JP3462605B2 - 紙の防湿防水用被覆組成物 - Google Patents
紙の防湿防水用被覆組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙用被覆組成物に関する
もので、防湿性,防水性を付与し、かつ古紙再生のため
の離解性に優れたものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、防湿,防水性を要する包装紙
などはポリオレフィンのラミネート紙が広く利用されて
いる。しかしこの場合、優れた防湿,防水性を有するも
のの、使用後省資源の面から古紙として再利用する際、
離解性がないため大きな問題となっている。 【0003】現在では、これらの問題を解決するためワ
ックスエマルションと合成ゴム系ラテックスとを配合し
て使用する方法がある(特公昭55−22597号,特
公平3−10759号)。しかし、この方法だとポリオ
レフィンのラミネート紙並みの防湿性は得られるものの
離解性が不十分であり、再生紙として利用出来ない。ま
た、防湿性を出すのに比較的Tgの低い合成ゴムラテッ
クスを使用するため、耐ブロッキング性にも問題があ
る。 【0004】また、ワックスエマルションとアクリル系
エマルションとを配合して使用する方法がある(特開平
3−279492号)。しかし、この方法では古紙回収
して再利用するための離解性は得られるものの、合成ゴ
ム系ラテックスのような強度のある柔軟な皮膜を形成し
にくいため、包装紙として折り目を入れた場合防湿性が
低下する。 【0005】 【本発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目
的は、従来実施されているポリオレフィンをラミネート
する方法、ワックスエマルションと合成ゴムラテックス
を配合する方法及びワックスエマルションとアクリル系
エマルションを配合する方法の上記した問題を解決する
ため、防湿性、防水性、耐ブロッキング性を満足し、し
かも古紙の再利用に当たって離解性の良い紙の表面加工
剤を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
欠点を解決するため種々研究した結果、ブタジエン系合
成ゴムラテックスとスチレン・アクリルエマルション及
びワックスエマルションを併用することにより、防湿
性、防水性、耐ブロッキング性に優れ、しかも離解性の
良い紙の表面化工剤を得ることを見出した。 【0007】すなわち、本発明は、(a)カルボキシル
基含有ビニル系単量体を0.5〜25重量%含有するス
チレン・アクリル共重合体の水性分散液を固形分で5〜
95重量部、(b)ブタジエン系合成ゴムラテックスを
固形分で5〜95重量部、及び上記混合物の固形分で1
00重量部に対して(c)融点が50℃以上のパラフィ
ンワックスを乳化して得られたワックスエマルションの
固形分で1〜50重量部からなる紙の防湿防水被覆組成
物である。 【0008】本発明に使用するスチレン・アクリル共重
合体の水性分散液(a)は、カルボキシル基含有ビニル
系単量体とアクリル系単量体及びスチレンとの共重合体
水性分散液である。 【0009】(a)成分中に含まれるカルボキシル基含
有ビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
どが適当である。これらカルボキシル基含有ビニル系単
量体の使用量は、共重合性単量体の総量に対し0.5〜
25重量%、好ましくは3〜20重量%が適量である。
0.5重量%以下では古紙再生のための十分な離解性を
得ることが出来ない。また、25重量%以上では防湿
性、防水性が低下する。 【0010】アクリル系単量体としては(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル:アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル:アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミドなどが挙げられる。 【0011】上記の如きアクリル系単量体から共重合体
水性分散液を得るには、前述の単量体を乳化重合せし
め、安定に分散せしめる方法が一般的である。 【0012】ブタジエン系合成ゴムラテックス(b)は
ブタジエンと他の二重結合を有するモノマーを主成分と
し、これらの混合モノマーを乳化重合した共重合体の水
性分散液であり、カルボキシル基等の官能基を導入した
ものも含まれる。このブタジエン系合成ゴムラテックス
としては、各社で市販されているスチレンーブタジエン
ラテックス、アクリロニトリルーブタジエンラテック
ス、メチルメタクリレートーブタジエンラテックス等が
使用できる。 【0013】これらブタジエン系合成ゴムラテックス
(B)の使用量は、水性分散液(a)との割合が固形分の
重量百分率で5:95から95:5、好ましくは、1
5:85から85:15が適当である。ブタジエン系合
成ゴムラテックスの使用量が95重量部以上では離解
性、耐ブロッキング性を向上させることが出来ない。ま
た、5重量部以下であると折り曲げによる防湿性の低下
を防ぐことが出来ない。 【0014】ワックスエマルション(c)は融点が50
℃以上のパラフィンワックスの水性分散液を使用する。
更に、その他の低融点ポリエチレンワックス,脂肪酸ワ
ックス,石油樹脂ワックス,合成樹脂ワックス等の水性
分散液も混合して使用することも出来る。これらのワッ
クスを公知の方法によって水に乳化分散したものであ
る。また、乳化に際して、アニオン系あるいはノニオン
系界面活性剤の使用、各種のロジン、ロジンエステルの
使用も乳化の安定性を向上させるため有効である。 【0015】これらワックスエマルション(c)の使用
量は水性分散液(a)と合成ゴムラテックス(b)の混
合物の固形分100重量部に対して固形分比で1〜50
重量部であり、好ましくは2〜30重量部である。ワッ
クスエマルション(c)の使用量が1重量部以下では十
分な防湿性が得られない。また、50重量部以上使用す
ると皮膜形成状態が悪くなり、皮膜が脆くなるため、折
曲げによる防湿性が低下する。 【0016】 【実施例】本発明の組成物は、紙基材の防湿コート剤と
して有用であり、特にクラフト紙,段ボール用ライナー
紙,コート紙等包装紙のコート剤として高い防湿防水性
および優れた離解性を付与出来る。以下実施例により本
発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、実施例における部は重量部を示
し、百分率(%)は重量%を示す。 【0017】実施例−1 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを備えた3Lのガラス製4ツ口フラスコに脱イオン
水1120部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ20
部を仕込み昇温する。温度が78〜81℃で過硫酸アン
モニウム5部を添加し、その直後にスチレン400部、
ブチルアクリレート300部、2−エチルヘキシルアク
リレート300部、アクリル酸150部、アクリルアミ
ド5部の混液を3時間かけて滴下し、78〜81℃で乳
化重合を行う。滴下終了後同温度で3時間熟成した後冷
却し、固形分50%、pH2.8、粘度500cPの水
性分散液を得た。次いで、得られた水性分散液120部
に対して、スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエ
ン含有量:高、Tg−16℃、固形分50%、pH8.
0、粘度800cP)80部、ワックスエマルション
(サイデン化学株式会社製 サイビノール PN−35
00:固形分35%、pH8.0、粘度200cP)1
17部を添加攪拌して、固形分46.7%、pH7.
0、粘度200cPの紙用防湿防水被覆組成物を得た。 【0018】実施例−2 実施例−1と同様の方法にて、スチレン300部、2−
エチルヘキシルアクリレート500部、メチルメタクリ
レート200部、アクリル酸120部、アクリルアミド
5部を乳化重合し、固形分50%、pH2.8、粘度4
00cPの水性分散液を得た。次いで、得られた水性分
散液80部に対して、スチレン−ブタジエンラテックス
(ブタジエン含有量:低、Tg33℃、固形分50%、
pH8.0、粘度900cP)120部、ワックスエマ
ルション(サイビノールPN−3500)29部を添加
攪拌して、固形分48%、pH7.2、粘度200cP
の紙用防湿防水被覆組成物を得た。 【0019】実施例−3 実施例−1と同様の方法にて、スチレン550部、2−
エチルヘキシルアクリレート200部、ブチルアクリレ
ート200部、メチルメタクリレート50部、アクリル
酸180部、アクリルアミド5部を乳化重合し、固形分
50%、pH2.6、粘度600cPの水性分散液を得
た。次いで、得られた水性分散液150部に対し、スチ
レン−ブタジエンラテックス(ブタジエン含有量:中、
Tg−1℃、固形分50%、pH8.0、粘度500c
P)50部、ワックスエマルション(サイビノールPN
−3500)86部を添加攪拌して、因形分45.5
%、pH7.0、粘度200cPの紙用防湿防水被覆組
成物を得た。 【0020】実施例−4 実施例−1と同様の方法にて、スチレン250部、ブチ
ルメタクリレート600部、メチルメタクリレート20
0部、アクリル酸60部、アクリルアミド5部を乳化重
合し、固形分50%、pH2.6、粘度500cPの水
性分散液を得た。次いで、得られた水性分散液100部
に対し、スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエン
含有量:高、Tg−31℃、固形分49%、pH7.
7、粘度300cP)100部、ワックスエマルション
(サイビノールPN−3500)90部を添加攪拌し
て、固形分45%、pH7.0、粘度250cPの紙用
防湿防水被覆組成物を得た。 【0021】比較例−1 実施例−1のアクリル系共重合体の水性分散液200部
に対して、ワックスエマルション(サイビノールPN−
3500)57部を添加攪拌して、固形分46.7%,
pH7.0,粘度150cPの水性分散液を得た。 【0022】比較例−2 スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエン含有量:
高,Tg−16℃,固形分50%,pH8.0,粘度8
00cP)200部に対して、ワックスエマルション
(サイビノールPN−3500)57部を添加攪拌し
て、固形分46.7%,pH8.5,粘度500cPの
水性分散液を得た。 【0023】[試験方法] 塗布方法:両更クラフト紙(70g/m2)にバーコータ
ーにて15g/m2 ・dryになるよう塗布し、110℃で1分間乾燥し
た。 【0024】透湿度:JIS Z 0208 防湿包装
材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じて測定。 温湿度条件 : B(40℃,90%RH) 試験片の向き : コート面外側 折り目はそれぞれプレスロールを1回通してつける。十
字折り×2回。 【0025】摩擦係数測定:JIS P 8147 紙
及び板紙の摩擦係数試験方法に準じて測定。 水平方法 錘の寸法と質量 : 巾63mm,長さ63mm,質量663
g 試験片の移動速度 : 50mm/min 試験片を錘に付け試験 : コート面/原紙 【0026】耐ブロッキング性:塗布面とクラフト紙と
をそれぞれ重ね合わせて、50℃、90%RHの雰囲気
中、荷重500g/cm2で24時間放置後の塗膜同士の
ブロッキング程度を判定。 ○:抵抗なく剥がれる △:剥がす時、抵抗はあるが塗布面の破壊はない ×:ブロッキングし、塗布面の破壊が生じる 【0027】離解性:原紙及び塗工紙を水400ml中に
6.4gになるように破って入れ、パルプ濃度1.6%
にそれぞれ調整し、刃を丸めた家庭用ミキサーで3分間
攪拌し、上記パルプ濃度調整水を水で10倍に希釈し、
パルプ繊維の分散状態を観察した。 ○:未離解繊維のフロックなし △: 〃 少しあり ×: 〃 多い 【0028】【0029】 【発明の効果】本発明の紙の防湿防水用被覆組成物はポ
リエチレンラミネート紙に代わる包装用防湿コート剤と
して、従来のものと比べ防湿性に優れ、また古紙回収の
際の離解性も良く、なおかつコーティング剤としての耐
ブロッキング性にも優れている。従って、紙製品等の包
装用紙として被包装物を湿度から保護し、使用した包装
用紙は一般紙と同様に古紙回収紙として取り扱うことが
出来る。
もので、防湿性,防水性を付与し、かつ古紙再生のため
の離解性に優れたものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、防湿,防水性を要する包装紙
などはポリオレフィンのラミネート紙が広く利用されて
いる。しかしこの場合、優れた防湿,防水性を有するも
のの、使用後省資源の面から古紙として再利用する際、
離解性がないため大きな問題となっている。 【0003】現在では、これらの問題を解決するためワ
ックスエマルションと合成ゴム系ラテックスとを配合し
て使用する方法がある(特公昭55−22597号,特
公平3−10759号)。しかし、この方法だとポリオ
レフィンのラミネート紙並みの防湿性は得られるものの
離解性が不十分であり、再生紙として利用出来ない。ま
た、防湿性を出すのに比較的Tgの低い合成ゴムラテッ
クスを使用するため、耐ブロッキング性にも問題があ
る。 【0004】また、ワックスエマルションとアクリル系
エマルションとを配合して使用する方法がある(特開平
3−279492号)。しかし、この方法では古紙回収
して再利用するための離解性は得られるものの、合成ゴ
ム系ラテックスのような強度のある柔軟な皮膜を形成し
にくいため、包装紙として折り目を入れた場合防湿性が
低下する。 【0005】 【本発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目
的は、従来実施されているポリオレフィンをラミネート
する方法、ワックスエマルションと合成ゴムラテックス
を配合する方法及びワックスエマルションとアクリル系
エマルションを配合する方法の上記した問題を解決する
ため、防湿性、防水性、耐ブロッキング性を満足し、し
かも古紙の再利用に当たって離解性の良い紙の表面加工
剤を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
欠点を解決するため種々研究した結果、ブタジエン系合
成ゴムラテックスとスチレン・アクリルエマルション及
びワックスエマルションを併用することにより、防湿
性、防水性、耐ブロッキング性に優れ、しかも離解性の
良い紙の表面化工剤を得ることを見出した。 【0007】すなわち、本発明は、(a)カルボキシル
基含有ビニル系単量体を0.5〜25重量%含有するス
チレン・アクリル共重合体の水性分散液を固形分で5〜
95重量部、(b)ブタジエン系合成ゴムラテックスを
固形分で5〜95重量部、及び上記混合物の固形分で1
00重量部に対して(c)融点が50℃以上のパラフィ
ンワックスを乳化して得られたワックスエマルションの
固形分で1〜50重量部からなる紙の防湿防水被覆組成
物である。 【0008】本発明に使用するスチレン・アクリル共重
合体の水性分散液(a)は、カルボキシル基含有ビニル
系単量体とアクリル系単量体及びスチレンとの共重合体
水性分散液である。 【0009】(a)成分中に含まれるカルボキシル基含
有ビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸な
どが適当である。これらカルボキシル基含有ビニル系単
量体の使用量は、共重合性単量体の総量に対し0.5〜
25重量%、好ましくは3〜20重量%が適量である。
0.5重量%以下では古紙再生のための十分な離解性を
得ることが出来ない。また、25重量%以上では防湿
性、防水性が低下する。 【0010】アクリル系単量体としては(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル:アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル:アクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミドなどが挙げられる。 【0011】上記の如きアクリル系単量体から共重合体
水性分散液を得るには、前述の単量体を乳化重合せし
め、安定に分散せしめる方法が一般的である。 【0012】ブタジエン系合成ゴムラテックス(b)は
ブタジエンと他の二重結合を有するモノマーを主成分と
し、これらの混合モノマーを乳化重合した共重合体の水
性分散液であり、カルボキシル基等の官能基を導入した
ものも含まれる。このブタジエン系合成ゴムラテックス
としては、各社で市販されているスチレンーブタジエン
ラテックス、アクリロニトリルーブタジエンラテック
ス、メチルメタクリレートーブタジエンラテックス等が
使用できる。 【0013】これらブタジエン系合成ゴムラテックス
(B)の使用量は、水性分散液(a)との割合が固形分の
重量百分率で5:95から95:5、好ましくは、1
5:85から85:15が適当である。ブタジエン系合
成ゴムラテックスの使用量が95重量部以上では離解
性、耐ブロッキング性を向上させることが出来ない。ま
た、5重量部以下であると折り曲げによる防湿性の低下
を防ぐことが出来ない。 【0014】ワックスエマルション(c)は融点が50
℃以上のパラフィンワックスの水性分散液を使用する。
更に、その他の低融点ポリエチレンワックス,脂肪酸ワ
ックス,石油樹脂ワックス,合成樹脂ワックス等の水性
分散液も混合して使用することも出来る。これらのワッ
クスを公知の方法によって水に乳化分散したものであ
る。また、乳化に際して、アニオン系あるいはノニオン
系界面活性剤の使用、各種のロジン、ロジンエステルの
使用も乳化の安定性を向上させるため有効である。 【0015】これらワックスエマルション(c)の使用
量は水性分散液(a)と合成ゴムラテックス(b)の混
合物の固形分100重量部に対して固形分比で1〜50
重量部であり、好ましくは2〜30重量部である。ワッ
クスエマルション(c)の使用量が1重量部以下では十
分な防湿性が得られない。また、50重量部以上使用す
ると皮膜形成状態が悪くなり、皮膜が脆くなるため、折
曲げによる防湿性が低下する。 【0016】 【実施例】本発明の組成物は、紙基材の防湿コート剤と
して有用であり、特にクラフト紙,段ボール用ライナー
紙,コート紙等包装紙のコート剤として高い防湿防水性
および優れた離解性を付与出来る。以下実施例により本
発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、実施例における部は重量部を示
し、百分率(%)は重量%を示す。 【0017】実施例−1 攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管および滴下ロ
ートを備えた3Lのガラス製4ツ口フラスコに脱イオン
水1120部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ20
部を仕込み昇温する。温度が78〜81℃で過硫酸アン
モニウム5部を添加し、その直後にスチレン400部、
ブチルアクリレート300部、2−エチルヘキシルアク
リレート300部、アクリル酸150部、アクリルアミ
ド5部の混液を3時間かけて滴下し、78〜81℃で乳
化重合を行う。滴下終了後同温度で3時間熟成した後冷
却し、固形分50%、pH2.8、粘度500cPの水
性分散液を得た。次いで、得られた水性分散液120部
に対して、スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエ
ン含有量:高、Tg−16℃、固形分50%、pH8.
0、粘度800cP)80部、ワックスエマルション
(サイデン化学株式会社製 サイビノール PN−35
00:固形分35%、pH8.0、粘度200cP)1
17部を添加攪拌して、固形分46.7%、pH7.
0、粘度200cPの紙用防湿防水被覆組成物を得た。 【0018】実施例−2 実施例−1と同様の方法にて、スチレン300部、2−
エチルヘキシルアクリレート500部、メチルメタクリ
レート200部、アクリル酸120部、アクリルアミド
5部を乳化重合し、固形分50%、pH2.8、粘度4
00cPの水性分散液を得た。次いで、得られた水性分
散液80部に対して、スチレン−ブタジエンラテックス
(ブタジエン含有量:低、Tg33℃、固形分50%、
pH8.0、粘度900cP)120部、ワックスエマ
ルション(サイビノールPN−3500)29部を添加
攪拌して、固形分48%、pH7.2、粘度200cP
の紙用防湿防水被覆組成物を得た。 【0019】実施例−3 実施例−1と同様の方法にて、スチレン550部、2−
エチルヘキシルアクリレート200部、ブチルアクリレ
ート200部、メチルメタクリレート50部、アクリル
酸180部、アクリルアミド5部を乳化重合し、固形分
50%、pH2.6、粘度600cPの水性分散液を得
た。次いで、得られた水性分散液150部に対し、スチ
レン−ブタジエンラテックス(ブタジエン含有量:中、
Tg−1℃、固形分50%、pH8.0、粘度500c
P)50部、ワックスエマルション(サイビノールPN
−3500)86部を添加攪拌して、因形分45.5
%、pH7.0、粘度200cPの紙用防湿防水被覆組
成物を得た。 【0020】実施例−4 実施例−1と同様の方法にて、スチレン250部、ブチ
ルメタクリレート600部、メチルメタクリレート20
0部、アクリル酸60部、アクリルアミド5部を乳化重
合し、固形分50%、pH2.6、粘度500cPの水
性分散液を得た。次いで、得られた水性分散液100部
に対し、スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエン
含有量:高、Tg−31℃、固形分49%、pH7.
7、粘度300cP)100部、ワックスエマルション
(サイビノールPN−3500)90部を添加攪拌し
て、固形分45%、pH7.0、粘度250cPの紙用
防湿防水被覆組成物を得た。 【0021】比較例−1 実施例−1のアクリル系共重合体の水性分散液200部
に対して、ワックスエマルション(サイビノールPN−
3500)57部を添加攪拌して、固形分46.7%,
pH7.0,粘度150cPの水性分散液を得た。 【0022】比較例−2 スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエン含有量:
高,Tg−16℃,固形分50%,pH8.0,粘度8
00cP)200部に対して、ワックスエマルション
(サイビノールPN−3500)57部を添加攪拌し
て、固形分46.7%,pH8.5,粘度500cPの
水性分散液を得た。 【0023】[試験方法] 塗布方法:両更クラフト紙(70g/m2)にバーコータ
ーにて15g/m2 ・dryになるよう塗布し、110℃で1分間乾燥し
た。 【0024】透湿度:JIS Z 0208 防湿包装
材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じて測定。 温湿度条件 : B(40℃,90%RH) 試験片の向き : コート面外側 折り目はそれぞれプレスロールを1回通してつける。十
字折り×2回。 【0025】摩擦係数測定:JIS P 8147 紙
及び板紙の摩擦係数試験方法に準じて測定。 水平方法 錘の寸法と質量 : 巾63mm,長さ63mm,質量663
g 試験片の移動速度 : 50mm/min 試験片を錘に付け試験 : コート面/原紙 【0026】耐ブロッキング性:塗布面とクラフト紙と
をそれぞれ重ね合わせて、50℃、90%RHの雰囲気
中、荷重500g/cm2で24時間放置後の塗膜同士の
ブロッキング程度を判定。 ○:抵抗なく剥がれる △:剥がす時、抵抗はあるが塗布面の破壊はない ×:ブロッキングし、塗布面の破壊が生じる 【0027】離解性:原紙及び塗工紙を水400ml中に
6.4gになるように破って入れ、パルプ濃度1.6%
にそれぞれ調整し、刃を丸めた家庭用ミキサーで3分間
攪拌し、上記パルプ濃度調整水を水で10倍に希釈し、
パルプ繊維の分散状態を観察した。 ○:未離解繊維のフロックなし △: 〃 少しあり ×: 〃 多い 【0028】【0029】 【発明の効果】本発明の紙の防湿防水用被覆組成物はポ
リエチレンラミネート紙に代わる包装用防湿コート剤と
して、従来のものと比べ防湿性に優れ、また古紙回収の
際の離解性も良く、なおかつコーティング剤としての耐
ブロッキング性にも優れている。従って、紙製品等の包
装用紙として被包装物を湿度から保護し、使用した包装
用紙は一般紙と同様に古紙回収紙として取り扱うことが
出来る。
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(56)参考文献 特開 平7−119080(JP,A)
特開 平6−287890(JP,A)
特開 昭55−90562(JP,A)
特開 平8−188607(JP,A)
特公 昭47−10224(JP,B1)
特公 平3−10759(JP,B2)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
D21H 11/00 - 27/42
C09K 3/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)カルボキシル基含有ビニル系単量
体を0.5〜25重量%含有するスチレン・アクリル共
重合体の水性分散液を固形分で5〜95重量部、(b)
ブタジエン系合成ゴムラテックスを固形分で5〜95重
量部、及び上記混合物の固形分で100重量部に対して
(c)融点が50℃以上のパラフィンワックスを乳化し
て得られたワックスエマルションの固形分で1〜50重
量部からなる紙の防湿防水被覆組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33735994A JP3462605B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 紙の防湿防水用被覆組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33735994A JP3462605B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 紙の防湿防水用被覆組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176992A JPH08176992A (ja) | 1996-07-09 |
JP3462605B2 true JP3462605B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=18307886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33735994A Expired - Fee Related JP3462605B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 紙の防湿防水用被覆組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3462605B2 (ja) |
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KR100357367B1 (ko) * | 2000-05-04 | 2002-10-18 | 일산기업 주식회사 | 폐타이어 분말을 이용한 수분산성 탄성도막 방수제 |
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-
1994
- 1994-12-26 JP JP33735994A patent/JP3462605B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08176992A (ja) | 1996-07-09 |
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