JP3462724B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオ・テープ・
レコーダ(VTR)等の磁気記録再生装置に関し、特に
テープの高速正転巻き取り(FF)時、又は高速逆転巻
き取り(REW)時に、テープ終端付近でテープ走行速
度を減速させることが可能な磁気記録再生装置に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の磁気記録再生装置を、例
えばVTRについて、図4乃至図7とともに説明する。
ここで、図4が従来の磁気記録再生装置の概略構成を示
す説明図、図5は従来の磁気記録再生装置における減速
制御部を示すブロック図、図6は従来の磁気記録再生装
置における減速動作制御部の動作を示すフローチャー
ト、図7は従来の磁気記録再生装置における減速カーブ
曲線を示す説明図である。 【0003】図4において、ビデオテープ1の始端及び
終端は、供給側リール2と巻き取り側リール3とからな
る一対のリールに巻装されている。供給側リール2、巻
き取り側リール3には夫々供給側リールセンサ4、巻き
取り側リールセンサ5が装着されており、これらのセン
サ4,5からの信号周期は、減速制御部6の供給側リー
ル周期測定部11、巻き取り側リール周期測定部12に
より測定される。 【0004】リール周期測定部11,12での測定結果
に基づいて、減速制御部6の算出回路13では、テープ
の高速正転巻き取り(FF)時、又は高速逆転巻き取り
(REW)時におけるテープ巻き取り量を算出する。そ
して、減速開始位置検出部14では、算出されたテープ
巻き取り量が所定の値に達したとき、テープが終端付近
になったと認識し、減速動作制御部15から走行系制御
部7に減速動作開始信号aを出力する。 【0005】走行系制御部7では、減速動作開始信号a
に基づいて、キャプスタンモーター8の回転数を小さく
するようキャプスタンモーター制御信号bを出力し、ギ
ア9を介してリール2の回転数を制御する。ここで、キ
ャプスタンモーター8の減速比を一定の回転数にするた
め、減速動作制御部15では、図6のフローチャートに
示すように、減速動作を一定期間毎に順次減速させるよ
うに制御する。 【0006】例えば、高速正転巻き取り(FF)中の回
転数が10000Hzとし、キャプスタンモーター8の
回転を100Hzづつ減速させ、回転数を保持する期間
を100msecと設定した場合、回転数の初期値は1
0000Hzで100msec間保持した後、9900
Hzの回転数で100msec保持する。このような動
作を低速走行の回転数になるまで繰り返す。 【0007】従って、減速動作の設計時には、まず減速
動作期間の時間を決め、図7(a)に示す減速カーブ曲
線となるように、減速終了までに必要なテープ長に応じ
て、減速の回転数を決定していく。 【0008】これによって、テープの高速正転巻き取り
(FF)時、又は高速逆転巻き取り(REW)時におけ
るテープ終端付近から減速動作を開始し、テープ終端部
分の直前に低速走行回転数となるように制御して、テー
プ終端部分に大きな負荷が加わることのを防止すること
が可能である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の磁気記録再生装置の場合、テープの高速正転巻
き取り(FF)時、又は高速逆転巻き取り(REW)時
において、テープを巻き取りながらテープ終端に近づい
たときに減速動作を実行して、低速走行回転数まで減速
した状態でテープ終端部分に突入するが、ビデオテープ
の種類等によるテープ負荷のバラツキや、キャプスタン
モーターの電源電圧のバラツキなどにより、減速動作中
のキャプスタン巻き取り速度が設定値より低い回転数に
て走行を行うこととなる。 【0010】例えば、負荷の大きいビデオテープに対す
る減速カーブ曲線は、図7(b)に示すようになり、こ
の状態で一定期間毎に回転数を順次減速すると、減速動
作中のテープ巻き取り量が小さくなり、低速回転数に達
したときのテープ残量が多くなってしまう。このため、
低速回転数で残りのテープを完全に巻き取るまで多大な
時間がかかってしまうという問題があった。 【0011】本発明は、上述したような点に鑑みてなさ
れたものであり、負荷が大きいテープに対しても、高速
正転巻き取り(FF)時、又は高速逆転巻き取り(RE
W)時にかかる所要時間を短くすることができる磁気記
録再生装置を提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録再
生装置は、テープの始端及び終端が巻装された一対のリ
ールと、該リールの回転によって変動するテープ巻き取
り量を算出する算出手段と、該算出手段により算出され
たテープ巻き取り量に基づいて、テープ走行速度の減速
開始位置を検出する減速開始位置検出手段と、該減速開
始位置検出手段により検出された減速開始位置に応じ
て、テープ走行速度を所定量だけ減速させる減速動作制
御手段とを備え、テープの高速正転巻き取り時、又は高
速逆転巻き取り時に、テープ終端付近でテープ走行速度
を減速させることが可能な磁気記録再生装置において、
前記算出手段により算出されたテープ巻き取り量の変化
を検出する検出手段と、該検出手段により検出されたテ
ープ巻き取り量の変化が所定量以下のとき、前記減速動
作制御手段の減速開始タイミングを調整するための減速
調整制御手段とを設けてなるものである。 【0013】これによって、減速動作中のテープ巻き取
り量の変化を検出することにより、本来のテープ巻き取
り予定量と実際のテープ巻き取り量との差を検知するこ
とができ、減速動作終了後のテープ残量を予測すること
が可能となる。そして、テープ巻き取り量の変化が所定
量以下の場合には、テープ走行の減速開始タイミングを
可変して、キャプスタンモーターの回転数を保持する期
間を大きくすることにより、高速でテープを巻き取る時
間を増やすことができる。 【0014】従って、巻き取るテープの負荷のバラツキ
や、キャプスタンモーターの電源電圧のバラツキがある
場合でも、低速回転数に達したときのテープ残量を均一
にすることが可能となり、テープの巻き取りに所要する
時間のバラツキを抑制することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の磁気記録再生装置の第1
実施形態を、図1乃至図3とともに以下説明するが、上
述した従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明
は省略する。ここで、図1は本実施形態の磁気記録再生
装置における減速制御部を示すブロック図、図2は本実
施形態の磁気記録再生装置における減速動作制御部及び
減速調整制御部の動作を示すフローチャート、図3は本
実施形態の磁気記録再生装置における減速カーブ曲線を
示す説明図である。 【0016】本実施形態の磁気記録再生装置は、図1に
示すように、上記従来例の構成に加えて、算出部13に
より算出されたテープ巻き取り量の変化を検出し、検出
されたテープ巻き取り量の変化が所定量以下のとき、減
速動作制御部15の減速開始タイミングを調整し、キャ
プスタンモーター8の回転数を保持する期間を可変する
ための減速調整制御部16を設けている。 【0017】この減速調整制御部16は、図2のフロー
チャートに示すように、テープをFFやREWなどで巻
き取り動作中、テープの一定箇所からFF/REW速度
を減速してゆく。ここで、算出部13ではテープ巻き取
り量を計算しており、その値は減速開始位置検出部14
で記憶されているテープの種類に応じた値で常に検知さ
れている。テープ巻き取り量が減速開始位置になったと
き、減速動作制御部15へ減速タイミングであることを
伝えて、減速動作が開始される。 【0018】減速動作が開始されると、減速調整制御部
16がテープの種類に応じた値として、減速開始からの
経過時間毎の予定テープ巻き取り量と、算出部13から
の実際のテープ巻き取り量とを比較し、予定テープ巻き
取り量が実際のテープ巻き取り量よりも大きい場合に
は、テープ負荷が重く、キャプスタンモーター8が目標
の回転数以下になったと判断する。 【0019】そこで、減速調整制御部16は、キャプス
タンモーター8の回転数の保持期間に補正時間を加算す
るよう、減速動作制御部15に対して制御信号を出力す
る。これにより、キャプスタンモーター8の同一回転数
の保持期間を、通常の保持期間より長くすることがで
き、この期間でのテープの巻き取り量を増大することが
可能になる。 【0020】このときの減速カーブ曲線は、図3に示す
ように、予定テープ巻き取り量と実際のテープ巻き取り
量との比較結果に一定以上の差が生じたとき、目標減速
カーブを途中から補正時間分だけ傾きを鈍らせる。従っ
て、減速動作中に巻き取るテープ量を増大することとな
るので、減速動作の回転数が所定の低速回転数に到達し
たときのテープ残量を少なくすることが可能となり、テ
ープの巻き取りに所要する時間の精度を高めることがで
きる。 【0021】以上のように、本実施形態の磁気記録装置
においては、負荷が異なるテープに対しても、高速正転
巻き取り(FF)時、又は高速逆転巻き取り(REW)
時において、減速動作の回転数が低速回転数に達したと
きのテープ残量を均一にすることが可能となり、テープ
の巻き取りに所要する時間のバラツキを抑制することが
できる。 【0022】 【発明の効果】本発明の磁気記録再生装置は、上記のよ
うな構成としているので、減速動作中のテープ巻き取り
量の変化を検出して、テープ巻き取り量の変化が所定量
以下の場合には、テープ走行の減速開始タイミングを可
変して、キャプスタンモーターの回転数を保持する期間
を大きくすることにより、高速でテープを巻き取る時間
を増やすことができる。 【0023】従って、巻き取るテープの負荷のバラツキ
や、キャプスタンモーターの電源電圧のバラツキがある
場合でも、低速回転数に達したときのテープ残量を均一
にすることが可能となり、テープの巻き取りに所要する
時間のバラツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の磁気記録再生装置の一実施形態におけ
る減速制御部を示すブロック図である。 【図2】本発明の磁気記録再生装置の一実施形態におけ
る減速動作制御部及び減速調整制御部の動作を示すフロ
ーチャートである。 【図3】本発明の磁気記録再生装置の一施形態における
減速カーブ曲線を示す説明図である。 【図4】従来の磁気記録再生装置の概略構成を示す説明
図である。 【図5】従来の磁気記録再生装置における減速制御部を
示すブロック図である。 【図6】従来の磁気記録再生装置における減速動作制御
部の動作を示すフローチャートである。 【図7】従来の磁気記録再生装置における減速カーブ曲
線を示す説明図である。 【符号の説明】 1 テープ 2 供給側リール 3 巻き取り側リール 4 供給側リールセンサ 5 巻き取り側リールセンサ 6 減速制御部 7 走行径制御部 8 キャプスタンモーター 9 ギア 11 供給側リール周期測定部 12 巻き取り側リール周期測定部 13 算出部 14 減速開始位置検出部 15 減速動作制御部 16 減速調整制御部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 テープの始端及び終端が巻装された一対
    のリールと、 該リールの回転によって変動するテープ巻き取り量を算
    出する算出手段と、 該算出手段により算出されたテープ巻き取り量に基づい
    て、テープ走行速度の減速開始位置を検出する減速開始
    位置検出手段と、 該減速開始位置検出手段により検出された減速開始位置
    に応じて、テープ走行速度を所定量だけ減速させる減速
    動作制御手段とを備え、 テープの高速正転巻き取り時、又は高速逆転巻き取り時
    に、テープ終端付近でテープ走行速度を減速させること
    が可能な磁気記録再生装置において、 前記算出手段により算出されたテープ巻き取り量の変化
    を検出する検出手段と、 該検出手段により検出されたテープ巻き取り量の変化が
    所定量以下のとき、前記減速動作制御手段の減速開始タ
    イミングを調整するための減速調整制御手段とを設けた
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
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