JP3466636B2 - 顆粒剤 - Google Patents

顆粒剤

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JP3466636B2
JP3466636B2 JP01419292A JP1419292A JP3466636B2 JP 3466636 B2 JP3466636 B2 JP 3466636B2 JP 01419292 A JP01419292 A JP 01419292A JP 1419292 A JP1419292 A JP 1419292A JP 3466636 B2 JP3466636 B2 JP 3466636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、苦味、刺激等の不快感
を有する薬物を含有しながらも、当該不快感がマスキン
グされ、服用し易く、薬効が速やかに発現する経口投与
用の顆粒剤に関する。 【0002】 【従来の技術】苦味、刺激等の不快感を有する薬物をマ
スキングする方法としては、従来よりフィルムコーティ
ングすることが一般的であった(特開昭63−2742
3号公報等)。 【0003】しかしながら、フィルムコーティングは錠
剤には適するが他の剤形には適したものとは言えない。
例えば、幼児や小児への投薬に適し、かつ調剤に便利な
顆粒剤は、フィルムコーティングすると、ざらざらし口
当りが悪く、矯味のため多顆粒にするため、均一にする
ことが難しく、更に製造工程が複雑であるという欠点を
有していた。 【0004】一方、胃溶性又は水難溶性の高分子化合物
等によりマスキングする方法が提案されているが(特開
平3−83922号公報、特開昭62−51627号公
報、特開昭55−129224号公報等)、こうして得
られたものは、口当りが悪く、胃内部が無酸症又は弱酸
性の人には適用できず、更には顆粒剤とすることができ
ない等の問題点を有している。 【0005】また、矯味剤等を添加する方法も提案され
ているが(特開平2−56416号公報等)、苦味はあ
る程度マスキングされるものの、刺激物に対しては効果
がなかった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、苦味、刺激等を有する薬物を含有しながらも、これ
らがマスキングされ、服用感が良い顆粒剤を提供するこ
とにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、苦味、刺激等の不快感を
有する薬効成分を内層とし、これに水溶性高分子及び糖
類が分散された外層を設ければ、苦味、刺激等の不快感
がなく、ざらつき等がなく、服用感が良好で薬効が速や
かに現われる顆粒剤が得られることを見出し、本発明を
完成した。 【0008】すなわち、本発明は、有効成分を含有する
造粒物からなる内層と、水溶性高分子及び甘味を有する
糖類の混合物を該内層表面に散布して付着させた外層と
からなる顆粒剤を提供するものである。 【0009】本発明に用いられる水溶性高分子として
は、結合剤としてすでに用いられているものを用いるこ
とができる。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アラ
ビアゴム、ポリビニルピロリドン、デキストリン、アル
ギン酸ナトリウム、カゼイン等が好適な例として挙げら
れる。水溶性高分子の配合量は、マスキングすべき薬物
によって適宜決定すればよいが、一般的には顆粒剤10
0重量部に対して1〜50重量部、特に5〜30重量部
とするのが好ましい。 【0010】本発明に用いられる糖類は、水溶性で甘味
を持つものが好ましく、特に白糖、乳糖、キシリトー
ル、D−マンニトール、D−ソルビトール等が好まし
い。糖類の配合量は、前記の水溶性高分子100重量部
に対して50〜2000重量部、特に100〜500重
量部とすることが好ましい。 【0011】本発明の顆粒剤は、例えば次の如くして製
造することができる。すなわち、マスキングしたい苦味
又は刺激性等を有する薬効成分に、賦形剤、結合剤、崩
壊剤等を加えて常法により押出造粒し、必要ならこれを
球形機により球形化処理した後、糖衣パンや遠心流動型
コーティング装置で流動させておき、これに水、アルコ
ール等を噴霧して顆粒表面を湿潤させた後、上記の水溶
性高分子と糖類の均一な混合物を散布し付着させる。こ
の操作を繰り返し、所定量を付着させればよい。また、
水溶性高分子の処方量の一部又は全量を初めに付着させ
た後、水溶性高分子と糖類の均一な混合物又は糖類を付
着させてもよい。ここで付着させる水溶性高分子と糖類
の粒径は、100μm 以下が好ましい。以上のようにし
て得られた顆粒は苦味又は刺激性を有する成分を内層
に、外層に水溶性高分子と糖類が分散、付着している。
なお、外層に該水溶性高分子と糖類が分散、付着せしめ
る方法であれば、他のいかなる方法を用いてもよい。 【0012】 【作用及び効果】本発明の顆粒剤は、苦味又は刺激性を
有する薬物が水溶性高分子と糖類で被覆されているため
口中に含んだ際、唾液により糖類が溶解し甘味が現わ
れ、水溶性高分子がゲル化し、苦味又は刺激性を有する
薬物を含む内層を包み、苦味又は刺激性はマスキングさ
れる。また、口中を過ぎると苦味又は刺激性を有する薬
物の溶解が始まり薬物の効果が速やかに現われる。従っ
て、服用が容易であり、しかも効果の発現が速やかであ
り、成人はもちろんのこと、老人、幼児又は小児への経
口投与に最適である。 【0013】 【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実
施例1 顆粒剤: 処方(1日量・3包中) 内層成分 アセトアミノフェン 900mg ノスカピン 48mg 塩酸イソチペンジル 7mg dl−塩酸メチルエフェドリン 60mg アスコルビン酸 500mg 無水カフェイン 75mg トウモロコシデンプン 775mg ヒドロキシプロピルセルロース 35mg 外層成分 精製白糖 1650mg ヒドロキシプロピルセルロース 450mg 【0014】製法 処方に従いヒドロキシプロピルセルロース以外の1日量
の1000倍量の内層成分を秤取し均一に混合した後、
ヒドロキシプロピルセルロースの10重量%エタノール
溶液及びエタノールを加えて練合したものを押出造粒機
(不二パウダル製EXR−60型0.7mmスクリーン)
にて造粒し、球形機(マルメライザー:不二パウダル製
Q−400型)にて球形化処理を行った後、乾燥し遠心
流動型コーティング造粒装置(フロイント産業製CF−
360型)に入れ、毎分120回転で遠心流動させ、こ
れに毎分5mlの割合でエタノールを噴霧して湿潤させ、
外層処方に従い精製白糖及びヒドロキシプロピルセルロ
ースを秤取し均一に混合したものを徐々に散布し所定量
まで内層顆粒に外層成分を被覆する。その後、50℃で
乾燥し篩過整粒し、顆粒剤4185gを得た。 【0015】実施例2 顆粒剤: 処方(1日量・3包中) 内層成分 イブプロフェン 450mg 乳糖 1035mg ヒドロキシプロピルセルロース 15mg 外層成分 精製白糖 1200mg ヒドロキシプロピルセルロース 300mg 【0016】製法 処方に従い1日量の1000倍量の内層成分を秤取し、
実施例1同様に操作し、得られた球形顆粒を遠心流動型
コーティング造粒装置(フロイント産業製CF−360
型)に入れ、毎分120回転で遠心流動させ、これに毎
分5mlの割合でエタノールを噴霧して湿潤させ、外層処
方中のヒドロキシプロピルセルロースの一部(半量)を
徐々に散布した後、処方に従い精製白糖及びヒドロキシ
プロピルセルロース(半量)を秤取し均一に混合したも
のを徐々に散布し所定量まで外層成分を被覆する。その
後、50℃で乾燥し篩過整粒し、顆粒剤2810gを得
た。 【0017】比較例1 顆粒剤: 処方(1日量・3包中) 内層成分 アセトアミノフェン 900mg ノスカピン 48mg 塩酸イソチペンジル 7mg dl−塩酸メチルエフェドリン 60mg アスコルビン酸 500mg 無水カフェイン 75mg トウモロコシデンプン 775mg ヒドロキシプロピルセルロース 35mg 外層成分 精製白糖 2100mg 製法 処方に従い1日量の1000倍量の内層成分を秤取し、
実施例1同様に操作し、顆粒剤4310gを得た。 【0018】比較例2 顆粒剤: 処方(1日量・3包中) 内層成分 イブプロフェン 450mg 乳糖 1035mg ヒドロキシプロピルセルロース 15mg 外層成分 精製白糖 1500mg 製法 処方に従い1日量の1000倍量の内層成分を秤取し、
実施例1同様に操作し、顆粒剤2860gを得た。 【0019】比較例3 顆粒剤: 処方(1日量・3包中) 内層成分 アセトアミノフェン 900mg ノスカピン 48mg 塩酸イソチペンジル 7mg dl−塩酸メチルエフェドリン 60mg アスコルビン酸 500mg 無水カフェイン 75mg トウモロコシデンプン 775mg ヒドロキシプロピルセルロース 35mg フィルム層 ヒドロキシプロピルセルロース 100mg外層成分精製白糖
2000mg 製法 処方に従い1日量の1000倍量の内層成分を秤取し、
実施例1に従い造粒した後、内層部にヒドロキシプロピ
ルセルロースの5重量%エタノール溶液を流動層造粒コ
ーティング装置を用いて、内層部にコーティングを行
う。フィルムコーティング後、以下実施例1同様に操作
し、顆粒剤4360gを得た。 【0020】実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた
顆粒剤の苦味又は刺激性のマスキングの効果及び服用感
について成人6名で評価した。評価は1.耐えられない
苦味又は刺激性がある。2.苦味又は刺激性があるが耐
えられる。3.苦味又は刺激性を感じない。4.服用感
が良い。5.服用感が悪い。の5点で行った。この結果
を表1に示す。 【0021】 【表1】【0022】試験例1 実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた顆粒剤につい
て水を試験液に用いた崩壊試験(日局)を行ったとこ
ろ、実施例1〜2及び比較例1〜2はいずれも4分から
8分で崩壊終了し、良好な結果となったが、比較例3は
15分から25分と崩壊性が良好とは言い難い結果とな
った。以上の結果より本発明は、苦味又は刺激性のマス
キングの効果及び服用感に優れているのが明らかであ
り、崩壊性も良好で薬物の効果が速やかに現われること
が判る。従って、本発明の顆粒剤は、苦味又は刺激性を
有する薬物を含有しても服用が容易で効果が速やかな経
口投与剤であることが判る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−193733(JP,A) 特開 昭63−192725(JP,A) 実開 昭60−51122(JP,U) 特公 昭49−15766(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/16 A61K 47/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 有効成分を含有する造粒物からなる内層
    と、水溶性高分子及び甘味を有する糖類の混合物を該内
    層表面に散布して付着させた外層とからなる顆粒剤。
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WO1998006385A1 (de) * 1996-08-15 1998-02-19 Losan Pharma Gmbh Gut schluckbare orale arzneiform
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