JP3464298B2 - 付加型硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

付加型硬化性オルガノポリシロキサン組成物

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JP3464298B2 JP33945794A JP33945794A JP3464298B2 JP 3464298 B2 JP3464298 B2 JP 3464298B2 JP 33945794 A JP33945794 A JP 33945794A JP 33945794 A JP33945794 A JP 33945794A JP 3464298 B2 JP3464298 B2 JP 3464298B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、硬化前の室温における
保存安定性に優れ、また架橋反応により、耐熱性、耐寒
性、電気絶縁性、及び耐薬品性に優れたゴム状又はゲル
状の硬化物を得ることができる付加型硬化性オルガノポ
リシロキサン組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、付加型硬化性オルガノポリシロ
キサン組成物は、アルケニル基含有オルガノポリシロキ
サン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び白
金系触媒を主成分とする。付加型硬化性オルガノポリシ
ロキサン組成物は、室温における長期保存が可能で、か
つ加熱したときに初めて硬化することが求められるタイ
プがある。この種の組成物には、通常、保存安定性を向
上させる目的で、保存安定剤即ち、付加反応抑制剤が配
合される。 【0003】従来、この保存安定剤としては、ベンゾト
リアゾール、エチニル基含有アルコール、アクリロニト
リル等が知られている。しかしながら、これらの保存安
定剤を用いた組成物は、室温で長期保存すると、粘度が
上昇したり、或いは組成物がゲル化する等の欠点があ
る。また、長期保存中に粘度が上昇しないようにするた
めに上記のような保存安定剤を多量に配合すると、組成
物を硬化させるのに、より高温で加熱しなければならな
かったり、或いは加熱硬化に長時間を要するという問題
点が生じる。また、上記のような保存安定剤は、ベース
成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに
対する溶解性が悪いため、多量に配合した場合に室温で
の静置保存中に層分離するという欠点がある。また、エ
チニル基含有アルコールや、アクリロニトリルを多量に
配合した組成物では、150℃程度の雰囲気で熱風硬化
を行うと、加熱の初期段階に組成物の表面のみが硬化す
るため、表面に細かい皺や凹凸が発生し、硬化物の外観
を損ねて商品価値が低下するという問題がある。上記以
外の保存安定剤としては、下記式で表されるシラン化合
物が知られている。 【0004】 【化1】 しかしながら、これらのシラン化合物は、蒸気圧が高い
ため、調製した組成物を減圧下に脱泡するときに、含ま
れるシラン化合物の大部分が揮散し、保存安定性や硬化
性にバラツキが生じ易い。またこれらのシラン化合物を
配合した組成物は、熱風中で硬化させると、組成物の表
面部分のシラン化合物が揮散するため、加熱の初期段階
に組成物の表面のみが硬化し、表面に細かい皺や凹凸が
発生するという欠点もある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
における長期間の保存安定性に優れ、穏やかな加熱条件
で短時間で均一に硬化させることができ、さらに硬化時
間を短縮するために高温で熱風硬化を行った場合でも、
硬化物の表面に皺や凹凸が発生することなく外観が良好
な硬化物を得ることができる付加型硬化性オルガノポリ
シロキサン組成物を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、(A) 下記一般
組成式(1): (R1a (R2b SiO (4-a-b)/2
(1) (式中、R1 は独立に非置換又は置換の一価の炭化水素
基であり、R2 は独立に一価のアルケニル基であり、
a、b、cはそれぞれ1<a<3、0.0005≦b≦
1、1.5≦a+b<3を満足する正数である)で表わ
されるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 (B) 下記一般組成式(2): (R3pq SiO (4-p-q)/2 (2) (式中、R3 は独立に非置換又は置換の一価の炭化水素
基であり、p、qはそれぞれ1≦p≦2.5、0.00
5≦q≦2、1<p+q≦3を満足する正数である)で
表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (C) 付加反応触媒、及び (D) 下記一般式(3): R5 〔CON(R42n (3) (式中、R4 は独立に水素原子、アルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、アラルキル基、多環式アリール基、
複素環式アリール基であり、少なくとも1つのR4 は、
アルケニル基であり、R5〜4価の炭化水素基であ
り、nはR5 の価数に等しい自然数である)で表わされ
るアミド化合物を含有する付加型硬化性オルガノポリシ
ロキサン組成物である。 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。(A) 成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン 本発明に用いる(A) 成分のアルケニル基含有オルガノポ
リシロキサンは、上記一般組成式(1)で表され、式
中、R1 で示される非置換又は置換の一価の炭化水素基
としては、好ましくは、脂肪族不飽和結合を含まない炭
素原子数が1〜12、さらに好ましくは1〜8の一価の
炭化水素基を挙げることができ、具体的には、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プ
ロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、イソ
ブテニル基、5−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基な
どのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル
基、ナフチル基、ビフェニル基などのアリール基;ベン
ジル基、1−フェニルエチル基などのアラルキル基;あ
るいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の
一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基などで置換され
た基、例えば、クロロメチル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル
基、シアノエチル基等を挙げることができる。中でも、
合成が容易であること、及び得られる硬化物の耐熱性や
物理的特性が良好であることから、メチル基が最も好ま
しい。 【0008】上記平均組成式(1)中、R2 で示される
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、
プロペニル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、イ
ソブテニル基、5−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基
等を挙げることができる。中でも、合成が容易であるこ
とから、ビニル基が最も好ましい。上記一般組成式
(1)中、a、b、cはそれぞれ1<a<3、好ましく
は1.6≦a<2.3、0.0005≦b≦1、好まし
くは0.001≦b≦0.2、1.5≦a+b<3、好
ましくは1.8≦a+b≦2.3を満足する正数であ
る) 【0009】上記一般組成式(1)で表されるアルケニ
ル基含有オルガノポリシロキサンは、一分子中に上記R
2 で示されるアルケニル基を2個以上含むものが好まし
く、又、このアルケニル基は分子鎖末端のケイ素原子あ
るいは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したもの
であってもよいが、分子鎖末端のケイ素原子に結合した
ものであることが好ましい。また、かかるアルケニル基
含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状、分岐状、環状
の何れであってもよく、(A) 成分としては、これらの混
合物であってもよいが、通常は主鎖部分が基本的にジオ
ルガノシロキサン単位の繰返しから成り、分子鎖末端が
トリオルガノシリル基で封鎖されたジオルガノポリシロ
キサンであるのが一般的である。また、(A) 成分として
用いるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、2
5℃の粘度が25〜5,000,000cSt、好まし
くは100〜1,000,000cStのものが好まし
い。本発明に用いる好適なアルケニル基含有オルガノポ
リシロキサンとしては、これらに限定されるわけではな
いが、例えば、 【0010】 【化2】 (式中、Lは1,2又は3であり、nは40〜2,50
0の整数であり、R1 ,R2 はそれぞれ前記と同様であ
るが、R1 はメチル基、プロピル基、フェニル基3,
3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、R2 はビ
ニル基が好ましい) 【0011】 【化3】 (式中、Lは0,1,2又は3であり、m,nはそれぞ
れm≧1、n≧2、40≦m+n≦2,500の整数で
あり、R1 ,R2 はそれぞれ前記と同様であるが、R1
はメチル基、プロピル基、フェニル基3,3,3−トリ
フルオロプロピル基が好ましく、R2 はビニル基が好ま
しい) 【0012】 【化4】 (式中、Lは1,2又は3であり、m,nはそれぞれ4
0≦m+n≦2,500、0<n/m≦0.3を満足す
る整数である)等を挙げることができ、特に好ましいの
は、下記構造式で示されるアルケニル基含有オルガノポ
リシロキサンである。 【0013】 【化5】【0014】(B) 成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン 本発明に用いる(B) 成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、架橋剤として作用するものであり、本発
明の組成物においては、オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンに含有するSiH基と、上記(A) 成分のアルケ
ニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基と
が、付加反応(ヒドロシリル化反応)することにより硬
化物が形成される。このような(B) 成分のオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンは、上記一般組成式(2)で
表され、R3 は独立に非置換又は置換の一価の炭化水素
基であり、p、qはそれぞれ1≦p≦2.5、好ましく
は、1.5≦p≦2.0、0.005≦q≦2、好まし
くは0.01≦q≦1、1<p+q≦3、好ましくは
1.5<p+q≦2.5を満足する正数である。 【0015】上記一般組成式(2)中、R3 で示される
非置換又は置換の一価の炭化水素基としては、上記一般
組成式(1)中、R1 で示される非置換又は置換の一価
の炭化水素基と同様のもの、好ましくは脂肪族不飽和結
合を含まない炭素数1〜8のものを挙げることができ
る。中でも、合成が容易であることから、メチル基が最
も好ましい。上記一般組成式(2)で表されるオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にSiH基
を2個以上、特に3個以上含むものが好ましい。また、
かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖
状、分岐状、環状、三次元網状構造の樹脂状物の何れで
あってもよく、(B) 成分としては、これらの混合物であ
ってもよい。また、(B) 成分として用いるオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンは、25℃の粘度が0.5〜
10,000cSt、特に1〜500cStのものが好
ましい。本発明に用いる好適なオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンとしては、これらに限定されるわけでは
ないが、例えば 【0016】 【化6】 (式中、m,nはそれぞれm≧0、n≧3、3≦m+n
≦800の整数であり、R3 は上記と同様であるが、好
ましくは、メチル基、プロピル基、フェニル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基である) 【0017】 【化7】 (式中、m,nはそれぞれm≧0、n≧1、1≦m+n
≦800の整数であり、R3 は上記と同様であるが、好
ましくは、メチル基、プロピル基、フェニル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基である) 【0018】 【化8】(式中、nは4〜20の整数であり、R3 は上記と同様
であるが、好ましくは、メチル基、プロピル基、フェニ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である)等
を挙げることができ、特に好ましいのは、下記構造式で
示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであ
る。 【0019】 【化9】 【0020】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンは、上記成分(A) のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンの種類に応じて、相溶するものを選択す
るのが好ましい。成分(B) のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンの配合量は、上記成分(A)のアルケニル基
含有オルガノポリシロキサンに含まれるアルケニル基1
モルに対し、成分(B) のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンに含まれるSiH基が、好ましくは、0.25
〜4.0モル、さらに好ましくは、0.3〜3.0モル
となるような量である。成分(B) の配合量をこのような
範囲にすることにより、得られる組成物の硬化性を良好
にすることができるとともに、硬化物の硬さ、機械的強
度等を向上させることができる。 【0021】(C) 成分の付加反応触媒 本発明に用いる(C) 成分の付加反応触媒としては、上記
(A) 成分のアルケニル基と、(B) 成分のSiH基との付
加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するも
のであれば特に制限はなく、例えば、白金系触媒、パラ
ジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素よりなる
付加反応触媒を挙げることができ、中でも白金系触媒が
好ましい。白金系触媒としては、例えば、白金の単体
(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金
−アルコール錯体、或いはアルミナ、シリカ等の担体に
白金の単体を担持させたものなどを挙げることができ
る。上記塩化白金酸又は白金−オレフィン錯体は、アル
コール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、その他
の有機溶剤に溶解して用いるのが好ましく、このように
溶解して用いることにより、用いる触媒量を正確に計量
することができ、また該触媒を組成物中に均一に混在さ
せることができる。また、固形の触媒を用いる場合に
は、組成物中に均一に混在させるために触媒を細かく粉
砕する必要がある。また、上記の白金の単体等を担持さ
せる担体としては、粒径が小さく、表面積が大きいもの
を選択するのが好ましい。 【0022】付加反応触媒の配合量は、上記(A) 成分
と、(B) 成分とを反応させ、硬化物を得ることができる
量であれば特に制限はなく、通常、触媒中の白金族元素
の重量換算で、上記(A) 成分の重量に対して、0.1〜
1000ppm、好ましくは1〜500ppmである。
なお、配合量が少な過ぎると所望の架橋反応促進効果が
得られない場合があり、多過ぎても、それに見合う架橋
反応促進効果の向上が認められない場合がある。 【0023】(D) 成分のアミド化合物 本発明に用いる(D) 成分のアミド化合物は、上記一般式
(3)で表わされ、窒素原子に結合したアルケニル基を
2〜8個有する。このアルケニル基は、炭素数2〜10
のものが好ましく、さらに好ましくは、炭素数2〜6の
低級アルケニル基である。上記一般式(3)中、R4
示される低級アルケニル基としては、例えば、ビニル
基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテ
ニル基、イソブテニル基、クロチル基、メタリル基、ペ
ンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、デセニル
基、シクロヘキセニル基等の、直鎖状、環状、分岐状の
ものを挙げることができる。中でも好ましいのは、アリ
ル基、クロチル基、メタリル基であり、さらに好ましく
はアリル基である。 【0024】また、残りのR4 としては、独立に水素原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基などの炭素数1〜12のア
ルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭
素数6〜12のアリール基;ベンジル基、2−フェニル
エチル基、3−フェニルプロピル基、4−メチルベンジ
ル基などの炭素数7〜12のアラルキル基;ナフチル
基、フェナントリル基、ビフェニル基、アントラニル基
などの多環式アリール基;ピリジン基、ピラジル基、ジ
ピリジル基などの複素環式アリール基等を挙げることが
できる。 【0025】上記一般式(3)中、R5 で示される
4価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロ
ピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチ
ルエチレン基などのアルキレン基o−フェニレン基、
m−フェニレン基、p−フェニレン基などのフェニレン
基、 【0026】 【化10】 【0027】等のアリーレン基などの炭素数1〜20、
好ましくは脂肪族不飽和結合を含まない炭素数1〜12
のものを挙げることができる。中でも好ましいのはフェ
ニレン基であり、さらに好ましくはm−フェニレン基で
ある。上記一般式(3)中、nはR5 の価数に等しい自
然数である。本発明において好適に使用される上記のア
ミド化合物の具体例は、これらに限定されるわけではな
いが、以下の通りである。 【0028】 【化11】 【0029】本発明に用いる(D) 成分のアミド化合物の
合成方法としては、例えば、カルボン酸の酸塩化物と、
少なくとも1つがアルケニル基である前記R4 を有する
第一又は第二アミンとを、ジクロロメタン中でトリエチ
ルアミン、ピリジン等の塩基の存在下に、脱塩化水素反
応を行う方法を挙げることができる。この反応を行うに
当たっては反応液の温度を−10〜15℃に制御するの
が好ましい。本発明に用いる(D) 成分のアミド化合物
は、本発明の組成物の付加型硬化反応の過程において、
反応性を示すため、組成物の硬化中にポリマー中に取り
入れられて揮発性を完全に失う。従って、このアミド化
合物を含む組成物は、加熱の初期段階に組成物の表面か
らアミド化合物が揮散することもないので、組成物の表
面と内部が均一に硬化し、表面に皺や凹凸を生じること
もない。また、(D) 成分のアミド化合物は、組成物の硬
化物の架橋密度を増大させることができる。 【0030】(D) 成分のアミド化合物の配合量は、種々
の条件、例えば、用いる(A) 成分や(B) 成分の種類、
(D) 成分の反応触媒の種類及びその配合量、並びに硬化
禁止の程度等の条件設定により、広い範囲で変化する。
かかるアミド化合物の一般的な配合量は、組成物の早期
のゲル化、すなわち室温(例えば10〜30℃)での硬
化を抑制するのに十分であり、加熱時の硬化を抑制する
には不十分な量で用いられ、通常、全組成物に対して
0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重
量%の範囲で用いられる。 【0031】その他の成分 また、本発明の付加型硬化性オルガノハイドポリシロキ
サン組成物には、必要に応じ、充填材を配合することが
できる。前記充填材としては、特に制限はなく、一般
に、付加硬化型シリコーンゴム組成物に使用されている
ものを全て使用することができる。具体的には、例え
ば、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、疎水化処理した
シリカ、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化第二
鉄、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸マン
ガン、酸化セリウム、石英粉末、ケイ藻土、ケイ酸カル
シウム、タルク、ベントナイト、ガラス繊維、有機繊維
等を挙げることができ、これらは単独で、或いは二種以
上を組み合わせて用いることができる。 【0032】前記充填材の配合量は、用いる充填材の吸
油量、表面積、比重等に応じて適宜に設定することが
できるが、通常、前記(A) 成分のアルケニル基含有オル
ガノポリシロキサン100重量部に対し、600重量部
以下であるのが好ましい。また、充填材としてヒューム
ドシリカを用いる場合には、25重量部以下が好まし
く、アルミナを用いる場合には、300〜500重量部
が好ましい。また、本発明の付加型硬化性オルガノポリ
シロキサン組成物には、その用途に応じ、任意成分を添
加することができる。任意成分の具体例としては、例え
ば、硬化物の接着性を向上する、アルコキシ基又はエポ
キシ基を含有するオルガノハイドロジェンシロキサン、
硬化物の可とう性を向上する、無官能オルガノシロキサ
ン等を挙げることができる。 【0033】付加型硬化性オルガノポリシロキサン組成
本発明の付加型硬化性オルガノポリシロキサン組成物
は、前記の必要な各成分を均一に混合することにより容
易に調製することができる。この組成物はいわゆる一液
型硬化性組成物として用いることができるが、また、成
分が硬化しないように、二液以上に分割しておき、使用
直前に混合するといういわゆる複液型として用いること
もできる。本発明の付加型硬化性オルガノポリシロキサ
ン組成物は、電気・電子工業におけるポッティング材、
コーティング材、及び一般工業におけるデイッピング
材、型取り母型用ゴム材等に好適に使用することができ
る。 【0034】 【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例
に制限されるものではない。 〔合成例1〕メカニカルスターラー、温度計、乾燥窒素
導入用アダプター、及びラバーセプタムで栓をした滴下
ロウトを取り付けた丸底4つ口フラスコ(300ml)
に、無水のジクロロメタン25ml、トリエチルアミン
14.7ml(105mmol)、及びジアリルアミン
12.9ml(105mmol)を入れ、滴下ロウトに
は無水のジクロロメタン25mlと塩化p−フタロイル
10.2g(50mmol)を入れた。そして、フラス
コを氷水浴に浸し、激しく攪拌しながら塩化p−フタロ
イルのジクロロメタン溶液を滴下ロウトから約45分か
けて滴下した。この間、反応液の温度は8〜13℃に保
持した。滴下終了後、約5℃で1時間攪拌した後、これ
に半飽和の塩化アンモニウム水溶液50mlを加えてよ
く攪拌した。次いで、これを静置した後、有機層を分取
し、これを水100mlで2回、飽和食塩水50mlで
1回洗浄した。そして、これを無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、濃縮して淡黄色の固体を得た。これをクロロ
ホルム−ヘキサンを用いて2回再結晶させ、無色の針状
結晶として、N,N,N’,N’−テトラアリル−p−
フタル酸ジアミド13.6g(収率:84%)を得た。 【0035】〔実施例1〕 分子末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された、25
℃における粘度が1000cPのジメチルポリシロキサ
ン100重量部、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコ
ール溶液0.05重量部、及びN,N,N’,N’−テ
トラアリル−o−フタル酸ジアミド0.15重量部を容
器に入れて均一になるまで充分に混合し、これに下記式
(4)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン4.0重量部(前記ジメチルポリシロキサンが有する
ビニル基1モル当り、Si−H基が1.5モルとなる
量)を加えて充分に混合し、付加型硬化性オルガノポリ
シロキサン組成物を得た。 【0036】 【化12】 【0037】得られた組成物について、減圧脱泡処理
(約1torrで15分間)をしたものと、処理をしな
かったものについて、120℃で加熱したときにゲル化
するのに要した時間を測定した。また減圧脱泡処理をし
なかったものについては、25℃の恒温室に容器を開放
したままの状態で放置し、ゲル化するのに要した時間を
併せて測定した。結果を表1に示す。なお、120℃加
熱時のゲル化時間とは、予め120℃に加熱した金属板
上に1gの組成物をのせ、これを激しく攪拌したとき
に、組成物が弾性を示し始めるまでに要した時間をい
い、25℃の恒温室におけるゲル化時間とは、25℃の
恒温室に容器を開放したまま放置した後、組成物の表面
又は内部が弾性を示し始めるまでの所要日数をいう。 【0038】〔実施例2〜、及び比較例1〜〕 実施例1で用いたN,N,N’,N’−テトラアリル−
o−フタル酸ジアミド0.15重量部に代え、下記の化
合物を用いたこと以外は、実施例1と同様に付加型硬化
性オルガノポリシロキサン組成物を調製し、それぞれに
ついて実施例1と同様にして測定を行った。結果を表1
及び表2に示す。 【0039】(実施例2)N,N,N’,N’−テトラ
アリル−m−フタル酸ジアミド0.15重量部 (実施例3)N,N,N’,N’−テトラアリル−p−
フタル酸ジアミド0.15重量部 (比較例1)N,N−ジアリルアセトアミド0.10重
量部 (比較例2)N,N−ジアリルベンズアミド0.18重
量部 【0040】 【化13】【0041】 【表1】【0042】 【表2】 【0043】次に、実施例1〜並びに比較例1〜
調製した組成物を直径5cm、高さ1cmのアルミニウ
ム製シャーレに5gずつ取り、120℃に保たれた熱風
加熱器中で加熱硬化を行った。得られた硬化物表面の様
子を目視により評価した。結果を表3に示す。 【0044】 【表3】 【0045】 【発明の効果】本発明によると、室温下に長期間安定に
保存することができ、また加熱硬化に際しては、硬化の
温度依存性が従来の組成物に比して著しく大きいため、
温和な加熱条件下においても迅速に硬化し、また高温で
熱風硬化を行った場合でも硬化物の表面に皺や凹凸を生
じることなく、内部に至るまで均一に硬化させることが
できる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A) 下記一般組成式(1): (R1a (R2b SiO (4-a-b)/2
    (1) (式中、R1 は独立に非置換又は置換の一価の炭化水素
    基であり、R2 は独立にアルケニル基であり、a、b、
    cはそれぞれ1<a<3、0.0005≦b≦1、1.
    5≦a+b<3を満足する正数である)で表わされるア
    ルケニル基含有オルガノポリシロキサン、 (B) 下記一般組成式(2): (R3pq SiO (4-p-q)/2 (2) (式中、R3 は独立に非置換又は置換の一価の炭化水素
    基であり、p、qはそれぞれ1≦p≦2.5、0.00
    5≦q≦2、1<p+q≦3を満足する正数である)で
    表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (C) 白金族元素化合物よりなる付加反応触媒、及び (D) 下記一般式(3): R5 〔CON(R42n (3) (式中、R4 は独立に水素原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、アリール基、アラルキル基、多環式アリール基、
    複素環式アリール基であり、少なくとも1つのR4 は、
    アルケニル基であり、R5〜4価の炭化水素基であ
    り、nはR5 の価数に等しい自然数である)で表わされ
    るアミド化合物を含有する付加型硬化性オルガノポリシ
    ロキサン組成物。
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