JP3466442B2 - 鍛造金型 - Google Patents

鍛造金型

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JP3466442B2 JP31169697A JP31169697A JP3466442B2 JP 3466442 B2 JP3466442 B2 JP 3466442B2 JP 31169697 A JP31169697 A JP 31169697A JP 31169697 A JP31169697 A JP 31169697A JP 3466442 B2 JP3466442 B2 JP 3466442B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、4つの隅角部を有
する断面形状の部位を具備する製品を鍛造する鍛造金型
に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の鍛造金型は、図8に示す
如く、製品の輪郭形状に合致するダイaと、ダイa内に
設けた固定側パンチbと、ダイa内に挿入される可動側
パンチcとを備え、図8(A)に示す如くダイa内に素
材w´をセットした後、可動側パンチcを図8(B)に
示す如くダイa内に挿入して素材w´を鍛圧し、図8
(C)に示す如く製品wを成形するように構成されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の鍛造金型
は、閉塞鍛造で製品wを成形するものであり、製品wの
4つの隅角部waがエッジになる。製品wが機械部品で
ある場合、隅角部waがエッジになっていると応力集中
を生ずるため、後工程で隅角部waを機械加工により面
取りすることが必要になり、コストアップの要因にな
る。 【0004】尚、各パンチb,cの端面外縁部に斜状の
突縁を形成すれば隅角部waを面取りした形状に成形で
きるが、突縁の剛性を確保することができず、金型の耐
久性が悪くなるため現実的ではない。 【0005】本発明は、以上の点に鑑み、隅角部を面取
りした形状に鍛造工程で成形できるようにした鍛造金型
を提供することを課題としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、4つの隅角部を有する断面形状の部位を具備
する製品を鍛造する鍛造金型において、固定側パンチ
と、可動側パンチと、両パンチ間に介設した、製品の前
記部位の両パンチの対向方向に平行な輪郭面を成形する
ダイ形状のスペーサとを備え、両パンチに、前記部位の
各パンチに対向する面を成形する成形面と、スペーサに
対向するフェース面を形成すると共に、各パンチの成形
面の外縁部に、前記部位の各隅角部を面取りする斜面を
形成し、更に、スペーサを固定側パンチのフェース面に
対し付勢手段により浮き支持させ、可動側パンチを固定
側パンチに対し型締めする際、可動側パンチのフェース
面がスペーサに着座し、次いでスペーサが付勢手段に抗
して固定側パンチのフェース面に着座するようにしてい
る。 【0007】本発明によれば、各パンチの成形面の外縁
部の斜面により製品の各隅角部が面取り形状に成形さ
れ、後工程での面取りが不要になる。そして、斜面の外
側にはフェース面が存在するため、斜面の部分の剛性は
充分に確保され、金型の耐久性が低下することはない。 【0008】尚、鍛造時、素材は可動側パンチで鍛圧さ
れる部分で先に変形する。そのため、可動側パンチのダ
イフェース面とスペーサとの隙間に肉が張り出してバリ
を生じ易くなる。然し、本発明では、スペーサを固定側
パンチのダイフェース面に対し浮き支持しているため、
可動側パンチのダイフェース面とスペーサとの隙間に肉
が張り出す前に可動側パンチのダイフェース面がスペー
サに着座し、バリは発生しない。そして、スペーサが固
定側パンチのダイフェース面に着座したところで、両パ
ンチとスペーサとにより製品形状に合致する閉塞鍛造空
間が形成され、精度良く製品が成形される。 【0009】 【発明の実施の形態】図1は、図7に示すエンジン用の
コンロッドWを鍛造する鍛造金型を示している。コンロ
ッドWは、大端部W1と、小端部W2と、中間のロッド
部W3とから成り、大端部W1と小端部W2とには夫々
穴W1a,W2aが明けられている。また、ロッド部W
3は図6(D)に示す如く4つの隅角部W3aを有する
略H形の断面形状に形成される。 【0010】鍛造金型は、下方の固定ダイ1と、固定ダ
イ1内に設けた固定側パンチ2と、固定側パンチ2に対
向する上方の可動側パンチ3と、固定側パンチ2と可動
側パンチ3との間に介設したスペーサ4とを備えてい
る。可動側パンチ3は図外のプレスラムに連動して上下
動されるようになっており、また、固定側パンチ2は図
外のノックアウトで押し上げられるようになっている。 【0011】固定ダイ1の内部空間は、図2に示す如
く、コンロッドWの輪郭より大きく形成されており、固
定側と可動側の各パンチ2,3もコンロッドWの輪郭よ
り大きく形成されている。スペーサ4は、コンロッドW
の小端部W2から大端部W1の肩部にかけての輪郭に合
致する成形面4aを有するダイ形状に形成されている。
また、各パンチ2,3には、コンロッドWの各側面を成
形する成形面2a,3aと、スペーサ4に対向するフェ
ース面2b,3bとが形成されている。そして、スペー
サ4を固定側パンチ2のフェース面2bに対しスプリン
グを内蔵するプランジャ等の付勢手段5により浮き支持
させている。また、成形面2a,3aのロッド部W3に
合致する部分の外縁部には、ロッド部W3の各隅角部W
3aを面取りする斜面2c,3cが形成されている。 【0012】尚、成形面2a,3aの大端部W1に合致
する部分の両脇には図4に示す如く立上り部2d,3d
が形成されており、両パンチ2,3の立上り部2d,3
d同士が当接して、大端部W1の両脇の輪郭面が成形さ
れるようにしている。また、大端部W1の外端部の輪郭
面には固定ダイ1に形成した成形面1aで成形されるよ
うにしている。 【0013】固定側パンチ2と可動側パンチ3とには、
更に、大端部W1の穴明け箇所に臨む第1と第2の大端
インナパンチ61,62と、小端部W2の穴明け箇所に臨
む第1と第2の小端インナパンチ71,72とが出没自在
に挿設されている。第1の大小端インナパンチ61,71
と第2の大小端インナパンチ62,72とは夫々別個の駆
動源により加圧駆動される。 【0014】コンロッドWの鍛造に際しては、先ず、図
5(A)に示す如く、体積配分がコンロッドWと略同等
になるように予備成形したプリフォーム素材W´を固定
ダイ1内にセットし、次いで可動側パンチ3を下降させ
て、図5(B)に示す如く固定側パンチ2に対し型締め
する。これによれば、プリフォーム素材W´が両パンチ
2,3間で鍛圧されてコンロッドWの形状に荒成形され
る。次に、図5(C)に示す如く固定側パンチ2に挿設
した第1の大小端インナパンチ61,71を上方に突出さ
せると共に、可動側パンチ3に挿設した第2の大小端イ
ンナパンチ62,72を下方に突出させる。これによれ
ば、大端部W1と小端部W2の各穴明け箇所が鍛圧さ
れ、大端部W1や小端部W2に残っている欠肉部に肉が
流れて欠肉部が埋められる。次に、第1の大小端インナ
パンチ61,71を下方に没入させつつ第2の大小端イン
ナパンチ62,72を下方に更に突出させ、大端部W1と
小端部W2の穴明け箇所に残っている余肉Waを第2の
大小端インナパンチ62,72で図5(D)に示す如く打
ち抜き、大端穴W1aと小端穴W2aの穴明けを行う。
その後、第2の大小端インナパンチ62,72を上方に没
入させると共に可動側パンチ3を上昇させ、次に固定側
ダイ2を押し上げて、成形されたコンロッドWを取出
し、最後に第1の大小端パンチ61,71を上方に突出さ
せて余肉Waをエアで吹き飛ばし、1回の鍛造サイクル
を完了する。 【0015】ところで、上記したコンロッドWの鍛造に
際し、ロッド部W3は固定側パンチ2に対する可動側パ
ンチ3の型締めで所要の形状に成形される。これを詳述
するに、図6(A)に示す状態から可動側パンチ3が下
降して、プリフォーム素材W´のロッド部W3になる部
分が図6(B)に示す如く固定側と可動側の両パンチ
2,3の成形面2a,3a間に挟まれたところでロッド
部W3の成形が開始される。 【0016】成形が開始されると、プリフォーム素材W
´は可動側パンチ3で鍛圧される上方部分から順に変形
する。そのため、スペーサ4が固定側パンチ2に一体化
されていると、可動側パンチ3のフェース面3bがスペ
ーサ4に着座する前に、フェース面3bとスペーサ4と
の間の隙間に肉が張り出してバリを生ずる。然し、本実
施形態では、スペーサ4を固定側パンチ2のフェース面
2aに対し浮き支持しているため、上記隙間に肉が張り
出す前に可動側パンチ3のフェース面3bが図6(C)
に示す如くスペーサ4に着座し、隙間への肉の張り出し
によるバリは発生しない。 【0017】可動側パンチ3のフェース面2aがスペー
サ4に着座してから可動側パンチ3が少許下降するとロ
ッド部W3の上方部分の成形が完了し、以後肉が専ら下
方に流れる。すると、この流れに引き摺られてスペーサ
4が下降し、スペーサ4と固定側パンチ2のフェース面
2bとの間に肉が張り出す前にスペーサ4がフェース面
2bに着座する。この際、可動側パンチ3のフェース面
3bとスペーサ4との間に若干の隙間が明くが、ロッド
部W3の上方部分が加工硬化し、且つ、肉の流れが下方
を向いているため、この隙間に肉が張り出すことはな
い。型締めが完了すると、図6(D)に示す如く両パン
チ2,3の成形面2a,3aとスペーサ4の成形面4a
とで囲われた閉塞鍛造空間が形成され、ロッド部W3が
所要の形状にバリを生ずることなく精度良く成形され
る。 【0018】ここで、ロッド部W3の各隅角部W3aは
各パンチ2,3の成形面2a,3aの外縁部に形成した
斜面2c,3cにより面取り形状に成形され、後工程で
の隅角部W3aの面取りが不要になる。また、斜面2
c,3cの外側にはフェース面2b,3bが存在するた
め、斜面2c,3cの部分の剛性は充分に確保され、金
型の耐久性が悪化することはない。 【0019】以上、4隅を面取りしたH形断面のロッド
部W3を有するコンロッドWの成形に本発明を適用した
実施形態について説明したが、4隅を面取りした方形断
面の部位を有する製品の成形にも同様に本発明を適用で
きる。 【0020】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、鍛造工程で隅角部を面取りでき、且つ、バリ
も生じないため、後工程での面取りやバリ取りが不要と
なり、工数を削減してコストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明金型の一例の縦断面図 【図2】 図1のII−II線截断平面図 【図3】 図2のIII−III線截断面図 【図4】 図2のIV−IV線截断面図 【図5】 (A)〜(D)コンロッドの成形状態を示す
斜視図 【図6】 (A)〜(D)コンロッドのロッド部の成形
状態を示す断面図 【図7】 コンロッドの斜視図 【図8】 (A)〜(C)従来の金型による製品の成形
状態を示す断面図 【符号の説明】 W コンロッド(製品) W3 ロッド
部(部位) W3a 隅角部 2 固定側
パンチ 3 可動側パンチ 2a,3a 成形面 2b,3b フェース面 2c,3c 斜
面 4 スペーサ 5 付勢手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−133928(JP,A) 特開 平8−281365(JP,A) 特開 昭51−103861(JP,A) 実開 昭56−45547(JP,U) 実開 昭62−165030(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21J 1/00 - 13/14 B21J 17/00 - 19/04 B21K 1/00 - 31/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 4つの隅角部を有する断面形状の部位を
    具備する製品を鍛造する鍛造金型において、 固定側パンチと、可動側パンチと、両パンチ間に介設し
    た、製品の前記部位の両パンチの対向方向に平行な輪郭
    面を成形するダイ形状のスペーサとを備え、 両パンチに、前記部位の各パンチに対向する面を成形す
    る成形面と、スペーサに対向するフェース面を形成する
    と共に、 各パンチの成形面の外縁部に、前記部位の各隅角部を面
    取りする斜面を形成し、 更に、スペーサを固定側パンチのフェース面に対し付勢
    手段により浮き支持させ、 可動側パンチを固定側パンチに対し型締めする際、可動
    側パンチのフェース面がスペーサに着座し、次いでスペ
    ーサが付勢手段に抗して固定側パンチのフェース面に着
    座するようにした、 ことを特徴とする鍛造金型。
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