JP3462637B2 - 安定剤およびそれを用いた酸性乳飲料ならびに乳酸菌飲料 - Google Patents

安定剤およびそれを用いた酸性乳飲料ならびに乳酸菌飲料

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JP3462637B2 JP23003095A JP23003095A JP3462637B2 JP 3462637 B2 JP3462637 B2 JP 3462637B2 JP 23003095 A JP23003095 A JP 23003095A JP 23003095 A JP23003095 A JP 23003095A JP 3462637 B2 JP3462637 B2 JP 3462637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルーツ牛乳等の
酸性乳飲料や乳酸菌飲料において、高級感ある乳飲料を
得るための安定剤およびそれを用いた酸性乳飲料ならび
に乳酸菌飲料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フルーツ牛乳等のような酸性乳
飲料や乳酸菌飲料等の乳性飲料は、それ自身含有する乳
固形分によって白濁しており、この濁度の度合い(濃
淡)が、乳性飲料の高級感を左右する。したがって、乳
性飲料では白濁度の強いものほど乳固形分が多く、高級
感があると言える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高級感
を得るために、白濁度を強くすると、すなわち、乳固形
分量を多く設定すると、その乳固形分の沈殿の発生につ
ながる。このため、良好な濁度と乳化安定性(乳蛋白の
沈殿防止および上澄み液分離防止)とは相反する関係に
あると言える。
【0004】そして、上記乳化安定性を得るために、従
来から、酸性乳飲料や乳酸菌飲料には、安定剤としてカ
ルボキシメチルセルロースエーテルのナトリウム塩(以
下「CMC」と称す)が使用されている。しかし、従来
のCMCの配合は、乳蛋白の沈殿を防止することは可能
であるものの、上澄み液の分離が発生するという問題を
有している。したがって、乳固形分量を多く設定して、
白濁度を強くすることが困難なことから、従来のものは
白濁の度合いに関しては不充分なものであり、高級感の
ある酸性乳飲料および乳酸菌飲料が得られていないのが
現状である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、沈殿発生および上澄み液分離の発生ともに防止
することのできる安定剤、およびそれを用いることによ
り良好な濁度を有した高級感のある酸性乳飲料ならびに
乳酸菌飲料の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記に示す(A)成分および(B)成分
からなり、上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分
100重量部に対して5〜20重量部の範囲に設定され
ている安定剤を第1の要旨とする。 (A)エーテル化度が0.7〜0.9で、2%無水物粘
度が50〜500mpa・sであるカルボキシメチルセ
ルロースエーテルのナトリウム塩。 (B)エーテル化度が0.5〜0.65で、2%無水物
粘度が50〜1000mpa・sであるカルボキシメチ
ルセルロースエーテルのナトリウム塩。
【0007】そして、無脂乳固形分を0.1〜7.0重
量%含み、かつ上記安定剤を含有する酸性乳飲料を第2
の要旨とし、上記安定剤を含有する乳酸菌飲料を第3の
要旨とする。
【0008】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明者らは、充分な
白濁が得られ、しかも乳蛋白の沈殿および上澄み分離の
発生の防止という相反する効果を得るために、酸性乳飲
料および乳酸菌飲料に添加する乳化安定剤を中心に研究
を重ねた。そして、種々の乳化安定剤を試用した結果、
安定剤として、上記のように、エーテル化度が異なる2
種類のCMC〔(A)成分および(B)成分〕を特定の
割合で併用したものを用いると、上記相反する効果が得
られ、高級感のある酸性乳飲料および乳酸菌飲料が得ら
れることを見出し本発明に到達した。
【0009】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明の対象とする乳性飲料は、酸性乳飲
料および乳酸菌飲料である。そして、上記酸性乳飲料お
よび乳酸菌飲料とも、前記特殊な安定剤を加えて得られ
るものである。そして、この特殊な安定剤が本発明にお
ける最大の特徴であり、この特殊な安定剤を用いること
により、上記効果(充分な白濁と、乳蛋白の沈殿および
上澄み分離の発生の防止)が得られる。
【0011】本発明において、酸性乳飲料は、乳製品
と、これに酸性物質、および特殊な安定剤を加えて得ら
れる。なお、本発明において酸性乳飲料とは、生乳、牛
乳もしくは特別牛乳またはこれらを原料とした乳製品を
酸性に調整加工した飲料をいう。
【0012】一方、本発明において、乳酸菌飲料とは、
乳または乳製品を乳酸菌または酵母で醗酵させ、糊状ま
たは液状にしたものを主要原料とし、これに水を加えて
薄めた飲料をいう。そして、その成分規格は、無脂乳固
形分3.0重量%(以下「%」と略す)以下、乳酸菌数
100万以上(1cc当たり)となっている。これに、
添加物として、分散安定剤、糖類、果汁、保存料等が適
宜に配合されている。また、上記乳酸菌飲料にあたって
は、原則として一定数以上の乳酸菌が活性でなければな
らないが、乳酸菌醗酵後に殺菌を行い無菌状態のものを
もその対象とする。
【0013】上記乳製品(酸性乳飲料および乳酸菌飲料
とも)は、脱脂粉乳、脱脂乳、脱脂加糖練乳、乳精等が
あげられる。あるいは、これらに代えて、牛乳,全脂加
糖練乳、全脂無糖練乳、全脂粉乳糖の乳脂肪を含有する
ものを用いてもよい。そして、本発明における酸性乳飲
料では、無脂乳固形分含有量が、0.1〜7.0%の範
囲に設定された乳飲料がその対象となる。すなわち、無
脂乳固形分含有量が0.1%未満では、いわゆる乳飲料
と呼べるものではなくなり、7.0%を超えると、いわ
ゆる飲料ではなくなり、ヨーグルト状態になってしまう
からである。さらに、本発明の酸性乳飲料では、上記無
脂乳固形分の他に、脂肪分含有量が3.5%以下に設定
されたものが好ましい。すなわち、脂肪分含有量が3.
5%を超えると、脂肪が乳飲料中で分離浮上して商品価
値を低下させるからである。
【0014】一方、本発明における乳酸菌飲料では、無
脂乳固形分含有量は、前述のように3.0%以下に設定
される。すなわち、無脂乳固形分含有量が3.0%を超
えたものは、通常、乳酸菌飲料とは言わず、醗酵乳とし
て区別される。
【0015】上記酸性乳飲料に用いられる酸性物質は、
乳飲料を酸性に調整するために用いられるものであっ
て、例えば、有機酸が用いられる。具体的には、クエン
酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、アジピン酸等があ
げられる。そして、上記酸性物質の配合量は、酸性乳飲
料全体のpH値を3〜5の範囲に調整可能な量に設定さ
れる。このようなpH領域に設定することにより、爽快
な酸味のある乳飲料となる。
【0016】また、乳酸菌飲料においても、そのpH値
を3〜5の範囲に調整して爽快な酸味のある飲料に設定
される。
【0017】上記酸性乳飲料および乳酸菌飲料に配合さ
れる特殊な安定剤は、酸性乳飲料および乳酸菌飲料にお
いて、良好な濁度を維持して、沈殿の発生および上澄み
液の分離の発生を防止するために配合されるものであっ
て、下記に示す(A)成分および(B)成分からなる。
【0018】(A)エーテル化度が0.7〜0.9で、
2%無水物粘度が50〜500mpa・sであるCM
C。 (B)エーテル化度が0.5〜0.65で、2%無水物
粘度が50〜1000mpa・sであるCMC。
【0019】上記(A)成分は、このようにエーテル化
度が0.7〜0.9であって、しかも2%無水物粘度が
50〜500mpa・sのCMCである。このような特
性のCMCを用いることにより、pH3〜5で蛋白質の
正荷電基と結合して負荷電をもった分散系をつくるた
め、沈殿および分離の生じない安定した酸性乳飲料およ
び乳酸菌飲料が得られる。
【0020】つぎに、上記(B)成分は、(A)成分よ
りも低エーテル化度のものであって、エーテル化度が
0.5〜0.65であって、しかも2%無水物粘度が5
0〜1000mpa・sのCMCである。すなわち、上
記のように、エーテル化度が0.5〜0.65という
(A)成分より低いエーテル化度のものを用いることに
より、本来、負電荷の少ない低エーテル化度CMCは蛋
白質の正電荷に当量の負電荷がないために、蛋白質の凝
集分離が生じ、肉眼目視では蛋白質濁度が強く見えるよ
うになる。
【0021】このように、上記特性の異なる2種類の安
定剤であるCMC、特にエーテル化度が異なる上記範囲
のものを併用することにより、蛋白質の分散安定性が保
持されて、かつ乳飲料の白濁度が付加される効果が得ら
れる。
【0022】上記エーテル化度は、つぎのようにして求
められる。すなわち、75℃で3時間真空乾燥した測定
対象の試料(CMC)約1.0gを精秤し、るつぼ中で
灰化する。ついで、これを冷却した後、温水中で灰化物
を溶出し、N/10−硫酸50〜80mlを加えて酸性
にして煮沸冷却する。そして、過剰の酸をN/10−水
酸化ナトリウムで逆滴定し、灰分中のアルカリ中和に消
費された硫酸量よりエーテル化度が求められる。
【0023】上記2%無水物粘度は、つぎのようにして
求められる。まず、300ml三角フラスコに、CMC
4.4gを精秤し、下記の式によって計算される溶解水
を加えて溶液をつくる。
【0024】
【数1】試料CMC(g)×〔(98−水分%)/2〕
=所要水(g)
【0025】上記溶液を一夜間放置した後、マグネチッ
クスターラーで約5分間攪拌して完全な溶液とする。そ
して、この溶液を口径約4.5mm×高さ約145mm
の蓋付容器に移し、30分間,25±0.2℃の恒温槽
に入れ、溶液が25℃になればガラス棒でゆるくかきま
ぜて、BM型粘度計の適当なローターおよびガードを取
付け、ローターの回転開始3分後の目盛りを読み取り粘
度とする。なお、回転数は30rpm、もしくは60r
pmである。
【0026】このような2種類の異なる成分、(A)成
分および(B)成分からなる安定剤では、(B)成分の
配合量を、(A)成分100重量部(以下「部」と略
す)に対して5〜20部の範囲に設定する必要がある。
特に好ましくは(B)成分の配合量は、7〜13部であ
る。すなわち、(B)成分の配合量が、5部未満では、
目的とする効果が少なく(白濁度が低い)、20部を超
えると、白濁度は目的とする程度に近づくが、沈殿の発
生につながるからである。
【0027】さらに、上記(A)成分および(B)成分
からなる安定剤の含有割合は、酸性乳飲料および乳酸菌
飲料とも飲料全体の0.1〜3.5%の範囲に設定する
ことが好ましい。特に好ましくは0.2〜0.5%であ
る。すなわち、安定剤の含有割合が0.1%未満では、
本発明の目的である沈殿防止および上澄み液分離防止効
果が得られ難く、逆に3.5%を超えると、CMCによ
る粘度が生じて、粘りのある乳飲料となり商品価値が低
下する傾向がみられるからである。
【0028】本発明の酸性乳飲料および乳酸菌飲料に
は、先に述べたように、上記乳製品,酸性物質,特殊な
安定剤以外に、必要に応じて糖類,香料,果汁,保存料
等の添加剤を適宜に配合してもよい。
【0029】上記糖類としては、一般に食品に用いられ
るものがあげられる。例えば、砂糖、果糖、還元糖、乳
糖、水飴、異性化糖等があげられる。
【0030】上記香料としては、従来公知のものが用い
られ、一般に用いられる各種天然および合成フレーバー
があげられる。
【0031】また、上記果汁としては、種々の果実から
搾り取ったものがあげられる。
【0032】上記保存料としては、安息香酸、安息香酸
ナトリウム、ソルビン酸等の酸型保存料等があげられ
る。
【0033】つぎに、本発明の酸性乳飲料の製造につい
て述べる。まず、(A)成分および(B)成分を用い
て、水性媒体中で、これら(A)成分および(B)成分
を所定の割合で混合し安定剤水溶液を作製する。つい
で、上記混合水溶液に、乳製品を加え混合するととも
に、酸性物質を添加する。そして、これを昇温して加熱
殺菌した後、冷却して、保存料等の他の添加剤を適宜に
配合することにより製造される。
【0034】一方、乳酸菌飲料の製造について述べる。
乳酸菌飲料の場合も、まず、上記と同様にして安定剤水
溶液を作製する。ついで、上記混合水溶液(安定剤水溶
液)に、糖類、カード(醗酵乳)を加え混合する。そし
て、これを昇温して加熱殺菌した後、冷却して、保存料
等の他の添加剤を適宜に配合することにより製造され
る。
【0035】つぎに、実施例を比較例と併せて説明す
る。
【0036】まず、実施例に先立って、安定剤を調製し
た。
【0037】〔安定剤の調製〕下記の表1に示すCMC
を準備し、これらを下記の表2に示す割合で混合した安
定剤を調製した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】酸性乳飲料について述べる。
【実施例1〜13、比較例1〜10】1リットルビーカ
ーに水297gをとり、これに下記の表3〜表4に示す
安定剤(もしくはCMC単独)3.0gを添加して完全
に溶解し20℃に調整した。ついで、これに脱脂粉乳7
gを水608gに溶解して20±0.2℃に調整して溶
液を混合した。そして、この混合溶液に、スターラーを
600±20rpmにセットして、3%クエン酸水溶液
(20±0.2℃に調整したもの)85mlを5分かけ
て滴下混合した。混合した後、これを、90℃まで昇温
して加熱殺菌した後、水中で10±0.2℃まで冷却し
た。これに、7%安息香酸ナトリウムを6.0ml添加
混合することにより酸性乳飲料を製造した。得られた酸
性乳飲料の無脂乳固形分は0.7%、脂肪分は0.1%
以下、pH値は4.6であった。また、酸性乳飲料中の
安定剤(もしくはCMC単独)の含有量は0.3%であ
った。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【実施例14,15】上記実施例1において、混合安定
剤の含有量0.1%(実施例14)および3.5%(実
施例15)に代えた。それ以外は実施例1と同様にして
酸性乳飲料を製造した。
【0044】
【実施例16〜28、比較例11〜20】1リットルビ
ーカーに水297gをとり、これに下記の表5〜表6に
示す安定剤(もしくはCMC単独)3.0gを添加して
完全に溶解し20℃に調整した。ついで、これに脱脂粉
乳52gを水548gに溶解して20±0.2℃に調整
して溶液を混合した。そして、この混合溶液に、スター
ラーを600±20rpmにセットして、3%クエン酸
水溶液(20±0.2℃に調整したもの)100mlを
5分かけて滴下混合した。混合した後、これを、90℃
まで昇温して加熱殺菌した後、水中で10±0.2℃ま
で冷却した。これに、7%安息香酸ナトリウムを6.0
ml添加混合することにより酸性乳飲料を製造した。得
られた酸性乳飲料の無脂乳固形分は5.2%、脂肪分は
0.1%以下、pH値は4.7であった。また、酸性乳
飲料中の安定剤(もしくはCMC単独)の含有量は0.
3%であった。
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】
【実施例29,30】上記実施例16において、安定剤
の含有量を0.1%(実施例29)および3.5%(実
施例30)に代えた。それ以外は実施例16と同様にし
て酸性乳飲料を製造した。
【0048】
【実施例31〜43、比較例21〜30】1リットルビ
ーカーに水297gをとり、これに下記の表7〜表8に
示す安定剤(もしくはCMC単独)3.0gを添加して
完全に溶解し20℃に調整した。ついで、これに脱脂粉
乳70gを水530gに溶解して20±0.2℃に調整
して溶液を混合した。そして、この混合溶液に、スター
ラーを600±20rpmにセットして、3%クエン酸
水溶液(20±0.2℃に調整したもの)100mlを
5分かけて滴下混合した。混合した後、これを、90℃
まで昇温して加熱殺菌して、水中で10±0.2℃まで
冷却した。これに、7%安息香酸ナトリウムを6.0m
l添加混合することにより酸性乳飲料を製造した。得ら
れた酸性乳飲料の無脂乳固形分は7.0%、脂肪分は
0.1%以下、pH値は4.7であった。また、酸性乳
飲料中の安定剤(もしくはCMC単独)の含有量は0.
3%であった。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【実施例44,45】上記実施例31において、安定剤
の含有量を0.1%(実施例44)および3.5%(実
施例45)に代えた。それ以外は実施例31と同様にし
て酸性乳飲料を製造した。
【0052】このようにして得られた実施例品および比
較例品の酸性乳飲料を、長さ25cmの円沈管に充填し
て、1週間経過後、2週間経過後および1ヶ月経過後の
沈殿状態を目視により観察した。その結果、白濁が安定
して沈殿が確認されなかったものを−、極僅かに沈殿が
確認されたものを±、沈殿が確認されたものを+、完全
に分離したものを++として表示し、後記の表9〜17
に示す。また、上記沈殿の目視観察とともに、1週間経
過後、1ヶ月経過後および2ヶ月経過後の上澄み液の分
離状態を目視により観察した。その結果、上澄み液とし
ての分離が全く確認されなかったものを−、上部に1c
m未満の極僅かな透明部分(上澄み液)が確認されたも
のを±、上部に1〜3cm未満の透明部分(上澄み液)
が確認されたものを+、上部に3cm以上の透明部分
(上澄み液)が確認されたものを++として表示し、後
記の表9〜表17に併せて示す。
【0053】さらに、得られた実施例品および比較例品
の各酸性乳飲料を、実施例1〜13および比較例1〜1
0は5倍に、そしてそれ以外の実施例および比較例は2
0倍に希釈して、その透過率を分光光度計(島津製作所
社製)により測定した。測定条件は、波長640nm
で、1cmセルを使用し、対象は蒸留水とした。その結
果、透過率を濁度として後記の表9〜表17に示す。な
お、上記測定した透過率では、一般に、その値が65以
下であれば、充分な白濁により高級感が得られていると
いえる。
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【0062】
【表17】
【0063】上記表9〜表17の結果から、全ての実施
例品は、濁度の値が低いことから白濁の度合いが高く高
級感のある酸性乳飲料であるといえる。しかも、1ヶ月
後において沈殿も殆ど確認されず、しかも上澄み分離も
みられなかった。このようなことから、品質的に安定し
た、しかも高級感のある酸性乳飲料が得られたことがわ
かる。これに対して比較例品では、濁度が低い、すなわ
ち白濁の度合いが高く高級感のあるものに関しては、す
ぐに沈殿が発生し、上澄み分離も2ヶ月後には確認され
た。
【0064】乳酸菌飲料について述べる。まず、下記
の調製方法にしたがって、無脂乳固形分量が異なる2種
類の乳酸菌飲料(無脂乳固形分3%、無脂乳固形分1
%)を作製した。なお、2種類の乳酸菌飲料の成分比率
を下記の表18に示す。
【0065】
【表18】
【0066】
【実施例46〜71、比較例31〜50】 〔乳酸菌飲料の調製〕まず、上記表18の成分比率とな
るように、グラニュー糖、70%異性化液糖に、前記の
各種安定剤a〜qを所定量となるよう計算して水を加え
完全に溶解した。この溶解液を80℃で10分間殺菌し
て、20±1℃まで冷却した後、所定量の醗酵乳(カー
ド)を加えて混合攪拌した。そして、これを150kg
/cm 2 にてホモジナイザーにて一回通した。ホモジナ
イズした混合攪拌液を90℃で殺菌した後、20℃まで
冷却し、さらに、腐敗防止のために10%安息香酸ナト
リウムを1ml添加して乳酸菌飲料を得た。この得られ
た乳酸菌飲料のpH値は3.5〜4.2であった。な
お、実施例46〜58および比較例31〜40は無脂乳
固形分3.0%の乳酸菌飲料である。また、実施例59
〜71および比較例41〜50は無脂乳固形分1.0%
の乳酸菌飲料である。
【0067】このようにして得られた実施例品および比
較例品の乳酸菌飲料を、長さ25cmの円筒管に充填し
て、25℃の保存下で、1週間経過後、2週間経過後お
よび1ヶ月経過後の沈殿状態を目視により観察した。そ
の結果、白濁が安定して沈殿が全く確認されなかったも
のを−、極僅かに沈殿が確認されたものを±、明らかに
沈殿が確認されたものを+、完全に分離したものを++
として表示し、後記の表19〜24に示す。また、上記
沈殿の目視観察とともに、1週間経過後、2週間経過後
および1ヶ月経過後の上澄み液の分離状態を目視により
観察した。その結果、上澄み液としての分離が全く確認
されなかったものを−、上部に1cm未満の極僅かな透
明部分(上澄み液)が確認されたものを±、上部に1〜
3cm未満の透明部分(上澄み液)が確認されたものを
+、上部に3cm以上の透明部分(上澄み液)が確認さ
れたものを++として表示し、後記の表19〜表24に
併せて示す。なお、表19〜表21は無脂乳固形分3.
0%の乳酸菌飲料であり、表22〜表24は無脂乳固形
分1.0%である。
【0068】さらに、得られた実施例品および比較例品
の乳酸菌飲料を10倍に希釈して、その透過率を分光光
度計(島津製作所社製)により測定した。測定条件は、
波長640nmで、1cmセルを使用し、対象は蒸留水
とした。その結果、透過率を濁度として後記の表19〜
表24に併せて示す。なお、上記測定した透過率は、低
い値ほど白濁が強く高級感が得られたといえる。そし
て、表19〜表21は無脂乳固形分3.0%の乳酸菌飲
料であり、表22〜表24は無脂乳固形分1.0%であ
る。
【0069】
【表19】
【0070】
【表20】
【0071】
【表21】
【0072】
【表22】
【0073】
【表23】
【0074】
【表24】
【0075】上記表19〜表24の結果から、全ての実
施例品は、濁度の値が低いことから白濁の度合いが高く
高級感のある乳酸菌飲料であるといえる。しかも、1ヶ
月後において僅かに沈殿が確認された程度であった。こ
のようなことから、品質的に安定した、しかも高級感の
ある乳酸菌飲料が得られたことがわかる。これに対して
比較例品では、濁度が低い、すなわち白濁の度合いが高
く高級感のあるものに関しては、すぐに沈殿が発生し、
上澄み分離も2週間後には確認された。
【0076】
【実施例72,73】上記実施例46において、安定剤
aの含有量を0.1%(実施例72)および3.5%
(実施例73)に代えた。それ以外は実施例46と同様
にして乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%)を製造し
た。なお、安定剤の含有量の変化に伴い、成分比率の水
分をそれぞれ、86.1%(安定剤0.1%含有)、8
2.7%(安定剤3.5%)に変えた。
【0077】
【実施例74,75】上記実施例59において、安定剤
aの含有量を0.1%(実施例74)および3.5%
(実施例75)に代えた。それ以外は実施例59と同様
にして乳酸菌飲料(無脂乳固形分1.0%)を製造し
た。なお、安定剤の含有量の変化に伴い、成分比率の水
分をそれぞれ、88.1%(安定剤0.1%含有)、8
4.7%(安定剤3.5%)に変えた。
【0078】このようにして得られた各乳酸菌飲料(実
施例72〜75)について、上記と同様の方法により、
沈殿状態、上澄み分離および濁度(透過率)を測定・評
価した。その結果を下記の表25に併せて示す。
【0079】
【表25】
【0080】上記表25の結果から、実施例72,74
品は、濁度の値が特に低く高級感のある乳酸菌飲料であ
るといえる。また、実施例73,75品についても、濁
度が65を下回っており白濁について満足のいくもので
あった。しかも、沈殿および上澄み分離に関して1週間
後では全く確認されなかった。また、2週間後におい
て、実施例72および74品で沈殿および上澄み分離が
極僅かに確認された程度であった。このようなことか
ら、品質的に安定した、しかも高級感のある乳酸菌飲料
が得られたことがわかる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明は、前記のように
エーテル化度が異なる2種類のCMC〔(A)成分およ
び(B)成分〕を特定の割合で配合した安定剤を、酸性
乳飲料あるいは乳酸菌飲料に含有したものである。この
ため、良好な濁度とともに、乳蛋白の沈殿防止および上
澄み液の分離防止という乳化安定性が実現し、高品質
で、しかも高級感のある酸性乳飲料および乳酸菌飲料が
得られる。したがって、例えば、本発明の安定剤を用い
た酸性乳飲料は、いわゆる、フルーツ牛乳等のような乳
飲料において適用され、優れた品質のものが得られるよ
うになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 - 2/62 A23C 9/13 - 9/156 A23L 1/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示す(A)成分および(B)成分
    からなり、上記(B)成分の配合量が、上記(A)成分
    100重量部に対して5〜20重量部の範囲に設定され
    ていることを特徴とする安定剤。 (A)エーテル化度が0.7〜0.9で、2%無水物粘
    度が50〜500mpa・sであるカルボキシメチルセ
    ルロースエーテルのナトリウム塩。 (B)エーテル化度が0.5〜0.65で、2%無水物
    粘度が50〜1000mpa・sであるカルボキシメチ
    ルセルロースエーテルのナトリウム塩。
  2. 【請求項2】 無脂乳固形分を0.1〜7.0重量%含
    み、かつ請求項1記載の安定剤を含有することを特徴と
    する酸性乳飲料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の安定剤を含有することを
    特徴とする乳酸菌飲料。
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