JP3462234B2 - 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体 - Google Patents

異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体

Info

Publication number
JP3462234B2
JP3462234B2 JP11914293A JP11914293A JP3462234B2 JP 3462234 B2 JP3462234 B2 JP 3462234B2 JP 11914293 A JP11914293 A JP 11914293A JP 11914293 A JP11914293 A JP 11914293A JP 3462234 B2 JP3462234 B2 JP 3462234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
atom
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11914293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06206875A (ja
Inventor
義一 後藤
政臣 宮本
雄二 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP11914293A priority Critical patent/JP3462234B2/ja
Publication of JPH06206875A publication Critical patent/JPH06206875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3462234B2 publication Critical patent/JP3462234B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、医薬、より詳しくは
コリンエステラーゼ阻害剤、特に老年期痴呆、アルツハ
イマー病等における老年期痴呆症治療・予防剤と、その
活性成分である新規な異項環化合物、その塩、製造法お
よび合成中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】社会の高齢化が進む中で、老年期痴呆治
療・予防作用を有する種々の化合物が提案されている。
その中にあって、コリンエステラーゼ阻害剤である天然
物のフィゾスチグミンに老年期痴呆症治療・予防作用が
見い出されている(International Journal of Clinica
l Pharmacology, Therapy and Toxicology, Vol .2
9,No.1,p.23−37(1991)等)。しか
し、フィゾスチグミンは、作用持続時間が短い、毒性が
強いなどの欠点を有している。
【0003】一方、合成品として、種々の異項環化合物
が提案されている。例えば、EP−A−0,378,2
07、特開昭62−234065号公報、特開昭64−
79151号公報、特開平2−169569号公報およ
びEP−A−O,468,187には含窒素異項環を有
するコリンエステラーゼ阻害剤が記載されており、また
特開昭52−72829号公報及び特開昭55−907
0号公報には抗うつ剤または抗不安剤として用いられる
異項環化合物がそれぞれ記載されている。
【0004】詳しくは、EP−A−0,378,207
には、式
【0005】
【化12】 〔式中、Bは置換されていてもよい飽和又は不飽和の5
〜7員アザ複素環状基を示し、Aは結合手又は炭化水素
残基、オキソ基若しくはヒドロキシ基で置換さ
【0006】
【化13】 2 、R3 はそれぞれ独立して水素原子若しくは置換基
を有していてもよい炭化水素残基を示すか(但し、同時
に水素原子ではない)又は、隣接する窒素原子とともに
環状アミノ基を形成していてもよく、nは0、1又は2
を示し、pは1又は2を示す〕で表わされる環状アミン
化合物およびその塩、具体的には下記の化合物
【0007】
【化14】 などが記載されている。
【0008】特開昭62−234065号公報には、式
【0009】
【化15】 〔式中、R1 は置換若しくは無置換のベンゼン、ピリジ
ン、ピラジン、インドール、アントラキノン、キノリ
ン、置換若しくは無置換のフタールイミド、ホモフター
ルイミド、ピリジンカルボン酸イミド、ピリジン−N−
オキサイド、ピラジンジカルボン酸イミド、ナフタレン
ジカルボン酸イミド、置換若しくは無置換のキナゾリン
ジオン、1,8−ナフタールイミド、ビシクロ〔2.
2.2〕オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸イミ
ド、ピロメリルイミドから選ばれるものから誘導される
一価の基を意味する。
【0010】Xは式−(CH2 m −(式中、mは0〜
7の整数を示す)で示される基、式−O(CH2 n
で示される基、式−S(CH2 n −で示される基、式
−NH(CH2 n −で示される基、式−SO2 NH
(CH2 n −で示される基、式−NH−CO−(CH
2 n −で示される基、式−NH(CH2 n −CO−
で示される基、式−COO(CH2 n −で示される
基、式−CH2 NH(CH2 n −で示される基、式−
CO−NR3 −(CH2 n −で示される基(Xの定義
中、これまでの式でnはいずれも1〜7の整数を意味
し、R3 は低級アルキル又はベンジル基を意味する)、
式−O−CH2 CH2 CH(CH3 )−で示される基、
式−O−CH(CH3 )CH2 CH2 −で示される基、
式−O−CH2CH2 CH=で示される基、又は式−O
−CH2 CH(OH)CH2 −で示される基を意味す
る。
【0011】
【化16】 2 は水素原子、低級アルキル基、置換若しくは無置換
のベンジル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、ピ
リジル基、2−ヒドロキシエチル基、ピリジルメチル
基、又は式
【0012】
【化17】 (式中、Zはハロゲン原子を意味する)で表される基を
意味する〕で表わされるピペリジン誘導体又はその薬理
的に許容できる塩、具体的には、下記の化合物
【0013】
【化18】 などが記載されている。
【0014】特開昭64−79151号公報及び特開平
02−169569号公報には、一般式
【0015】
【化19】 〔式中、Jは(a)置換若しくは無置換の次に示す基;
フェニル基、ピリジル基、ピラジル基、キノリ
ル基、シクロヘキシル基、キノキサリル基又はフ
リル基、(b)フェニル基が置換されていてもよい次の
群から選択された一価又は二価の基;インダニル、
インダノニル、インデニル、インデノニル、イン
ダンジオニル、テトラロニル、ベンズスペロニル、
インダノリル、式
【0016】
【化20】 (c)環状アミド化合物から誘導される一価の基、
(d)低級アルキル基、又は(e)式R1 −CH=CH
−(式中、R1 は水素原子又は低級アルコキシカルボニ
ル基を意味する)で示される基を意味する。
【0017】Bは式−(C(R2 )H)n −で示される
基、式−CO−(C(R2 )H)n−で示される基、式
−NR2 −(C(R2 )H)n −(式中、R2 は水素原
子、低級アルキル基、アシル基、低級アルキルスルホニ
ル基、置換されていてもよいフェニル基又はベンジル基
を意味する)で示される基、式−CO−NR4 −(C
(R2 )H)n −(式中、R4 は水素原子、低級アルキ
ル基又はフェニル基を意味する)で示される基、式−C
H=CH−(C(R2 )H)n −で示される基、式−O
−COO−(C(R2 )H)n −で示される基、式−O
−CO−NH−(C(R2 )H)n −で示される基、式
−NH−CO−(C(R2 )H)n −で示される基、式
−CH2 −CO−NH−(C(R2 )H)n −で示され
る基、式−CO−NH−(C(R2 )H)n −で示され
る基、式−C(OH)H−(C(R2 )H)n −で示さ
れる基(以上の式中、nは0又は1〜10の整数を意味
する。R2 は式−(C(R2 )H)n −で示されるアル
キレン基が置換基を持たないか、又は1つ又は1つ以上
のメチル基を有しているような形で水素原子又はメチル
基を意味する。)、式=(CH−CH=CH)b −(式
中、bは1〜3の整数を意味する)で示される基、式=
CH−(CH2 c −(式中、cは0又は1〜9の整数
を意味する)で示される基、式=(CH−CH)d
(式中、dは0又は1〜5の整数を意味する)で示され
る基、式=CO−CH=CH−CH2 −で示される基、
式−CO−CH2 −C(OH)H−CH2 −で示される
基、式−C(CH3 )H−CO−NH−CH2 −で示さ
れる基、式−CH=CH−CO−NH−(CH2 2
で示される基、式−NH−で示される基、式−O−で示
される基、式−S−で示される基、ジアルキルアミノア
ルキルカルボニル基又は低級アルコキシカルボニル基を
意味する。
【0018】Tは窒素原子又は炭素原子を意味する。
【0019】Qは窒素原子、炭素原子又は式>N→Oで
示される基を意味する。
【0020】Kは水素原子、置換若しくは無置換のフェ
ニル基、フェニル基が置換されてもよいアリールアルキ
ル基、フェニル基が置換されていてもよいシンナミル
基、低級アルキル基、ピリジルメチル基、シクロアルキ
ルアルキル基、アダマンタンメチル基、フリルメチル
基、シクロアルキル基、低級アルコキシカルボニル基又
はアシル基を意味する。
【0021】qは1〜3の整数を意味する。
【0022】
【化21】 で表される環状アミン誘導体およびその薬理学的に許容
される塩、具体的には下記の化合物
【0023】
【化22】 などが記載されている。
【0024】EP−A−O,468,187には、式 R1 −(CH2 n −Z 〔式中、R1 は置換もしくは無置換の環状アミド化合物
から誘導される基を、nは0〜10の整数を示し、Zは
【0025】
【化23】 〔式中、R2 はアリール基、置換アリール基、シクロア
ルキル基、またはヘテロ環基を、mは1〜6の整数を、
3 は水素原子または低級アルキル基を、R4 はアリー
ル基、置換アリール基、シクロアルキル基、またはヘテ
ロ環基を、pは1〜6の整数を示す。ただし、環状アミ
ド化合物がキナゾリノンまたはキナゾリンジオンの場
合、R2 およびR4 はアリール基でも置換アリール基で
もない。〕を示す。〕で表わされる環状アミド化合物、
具体的には下記の化合物
【0026】
【化24】 などが記載されている。
【0027】特開昭52−72829号公報には、特に
セロトニン作動性系機能障害によって生ずる病気の治療
に使用される、一般式
【0028】
【化25】 〔式中、Rは水素原子、炭素原子1ないし4個を含有す
るアルキル基又はアルキル部分が炭素原子1若しくは2
個含有するアラルキル基を表わし、Xは水素原子又はハ
ロゲン原子、それぞれの基が炭素原子1ないし4個を有
することができるアルキル、アルコキシ又はアルキルチ
オ基、トリフルオロメチル、ニトロ、ヒドロキシ又は置
換されていないアミノ基又は1個若しくは2個のアルキ
ル基又はアシル又はアルキルスルホニル基で置換されて
いるアミノ基を表わし、Aは基−CO−又は基−CH2
−を表わし、そしてnは0、1又は2である。〕の化合
物又はその薬剤学的に許容される塩を含有する薬剤学的
組成物が記載されている。
【0029】特開昭55−9070号公報には、一般式
【0030】
【化26】 〔式中、Rは水素原子、炭素原子1〜4個を有するアル
キル基又はアルキル基が炭素原子1〜2個を有するアラ
ルキル基であり、Xは水素原子あるいはハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基又はアルキル基が炭素原子1
〜4個を有するアルキルチオ基であり、Aは−CO−又
は−CH2 −であり、nは1又は2である。〕を有する
インドール誘導体であって、 3H−ジアゼパムの受容部
に親和性を有する医薬活性化合物が記載されている。
【0031】さらに、WO91/03243には、抗精
神薬として用いられる一般式
【0032】
【化27】 〔式中、mは0ないし3を、nは0ないし3を示し、
m、nが共に0を示すことはなく、pは0ないし3を、
Xは、O、S、SO、SO2 、NR6 、CR7 8、C
OまたはCHOHを、R1 、R3 およびR7 はそれぞれ
水素原子、C1-5 アルキル、ハロゲン、NR1011、O
H、COOH、C2-6 アルコキシカルボニル、CN、A
r、C1-5 アルコキシまたはC1-5 アルキルチオを示
し、R2 、R4およびR8 はそれぞれ水素原子、C1-5
アルキル、C2-6 アルコキシカルボニル、CN、C1-5
アルコキシまたはAr1 を示し、XがO、S、SO、S
2 またはNR6 の時、R1 、R2 、R3 およびR4
1-5 アルコキシ、C1-5 アルキルチオ、NR1011
たはOHではなく、R5 は水素原子、アルキル、ハロゲ
ン、OHまたはアルケニルを、R6 は水素原子、C1-5
アルキルまたはAr1 を、ArおよびAr1 はそれぞれ
ナフチル、ピリジル、ピリミジル、インドリル、キノリ
ニル、イソキノリニルまたはフェニル基を示し、これら
の基はC1-3 アルキル、C1-3 アルコキシ、1ないし7
のハロゲン原子を有するC1-3 ハロアルキル、SH、S
(O)t −C1-3 アルキル(tは1、2または3)、C
2-6 ジアルキルアミノ、ハロゲン、C1-3 アルキルアミ
ノ、NH2 、CN、NO2 、SO3 H、テトラゾール、
COOH、C2-6 アルコキシカルボニル、CONH2
SO2NO2 、COR9 、CONR1213、SO2 NR
1213、Ar2 、OAr2 またはSAr2 で置換されて
いてもよい。Ar2 はナフチルまたはフェニル基であ
り、これらの基はC1-3 アルキル、1ないし7のハロゲ
ン原子を有するC1-3 ハロアルキル、C1-3 アルコキ
シ、ハロゲンまたはC1-3 アルキルチオで置換されてい
てもよい。R9 、R10、R11、R12およびR13はそれぞ
れ水素原子、C1-5 アルキルまたはフェニルを示し、R
10とR11は共にC3-6 アルキレン鎖を、R12とR13は共
にC3-6 アルキレン鎖を形成してもよい。aまたはbは
二重結合または単結合を示し、共に二重結合を示すこと
はない。〕で表わされる化合物またはその薬理的に許容
できる塩が記載されている。
【0033】一方、上記化合物に加えて窒素、酸素また
は硫黄原子などのヘテロ原子を含有する縮合複素環誘導
体が種々提案され、それらの生物活性・薬理作用が報告
されている。しかしながら、コリンエステラーゼ阻害作
用、老年期痴呆症治療・予防薬としての作用については
何ら開示されていない。
【0034】具体的には、ケミカル アブストラクツ
(Chem. Abstr.),107,190332h(198
7)には、一般式
【0035】
【化28】 (式中、R=Ac、COEt、COPr、COCHMe
2 、CO(CH2 2 Cl、CO(CH2 3 Cl、C
OCH2 NMe2 、CO(CH2 2 NMe2 、CO
(CH2 3 NMe2 、およびそれらの塩あるいはR=
COCH=CHPh、X=CH2 、または0、n=1、
2または3)で表わされる化合物が抗炎症作用を有する
ことが記載されている。
【0036】ケミカル・アブストラクツ(Chem. Abst
r.),89,36594y(1978)には、一般式
【0037】
【化29】 (式中、R1 =H、Me;n=2、3)で表わされる化
合物が抗けいれん作用、動脈血圧低下作用、局所麻酔作
用を有することが記載されている。
【0038】薬学雑誌,97,540(1977)に
は、一般式
【0039】
【化30】 〔式中、R1 =H、Me;R2 =H、Cl、Me;R3
=H、F、Me、OMe、Cl;n=1、2、3;Z=
O、OH、H(以上化合物I)であるか、R2 =H、C
l;R4 =H、Me;NR5 2 =NMe2 、モルホリ
ノ、ピペリジノ(以上化合物II)〕で表わされる化合物
が抗うつ作用を有することが記載されている。
【0040】EP−163,537には、一般式
【0041】
【化31】 (式中、R=4−シクロアルキルフェニル、3,4−メ
チレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロ−5−ベン
ゾフラニル;R1 =アルキル、シクロアルキル、シクロ
ペンチルメチル;R2 =置換および無置換のピロリジ
ノ、ピペリジノ、ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−
イル、オクタヒドロ−1−アゾシニル)で表わされる化
合物が筋弛緩作用を有することが記載されている。
【0042】ケミカル・アブストラクツ(Chem. Abst
r.),91,211631y(1979)には、下式
【0043】
【化32】 (式中R=H、Me)で表わされる化合物がアルカロイ
ドであるシチシンの誘導体として合成され、抗コリン作
用を有することが記載されている。
【0044】ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Helvetica
Chimica Acta),51,1616(1968)に、式
(A)および式(B)
【0045】
【化33】 で表わされる化合物が、式(C)
【0046】
【化34】 で表わされる交感神経系作用剤であるアルカノールアミ
ンなどの合成中間体として記載されている。
【0047】特開昭52−97952号公報には、式
【0048】
【化35】 〔式中、R1 =H、アルキル、フェニル;R2 =C1-3
アルキル;R3 =アルケニル、アルキニル、シクロアル
キル、アルキル;R4 =H、アルキル;NR3 4 =モ
ルホリノ、ピロリジノ、ピペリジノ;R5 =H、C1-3
アルキル;R6 =H、アシル;n=1〜3;X=S、
O、NH;Y=CH2 、Sを示す。〕で表わされる抗高
血圧作用、抗けいれん作用、血管拡張作用ならびに鎮静
作用を有するアミノアルコール誘導体の合成中間体とし
て、式
【0049】
【化36】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す〕で表わされる化
合物が記載されている。
【0050】特開昭59−7185号公報には、式
【0051】
【化37】 nは1〜5の整数を表わす。〕で示される1,5−ベン
ゾジオキセピン誘導体およびその酸付加塩が、血圧降下
作用を有することが記載されている。
【0052】ケミカル アブストラクツ(Chem. Abst
r.),70,106531j(1969)(FR−M
3,635)には、例えば
【0053】
【化38】 で表わされる交感神経系作用剤である1,4−ベンゾジ
オキサン誘導体の合成中間体として記載されている。
【0054】また、ケミカル アブストラクツ(Chem.
Abstr.),67,54087k(1967),68,1
05121x(1968),75,88548s(19
71),76,153682t(1972)には、式
【0055】
【化39】 基を、pは1または2を示す。〕で表わされる1,4−
ベンゾジオキサン誘導体の合成法が記載されているが、
生物活性・薬理作用等については何ら記載されていな
い。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】しかし、老年期痴呆症
が増加する今日では、老年期痴呆症治療・予防作用を有
することが知られている公知の化合物に比べて、より強
い作用を有し、作用時間が長く、しかも毒性が弱い優れ
た老年期痴呆症治療・予防剤の開発が望まれている。
【0057】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
現状に鑑み、新規化合物を含む異項環化合物の生物活
性、薬理作用につき種々検討した結果、同一または異な
るヘテロ原子を2個以上含む非芳香族性複素環とベンゼ
ン環とが縮合した特異な化学構造の二環式縮合複素環基
を有する点に化学構造の特徴がある化合物が、この特異
な化学構造に基づいて予想外にも優れたコリンエステラ
ーゼ阻害活性及び抗うつ作用を有し、このことにより優
れた老年期痴呆症治療・予防剤として有用であることを
見出し、これらに基づいて本発明を完成した。即ち、本
発明は、(1)式
【0058】
【化40】 〔式中、A環はさらに置換基を有していてもよいベンゼ
ン環を、B環は同一または異なるヘテロ原子を2個以上
含む非芳香族性複素環であって、置換基を有していても
よく、R1 は水素原子または置換基を有していてもよい
炭化水素基であって、nの繰り返しにおいて異なってい
てもよく、Yは置換されていてもよいアミノ基または置
換されていてもよい含窒素飽和複素環基を、nは1ない
し10の整数を示す。〕で表わされる化合物またはその
塩を含有することを特徴とするコリンエステラーゼ阻害
剤、(2)老年期痴呆症治療・予防剤として用いられる
第(1)項記載のコリンエステラーゼ阻害剤、(3)式
【0059】
【化41】 〔式中、B’環は同一または異なるヘテロ原子を2個以
上含む非芳香族性複素環であって、置換基を有していて
もよく、その他の記号は前記と同意義を示す。ただし、
B’環が5ないし7員環であるとき、ヘテロ原子として
窒素原子を少なくとも1個有し、かつnは2ないし10
の整数を示す。〕で表わされる化合物またはその塩、
(4)B’環が1個の窒素原子と窒素、酸素および硫黄
原子から選ばれる1個のヘテロ原子を含有する非芳香族
性複素環である第(3)項記載の化合物、(5)式
【0060】
【化42】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物またはその塩と、式
【0061】
【化43】 〔式中、Z1 は脱離基を、その他の記号は前記と同意義
を示す。〕で表わされる化合物またはその塩とを反応さ
せることからなる第(3)項記載の化合物の製造法、
(6)式
【0062】
【化44】 〔式中、Z2 は脱離基を、その他の記号は前記と同意義
を示す。〕で表わされる化合物またはその塩と、式
【0063】
【化45】 〔式中、Z3 はZ2 と共に脱離し得る基を、R2 および
3 は同一または異なって水素原子、置換基を有してい
てもよい炭化水素基または置換基を有していてもよいア
シル基を示し、R2 とR3 は結合して隣接する窒素原子
と共に置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基を
形成してもよい。〕で表わされる化合物またはその塩と
を反応させることからなる式
【0064】
【化46】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
物またはその塩の製造法、および(7)式
【0065】
【化47】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩に関する。
【0066】本発明の化合物(I’)またはその塩は、
ベンゼン環Aに同一または異なるヘテロ原子(例えば窒
素、酸素または硫黄原子など)を2個以上含有する非芳
香族性複素環B’が縮合しており、かつベンゼン環Aの
炭素原子に置換分
【0067】
【化48】 が結合していることに化学構造上の特徴を有する新規な
化合物であって、この特徴に基づいて優れた老年期痴呆
症治療・予防作用を示す。
【0068】前記式において、R1 は水素原子または置
換基を有していてもよい炭化水素基を示し、nの繰り返
しにおいて異なっていてもよい。
【0069】上記R1 で表わされる「置換基を有してい
てもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例え
ば鎖状または環状あるいはそれらの組み合わせからなる
1- 18炭化水素基などが用いられる。この様な鎖状炭化
水素基としては、例えば直鎖状もしくは分枝状のC1-11
アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシルなど)、直鎖状もしく
は分枝状のC2-6 アルケニル基(例えば、ビニル、アリ
ル、2−ブテニルなど)および直鎖状もしくは分枝状の
2-6 アルキニル基(例えば、プロパルギル、2−ブチ
ニルなど)などが用いられる。環状炭化水素基として
は、例えばC3-7 単環シクロアルキル基(例えば、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、C
8-14架橋環式飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ〔3.
2.1〕オクト−2−イル、ビシクロ〔3.3.1〕ノ
ン−2−イル、アダマンタン−1−イルなど)、C6-14
アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)な
どが用いられる。
【0070】また、鎖状と環状の組み合わせからなる炭
化水素基としては、例えばC7-18アラルキル(例えばベ
ンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニル
ブチル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル、α−ナ
フチルメチルなどのフェニル−C1-12アルキルまたはナ
フチル−C1-8 アルキル、例えばジフェニルメチル、ジ
フェニルエチルなどのジフェニル−C1-3 アルキルな
ど)、C6-14アリ−ル−C2-12アルケニル(例えばスチ
リル、シンナミル、4−フェニル−2−ブテニル、4−
フェニル−3−ブテニルなどのフェニル−C2-12アルケ
ニルなど)、C6-14アリ−ル−C2-12アルキニル(例え
ば、フェニルエチニル、3−フェニル−2−プロピニ
ル、3−フェニル−1−プロピニルなどのフェニル−C
2-12アルキニルなど)、C3-7 シクロアルキル−C1-6
アルキル(例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチ
ルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチ
ル、シクロヘプチルメチル、シクロプロピルエチル、シ
クロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキ
シルエチル、シクロヘプチルエチル、シクロプロピルプ
ロピル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルプロピ
ル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルプロピ
ル、シクロプロピルブチル、シクロブチルブチル、シク
ロペンチルブチル、シクロヘキシルブチル、シクロヘプ
チルブチル、シクロプロピルペンチル、シクロブチルペ
ンチル、シクロペンチルペンチル、シクロヘキシルペン
チル、シクロヘプチルペンチル、シクロプロピルヘキシ
ル、シクロブチルヘキシル、シクロペンチルヘキシル、
シクロヘキシルヘキシル、シクロヘプチルヘキシルな
ど)などが用いられる。
【0071】R1 で表わされる「炭化水素基」の好まし
いものとしては、例えば直鎖状もしくは分枝状C1-11
ルキル基、より好ましくは直鎖状もしくは分枝状C1-7
アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシルなど)またはC7-18
ラルキル基、より好ましくはC7-10アラルキル基(例え
ば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなど
のフェニル−C1-4 アルキルなど)などが繁用される。
【0072】R1 で表わされる「炭化水素基」は置換基
を有していてもよく、この様な置換基としては炭化水素
基の置換基として一般に用いられるものなどを適宜用い
ることができる。具体的には、上記のC1-11アルキル、
2-6 アルケニル、C2-6 アルキニル、C3-7 単環シク
ロアルキルまたはC8-14架橋環式飽和炭化水素基が有し
ていてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例
えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4 アルコキシ基(例
えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオ
キシ、イソプロピルオキシなど)、C1-4 アルキルチオ
基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオな
ど)、アミノ基、モノまたはジC1-4 アルキルアミノ基
(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど)、例えば1
個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
などから選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していて
もよい5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジ
ノ、ピペリジノ、モルホリノなど)、C1-4 アルキル−
カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、ブチリルアミノなど)、C1-4 アルキル
スルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミ
ノ、エチルスルホニルアミノなど)、C1-4 アルコキシ
−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、プロポキシカルボニルなど)、カルボキ
シル基、ホルミル基、C1-6 アルキル−カルボニル基
(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロ
ピルカルボニルなど)、カルバモイル基、モノまたはジ
1-4 アルキル−カルバモイル基(例えば、メチルカル
バモイル、エチルカルバモイルなど)、C1-6 アルキル
スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスル
ホニル、プロピルスルホニルなど)などから選ばれた1
ないし5個が用いられる。
【0073】R1 で表わされるC6-14アリール、C7-18
アラルキル、C6-14アリール−C2-12アルケニル、C
6-14アリール−C2-12アルキニルまたはC3-7 シクロア
ルキル−C1-6 アルキル基が有していてもよい置換基と
しては、例えば、C1-4 アルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、ブチルなど)、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、ニトロ基、
シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4 アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキ
シ、イソプロピルオキシなど)、C1-4 アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イ
ソプロピルチオ、ブチルチオなど)、アミノ基、モノま
たはジC1-4 アルキルアミノ基(例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノなど)、例えば1個の窒素原子以外に窒
素原子、酸素原子および硫黄原子などから選ばれるヘテ
ロ原子を1ないし3個有していてもよい5ないし7員環
状アミノ基(例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホ
リノなど)、C1-4 アルキル−カルボニルアミノ基(例
えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリル
アミノなど)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたは
ジC1-4 アルキルアミノ−カルボニルオキシ基(例え
ば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカル
ボニルオキシ、ジメチルアミノカルボニルオキシ、ジエ
チルアミノカルボニルオキシなど)、C1-4 アルキルス
ルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、
エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノな
ど)、C1-4 アルコキシ−カルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニルなど)、カルボキシル
基、ホルミル基、C1-6 アルキル−カルボニル基(例え
ば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカル
ボニルなど)、C3-7 シクロアルキル−カルボニル(例
えば、シクロヘキシルカルボニルなど)、カルバモイル
基、モノまたはジC1-4 アルキル−カルバモイル基(例
えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロ
ピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジエチルカル
バモイル、ジブチルカルバモイルなど)、C1-6 アルキ
ルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルス
ルホニル、プロピルスルホニルなど)、C3-7 シクロア
ルキルスルホニル(例えば、シクロペンチルスルホニ
ル、シクロヘキシルスルホニルなど);あるいは、置換
基を有していてもよいフェニル、ナフチル、モノ−また
はジ−フェニル−C1-3 アルキル(例えばベンジル、ジ
フェニルメチルなど)、フェノキシ、ベンゾイル、フェ
ノキシカルボニル、ベンジルカルボニル、フェニル−C
1-4 アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フ
ェニル−C1-4 アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイル
アミノ、フェニル−C1-4 アルキルスルホニル、フェニ
ルスルホニル、フェニル−C1-4 アルキルスルフィニ
ル、フェニル−C1-4 アルキルスルホニルアミノまたは
フェニルスルホニルアミノ基(それぞれのフェニル基ま
たはナフチル基における置換基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピルなどのC
1-4 アルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオ
キシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシなどのC
1-4 アルコキシ基、クロロ、ブロモ、ヨードなどのハロ
ゲン原子、ヒドロキシ基、ベンジルオキシ基、アミノ
基、上記のごときモノまたはジC1-4 アルキルアミノ
基、ニトロ基、上記のごときC1-6アルキル−カルボニ
ル基、ベンゾイル基などが挙げられる。これらの置換基
の数は1〜4個が適当である。)などが用いられる。こ
れらR1 で表されるC6-14アリール、C7-18アラルキ
ル、C6-14アリール−C2-12アルケニル、C6-14アリー
ル−C2-12アルキニル、またはC3-7 シクロアルキル−
1-6 アルキル基に置換していてもよい置換基の数は1
〜5個程度が適当である。
【0074】A環で表されるベンゼン環は、B環または
B’環に縮合し、かつ、式
【0075】
【化49】 で置換されている以外に、さらに置換基を有していても
よく、この様な置換基としては、例えば上記R1 のC
6-14アリール、C7-18アラルキル、C6-14アリール−C
2-12アルケニル、C6-14アリール−C2-12アルキニル、
またはC3-7 シクロアルキル−C1-6 アルキル基で述べ
た置換基などが用いられ、その個数は1ないし3個であ
る。この様なベンゼン環がさらに有していてもよい置換
基の好ましいものとしては、例えばフルオロ、クロロな
どのハロゲン原子、トリフルオロメチルなどのハロゲノ
−C1-3 アルキル、メチルなどのC1-3 アルキル基、メ
トキシなどのC1-3 アルコキシ基、ヒドロキシ基などで
ある。特にフルオロなどのハロゲン原子が好ましい。
【0076】B環は同一または異なるヘテロ原子を2個
以上含む非芳香族性複素環を示し、置換基を有していて
もよい。
【0077】該B環としては、例えば4ないし14員
環、好ましくは5ないし9員環などが用いられる。該ヘ
テロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子または硫
黄原子などから選ばれる2または3個が用いられる。特
に、同一または異なる2個のヘテロ原子を含有する5な
いし9員環の非芳香族性複素環などが好ましい。特に、
例えば1個の窒素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄
原子から選ばれる1個のヘテロ原子を含有する非芳香族
性複素環などが繁用される。すなわち、
【0078】
【化50】 で表わされる二環性縮合複素環が、例えば2,3−ジヒ
ドロベンズオキサゾール等のベンズオキサゾール;2,
3−ジヒドロベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール;
2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール等のベン
ズイミダゾール;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベ
ンズオキサジン等のベンズオキサジン;3,4−ジヒド
ロ−1H−2,1−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ
−1H−2,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−
2H−1,2−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2
H−1,4−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H
−1,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−
3,1−ベンゾチアジン等のベンゾチアジン;1,2,
3,4−テトラヒドロシンノリン、1,2,3,4−テ
トラヒドロフタラジン、1,2,3,4−テトラヒドロ
キナゾリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリ
ン等のベンゾジアジン;3,4−ジヒドロ−1,2−ベ
ンズオキサチイン、3,4−ジヒドロ−2,1−ベンズ
オキサチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンズオキ
サチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズオキサチ
イン、4H−1,3−ベンズオキサチイン、4H−3,
1−ベンズオキサチイン等のベンズオキサチイン;3,
4−ジヒドロ−1,2−ベンゾジオキシン、2,3−ジ
ヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン、1,4−ジヒドロ
−2,3−ベンゾジオキシン、4H−1,3−ベンゾジ
オキシン等のベンゾジオキシン;3,4−ジヒドロ−
1,2−ベンズジチイン、2,3−ジヒドロ−1,4−
ベンズジチイン、1,4−ジヒドロ−2,3−ベンズジ
チイン、4H−1,3−ベンズジチイン等のベンズジチ
イン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベンズ
オキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3
−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ
−1,4−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1,5−ベンズオキサゼピン、1,3,4,
5−テトラヒドロ−2,1−ベンズオキサゼピン、1,
3,4,5−テトラヒドロ−2,3−ベンズオキサゼピ
ン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンズオ
キサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−
ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−
3,2−ベンズオキサゼピン、1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピン等のベンズオキサ
ゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,2−ベン
ゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4
−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−
1,5−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テトラヒ
ドロ−2,1−ベンゾチアゼピン、1,3,4,5−テ
トラヒドロ−2,4−ベンゾチアゼピン、1,2,4,
5−テトラヒドロ−3,1−ベンゾチアゼピン、1,
2,4,5−テトラヒドロ−3,2−ベンゾチアゼピ
ン、1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチ
アゼピン等のベンゾチアゼピン;2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−1,2−ベンゾジアゼピン、2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−1,3−ベンゾジアゼピ
ン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H
−1,5−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラ
ヒドロ−1H−2,3−ベンゾジアゼピン、2,3,
4,5−テトラヒドロ−1H−2,4−ベンゾジアゼピ
ン等のベンゾジアゼピン;4,5−ジヒドロ−1,3−
ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2
−ベンゾジオキセピン、2,3−ジヒドロ−5H−1,
4−ベンゾジオキセピン、3,4−ジヒドロ−2H−
1,5−ベンゾジオキセピン、4,5−ジヒドロ−1H
−2,3−ベンゾジオキセピン、1,5−ジヒドロ−
2,4−ベンゾジオキセピン等のベンゾジオキセピン;
4,5−ジヒドロ−1H−2,3−ベンゾジチエピン、
1,5−ジヒドロ−2,4−ベンゾジチエピン、3,4
−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジチエピン、2,3
−ジヒドロ−5H−1,4−ベンゾジチエピン等のベン
ゾジチエピン;3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−
1,5−ベンズオキサゾシン、3,4,5,6−テトラ
ヒドロ−2H−1,6−ベンズオキサゾシン等のベンズ
オキサゾシン;3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−
1,5−ベンゾチアゾシン、3,4,5,6−テトラヒ
ドロ−2H−1,6−ベンゾチアゾシン等のベンゾチア
ゾシン;1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,
6−ベンゾジアゾシン等のベンゾジアゾシン;2,3,
4,5−テトラヒドロ−1,6−ベンズオキサチオシン
等のベンズオキサチオシン;2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1,6−ベンゾジオキソシン等のベンゾジオキソ
シン;1,3,5−ベンゾトリオキセピン、5H−1,
3,4−ベンゾトリオキセピン等のベンゾトリオキセピ
ン;3,4−ジヒドロ−1H−5,2,1−ベンズオキ
サチアゼピン、3,4−ジヒドロ−2H−5,1,2−
ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3,1,
4−ベンズオキサチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3H
−1,2,5−ベンズオキサチアゼピン等のベンズオキ
サチアゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,
3,4−ベンズオキサジアゼピン等のベンズオキサジア
ゼピン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,5−
ベンズチアジアゼピン等のベンズチアジアゼピン;2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,5−ベンゾ
トリアゼピン等のベンゾトリアゼピン;4,5−ジヒド
ロ−1,3,2−ベンゾオキサチエピン、4,5−ジヒ
ドロ−1H−2,3−ベンズオキサチエピン、3,4−
ジヒドロ−2H−1,5−ベンズオキサチエピン、4,
5−ジヒドロ−3H−1,2−ベンズオキサチエピン、
4,5−ジヒドロ−3H−2,1−ベンズオキサチエピ
ン、2,3−ジヒドロ−5H−1,4−ベンズオキサチ
エピン、2,3−ジヒドロ−5H−4,1−ベンズオキ
サチエピン等のベンズオキサチエピンなどの場合が好ま
しい。特に
【0079】
【化51】 で表わされる縮合複素環などが繁用される。
【0080】B’環は同一または異なるヘテロ原子を2
個以上含む非芳香族性複素環を示し、置換基を有してい
てもよい。ただし、B’環が5ないし7員環を示すと
き、ヘテロ原子として窒素原子を少なくとも1個有す
る。
【0081】該B’環としては、例えば4ないし14員
環、好ましくは5ないし9員環などが用いられる。該ヘ
テロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫
黄原子などから選ばれる2または3個が用いられる。特
に、同一または異なる2個のヘテロ原子を含有する5な
いし9員環の非芳香族性複素環などが好ましい。特に、
例えば1個の窒素原子と窒素原子、酸素原子または硫黄
原子から選ばれる1個のヘテロ原子を含有する非芳香族
性複素環などが繁用される。
【0082】すなわち、
【0083】
【化52】 で表わされる二環性縮合複素環が、例えば2,3−ジヒ
ドロベンズオキサゾール等のベンズオキサゾール;2,
3−ジヒドロベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール;
2,3−ジヒドロ−1H−ベンズイミダゾール等のベン
ズイミダゾール;3,4−ジヒドロ−1H−2,1−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−1H−2,3−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,2−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベ
ンズオキサジン、3,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベ
ンズオキサジン等のベンズオキサジン;3,4−ジヒド
ロ−1H−2,1−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ
−1H−2,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−
2H−1,2−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2
H−1,4−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H
−1,3−ベンゾチアジン、3,4−ジヒドロ−2H−
3,1−ベンゾチアジン等のベンゾチアジン;1,2,
3,4−テトラヒドロシンノリン、1,2,3,4−テ
トラヒドロフタラジン、1,2,3,4−テトラヒドロ
キナゾリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリ
ン等のベンゾジアジン;2,3,4,5−テトラヒドロ
−1,2−ベンズオキサゼピン、2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1,3−ベンズオキサゼピン、2,3,4,
5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン、2,
3,4,5−テトラヒドロ−1,5−ベンズオキサゼピ
ン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンズオ
キサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,3−
ベンズオキサゼピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−
2,4−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5−テトラ
ヒドロ−3,1−ベンズオキサゼピン、1,2,4,5
−テトラヒドロ−3,2−ベンズオキサゼピン、1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピ
ン等のベンズオキサゼピン;2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1,2−ベンゾチアゼピン、2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1,4−ベンゾチアゼピン、2,3,4,
5−テトラヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン、1,
3,4,5−テトラヒドロ−2,1−ベンゾチアゼピ
ン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ベンゾチ
アゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,1−ベ
ンゾチアゼピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3,
2−ベンゾチアゼピン、1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾチアゼピン等のベンゾチアゼピン;
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2−ベンゾ
ジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
1,3−ベンゾジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン、2,3,4,
5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン、
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2,3−ベンゾ
ジアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−
2,4−ベンゾジアゼピン等のベンゾジアゼピン;3,
4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンズオキ
サゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,
6−ベンズオキサゾシン等のベンズオキサゾシン;3,
4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,5−ベンゾチア
ゾシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,6
−ベンゾチアゾシン等のベンゾチアゾシン;1,2,
3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1,6−ベンゾジアゾ
シン等のベンゾジアゾシン;2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1,6−ベンゾジオキサチオシン等のベンゾジオ
キサチオシン;2,3,4,5−テトラヒドロ−1,6
−ベンゾジオキシン等のベンゾジオキシン;3,4−ジ
ヒドロ−1H−5,2,1−ベンズオキサチアゼピン、
3,4−ジヒドロ−2H−5,1,2−ベンズオキサチ
アゼピン、4,5−ジヒドロ−3,1,4−ベンズオキ
サチアゼピン、4,5−ジヒドロ−3H−1,2,5−
ベンズオキサチアゼピン等のベンズオキサチアゼピン;
2,3,4,5−テトラヒドロ−1,3,4−ベンズオ
キサジアゼピン等のベンズオキサジアゼピン;2,3,
4,5−テトラヒドロ−1,3,5−ベンズチアジアゼ
ピン等のベンズチアジアゼピン;2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1H−1,2,5−ベンゾトリアゼピン等の
ベンゾトリアゼピンなどの場合が好ましい。
【0084】特に
【0085】
【化53】 で表わされる縮合複素環などが繁用される。
【0086】B環およびB’環は置換基を有していても
よく、その置換基はB環およびB’環の任意の炭素原子
上に置換していてもよい。この置換基としては例えばハ
ロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨー
ド)、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、ヒ
ドロキシ基、C1-4 アルコキシ基(例えば、メトキシ,
エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピ
ルオキシなど)、C1-4 アルキルチオ基(例えば、メチ
ルチオ,エチルチオ,プロピルチオなど)、アミノ基、
モノまたはジC1-4 アルキルアミノ基(例えば、メチル
アミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルアミ
ノ,ジエチルアミノなど)、例えば炭素原子と1個の窒
素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子などか
ら選ばれるヘテロ原子を1ないし3個有していてもよい
5ないし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペ
リジノ,モルホリノ,チオモルホリノなど)、C1-4
ルキル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミ
ノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノなど)、C
1-4 アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスル
ホニルアミノ,エチルスルホニルアミノなど)、C1-4
アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニルな
ど)、カルボキシル基、ホルミル基、C1-6 アルキル−
カルボニル基(例えば、メチルカルボニル,エチルカル
ボニル,プロピルカルボニルなど)、カルバモイル基、
モノまたはジC1-4 アルキル−カルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル,エチルカルバモイルなど)、
1-6 アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニ
ル,エチルスルホニル,プロピルスルホニルなど)など
から選ばれた1ないし5個が用いられる。
【0087】さらに、B環およびB’環が環中に窒素原
子を有するとき、その窒素原子上に置換基を有していて
もよい。すなわち、B環およびB’環は環中に、>N−
6〔R6 は水素原子、置換基を有していてもよい炭化
水素基または置換基を有していてもよいアシル基を示
す。〕を有していてもよい。
【0088】R6 で表わされる置換基を有していてもよ
い炭化水素基としては、例えばR1で述べた置換基を有
していてもよい炭化水素基などがそのまま用いられ、な
かでも例えばC1-4 アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなど)、ハロゲン原子(例えば、
フルオロ,クロロなど)、ニトロ基、C1-4 アルコキシ
基(例えば、メトキシ,エトキシ、プロピルオキシ、イ
ソプロピルオキシ、ブトキシなど)、ヒドロキシ基など
で置換されていてもよい、C1-7 アルキル基(例えば、
メチル,エチル,n−プロピルなど)またはC7-10アラ
ルキル基(例えば、フェニルメチル,フェニルエチルな
ど)などが好ましい。特に、無置換またはC1-4 アルキ
ル基、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-4 アルコキシ基等
で置換されたC7-10アラルキル基などが繁用される。
【0089】R6 で表わされる「置換基を有していても
よいアシル基」の「アシル基」としては、例えばカルボ
ン酸を構成するアシル基(例えば、ホルミルや、アセチ
ル,プロピオニル,ブチリルなどのC1-6 アルキル−カ
ルボニル、または,ベンゾイルなどのフェニルカルボニ
ルなど)、スルホン酸を構成するアシル基(例えば、メ
タンスルホニル,エタンスルホニル,プロパンスルホニ
ル,ベンゼンスルホニル,p−トルエンスルホニルなど
のC1-7 アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニル
など)、ホスホン酸を構成するアシル基(例えば、メタ
ンホスホニル,エタンホスホニル,プロパンホスホニ
ル,ベンゼンホスホニル,p−トルエンホスホニルなど
のC1-7 アルキルホスホニルまたはフェニルホスホニル
など)、置換オキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル,第三ブトキシカルボニル,ベンジルオキシカ
ルボニルなどのC1-6 アルコキシ−カルボニル又はC
7-8 アラルキルオキシ−カルボニルなど)が用いられ
る。
【0090】これらアシル基が有していてもよい置換基
としては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモ,ヨード)、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ
基、モノ−又はジ−C1-6 アルキルアミノ基(例えば、
メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチ
ルアミノなど)、C1-4 アルコキシ基(例えば、メトキ
シ,エトキシ,プロポキシなど)などが用いられ、これ
らの置換基は1ないし3個、好ましくは1または2個用
いられる。
【0091】R6 で表わされる置換基を有していてもよ
いアシル基としては、例えば無置換のホルミル、C1-6
アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリルなど)などが繁用される。
【0092】Yは置換されていてもよいアミノ基または
置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基を示す。
【0093】Yで表わされる「置換されていてもよいア
ミノ基」としては、例えば式
【0094】
【化54】 〔式中、R2'およびR3'は同一または異なって水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基
を有していてもよいアシル基を示す。〕で表わされる基
などが用いられる。
【0095】R2'およびR3'で表わされる置換基を有し
ていてもよい炭化水素基としては、例えば前述したR1
で述べた置換基を有していてもよい炭化水素基などが用
いられる。
【0096】R2'およびR3'で表わされる置換基を有し
ていてもよい炭化水素基の好ましい例としては、例えば
ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロなど)、C
1-4 アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシな
ど)、ヒドロキシ基などで1ないし3個置換されていて
もよい、例えば直鎖状もしくは分枝状C1-11アルキル
基、より好ましくは直鎖状もしくは分枝状C1-7 アルキ
ル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,i−プ
ロピル,n−ブチル,i−ブチル,tert−ブチル,n−
ペンチル,n−ヘキシルなど)またはC7-18アラルキル
基(例えば、フェニルメチル,フェニルエチル,フェニ
ルプロピル,フェニルヘキシルなどのフェニル−C1-12
アルキルやα−ナフチルメチルなどのナフチル−C1-8
アルキルなど)、より好ましくはC7-10アラルキル基
(例えば、フェニルメチル,フェニルエチル,フェニル
プロピルなど)などが繁用される。
【0097】R2'およびR3'で表わされる「置換基を有
していてもよいアシル基」の「アシル基」としては、例
えばカルボン酸を構成するアシル基(例えば、ホルミル
や、アセチル,プロピオニル,ブチリル,ベンゾイルな
どのC1-6 アルキル−カルボニルまたはフェニルカルボ
ニルなど)、スルホン酸を構成するアシル基(例えば、
メタンスルホニル,エタンスルホニル,プロパンスルホ
ニルなどのC1-7 アルキルスルホニル、または、ベンゼ
ンスルホニル,p−トルエンスルホニルなどのフェニル
スルホニルなど)、ホスホン酸を構成するアシル基(例
えば、メタンホスホニル,エタンホスホニル,プロパン
ホスホニルなどのC1-7 アルキルホスホニルまたは、ベ
ンゼンホスホニル,p−トルエンホスホニルなどのフェ
ニルホスホニルなど)、置換オキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル,第三ブトキシカルボニルなど
のC1-6 アルコキシ−カルボニル又はベンジルオキシカ
ルボニルなどのC7-8 アラルキルオキシ−カルボニルな
ど)が用いられる。なかでも、C1-6 アルコキシ−カル
ボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニルなど)が好ましい。
【0098】これらアシル基が有していてもよい置換基
としては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,
ブロモ,ヨード)、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ
基、モノ−又はジ−C1-6 アルキルアミノ基(例えば、
メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチ
ルアミノなど)、C1-4 アルコキシ基(例えば、メトキ
シ,エトキシ,プロポキシなど)などが用いられ、これ
らの置換基は1ないし3個、好ましくは1または2個用
いられる。
【0099】R2'およびR3'の好ましい例は、例えば直
鎖状もしくは分枝状C1-7 アルキル基(例えば、メチ
ル,エチル,n−プロピル,i−プロピル,n−ブチ
ル,i−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,n−ヘ
キシルなど)またはC7-10アラルキル基(例えば、ベン
ジル,フェニルエチル,フェニルプロピルなど)などで
あり、特にメチル,エチルなどのC1-3 アルキル基、フ
ェニルメチルなどのC7-10アラルキル基などがよい。
【0100】Yで表わされる「置換基を有していてもよ
い含窒素飽和複素環基」の「含窒素飽和複素環基」とし
ては、炭素原子および1個の窒素原子以外に、例えば窒
素原子,酸素原子および硫黄原子などのヘテロ原子を1
ないし3個を含有していてもよい5ないし9員の含窒素
飽和複素環基などが用いられる。これらの含窒素飽和複
素環基は環構成窒素原子に結合手を有する基であっても
よいし、あるいは環構成炭素原子に結合手を有する基で
あってもよい。環構成窒素原子に結合手を有する基とし
ては、例えば式
【0101】
【化55】 (Q1 環は炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、
酸素原子および硫黄原子などから選ばれるヘテロ原子を
1または2個含有していてもよい5ないし9員の含窒素
飽和複素環基を示す)で表わされる基などが用いられ
る。より具体的には、例えば
【0102】
【化56】 などが繁用される。また、環構成炭素原子に結合手を有
する基としては、例えば
【0103】
【化57】 (Q2 環は炭素原子と1個の窒素原子以外に窒素原子、
酸素原子および硫黄原子などから選ばれるヘテロ原子を
1または2個含有していてもよい5ないし9員の含窒素
飽和複素環基を示す)で表わされる基などが用いられ
る。より具体的には、例えば
【0104】
【化58】 などが繁用される。
【0105】上記「含窒素飽和複素環基」が有していて
もよい置換基としては、例えば上記R1 で述べた置換基
を有していてもよい炭化水素基、R2'およびR3'で述べ
た置換基を有していてもよいアシル基、ハロゲン原子
(例えば、フルオロ,クロロ,ブロモ,ヨード)、ニト
ロ基、シアノ基、オキソ基、ヒドロキシ基、C1-4 アル
コキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキ
シ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシなど)、C1-4
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プ
ロピルチオ,イソプロピルチオなど)、アミノ基、モノ
−またはジ−C1- 4 アルキルアミノ基(例えば、メチル
アミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルアミ
ノ,ジエチルアミノなど)、炭素原子と1個の窒素原子
以外に、例えば窒素原子,酸素原子および硫黄原子など
のヘテロ原子を1ないし3個を含有していてもよい5な
いし7員環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジ
ノ,モルホリノ,チオモルホリノなど)、C1-4 アルキ
ル−カルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,プ
ロピオニルアミノ,ブチリルアミノなど)、C1-4 アル
キルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルア
ミノ,エチルスルホニルアミノなど)、C1-4 アルコキ
シ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル,エト
キシカルボニル,プロポキシカルボニルなど)、フェニ
ル−C1-4 アルキル−オキシカルボニル(例えば、ベン
ジルオキシカルボニルなど)、カルボキシル基、ホルミ
ル基、C1-6 アルキル−カルボニル基(例えば、メチル
カルボニル,エチルカルボニル,プロピルカルボニル,
ブチルカルボニルなど)、置換基を有していてもよいベ
ンゾイル基(ここにおいて、置換基としては、例えばメ
チル,エチルなどのC1-4 アルキル、例えばフルオロ,
クロロ,ブロモなどのハロゲン、例えばメトキシ,エト
キシなどのC1-4 アルコキシ、例えばメチルアミノ,ジ
メチルアミノなどのモノ−またはジ−C1-4 アルキルア
ミノ基、例えばピペリジノ,モルホリノなどの5ないし
7員環状アミノ基、ニトロ、ヒドロキシなどより選ばれ
た1ないし3個が用いられ、具体例としては4−フルオ
ロベンゾイル、3,4−ジメトキシベンゾイルなどが含
まれる)、カルバモイル基,モノまたはジC1-4 アルキ
ル−カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル,エ
チルカルバモイルなど)、C1-6 アルキルスルホニル基
(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロ
ピルスルホニルなど)などから選ばれた1ないし5個が
用いられる。
【0106】この様な置換基のなかでも、上記R1 で述
べた置換基を有していてもよい炭化水素基が好ましく、
例えばC1-4 アルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、n−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル
等)、ハロゲン原子(例えば、フルオロ,クロロ,ブロ
モ,ヨード)、ニトロ基、C1-4 アルコキシ基(例え
ば、メトキシ,エトキシなど)、ヒドロキシ基などで置
換されていてもよい、鎖状もしくは分枝状のC1-11アル
キル基、より好ましくは直鎖状もしくは分枝状のC1-7
アルキル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,
i−プロピル,n−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチ
ル,n−ヘキシルなど)、C7-18アラルキル基(例え
ば、フェニルメチル,フェニルエチル,フェニルプロピ
ル,フェニルヘキシルなどのフェニル−C1-12アルキル
やα−ナフチルメチルなどのナフチル−C1-8 アルキル
など)、より好ましくはC7-10アラルキル基(例えば、
フェニルメチル,フェニルエチル,フェニルプロピルな
ど)、またはジフェニル−C1-3アルキル基(例えば、
ジフェニルメチルなど)などが繁用される。置換位置は
該含窒素飽和複素環の炭素原子上または(および)窒素
原子上であってもよい。
【0107】また、これらYで表される含窒素飽和複素
環は、例えばベンゼン環等に縮合し、二環性縮合複素環
を形成してもよい。
【0108】R2 およびR3 は同一または異なって水素
原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換
基を有していてもよいアシル基を示し、R2 とR3 は結
合して隣接する窒素原子と共に置換基を有していてもよ
い含窒素飽和複素環基を形成してもよい。
【0109】R2 およびR3 で表わされる置換基を有し
ていてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよ
いアシル基としては、R2'およびR3'で述べた置換基を
有していてもよい炭化水素基または置換基を有していて
もよいアシル基がそのまま用いられる。
【0110】R2 とR3 が結合して隣接する窒素原子と
共に形成する置換基を有していてもよい含窒素飽和複素
環基としては、Yで述べた置換基を有していてもよい含
窒素飽和複素環基のうち、環構成窒素原子に結合手を有
する基が用いられる。例えば、〔Y1 〕で述べた基など
が用いられる。
【0111】nは1ないし10の整数を示す。但し、
B’環が5ないし7員環を示すとき、nは2ないし10
の整数を示す。
【0112】本発明の化合物(I)またはその塩に含ま
れるB' 環を有する化合物(I')またはその塩は、新規
化合物であり、より優れたコリンエステラーゼ阻害作用
を有している。
【0113】前記式において、R1 としては、例えば水
素原子などが好ましい。
【0114】A環で表わされるベンゼン環は無置換の場
合が好ましい。
【0115】B環およびB' 環としては、例えば1個の
窒素原子と窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から選ばれ
る1個のヘテロ原子を含有する5ないし9員環、より好
ましくは5ないし7員環の非芳香族性複素環などが好ま
しい。特に、ヘテロ原子として1個の窒素原子と1個の
酸素原子を含有するものがより好ましい。
【0116】B環およびB’環が有していてもよい置換
基として好ましいものは、その窒素原子上では、アシル
基やC7-10アラルキル基、またその炭素原子上では、オ
キソ基などである。また、これらアシル基やC7-10アラ
ルキル基は、置換基を有していてもよい。
【0117】すなわち、B環及びB' 環としては、オキ
ソ基などで置換されていてもよい、
【0118】
【化59】 [R6 は水素原子、置換されていてもよいC7-10アラル
キル基または置換されていてもよいアシル基を示す。]
などが特に好ましい。
【0119】尚、R6 で示されるアシル基またはC7-10
アラルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、
ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモな
ど)、C1-4 アルキル基(例えば、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
tert−ブチルなど)、ニトロ基、ヒドロキシ基、C
1-4 アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシなど)等が好ましい。
【0120】Yとしては、例えば基(VII)(特に、R2'
およびR3'の一方が直鎖状もしくは分枝状C1-7 アルキ
ル基(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,i−プ
ロピル,n−ブチル,i−ブチル,tert−ブチル,n−
ペンチル,n−ヘキシルなど)で他方がC7-10アラルキ
ル基(例えばフェニルメチル,フェニルエチル,フェニ
ルプロピルなど)の場合など)、または、炭素原子と1
個の窒素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
などから選ばれるヘテロ原子を1または2個含有してい
てもよい5ないし9員の含窒素飽和複素環基が好まし
く、これら含窒素飽和複素環基は、置換されていてもよ
いアシル基や置換されていてもよいC7-10アラルキル基
等の置換基を有していてもよい。
【0121】特に、Yとしては、Q1 環またはQ2 環で
表される、炭素原子と1個の窒素原子以外に、窒素原
子、酸素原子および硫黄原子などから選ばれるヘテロ原
子を1または2個含有していてもよい5ないし9員、よ
り好ましくは5ないし7員の含窒素飽和複素環基が好ま
しい。これら含窒素飽和複素環基は、好ましくは環を構
成する窒素原子上に、ホルミルやC1-6 アルキル−カル
ボニル基等のアシル基やC7-10アラルキル基等の置換基
を有していてもよい。より具体的には、アシル基または
7-10アラルキル基などで置換されたピロリジン,ピペ
リジン,ピペラジン,モルホリン,1,2,3,4−テ
トラヒドロキノリン,1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン,2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1
−ベンズアゼピン,2,3,4,5−テトラヒドロ−1
H−2−ベンズアゼピン,2,3,4,5−テトラヒド
ロ−1H−3−ベンズアゼピンなどの骨格を有する基が
好ましい。特に、置換基を有していてもよいアシル基ま
たはC7-10アラルキル基で置換されたピロリジン,ピペ
リジン,ピペラジン,モルホリンなどの骨格を有する基
が好ましい。
【0122】これらアシル基やC7-10アラルキル基は、
置換基として、例えば、ハロゲン原子(例えば、フルオ
ロ、クロロ、ブロモなど)、C1-4 アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、tert−ブチルなど)、ニト
ロ基、ヒドロキシ基、C1-4 アルコキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)等を有
していてもよい。
【0123】nは2ないし6の整数が好ましく、特に、
2ないし4の整数が好ましい。
【0124】より具体的には、化合物(I)に属する下
記の化合物及びその塩が好ましい。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】
【表6】
【0131】
【表7】
【0132】
【表8】
【0133】
【表9】
【0134】
【表10】
【0135】
【表11】
【0136】
【表12】
【0137】
【表13】
【0138】
【表14】
【0139】
【表15】
【0140】
【表16】
【0141】
【表17】
【0142】
【表18】
【0143】
【表19】 表中、Acはアセチル基,Etはエチル基,Phはフェ
ニル基を示す。
【0144】本発明の化合物(I)および(I')の塩と
しては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ま
しい。それらの塩としては、例えば無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機
酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マ
レイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸)との塩が用いられる。さらに、この発明の化合物
(I)および(I')が−COOHなどの酸性基を有して
いる場合、化合物(I)および(I')は、無機塩基(例
えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カル
シウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アンモ
ニアなど)または有機塩基(例えばトリエチルアミン等
のトリ−C1-3 アルキルアミンなど)と塩を形成しても
よく、この様な塩も本発明の目的物に含まれる。
【0145】次に、この発明の化合物(I)またはその
塩の製造法について述べる。
【0146】以下の製法説明は、化合物(I)自体のみ
ならず、上述したその塩にも適用されるが、以下の説明
では単に化合物(I)と略称する。式
【0147】
【化60】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物またはその塩と、式
【0148】
【化61】 〔式中、Z1 は脱離基を、その他の記号は前記と同意義
を示す。〕で表わされる化合物またはその塩を反応させ
ることによって化合物(I)を製造することができる。
【0149】Z1 で表わされる脱離基としては、例えば
ハロゲン原子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、C
1-6 アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホ
ニルオキシ、エタンスルホニルオキシ)、C6-10アリー
ルスルホニルオキシ(例えばベンゼンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシ)などが用いられ
る。特に、例えばハロゲン原子(例えば、クロロなど)
などが好ましい。
【0150】化合物(II-a)またはその塩は、それ自体
公知の方法あるいはそれに準じる方法により製造するこ
とができる。例えば、インディアン ジャーナル オブ
ケミストリー(Indian J. Chem),2 ,211 (196
4)、インディアン ジャーナルオブ ケミストリー(I
ndian J. Chem),12,247 (1974)、ブレティン オ
ブ ザ ケミカル ソサイエティー オブ ジャパン
(Bull. Chem. Soc., Jpn. ),43,1824(1970)、ケ
ミカル ファマシューティカル ブレティン(Chem. Ph
arm. Bull.),20,1328(1972)、ケミカル ファマシ
ューティカル ブレティン(Chem. Pharm. Bull.),2
7,1982(1979)、ヘルベチカ ヒミカ アクタ(Helv.
Chem. Acta),46,1696(1963)、シンセシス(Synth
esis ),541(1979)、U.S. 3,682,962、U.S. 3,911,1
26、Ger. Offen. 2,314,392 、Ger. Offen. 1 ,545 ,
805 などに記載の方法あるいはそれに準じた方法に従っ
て製造することができる。
【0151】化合物(III )またはその塩は、それ自体
公知の方法あるいはそれに準じる方法により製造するこ
とができる。例えば、ケミカル ファルマシューティカ
ルブリティン(Chem. Pharm. Bull.), 34, 3747-3761
(1986)、EP−A−0,378,207などに記載の
方法に従って製造することができる。
【0152】この発明の化合物(II-a)および(III )
の塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、
臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩が
用いられる。さらにこの発明の化合物(II-a)および
(III )が−COOHなどの酸性基を有している場合、
化合物(II-a)および(III )は、無機塩基(例えば、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネネシ
ウムなどのアルカリ土類金属、アンモニアなど)または
有機塩基(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3
アルキルアミンなど)と塩を形成してもよい。
【0153】化合物(III )またはその塩と、化合物
(II-a)またはその塩との反応は、例えば、化合物(II
I )またはその塩と化合物(II-a)またはその塩を、溶
媒を用いずに、または必要に応じて溶媒中で反応させる
ことによって行なうことができる。該溶媒としては反応
を妨げない限り、一般に化学反応に用いることのできる
ものであれば何れのものでもよく、例えば炭化水素系溶
媒(例えば、ペンタン,ヘキサン,ベンゼン,トルエン
など)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、ジクロロ
メタン,クロロホルム,1,2−ジクロロエタン,四塩
化炭素など)、エーテル系溶媒(例えば、エチルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,ジオキサン,ジメトキシエタ
ンなど)、脂肪族ニトロ化合物系溶媒(例えば、ニトロ
メタン,プロピオニトリルなど)、芳香族ニトロ化合物
系溶媒(例えば、ニトロベンゼンなど)、二硫化炭素な
どの有機溶媒などが用いられる。特に、ジクロロメタ
ン,1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系
溶媒、ニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物系溶媒、
二硫化炭素などが好ましい。該溶媒の使用量は、化合物
(III )またはその塩1ミリモルに対して通常0.5〜
100ml,好ましくは5〜20mlである。反応温度
は、通常−30℃〜150℃程度、好ましくは20℃〜
100℃程度である。反応時間は、通常0.5〜72時
間、好ましくは1〜16時間である。
【0154】また、この反応は、ルイス酸の存在下で行
うこともできる。本反応に用いられるルイス酸として
は、例えば塩化アルミニウム,塩化亜鉛,塩化チタン,
塩化スズ(IV),三フッ化ホウ素,塩化鉄(II),塩化
鉄(III ),五塩化アンチモン(V ),塩化ビスマス
(III ),塩化水銀(II),フッ化水素,硫酸,ポリリ
ン酸などが用いられ、なかでも塩化アルミニウムなどの
フリーデルクラフツ触媒が好ましい。該ルイス酸の使用
量は、化合物(III )またはその塩1モルに対して、通
常1〜10モル、好ましくは2〜10モル量である。化
合物(II-a)またはその塩の使用量は、化合物(III )
またはその塩1モルに対し、通常約1〜20モル、好ま
しくは約1〜5モルである。
【0155】上記の反応で、化合物(III )またはその
塩における基
【0156】
【化62】 が化合物(II-a)またはその塩に導入される位置はA環
の置換可能な位置のいずれにも導入されるが、例えば、
化合物(II-a)またはその塩の骨格が2,3,4,5−
テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン(但し環A
は無置換)の場合に、主に7位に導入される。しかし、
他の位置(6位、8位、9位)へ導入された化合物も生
成、分離することができる。
【0157】また、例えば式
【0158】
【化63】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩と、式
【0159】
【化64】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩を反応させることにより式
【0160】
【化65】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩を製造することができる。
【0161】Z2 で表わされる脱離基としては、例えば
ハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、C1-6 アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタ
ンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシなど)、
6-10アリールスルホニルオキシ(例えば、ベンゼンス
ルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシなど)
などが用いられる。なかでも、ハロゲン原子が好まし
い。より具体的には、Z2 としては、例えばクロロ,ブ
ロモなどのハロゲン原子などが好ましい。
【0162】Z3 で表わされるZ2 と共に脱離し得る基
としては、例えば水素原子、トリアルキルシリル基(例
えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチ
ルジメチルシリルなど)等が用いられる。なかでも、例
えば水素原子が繁用される。
【0163】化合物(VI-a)の塩としては、化合物
(I)の塩と同様のものが用いられる。
【0164】化合物(IV-a)および(V )の塩として
は、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素
酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酒、クエン酒、リンゴ酒、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩が用いられ
る。さらにこの発明の化合物(IV-a)および(V )が−
COOHなどの酸性基を有している場合、化合物(IV-
a)および(V )は、無機塩基(例えば、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ土類金属、アンモニアなど)または有
機塩基(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3
ルキルアミンなど)と塩を形成してもよい。
【0165】本反応における化合物(V )またはその塩
の使用量は、化合物(IV-a)またはその塩1モルに対し
て通常、1.0〜50.0倍モル、好ましくは1.0〜
10.0倍モルである。本反応は冷却下ないし加熱下
(0℃〜120℃)に行なうことができる。反応時間
は、通常、10分〜48時間、好ましくは2〜16時間
である。
【0166】本反応は、溶媒を用いずに行なうことがで
きるが、必要に応じて溶媒中で反応を行なうことができ
る。この様な溶媒としては、本反応の進行を阻害しない
溶媒であれば何れのものでもよく、例えばメタノール,
エタノール,プロパノール,イソプロパノール,n−ブ
タノール,t−ブタノールなどの低級アルコール類、ジ
オキサン,エーテル,テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化
水素類、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド,ヘキサメチルホスホノトリアミドなどのアミド類、
酢酸エチル,酢酸ブチルなどのエステル類などが用いら
れる。該溶媒の使用量は、化合物(IV-a)またはその塩
1ミリモルに対して、通常0.5〜100ml、好まし
くは5〜20mlである。
【0167】また、本反応は必要に応じて塩基の存在下
で行なうことができる。用いられる塩基としては、例え
ば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウムなどの無
機塩基やピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリ
エチルアミンなどの有機塩基がある。該塩基の使用量
は、化合物(V )またはその塩に対して、通常当モル量
から過剰量、好ましくは1.0〜5.0倍モル量であ
る。
【0168】さらに本反応は、所望によりヨウ化化合物
(例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化
リチウムなどのヨウ化アルカリ金属など)などの存在下
に反応を促進させてもよい。その場合、ヨウ化化合物の
使用量は、化合物(IV-a)またはその塩に対し、通常1
〜5倍モル当量、好ましくは1.0〜1.5倍モル量で
ある。
【0169】原料化合物(IV-a)またはその塩は、例え
ば式
【0170】
【化66】 〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩と、式
【0171】
【化67】 〔式中、Z4 は脱離基を、その他の記号は前記と同意義
を示す。〕で表わされる化合物とを反応させることによ
って製造することができる。
【0172】Z4 で表わされる脱離基としては、例えば
ハロゲン原子(例えば、クロロ,ブロモ,ヨードな
ど)、C1-6 アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタ
ンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシなど)、
6-10アリールスルホニルオキシ(例えば、ベンゼンス
ルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシなど)
などが用いられる。特に、例えばハロゲン原子(例え
ば、クロロなど)が好ましい。
【0173】化合物(VIII)は、それ自体公知の方法ま
たはそれに準じる方法により製造することができる。
【0174】化合物(II-a)またはその塩と化合物(VI
II)との反応は、化合物(II-a)またはその塩と化合物
(III )またはその塩との反応と同様の条件により行う
ことができる。上記の反応で、化合物(VIII)における
【0175】
【化68】 が化合物(II-a)またはその塩に導入される位置はA環
の置換可能な位置のいずれにも導入されるが、例えば、
化合物(II-a)またはその塩の骨格が2,3,4,5−
テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン(但し環A
は無置換)の場合に、主に7位に導入される。しかし、
他の位置(6位、8位、9位)へ導入された化合物も生
成、分離することができる。
【0176】かくして得られる化合物(IV-a)またはその
塩は、公知の手段たとえば濃縮、液性変換、転溶、溶媒
抽出、分留、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィ
ーなどで単離、精製することができるが、単離すること
なく反応混合物のまま次の工程の原料として供されても
よい。
【0177】原料化合物(V )またはその塩は、それ自
体公知の方法またはそれに準じる方法により製造するこ
とができる。
【0178】また、化合物(I)のうち、nが2である
化合物、すなわち式
【0179】
【化69】 〔式中、R4 およびR5 は同一または異って水素原子あ
るいは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、そ
の他の各記号は前記と同意義を示す。]で表わされる化
合物またはその塩は、例えば式
【0180】
【化70】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩と、式 R5 −CHO (XI) 〔式中、R5 は前記と同意義を示す。〕で表わされる化
合物と、式
【0181】
【化71】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表わされる
化合物またはその塩とを反応させることによっても製造
することができる。
【0182】R4 及びR5 で表わされる置換基を有して
いてもよい炭化水素基としては、例えばR1 で表わされ
る置換基を有していてもよい炭化水素基などが用いられ
る。
【0183】化合物(IX)の塩としては、化合物(I)
の塩と同様のものが用いられる。
【0184】化合物(X )の塩としては、例えば無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、
あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、
フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、
リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸)との塩が用いられる。さらにこの発明の
化合物(X )が−COOHなどの酸性基を有している場
合、化合物(X )は、無機塩基(例えば、ナトリウム、
カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム
等のアルカリ土類金属、アンモニアなど)または有機塩
基(例えばトリエチルアミンなどのトリ−C1-3 アルキ
ルアミンなど)と塩を形成してもよい。
【0185】本反応は、例えばオーガニック・リアクシ
ョン,第1巻,p303〜341などに記載のマンニッ
ヒ反応方法と同様にして行なうことができる。具体的に
は、例えば化合物(XI)および化合物(V )またはその
塩を、化合物(X )またはその塩1当量に対して、通常
0.9ないし10当量、好ましくは1.0ないし3.0
当量を反応させることによって製造することができる。
本反応は、通常室温ないし加熱下(10〜150℃)に
行なうことができるが、特に80〜120℃で行なうの
が好ましい。反応時間は、通常1〜48時間、好ましく
は2〜24時間である。この反応は、通常無溶媒下で、
あるいは溶媒を用いて行なうことができる。該溶媒とし
ては、本反応を妨げない限り一般にマンニッヒ反応に用
いられる溶媒の何れをも用いることができ、例えばエタ
ノールなどのアルコール系溶媒などが繁用される。該溶
媒の使用量は、化合物(X )またはその塩1ミリモルに
対して、通常0.5〜200ml、好ましくは5〜40
mlである。さらに本反応は、所望により塩酸などの無
機酸の存在下に行なうことができる。該酸の使用量は、
化合物(X )またはその塩に対して触媒量(化合物(X
)1当量に対して0.001〜0.05当量)を用い
る。ただし、反応に用いる化合物(V )あるいは(X )
が塩を形成していない場合は、これらの化合物が塩を形
成するために用いられる量の酸を余分に用いるのが好ま
しい。
【0186】化合物(X )またはその塩は、化合物(II
-a)またはその塩と式 Z5 −CO−CH2 −R4 (XII ) (式中、Z5 は脱離基を、その他の記号は前記と同意義
を示す)で表わされる化合物とを反応させることによっ
て製造することができる。本反応は、例えば前述した化
合物(II-a)またはその塩と化合物(VIII)との反応と
同様に行うことができる。
【0187】化合物(XI)は、それ自体公知の方法また
はそれに準じる方法により製造することができる。
【0188】また、上記各反応において、原料化合物が
置換基としてアミノ基,カルボキシル基,ヒドロキシル
基などを有する場合、これらの基にペプチド化学などで
一般的に用いられるような保護基が導入されたものであ
ってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去するこ
とにより目的化合物を得ることができる。
【0189】アミノ基の保護基としては、例えば置換基
を有していてもよいホルミルやC1-6 アルキル−カルボ
ニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルなど)、ベ
ンゾイル、C1-6 アルキル−オキシカルボニル(例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、
フェニルオキシカルボニル(例えば、フェノキシカルボ
ニルなど)、C7-15アラルキルオキシ−カルボニル(例
えば、ベンジルオキシカルボニル,フルオレニルオキシ
カルボニルなど)、トリチル、フタロイルなどが用いら
れる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、C1-6 アル
キル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチル
カルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基などが
用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0190】カルボキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6 アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリル
などが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン
原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、
ホルミル、C1-6 アルキル−カルボニル(例えば、メチ
ルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニルな
ど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ないし
3個程度である。
【0191】ヒドロキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6 アルキル(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなど)、フェニル、C7-10アラルキル
(例えば、ベンジルなど)、ホルミル、C1-6 アルキル
−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニルな
ど)、フェニルオキシカルボニル(例えば、フェノキシ
カルボニルなど)、C7-10アラルキル−カルボニル(例
えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピラニル、フ
ラニル、シリルなどが用いられる。これらの置換基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブロ
モ、ヨード)、C1-6 アルキル、フェニル、C7-10アラ
ルキル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1ない
し4個程度である。
【0192】また、保護基の除去方法としては、それ自
体公知またはそれに準じる方法が用いられるが、例えば
酸、塩基、還元、紫外光照射、ヒドラジン、フェニルヒ
ドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、
テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム
などで処理する方法が用いられる。
【0193】かくして得られる化合物(I)、(VI-a)
または(IX)あるいはその塩が置換基を有していてもよ
いアシルアミノ基を有する場合、脱アシル化反応に付す
ことによって無置換又はモノ置換のアミノ基を有する化
合物またはその塩とすることができる。原料化合物とし
て用いられる置換基を有していてもよいアシルアミノ基
を有する化合物(I)、(VI-a)または(IX)あるいは
その塩は、公知の手段たとえば濃縮、液性変換、転溶、
溶媒抽出、分留、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラ
フィー等で単離、精製したものでもよいが、単離するこ
となく反応混合物のまま原料として供されてもよい。
【0194】すなわち、脱アシル化反応においては、置
換基を有していてもよいアシルアミノ基を有する化合物
(I)、(VI-a)または(IX)あるいはその塩は、例え
ば鉱酸(例えば硝酸,塩酸,臭化水素酸,ヨウ素酸,硫
酸)などの酸または例えばアルカリ金属水酸化物(例え
ば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウ
ム)などの塩基の水溶液中、通常10〜150℃、好ま
しくは50〜100℃に保持される。該酸又は塩基の使
用量は、化合物(XII )またはその塩に対し、通常1〜
100当量、好ましくは1〜40当量である。酸および
塩基の強さとしては、通常約0.1〜10規定、好まし
くは2〜10規定である。反応時間は、反応温度にもよ
るが、通常1時間〜24時間、好ましくは2時間〜10
時間程度である。
【0195】かくして得られる無置換又はモノ置換のア
ミノ基を有する化合物(I)、(VI-a)または(IX)あ
るいはその塩は、無置換又はモノ置換のアミノ基に置換
基を有していてもよい炭化水素基を導入することによっ
て、アミノ基が置換基を有していてもよい炭化水素基で
置換された化合物(I)、(VI-a)または(IX)あるい
はその塩を製造することができる。原料化合物として用
いられる無置換又はモノ置換のアミノ基を有する化合物
(I)、(VI-a)または(IX)あるいはその塩は、公知
の手段たとえば濃縮、液性変換、転溶、溶媒抽出、分
留、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等で単
離、精製した後に用いることができるが、単離すること
なく反応混合物のまま原料として供されてもよい。
【0196】すなわち、無置換又はモノ置換のアミノ基
を有する化合物(I)、(VI-a)または(IX)あるいは
その塩と式 R7 −Z3 (XIII) 〔式中、R7 は置換基を有していてもよい炭化水素基
を、Z3 は脱離基を示す。〕で表わされる化合物との反
応によってもアミノ基が置換基を有していてもよい炭化
水素基で置換された化合物(I)、(VI-a)または(I
X)あるいはその塩を製造することができる。
【0197】例えば、本発明の化合物(I)又は(I')
若しくはその塩において、B環、B’環及び/又はYで
表される含窒素飽和異項環が無置換又はモノ置換のアミ
ノ基を有する場合は、式(XIII)で表される化合物と反
応させることによって、R7で表される置換基を有して
いてもよい炭化水素基を導入することができる。またB
環、B’環及び/又はYで表される含窒素飽和異項環が
その環内に無置換又はモノ置換のアミノ基を有する場
合、同様にして、B環、B’環及び/又はYで表される
含窒素飽和異項環にR7 で表される置換基を有していて
もよい炭化水素基を導入することができる。
【0198】R7 で表わされる置換基を有していてもよ
い炭化水素基としては、例えばR2、R3 およびR6
述べた置換基を有していてもよい炭化水素基がそのまま
用いられる。
【0199】Z3 で表わされる脱離基としては、例えば
ハロゲン原子(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、C
1-6 アルキルスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホ
ニルオキシ、エタンスルホニルオキシ)、C6-10アリー
ルスルホニルオキシ(例えばベンゼンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシ)などが含まれる。
特に、例えばハロゲン原子(例えば、クロロなど)など
が好ましい。
【0200】上記反応は溶媒を用いてまたは用いない
で、また必要に応じて塩基の存在下に行われる。該塩基
としては、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナト
リウムなどの無機塩基やピリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基が用いられ
る。溶媒を使用する場合、該溶媒としてはたとえばメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、t−ブタノールなどの低級アルコ
ール類、ジオキサン、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ヘキサメチルホスホノトリアミドな
どのアミド類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類などの反応の進行を阻害しない溶媒が使用される。本
反応は冷却下(約0℃〜10℃)、室温下(約10℃〜
40℃)あるいは加熱下(約40℃〜120℃)で行う
ことができ、反応時間は、通常、10分〜48時間、好
ましくは2〜16時間である。また使用する化合物(XI
II)の量は、通常無置換又はモノ置換のアミノ基を有す
る化合物(I)、(VI-a)または(IX)あるいはその塩
に対して好ましくは0.3〜5.0倍モルである。塩基
を使用する場合の塩基の使用量は、通常、無置換又はモ
ノ置換のアミノ基を有する化合物(I)、(VI-a)また
は(IX)あるいはその塩に対して、約当モル量から過剰
量、好ましくは、1.1〜5倍モル量用いられる。
【0201】さらに本反応は所望によりヨウ化化合物、
たとえばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化リ
チウムなどの存在下に反応を促進させてもよい。これら
のヨウ化化合物の存在下で反応を行なう場合、その使用
量は、化合物(XI)に対し、通常1〜5倍モル当量で好
ましくは1.1〜1.5倍モル量である。
【0202】化合物(XIII)は、それ自体公知またはそ
れに準じる方法によって製造することができる。
【0203】新規化合物である化合物(I')またはその
塩も、上記の化合物(I)またはその塩の製造のために
用いられる方法と同様にして製造できる。
【0204】かくして得られる化合物(I)または化合
物(I')は、遊離体の場合常法に従って塩にすることが
でき、また塩を形成している場合常法に従って遊離体あ
るいは他の塩に変換することもできる。得られる化合物
(I)または化合物(I')あるいはその塩は、前述のご
とき公知の手段により単離、精製することができる。ま
た、化合物(I)または(I')あるいはその塩には、不
斉炭素原子の存在に基づく立体異性体が含まれるが、こ
れらもまた前述のごとき公知の手段あるいは分別再結
晶、光学活性カラムによるクロマトグラフィーなどの手
段により単離、精製することができる。
【0205】本発明の化合物(I)、または(I')ある
いはその塩は、哺乳動物の中枢神経系に作用し、強いコ
リンエステラーゼ阻害活性を有し、人または動物(例え
ば、マウス)における各種健忘誘発作用に対し優れた抗
健忘作用を示す。
【0206】更に、本発明化合物(I)または(I')あ
るいはその塩は、尾懸垂試験において活性を有し、人又
は動物において優れた抗うつ作用を示す。
【0207】この発明の化合物(I)又は(I')あるい
はその塩は、フィゾスチグミンと比較して、中枢神経に
対する作用と末梢神経に対する作用との分離が極めてよ
く、抗健忘作用及び抗うつ作用を示す用量では、痙攣作
用、流涎作用、下痢などの末梢神経作用は無いか、もし
くは極めて軽微で、作用持続時間が長く、毒性が低い特
徴を有する。また経口投与により著効を奏する。この発
明の化合物(I)または(I')あるいはその塩の急性毒
性(LD50)は100mg/kg以上である。
【0208】従って本発明の化合物は、人を含む哺乳動
物の安全な脳機能改善薬として有用である。
【0209】この発明の化合物の有用な対象疾病名とし
ては、たとえば老年性痴呆、アルツハイマー病、ハンチ
ントン舞踏病、運動過多病、躁病などが挙げられ、この
発明の化合物は、前記の疾病の予防または治療に用いる
ことができる。また、本発明化合物は、前記の疾病の学
習・記憶障害だけでなく、その関連症状であるうつ状態
等にも効果を有する。
【0210】本発明の化合物は、通常、医薬的に受容な
担体とともに製剤化して、ヒトを含む哺乳動物に経口
的、もしくは非経口的に投与し得る。
【0211】製剤の剤型としては、経口用製剤(例え
ば、粉末剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの固形製
剤、液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤)ならびに非経口用
製剤(例えば、坐剤、液剤や懸濁剤などの注射剤)の何
れかであってもよい。これらの製剤は、それ自体公知の
方法を用いて作ることができる。
【0212】固形製剤の場合、担体としては、例えば、
乳糖、粉糖、マンニトール、コーンスターチ、タルク、
結晶セルロース(アビセル等)、ステアリン酸マグネシ
ウム、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、L−システイン等の賦形剤;澱粉、アルファー化
澱粉、蔗糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロー
ル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、プルラン、デキストリン等の結合剤;カル
ボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウ
ム、カルメロースカルシウム等の崩壊剤;アルキル硫酸
ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体な
どの非イオン系界面活性剤等の界面活性剤;着色剤;矯
味剤;吸着剤;防腐剤;湿潤剤;帯電防止剤;崩壊延長
剤が挙げられる。また固形製剤は、粉末剤、錠剤、顆粒
剤等をコーティング剤でコーティングしたコーティング
製剤であってもよい。
【0213】尚、注射剤は、殺菌され、血液と等張であ
るのが好ましい。液剤や懸濁剤の場合、水、エチルアル
コール等の希釈剤、血液と等張とするための食塩、ブド
ウ糖やグリセリン等を含有していてもよく、この他、剤
型に応じて、溶解補助剤、緩衝剤、着色剤、香料、甘味
料、保存剤等を含有していてもよい。
【0214】本発明の化合物の投与量は、対象疾患の種
類、症状などにより差異はあるが、一般的に成人(体重
70kg)においては、経口投与の場合、一日につき約
0.01mg〜50mg、好ましくは0.1〜30m
g、より好ましくは0.5〜10mgである。本発明の
コリンエステラーゼ阻害剤は、通常、製剤中、前記化合
物(I)または(I')を0.01〜70重量%、好まし
くは1〜50重量%程度含む場合が多い。また、投与単
位形態における本発明の化合物(I)または(I')の含
有量は、対象疾患の種類、症状などにより変動するが、
通常、10〜1000mg程度である場合が多い。
【0215】
【実施例】以下において、実施例、参考例、製剤例およ
び実験例によりこの発明をより具体的にするが、この発
明はこれらに限定されるものではない。
【0216】実験例、参考例のカラムクロマトグラフィ
ーにおける溶出は、特記しない場合はTLC(Thin Lay
er Chromatography ,薄層クロマトグラフィー)による
観察下に行われた。TLC観察においては、TLCプレ
ートとしてメルク(Merck )社製の60F254 を、展開
溶媒としてカラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として
用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器を採用し
た。また、TLCプレート上のスポットに48%HBr
を噴霧し、加熱して加水分解した後にニンヒドリン(ni
nhydrin )試薬を噴霧し、再び加熱して赤〜赤紫色に変
わる現象も検出法として併用して目的物を含む溶出分画
を確認し、集めた。特記しない限りカラム用シリカゲル
はメルク社製のキーゼルゲル60(70〜230メッシ
ュ)を用いた。
【0217】なお、“常温”あるいは“室温”とあるの
は通常約5℃から40℃を意味し、常圧とあるのは、一
気圧近辺を意味する。また、特記しない限り%は重量百
分率を示す。
【0218】実施例1 3−(1−アセチルピペリジン−4−イル)−1−(4
−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−
ベンズオキサゼピン−7−イル)−1−プロパノン
【0219】
【化72】 1)2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオ
キサゼピン−5−オン1.5gのテトラヒドロフラン2
0ml溶液に水素化リチウムアルミニウム0.5gを少
しずつ加え、2時間加熱還流した。室温まで冷却後、水
1ml続いて10%水酸化ナトリウム水溶液0.8ml
を滴下し、室温で6時間撹拌した。生成した固体を濾去
した後、溶媒を減圧下に留去し、ジクロロメタン20m
lを加えた。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水
酢酸0.94mlを加え、室温で15分撹拌した後、溶
媒を減圧下に留去した。得られた油状物をカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン−酢酸エチル
=5:1(v/v))で精製して、4−アセチル−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピ
ン1.8gを無色油状物として得た。本化合物はさらに
精製することなく次の工程に使用した。
【0220】2)1)で得た油状物1.15gと3−
(1−アセチルピペリジン−4−イル)プロピオニルク
ロリド1.28gの1,2−ジクロロエタン溶液50m
lに塩化アルミニウム2.50gを少量ずつ加え、2時
間加熱還流した。反応物を氷水に注ぎ、ジクロロメタン
で抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を留去して得られる残渣を、クロマトグラフィー(展
開溶媒:酢酸エチル−メタノール=20:1(v/
v))により精製することにより、表題化合物1.6g
を粘稠な油状物として得た。
【0221】元素分析値 C21282 4 として 計算値: C,67.72; H,7.58; N,
7.52 実験値: C,67.68; H,7.61; N,
7.53 実施例2 3−(ピペリジン−4−イル)−1−(2,3,4,5
−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イ
ル)−1−プロパノン 2塩酸塩
【0222】
【化73】 実施例1で得た3−(1−アセチルピペリジン−4−イ
ル)−1−(4−アセチル−2,3,4,5−テトラヒ
ドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)−1−
プロパノン1.5gを濃塩酸30mlに溶解し、16時
間加熱還流した。減圧下に濃塩酸を留去して得られる残
渣にエタノールを加えた。生成した結晶を濾取し、エタ
ノールで洗浄後、減圧下に乾燥することにより表題化合
物1.4gを融点300℃以上の無色鱗片状晶として得
た。
【0223】 元素分析値 C17242 2 ・2HClとして 計算値: C,56.51; H,7.25; N,
7.75 実験値: C,56.29; H,7.33; N,
7.79 実施例3 (A)3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−
イル〕−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4
−ベンズオキサゼピン−7−イル)−1−プロパノン
2塩酸塩 (B)1−〔4−(フェニルメチル)−2,3,4,5
−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イ
ル〕−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−
イル〕−1−プロパノン 2塩酸塩
【0224】
【化74】 実施例2で得た化合物1.1gの水溶液10mlに10
%水酸化ナトリウム溶液を加えアルカリ性とし、ジクロ
ロメタンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を減圧下に留去して3−(ピペリジン−4−
イル)−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4
−ベンズオキサゼピン−7−イル)−1−プロパノン
(フリー塩基体)0.80gを無色油状物として得た。
得られた油状物0.80gと炭酸カリウム0.50gの
エタノール懸濁液30mlに、氷冷下、臭化ベンジル
0.45gのエタノール5ml溶液を滴下し、混合物を
氷冷下に2時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去して得ら
れる残渣に水を加え、生成物をジクロロメタンで抽出し
た。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧
下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−メタノール=5
0:1〜5:1(v/v))で精製した。最初に溶出さ
れた画分より表題化合物(B)のフリー塩基体0.35
gを無色油状物として得た。次に溶出された画分より表
題化合物(A)のフリー塩基体0.42gを融点108
−109℃の無色結晶として得た。
【0225】上記油状物((B)のフリー塩基体)に2
当量のメタノール性塩酸を加え、過剰のメタノールを留
去すると表題化合物(B)0.32gを融点201−2
05℃の無色結晶として得た。
【0226】 元素分析値 C31362 2 ・2HClとして 計算値: C,68.75; H,7.07; N,
5.17 実験値: C,68.66; H,7.21; N,
5.14 また、上記無色結晶((A)のフリー塩基体)に2当量
のメタノール性塩酸を加え、過剰のメタノールを留去
し、残留物をエーテルから結晶化して表題化合物(A)
0.41gを融点236−239℃の無色結晶性粉末と
して得た。
【0227】 元素分析値 C24302 2 ・2HClとして 計算値: C,63.86; H,7.14; N,
6.21 実験値: C,63.69; H,7.20; N,
6.09 実施例4 1−(4−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)−3−〔1−
(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕−1−プロ
パノン 塩酸塩
【0228】
【化75】 実施例3で得た化合物A,3−〔1−(フェニルメチ
ル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3,4,5−
テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イ
ル)−1−プロパノン(フリー塩基体),0.2gをジ
クロロメタン5mlに溶解し、無水酢酸60mgを加え
30分加熱還流した。反応液に水を加え、ジクロロメタ
ンで抽出し、5%水酸化ナトリウム水溶液、続いて水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下
留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(展開溶媒:酢酸エチル−メタノール=20:1
(v/v))で精製して、表題化合物のフリー塩基体
0.21gを無色油状物として得た。得られた油状物に
1当量のメタノール性塩酸を加え、メタノールを留去す
ると表題化合物0.19gが無色非晶状粉末として得ら
れた。
【0229】 元素分析値 C26322 3 ・HClとして 計算値: C,68.33; H,7.28; N,
6.13 実験値: C,68.06; H,7.27; N,
6.11 実施例5 1−〔4−(4−メトキシフェニルメチル)−2,3,
4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−
7−イル〕−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン
−4−イル〕−1−プロパノン 2塩酸塩
【0230】
【化76】 実施例3で得た化合物A,3−〔1−(フェニルメチ
ル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3,4,5−
テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イ
ル)−1−プロパノン(フリー塩基体),0.2gと4
−メトキシベンジルクロリド90mg,炭酸カリウム
0.1gおよびヨウ化カリウム0.11gのエタノール
懸濁液8mlを4時間加熱還流した。溶媒を減圧下に留
去して得られる残渣に水を加え、生成物をジクロロメタ
ンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル−メタ
ノール=20:1(v/v))で精製した表題化合物の
フリー塩基体0.22gを無色油状物として得た。得ら
れた油状物に2当量のメタノール性塩酸を加え、メタノ
ールを留去すると表題化合物0.21gが融点208−
211℃の無色粉末として得られた。
【0231】 元素分析値 C32382 3 ・2HClとして 計算値: C,67.24; H,7.05; N,
4.90 実験値: C,67.03; H,7.09; N,
4.91 実施例6 1−(4−ホルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−
1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)−3−〔4−
(フェニルメチル)ピペラジン−1−イル〕−1−プロ
パノン 2塩酸塩
【0232】
【化77】 参考例1で得た3−クロロ−1−(4−ホルミル−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピ
ン−7−イル)−1−プロパノン1.9gと1−(フェ
ニルメチル)ピペラジン1.25gおよび炭酸ナトリウ
ム1.28gのエタノール20ml溶液を室温で2時間
撹拌した。溶媒を留去した後水を加え、生成物をジクロ
ロメタンで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢
酸エチル−メタノール=10:1(v/v))で精製し
て表題化合物のフリー塩基体2.55gを無色油状物と
して得た。得られた油状物0.3gに2当量のメタノー
ル性塩酸を加えた後、メタノールを留去し、残渣をエー
テルから結晶化して表題化合物0.31gを融点181
−185℃の無色粉末として得た。
【0233】 元素分析値 C24293 3 ・2HClとして 計算値: C,60.00; H,6.50; N,
8.75 実験値: C,59.79; H,6.48; N,
8.71 実施例7 3−〔4−(フェニルメチル)ピペラジン−1−イル〕
−1−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベン
ズオキサゼピン−7−イル)−1−プロパノン3塩酸塩
【0234】
【化78】 実施例6で得た1−(4−ホルミル−2,3,4,5−
テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イ
ル)−3−〔4−(フェニルメチル)ピペラジン−1−
イル〕−1−プロパノン(フリー塩基体)1.3gをメ
タノール(24ml)−6規定塩酸(24ml)混合溶
液に溶かし、2時間加熱還流した。メタノールを減圧下
留去した後、水溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液で
弱塩基性(pH=約8)としジクロロメタンで抽出し
た。抽出液を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を減圧下留去して表題化合物のフリー塩基体1.1
gを融点88−90℃の無色結晶として得た。そのフリ
ー塩基体0.3gに3当量のメタノール性塩酸を加え、
メタノールを留去することにより表題化合物0.35g
が融点196−201℃の無色結晶として得られた。
【0235】 元素分析値 C23293 2 ・3HClとして 計算値: C,56.51; H,6.60; N,
8.60 実験値: C,56.22; H,6.65; N,
8.53 実施例8 実施例3で得た化合物A(フリー塩基体)および実施例
7で得た化合物を用いて、実施例4(方法A)あるいは
実施例5(方法B)と同様の操作を行うことにより表2
0に示す化合物を得た。
【0236】
【表20】 実施例9 実施例2で得た化合物(フリー塩基体)を用いて、実施
例5と同様の操作を行うことにより表21に示す化合物
を得た。
【0237】
【表21】 実施例10 1−(2,3−ジヒドロ−2−オキソベンズオキサゾー
ル−6−イル)−3−〔4−(フェニルメチル)ピペラ
ジン−1−イル〕−1−プロパノン
【0238】
【化79】 3−クロロ−1−(2,3−ジヒドロ−2−オキソベン
ズオキサゾール−6−イル)−1−プロパノン0.6g
と1−(フェニルメチル)ピペラジン0.47gを用い
て、実施例6と同様の操作を行うことにより、表題化合
物0.65gを融点300℃以上の無色結晶として得
た。
【0239】元素分析値 C21233 3 として 計算値: C,69.02; H,6.34; N,1
1.50 実験値: C,68.78; H,6.37; N,1
1.35 参考例1 3−クロロ−1−(4−ホルミル−2,3,4,5−テ
トラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)
−1−プロパノン
【0240】
【化80】 1)ギ酸15mlに無水酢酸5mlを滴下し、室温で2
0分撹拌した後、2,3,4,5−テトラヒドロ−1,
4−ベンズオキサゼピン2,2gのジクロロメタン溶液
10mlを滴下した。室温で30分撹拌した後氷水に注
ぎ、生成物をジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液続いて水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去して4−ホ
ルミル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベン
ズオキサゼピン2.6gを無水油状物として得た。本化
合物はさらに精製することなく次の反応に使用した。
【0241】2)4−ホルミル−2,3,4,5−テト
ラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン1.7gと3−
クロロプロピオニルクロリド1.28gの1,2−ジク
ロロエタン溶液20mlに塩化アルミニウム3.0gを
徐々に加え、6時間加熱還流した。反応液を氷水に注ぎ
生成物をジクロロメタンで抽出した。抽出液を水洗後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:酢酸エチル)で精製して表題化合物1.9
5gを無色油状物として得た。
【0242】元素分析値 C1314ClNO3 として 計算値: C,58.32; H,5.27; N,
5.23 実験値: C,58.41; H,5.28; N,
5.18 製剤例1 (1)3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3 ,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)− 1−プロパノン 2塩酸塩 (実施例3の化合物(A)) 1g (2)乳糖 197g (3)トウモロコシ澱粉 50g (4)ステアリン酸マグネシウム 2g 成分(1)1g,成分(2)197gおよび成分(3)
20gを混和し、15gの成分(3)と25mlの水か
ら作ったペーストとともに顆粒化し、これに成分(3)
15gと成分(4)2gを加え、混合物を圧縮錠剤機で
圧縮して、錠剤1錠当たり成分(1)0.5mgを含有
する直径3mmの錠剤2000個を製造した。
【0243】製剤例2 (1)3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕−1−(2,3 ,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンズオキサゼピン−7−イル)− 1−プロパノン 2塩酸塩 (実施例3の化合物(A)) 2g (2)乳糖 197g (3)トウモロコシ澱粉 50g (4)ステアリン酸マグネシウム 2g 成分(1)2g,成分(2)197gおよび成分(3)
20gを混和し、15gの成分(3)と25mlの水か
ら作ったペーストとともに顆粒化し、これに成分(3)
15gと成分(4)2gを加え、混合物を圧縮錠剤機で
圧縮して、錠剤1錠当たり成分(1)1.0mgを含有
する直径3mmの錠剤2000個を製造した。
【0244】〔実験例〕 実験例1 この発明化合物のコリンエステラーゼ阻害作用を(ac
etyl−〔 3H〕)−アセチルコリンを使用して検討
した。すなわち、基質として(acetyl−
3H〕)−アセチルコリンを、また被検体として本発
明化合物を、コリンエステラーゼ源としてのウィスター
系雄性ラツト大脳皮質ホモジネートのS1 画分に添加
し、30分間インキュベートの後に反応を止め、トルエ
ン系シンチレーターを加えて振盪し、反応により生成し
た〔 3H〕−酢酸をトルエン層に移行させて液体シンチ
レーションカウンターで計数することにより、コリンエ
ステラーゼ阻害活性を求めた。
【0245】被検化合物のコリンエステラーゼ阻害活性
は50%阻害濃度(IC50)で表わした。同じ方法によ
りフィゾスチグミンのコリンエステラーゼ阻害活性も測
定した。得られた結果を表22に示す。
【0246】
【表22】 表22より、本発明化合物は、フィゾスチグミンよりも
優れたアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有するこ
とがわかる。
【0247】実験例2 被検動物として5週齢のICR系雄性マウス(体重:2
3.5〜37.6g)を用い、尾懸垂試験によって本発
明化合物の抗うつ作用を検討した。被検化合物を生理食
塩水に溶解するか、あるいは、5%アラビアゴム水溶液
に懸濁し、30mg/kgの用量で被検マウスに経口投
与した。投与30分後にマウスの尾懸垂を10分間行
い、イモービリティ(immobility)を測定し
た。被検化合物の抗うつ作用は、イモービリティを%コ
ントロールで表した値で示した。同じ方法により、比較
対照化合物として、抗うつ作用を有することが知られて
いるデシプラミン(desipramine)のイモー
ビリティも測定した。得られた結果を表23に示す。
【0248】
【表23】 表23から明らかなように、本発明の化合物は、デシプ
ラミンよりも優れた抗うつ作用を有していることがわか
る。
【0249】
【発明の効果】本発明化合物は、優れたコリンエステラ
ーゼ阻害活性及び抗うつ作用を有しており、老年期痴呆
症治療・予防薬として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/505 A61K 31/505 31/535 31/535 31/54 31/54 31/55 31/55 A61P 25/28 A61P 25/28 43/00 111 43/00 111 C07D 241/42 C07D 241/42 243/10 243/10 243/12 243/12 245/06 245/06 265/16 265/16 265/36 265/36 267/06 267/06 267/14 267/14 267/22 267/22 273/01 273/01 273/06 273/06 279/08 279/08 279/16 279/16 281/10 281/10 413/06 413/06 413/14 413/14 (56)参考文献 特開 昭60−193975(JP,A) 特開 昭64−79151(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 263/00 - 263/56 A61K 31/39 - 31/55 A61P 1/00 - 43/00 C07D 241/00 - 241/42 C07D 243/00 - 243/12 C07D 245/00 - 245/06 C07D 265/00 - 265/16 C07D 267/00 - 267/22 C07D 273/00 - 273/06 C07D 279/00 - 279/16 C07D 281/00 - 281/10 C07D 413/00 - 413/14 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示し、B環は式【化2】 (式中、R6は、(1)水素原子、(2)C1-7アルキル
    基又はC7-10アラルキル基であって、C1-4アルキル
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルコキシ基又は
    ヒドロキシル基で置換されていてもよく、(3)ホルミ
    ル基、又は(4)C1-6アルキル−カルボニル基を示
    す)で表される非芳香族性複素環を示し、R1は水素原
    子または置換基を有していてもよい炭化水素基であっ
    て、nの繰り返しにおいて異なっていてもよく、Yは置
    換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよ
    い含窒素飽和複素環基を、nは2ないし10の整数を示
    す。〕で表わされる化合物またはその塩を含有すること
    を特徴とするコリンエステラーゼ阻害剤。
  2. 【請求項2】 老年期痴呆症治療・予防剤として用いら
    れる請求項1記載のコリンエステラーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 式 【化3】 〔式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示し、B’環は式 【化4】 (式中、R6は、(1)水素原子、(2)C1-7アルキル
    基又はC7-10アラルキル基であって、C1-4アルキル
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルコキシ基又は
    ヒドロキシル基で置換されていてもよく、(3)ホルミ
    ル基、又は(4)C1-6アルキル−カルボニル基を示
    す)で表される非芳香族性複素環を示し、R1は水素原
    子または置換基を有していてもよい炭化水素基であっ
    て、nの繰り返しにおいて異なっていてもよく、Yは置
    換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよ
    い含窒素飽和複素環基を、nは2ないし10の整数を示
    す。〕で表わされる化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】 A環が、無置換のベンゼン環である請求
    項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】 nが、2ないし6の整数である請求項3
    記載の化合物。
  6. 【請求項6】 R1が、水素原子である請求項3記載の
    化合物。
  7. 【請求項7】 Yが、(1)式 【化5】 [式中、R2’及びR3’の一方は直鎖又は分枝状のC
    1-7アルキル基、他方はC7-10アラルキル基を示す。]
    で表される基、又は、(2)炭素原子と1個の窒素原子
    以外に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる
    ヘテロ原子を1または2個有していてもよい5ないし9
    員の含窒素飽和複素環基であって、置換されていてもよ
    い複素環基である請求項3記載の化合物。
  8. 【請求項8】 5ないし9員の含窒素飽和複素環基が、
    式 【化6】 [式中、Q1環及びQ2環は、各々、炭素原子と1個の窒
    素原子以外に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選
    ばれるヘテロ原子を1または2個有していてもよい5な
    いし9員の含窒素複素環基を示す。]で表される基であ
    る請求項7記載の化合物。
  9. 【請求項9】 含窒素複素環基が、5ないし7員の複素
    環基である請求項8記載の化合物。
  10. 【請求項10】 複素環基が、結合手を有する原子以外
    に、環を構成する1個の窒素原子を有する請求項8記載
    の化合物。
  11. 【請求項11】 複素環基が、環を構成する窒素原子上
    に、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基又は
    置換基を有していてもよいアラルキル基で置換されてい
    てもよい複素環基である請求項10記載の化合物。
  12. 【請求項12】 複素環基が、環を構成する窒素原子上
    に、水素原子、ホルミル基、C1-6アルキル−カルボニ
    ル基又はC7-10アラルキル基で置換されていてもよい複
    素環基であって、前記C7-10アラルキル基が、C1-4
    ルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルコキシ
    基若しくはヒドロキシル基で置換されていてもよい請求
    項10記載の化合物。
  13. 【請求項13】 R1が、水素原子であり;A環が、無
    置換のベンゼン環であり;B’環が、式 【化7】 (式中、R6は、(1)水素原子、(2)C1-7アルキル
    基又はC7-10アラルキル基であって、C1-4アルキル
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、C1-4アルコキシ基又は
    ヒドロキシル基で置換されていてもよく、(3)ホルミ
    ル基、又は(4)C1-6アルキル−カルボニル基を示
    す)で表される非芳香族性複素環であり;Yが、炭素原
    子と1個の窒素原子以外に、窒素原子、酸素原子及び硫
    黄原子から選ばれた1または2個のヘテロ原子を有して
    いてもよい5ないし9員の含窒素飽和複素環基であっ
    て、置換基を有していてもよいアシル基又は置換基を有
    していてもよいアラルキル基で置換されていてもよく;
    nが、2ないし4の整数である請求項3記載の化合物。
  14. 【請求項14】 B’環におけるR6が、C1-4アルキル
    基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基若しくは
    1-4アルコキシ基で置換されていてもよいC7-10アラ
    ルキル基であり;Yにおける5ないし9員の含窒素飽和
    複素環基が、炭素原子と1個の窒素原子以外に、窒素、
    酸素及び硫黄原子から選ばれた1個のヘテロ原子を有し
    ていてもよく、Yに置換していてもよいアシル基又はア
    ラルキル基が、C1-4アルキル基、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、ヒドロキシル基又はC1-4アルコキシ基で置換さ
    れていてもよく;nが、2である請求項13記載の化合
    物。
  15. 【請求項15】 式 【化8】 〔式中、A環およびB’環は請求項3記載と同意義を示
    す。〕で表わされる化合物またはその塩と、式 【化9】 〔式中、R1、Yおよびnは請求項3記載と同意義を、
    1は脱離基を示す。〕で表わされる化合物またはその
    塩とを反応させることからなる請求項3記載の化合物の
    製造法。
  16. 【請求項16】 式 【化10】 〔式中、A環、B’環、R1およびnは請求項3記載と
    同意義を、Z2は脱離基を示す。〕で表わされる化合物
    またはその塩と、式 【化11】 〔式中、Z3はZ2と共に脱離し得る基を、R2およびR3
    は同一または異なって水素原子、置換基を有していても
    よい炭化水素基または置換基を有していてもよいアシル
    基を示し、R2とR3は結合して隣接する窒素原子と共に
    置換基を有していてもよい含窒素飽和複素環基を形成し
    てもよい。〕で表わされる化合物またはその塩とを反応
    させることからなる式 【化12】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合
    物又はその塩の製造法。
  17. 【請求項17】 脱離基Z 2 がハロゲン原子、C 1-6 アル
    キルスルホニルオキシ、又はC 6-10 アリールスルホニル
    オキシである請求項16記載の製造法。
  18. 【請求項18】 式 【化13】 〔式中、A環、B’環、R1およびnは請求項3記載と
    同意義を、Z2は脱離基を示す。〕で表される化合物ま
    たはその塩。
  19. 【請求項19】 脱離基Z 2 がハロゲン原子、C 1-6 アル
    キルスルホニルオキシ、又はC 6-10 アリールスルホニル
    オキシである請求項18記載の化合物またはその塩。
JP11914293A 1992-04-24 1993-04-21 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体 Expired - Fee Related JP3462234B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11914293A JP3462234B2 (ja) 1992-04-24 1993-04-21 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10678992 1992-04-24
JP4-106789 1992-04-24
JP20565092 1992-07-31
JP4-205650 1992-07-31
JP4-309872 1992-11-19
JP30987292 1992-11-19
JP11914293A JP3462234B2 (ja) 1992-04-24 1993-04-21 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06206875A JPH06206875A (ja) 1994-07-26
JP3462234B2 true JP3462234B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=27469467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11914293A Expired - Fee Related JP3462234B2 (ja) 1992-04-24 1993-04-21 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3462234B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1535682A (zh) 1998-09-30 2004-10-13 ����ҩƷ��ҵ��ʽ���� 改善膀胱排泄能力的药物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06206875A (ja) 1994-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2650537B2 (ja) 縮合複素環誘導体
US6534496B1 (en) Thermogenic composition and benzazepine thermogenics
EP0560235B1 (en) Condensed heterocyclic ketone derivatives, their production and use
HUT75878A (en) N-substituted azaheterocyclic carboxylic acids and esters thereof, pharmaceutical compositions containing them, process for their preparation and their use for treatment of neurogenic inflammations
DK169546B1 (da) 1,2,4-triazolonderivater, en fremgangsmåde til fremstilling deraf samt farmaceutiske præparater indeholdende derivaterne
US6319916B1 (en) Heterocyclic compounds, their production and use
EP0607864B1 (en) Tricyclic condensed heterocyclic compounds for the treatment of senile dementic
KR100603896B1 (ko) 테트라하이드로 감마-카르볼린
JPH09506083A (ja) フエニルインドール化合物
JP3462234B2 (ja) 異項環化合物、その製造法、用途および合成中間体
JP2871811B2 (ja) 縮合7員環系化合物
US5071845A (en) Benzoxazepine derivative
JP3286056B2 (ja) 三環式縮合複素環誘導体、その製造法および用途
JPS6124579A (ja) 置換されたフエノキシアルキルアミノプロパノール
JP3523887B2 (ja) 縮合複素環ケトン誘導体、その製造法、中間体および剤
JPH0684361B2 (ja) 1,5―ベンゾチアゼピン誘導体、その製法及びその合成中間体
WO1996030372A1 (fr) Derives diazabicyclo[3.3.1]nonane et leurs intermediaires, leur application therapeutique et procedes de production
JP3819759B2 (ja) 三環式縮合複素環誘導体、その製造法および用途
US4604388A (en) Fused aromatic oxazepinones, thiazepinones, diazepinones and sulfur analogs thereof in a method of counteracting histamine
JPH05239024A (ja) 縮合複素環カルボン酸誘導体、その製造法、中間体および剤
JPH11310532A (ja) 熱産生促進剤
JP2808629B2 (ja) 1,5―ベンゾチアゼピン―3―カルボン酸化合物
JP3113447B2 (ja) アミノカルボン酸誘導体、その製造方法および用途
JPH03223265A (ja) 環状ジアミン誘導体
JPH04210970A (ja) ベンズアミド誘導体及びその中間体

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030715

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees