電流供給部28A,29A、フォトカプラ28B,29B等と共に第1,第2のパルス発生回路28,29を構成している。ここで、第1の電流制限抵抗30は、第1のパルス発生回路28の1次電流供給部28Aに設けられている。そして、第1の電流制限抵抗30は、1次電流供給部28Aによる正弦波状の1次電流I1の振幅を制限し、1次電流I1の振幅に対するしきい値Itの大きさを決定している。
また、第2の電流制限抵抗30は、第2のパルス発生回路29の1次電流供給部29Aに設けられ、正弦波状の1次電流I2の振幅を制限し、1次電流I2の振幅に対するしきい値Itの大きさを決定している。
このとき、電流制限抵抗30,31の抵抗値は、例えば三相交流が安定状態にあるときに、相間電圧(200V)に応じた1次電流I1,I2の最大振幅値に対してフォトカプラ28B,29Bのしきい値Itが例えば1/3以上となるような値に設定されている。また、電流制限抵抗30,31の抵抗値は、三相交流電圧が±10%の範囲で変動したときに、第1,第2のパルス信号S1,S2のデューティ比は5%以上変化するように設定されている。
32はマイクロコンピュータ等からなる接続状態判定手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット32の入力側には電源部26、パルス発生器27が接続され、出力側には後述の警報出力部34が接続されている。また、コントロールユニット32には記憶装置33が接続され、該記憶装置33には、三相交流の接続状態を判定する接続状態判定プログラムと、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbの下限値Xおよび上限値Y等が予め記憶されている。
このとき、時間Ta,Tbの下限値Xと上限値Yは、逆相接続判定を行うときのデューティ比の所定範囲(許容範囲)によって決定される。ここで、デューティ比の所定範囲は、例えば三相交流電力の振幅が安定した状態で許容可能な変動幅の範囲に設定される。具体的には、安定状態の三相交流電力の振幅に対して、例えば±5%よりも広く±30%よりも狭い範囲、好ましくは電源の変動として定格で許容されている±10%の範囲に設定する。このため、下限値Xは、三相交流電圧の振幅が例えば10%低下したときのデューティ比に対応した値に設定されている。一方、上限値Yは、三相交流電圧の振幅が例えば10%上昇したときのデューティ比に対応した値に設定されている。
具体的に説明すると、図11に示すように、相間電圧Vrs,Vstはその振幅値に応じてパルス信号S1,S2のデューティ比が変化する。また、このデューティ比の変化の大きさは、電流制限抵抗30,31の抵抗値に応じて変化する。そこで、本実施の形態では、三相交流電圧が安定状態となる付近でデューティ比の変化が大きくなるように、電流制限抵抗30,31の抵抗値(例えば250kΩ)を設定している。
このとき、例えば相間電圧Vrs,Vstの許容変動幅を安定状態(例えば、波高値で282V)に対して±10%(例えば、波高値で254〜310V)とすると、図11中の特性線に基づいて下限のデューティ比D1(例えばD1=6%)と上限のデューティ比D2(例えばD2=21%)を決めることができる。これにより、本実施の形態では、これらの下限および上限のデューティ比D1,D2に対応して、時間Ta,Tbの下限値Xと上限値Yを設定している。例えば、50Hzの200V三相交流の場合には、下限値Xは1.2ms程度となり、上限値Yは4.2ms程度となる。
なお、図11中のデューティ比は、各パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間と周期との比率を示している。
そして、コントロールユニット32は、パルス発生器27による2つのパルス信号S1,S2を用いて、三相交流電力が電動モータ22を逆転させる逆相接続か否かの逆相接続判定を行う。
また、コントロールユニット32は、パルス信号S1,S2のデューティ比が所定範囲内にあるか否かに応じて、逆相接続判定を行うか否かを決定する。本実施の形態では、コントロールユニット32は、パルス信号S1,S2のデューティ比に代えて、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを用いて逆相接続判定を行うか否かを決定する。具体的には、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが所定範囲(Ta,Tb≦XまたはTa,Tb≧Y)外にある場合に逆相接続判定を行わず、時間Ta,Tbが所定範囲(X<Ta<Y、X<Tb<Y)内にある場合に逆相接続判定を行うものである。
34は三相交流電源24等に異常が生じたことを通知する警報出力部で、該警報出力部34は、例えば逆相接続状態である場合、相間電圧Vrs,Vstに異常が生じた場合、およびパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが計測できなかった場合に、これらの異常を表示することによって通知する。
次に、図4ないし図8を参照しつつ、コントロールユニット32による接続状態判定プログラムについて説明する。
まず、図4は第1のパルス信号S1のエッジ部分(立上りまたは立下り)を検出して割込み処理するRSエッジ検出割込み処理を示している。このRSエッジ検出割込み処理は、パルス信号S1の低レベル区間の時間Taを計測し、相間電圧Vrsが安定状態か否か、即ち逆相接続判定が可能な状態か否かを判定するものである。
RSエッジ検出割込み処理において、まずステップ1では、コントロールユニット32によって検出したエッジが、パルス信号S1が立下りエッジか否かを判定する。そして、ステップ1で「YES」と判定したときには、コントロールユニット32は、パルス信号S1の立下りエッジを検出している。このため、ステップ2でパルス信号S1の低レベル区間の時間Taを計測するためのタイマAの計時を開始し、ステップ3でパルス信号S1の立下りエッジとパルス信号S2の立下りエッジとの時間差Tcを計測するためのタイマCの計時を開始する。
このとき、時間差Tcは、パルス信号S1,S2間の位相差に対応した値になる。また、タイマA、タイマCは、例えば100μs単位で時間を計測するものである。
次に、ステップ4では、次回のRSエッジ検出割込み処理をパルス信号S1の立上りエッジの検出によって開始するために、RSエッジ検出割込み処理の開始条件をパルス信号S1の立上りエッジの検出に変更する。そして、ステップ4の終了後は、ステップ5に移ってリターンする。
一方、ステップ1で「NO」と判定したときには、コントロールユニット32は、パルス信号S1の立上りエッジを検出している。このため、ステップ6では、パルス信号S1の低レベル区間の時間Ta(計測時間)に現在のタイマAの値を取り込み、時間Taを計測する。その後、ステップ7では、タイマAをリセットすると共に、停止させる。そして、ステップ8では、次回のRSエッジ検出割込み処理をパルス信号S1の立下りエッジの検出によって開始するために、RSエッジ検出割込み処理の開始条件をパルス信号S1の立下りエッジの検出に変更する。
次に、ステップ9では、時間Taが所定範囲(X<Ta<Y)内、即ち下限値Xと上限値Yとの間の値か否かを判定する。そして、ステップ9で「YES」と判定したときには、時間Taが所定範囲内となり、相間電圧Vrsが安定状態(逆相接続判定が可能な状態)であると考えられる。このため、ステップ10に移って、相間電圧Vrsの状態を判定するためのバッファTrs[n]の値を1とする。
一方、ステップ9で「NO」と判定したときには、時間Taが所定範囲外となり、相間電圧Vrsが不安定状態(逆相接続判定が不可能な状態)であると考えられる。このため、ステップ11に移って、相間電圧Vrsの状態を判定するためのバッファTrs[n]の値を0とする。
なお、バッファTrs[n]は、相間電圧Vrs(パルス信号S1)の状態を正確に把握するために用いるものである。即ち、1周期分の時間Taだけで相間電圧Vrsの状態を判定した場合には、誤差等の影響を受け易い。このため、本実施の形態では、例えば5周期分の時間Taを用いて、相間電圧Vrsの状態を判断する。従って、バッファTrs[n]は、全部で5個(Trs[0]〜Trs[4])存在する。
ステップ10,11が終了すると、ステップ12に移って5個のバッファTrs[0]〜Trs[4]が全て1か否かを判定する。そして、ステップ12で「YES」と判定したときには、パルス信号S1が5周期に亘って所定範囲内となり、相間電圧Vrsが安定状態となっている。このため、ステップ13に移って、逆相接続判定を許可するための許可フラグAを立てて、ステップ17に移ってリターンする。
一方、ステップ12で「NO」と判定したときには、相間電圧Vrsが十分に安定しているとは言えず、不安定状態であると考えられる。このため、時間Taに対する判定を継続するために、ステップ14に移って、判定回数nが4未満(n<4)か否かを判定する。
そして、ステップ14で「YES」と判定したときには、ステップ15に移って、判定回数nを1だけ増加させて、ステップ17に移ってリターンする。一方、ステップ14で「NO」と判定したときには、ステップ16に移って、判定回数nを初期化(n=0)し、ステップ17に移ってリターンする。
次に、図5および図6は第2のパルス信号S2のエッジ部分(立上りまたは立下り)を検出して割込み処理するSTエッジ検出割込み処理を示している。このSTエッジ検出割込み処理は、パルス信号S2の低レベル区間の時間Tbを計測し、相間電圧Vstが安定状態か否か、即ち逆相接続判定が可能な状態か否かを判定するものである。
STエッジ検出割込み処理において、まずステップ21では、コントロールユニット32によって検出したエッジが、パルス信号S2が立下りエッジか否かを判定する。そして、ステップ21で「YES」と判定したときには、コントロールユニット32は、パルス信号S2の立下りエッジを検出している。このため、ステップ22でパルス信号S2の低レベル区間の時間Tbを計測するためのタイマBの計時を開始する。また、ステップ23では、パルス信号S1,S2の立下りエッジ間の時間差Tc(計測時間差)に現在のタイマCの値を取り込み、時間差Tcを計測する。その後、ステップ24では、タイマCをリセットすると共に、停止させる。
なお、タイマBも、タイマA、タイマCと同様に、例えば100μs単位で時間を計測するものである。
次に、ステップ25では、時間差Tcを用いて逆相接続状態か否かを判定するために、時間差Tcが判定値T0未満(Tc<T0)か否かを判定する。このとき、判定値T0は、正相接続状態の時間差Tc1と逆相接続状態の時間差Tc2との中間の値(Tc1<T0<Tc2)に設定されている。例えば、50Hzの三相交流の場合、正相接続状態の時間差Tc1(位相差120°)は6.7ms程度であり、逆相接続状態の時間差Tc2(位相差60°)は13.3ms程度である。このため、判定値T0は、2つの時間差Tc1,Tc2の中間の値として、例えば10msに設定されるものである。
そして、ステップ25で「YES」と判定したときには、時間差Tcが判定値T0未満で、正相接続状態であると考えられる。このため、ステップ26に移って、逆相接続判定を行うためのバッファTrev[m]の値を1とする。
一方、ステップ25で「NO」と判定したときには、時間差Tcが判定値T0以上で、逆相接続状態であると考えられる。このため、ステップ27に移って、逆相接続判定を行うためのバッファTrev[m]の値を0とする。
なお、バッファTrev[m]は、逆相接続判定を正確に行うために用いるものである。このため、本実施の形態では、例えば5周期分の時間差Tcを用いて、逆相接続判定を行う。従って、バッファTrev[m]は、全部で5個(Trev[0]〜Trev[4])存在する。
ステップ26,27が終了すると、ステップ28に移って、判定回数mが4未満(m<4)か否かを判定する。そして、ステップ28で「YES」と判定したときには、ステップ29に移って、判定回数mを1だけ増加させる。一方、ステップ28で「NO」と判定したときには、ステップ30に移って、判定回数mを初期化(m=0)する。
そして、ステップ29,30が終了すると、ステップ31に移って、次回のSTエッジ検出割込み処理をパルス信号S2の立上りエッジの検出によって開始するために、STエッジ検出割込み処理の開始条件をパルス信号S2の立上りエッジの検出に変更する。その後、ステップ32に移ってリターンする。
一方、ステップ21で「NO」と判定したときには、コントロールユニット32は、パルス信号S2の立上りエッジを検出している。このため、ステップ33では、パルス信号S2の低レベル区間の時間Tb(計測時間)に現在のタイマBの値を取り込み、時間Tbを計測する。その後、ステップ34では、タイマBをリセットすると共に、停止させる。そして、ステップ35では、次回のSTエッジ検出割込み処理をパルス信号S2の立下りエッジの検出によって開始するために、STエッジ検出割込み処理の開始条件をパルス信号S2の立下りエッジの検出に変更する。
次に、ステップ36では、時間Tbが所定範囲(X<Tb<Y)内、即ち下限値Xと上限値Yとの間の値か否かを判定する。そして、ステップ36で「YES」と判定したときには、時間Tbが所定範囲内となり、相間電圧Vstが安定状態(逆相接続判定が可能な状態)であると考えられる。このため、ステップ37に移って、相間電圧Vstの状態を判定するためのバッファTst[n]の値を1とする。
一方、ステップ36で「NO」と判定したときには、時間Tbが所定範囲外となり、相間電圧Vstが不安定状態(逆相接続判定が不可能な状態)であると考えられる。このため、ステップ38に移って、相間電圧Vstの状態を判定するためのバッファTst[n]の値を0とする。
なお、バッファTst[n]は、相間電圧Vst(パルス信号S2)の状態を正確に把握するために用いるものである。このため、本実施の形態では、例えば5周期分の時間Tbを用いて、相間電圧Vstの状態を判断する。従って、バッファTst[n]は、全部で5個(Tst[0]〜Tst[4])存在する。
ステップ37,38が終了すると、ステップ39に移って5個のバッファTst[0]〜Tst[4]が全て1か否かを判定する。そして、ステップ39で「YES」と判定したときには、パルス信号S2が5周期に亘って所定範囲内となり、相間電圧Vstが安定状態となっている。このため、ステップ40に移って、逆相接続判定を許可するための許可フラグBを立てて、ステップ44に移ってリターンする。
一方、ステップ39で「NO」と判定したときには、相間電圧Vstが十分に安定しているとは言えず、不安定状態であると考えられる。このため、時間Tbに対する判定を継続するために、ステップ41に移って、判定回数nが4未満(n<4)か否かを判定する。
そして、ステップ41で「YES」と判定したときには、ステップ42に移って、判定回数nを1だけ増加させて、ステップ44に移ってリターンする。一方、ステップ41で「NO」と判定したときには、ステップ43に移って、判定回数nを初期化(n=0)し、ステップ44に移ってリターンする。
次に、図7は三相交流が正相接続か逆相接続かを判定する逆相接続判定処理を示している。
電磁接触器23AをON状態にすると、電源監視装置25が起動し、逆相接続判定処理を開始する。逆相接続判定処理において、ステップ51では、起動から1分が経過したか否かを判定する。そして、ステップ51で「YES」と判定したときには、電源監視装置25の起動から1分が経過しても、逆相接続判定処理が終了しておらず、まだ継続されている。このため、タイムアウトエラーが発生したものと判断し、ステップ52で後述のエラー出力処理を行い、ステップ53で終了する。
一方、ステップ51で「NO」と判定したときには、電源監視装置25の起動から1分以内しか経過しておらず、逆相接続判定の途中であると考えられる。このため、ステップ54に移って、許可フラグA,Bが両方とも立っているか否かを判定する。
そして、ステップ54で「YES」と判定したときには、相間電圧Vrs,Vstはいずれも安定状態となっているから、ステップ55に移って、逆相接続判定を行うための5個のバッファTrev[0]〜Trev[4]が全て1か否かを判定する。そして、ステップ55で「YES」と判定したときには、ステップ56に移って、三相交流は電動モータ22を正転させる正転接続状態であると判断し、ステップ57に移って終了する。
一方、ステップ55で「NO」と判定したときには、ステップ58に移って、逆相接続判定を行うための5個のバッファTrev[0]〜Trev[4]が全て0か否かを判定する。そして、ステップ58で「YES」と判定したときには、ステップ59に移って、三相交流は電動モータ22を逆転させる逆転接続状態であると判断する。その後、ステップ60で後述のエラー出力処理を行い、ステップ61で終了する。
また、ステップ58で「NO」と判定したときには、相間電圧Vrs,Vstは両方とも安定状態であるが、5個のバッファTrev[0]〜Trev[4]が一致していない。このため、再びバッファTrev[0]〜Trev[4]の値を取得し直すために、ステップ62に移って、許可フラグA,Bをいずれもリセット(取り消し)し、ステップ63でリターンする。
一方、ステップ54で「NO」と判定したときには、相間電圧Vrs,Vstのうち少なくともいずれか一方は不安定状態となっている。このため、ステップ64に移って、許可フラグAが立っているか否かを判定する。
そして、ステップ64で「YES」と判定したときには、ステップ65に移って、相間電圧Vstの状態を判定するためのバッファTst[0]〜Tst[4]が全て0か否かを判定する。
そして、ステップ65で「YES」と判定したときには、ステップ66で三相交流は相間電圧Vstが出力されていない欠相状態であると判断する。その後、ステップ67で後述のエラー出力処理を行い、ステップ68で終了する。
一方、ステップ65で「NO」と判定したときには、バッファTst[n]の値を取得している途中であると考えられる。このため、ステップ69に移って待機表示を行い、ステップ63でリターンする。
さらに、ステップ64で「NO」と判定したときも、ステップ69に移って待機表示を行い、ステップ63でリターンする。
次に、図8は三相交流に誤接続や欠相等が生じたときに、これを通知するためのエラー出力処理を示している。
ステップ71では、相間電圧Vrsの状態を判定するためのバッファTrs[0]〜Trs[4]が全て1か否かを判定する。そして、ステップ71で「NO」と判定したときには、例えばR相やS相の断線等のように、相間電圧Vrsに異常が生じていると考えられる。このため、ステップ72に移って、警報出力部34を用いて相間電圧Vrsの異常状態を表示または音声等によって報知する。
一方、ステップ71で「YES」と判定したときには、ステップ73に移って、相間電圧Vstの状態を判定するためのバッファTst[0]〜Tst[4]が全て1か否かを判定する。
そして、ステップ73で「NO」と判定したときには、例えばS相やT相の断線等のように、相間電圧Vstに異常が生じていると考えられる。このため、ステップ77で警報出力部34を用いて相間電圧Vstの異常状態を表示し、ステップ78で終了する。
一方、ステップ73で「YES」と判定したときには、ステップ74に移って、逆相接続判定を行うためのバッファTrev[0]〜Trev[4]が全て0か否かを判定する。そして、ステップ74で「YES」と判定したときには、三相交流が逆相接続状態であると考えられる。このため、ステップ75で警報出力部34を用いて逆相接続状態であることを表示し、ステップ78で終了する。
また、ステップ74で「NO」と判定したときには、ステップ76で警報出力部34を用いて起動から1分間が経過していることを示すタイムアウトエラーであることを表示し、ステップ78で終了する。
本実施の形態による圧縮機の制御装置は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、電動モータ22が作動すると、その回転がプーリ19B等を介して駆動軸19に伝達され、駆動軸19が軸線O−Oを中心として回転する。このとき、駆動軸19のクランク部19Aに連結された旋回スクロール9は、補助クランク15によって自転を防止された状態で、軸線O−Oを中心として一定の旋回半径で旋回運動を行う。
これにより、固定スクロール3のラップ部5と旋回スクロール9のラップ部11との間に画成された各圧縮室18は、外径側から内径側に向けて移動しつつ、連続的に縮小する。このため、外径側の圧縮室18には、固定スクロール3の吸込口16から外気が吸込まれ、この空気は個々の圧縮室18内で圧縮されることによって圧縮空気となる。そして、この圧縮空気は、内径側の圧縮室18から吐出口17を介して外部に吐出される。
また、パルス発生器27は、相間電圧Vrs,Vstによる1次電流I1,I2がしきい値Itよりも上昇したときに低レベルとなり、しきい値Itよりも低下したときに高レベルとなるパルス信号S1,S2を出力する。このとき、パルス発生器27は、図9および図10に示すように、三相交流電圧が安定状態に近付くと、1次電流I1,I2がしきい値Itを超える時間が大きく変化する。このため、パルス発生器27は、三相交流電圧の振幅に応じてデューティ比が変わるパルス信号S1,S2を出力する。
そして、コントロールユニット32は、デューティ比に応じて変化するパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを計測し、時間Ta,Tbが下限値Xと上限値Yとの間の値か否かを判定する。これにより、コントロールユニット32は、三相交流電圧が安定状態か否かを判別し、安定状態となったときにはパルス信号S1,S2の位相差(時間差Tc)を用いて速やかに逆相接続判定を行う。一方、三相交流電圧が不安定状態となるときには、逆相接続判定を行わず、断線等によって相間電圧Vrs,Vstが異常状態であること等を通知する。
かくして、本実施の形態では、パルス発生器27は、三相交流電力の振幅に応じて各パルス信号S1,S2のデューティ比を変化させる。これにより、例えば三相交流電力の振幅が大きいときには、各パルス信号S1,S2のデューティ比を大きくすることができ、振幅が小さいときには、各パルス信号S1,S2のデューティ比を小さくすることができる。
また、コントロールユニット32は、パルス発生器27による各パルス信号S1,S2のデューティ比が所定範囲内にあるか否かに応じて、逆相接続判定を許可するか否かを決定する。これにより、コントロールユニット32は、2つのパルス信号S1,S2のうち少なくともいずれか一方の信号のデューティ比が所定範囲外にある場合には、三相交流電力(電圧)が不安定または不平衡であるとして、逆相接続判定を行わない。このため、三相交流電力が不安定や不平衡な状態にあるときに、誤判定を引き起こすことがなくなる。
一方、コントロールユニット32は、2つのパルス信号S1,S2のデューティ比が両方とも所定範囲内にある場合には、三相交流電力が安定であるとして、逆相接続判定を行う。このため、コントロールユニット32を用いて三相交流が安定しているか否かを把握することができ、三相交流の状態に応じて確実に逆相接続を検知することができる。
従って、圧縮機の起動時には、従来技術のように一定時間の経過を待つことなく、三相交流電圧が安定した場合に速やかに逆相接続状態を検知することができる。これにより、逆接続状態であっても、圧縮部1を長時間に亘って逆回転状態で駆動することがないから、冷却ファン20の逆回転に伴う冷却不足や圧縮部1の加熱を防止することができる。
特に、本実施の形態では、スクロール式の圧縮部1に適用したから、各スクロール3,9のラップ部5,11の損傷を防止することができる。即ち、電動モータ22が逆回転したときには、圧縮室18が負圧傾向となるから、圧縮室18の圧力が各スクロール3,9が互いに接近する方向に作用する。このため、長時間に亘って電動モータ22が逆回転したときには、各スクロール3,9のラップ部5,11の先端が鏡板10,4に接触して、かじり等が生じる虞れがある。これに対し、本実施の形態では、圧縮機の起動時でも、速やかに逆接続状態を検知することができるから、各スクロール3,9の損傷を防ぐことができる。
また、パルス発生器27は1次電流供給部28A,29Aとフォトカプラ28B,29Bとを備えるから、1次電流供給部28A,29Aは相間電圧Vrs,Vstに応じた1次電流I1,I2を供給し、フォトカプラ28B,29Bは、1次電流I1,I2がしきい値Itを超えたか否かに応じてパルス信号S1,S2の低レベルまたは高レベルを決定する。また、パルス発生器27の電流制限抵抗30,31は1次電流供給部28A,29Aによる1次電流I1,I2を制限するから、電流制限抵抗30,31を用いて、予め決められた一定のしきい値Itに対して正弦波状の1次電流I1,I2の振幅を設定することができる。
これにより、三相交流が安定状態か否かに応じて、1次電流I1,I2がしきい値Itを超える時間が大きく変化し、パルス信号S1,S2の低レベルと高レベルとの時間比率が大きく変化する。この結果、三相交流が安定状態か否かに応じてパルス信号S1,S2のデューティ比を大きく変化させることができるから、コントロールユニット32は、パルス信号S1,S2のデューティ比が所定範囲内にあるか否かによって、三相交流の状態を容易に判定することができる。
また、パルス発生器27は1次電流供給部28A,29Aとフォトカプラ28B,29Bとによって構成したから、三相交流電源24の電圧変化をフォトカプラ28B,29Bによって絶縁した上でパルス信号S1,S2のデューティ比の変化として検出することができる。
さらに、コントロールユニット32は、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを計測する。このとき、パルス信号S1,S2のデューティ比に応じて時間Ta,Tbは変化するから、この計測時間Ta,Tbが所定範囲内にあるか否かに応じて逆相接続判定を行うか否かを判定することができる。この結果、パルス信号S1,S2のデューティ比を直接演算することなく、間接的にデューティ比に応じて逆相接続判定を行うか否かを判定することができ、演算処理を簡略化することができる。
次に、図12ないし図14は第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、コントロールユニットは、2つのパルス信号の低レベル区間の時間同士を比較し、比較結果が同じか否かに応じて逆相接続判定を行うか否かを決定する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第2の実施の形態による接続状態判定手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット41は、第1の実施の形態によるコントロールユニット32とほぼ同様に、その入力側には電源部26、パルス発生器27が接続され、出力側には後述の警報出力部42が接続されている。また、コントロールユニット32には記憶装置33が接続され、該記憶装置33には、三相交流の接続状態を判定する接続状態判定プログラムと、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbの下限値Xおよび上限値Y等が予め記憶されている。これに加えて、記憶装置33には、2つのパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが同じか否かを判定するための規定値Zが記憶されている。
このとき、規定値Zは、例えば時間Ta,Tbの誤差の許容範囲に応じて決まる値である。例えば、時間Ta,Tbの誤差が5%まで許容可能とすると、50Hzの三相交流の場合には、規定値Zは1msとなる。なお、時間Ta,Tbの誤差の許容範囲は、三相交流電源24の安定性に応じて、例えば2〜15%程度の間で適宜決定される。このため、規定値Zの値も、この許容範囲に応じて適宜設定されるものである。
そして、コントロールユニット41は、第1の実施の形態によるコントロールユニット32と同様に、パルス信号S1,S2のデューティ比(低レベル区間の時間Ta,Tb)に応じて逆相接続判定を行うか否かを決定すると共に、パルス信号S1,S2を用いて逆相接続判定を行う。
また、コントロールユニット41は、規定値Zを用いてパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが同じか否かを判定し、同じときには三相交流電力が平衡状態であると判断して逆相接続判定を行う。一方、時間Ta,Tbが異なるときには、三相交流電力が不平衡状態であると判断して逆相接続判定を行わず、不平衡状態である旨を通知するものである。
42は三相交流電源24等に異常が生じたことを通知する警報出力部で、該警報出力部42は、第1の実施の形態による警報出力部と同様に、例えば逆相接続状態である場合、相間電圧Vrs,Vstに異常が生じた場合、およびパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが計測できなかった場合に、これらの異常を表示することによって通知する。また、警報出力部42は、異常通知手段を構成し、2つの相間電圧Vrs,Vstが互いに異なる場合に、不平衡状態であることを表示することによって通知する。
次に、図13を用いて、本実施の形態によるSTエッジ検出割込み処理について説明する。
本実施の形態によるSTエッジ検出割込み処理も、図5および図6に示す第1の実施の形態によるSTエッジ検出割込み処理とほぼ同様な処理を行う。但し、本実施の形態では、ステップ39とステップ40との間に、ステップ81が設けられ、このステップ81でパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbが同じか否かを判定している点で異なる。
即ち、ステップ39で「YES」と判定し、5個のバッファTst[0]〜Tst[4]が全て1であるときには、ステップ81に移って、時間Ta,Tbの差の絶対値が規定値Zよりも小さい(|Ta−Tb|<Z)か否かを判定する。そして、ステップ81で「YES」と判定したときには、相間電圧Vrs,Vstが同じ平衡状態であると考えられる。このため、ステップ40に移って、逆相接続判定を許可するための許可フラグBを立てて、ステップ44に移ってリターンする。
一方、ステップ81で「NO」と判定したときには、例えばR相、S相、T相のいずれかに断線等が生じ、相間電圧Vrs,Vstが異なる不平衡状態であると考えられる。このため、ステップ82に移って、不平衡フラグを立てて、ステップ44に移ってリターンする。
次に、図14を用いて、本実施の形態によるエラー出力処理について説明する。
本実施の形態によるエラー出力処理も、図8に示す第1の実施の形態によるエラー出力処理とほぼ同様な処理を行う。但し、本実施の形態では、ステップ71の前にステップ91が設けられ、このステップ91で相間電圧Vrs,Vstが異なる不平衡状態であるか否かを判定している点で異なる。
即ち、ステップ91では、不平衡フラグが立っているか否かを判定する。そして、ステップ91で「YES」と判定したときには、三相交流が不平衡状態であると考えられる。このため、ステップ92で警報出力部42を用いて不平衡状態であることを表示し、ステップ93で終了する。一方、ステップ91で「NO」と判定したときには、三相交流が平衡状態であると考えられるから、第1の実施の形態と同様に、ステップ71以降の処理を行う。
かくして、第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、コントロールユニット41は2つのパルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを比較し、比較結果が同じか否かに応じて逆相接続判定を行うか否かを判定する。これにより、三相交流が平衡状態か否かを検出することができ、不平衡状態に基づいて誤った逆相接続判定を行うことがなくなる。
また、警報出力部42は、時間Ta,Tbの比較結果が異なると判定したときに、2つの相間電圧Vrs,Vstが互いに異なる不平衡状態であると通知することができる。これにより、三相交流が不平衡状態にあることを容易に把握することができる。
なお、前記各実施の形態では、図4中のステップ1〜15、図5、図6、図13中のステップ21〜43、図7中のステップ54が判定許可手段の具体例を示し、図4中のステップ1,2,4〜8、図5および図6中のステップ21,22,31〜35が時間計測手段の具体例を示し、図4中のステップ9〜13、図6、図13中のステップ36〜43が時間判定手段の具体例を示している。また、第2の実施の形態では、図13中のステップ81,82が信号比較手段の具体例を示している。
また、前記各実施の形態では、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを用いて、相間電圧Vrs,Vstの状態を判定し、逆相接続判定を行うか否かを判定する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図9に示すように、パルス信号S1,S2の高レベル区間の時間Ta′,Tb′を用いて、相間電圧Vrs,Vstの状態を判定してもよい。
また、前記各実施の形態では、パルス信号S1,S2の立下りエッジ間の時間Tcを用いて逆相接続判定を行う構成としたが、例えば図9に示すように、パルス信号S1,S2の立上りエッジ間の時間Tc′を用いて逆相接続判定を行う構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、パルス信号S1,S2の低レベル区間の時間Ta,Tbを用いて相間電圧Vrs,Vstの状態を判定する構成としたが、パルス信号S1,S2のデューティ比を演算し、このデューティ比を用いて相間電圧Vrs,Vstの状態を判定する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、三相交流のR相、S相、T相のうちR相とS相との間の相間電圧VrsとS相とT相との間の相間電圧Vstとを用いて、逆相接続判定等を行う構成としたが、相間電圧Vrs,Vstのうちいずれか一方に代えてT相とR相との間の相間電圧を用いる構成としてもよい。
さらに、前記各実施の形態では、スクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、例えばスクロール式の真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも適用できる。また、スクロール式に限らず、例えば往復動式圧縮機のように、各種の圧縮機に広く適用できると共に、圧縮部を含まない電動モータの制御装置にも適用できるものである。