JP3464036B2 - ジフルオロメタンの精製方法 - Google Patents
ジフルオロメタンの精製方法Info
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/38—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
- C07C17/383—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by distillation
- C07C17/386—Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by distillation with auxiliary compounds
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジフルオロメタンの精製
方法に関するものであり、特に、蒸留による従来の方法
では除去が困難とされていたジフルオロメタン中の不純
物、1,1,1−トリフルオロエタン、ペンタフルオロ
エタン、およびメチルクロライドを、好適な抽剤を用い
て抽出蒸留により分離除去する方法に関する。
方法に関するものであり、特に、蒸留による従来の方法
では除去が困難とされていたジフルオロメタン中の不純
物、1,1,1−トリフルオロエタン、ペンタフルオロ
エタン、およびメチルクロライドを、好適な抽剤を用い
て抽出蒸留により分離除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になって、クロロフルオロカーボン
類による成層圏のオゾン層破壊が深刻な問題として提起
され、その使用が国際的に禁止されるに至った。更に、
クロロジフルオロメタン(CHClF2、通称「HCF
C22」)などのハイドロクロロフルオロカーボン類
も、クロロフルオロカーボン類に比べればオゾン破壊係
数はきわめて小さいものの、使用量が増大すればオゾン
層を破壊する可能性も高まることから、その生産及び使
用が規制の対象とされている。このため、オゾン層に影
響を及ぼすことなく従来の冷却装置にそのまま使用でき
るHCFC22代替品の開発が国際的に強く求められて
いる。ハイドロフルオロカーボン類はオゾン層を破壊す
る可能性がないので、規制の対象にされていない。特に
ジフルオロメタン(CH2F2、以下「HFC32」とい
う)はオゾン破壊係数が0であり、地球温暖化係数も小
さく、また冷凍能力も比較的優れていることから、エア
コンディショナーや冷蔵庫などの分野で、HCFC22
の代替冷媒として有望視されている。
類による成層圏のオゾン層破壊が深刻な問題として提起
され、その使用が国際的に禁止されるに至った。更に、
クロロジフルオロメタン(CHClF2、通称「HCF
C22」)などのハイドロクロロフルオロカーボン類
も、クロロフルオロカーボン類に比べればオゾン破壊係
数はきわめて小さいものの、使用量が増大すればオゾン
層を破壊する可能性も高まることから、その生産及び使
用が規制の対象とされている。このため、オゾン層に影
響を及ぼすことなく従来の冷却装置にそのまま使用でき
るHCFC22代替品の開発が国際的に強く求められて
いる。ハイドロフルオロカーボン類はオゾン層を破壊す
る可能性がないので、規制の対象にされていない。特に
ジフルオロメタン(CH2F2、以下「HFC32」とい
う)はオゾン破壊係数が0であり、地球温暖化係数も小
さく、また冷凍能力も比較的優れていることから、エア
コンディショナーや冷蔵庫などの分野で、HCFC22
の代替冷媒として有望視されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】HFC32を製造する
際には一般にさまざまな副反応物や不純物が発生するの
でこれらを分離除去しなければならない。これらの副反
応物や不純物の多くは蒸留法によってHFC32から除
去することができる。しかし、これらの不純物の内で、
それぞれが1%以下程度の微量ではあるが、通常の蒸留
によっては除去できないものが認められた。それは、
1,1,1−トリフルオロエタン(以下「HFC143
a」という)、ペンタフルオロエタン(以下「HFC1
25」という)およびメチルクロライド(以下、「M
C」という)である。
際には一般にさまざまな副反応物や不純物が発生するの
でこれらを分離除去しなければならない。これらの副反
応物や不純物の多くは蒸留法によってHFC32から除
去することができる。しかし、これらの不純物の内で、
それぞれが1%以下程度の微量ではあるが、通常の蒸留
によっては除去できないものが認められた。それは、
1,1,1−トリフルオロエタン(以下「HFC143
a」という)、ペンタフルオロエタン(以下「HFC1
25」という)およびメチルクロライド(以下、「M
C」という)である。
【0004】HFC143aおよびHFC125は、沸
点がそれぞれ−47.6℃および−48.5℃で、HF
C32の沸点−51.74℃に接近しているばかりでな
く、HFC32の液相組成90〜95モル%付近で共沸
関係を有し、その90モル%以上では、HFC32に対
するこれら不純物の比揮発度がいずれもほぼ1となっ
て、単なる蒸留では除去不可能であることがわかった。
また、MCは沸点が−23.8℃でHFC32の沸点と
は比較的離れており、また共沸関係もないが、実際の蒸
留操作では除去がきわめて困難であることが実験の結果
わかった。従って、本発明の目的は、簡易な操作でHF
C32から、これらHFC143a、HFC125およ
びMCからなる群の少なくとも1種を除去するHFC3
2の精製方法を提供することにある。
点がそれぞれ−47.6℃および−48.5℃で、HF
C32の沸点−51.74℃に接近しているばかりでな
く、HFC32の液相組成90〜95モル%付近で共沸
関係を有し、その90モル%以上では、HFC32に対
するこれら不純物の比揮発度がいずれもほぼ1となっ
て、単なる蒸留では除去不可能であることがわかった。
また、MCは沸点が−23.8℃でHFC32の沸点と
は比較的離れており、また共沸関係もないが、実際の蒸
留操作では除去がきわめて困難であることが実験の結果
わかった。従って、本発明の目的は、簡易な操作でHF
C32から、これらHFC143a、HFC125およ
びMCからなる群の少なくとも1種を除去するHFC3
2の精製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、抽剤とし
て、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(以下、
「HCFC141b」という)、ジクロロペンタフルオ
ロプロパン(以下、「HCFC225」という)、トリ
クロロトリフルオロエタン(以下、「CFC113」と
いう)、および2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフ
ルオロエタン(以下、「HCFC123」という)から
なる群の少なくとも1種を用いて抽出蒸留を行う精製方
法により解決できる。ここで抽出蒸留とは、少なくとも
2成分の蒸留分離に際して第3成分を添加し、少なくと
も1成分をこの第3成分中により多く移行させ、缶出さ
せると共に、他の少なくとも1成分を留出物として分離
する方法である。
て、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(以下、
「HCFC141b」という)、ジクロロペンタフルオ
ロプロパン(以下、「HCFC225」という)、トリ
クロロトリフルオロエタン(以下、「CFC113」と
いう)、および2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフ
ルオロエタン(以下、「HCFC123」という)から
なる群の少なくとも1種を用いて抽出蒸留を行う精製方
法により解決できる。ここで抽出蒸留とは、少なくとも
2成分の蒸留分離に際して第3成分を添加し、少なくと
も1成分をこの第3成分中により多く移行させ、缶出さ
せると共に、他の少なくとも1成分を留出物として分離
する方法である。
【0006】
【作用】不純物としてHFC143a、HFC125お
よびMCからなる群の少なくとも1種(以下、総称して
「不純物」という)を含むHFC32を上記の抽剤と接
触させると、これら不純物はHFC32との共沸関係が
壊れると共に、HFC32に対するこれら不純物の比揮
発度が大幅に変化し、これら不純物とHFC32との蒸
留分離が可能となる。
よびMCからなる群の少なくとも1種(以下、総称して
「不純物」という)を含むHFC32を上記の抽剤と接
触させると、これら不純物はHFC32との共沸関係が
壊れると共に、HFC32に対するこれら不純物の比揮
発度が大幅に変化し、これら不純物とHFC32との蒸
留分離が可能となる。
【0007】次に本発明を図面を用いて具体的に説明す
る。図1は本発明の好ましい一実施態様を示している。
図1において、多段式蒸留塔1の中間部に不純物を含む
HFC32原料2を連続的に供給する。この蒸留塔1を
還流状態に置き、HFC32原料2の供給段より上段の
中間部に抽剤3を連続的に供給する。この状態で蒸留操
作を行うと、塔頂から高純度のHFC32が留出物4と
して留出し、塔底からは不純物を含むHFC32と抽剤
との混合物が缶出物5として缶出する。
る。図1は本発明の好ましい一実施態様を示している。
図1において、多段式蒸留塔1の中間部に不純物を含む
HFC32原料2を連続的に供給する。この蒸留塔1を
還流状態に置き、HFC32原料2の供給段より上段の
中間部に抽剤3を連続的に供給する。この状態で蒸留操
作を行うと、塔頂から高純度のHFC32が留出物4と
して留出し、塔底からは不純物を含むHFC32と抽剤
との混合物が缶出物5として缶出する。
【0008】この系に供給する抽剤3の量が、不純物を
含むHFC32(以下、単に「原料2」という)の量に
対して過小であると、HFC32に対する不純物の比揮
発度を十分に大きく変化させることができない。不純物
の比揮発度が1に近いほど蒸留分離は困難になるので、
この観点から、抽剤3の供給量は原料2の塔内下降液量
に対して重量で1倍以上、好ましくは1.5倍以上とさ
れる。抽剤3の供給量が多くなるに伴い、不純物の比揮
発度は単調に変化するので、それだけ分離は容易になる
が、一方、一定設備における原料2の処理量は減少する
から、この観点から、抽剤3の供給量は原料2の塔内下
降液量に対して重量で30倍以下、好ましくは15倍以
下とされる。
含むHFC32(以下、単に「原料2」という)の量に
対して過小であると、HFC32に対する不純物の比揮
発度を十分に大きく変化させることができない。不純物
の比揮発度が1に近いほど蒸留分離は困難になるので、
この観点から、抽剤3の供給量は原料2の塔内下降液量
に対して重量で1倍以上、好ましくは1.5倍以上とさ
れる。抽剤3の供給量が多くなるに伴い、不純物の比揮
発度は単調に変化するので、それだけ分離は容易になる
が、一方、一定設備における原料2の処理量は減少する
から、この観点から、抽剤3の供給量は原料2の塔内下
降液量に対して重量で30倍以下、好ましくは15倍以
下とされる。
【0009】原料2中の不純物を抽出蒸留により除去し
ようとする場合、これに用いる抽剤としては、下記の一
般的条件が要求される。 (1)抽剤を加えることによりHFC32に対する不純
物HFC143a、HFC125およびMCの比揮発度
が十分に1より離れること。 (2)蒸留器内で他の成分と反応しないこと。 (3)蒸留時の加熱により分解しないこと。 (4)HFC32および分離対象不純物に比べて沸点が
十分に高いこと。 (5)不純物の溶解力が大きいこと。 (6)回収が容易であること。 (7)取り扱いが容易であること。 (8)安価であること。 また、安全性の観点からは、 (9)不燃性または難燃性であること。
ようとする場合、これに用いる抽剤としては、下記の一
般的条件が要求される。 (1)抽剤を加えることによりHFC32に対する不純
物HFC143a、HFC125およびMCの比揮発度
が十分に1より離れること。 (2)蒸留器内で他の成分と反応しないこと。 (3)蒸留時の加熱により分解しないこと。 (4)HFC32および分離対象不純物に比べて沸点が
十分に高いこと。 (5)不純物の溶解力が大きいこと。 (6)回収が容易であること。 (7)取り扱いが容易であること。 (8)安価であること。 また、安全性の観点からは、 (9)不燃性または難燃性であること。
【0010】上記の条件を参照し、原料2中の不純物と
して1重量%以下程度に存在する可能性があるHFC1
43a、HFC125およびMCのいずれの比揮発度を
も小さくする抽剤を探索の結果、HCFC141b、H
CFC225、CFC113、およびHCFC123
が、これらの諸条件を充すものとして見いだされ、本発
明に至った。これらの抽剤は、そのいずれか1種または
それらの混合物を用いることにより、上記不純物のいず
れか1成分のみならず、これらが複数成分混合している
場合でも、その全てを一括してHFC32から分離除去
することができる。従って、HFC32中の上記不純物
の含有割合は製法によって種々に変化するけれども、本
発明の精製方法はそのいずれの場合にも対応して、高純
度のHFC32留出物を得ることができる。
して1重量%以下程度に存在する可能性があるHFC1
43a、HFC125およびMCのいずれの比揮発度を
も小さくする抽剤を探索の結果、HCFC141b、H
CFC225、CFC113、およびHCFC123
が、これらの諸条件を充すものとして見いだされ、本発
明に至った。これらの抽剤は、そのいずれか1種または
それらの混合物を用いることにより、上記不純物のいず
れか1成分のみならず、これらが複数成分混合している
場合でも、その全てを一括してHFC32から分離除去
することができる。従って、HFC32中の上記不純物
の含有割合は製法によって種々に変化するけれども、本
発明の精製方法はそのいずれの場合にも対応して、高純
度のHFC32留出物を得ることができる。
【0011】缶出物5を原料として再度蒸留を行うこと
により、塔頂から高純度HFC32を、塔底からHFC
32を含まない抽剤を得ることができる。回収された抽
剤は再度抽出蒸留に用いることにより効率よく使用でき
る。
により、塔頂から高純度HFC32を、塔底からHFC
32を含まない抽剤を得ることができる。回収された抽
剤は再度抽出蒸留に用いることにより効率よく使用でき
る。
【0012】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳しく説
明する。 (実施例1)ステンレス製のオスマー型気液平衡測定装
置に、不純物HFC143a、HFC125およびMC
を含むHFC32を仕込み、これにそれぞれ抽剤として
HCFC141b、HCFC225、CFC113、お
よびHCFC123を添加して気液平衡関係を測定し、
それぞれの抽剤が添加された場合と添加されない場合と
について、HFC32に対するそれぞれの不純物の比揮
発度を求めた。結果を表1に示す。
明する。 (実施例1)ステンレス製のオスマー型気液平衡測定装
置に、不純物HFC143a、HFC125およびMC
を含むHFC32を仕込み、これにそれぞれ抽剤として
HCFC141b、HCFC225、CFC113、お
よびHCFC123を添加して気液平衡関係を測定し、
それぞれの抽剤が添加された場合と添加されない場合と
について、HFC32に対するそれぞれの不純物の比揮
発度を求めた。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果から、抽剤を加えない場合の各
不純物の比揮発度に対して、抽剤を添加した場合はいず
れも不純物の比揮発度が低下している。特に抽剤として
CFC113を用いた場合は、いずれの不純物に対して
も顕著な低下が認められた。一般に抽出蒸留において
は、揮発度の差が大きいほど分離能が高くなるので、比
揮発度の低下率によって抽剤の分離能が判定できる。上
記の抽剤はいずれも、上記不純物の除去に有効であるこ
とがわかる。
不純物の比揮発度に対して、抽剤を添加した場合はいず
れも不純物の比揮発度が低下している。特に抽剤として
CFC113を用いた場合は、いずれの不純物に対して
も顕著な低下が認められた。一般に抽出蒸留において
は、揮発度の差が大きいほど分離能が高くなるので、比
揮発度の低下率によって抽剤の分離能が判定できる。上
記の抽剤はいずれも、上記不純物の除去に有効であるこ
とがわかる。
【0015】(実施例2)ステンレス製のオスマー型気
液平衡測定装置に、不純物HFC143a、HFC12
5およびMCを含むHFC32を仕込み、これに抽剤と
してCFC113を、添加濃度を種々に変化させて加
え、実施例1と同様に、HFC32に対する各不純物の
比揮発度を求めた。結果を表2に示す。
液平衡測定装置に、不純物HFC143a、HFC12
5およびMCを含むHFC32を仕込み、これに抽剤と
してCFC113を、添加濃度を種々に変化させて加
え、実施例1と同様に、HFC32に対する各不純物の
比揮発度を求めた。結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2の結果から、液相中の抽剤濃度49重
量%(供試原料に対して抽剤0.96倍)以上で、いず
れの不純物の場合も、抽剤の添加量の増加に伴って比揮
発度が単調に低下していることがわかる。
量%(供試原料に対して抽剤0.96倍)以上で、いず
れの不純物の場合も、抽剤の添加量の増加に伴って比揮
発度が単調に低下していることがわかる。
【0018】(実施例3)図1に示す塔径65mm、理
論段数24段のステンレス製蒸留塔1を用い、圧力6.
5kgf/cm2Gで、不純物HFC143aを0.1
8%、HFC125を0.03%含むHFC32原料2
を、塔頂から21段の位置に0.56kg/hで供給
し、また塔頂から5段の位置に、CFC113を抽剤3
として5kg/h(HFC32原料2の8.93倍)で
供給した。還流比5で抽出蒸留を行い、塔頂より留出物
4を0.49kg/hで留出させた。この抽出蒸留にお
けるHFC32原料2、留出物4および缶出物5の各成
分組成(モル%)を表3に示す。
論段数24段のステンレス製蒸留塔1を用い、圧力6.
5kgf/cm2Gで、不純物HFC143aを0.1
8%、HFC125を0.03%含むHFC32原料2
を、塔頂から21段の位置に0.56kg/hで供給
し、また塔頂から5段の位置に、CFC113を抽剤3
として5kg/h(HFC32原料2の8.93倍)で
供給した。還流比5で抽出蒸留を行い、塔頂より留出物
4を0.49kg/hで留出させた。この抽出蒸留にお
けるHFC32原料2、留出物4および缶出物5の各成
分組成(モル%)を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】表3の結果は、純度99.79モル%のH
FC32原料から、抽剤としてCFC113を用いた抽
出蒸留により、純度99.95モル%のHFC32留出
物が得られたことを示している。
FC32原料から、抽剤としてCFC113を用いた抽
出蒸留により、純度99.95モル%のHFC32留出
物が得られたことを示している。
【0021】(実施例4)実施例3と同様な蒸留塔1を
用い、圧力6.5kgf/cm2Gで、不純物HFC1
43aを0.02%、MCを0.30%含むHFC32
原料2を、塔頂から21段の位置に0.52kg/hで
供給し、また塔頂から5段の位置に、HCFC225を
抽剤3として5kg/h(HFC32原料2の9.62
倍)で供給した。還流比5で抽出蒸留を行い、塔頂より
留出物4を0.40kg/hで留出させた。この抽出蒸
留におけるHFC32原料2、留出物4および缶出物5
の各成分組成(モル%)を表4に示す。
用い、圧力6.5kgf/cm2Gで、不純物HFC1
43aを0.02%、MCを0.30%含むHFC32
原料2を、塔頂から21段の位置に0.52kg/hで
供給し、また塔頂から5段の位置に、HCFC225を
抽剤3として5kg/h(HFC32原料2の9.62
倍)で供給した。還流比5で抽出蒸留を行い、塔頂より
留出物4を0.40kg/hで留出させた。この抽出蒸
留におけるHFC32原料2、留出物4および缶出物5
の各成分組成(モル%)を表4に示す。
【0022】
【表4】
【0023】表4の結果は、分離が困難なMCを含むH
FC32原料であっても、これをよく分離除去し、HF
C32の純度99.68モル%の原料から、抽剤として
HCFC225を用いた抽出蒸留により、純度99.9
8モル%のHFC32留出物が得られたことを示してい
る。
FC32原料であっても、これをよく分離除去し、HF
C32の純度99.68モル%の原料から、抽剤として
HCFC225を用いた抽出蒸留により、純度99.9
8モル%のHFC32留出物が得られたことを示してい
る。
【0024】
【発明の効果】本発明のジフルオロメタンの精製方法
は、ジフルオロメタンに対して、抽剤として1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、ジクロロペンタフルオロ
プロパン、トリクロロトリフルオロエタン、および2,
2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンからな
る群の少なくとも1種を用いて抽出蒸留を行うものであ
るので、従来除去が困難とされていたジフルオロメタン
中の不純物、1,1,1−トリフルオロエタン、ペンタ
フルオロエタン、およびメチルクロライドが、単独成分
または複数成分で含まれていても、きわめて容易に除去
できるようになる。
は、ジフルオロメタンに対して、抽剤として1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、ジクロロペンタフルオロ
プロパン、トリクロロトリフルオロエタン、および2,
2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタンからな
る群の少なくとも1種を用いて抽出蒸留を行うものであ
るので、従来除去が困難とされていたジフルオロメタン
中の不純物、1,1,1−トリフルオロエタン、ペンタ
フルオロエタン、およびメチルクロライドが、単独成分
または複数成分で含まれていても、きわめて容易に除去
できるようになる。
【図1】 本発明の一実施態様を示す工程図。
1…多段式蒸留塔、
2…HFC32原料、
3…抽剤、
4…留出物、
5…缶出物。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 17/386
C07C 19/08
CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 ジフルオロメタン中に含まれる1,1,
1−トリフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、およ
びメチルクロライドからなる群の少なくとも1種を除去
するに際して、抽剤として1,1−ジクロロ−1−フル
オロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、トリク
ロロトリフルオロエタン、および2,2−ジクロロ−
1,1,1−トリフルオロエタンからなる群の少なくと
も1種を用いて抽出蒸留を行うジフルオロメタンの精製
方法。 - 【請求項2】 上記ジフルオロメタンの蒸留塔内下降液
量に対する抽剤の割合が重量で1倍ないし30倍の範囲
内である請求項1に記載のジフルオロメタンの精製方
法。 - 【請求項3】 ジフルオロメタンを蒸留塔の中間部に供
給し、抽剤をこれより上段の中間部に供給する請求項1
または請求項2に記載のジフルオロメタンの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09277494A JP3464036B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09277494A JP3464036B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07291878A JPH07291878A (ja) | 1995-11-07 |
JP3464036B2 true JP3464036B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=14063776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09277494A Expired - Fee Related JP3464036B2 (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | ジフルオロメタンの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3464036B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1003699B9 (en) * | 1997-08-12 | 2004-01-07 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Purification of difluoromethane by extractive distillation |
US7189311B2 (en) | 2001-03-23 | 2007-03-13 | Honeywell International Inc. | Purification of difluoromethane |
US8815058B2 (en) * | 2010-06-30 | 2014-08-26 | Honeywell International Inc. | Extractive distillation of AsF5 and PF5 using HF |
JP7132523B2 (ja) * | 2020-06-22 | 2022-09-07 | ダイキン工業株式会社 | 精製されたトランス-1,2-ジフルオロエチレン(hfo-1132(e))及び/又は1,1,2-トリフルオロエチレン(hfo-1123)の製造方法 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP09277494A patent/JP3464036B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07291878A (ja) | 1995-11-07 |
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