JP3462416B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はセット力が強く、油
っぽさがなく、かつ再整髪の可能な毛髪化粧料に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】毛髪固定用高分子に加えてカルボキシビ
ニルポリマー又はポリアルキル（メタ）アクリレート及
びポリオキシアルキレンアルキルエーテル類を配合する
と、水等を使用することなく再整髪可能な整髪剤が得ら
れることが知られている（特開平９−３０１８３８
号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記３成分を
配合した整髪剤はカルボキシビニルポリマー又はポリア
ルキル（メタ）アクリレート配合によって剤に粘性があ
り、塗布時に髪全体に剤がゆきわたらない、むらづきす
る等により、性能が充分でないという欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、ＬＰＧに対
する溶解度の高い毛髪固定用高分子と、ポリオキシアル
キレン数の一定値以下のポリオキシアルキレンアルキル
エーテル類とを組み合せて用いれば、前記の成分を配合
しなくともセット力と再整髪能とを具有し、かつ油っぽ
さの少ない整髪剤が得られることを見出した。

【０００５】すなわち、本発明は、（ａ）アクリル樹脂
アルカノールアミン中和物の１０％エタノール溶液１０
ｇにＬＰＧ（２．５kgf/cm2）を添加して白濁が生じる
のに要するＬＰＧ量を求め、次式（１）

【０００６】

【数２】

【０００７】にて定義されるＬＰＧへの溶解度が５０％
以上である当該アクリル樹脂アルカノールアミン中和物
０．１〜１０重量％、及び（ｂ）式（２）

【０００８】

【化２】

【０００９】（式中、ｎは１０〜３５の数を示す）で表
されるポリオキシプロピレンブチルエーテルリン酸を含
有する毛髪化粧料を提供するものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明に用いられる（ａ）アクリ
ル樹脂アルカノールアミン中和物は、前記式（１）で定
義されるＬＰＧ（液化石油ガス）への溶解度が５０％以
上であるのが、セット強度の観点から必要である。この
ような市販品の例としては、プラスサイズＬ−９５４０
Ｂ（互応化学社製）等がある。

【００１１】成分（ａ）の本発明毛髪化粧料への配合量
は、セット力と油っぽさ及び再整髪性とのバランスの点
から０．１〜１０重量％（以下、単に％で示す）、特に
０．３〜２％が好ましい。

【００１２】成分（ｂ）を示す式（２）中、ｎは１５〜
３０が好ましい。成分（ｂ）としては、パーロンＥＰ−
７０（互応化学社製）等の市販品を用いることができ
る。

【００１３】成分（ｂ）は、強いセット力と再整髪能の
点から本発明毛髪化粧料中に成分（ａ）に対し１〜２０
重量倍、特に８〜１５重量倍配合するのが好ましい。

【００１４】本発明毛髪化粧料には、上記成分以外に、
エタノール等の低級アルコール、ポリオール、水等の溶
剤；炭化水素類、エステル油、シリコーン類等の油剤；
感触向上剤、香料、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
ヒートケア剤、植物抽出エキス等を配合することができ
る。

【００１５】本発明毛髪化粧料は、整髪を目的とする化
粧料、例えばヘアスプレー、セットフォーム、セットロ
ーション、ヘアリキッド等とすることができる。ヘアス
プレー、セットフォーム等の形態にするにあたっては常
用される噴射剤、例えばＬＰＧを用いるのが好ましい。

【００１６】

【実施例】実施例１及び比較例１〜１０ 表１記載の処方でヘアリキッドを調製し、専門パネラー
１０名に使用してもらい、セット力の強さ、油っぽさの
少なさ及び再整髪できるかを評価した。これらの評価
は、以下の基準に従って５段階で行い、得られた評価点
を平均し、平均値から、次の３段階に分類した。その結
果を表１に示した。なお、毛髪固定用高分子化合物のＬ
ＰＧに対する溶解度は、前記の如くして求めた。

【００１７】〔セット力の強さ、油っぽさの少なさ及び
再整髪可能性の評価基準〕 ５：極めて優れている。 ４：優れている。 ３：やや優れている。 ２：あまりよくない。 １：よくない。 〔３段階評価〕 ○：平均値３．５以上 △：平均値２．０〜３．５未満 ×：平均値２．０未満

【００１８】

【表１】

【００１９】表１より、ＬＰＧ溶解度が５０％以上の毛
髪固定用高分子化合物を０．１〜１０％及びポリオキシ
アルキレン数（ＰＯ）が３．５以下のポリオキシアルキ
レンアルキルエーテル類を配合した本発明毛髪化粧料
は、これらの要件を満たさない成分を配合した場合に比
べてセット力、油っぽさ及び再整髪能の全てを満足する
ものであることがわかる。

【００２０】実施例３（ヘアリキッド）

【００２１】

【表２】

【００２２】実施例４（ヘアスプレー）

【００２３】

【表３】

【００２４】

【発明の効果】本発明の毛髪化粧料を用いれば、油っぽ
くなく、強いセット力が得られ、かつ手等により容易に
再整髪可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇津 敦 東京都墨田区文花２−１−３ 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平９−301838（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−53339（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−298042（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−143037（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/11

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）アクリル樹脂アルカノールアミン
   中和物の１０％エタノール溶液１０ｇにＬＰＧ（２．５
   kgf/cm²）を添加して白濁が生じるのに要するＬＰＧ量
   を求め、次式（１） 【数１】 にて定義されるＬＰＧへの溶解度が５０％以上である当
   該アクリル樹脂アルカノールアミン中和物０．１〜１０
   重量％、及び（ｂ）式（２） 【化１】 （式中、ｎは１０〜３５の数を示す）で表されるポリオ
   キシプロピレンブチルエーテルリン酸を含有する毛髪化
   粧料。
2. 【請求項２】 成分（ｂ）の含有量が、成分（ａ）の１
   〜２０重量倍である請求項１記載の毛髪化粧料。