JP3464725B2 - 作業車両のステアリング装置 - Google Patents

作業車両のステアリング装置

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JP3464725B2
JP3464725B2 JP32865994A JP32865994A JP3464725B2 JP 3464725 B2 JP3464725 B2 JP 3464725B2 JP 32865994 A JP32865994 A JP 32865994A JP 32865994 A JP32865994 A JP 32865994A JP 3464725 B2 JP3464725 B2 JP 3464725B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステアリングハンドル
が上端に取付けられるステアリング軸と、該ステアリン
グ軸に連動可能に取付けられる駆動ギヤと、前記ステア
リング軸とほぼ平行な軸線を有するとともにピットマン
アームが連設される回動軸と、前記駆動ギヤに噛合して
回動軸に固定される被動ギヤとを備える作業車両のステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる装置は、たとえば実公平5
−36789号公報等により既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなステアリン
グ装置において、ステアリング軸、回動軸、駆動ギヤお
よび被動ギヤ等の構成部品の外部入力からの保護を図っ
て信頼性を高める必要があるが、その一方で、組立・分
解作業が煩雑になることを避け、メンテナンス性の向上
および部品点数の低減を図りたいと言う要望がある。し
かるに上記従来のものでは、そのような要望に応える構
成は開示されていない。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ステアリング軸およびピットマンアーム間の
構成の信頼性を高め、しかも組立・分解作業を容易と
し、メンテナンス性の向上および部品点数の低減を図る
ようにした作業車両のステアリング装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ステアリングハンドルが上
端に取付けられるステアリング軸と、該ステアリング軸
に連動可能に取付けられる駆動ギヤと、前記ステアリン
グ軸とほぼ平行な軸線を有するとともにピットマンアー
ムが連設される回動軸と、前記駆動ギヤに噛合して回動
軸に固定される被動ギヤとを備える作業車両のステアリ
ング装置において、支持部を有する支持枠が車体フレー
ムに固設され、支持部に挿通、支持されるステアリング
軸に、支持部の下面でスラスト支持される駆動ギヤが連
動可能に取付けられ、車体フレームに設けられた透孔を
貫通する回動軸が、支持部で軸方向上方への移動を規制
されるとともに車体フレームに取付けられたブラケット
で軸方向下方への移動を規制された状態で支持部および
ブラケットにより回動自在に支承され、支持部の下方で
前記駆動ギヤに噛合する被動ギヤと、ピットマンアーム
とが回動軸に連設され、被動ギヤは回動軸の上端部に固
着されて支持部でスラスト支持され、ピットマンアーム
は回動軸の下端部に固着されてブラケットでスラスト支
持され、車体フレームに設けられた透孔は、被動ギヤを
挿通させ得る形状に形成されることを特徴とする。
【0006】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、支持枠には、車体フ
レームの上方で上下に間隔をあけて配置される上部およ
び下部支持部が設けられ、上部支持部に上方から係合す
る第1鍔部を有して上部支持部に装着される第1ブッシ
ュと、下部支持部に下方から係合する第2鍔部を有して
下部支持部に装着される第2ブッシュとで回動自在に支
承されるステアリング軸に、第1鍔部の上面に係止する
係止部が設けられ、下部支持部に下方から係合する第3
鍔部を有して下部支持部に装着される第3ブッシュと、
ブラケットに上方から係合する第4鍔部を有してブラケ
ットに装着される第4ブッシュとで回動軸が回動自在に
支承される。
【0007】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、車体フレームは、相互に
平行にして前後方向に延びる一対の縦フレーム部の上端
が連結部で連結されて成り、該車体フレーム上に搭載さ
れるエンジンからの動力を後輪に伝達する無端ベルトが
連結部の下方に配置され、ブラケットは、無端ベルトを
跨ぐ略U字状に形成されて縦フレーム部の内側面および
連結部の下面に結合される一対の取付部と、それらの取
付部間を結ぶ軸支持部とから成り、回動軸が軸支持部で
回動自在に支承される。
【0008】
【0009】請求項記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、支持枠は、車体フレーム
の両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部と、そ
れらの側部支持部の上端間を連結する上部支持部とを有
して略U字状に形成される枠体と、車体フレームおよび
上部支持部間で両側部支持部間にわたって設けられる下
部支持部とを備え、ブレーキレバーにクラッチレバーを
連動させる連動リンク機構が支持枠内に配設される。
【0010】さらに請求項記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明の構成に加えて、支持枠は、車体フ
レームの両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部
と、それらの側部支持部の上端間を連結する上部支持部
とを有して略U字状に形成される枠体と、車体フレーム
および上部支持部間で両側部支持部間にわたって設けら
れる下部支持部とを備え、車体フレーム上に搭載された
エンジンと、車体フレームに支承された作業機器との間
の動力伝達・遮断を切換操作する操作軸が支持枠内で上
下に延びて配設される。
【0011】
【作 用】上記請求項1記載の発明の構成によれば、ス
テアリング軸は、駆動ギヤが支持部でスラスト支持され
ることにより少なくとも上方への移動を規制された状態
で支持部で回動自在に支承され、また回動軸は、その軸
方向上下移動を規制されて支持部およびブラケットで回
動自在に支承されることになる。また駆動ギヤおよび被
動ギヤが支持部およびブラケット間に配置されることに
より両ギヤを外部入力から保護することが可能となり、
ステアリング軸の下端部および回動軸の上端部が支持部
で支持されることによりステアリング軸および回動軸間
の距離を正確に定めることが可能となる。また特に被動
ギヤおよびピットマンアームが回動軸の上下両端部に一
体的に設けられることになり、回動軸の支持スパンを比
較的広くして軸受部の強度を有利とすることができ、部
品点数を最小限とし、組立・分解の工数低減を図ること
も可能となる。
【0012】また上記請求項2記載の発明の構成によれ
ば、第1ないし第4のブッシュを用いた簡単な構成でス
テアリング軸および回動軸を、それらの軸方向移動を規
制しつつ回動自在に支承することが可能となる。
【0013】上記請求項3記載の発明の構成によれば、
ブラケットは、無端ベルトの走行に支障を来すことがな
く、しかも車体フレームを補強する強度材としての形状
を有することになり、部品点数の低減を図ることができ
る。
【0014】
【0015】上記請求項記載の発明の構成によれば、
支持枠により連動リンク機構を外部入力から保護するこ
とができる。
【0016】さらに上記請求項記載の発明の構成によ
れば、支持枠により操作軸を外部入力から保護すること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、図面により本発明を乗用芝草刈機に適
用したときの一実施例について説明する。
【0018】図1ないし図7は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1は乗用芝草刈機の側面図、図2は乗用
芝草刈機の平面図、図3は図1の3−3線拡大断面図、
図4は図3の4−4線拡大断面図、図5は図4の5−5
線断面図、図6は図5の6−6線矢視図、図7は図5の
7−7線断面図である。
【0019】先ず図1および図2において、車体フレー
ム11の前部には一対の前輪WF ,WF が操向可能に懸
架される。一方、車体フレーム11の後部にはミッショ
ンケース12が固定されており、そのミッションケース
12の左、右両側面に固着されたリヤアクスルハウジン
グ13,13で後輪WR ,WR が回転可能に軸支され
る。而して、ミッションケース12の上部から突出した
入力軸14に入力される動力が、ミッションケース12
内の変速機構および差動機構(図示せず)を介して両後
輪WR ,WR に伝達される。
【0020】車体フレーム11の前部にはバーチカル型
エンジンEが搭載される。そのエンジンEの後方側で車
体フレーム11には支持枠15が固定されており、該支
持枠15を覆って上方に延びるコラム部16aを有する
カバー16が、車体フレーム11にその後方側上部を覆
うようにして取付けられる。而してコラム部16aから
後方に間隔をあけた位置でカバー16には乗用シート1
7が配設される。さらに車体フレーム11上のエンジン
E、ならびに支持枠15上に配設される燃料タンク19
等は、前方に跳上げ可能として車体フレーム11に連結
されたボンネット18で覆われる。
【0021】図3を併せて参照して、ほぼ鉛直な軸線を
有してエンジンEから下方に延びるクランク軸20から
の動力は、動力伝達手段21を介してミッションケース
12の入力軸14に伝達される。この動力伝達手段21
は、クランク軸20の中間部に固設される駆動プーリ2
2と、入力軸14に固設される従動プーリ23と、駆動
プーリ22および従動プーリ23に巻掛けられる後輪動
力伝達用無端ベルト24とを備えるものであり、無端ベ
ルト24を緊張させてクランク軸20から入力軸14に
動力を伝達する状態と、無端ベルト24の緊張状態を緩
和して動力伝達を遮断する状態とを切換可能である。
【0022】両前輪WF ,WF および両後輪WR ,WR
間で車体フレーム11の下方にはカッターハウジング2
5が配置され、該カッターハウジング25は、リンク機
構26により昇降可能として車体フレーム11に支承さ
れる。
【0023】カッターハウジング25は、下方を開放し
た皿状に形成されるものであり、該カッターハウジング
25内に、作業機器である一対のカッター271 ,27
2 が回転自在に収納される。またカッターハウジング2
5の両側部には、該カッターハウジング25の最下限位
置を規定すべく地面上を転動するスカルプローラ28,
28が軸支されている。
【0024】リンク機構26は、車体フレーム11の前
部およびカッターハウジング25の前部間を結ぶ一対の
前部リンク29と、車体フレーム11の中間部およびカ
ッターハウジング25の後部間を結ぶ一対の後部リンク
30とを有して、所謂平行リンクを構成するものであ
り、両後部リンク30の一方に連結されて乗用シート1
7の左側に配設されている昇降操作レバー31を操作す
ることにより、カッターハウジング25が、その地面に
対する姿勢を一定として昇降作動せしめられることにな
る。
【0025】カッターハウジング25上には、両カッタ
ー271 ,272 に同軸に連なる従動プーリ331 ,3
2 が配置されている。一方、エンジンEのクランク軸
22には駆動プーリ34が固設されており、該駆動プー
リ34および両従動プーリ331 ,332 とに無端ベル
ト35が巻掛けられて巻掛け伝動系36が構成される。
而して、該巻掛け伝動系36は、コラム部16a内に上
下に延びて配置される操作軸32の回動作動に応じて、
無端ベルト35を緊張させたクラッチオン状態と、無端
ベルト35の緊張状態を緩和したクラッチオフ状態とを
切換可能であり、前記操作軸32の上端に操作レバー3
8が固定される。
【0026】ところで、エンジンEは強制的に空冷され
るものであり、エンジンEを冷却した後の空気は、車体
フレーム11の前部下方に形成されたマフラー収納室3
8に導入される。このマフラー収納室38には、エンジ
ンEに連なるマフラー39が収納されており、エンジン
冷却後の空気は該マフラー39の冷却に用いられること
になる。またマフラー収納室38の前方位置には、上下
に間隔をあけて水平方向に延びる一対のパイプ状バンパ
ー40,40が配置されており、それらのパンパー4
0,40は車体フレーム11の前端に固定的に支持され
る。
【0027】前記マフラー39の後方側で車体フレーム
11の下部には、下方に開いた略U字状の横断面形状を
有するフロントアクスルフレーム41が、マフラー収納
室38の後壁を形成するようにして固着される。このフ
ロントアクスルフレーム41内にはフロントアクスルビ
ーム42が挿入されており、フロントアクスルビーム4
2の長手方向中央部は、車体フレーム11の長手方向す
なわち乗用芝草刈機の前後方向に沿う軸線を有する支軸
43により揺動可能としてフロントアクスルフレーム4
1に支承される。
【0028】フロントアクスルビーム42の両端には、
前輪WF ,WF を支承して略L字状に形成された車軸4
5,45が操向可能にそれぞれ支承されており、車軸4
5,45の上端に連結されたナックルアーム46,46
にタイロッド47,47の前端がそれぞれ連結される。
【0029】図4、図5、図6および図7を併せて参照
して、タイロッド47,47の後端はピットマンアーム
48に共通に連結されており、乗用シート17上の乗員
がステアリングハンドル49(図1および図2参照)を
操作するのに応じて、ステアリングハンドル49の舵角
操作量が、ステアリング軸50、駆動ギヤ51、被動ギ
ヤ52および回動軸53を介してピットマンアーム48
に伝達される。
【0030】車体フレーム11は、相互に平行にして前
後方向に延びる一対の縦フレーム部11a,11aの上
端が連結部11bで連結されて成るものであり、この車
体フレーム11には、連結部11bを上方から覆うよう
にして支持枠15が取付けられる。而して該支持枠15
は、車体フレーム11における両縦フレーム部11a,
11aの外側面にそれぞれ固着される一対の側部支持部
54a,54aの上端間が上部支持部54bで連結され
て成る略U字状の枠体54と、車体フレーム11の連結
部11bおよび上部支持部54b間で両側部支持部54
a,54a間にわたって設けられる下部支持部55とか
ら成る。
【0031】ステアリング軸50は、上部支持部54b
に上方から係合する第1ブッシュ57と、下部支持部5
5に下方から係合する第2ブッシュ58とに挿通され
る。第1ブッシュ57は、半径方向外方に張出した第1
鍔部57aを上端に有して円筒状に形成されるものであ
り、軸線まわりの回転を阻止されるようにして上部支持
部54bに挿入、装着され、第1鍔部57aが上方から
上部支持部54bに係合される。また第2ブッシュ58
は、半径方向外方に張出した第2鍔部58aを下端に有
して円筒状に形成されるものであり、軸線まわりの回転
を阻止されるようにして下部支持部55に挿入、装着さ
れ、第2鍔部58aが下方から下部支持部55に係合さ
れる。
【0032】ステアリング軸50の周方向に間隔をあけ
た複数個所には、第1鍔部57aの上面に座金56を介
して係止する係止部としてのかしめ突部50a…が突設
され、また座金56を介して第1鍔部57aの上面に係
止する係止部としての割りピン59がステアリング軸5
0に装着される。
【0033】ステアリング軸50の下端には駆動ギヤ5
1の下端面に係止する割りピン60が装着される。また
駆動ギヤ51は、第2鍔部58aの下面でスラスト支持
されるものであり、駆動ギヤ51の第2ブッシュ58側
の面には、ステアリング軸50の半径方向に沿って延び
るとともに両端を閉じた嵌合溝61が設けられ、ステア
リング軸50をその半径方向に沿って貫通するピン62
が嵌合溝61に嵌合される。すなわち駆動ギヤ51は、
嵌合溝61へのピン62の嵌合によってステアリング軸
50に対する相対回転を阻止され、割りピン60により
ステアリング軸50からの脱落が阻止された状態でステ
アリング軸50に連結、支持されることになる。
【0034】回動軸53は、ステアリング軸50とほぼ
平行な軸線を有し、下部支持部55に下方から係合する
第3ブッシュ63と、車体フレーム11に取付けられた
ブラケット65に上方から係合する第4ブッシュ64と
に挿通される。第3ブッシュ63は、半径方向外方に張
出した第3鍔部63aを下端に有して円筒状に形成され
るものであり、軸線まわりの回転を阻止されるようにし
て下部支持部55に挿入、装着され、第3鍔部63aが
下方から下部支持部55に係合される。
【0035】後輪WR ,WR に動力を伝達可能な動力伝
達手段21における無端ベルト24は車体フレーム11
の下方で走行可能に配置されており、ブラケット65
は、車体フレーム11における縦フレーム部11aの内
側面および連結部11bの下面に結合される略U字状に
して無端ベルト24を跨ぐ一対の取付部65a,65a
と、それらの取付部65a,65a間を結ぶ軸支持部6
5bとから成るものである。而して第4ブッシュ64
は、半径方向外方に張出した第4鍔部64aを上端に有
して円筒状に形成されるとともに軸線まわりの回転を阻
止されるようにしてブラケット65の軸支持部65bに
挿入、装着され、第4鍔部64aが上方から軸支持部6
5bに係合される。
【0036】被動ギヤ52は、セクタギヤであり、回動
軸53の上端部に溶接により固着され、回動軸53を囲
撓する円筒状のカラー66を介して第3ブッシュ63の
第3鍔部63aにスラスト支持される。また回動軸53
の下端部にはピットマンアーム48が溶接により固着さ
れる。該ピットマンアーム48は第4ブッシュ64の第
4鍔部64aでスラスト支持される。
【0037】ところで、車体フレーム11における連結
部11bには、回動軸53を貫通せしめる透孔67が設
けられており、この透孔67は、被動ギヤ52を挿通さ
せ得る形状に形成される。またエンジンEと、両カッタ
ー271 ,272 との間の動力伝達・遮断を切換操作す
る操作軸32は支持枠15内で上下に延びて配設され
る。
【0038】支持枠15の枠体54における両側部支持
部54a,54aは、車体フレーム11よりも下方に延
設されるものであり、これらの側部支持部54a,54
aの下端には、カッターハウジング25の上限位置を規
制するストッパ72が固着される。
【0039】ストッパ72よりも後方側で枠体54の両
側部支持部54a,54aには、両端を両側部支持部5
4a,54aから外方に突出させるペダルシャフト75
が軸線まわりの回動を可能として支承されており、この
ペダルシャフト75の一端部には、コラム部16aの右
側でカバー16に一体に設けられたプラットフォーム1
6bに配置されるブレーキレバー76の下端部が固着さ
れ、該ブレーキレバー76の上端にはブレーキペダル7
7が取付けられる。またペダルシャフト75の他端部に
は、コラム部16aの左側でカバー16に一体に設けら
れたプラットフォーム16cに配置されるクラッチレバ
ー78の下端部が回動可能に支承され、該クラッチレバ
ー78の上端にはクラッチペダル79が取付けられる。
しかもブレーキレバー76に連なるペダルシャフト75
およびクラッチレバー78間には、支持枠15内に配置
される連動リンク機構80が設けられており、該連動リ
ンク機構80は、ブレーキペダル77の踏込み操作に応
じたブレーキレバー76の回動によりクラッチレバー7
8を連動、回動せしめるが、クラッチペダル79の踏込
み操作に応じたクラッチレバー78の回動にブレーキレ
バー78を連動させることがないように構成されてい
る。さらにブレーキレバー76およびクラッレバー78
と、車体フレーム11との間には戻しばね81,82が
それぞれ縮設される。
【0040】ところで、支持枠15における枠体54の
側部支持部54a,54aには、外側方に折返した支持
鍔部83,83が設けられており、それらの支持鍔部8
3,83上には、カバー16のプラットフォーム16
b,16cを支承するフロアマウントパイプ84,84
が締結される。また枠体54の側部支持部54a,54
aにおいて前記支持鍔部83,83よりも上方位置に
は、外側方に折返した支持鍔部85,85が設けられて
おり、それらの支持鍔部85,85上には、カバー16
が直接締結される。
【0041】次にこの実施例の作用について説明する
と、ステアリングハンドル49が上端に取付けられるス
テアリング軸50は、上部支持部54bに上方から係合
する第1鍔部57aを有した第1ブッシュ57と、下部
支持部55に下方から係合する第2鍔部58aを有する
第2ブッシュ58とに挿通され、ステアリング軸50に
は、第1鍔部57aの上面に係止するかしめ突部50a
…が周方向に間隔をあけた複数個所に設けられるととも
に第1鍔部57aの上面に係止する割りピン59が装着
され、第2鍔部58aの下面でスラスト支持される駆動
ギヤ51がステアリング軸50に連結、支持される。し
たがって、ステアリング軸50の上方への移動は第2鍔
部58aに駆動ギヤ51が下方から係合することにより
規制され、ステアリング軸50の下方への移動は第1鍔
部57aにかしめ突部50aおよび割りピン59が上方
から当接することにより規制されることになり、ステア
リング軸50がその上下移動を規制された状態で第1お
よび第2ブッシュ57,58で回動自在に支承されるこ
とになる。而してステアリング軸50は、駆動ギヤ51
を装着しない状態で第1および第2ブッシュ57,58
に上方から挿通され、その後、ステアリング軸50の下
端部に駆動ギヤ51が装着されればよい。
【0042】また回動軸53の上下両端部には被動ギヤ
52およびピットマンアーム48が一体的に固着されて
おり、下部支持部55に配設された第3ブッシュ63で
被動ギヤ52がスラスト支持され、ブラケット65に配
設された第4ブッシュ64でピットマンアーム48がス
ラスト支持されるので、回動軸53がその上下移動を規
制された状態で第3および第4ブッシュ63,64で回
動自在に支承されることになり、被動ギヤ52およびピ
ットマンアーム48間を最小限の部品で構成することが
でき、組立工数の低減にも寄与することができる。而し
て回動軸53の支持枠15への組付時には回動軸53が
車体フレーム11の下方から第3および第4ブッシュ6
3,64に挿通されることになるが、車体フレーム11
に設けられた透孔67は、被動ギヤ52を挿通可能な形
状に形成されているので、回動軸53の支持枠15への
組付けを容易に行うことができる。
【0043】しかも駆動ギヤ51および被動ギヤ52
は、下部支持部55およびブラケット65間に配置さ
れ、両ギヤ51,52の両側方に支持枠15の側部支持
部54a,54aが配置されるので、重要部品である両
ギヤ51,52を外部入力から保護することが可能とな
る。
【0044】ステアリング軸50および駆動ギヤ51は
支持枠15に組付けた組立体として準備することが可能
であり、その組立体を車体フレーム11に取付ければよ
いので組立作業が容易となる。また第2および第3ブッ
シュ58,63が下部支持部55上に配置されることに
より、ステアリング軸50および回動軸53の軸間距離
を正確に定めることが可能となる。
【0045】ところで、ブラケット65は、後輪WR
R に動力を伝達するための無端ベルト24を跨ぐ略U
字状に形成されて縦フレーム部11aの内側面および連
結部11bの下面に結合される一対の取付部65a,6
5aと、それらの取付部65a,65aを結ぶ軸支持部
65bとから成り、第4ブッシュ64が軸支持部65b
に配設されるので、ブラケット65は、回動軸50を支
承する機能を果たすだけでなく、無端ベルト24の走行
に支障を来さずに車体フレーム11を補強する強度部材
としての機能をも果たすことができ、部品点数低減に寄
与することができる。
【0046】さらに支持枠15内には、連動リンク機構
80が配設されるとともに操作軸32が配設されてお
り、支持枠15は、ステアリング軸50からピットマン
アーム48までの各部品の保護機能を果たした上に、上
記連動リンク機構80および操作軸32の保護機能をも
果たすことができる。
【0047】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、支持部を有する支持枠が車体フレームに固設され、
支持部に挿通、支持されるステアリング軸に、支持部の
下面でスラスト支持される駆動ギヤが連動可能に取付け
られ、車体フレームに設けられた透孔を貫通する回動軸
が、支持部で軸方向上方への移動を規制されるとともに
車体フレームに取付けられたブラケットで軸方向下方へ
の移動を規制された状態で支持部およびブラケットによ
り回動自在に支承され、支持部の下方で前記駆動ギヤに
噛合する被動ギヤと、ピットマンアームとが回動軸に連
設されるので、組立・分解作業を容易とし、しかもメン
テナンス作業性の向上および部品点数を最小限とした構
成により、ステアリング軸および回動軸の軸方向移動を
規制しつつ両軸を回動自在に支承することができ、駆動
ギヤおよび被動ギヤを支持部およびブラケット間で相互
に噛合させることにより両ギヤを外部入力から保護する
ことができ、ステアリング軸および回動軸が支持部で支
持されることによりステアリング軸および回動軸の軸間
距離を正確に設定可能となり、ステアリング軸から駆動
ギヤまでの各部品を支持枠に仮組状態で組付けることを
可能として組立作業を容易とすることができる。また特
に被動ギヤは回動軸の上端部に固着されて支持部でスラ
スト支持され、ピットマンアームは回動軸の下端部に固
着されてブラケットでスラスト支持され、車体フレーム
に設けられた透孔は、被動ギヤを挿通させ得る形状に形
成されるので、最小限の部品構成で被動ギヤおよびピッ
トマンアーム間の動力伝達を可能とした上で、回動軸の
支持スパンを比較的広くして軸受部の強度向上を図り、
しかも支持枠への組付けおよび分解の工数を低減するこ
とができる。
【0049】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、支持枠には、車体フ
レームの上方で上下に間隔をあけて配置される上部およ
び下部支持部が設けられ、上部支持部に上方から係合す
る第1鍔部を有して上部支持部に装着される第1ブッシ
ュと、下部支持部に下方から係合する第2鍔部を有して
下部支持部に装着される第2ブッシュとで回動自在に支
承されるステアリング軸に、第1鍔部の上面に係止する
係止部が設けられ、下部支持部に下方から係合する第3
鍔部を有して下部支持部に装着される第3ブッシュと、
ブラケットに上方から係合する第4鍔部を有してブラケ
ットに装着される第4ブッシュとで回動軸が回動自在に
支承されるので、第1ないし第4ブッシュによる簡単か
つ組付けの容易な構成でステアリング軸および回動軸
を、それらの軸方向移動を規制しつつ回動自在に支承す
ることができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、車体フレームは、相互に
平行にして前後方向に延びる一対の縦フレーム部の上端
が連結部で連結されて成り、該車体フレーム上に搭載さ
れるエンジンからの動力を後輪に伝達する無端ベルトが
連結部の下方に配置され、ブラケットは、無端ベルトを
跨ぐ略U字状に形成されて縦フレーム部の内側面および
連結部の下面に結合される一対の取付部と、それらの取
付部間を結ぶ軸支持部とから成り、回動軸が軸支持部で
回動自在に支承されるので、回動軸を支持する機能をブ
ラケットに果たさせるだけでなく、無端ベルトの走行に
支障を来さない形状で車体フレームを補強する強度部材
としての機能をブラケットに持たせることができ、部品
点数低減に寄与することができる。
【0051】
【0052】請求項記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、支持枠は、車体フレーム
の両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部と、そ
れらの側部支持部の上端間を連結する上部支持部とを有
して略U字状に形成される枠体と、車体フレームおよび
上部支持部間で両側部支持部間にわたって設けられる下
部支持部とを備え、ブレーキレバーにクラッチレバーを
連動させる連動リンク機構が支持枠内に配設されるの
で、ステアリング軸からピットマンアームまでの保護機
能だけでなく、連動リンク機構の保護機能をも支持枠で
果たすことができる。
【0053】さらに請求項記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明の構成に加えて、支持枠は、車体フ
レームの両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部
と、それらの側部支持部の上端間を連結する上部支持部
とを有して略U字状に形成される枠体と、車体フレーム
および上部支持部間で両側部支持部間にわたって設けら
れる下部支持部とを備え、車体フレーム上に搭載された
エンジンと、車体フレームに支承された作業機器との間
の動力伝達・遮断を切換操作する操作軸が支持枠内で上
下に延びて配設されるので、ステアリング軸からピット
マンアームまでの保護機能だけでなく、操作軸の保護機
能をも支持枠で果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用芝草刈機の側面図である。
【図2】乗用芝草刈機の平面図である。
【図3】図1の3−3線拡大断面図である。
【図4】図3の4−4線拡大断面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図5の6−6線矢視図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【符号の説明】
11・・・車体フレーム 11a・・・縦フレーム部 11b・・・連結部 15・・・支持枠 24・・・無端ベルト 271 ,272 ・・・作業機器としてのカッター 32・・・操作軸 48・・・ピットマンアーム 49・・・ステアリングハンドル 50・・・ステアリング軸 50a・・・係止部としてのかしめ突部 51・・・駆動ギヤ 52・・・被動ギヤ 53・・・回動軸 54・・・枠体 54a・・・側部支持部 54b・・・上部支持部 55・・・下部支持部 57・・・第1ブッシュ 57a・・・第1鍔部 58・・・第2ブッシュ 58a・・・第2鍔部 59・・・係止部としての割りピン 63・・・第3ブッシュ 63a・・・第3鍔部 64・・・第4ブッシュ 64a・・・第4鍔部 65・・・ブラケット 65a・・・取付部 65b・・・軸支持部 67・・・透孔 76・・・ブレーキレバー 78・・・クラッチレバー 80・・・連動リンク機構 E・・・エンジン WR ・・・後輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−59073(JP,U) 実開 昭61−122976(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 3/00 - 3/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングハンドル(49)が上端に
    取付けられるステアリング軸(50)と、該ステアリン
    グ軸(50)に連動可能に取付けられる駆動ギヤ(5
    1)と、前記ステアリング軸(50)とほぼ平行な軸線
    を有するとともにピットマンアーム(48)が連設され
    る回動軸(53)と、前記駆動ギヤ(51)に噛合して
    回動軸(53)に固定される被動ギヤ(52)とを備え
    る作業車両のステアリング装置において、 支持部(55)を有する支持枠(15)が車体フレーム
    (11)に固設され、支持部(55)に挿通、支持され
    るステアリング軸(50)に、支持部(55)の下面で
    スラスト支持される駆動ギヤ(51)が連動可能に取付
    けられ、車体フレーム(11)に設けられた透孔(6
    7)を貫通する回動軸(53)が、支持部(55)で軸
    方向上方への移動を規制されるとともに車体フレーム
    (11)に取付けられたブラケット(65)で軸方向下
    方への移動を規制された状態で支持部(55)およびブ
    ラケット(65)により回動自在に支承され、支持部
    (55)の下方で前記駆動ギヤ(51)に噛合する被動
    ギヤ(52)と、ピットマンアーム(48)とが回動軸
    (53)に連設され、被動ギヤ(52)は回動軸(5
    3)の上端部に固着されて支持部(55)でスラスト支
    持され、ピットマンアーム(48)は回動軸(53)の
    下端部に固着されてブラケット(65)でスラスト支持
    され、車体フレーム(11)に設けられた透孔(67)
    は、被動ギヤ(52)を挿通させ得る形状に形成される
    ことを特徴とする、作業車両のステアリング装置。
  2. 【請求項2】 支持枠(15)には、車体フレーム(1
    1)の上方で上下に間隔をあけて配置される上部および
    下部支持部(54b,55)が設けられ、上部支持部
    (54b)に上方から係合する第1鍔部(57a)を有
    して上部支持部(54b)に装着される第1ブッシュ
    (57)と、下部支持部(55)に下方から係合する第
    2鍔部(58a)を有して下部支持部(55)に装着さ
    れる第2ブッシュ(58)とで回動自在に支承されるス
    テアリング軸(50)に、第1鍔部(57a)の上面に
    係止する係止部(50a,59)が設けられ、下部支持
    部(55)に下方から係合する第3鍔部(63a)を有
    して下部支持部(55)に装着される第3ブッシュ(6
    3)と、ブラケット(65)に上方から係合する第4鍔
    部(64a)を有してブラケット(65)に装着される
    第4ブッシュ(64)とで回動軸(53)が回動自在に
    支承されることを特徴とする請求項1記載の作業車両の
    ステアリング装置。
  3. 【請求項3】 車体フレーム(11)は、相互に平行に
    して前後方向に延びる一対の縦フレーム部(11a)の
    上端が連結部(11b)で連結されて成り、該車体フレ
    ーム(11)上に搭載されるエンジン(E)からの動力
    を後輪(WR)に伝達する無端ベルト(24)が連結部
    (11b)の下方に配置され、ブラケット(65)は、
    無端ベルト(24)を跨ぐ略U字状に形成されて縦フレ
    ーム部(11a)の内側面および連結部(11b)の下
    面に結合される一対の取付部(65a)と、それらの取
    付部(65a)間を結ぶ軸支持部(65b)とから成
    り、回動軸(53)が軸支持部(65b)で回動自在に
    支承されることを特徴とする請求項1記載の作業車両の
    ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 支持枠(15)は、車体フレーム(1
    1)の両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部
    (54a)と、それらの側部支持部(54a)の上端間
    を連結する上部支持部(54b)とを有して略U字状に
    形成される枠体(54)と、車体フレーム(11)およ
    び上部支持部(54b)間で両側部支持部(54a)間
    にわたって設けられる下部支持部(55)とを備え、ブ
    レーキレバー(76)にクラッチレバー(78)を連動
    させる連動リンク機構(80)が支持枠(15)内に配
    設されることを特徴とする、請求項1記載の作業車両の
    ステアリング装置。
  5. 【請求項5】 支持枠(15)は、車体フレーム(1
    1)の両側部にそれぞれ固着される一対の側部支持部
    (54a)と、それらの側部支持部(54a)の上端間
    を連結する上部支持部(54b)とを有して略U字状に
    形成される枠体(54)と、車体フレーム(11)およ
    び上部支持部(54b)間で両側部支持部(54a)間
    にわたって設けられる下部支持部(55)とを備え、車
    体フレーム(11)上に搭載されたエンジン(E)と、
    車体フレーム(11)に支承された作業機器(271
    272 )との間の動力伝達・遮断を切換操作する操作軸
    (32)が支持枠(15)内で上下に延びて配設される
    ことを特徴とする、請求項1記載の作業車両のステアリ
    ング装置。
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