JP3462049B2 - 車両用油圧作動式変速機の温度推定装置 - Google Patents

車両用油圧作動式変速機の温度推定装置

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JP3462049B2
JP3462049B2 JP24609997A JP24609997A JP3462049B2 JP 3462049 B2 JP3462049 B2 JP 3462049B2 JP 24609997 A JP24609997 A JP 24609997A JP 24609997 A JP24609997 A JP 24609997A JP 3462049 B2 JP3462049 B2 JP 3462049B2
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friction coupling
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芳郎 田代
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用油圧作動式
変速機の温度推定装置に関し、より詳しくは油圧回路と
油圧クラッチなどの摩擦連結要素により駆動トルクの伝
達を行う油圧作動式の自動変速機において、その摩擦連
結要素の温度を精度よく推定するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に車両用の自動変速機、特に油圧作
動式の自動変速機は作動油(以下「ATF」と言う)で
動作し、このATFの圧力を様々な目的に応じて調整す
ることで、変速ショックないしロックアップクラッチの
スリップなどの制御を行っている。しかしながら、AT
Fは温度により粘性が変化、即ち、粘性が低温時には高
くなり、高温時には低くなるため、油圧の昇圧特性や降
圧特性が変動し、制御が不安定となっていた。
【0003】このため、特開昭62−63248号記載
の技術のように、油圧制御回路中にソレノイドバルブを
設け、このソレノイドバルブをデューティ駆動して精度
良く油圧を制御するようにし、更に上記ATFの温度変
化による不具合を防止するために、油温センサを前記油
圧制御回路中に設け、検出したATF温度に応じてデュ
ーティ比を補正するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油温セ
ンサは高価であるため、一般には機関制御上必須のパラ
メータである機関冷却水温を利用して自動変速機の油圧
を制御している。その際、機関冷却水温の変化は、AT
F温度の変化に近いものの、走行状況によっては大きく
ずれる場合が生じるため、制御に用いる温度の区分を大
きめに設定することで対応しており、精緻な制御には使
用できないのが現状である。
【0005】そこで、本出願人は先に特願平7−687
56号において、高価な油温センサを用いることなく、
機関冷却水温などからATF温度を精度良く推定し、よ
ってそれに基づいて精緻な油圧制御を行うことを可能と
する技術を提案している。
【0006】しかしながら、先に提案した技術において
は、変速機全体における平均的なATF温度しか推定す
ることができず、変速時にクラッチに発生する大熱量に
起因して瞬間的に生じる温度上昇を推定することができ
ないため、クラッチ摩擦材の摩擦係数の温度特性が所期
のものと相違して変速ショックが大きくなったり、クラ
ッチの温度上昇によって耐久性が低下するなどの問題が
あった。
【0007】その問題を解決すべく、油温センサなどの
計測手段をクラッチに設けようとしても、クラッチ自体
が回転しているため、センサの出力信号を取り出すのに
スリップリング、ブラシなどの接触部品が必要となって
センサの構成が複雑になると共に、高い検出精度を期待
し得なかった。
【0008】従って、この発明の目的は上記した不都合
を解消することにあり、油温センサを用いることなく、
機関冷却水温から油圧クラッチなどの摩擦連結要素の温
度を精度良く推定し、よってそれに基づいて適宜な油圧
制御を行って予期しない変速ショックやクラッチの耐久
性低下を防止するようにした車両用油圧作動式変速機の
温度推定装置を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を解決する
ためにこの発明は請求項1項において、内燃機関との間
に流体継手を備えると共に、複数の摩擦連結要素を有
し、前記摩擦連結要素の連結状態を切り換えることによ
り変速を行う車両用油圧作動式変速機において、前記内
燃機関の機関冷却水の温度を検出する水温検出手段と、
前記流体継手の発熱量を算出する第1の発熱量算出手段
と、前記摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出する第
2の発熱量算出手段と、および少なくとも前記水温検出
手段の検出結果と前記第1、第2の発熱量算出手段の算
出結果から前記摩擦連結要素のそれぞれの温度を推定す
る推定手段とを備える如く構成した。
【0010】請求項2項にあっては、内燃機関との間に
流体継手を備えると共に、複数の摩擦連結要素を有し、
前記摩擦連結要素の連結状態を切り換えることにより変
速を行う車両用油圧作動式変速機において、前記内燃機
関の機関冷却水の温度を検出する水温検出手段と、前記
流体継手の発熱量を算出する第1の発熱量算出手段と、
変速時の前記摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出す
る第2の発熱量算出手段と、作動油の攪拌による発熱量
を算出する第3の発熱量算出手段と、作動油と熱交換を
行う媒体を有する熱交換装置を備え、前記媒体による発
熱量または放熱量を算出する第4の発熱量算出手段と、
および少なくとも前記水温検出手段の検出結果と前記第
1、第2、第3、第4の発熱量算出手段の算出結果から
前記摩擦連結要素のそれぞれの温度を推定する推定手段
とを備える如く構成した。
【0011】請求項3項にあっては、前記流体継手が流
体トルクコンバータであり、前記第1の発熱量算出手段
は、前記流体トルクコンバータの入力側の回転速度を検
出する入力回転速度検出手段と、前記流体トルクコンバ
ータの出力側の回転速度を検出する出力回転速度検出手
段とを備え、少なくとも検出された前記流体トルクコン
バータの入力側の回転速度と、前記流体トルクコンバー
タの出力側の回転速度と、前記流体トルクコンバータの
固有の効率と、および固有のポンプ吸収トルク係数とに
基づいて発熱量を算出する如く構成した。
【0012】請求項4項にあっては、前記第2の発熱量
算出手段は、アップシフト時においてのみ算出する如く
構成した。
【0013】請求項5項にあっては、前記第2の発熱量
算出手段は、変速の種類を判別する変速種類判別手段
と、および前記内燃機関の機関回転速度を検出する機関
回転速度検出手段とを備え、少なくとも判別された変速
の種類と前記検出された機関回転速度とに基づいて前記
摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出する如く構成し
た。
【0014】請求項6項にあっては、前記第3の発熱量
算出手段は、車速を検出する車速検出手段を備え、少な
くとも検出された車速に基づいて前記作動油の攪拌によ
る発熱量を算出する如く構成した。
【0015】請求項7項にあっては、前記第4の発熱量
算出手段は所定周期ごとに算出するものであると共に、
少なくとも前回推定された摩擦連結要素の温度と前記検
出された冷却水の温度との差に基づいて前記媒体による
発熱量または放熱量を算出する如く構成した。
【0016】請求項8項にあっては、更に、大気による
放熱量を算出する第5の放熱量算出手段を有し、前記第
5の放熱量算出手段は所定周期ごとに算出するものであ
ると共に、大気温を検出する大気温検出手段を備え、少
なくとも前回推定された摩擦連結要素の温度と検出され
た大気温との差に基づいて前記大気による放熱量を算出
し、前記推定手段は、前記水温検出手段の検出結果と前
記第1、第2、第3、第4の発熱量算出手段の算出結果
と前記第5の放熱量算出手段の算出結果から前記摩擦連
結要素のそれぞれの温度を推定する如く構成した。
【0017】請求項9項にあっては、前記第5の放熱量
算出手段は大気温を検出する大気温検出手段と共に車速
を検出する車速検出手段を備え、少なくとも前回推定さ
れた摩擦連結要素の温度と検出された大気温との差およ
び検出された車速に基づいて前記大気による放熱量を算
出する如く構成した。
【0018】
【作用】請求項1項に係る車両用油圧作動式変速機の温
度推定装置においては、内燃機関の始動時の機関冷却水
の温度を検出し、流体継手の発熱量を算出すると共に、
摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出し、少なくとも
それら検出結果と算出結果から前記摩擦連結要素のそれ
ぞれの温度を推定する如く構成したので、油温センサを
用いることなく、摩擦連結要素の温度を精度良く推定す
ることができ、よってそれに基づいて適宜な油圧制御を
行って予期しない変速ショックやクラッチの耐久性低下
を防止することができる。尚、ここで摩擦連結要素の温
度は、具体的にはその中の作動油またはクラッチ摩擦材
のディスク・プレートの温度を意味する(後者について
は温度によって摩擦係数が相違する場合があるためであ
る)。また「摩擦連結要素」とはクラッチ、ブレーキな
どを意味する。
【0019】請求項2項においては、内燃機関の機関冷
却水の温度を検出し、流体継手の発熱量を算出し、変速
時の前記摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出し、作
動油の攪拌による発熱量を算出すると共に、作動油と熱
交換を行う媒体による発熱量または放熱量を算出し、少
なくともそれら検出結果と算出結果から前記摩擦連結要
素のそれぞれの温度を推定する如く構成したので、油温
センサを用いることなく、摩擦連結要素の温度を一層精
度良く推定でき、よってそれに基づいて適宜な油圧制御
を行って予期しない変速ショックやクラッチの耐久性低
下を防止することができる。
【0020】請求項3項においては、流体継手が流体ト
ルクコンバータであり、第1の発熱量算出手段は、流体
トルクコンバータの入力側の回転速度を検出する入力回
転速度検出手段と、流体トルクコンバータの出力側の回
転速度を検出する出力回転速度検出手段とを備え、少な
くとも検出された流体トルクコンバータの入力側の回転
速度と、流体トルクコンバータの出力側の回転速度と、
流体トルクコンバータの固有の効率と、および固有のポ
ンプ吸収トルク係数とに基づいて発熱量を算出する如く
構成したので、正確に流体トルクコンバータの発熱量を
求めることができて摩擦連結要素の温度を一層精度良く
推定でき、よってそれに基づいて適宜な油圧制御を行っ
て予期しない変速ショックやクラッチの耐久性低下を防
止することができる。
【0021】請求項4項にあっては、第2の発熱量算出
手段は、アップシフト時においてのみ算出する如く構成
したので、正確に摩擦連結要素の発熱量を求めることが
できて摩擦連結要素の温度を一層精度良く推定でき、よ
ってそれに基づいて適宜な油圧制御を行って予期しない
変速ショックやクラッチの耐久性低下を防止することが
でき、構成としても簡易となる。
【0022】請求項5項にあっては、変速の種類を判別
し、少なくとも判別された変速の種類と検出された機関
回転速度とに基づいて前記摩擦連結要素のそれぞれの
熱量を算出する如く構成したので、簡易な構成でありな
がら、正確に摩擦連結要素の発熱量を求めることができ
て摩擦連結要素の温度を一層精度良く推定でき、よって
それに基づいて適宜な油圧制御を行って予期しない変速
ショックやクラッチの耐久性低下を防止することができ
る。
【0023】請求項6項にあっては少なくとも検出され
た車速に基づいて作動油の攪拌による発熱量を算出する
如く構成したので、簡易な構成でありながら、正確に作
動油の攪拌による発熱量を求めることができて摩擦連結
要素の温度を一層精度良く推定でき、よってそれに基づ
いて適宜な油圧制御を行って予期しない変速ショックや
クラッチの耐久性低下を防止することができる。
【0024】請求項7項にあっては、少なくとも前回推
定された摩擦連結要素の温度と検出された冷却水の温度
との差に基づいて媒体による発熱量または放熱量を算出
する如く構成したので、簡易な構成でありながら、正確
に前記媒体による発熱量を求めることができて摩擦連結
要素の温度を一層精度良く推定でき、よってそれに基づ
いて適宜な油圧制御を行って予期しない変速ショックや
クラッチの耐久性低下を防止することができる。
【0025】請求項8項にあっては、更に、大気による
放熱量を算出する第5の放熱量算出手段を有し、第5の
放熱量算出手段は所定周期ごとに算出するものであると
共に、大気温を検出する大気温検出手段を備え、少なく
とも前回推定された摩擦連結要素の温度と検出された大
気温との差に基づいて大気による放熱量を算出し、前記
推定手段は、前記検出結果と算出結果と前記第5の放熱
量算出手段の算出結果から前記摩擦連結要素のそれぞれ
温度を推定する如く構成したので、正確に大気による
発熱量を求めることができて摩擦連結要素の温度を一層
精度良く推定でき、よってそれに基づいて適宜な油圧制
御を行って予期しない変速ショックやクラッチの耐久性
低下を防止することができると共に、構成としても一層
簡易となる。
【0026】請求項9項にあっては、前記第5の放熱量
算出手段は大気温を検出する大気温検出手段と共に車速
を検出する車速検出手段を備え、少なくとも前回推定さ
れた摩擦連結要素の温度と検出された大気温との差およ
び検出された車速に基づいて大気による放熱量を算出す
る如く構成したので、一層正確に大気による発熱量を求
めることができて摩擦連結要素の温度を一層精度良く推
定でき、よってそれに基づいて適宜な油圧制御を行って
予期しない変速ショックやクラッチの耐久性低下を防止
することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の実施の形態を説明する。
【0028】図1はこの発明にかかる車両用油圧作動式
変速機の温度推定装置を全体的に示す概略図である。
【0029】図1に示すように、車両用の油圧作動式の
自動変速機Tは、内燃機関Eのクランクシャフト1にロ
ックアップ機構を有するトルクコンバータ(前記した
「流体継手ないし流体トルクコンバータ」に相当する)
2を介して接続されたメインシャフトMSと、このメイ
ンシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウ
ンタシャフトCSとを備える。
【0030】メインシャフトMSには、メイン1速ギヤ
3、メイン2速ギヤ4、メイン3速ギヤ5、メイン4速
ギヤ6、およびメインリバースギヤ7が支持される。ま
た、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ3に噛
合するカウンタ1速ギヤ8、メイン2速ギヤ4と噛合す
るカウンタ2速ギヤ9、メイン3速ギヤ5に噛合するカ
ウンタ3速ギヤ10、メイン4速ギヤ6に噛合するカウ
ンタ4速ギヤ11、およびメインリバースギヤ7にリバ
ースアイドルギヤ13を介して接続されるカウンタリバ
ースギヤ12が支持される。
【0031】上記において、メインシャフトMSに相対
回転自在に支持されたメイン1速ギヤ3を1速用油圧ク
ラッチC1でメインシャフトMSに結合すると、1速変
速段が確立する。1速用油圧クラッチC1は、2速〜4
速変速段の確立時にも連結状態に保持されるため、カウ
ンタ1速ギヤ8は、ワンウェイクラッチCOWを介して
支持される。
【0032】メインシャフトMSに相対回転自在に支持
されたメイン2速ギヤ4を2速用油圧クラッチC2でメ
インシャフトMSに結合すると、2速変速段が確立す
る。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持された
カウンタ3速ギヤ10を3速用油圧クラッチC3でカウ
ンタシャフトCSに結合すると、3速変速段が確立す
る。
【0033】カウンタシャフトCSに相対回転自在に支
持されたカウンタ4速ギヤ11をセレクタギヤSGでカ
ウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフト
MSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ6を4
速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトM
Sに結合すると、4速変速段が確立する。
【0034】カウンタシャフトCSに相対回転自在に支
持されたカウンタリバースギヤ12をセレクタギヤSG
でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャ
フトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギ
ヤ7を前記4速−リバース用油圧クラッチC4Rでメイ
ンシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立する。
上記において、クラッチC1,C2,C3,C4Rが、
前記した摩擦連結要素に相当する。かかるクラッチの連
結・開放を制御し、それの連結状態を切り換えることに
より変速を行う。
【0035】そして、カウンタシャフトCSの回転は、
ファイナルドライブギヤ14およびフィイナルドリブン
ギヤ15を介してディファレンシャルDに伝達され、そ
れから左右のドライブシャフト16,16を介して駆動
輪W,Wに伝達される。
【0036】更に、前記内燃機関Eを搭載する車両(図
示せず)の前方にはラジエータ20が配置されると共
に、該ラジエータ20と内燃機関Eとの間には機関冷却
水を循環させる冷却水通路22が設けられる。同様に、
該ラジエータ20と油圧(制御)回路Oとの間にもAT
Fを循環させるATF通路24が設けられる。尚、AT
F通路24は、ラジエータ20の内部においてATFク
ーラ26として構成されており、機関冷却水温との間で
熱交換が行われる。上記で機関冷却水が前記した「作動
油と熱交換を行う媒体」に、ATFクーラ26が「作動
油と熱交換を行う媒体を有する熱交換装置」に相当す
る。
【0037】ここで、内燃機関Eの吸気路(図示せず)
に配置されたスロットル弁(図示せず)の付近には、そ
の開度θTHを検出するスロットル開度センサS1が設け
られる。またファイナルドリブンギヤ15の付近には、
ファイナルドリブンギヤ15の回転速度から車速Vを検
出する車速センサS2(前記した「車速検出手段」に相
当する)が設けられる。
【0038】また、メインシャフトMSの付近にはその
回転を通じて変速機の入力軸回転速度NM を検出する入
力軸回転速度センサS3(前記した「流体トルクコンバ
ータの出力側の回転速度を検出する出力回転速度検出手
段」に相当する)が設けられると共に、カウンタシャフ
トCSの付近にはその回転を通じて変速機の出力軸回転
速度Nc を検出する出力軸回転速度センサS4が設けら
れる。
【0039】更に、車両運転席床面に装着されたシフト
レバー(図示せず)の付近には、P,R,N,D4,D
3,2,1の7種のポジションの中、運転者が選択した
ポジションを検出するシフトレバーポジションセンサS
5が設けられる。また、内燃機関Eのクランクシャフト
1の付近にはその回転を通じて機関回転数Neを検出す
る回転速度センサS6(前記した「内燃機関の機関回転
速度を検出する機関回転速度検出手段」に相当する)が
設けられる。また前記した冷却水通路22の適宜位置に
は機関冷却水温の温度を検出する水温センサS7(前記
した「水温検出手段」に相当する)が設けられると共
に、車両の適宜位置には車外の大気温を検出する大気温
センサS8(前記した「大気温検出手段」に相当する)
が設けられる。
【0040】また、トルクコンバータ2の付近にはその
ポンプの回転速度を検出するトルクコンバータ入力回転
速度センサS9(前記した「流体トルクコンバータの入
力側の回転速度を検出する入力回転速度検出手段」に相
当する)が設けられる。尚、この実施の形態では回転速
度センサS6とトルクコンバータ入力回転速度センサS
9が設けられるが、機関クランクシャフト1とトルクコ
ンバータ2の入力軸が直結されている場合には、一方の
センサで他方を代用することができる。
【0041】これらセンサS1などの出力は、ECU
(電子制御ユニット)に送られる。
【0042】ECUはCPU30、ROM31、RAM
32、入力回路33および出力回路34からなるマイク
ロ・コンピュータから構成され、前記したセンサS1な
どの出力は、入力回路33を介してマイクロ・コンピュ
ータ内に入力される。RAM32には機関停止時にも記
憶内容を保持するバックアップ部が設けられる。
【0043】マイクロ・コンピュータにおいてCPU3
0はシフト位置(変速段)を決定し、出力回路34を通
じて油圧制御回路OのシフトソレノイドSL1,SL2
を励磁・非励磁することによって図示しないシフトバル
ブを切り替え、所定の変速段の油圧クラッチを解放・連
結すると共に、制御ソレノイドSL3,SL4を通じて
トルクコンバータ2のロックアップ機構の動作を制御
し、更にリニアソレノイドSL5を通じてクラッチ油圧
を制御する。また、マイクロ・コンピュータにおいてC
PU30は後述の如く、油圧クラッチの温度を推定す
る。
【0044】図2は、この発明に係る装置の動作である
油圧クラッチCnの温度の推定動作を示すメイン・フロ
ー・チャートであるが、同図の説明に入る前に、ここで
図示の推定手法を概説する。
【0045】尚、油圧クラッチCnの温度(以下『Tcl
(No)』という)は、実質的にはその中のATFの温度
(以下『TATF 』という)を推定することで行う。ま
た、クラッチ温度は各油圧クラッチごとに推定する。具
体的には、Tcl(No)の『No』は1速用から4速用までの
油圧クラッチC1,C2,C3,C4Rを示す。但し、
1速用クラッチC1はワンウェイクラッチであるため、
発熱しない。
【0046】最初に述べた如く、ATF温度TATF と機
関冷却水温Tw の変化は、近似するとは言え、走行状況
によっては大きくずれる場合が生じる。従って、この推
定動作においては、ATF温度TATF の推定値は機関始
動時の冷却水温から出発すると共に、トルクコンバータ
の状態、変速の種類(即ち、変速比の差、つまり摩擦に
よる発熱量の差)、車速(攪拌による昇温、空冷による
降下)、ラジエータの状態(ラジエータ中での機関冷却
水との熱交換)などを考慮し、単位時間当たりの発熱に
よる温度上昇と放熱による温度降下とを定量的に推定し
てその合算値を求め、それを油圧クラッチCn内のAT
F温度TATF 、即ち、各油圧クラッチの温度Tcl(No)と
推定するようにした。
【0047】具体的には、1秒間当たりの、トルクコン
バータによる発熱量、クラッチ(摩擦連結要素)による
発熱量、攪拌による発熱量、ラジエータによる発熱量
(ないし放熱量)および大気による放熱量とを求め、そ
れらの合算値に基づいてATF温度TATF を推定するよ
うにした。より具体的には、機関始動時の冷却水温に上
記合算値を1秒ごとに加算して現在のクラッチ内のAT
F温度TATF(n)(n:時刻。具体的には図2フロー・チ
ャートに示されるプログラムの起動時刻)を求め、それ
をクラッチ温度Tcl(No)と推定するようにした。
【0048】上記で、大気による場合は冷却方向の値で
あることから負の値とし、ラジエータでの値は熱交換に
より加熱ないし冷却の両方向の値を取り得ることから状
況によって正負の値(昇温方向は正、降温方向は負)と
する。残余の場合には加熱方向のみの値であることから
全て正の値とする。
【0049】以下、図2フロー・チャートを参照して説
明する。尚、図示のプログラムは、1秒(sec )ごとに
起動される。
【0050】先ず、S10で機関回転数Ne、冷却水温
Tw などのパラメータを読み込み、S12に進んで機関
始動時か否か判断する。そしてS12で肯定されるとき
はS14に進み、機関停止によって冷却水温Tw とAT
F温度TATF 、具体的にはクラッチ内のATF温度TAT
F 、より具体的にはクラッチ温度Tcl(No)とがほぼ同じ
値になっていると推定されるので、検出した冷却水温T
w をクラッチ温度の前回値Tcl(No)(n-1) とする。
【0051】尚、図2に図示するプログラムは機関始動
に伴って起動され、以後は所定周期ごとに繰り返される
が、S12で否定されたとき、何等かの理由でクラッチ
温度Tcl(No)の前回値がない場合には、適宜な値を設定
する。
【0052】続いてS16に進んで前記したトルクコン
バータによる発熱量ΔTtrを求める。
【0053】一般に、温度T〔K〕にある質量m〔g〕
の物質の温度をΔT〔K〕だけ上昇させるのに要する熱
量をΔQ〔J〕とすると、温度Tでの比熱は、ΔTを限
りなく0に近づけたときのΔQ/mΔTで与えられ、比
熱は、比熱の温度依存性が十分に緩やかな場合、質量1
gの物質の温度を1Kだけ上昇させるのに必要な熱量と
定義される。
【0054】トルクコンバータの発熱量に関しては、ト
ルクコンバータの入力エネルギと出力エネルギとの差
が、トルクコンバータが吸収したエネルギ、つまり流体
摩擦などにより発熱し、熱エネルギとなって油温の上昇
を招いたものと考えれば、トルクコンバータによる単位
時間当たりの温度上昇(発熱量)は、トルクコンバータ
の吸収エネルギと比熱、即ちATFの比熱およびトルク
コンバータを形成する鉄やアルミニウムなどの金属の比
熱とから、求めることができる。
【0055】上記から、トルクコンバータの発熱量ΔT
trはより具体的には、数1に示すように求める。
【0056】
【数1】
【0057】尚、数1でNIN(入力回転)は前記したト
ルクコンバータ入力回転速度センサS9の出力値から求
める(但し、既述した如く、回転速度センサS6が検出
した機関回転数Neを代用しても良い)。τはポンプ吸
収トルク係数を示す。ηは流体トルクコンバータ固有の
特性(前記した「流体トルクコンバータ固有の効率」に
相当する)を示し、入力回転速度とは無関係に、入出力
回転速度比eに応じた値となるので、入出力回転速度比
eに応じて検索できるように予めマップ化しておいても
良い。
【0058】図2フロー・チャートにおいては続いてS
18に進んで油圧クラッチCnによる発熱量(温度変化
量)ΔTcl(No)を算出する。
【0059】クラッチによる発熱量ΔTcl(No)は、クラ
ッチ入出力回転速度の差(相対回転)とクラッチ伝達ト
ルクの積に比例する値と考えられることから、数2のよ
うに算出する。
【0060】
【数2】
【0061】尚、数2で1/2を乗じるのは、変速が進
むにつれて相対回転は零となるため、変速変化率が一定
とすると、単位時間当たりの発熱量は、算出値(相対回
転×クラッチ伝達トルク)に1/2を乗じることで概算
できるからである。また、NINは前述の如くトルクコン
バータ入力回転速度センサS9の出力(あるいは回転速
度センサS6の出力)に、NOUT はメインシャフト回転
速度NM に基づいて求める。
【0062】更に、 (NIN−NOUT)やAはシフトの種類
と機関回転数に応じて決まるため、その他の係数をまと
めて、実施の形態では簡略化を意図して数3に示すよう
に算出する。
【0063】
【数3】
【0064】ここで、Aはクラッチ余裕率を示す。これ
は発明者達が造語したパラメータで、回転の吹き上がり
に対するタフネスを示す値であり、クラッチの連結の強
さを意味する。具体的には、機関出力に対するクラッチ
容量の比、即ち、 (連結側クラッチトルク伝達容量+開放側クラッチトル
ク伝達容量)/入力トルク で求める。尚、これについては本出願人が先に提案した
特開平8−121583号に詳しい。
【0065】図3はそのクラッチによる発熱量ΔTcl(N
o)を算出するサブルーチン・フロー・チャートであり、
以下説明すると、先ずS100で選択されているポジシ
ョンがR(リバース走行)ないしN(ニュートラル)か
否か判断し、否定されるときはS102に進んで変速か
否か、より詳しくはアップシフト発生か否か判断する。
そして肯定されたときはS104に進んで図示の如くク
ラッチでの発熱量ΔTcl(No)を算出する。
【0066】図示の如く、発熱量はクラッチごとに別々
に算出する。詳しくは、1速から2速にアップシフトす
るときの値を2速用クラッチC2の発熱量ΔTcl(2)
(n)、2速から3速用にアップシフトするときの値を3
速用クラッチC3の発熱量ΔTcl(3)(n)、3速から4速
にアップシフトするときの値を4速−リバース用クラッ
チC4Rの発熱量ΔTcl(4)(n)とする。尚、1速用クラ
ッチC1は前記の如く発熱しないため、その発熱量ΔT
cl(1)(n)は零とする。
【0067】また、それに伴ってクラッチ容量などから
算出されるクラッチ余裕率AもA2,A3,A4と異な
った値をとる。変速比によって摩擦量、即ち、発熱量が
異なるが、シフト位置に応じてクラッチ余裕率を算出す
ることによって発熱量を良く推定することができる。
【0068】他方、図3のS102でアップシフト発生
ではないと判断されるときはS106に進み、発熱量Δ
Tcl(No)(n) は全て零とする。これは、ダウンシフトで
は一般に共噛みを制御し、機関回転数を上昇させて相対
回転差が減少した上でシフトするため、摩擦による発熱
量は少なく、それに対してアップシフトにおいてはそれ
が困難なため、つまりクラッチの摩擦により相対回転差
の大部分を吸収しなくてはならず、よって発熱量が大き
くなるからである。従って、アップシフト発生時のみ、
発熱量を算出するようにした。
【0069】尚、S100で肯定されるときも発熱量を
算出しないのは、ポジションNにあってはクラッチが動
作せず、ポジションRにあっては、変速が行われないた
めである。
【0070】図2フロー・チャートに戻ると、続いてS
20に進んで攪拌による発熱量ΔTstを算出する。
【0071】この攪拌による発熱量ΔTstは、ギヤによ
りATFが攪拌される、即ち、攪拌抵抗による発熱量で
あることから、数4に示す如く算出する。
【0072】
【数4】
【0073】即ち、変速機ケース内にはATFが貯留さ
れており、これが車両の走行に伴うファイナルドライブ
ギヤ14、ファイナルドリブンギヤ15、カウンタシャ
フトCS上のギヤなどの種々のギヤの回転により攪拌さ
れるが、これらの回転速度Nc は車速Vに比例するた
め、車速の自乗値に係数Bを乗じて求めるようにした。
ここで、係数Bは実験により適宜求める値である。尚、
カウンタシャフト回転速度Nc を用いても良いことは言
うまでもない。
【0074】次いでS22に進んでラジエータによる発
熱量(または放熱量)ΔTraを算出する。
【0075】図1に関して前述したように、ラジエータ
20においてはATFと機関冷却水との間で熱交換が行
われる。そこで、ATF温度に対するラジエータでの発
熱量(放熱量)ΔTraは、数5のように算出する。
【0076】
【数5】
【0077】即ち、冷却水温Tw からATF温度、より
具体的には油圧クラッチ内のATF温度、即ち、Tcl(N
o)(n-1) (前回算出値)を減算した差に係数Cを乗じて
求める。その結果、算出値は冷却水温Tw の方が高いと
き正値(発熱量)となると共に、冷却水温Tw の方が低
いとき負値(放熱量)となる。尚、数5において係数C
は、実験的に求められる係数である。
【0078】次いでS24に進んで大気による放熱量Δ
Ttaを算出する。
【0079】大気はATFを冷却するように作用するこ
とから、前に述べたように、大気による場合は発熱量で
はなく、放熱量として捉える。その大気による冷却(放
熱)は風速、即ち車速に比例すると共に、変速機温度
(ATF温度にほぼ等価)と大気の差に依存すると考え
られる。そこで、大気による放熱量ΔTtaは、数6のよ
うに算出する。
【0080】
【数6】
【0081】即ち、単位時間当たりのATF温度TATF
、より具体的には油圧クラッチ内のATF温度、即
ち、Tcl(No)の変化量は、大気温Tair とATF温度T
ATF 、より具体的には油圧クラッチ内のATF温度の前
回値、即ち、Tcl(No)(n-1) との差に比例すると考えら
れることから、数6の如く算出するようにした。またD
は、適宜設定される係数である。
【0082】図2フロー・チャートにおいては次いでS
26に進んで上記の如く算出した値を合計し、クラッチ
温度の前回値Tcl(No)(n-1) に加算し、クラッチ温度の
今回値Tcl(No)(n) を算出する。既述の如く、ラジエー
タによる算出値ΔTraは正負両様の値をとると共に、大
気による算出値ΔTtaは常に負値となる。
【0083】次いで、S28に進み、次回算出用に今回
算出した値Tcl(No)(n) を前回値Tcl(No)(n-1) と置き
換えてプログラムを終了する。従って、次回以降のプロ
グラム起動時にS12で機関始動時ではないと判断され
てS14をジャンプするときは、S28で書き替えられ
た値が前回値として用いられる。尚、機関が停止される
ときはS28で置き換えられた値はRAM32のバック
アップ部に格納される。
【0084】尚、上記の構成において請求項との対応を
示すと、水温センサS7が「水温検出手段」に、S16
が「第1の発熱量算出手段」に、S18およびS100
からS106が「第2の発熱量算出手段」に、S20が
「第3の発熱量算出手段」に、S22が「第4の発熱量
算出手段」に、S24が「第5の放熱量算出手段」に、
S26が「推定手段」、トルクコンバータ入力回転速度
センサS9が「入力回転速度検出手段」に、入力軸回転
速度センサS3が「出力回転速度検出手段」に、S10
2,S104が「変速種類判別手段」に、回転速度セン
サS6が「機関回転速度検出手段」に、車速センサS2
が「車速検出手段」に、大気温センサS8が「大気温検
出手段」に相当する。
【0085】この実施の形態は上記の如く構成したこと
から、油温センサを用いることなく、油圧クラッチ(摩
擦連結要素)の温度を精度良く推定することができ、よ
ってそれに基づいて適宜な油圧制御を行って予期しない
変速ショックやクラッチの耐久性低下を防止することが
できる。また、構成としても簡易である。
【0086】尚、この実施の形態においては図2のS1
6ないしS24に示す如く、種々の発熱量および放熱量
を求めて油圧クラッチ(摩擦連結要素)の温度を推定し
たが、S16ないしS24に示す全てを算出することは
必ずしも必要ではなく、その一部、例えばS16および
S18に示す値のみを算出して油圧クラッチの温度を推
定しても良い。請求項1項および2項で「少なくとも」
とも記載したのはその意味である。
【0087】また、上記において、S12で機関始動と
判断される場合はS14で冷却水温をクラッチ温度(の
前回値)とするようにしたが、機関停止時にその直前に
推定されたクラッチ温度がバックアップ部に格納される
ことから、機関停止までの時間を測定しておき、S12
で機関始動と判断されるとき測定時間が比較的短い場合
はバックアップ値をクラッチ温度(の前回値)としても
良い。
【0088】尚、上記において摩擦連結要素の例として
クラッチのみ用いる例を示したが、クラッチとブレーキ
とを用いるものであっても良い。
【0089】
【発明の効果】油温センサを用いることなく、摩擦連結
要素の温度を精度良く推定することができ、よってそれ
に基づいて適宜な油圧制御を行って予期しない変速ショ
ックやクラッチの耐久性低下を防止することができる。
また、構成としても簡易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用油圧作動式変速機の温度
推定装置を全体的に示す説明図である。
【図2】図1装置の動作を示すメイン・フロー・チャー
トである。
【図3】図2フロー・チャートのクラッチ発熱量の算出
作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【符号の説明】
E 内燃機関 T 自動変速機 C1,C2,C3,C4R クラッチ(摩擦連結要素) 2 トルクコンバータ(流体トルクコンバータ) 20 ラジエータ 26 ATFクーラ(熱交換装置)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:64 F16H 59:64 59:72 59:72 59:78 59:78 63:12 63:12 (72)発明者 時田 要 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平8−177599(JP,A) 特開 平8−233080(JP,A) 特開 平8−42660(JP,A) 特開 昭57−140924(JP,A) 米国特許5319963(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関との間に流体継手を備えると共
    に、複数の摩擦連結要素を有し、前記摩擦連結要素の連
    結状態を切り換えることにより変速を行う車両用油圧作
    動式変速機において、 a.前記内燃機関の機関冷却水の温度を検出する水温検
    出手段と、 b.前記流体継手の発熱量を算出する第1の発熱量算出
    手段と、 c.前記摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算出する第
    2の発熱量算出手段と、および d.少なくとも前記水温検出手段の検出結果と前記第
    1、第2の発熱量算出手段の算出結果から前記摩擦連結
    要素のそれぞれの温度を推定する推定手段と、を備えた
    ことを特徴とする車両用油圧作動式変速機の温度推定装
    置。
  2. 【請求項2】 内燃機関との間に流体継手を備えると共
    に、複数の摩擦連結要素を有し、前記摩擦連結要素の連
    結状態を切り換えることにより変速を行う車両用油圧作
    動式変速機において、 a.前記内燃機関の機関冷却水の温度を検出する水温検
    出手段と、 b.前記流体継手の発熱量を算出する第1の発熱量算出
    手段と、 c.変速時の前記摩擦連結要素のそれぞれの発熱量を算
    出する第2の発熱量算出手段と、 d.作動油の攪拌による発熱量を算出する第3の発熱量
    算出手段と、 e.作動油と熱交換を行う媒体を有する熱交換装置を備
    え、前記媒体による発熱量または放熱量を算出する第4
    の発熱量算出手段と、 および f.少なくとも前記水温検出手段の検出結果と前記第
    1、第2、第3、第4の発熱量算出手段の算出結果から
    前記摩擦連結要素のそれぞれの温度を推定する推定手段
    と、 を備えたことを特徴とする車両用油圧作動式変速機の温
    度推定装置。
  3. 【請求項3】 前記流体継手が流体トルクコンバータで
    あり、前記第1の発熱量算出手段は、前記流体トルクコ
    ンバータの入力側の回転速度を検出する入力回転速度検
    出手段と、前記流体トルクコンバータの出力側の回転速
    度を検出する出力回転速度検出手段とを備え、少なくと
    も検出された前記流体トルクコンバータの入力側の回転
    速度と、前記流体トルクコンバータの出力側の回転速度
    と、前記流体トルクコンバータの固有の効率と、および
    固有のポンプ吸収トルク係数とに基づいて発熱量を算出
    することを特徴とする請求項1項または2項記載の車両
    用油圧作動式変速機の温度推定装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の発熱量算出手段は、アップシ
    フト時においてのみ算出することを特徴とする請求項1
    項または2項記載の車両用油圧作動式変速機の温度推定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の発熱量算出手段は、変速の種
    類を判別する変速種類判別手段と、および前記内燃機関
    の機関回転速度を検出する機関回転速度検出手段とを備
    え、少なくとも判別された変速の種類と前記検出された
    機関回転速度とに基づいて前記摩擦連結要素のそれぞれ
    発熱量を算出することを特徴とする請求項1項または
    2項記載の車両用油圧作動式変速機の温度推定装置。
  6. 【請求項6】 前記第3の発熱量算出手段は、車速を検
    出する車速検出手段を備え、少なくとも検出された車速
    に基づいて前記作動油の攪拌による発熱量を算出するこ
    とを特徴とする請求項2項記載の車両用油圧作動式変速
    機の温度推定装置。
  7. 【請求項7】 前記第4の発熱量算出手段は所定周期ご
    とに算出するものであると共に、少なくとも前回推定さ
    れた摩擦連結要素の温度と前記検出された冷却水の温度
    との差に基づいて前記媒体による発熱量または放熱量を
    算出することを特徴とする請求項2項記載の車両用油圧
    作動式変速機の温度推定装置。
  8. 【請求項8】 更に、大気による放熱量を算出する第5
    の放熱量算出手段を有し、前記第5の放熱量算出手段は
    所定周期ごとに算出するものであると共に、大気温を検
    出する大気温検出手段を備え、少なくとも前回推定され
    た摩擦連結要素の温度と検出された大気温との差に基づ
    いて前記大気による放熱量を算出し、前記推定手段は、
    前記水温検出手段の検出結果と前記第1、第2、第3、
    第4の発熱量算出手段の算出結果と前記第5の放熱量算
    出手段の算出結果から前記摩擦連結要素のそれぞれの
    度を推定することを特徴とする請求項2項記載の車両用
    油圧作動式変速機の温度推定装置。
  9. 【請求項9】 前記第5の放熱量算出手段は大気温を検
    出する大気温検出手段と共に車速を検出する車速検出手
    段を備え、少なくとも前回推定された摩擦連結要素の温
    度と検出された大気温との差および検出された車速に基
    づいて前記大気による放熱量を算出することを特徴とす
    る請求項8項記載の車両用油圧作動式変速機の温度推定
    装置。
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