JP3467251B2 - 書類整理箱 - Google Patents

書類整理箱

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JP3467251B2
JP3467251B2 JP2000387002A JP2000387002A JP3467251B2 JP 3467251 B2 JP3467251 B2 JP 3467251B2 JP 2000387002 A JP2000387002 A JP 2000387002A JP 2000387002 A JP2000387002 A JP 2000387002A JP 3467251 B2 JP3467251 B2 JP 3467251B2
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雅夫 西川
泰孝 真野
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セキセイ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書類整理箱に関す
る。特に、書類投入用の開放部が形成される直方体状の
箱体であって、持運び用の取っ手が設けられた書類整理
箱に関する。
【0002】
【従来の技術】上方に開放される形態の書類整理箱は、
書棚に収容又は机上に載置させた状態でその開放部から
無造作に書類を投入させたり容易に取出したりすること
が可能であるため、綴じ込み式のファイルよりも書類の
整理・分類が簡単であると共に、そのまま保管させるこ
とも可能であるため様々な場面において有効なファイリ
ング用具として用いられている。このような書類整理箱
において、更に、書類を収容した状態の書類整理箱を持
運びが容易であるように、図13に示されるように、そ
の構成壁に持運び用の把持部が設けられたものがある。
【0003】図13に示す書類整理箱は、底板部5から
直立される前板部1とこの前板部1よりもやや高い後板
部2とこれらの間に連設される短辺側板3,4とから構
成される上方に開放される直方体状の箱体であり、前記
後板部2の上部中央には、図13に示すように、手を挿
通可能な横長の持ち手孔9が設けられている。そのた
め、この持ち手孔9に手を挿通させてこれを把持できる
ため、書類整理箱を底板部5から支持するように両手を
用いて抱える必要がなく、片手で楽に安定して持運ぶこ
とができる。
【0004】しかし、前記持ち手孔9は前記後板部2の
上部に設けられているため、この書類整理箱に収容され
る書類の高さが前記持ち手孔9の配設位置と同程度かこ
れよりも高い場合には、前記持ち手孔9に挿通させた手
の甲や指と書類とが接触される。収容される書類が少な
い場合には、前記書類と後板部2との間に手や指を差し
入れる間隔を確保することができるが、書類が多い場合
には、前記間隔を確保することができないため、前記持
ち手孔9に手を挿通させてこれを把持し持運ぶことはで
きず、底板部5から両手で抱えて持運ぶこととなってし
まう。
【0005】また、上端部が常に開放された構成のもの
では、長期にわたって保存させる場合に箱体内に埃など
が蓄積されるという問題があるため、頻繁に書類を出し
入れするときには書類整理箱の中に収納され、保存時に
引出して蓋部とすることができるように前記後板部2に
蓋部材を連設させた書類整理箱がある。このものでは、
図13と同様に、その構成壁に持ち手孔9を配設させた
持運び可能な構成であっても、前記開放部が閉塞された
状態においては前記持ち手孔9によって把持することが
できないため、持運びの際は書類整理箱を両手で抱える
こととなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、『直方体状
の箱体に形成され、その上端部に書類投入用の開放部が
形成される書類整理箱』において、書類の出し入れ及び
書類整理箱の持運びを容易にすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】*1項 上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『前
記開放部は、箱体の上面全域及び前記上面の長辺に続く
長辺側の側面の一方の上部の所定範囲にわたって形成さ
れており、他方の長辺側の側面を構成する長辺側板の上
端には、前記開放部の前記上面全域を閉塞する大きさの
第一蓋板が屈曲自在に連設され、前記一方の長辺側の側
面における長辺側板の上端には、前記長辺側側面の上部
に相当する側板部が屈曲自在に連設されると共に前記側
板部には前記第一蓋板に上方から重なる第二蓋板が屈曲
自在に連設され、前記第一蓋板の中央部には前記長辺に
沿って平行な取っ手が設けられると共に、前記第二蓋板
のこの取っ手に重なる部分には前記取っ手を挿通させる
大きさの開口が設けられ、前記第二蓋板の自由側の端縁
近傍と前記第一蓋板の基端部には、相互に取外し可能に
係着される係着具が設けられ、前記箱体は、紙又は合成
樹脂製のシートから所定形状に打抜かれたブランクシー
トから成形されると共に、扁平に折り畳み可能な胴部
と、前記胴部を構成する前記一対の長辺側板とこれらの
間の一対の短辺側板の下辺から延びるフラップが組合わ
されて形成される底板部とを具備し、前記側板部の側端
縁には、前記短辺側板に対して摺動可能に重ねられる補
助側板がそれぞれ設けられており、前記補助側板の上辺
の先端部が係止手段によって前記第二蓋板の短辺側の端
部に係止されている』ことである。
【0008】上記技術的手段は次のように作用する。上
記手段によれば、この箱体の開放部は上面全域に加えて
前記一方の長辺側の側面の上部の所定範囲にわたって大
きく開く。第一蓋板及び第二蓋板が対応する長辺側板の
上端に屈曲自在に連設され、第二蓋板が前記第一蓋板に
重なるようになっているから前記開放部を開閉自在に閉
鎖する。
【0009】前記第一蓋板に設けられた取っ手は、第二
蓋板の開口を挿通するため、また、前記第二蓋板の自由
側の端縁近傍と前記第一蓋板の基端部とは係着具により
係止されているから、前記取っ手によってこの書類整理
箱を持上げるとき、前記第二蓋板が第一蓋板の押さえと
なり、箱体に収容される書類の荷重によって不用意に蓋
部が開放されることがない。また、前記第二蓋板と前記
第一蓋板との係着具は取外し可能であるから、これをは
ずす事により上記のように前記開放部を大きく開くか
ら、開放部開放のための操作が簡単である。
【0010】また、前記箱体は、紙又は合成樹脂製のシ
ートから所定形状に打抜かれたブランクシートから成形
されると共に、扁平に折り畳み可能な胴部と、前記胴部
を構成する前記一対の長辺側板とこれらの間の一対の短
辺側板の下辺から延びるフラップが組み合わされて形成
される底板部とを具備する構成であることにより、胴部
が扁平に折畳まれた状態で流通させて、ユーザーが書類
整理箱として使用するときに、前記長辺側板及び短辺側
板から延設されるフラップを組み合わせて直方体状の箱
体とすることができる。また、不使用時には、書類整理
箱を折畳ませて扁平に折畳んだ状態で収納することがで
きる。これより、書類整理箱の組立て及び折畳みが容易
であるから、流通時及び不使用時の省スペース化を図る
ことができる。
【0011】また、前記側板部の側端縁には、前記短辺
側板に対して摺動可能に重ねられる補助側板がそれぞれ
設けられており、前記補助側板の上辺の先端部が前記第
二蓋板の短辺側の端部に係止される係止手段が前記補助
側板と第二蓋板の一方又は両方に設けられていることに
より、第二蓋板と側板部及び各補助側板とから構成され
る立体的な蓋が前記箱体の開放部に外嵌する態様に重ね
られるので、書類整理箱の閉塞が確実であると共にその
形状が安定する。また、補助側板の重なりによって前記
短辺側板が二重構造となるため強度があがると共に、前
記補助側板が案内板として働くため蓋部の開閉がスムー
ズである。
【0012】また、前記係止手段が設けられているた
め、書類整理箱を扁平状態に折畳ませた状態で流通さ
せ、ユーザーが書類整理箱として使用する際に前記補助
側板と第二蓋板とを係止させて容易に立体的な蓋を成形
させることができる。また、前記係止手段を係脱可能な
構成としたものにおいては、不使用時には扁平に折畳ん
で収納することができる。
【0013】ここで、前記係着手段としては、一度係止
させると取外しできない分離不能なホック、一方に設け
た切込みに他方に設けた係合舌片が強制的に押込まれて
係合される構成や、必要に応じて容易に係脱自在なホッ
ク、マジックテープ(登録商標)等が考えられる。
【0014】*2項 1項において、『前記係止手段は、前記第二蓋板の上面
から下面に貫通され前記第二蓋板の短辺側の端部と前記
補助側板の上辺の先端部とを係止する係止具である』こ
とにより、前記側板に対して前記補助側板が摺動される
際に、前記係止具が前記側板部又は補助側板部に当接す
ることがないため、蓋部の開閉動作の邪魔にならない。
ここで、係止具としては、雄具と雌具との結合によって
止着させる止着鋲、小ネジとナットとの係合によって係
脱自在に係止させる構成のもの等が考えられる。
【0015】*3項 また、本発明の第2の技術的手段は、『直方体状の箱体
に形成され、その上端部に書類投入用の開放部が形成さ
れる書類整理箱において、前記開放部は、箱体の上面全
域及び前記上面の長辺に続く長辺側の側面の一方の上部
の所定範囲にわたって形成されており、他方の長辺側の
側面を構成する長辺側板の上端には、前記開放部の前記
上面全域を閉塞する大きさの第一蓋板が屈曲自在に連設
され、前記一方の長辺側の側面における長辺側板の上端
には、前記長辺側側面の上部に相当する側板部が屈曲自
在に連設されると共に前記側板部には前記第一蓋板に上
方から重なる第二蓋板が屈曲自在に連設され、前記第一
蓋板の中央部には前記長辺に沿って平行な取っ手が設け
られると共に、前記第二蓋板のこの取っ手に重なる部分
には前記取っ手を挿通させる大きさの開口が設けられ、
前記第二蓋板の自由側の端縁近傍と前記第一蓋板の基端
部には、相互に取外し可能に係着される係着具が設けら
れ、前記箱体は、紙又は合成樹脂製のシートから所定形
状に打抜かれたブランクシートから成形されると共に、
扁平に折り畳み可能な胴部と、前記胴部を構成する前記
一対の長辺側板とこれらの間の一対の短辺側板の下辺か
ら延びるフラップが組合わされて形成される底板部とを
具備し、前記側板部の側端縁には、前記短辺側板に対し
て摺動可能に重ねられる補助側板がそれぞれ設けられて
おり、前記補助側板の上辺には内側に屈曲する取付片が
連設され、前記上辺先端近傍の前記取付片と前記第二蓋
板の短辺側の端部とが係脱自在なホックによって係止さ
れている』ことである。このものでは、係脱自在なホッ
クが設けられているため、書類整理箱を扁平状態に折畳
ませた状態で流通させ、ユーザーが書類整理箱として使
用する際に前記補助側板と第二蓋板とを係止させて容易
に立体的な蓋を成形させることができる。また、書類整
理箱が不要のときには、前記ホックの係着を解除して前
記補助側板と前記第二蓋板とを取外し、書類整理箱を扁
平状態に折畳ませて収納することができる。このとき、
前記ホックは前記取付片と第二蓋板にそれぞれ設けられ
ているため、折畳み状態においても前記ホックが紛失す
ることがない。また、前記取付片と第二蓋板とが係止さ
れるため、第一蓋板を引き上げた場合でもこれに作用す
る荷重が前記取付片で支えられるから、係脱自在のホッ
クであっても第二蓋板と補助側板との連結強度は十分で
ある。
【0016】*4項 1項、2項又は3項において、『前記第二蓋板には、そ
の自由側の端縁に連設され前記第二蓋板の前記開口の外
側部分の下面に重ねられるように折込まれる補強板が設
けられており、前記係着具の一方は、重ねられている前
記補強板及び前記第二蓋板を結合する態様に取付けられ
ている』ことにより、第二蓋板の自由側の端縁と開口の
外側端縁との部分が二重構造となるため、蓋部の開閉動
作及び前記係着具の着脱の繰り返しに対する耐久性が向
上される。また、取っ手を把持して持上げるときの第二
蓋板による第一蓋板の支持力が向上する。前記補強板
は、前記係着手段と併せて高周波溶着などの他の接着手
段によって前記第二蓋板下面に結合させるものでもよ
い。その場合には、前記第二蓋板と補強板との結合強度
がより高いものとなる。
【0017】*5項 1項、2項、3項又は4項において、『前記取っ手は、
弾性合成樹脂からなる帯状の持ち手部材と、これを前記
第一蓋板に沿うように且つ前記持ち手部材の両端近傍を
一定範囲相対移動可能に止着する取付部材とからなる』
ことにより、通常、持ち手部材は第一蓋板の上面に略密
接状態に止着されるが、前記持ち手部材を上方に持上げ
ようとするとき、前記持ち手部材の両端近傍は取付部材
に対して相対的に移動されるから、前記持ち手部材はそ
の中央部分が第一蓋板から浮き上がったアーチ状となり
前記取っ手部材と第一蓋板の上面との間に空間が形成さ
れるため、この部分に手を差し入れて無理なく把持する
ことができる。また、前記取っ手部材から手を離すと、
前記持ち手部材は弾性力によって自動的に第一蓋板に略
密接される形態に戻るため、書類整理箱を持運ばないと
きに取っ手が前記第一蓋板から浮上がり蓋部の開閉や書
類整理箱の保管の邪魔になることがない。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上記構成であるから次の特有
の効果を有する。書類の投入及び取出し口である開放部
が大きく開くと共にその操作が簡単であるため、書類整
理箱への書類等の出し入れが容易である。また、前記開
放部には開閉自在な蓋部が設けられているため保管時に
書類や箱内に埃が蓄積されることがないと共に、収容書
類などの荷重によって前記蓋部が不用意に開放されるこ
とがないため、安定的に持運びができる。そのため、書
類整理箱をそのままキャリングケースとして利用するこ
ともできる。
【0019】さらに、組立て及び折畳みが容易であるか
ら流通時及び不使用時の省スペース化を図ることができ
る。そして、前記補助側板が案内板となるため蓋部の開
閉がスムーズである。2項においては、係止具が蓋部の
開閉動作の邪魔にならない。3項においては、不使用時
には書類整理箱を折畳み収納することができる。また、
第二蓋板と補助側板との連結強度は十分である。4項に
おいては、蓋部の開閉動に対する強度と、第二蓋板によ
る第一蓋板の支持力が向上される。5項においては、持
運ばないときに取っ手が蓋部の開閉や書類整理箱の保管
の邪魔になることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、上記した本発明の実施例を
図面に従って詳述する。図1に本発明実施の形態の一例
である書類整理箱を示している。この書類整理箱は、図
3及び図4に示される形状に打抜かれた透明な合成樹脂
製のブランクシートから組み立てられる直方体状の箱体
であって、長辺側板である前板部1と後板部2と、前記
後板部の上端に屈曲自在に連設される長辺側の側面の上
部に相当する側板部21と、これらの間を支持する短辺
側板3,4とから構成される胴部と、各側板部1,2,
3,4の下辺に連設されるフラップ51,52,53,
54が組み合わされた底板部5と、その上端に形成され
る開放部を開閉自在に被覆すると共に持運び用の取っ手
7が配設される第一蓋板61と第二蓋板62とが重ね合
わされた蓋部6とから構成されている。
【0021】前記後板部2は前記前板部1の三分の二程
度の高さに設定されており、その上端部には、図2に示
すように、前記後板部2の上部三分の一に相当する大き
さの側版部21が折り曲げ部20を介して屈曲自在に連
設されている。そのため、この箱体は前記胴部の矩形状
の上面全域とこれに連続される前記側板部21に相当す
る範囲にわたって開放部が形成される。また、前記側板
部21の側端部には、前記第二蓋板62の短辺側の端部
とを繋ぐ台形状の補助側板30,40がそれぞれ連設さ
れている。
【0022】*蓋部6 前記蓋部6は、前記前板部1の上端に連設される矩形状
の第一蓋板61と、前記第一蓋板61と略同形状である
と共にその上面に重ねられる前記側板部21の上端に連
設された第二蓋板62とから構成されている。また、前
記第一蓋板61と第二蓋板62とは、前記第二蓋板62
の自由側の端縁近傍に配設されたホック8によって取外
し可能に係着されている。前記第一蓋板61には、図5
に示すように、その長辺と平行に取っ手7が取付けられ
ている。また、その前板部1の基端部近傍には、第二蓋
板62と係着させるためのホック8の雌具81が止めつ
けられている。
【0023】前記第二蓋板62には、前記第一蓋板61
に重ね合わせたときに、前記取っ手7を挿通し得る大き
さの開口64が長辺に沿って設けられている。また、前
記第二蓋板62の自由側の端縁には、図3に示すよう
に、前記開口64端縁から前記第二蓋板62の端縁の長
さに相当する幅の補強板620が連設され、前記第二蓋
板62の下面と接するように折込まれており、ブランク
シートが重ね合わされた二重構造となっている。また、
この第二蓋板62と補強板620とは高周波溶着によっ
て溶着されていると共に、前記第二蓋板62の端縁近傍
の中央に配設された前記ホック8の雄具82によっても
止着されている。
【0024】また、前記第二蓋板62の短辺側の端部と
前記補助側板30,40の上端に延設された取付片30
0,400とは、前記取付片300,400に前記第二
蓋板62が重ねられた状態で、その上面から下面に貫通
する止着鋲80,80によって止着されている。
【0025】*取っ手7 前記取っ手7は、弾性合成樹脂製の帯状の取っ手部材7
0と、これの両端近傍を前記第一蓋板61に相対移動可
能に取付けるための取付部材とから構成されており、前
記取っ手部材70は前記第一蓋板61に密接するように
取付けられている。前記取っ手部材70は、図5及び図
6に示すように、実際に手で把持する持ち手部700の
両端部に長孔72が設けられた首部と前記持ち手部材7
00よりもわずかに幅広の半円形の係止片71がそれぞ
れ設けられた構成であり、前記首部に上方から外嵌され
る逆U字状の固定具73と、前記第一蓋板61の下面に
添設される固定板74と、前記第一蓋板61の下方から
貫通されて前記固定具73とネジ嵌合されるネジ76と
からなる取付部材によって第一蓋板61に設けられた小
孔77,77に取付けられている。
【0026】前記固定具73は、図6に示すように、両
端の足部に設けられ前記小孔77,77に嵌合される突
部731,731と、その中央部から下垂され前記ネジ
75とネジ嵌合されると共に前記取っ手部材70の長孔
72に長手方向に移動可能に挿通され前記第一蓋板61
に固定される脚片730が設けられた構成である。その
ため、前記持ち手部材70は、前記長孔72の幅の範囲
において前記脚片730に長手方向に移動可能に係止さ
れる。
【0027】そのため、前記持ち手部700によって持
上げるとき、前記長孔72の幅に相当する長さだけ前記
取っ手部材70が中央方向に移動され、見かけ上、持ち
手部700が伸張されて蓋部6の上面から浮き上がった
アーチ状となる。これにより、前記第一蓋板61との間
に空間が形成されるため、この空間に無理なく手を差し
入れてこれを把持することができる。また、前記取っ手
7は、外力が加えられない自然状態において、前記第一
蓋板61の上面に密接する直線状の形態を維持するた
め、前記持ち手部700から手を離すと、前記取っ手部
材70は前記第一蓋板61に密接する状態に戻る。
【0028】*底板部5 前記底板部5は、図3及び図4に示されるように、前板
部1の下辺に連設され且つ一対の山部510,510が
設けられる第一フラップ51と、後板部2の下辺に連設
され且つ底板部5の全体と略一致する第二フラップ52
と、それぞれの短辺側板3,4の下辺に連設される第三
フラップ53と、第四フラップ54とから構成されるも
のである。
【0029】前記第一フラップ51は、前板部1の横幅
に一致する長辺と前記短辺側板3,4の横幅の3分の1
程度の短辺からなる矩形状片の自由側の端縁に先端に向
かって縮小する一対の山部510,510が連設された
構成であり、前記第二フラップには前記山部510を挿
通可能な一対の長孔520,520がその中央に形成さ
れている。
【0030】*書類整理箱の組立て方法 この例の書類整理箱は、図3及び図4に示されるブラン
クシートを、各短辺側板3,4の端縁に設けられた接合
片32,42によって前記後板部2の端縁に溶着させ、
前記前板部1と後板部2とが接触する状態に扁平に折畳
まれた態様で流通されるもので、書類整理箱として使用
する際に、ユーザーが箱体に組み立てるものである。こ
こで、上記流通時には、前記取っ手7及びホック8は第
一蓋部61及び第二蓋部62にそれぞれ取付けられてお
り、前記補強片620も折込まれ第二蓋板62の下面に
溶着されているものとする。
【0031】この書類整理箱を組み立てる際には、先
ず、前記前板部1及び後板部2を起こし筒状とさせ、前
記第三フラップ53及び第四フラップ54を内側にそれ
ぞれ折込んだ後、これに重ねるように前記第二フラップ
52を折込み、最後に第一フラップ51を折込ませ、図
7に示すように、前記第一フラップ51の山部510,
510を前記第二フラップ52の長孔520,520に
挿入させて、底板部5を成形させる。
【0032】次に、前記後板部2の両側端縁に連設され
る補助側板30,40を折込み、前記短辺側板3,4の
外側に摺動自在に重ね合わせると共に、これらの上端に
延設される取付片300,400を開放端の内側へ折込
ませた後、前記第二蓋板62及び補強片620が積層さ
れた端縁近傍と前記取付片300,400にそれぞれ設
けられた孔とが一致するように重ねて、円形の合成樹脂
製の止着鋲80,80でこれらを止着させる。前記止着
鋲80,80は、雄具と雌具とからなり、前記雄具を止
着対象に貫通させて前記雌具を前記雄具に外嵌すること
により一体に結合されるものである。(この例では、こ
の結合に工具不要のタイプの止着鋲80を採用してい
る)
【0033】そして、箱体の上面を覆うように取っ手7
を具備する第一蓋板61を折込ませた後、その上面に前
記第二蓋板62をその開口64が前記取っ手7を挿通し
得るように重ねて、前記ホック8によって第一蓋板61
と第二蓋板62とを係着させることにより、図1に示す
ように、前記開放部が閉塞された状態の書類整理箱が組
み立てられる。
【0034】この書類整理箱への書類等を出し入れさせ
る際には、前記ホック8を取り外して第一蓋板61と第
二蓋板62との係着を解除させた後、図2に示すよう
に、前記後板部2と側板部21との連結部である折り曲
げ部20から第二蓋板62を外側に折り曲げ、続いて第
一蓋板61を前板部1の外側へ折り曲げると、前記箱体
の上方が大きく開放され、容易に書類を投入又は取出す
ことができる。
【0035】この例の書類整理箱において、前記取っ手
部材70は、自然状態においては常に第一蓋板61から
浮上がることなく密接しているため、蓋部6を開閉する
際に前記第二蓋板62の開口64に前記取っ手7が引っ
掛かるようなことがない。また、書類整理箱をそのまま
書棚などに保管させるときにも前記取っ手7が邪魔にな
らない。
【0036】また、前記止着鋲80は、第二蓋板62を
上面から下面に貫通する雄具と前記取付片300,40
0の下面において前記雄具に外嵌する雌具とからなるた
め、蓋部6の開閉時に前記止着鋲80が前記側板3,4
及び補助側板30,40に当接されて開閉動作の邪魔に
なることがない。
【0037】*その他 図8から図10には、その他の実施の形態の書類整理箱
を示している。この例の書類整理箱は、前述の例と同様
に、図8及び図9に示されるブランクシートを組み合わ
せて形成される箱体であって、その胴部及び蓋部6につ
いても前述の例と同じ構成であり、各側板1,2,3,
4の下辺に連設されるフラップ51,52,53,54
を折畳み可能であるように相互に接合さるノックダウン
式の底板部5が設けられている。
【0038】前記底板部5は、図8及び図9に示される
ように、前板部1の下辺に連設され且つ一端に折り曲げ
部511を介して粘着舌片512が設けられる第一フラ
ップ51と、後板部2の下辺に連設され且つ一端に折り
曲げ部521が形成されると共に、底板部5の全体と略
一致する第二フラップ52と、短辺側板3の下辺に連設
され且つ一端に折り曲げ部531を介して粘着舌片53
2が設けられている第三フラップ53と、短辺側板4の
下辺に連設され且つ前記粘着舌片510が貼着される第
四フラップ54とから構成されるものであり、前記底板
部5の成形時に前記第二フラップ52を水平に維持させ
るために、前記第二フラップ52の中央には舌片522
が突設されており、この舌片522の当接される前板部
1の下端には係合孔55が設けられている。また、第二
底フラップ52の折り曲げ部521及び前記第三フラッ
プ53の折り曲げ部531上には切込みが形成されてい
る。また、箱体に成形させた状態において、図10に示
されるように、前記貼着舌片512は前記第四フラップ
54の外面との重なり位置に予め貼着されており、前記
粘着舌片532は第二フラップ52の外面の重なり位置
に貼着されている。
【0039】これより、前記底板部5は、扁平状態から
箱体へ起こし、内側に折込まれている第二フラップ52
を下方へ押出して前記前記舌片522を前記係合孔55
へ嵌込むことにより簡単に組み立てることができる。ま
た、前記舌片522と係合孔55との係合を外すと共
に、前記粘着舌片512,532を箱体内に押込むこと
により各フラップ51,52,53,54は箱体内へ折
込まれ扁平に折畳むことができる。そのため、この例の
書類整理箱は、前述の例と同様に、扁平に折畳み可能で
あると共に箱体への組立て及び折畳みが容易である。
【0040】図11に示される取っ手7は、弾性合成樹
脂製の帯状の取っ手部材70と、これを第一蓋板61に
略密接する状態に相対移動可能に取付ける係止具79と
から構成されている。前記係止具79は、前記第一蓋板
61の下面から前記取っ手部材70の両端近傍に設けら
れた透孔と前記第一蓋板61に形成された長孔66,6
6を貫通すると共に、前記取っ手部材70の上面凹部か
ら挿通されるネジ78とネジ嵌合される雌ネジ部791
と、その下端に連設され前記長孔66に対して前記係止
具79を抜け止め状態とする円盤状の大径部790とか
らなっている。
【0041】前記雌ネジ部791は、前記長孔66の長
さの範囲内において長辺方向に移動可能であるように設
定されているため、前記取っ手部材70を把持して上方
へ持上げるとき、前記取っ手部材70の両端部は図11
(a)に示される矢印の方向へ移動されるため、図11
(b)に示されるように、前記取っ手部材70がアーチ
状に持上げられ前記第一蓋板61と前記取っ手部材70
との間に空間が形成される。そのため、前記空間に手を
挿通させてこれを把持することができる。また、前記取
っ手部材70から手を離すと自身の弾性力によって、図
11(a)に示されるように、第一蓋板61に密接する
状態に戻るため、蓋部6の開閉時や保管時に前記取っ手
7が邪魔になることがない。
【0042】前述の例において、前記補助側板30,4
0と前記第二蓋板62の短辺側の端縁とは止着鋲80,
80により止着されているが、図12に示すように、前
記第二蓋板62の端縁に延設された係合片65と前記補
助側板30に設けられた切込み31との係合によって係
止されるものであってもよい。
【0043】このものでは、前記係合片65の先端は、
先端方向に縮小される形状の頭部となっており、その頭
部の基端部は前記補助側板30に設けられた切込み31
と同等がそれより僅かに小さい幅となるように設定され
ているため、この切込み31に前記頭部を強制的に押込
ませると、前記基端部と切込み31とが係合されて抜け
止め状態となるため、前記第二蓋板62と補助側板30
とが係止される。
【0044】このような係止の態様のものでは、前記係
止片65は第二蓋板62から延設されているため、前述
の例のように、別部材から成形される止着鋲80などを
用いる必要がなく書類整理箱の組立てが簡単である。
【0045】また、ここでは図示しないが、前記補助側
板30,40と前記第二蓋板62の短辺側の端縁とを上
記止着鋲80に代えて、係脱自在なホックによって係着
させたものでは、書類整理箱が不要のときには前記ホッ
クの係着を解除して前記補助側板30,40と前記第二
蓋板62とを取外し、書類整理箱を扁平状態に折畳み収
納することができる。
【0046】このとき、前記ホックが前記第二蓋板62
と前記補助側板30,40の上端に延設された取付片3
00,400の先端部とに設けられて、前記取付片30
0,400と第二蓋板62とを分離自在に結合する構成
であれば、前記取っ手7を持ったときに第一蓋板61に
作用する荷重が前記取付片300,400によって支え
られるため、係脱自在のホックであっても第二蓋板62
と補助側板30,40との連結強度は十分である。ま
た、前記ホックが前記蓋部6の開閉の際に前記側板3,
4及び補助側板30,40に当接しないから、開閉動作
の邪魔になることがない。また、前記ホックの構成部材
は、前記第二蓋板62と取付片300,400にそれぞ
れ止着されているため、前記ホックを解除して書類整理
箱を折畳ませるとき、前記ホックが紛失してしまうこと
がない。
【0047】前述の書類整理箱は、2枚の合成樹脂製の
ブランクシートを組み合わせて形成されているが、一枚
のブランクシートから形成されるものであっても、3枚
以上のブランクシートから形成されるものであってよ
い。また、紙製シートを打抜いてブランクシートを作成
させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の書類整理箱の斜視図
【図2】図1の書類整理箱の開放状態を示す断面図
【図3】図1の書類整理箱の第一展開図
【図4】図1の書類整理箱の第二展開図
【図5】書類整理箱の閉塞状態における蓋部の平面図
【図6】第一蓋板への取っ手部材の取付状態を示す分解
斜視図
【図7】書類整理箱の底板部の組立て状態を示す斜視図
【図8】その他の書類整理箱の第一展開図
【図9】その他の書類整理箱の第二展開図
【図10】書類整理箱の底板部の整形状態を示す底面図
【図11】書類整理箱に用いられる取っ手の断面図
【図12】第二蓋板と補助側板との係止状態を示した斜
視図
【図13】従来の書類整理箱の斜視図
【符号の説明】
(1)・・・前板部 (2)・・・後板部 (20)・・・折り曲げ部 (21)・・・側板部 (3)(4)・・・短辺側板 (30)(40)・・・補助側板 (300)(400)・・・取付片 (5)・・・底板部 (51)(52)(53)(54) ・・・フラップ (6)・・・蓋部 (61)・・・第一蓋板 (62)・・・第二蓋板 (7)・・・取っ手 (70)・・・取っ手部材 (8)・・・ホック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42F 7/14 A45C 3/02 B65D 5/00 - 5/76

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直方体状の箱体に形成され、その上端部
    に書類投入用の開放部が形成される書類整理箱におい
    て、 前記開放部は、箱体の上面全域及び前記上面の長辺に続
    く長辺側の側面の一方の上部の所定範囲にわたって形成
    されており、 他方の長辺側の側面を構成する長辺側板の上端には、前
    記開放部の前記上面全域を閉塞する大きさの第一蓋板が
    屈曲自在に連設され、 前記一方の長辺側の側面における長辺側板の上端には
    前記長辺側側面の上部に相当する側板部が屈曲自在に連
    設されると共に前記側板部には前記第一蓋板に上方から
    重なる第二蓋板が屈曲自在に連設され、 前記第一蓋板の中央部には前記長辺に沿って平行な取っ
    手が設けられると共に、前記第二蓋板のこの取っ手に重
    なる部分には前記取っ手を挿通させる大きさの開口が設
    けられ、 前記第二蓋板の自由側の端縁近傍と前記第一蓋板の基端
    部には、相互に取外し可能に係着される係着具が設けら
    前記箱体は、紙又は合成樹脂製のシートから所定形状に
    打抜かれたブランクシートから成形されると共に、扁平
    に折り畳み可能な胴部と、前記胴部を構成する前記一対
    の長辺側板とこれらの間の一対の短辺側板の下辺から延
    びるフラップが組合わされて形成される底板部とを具備
    し、 前記側板部の側端縁には、前記短辺側板に対して摺動可
    能に重ねられる補助側板がそれぞれ設けられており、前
    記補助側板の上辺の先端部が係止手段によって前記第二
    蓋板の短辺側の端部に係止されている 、書類整理箱。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の書類整理箱において、
    前記係止手段は、前記第二蓋板の上面から下面に貫通さ
    れ前記第二蓋板の短辺側の端部と前記補助側板の上辺の
    先端部とを係止する係止具である、書類整理箱。
  3. 【請求項3】 直方体状の箱体に形成され、その上端部
    に書類投入用の開放部が形成される書類整理箱におい
    て、 前記開放部は、箱体の上面全域及び前記上面の長辺に続
    く長辺側の側面の一方の上部の所定範囲にわたって形成
    されており、 他方の長辺側の側面を構成する長辺側板の上端には、前
    記開放部の前記上面全域を閉塞する大きさの第一蓋板が
    屈曲自在に連設され、 前記一方の長辺側の側面における長辺側板の上端には、
    前記長辺側側面の上部に相当する側板部が屈曲自在に連
    設されると共に前記側板部には前記第一蓋板に上方から
    重なる第二蓋板が屈曲自在に連設され、 前記第一蓋板の中央部には前記長辺に沿って平行な取っ
    手が設けられると共に、前記第二蓋板のこの取っ手に重
    なる部分には前記取っ手を挿通させる大きさの開口が設
    けられ、 前記第二蓋板の自由側の端縁近傍と前記第一蓋板の基端
    部には、相互に取外し可能に係着される係着具が設けら
    れ、 前記箱体は、紙又は合成樹脂製のシートから所定形状に
    打抜かれたブランクシートから成形されると共に、扁平
    に折り畳み可能な胴部と、前記胴部を構成する前記一対
    の長辺側板とこれらの間の一対の短辺側板の下辺から延
    びるフラップが組合わされて形成される底板部とを具備
    し、 前記側板部の側端縁には、前記短辺側板に対して摺動可
    能に重ねられる補助側板がそれぞれ設けられており、前
    記補助側板の上辺には内側に屈曲する取付片が連設さ
    れ、前記上辺先端近傍の前記取付片と前記第二蓋板の短
    辺側の端部とが係脱自在なホックによって係止されてい
    る、書類整理箱。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の書類整理箱
    において、前記第二蓋板には、その自由側の端縁に連設
    され前記第二蓋板の前記開口の外側部分の下面に重ねら
    れるように折込まれる補強板が設けられており、前記係
    着具の一方は、重ねられている前記補強板及び前記第二
    蓋板を結合する態様に取付けられている、書類整理箱。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の書類整
    理箱において、前記取っ手は、弾性合成樹脂製の帯状の
    持ち手部材と、これを前記第一蓋板に沿うように且つ前
    記持ち手部材の両端近傍を一定範囲相対移動可能に止着
    する取付部材とからなる、書類整理箱。
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