JP3461721B2 - グリセリル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

グリセリル(メタ)アクリレートの製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はグリセリル(メタ)
アクリレートの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート等
のグリセリルのモノ(メタ)アクリレートのような末端
の隣り合った2つの炭素原子の各々に水酸基をもつエス
テル残基を有する(メタ)アクリレートは、コンタクト
レンズ材料、水系塗料等の合成原料として注目されてい
る。 【0003】このような化合物の製造方法としては、こ
れまで以下のような方法が提案されている。 (A) 硫酸等の無機酸の存在下、グリシジルメタクリ
レートを水と反応させた後、アルカリで酸価を調整し、
低温減圧下脱水する方法。(特開昭60−215650
号公報) (B) 酸の存在下、水と有機溶媒を含む系で、エポキ
シ含有(メタ)アクリレートを水和する方法。(特開平
7−278054号公報) (C) 硫酸触媒の存在下、2,3−O−イソプロピリ
デングリセリルメタクリレートを水と反応させてケター
ルの脱アセトン反応をおこなったのち、水酸化バリウム
(固体)を加えて硫酸を中和し、沈殿を濾過し、濾液の
塩析によって生成物を分離したのち、ベンゼンまたはエ
ーテルでグリセリルメタクリレートを抽出し、溶媒を除
去する方法。(米国特許3,957,362号、特開平
6−116254号公報) 【0004】前記(A)および(B)の製造方法は、グ
リシジルメタクリレートのようなエポキシ基を有する化
合物を酸触媒存在下、水と反応させることによってエポ
キシ基に水を付加させ、末端の隣り合った2つの炭素原
子の各々に水酸基をもつ構造に変換させる反応を利用し
た製造方法である。しかしながら、エポキシ基に対する
水の付加反応は遅いので、このような製造方法において
実用的な反応速度を得るためには反応温度を40℃以上
にする必要があった。このような温度域では水和反応に
よって生成した水酸基がエポキシ基とさらに反応した
り、あるいはエステルの加水分解が起こり、グリセロー
ルジ(メタ)アクリレート等の架橋性の副生物が生成す
る恐れがある。グリセリル(メタ)アクリレート製品中
にこのような架橋性の副生物が残存すると、この製品を
水性塗料や光学用樹脂材料として利用することが困難に
なるだけでなく、この製品を原料に使用したポリマーや
組成物がゲル化を起こし易いという問題がある。 【0005】前記(C)の製造方法は、ケタールとして
保護された末端の隣り合った2つの炭素原子の各々に水
酸基をもつジオール構造を有する(メタ)アクリレート
を、硫酸等の無機酸の存在下に水と反応させて脱保護反
応を行い、ジオール構造を再生させることにより目的の
グリセリル(メタ)アクリレートを得る方法である。ケ
タールの脱保護反応はエポキシ基の水和反応に比べて穏
和な条件下で実施できるので、前記(A)、(B)の製
造方法で見られた副生物をほとんど生じることなくグリ
セリル(メタ)アクリレートを製造することができる。
しかしながら、前記(C)の方法は、硫酸等の無機酸を
使用しているために反応終了後にアルカリを加えて触媒
を中和する必要があるので、以後の精製工程において一
部の水酸基がエステル化されたグリセロール−1,3−
ジ(メタ)アクリレート等のジエステルが副生するの
で、やはり目的生成物であるグリセリル(メタ)アクリ
レートの純度が低下するという問題がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、グリセロールジ(メタ)アクリレートの副生が少
ないグリセリル(メタ)アクリレートの製造方法を提供
することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1)で示されるケタール化されたグリセロールの
(メタ)アクリレートをカチオン交換樹脂の存在下で水
と反応させる一般式(2)で示されるグリセリル(メ
タ)アクリレートの製造方法である。 【0008】 【化3】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2およ
びR3は水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、アラルキル基を示す。) 【0009】 【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。) 【0010】 【発明の実施の形態】本発明で用いるケタール化された
グリセロールのモノ(メタ)アクリレートは、前記一般
式(1)で示される化合物で、式中のR1は水素原子ま
たはメチル基を示し、R2およびR3は水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基を示
す。R2とR3は同一でも異なっていてもよい。R2およ
びR3としては、具体的には水素原子、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ア
リル基、フェニル基、ベンジル基等が例示できるが、特
に、メチル基およびエチル基のものが好適に用いられ
る。前記一般式(1)で示される化合物としては、具体
的には、2,3−O−イソプロピリデングリセリルアク
リレート、2,3−O−イソプロピリデングリセリルメ
タクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジ
オキソラン−4−イル)−メチルアクリレート、(2−
エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イ
ル)−メチルメタクリレート等が例示できる。 【0011】本発明の原料である前記一般式(1)で示
されるケタール化されたグリセロールのモノ(メタ)ア
クリレートの製造方法は特に限定されず、例えば(D)
メチル(メタ)アクリレートと1,3−ジオキソラン構
造を有するアルコールをナトリウムメチラート触媒の存
在下にエステル交換させる方法(米国特許2,877,
215号)、(E)硫酸を触媒としてグリシジル化合物
をケトンまたはアルデヒドと有機溶媒の存在下で反応さ
せる方法(特公平5−34356号公報)等の公知の方
法が挙げられ、収率、工業的操作性を考慮すると(E)
の方法が有利である。 【0012】本発明においては、前記一般式(1)で示
されるケタール化されたグリセロールのモノ(メタ)ア
クリレートをカチオン交換樹脂の存在下で水と反応させ
る。 【0013】触媒として用いるカチオン交換樹脂は、ス
ルホン酸、リン酸等の残基を有する水溶媒下での反応に
適した強酸性イオン交換樹脂が好ましい。このようなカ
チオン交換樹脂としては、具体的にはRCP−160
M、RCP−150H、RCP−170H、PK−21
6(以上、三菱化学社製)、アンバーリスト15WE
T、アンバーリスト15W(IR−200CH)(以上
ローム&ハース社製)、ダウエックス50W(ダウケミ
カル社製)等が例示できる。カチオン交換樹脂中にカル
ボキシル残基を有するものを用いると反応速度が遅くな
るので、カチオン交換樹脂としてはカルボキシル残基が
少ないものが好ましい。 【0014】カチオン交換樹脂の使用量は、反応温度、
原料濃度、触媒活性等の様々な条件に依存するので一概
に言えないが、通常、原料であるケタール化されたグリ
セロールのモノ(メタ)アクリレート1モル当たり乾燥
重量換算で4〜100g、好ましくは15〜50gであ
る。この程度の量であれば、反応温度が室温でも実用上
十分な反応速度が得られる。 【0015】本発明において、水はケタールの脱アセト
ン反応の原料として添加するが、希釈溶媒も兼ねてお
り、反応終了時には1,2−ジオール構造を有する(メ
タ)アクリレートの水溶液が得られる。本発明における
水の添加量は、ケタール化されたグリセロールの(メ
タ)アクリレートに対して2〜100倍モル、好ましく
は5〜20倍モルである。 【0016】本発明の実施に際しては、原料や生成物で
ある(メタ)アクリレートの重合を防止するために、反
応系に重合防止剤を添加することが好ましく、特に重合
防止剤と併せて反応液中に空気を供給しながら反応を行
うことが好ましい。 【0017】反応はバッチ式反応器で行ってもよいし、
カチオン交換樹脂をカラム等に充填した固定床反応器で
行ってもよい。通常バッチ式反応器ではカチオン交換樹
脂を含む反応液を攪拌しながら行う。固定床反応器にお
ける反応液の流通方法は、ワンパスに限らず循環させて
もよい。反応温度は通常0〜100℃であり、重合や副
反応の抑制を考慮すると好ましくは2〜50℃、特に好
ましくは4〜30℃である。 【0018】本発明において、原料である前記一般式
(1)で示されるケタール化されたグリセロールのモノ
(メタ)アクリレートは水と混和しないので、反応初期
の反応液は二層系であるが、反応が進み前記一般式
(2)で示されるグリセリル(メタ)アクリレートの生
成量が増加すると水と混和するようになるので、反応終
了時の反応液は均一溶液である。 【0019】反応終了後、バッチ式反応器の場合には反
応終了液とカチオン交換樹脂を濾過等の公知の方法によ
って分離する。反応終了液に未反応のケタール化された
グリセロールのモノ(メタ)アクリレートが残存してい
る場合は、ヘキサン等の非極性溶媒で抽出除去すること
ができる。目的生成物であるグリセリル(メタ)アクリ
レートは、酢酸エチル等の適当な極性を有する抽出溶媒
で反応終了液から有機層に抽出し、重合しない範囲の温
度で抽出溶媒を留去することによって得られる。 【0020】このようにして得られたグリセリル(メ
タ)アクリレートは、転位反応によって生成するグリセ
ロール−2−(メタ)アクリレートを僅かに含むことが
あるが、これを含めたモノエステルの純度は極めて高
く、通常、高速液体クロマトグラフィーによる相対面積
純度で97%以上である。また特筆すべき点として、こ
のようにして得られたグリセリル(メタ)アクリレート
には、グリセロールジメタクリレート等の架橋性の不純
物が殆ど含まれていない。 【0021】前記一般式(2)で示されるグリセリル
(メタ)アクリレートの製造方法としては、ケタール化
されたトリオールのモノ(メタ)アクリレートの脱アセ
トン反応を硫酸等の液体の無機酸を触媒として使用する
方法もあるが、この方法はアルカリによる触媒の中和が
必要で、中和の際に水酸基がエステル化されてジエステ
ルが生成するので目的生成物の純度が低下するという問
題がある。 【0022】これに対して、本発明で用いるカチオン交
換樹脂は固体であるため、反応液から容易に分離できる
ので中和操作が不要であり、ジエステル生成等の問題が
ほとんどない。その結果、本発明の製造方法によって得
られる前記一般式(2)で示されるグリセリル(メタ)
アクリレートは高純度で着色が少なく、水性塗料のみな
らず光学用樹脂材料としても好適なものである。またこ
れを原料に使用したポリマーや組成物はゲル化を起こし
難い。 【0023】 【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。実施例において、相対面積純度および相対面積濃
度は次のようにして算出した。 相対面積純度(%)=A/B×100 相対面積濃度(%)=C/B×100 ここで、Aは目的生成物のピーク面積、Bは全物質の合
計ピーク面積、Cは対象物質のピーク面積である。ま
た、実得収率は次のようにして算出した。 実得収率(%)=D/E×100 ここで、Dは得られた目的生成物のモル数、Eは原料の
仕込みモル数である。 【0024】また、高速液体クロマトグラフィーによる
分析は以下の条件で行った。 装置 : 島津製作所社製LC−10A カラム : Inertsil ODS-3 4.6mmφ×250mm 移動相 : CHCN:H2O:H3PO4=350:650:1 流速 : 1.0ml/min 検出 : UV検出器(波長220nm) 温度 : 40℃ 【0025】[実施例1]3Lの4つ口フラスコに、1
00ppmのハイドロキノンモノメチルエーテルを重合防
止剤として含む純度97.7%の2,3−O−イソプロ
ピリデングリセリルメタクリレート725.4g、水6
30.7g、カチオン交換樹脂RCP−160M(三菱
化学社製、使用前に水でよく洗浄したのち風乾させた水
分含有率30重量%のもの)140gを仕込み、液相部
に空気を供給しながら20℃にて25時間撹拌しながら
反応させた。反応終了直後の反応液を高速液体クロマト
グラフィーで分析したところ、生成物であるグリセリル
メタクリレートと原料である2,3−O−イソプロピリ
デングリセリルメタクリレートの高速液体クロマトグラ
フィーにおける相対面積比は94.1:5.9であっ
た。反応混合物からカチオン交換樹脂を濾別し、濾別し
たカチオン交換樹脂は水で洗浄し、この洗浄液と濾別し
た反応液を合わせて均一な無色の液を得た。この液をヘ
キサンで洗浄して未反応の原料を除いた後、水層に酢酸
エチルを加えて生成物であるグリセリルメタクリレート
を抽出した。この酢酸エチル抽出液に重合防止剤として
ハイドロキノンモノメチルエーテル0.028gを添加
し、減圧下40℃で酢酸エチルおよび水を留去し、グリ
セリルメタクリレート528.6gを得た。このグリセ
リルメタクリレートを高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、相対面積純度は98.4%であり、グリ
セロール−1,3−ジメタクリレートは0.18%であ
った。また、グリセリルメタクリレートの実得収率は9
2%であった。 【0026】さらに、得られたグリセリルメタクリレー
トを高速液体クロマトグラフィー−マススペクトロメト
リーで分析したところ、このものはグリセロール−1−
メタクレートとグリセロール−2−メタクリレートの混
合物であり、マスクロマトグラムにおける両者のイオン
量の比は97.2:2.8であった。 【0027】[実施例2]2,3−O−イソプロピリデ
ングリセリルメタクリレートに代えて、純度97.4%
の(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−
4−イル)−メチルメタクリレート778.9gを原料
として用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、
グリセリルメタクリレート525.5gを得た。このグ
リセリルメタクリレートを高速液体クロマトグラフィー
で分析したところ、相対面積純度は98.2%であっ
た。また、グリセリルメタクリレートの実得収率は91
%であった。 【0028】[実施例3]2,3−O−イソプロピリデ
ングリセリルメタクリレートに代えて、純度97.2%
の2,3−O−イソプロピリデングリセリルアクリレー
ト678gを原料として用いた以外は実施例1と同様に
して反応を行い、グリセリルメタクリレート483gを
得た。このグリセリルメタクリレートを高速液体クロマ
トグラフィーで分析したところ、相対面積純度は98.
5%であった。また、グリセリルメタクリレートの実得
収率は92%であった。 【0029】[比較例1]3Lの4つ口フラスコに水9
12g、硫酸48g、重合防止剤としてハイドロキノン
モノメチルエーテル1.2gを仕込み、反応混合物の液
温が40℃以上にならないように冷却、撹拌しながら1
0分間かけて純度98.2%のグリシジルメタクリレー
ト579gを滴下した後、液相部に空気を供給しながら
40℃にて3時間反応させた。反応終了後、フラスコを
冷却し、反応液に炭酸水素ナトリウムを加えて硫酸を中
和した。酢酸エチルで反応液から生成物であるグリセリ
ルメタクリレートを抽出したのち、減圧下40℃で酢酸
エチルおよび水を留去し、グリセリルメタクリレート2
77.2gを得た。 【0030】このグリセリルメタクリレートを高速液体
クロマトグラフィーで分析したところ、相対面積純度は
76.5%であり、極めて多量の不純物を含んでいた。
また、グリセリルメタクリレートの実得収率は43%で
あった。この結果から、グリシジルメタクリレートと水
を反応させる方法は不純物の副生が多く、低純度のグリ
セリルメタクリレートしか得られないことを示してい
る。 【0031】[比較例2]1Lの4つ口フラスコに、1
00ppmのハイドロキノンモノメチルエーテルを重合防
止剤として含む純度97.7%の2,3−O−イソプロ
ピリデングリセリルメタクリレート200g、水180
g、濃硫酸5.0gを仕込み、液相部に空気を供給しな
がら20℃にて36時間撹拌し、反応させた。反応終了
時の反応液を高速液体クロマトグラフィーによって分析
したところ、生成物であるグリセリルメタクリレートと
原料である2,3−O−イソプロピリデングリセリルメ
タクリレートの相対面積比は85.1:14.9であっ
た。このとき、グリセリルメタクリレートとグリセロー
ル−1,3−ジメタクリレートの相対面積比は100:
2.1であった。反応液はヘキサンで洗浄することによ
って未反応の原料を除いた後、炭酸ナトリウムを加えて
硫酸を中和した。中和後の工程液を分析したところ、グ
リセリルメタクリレートとグリセロール1,3−ジメタ
クリレートの相対面積比は100:17.8であった。
中和後の工程液に酢酸エチルを加えてグリセリルメタク
リレートを抽出し、重合防止剤ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル0.009gを添加して、減圧下40℃で酢
酸エチルおよび水を留去し、グリセリルメタクリレート
145.7gを得た。 【0032】得られたグリセリルメタクリレートを高速
液体クロマトグラフィーで分析したところ、相対面積純
度は66.0%であった。グリセリルメタクリレート中
に含まれる不純物としては、グリセロール−1,3−ジ
メタクリレートが相対面積濃度11.8%で最も多く、
他にも多くの不純物を含んでいた。また、グリセリルメ
タクリレートの実得収率は60%であった。 【0033】[比較例3]濃硫酸の仕込量を0.1gに
変更した以外は比較例2と同様に反応をおこなったが、
20℃にて36時間反応させた後も反応液は二層分離し
た状態であり、ほとんど反応は進行しなかった。 【0034】比較例2および比較例3より、硫酸を触媒
として2,3−O−イソプロピリデングリセリルメタク
リレートと水を反応させる方法は、5モル%程度の硫酸
がないと室温では実用的な反応速度が得られず、また、
5モル%以上の硫酸を使用して反応を行うと中和操作の
際にグリセロール1,3−ジメタクリレート等の不純物
が副生することがわかる。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、グリセリル(メタ)ア
クリレートを製造する際のグリセロールジ(メタ)アク
リレートの副生が少ないので、高純度で着色が少なく、
水性塗料のみならず光学用樹脂材料としても好適なグリ
セリル(メタ)アクリレートが得られる。また、本発明
の製造方法により得られたグリセリル(メタ)アクリレ
ートを原料に使用したポリマーや組成物はゲル化を起こ
し難いという優れた特性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−116254(JP,A) 特開 平8−277245(JP,A) 特開 平11−228466(JP,A) 特開 平11−187891(JP,A) 特公 昭36−1476(JP,B1) 米国特許3957362(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/297 C07C 69/54 C07C 29/10 C07C 31/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(1)で示されるケタール化され
    たグリセロールの(メタ)アクリレートをカチオン交換
    樹脂の存在下で水と反応させる一般式(2)で示される
    グリセリル(メタ)アクリレートの製造方法。 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2およ
    びR3は水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニ
    ル基、アラルキル基を示す。) 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す。)
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