JP3461612B2 - コンクリート建造物における防水構造 - Google Patents
コンクリート建造物における防水構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば陸屋根、蓄熱
槽等のコンクリート建造物における壁面の防水構造であ
って、その防水層のピンホールが検出可能なものに関す
るものである。 【０００２】 【従来の技術及びその課題】陸屋根、蓄熱槽などのコン
クリート壁表面にはその全面に防水シートを布設して防
水処理を行う。このとき、その防水シートにピンホール
があると、防水の役割を果さないため、防水シートのピ
ンホール検査を行う必要がある。 【０００３】通常、防水シートは、製造時又は出荷時に
ピンホール検査を行っており、施工（布設）前には、ピ
ンホールはないと考えられ、施工時に工具等を落とした
り、ぶつけたりすることによって生じる。このため、防
水シートは施行後にピンホール検査を行う必要がある。 【０００４】その施工後のピンホール検査を可能にした
技術として、特開昭６０−１３８１５６号公報等に記載
のものがある。この技術は、図７に示すように、コンク
リート壁Ａ表面に断熱層Ｂを設け、この断熱層Ｂの表面
に導電性シート１を介在し防水シート２を布設して防水
構造をなしたものであり、防水シート２の表面から所定
の高電圧を印加し、ピンホールがあれば、放電現象が生
じ、それによってピンホールを検知する。 【０００５】しかしながら、この技術における上記導電
性シート１はアルミニウム箔１ａに、ポリエチレン繊維
の織布１ｂを裏打ちしたものである。このため、アルミ
ニウム箔１ａ表面に防水シート２を布設することとな
り、その施工時、防水シート２の割付けのためには、ア
ルミニウム箔１ａにチョーク、墨などによってマーキン
グすることとなる。アルミニウム箔１ａはマーキングし
にくく、容易に消え、作業性の点で問題がある。 【０００６】また、アルミニウム箔１ａ表面は光るた
め、目に悪影響を与えるとともに、滑り易く、作業環境
の悪化を招いている。 【０００７】この発明は、このような実情の下、上記各
問題を解決することを課題とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にあたっては、上述のピンホール検出可能
な防水構造において、その導電性シートを、導電体の防
水シート側全面に織布、不織布又は紙の面材が布設され
たものとしたのである。 【０００９】 【作用】このように構成するこの発明は、織布等の面材
はポーラスであり、軽微な電気絶縁性しかないので、導
電体の表面側にあっても、放電現象によるピンホール検
査に支障はない。また、それらの面材は、チョーク、墨
ものり易く、そのマーキングも消えにくく、さらに、光
を反射せず、目に悪影響を与えることも無い。 【００１０】 【効果】この発明は以上のように構成し、上記作用によ
って下記の効果を発揮する。 【００１１】 マーキングし易く、かつ消えにくく、
さらに光反射もないため、防水シートの施工作業性が著
しく向上する。 【００１２】 【実施例】図１に示すように、コンクリート壁Ａ表面に
断熱パネルＢが布設されて断熱層が形成されており、こ
の断熱層Ｂの表面に導電性シート１１が接着により布設
されている。 【００１３】断熱パネルＢは、図３に示すように、発泡
ポリスチレン、発泡ポリウレタン（イソシアネート）、
発泡ポリ塩化ビニルなどの断熱材１５の両表面に防湿層
１６を介在して炭カル紙１７を貼付したものである。 【００１４】導電性シート１１は、アルミニウム箔１１
ａの表面に織布、不織布又は炭カル紙の面材１１ｂを貼
付したものである。その接合部ａは図１のごとく重ねる
ようにすれば、導電体（アルミニウム箔１１ａ）が途切
れることがなく、断熱層Ｂ全域において、確実にピンホ
ール検査を行い得る。しかし、図２に示すように必ずし
も重ねる必要はない。導電性シート１１は、同図のごと
く接しておれば導通し、また、少々の間隙があっても放
電によって導通するからである。 【００１５】導電性シート１１の表面には塩化ビニル等
の防水シート１２を貼付して防水層をなす。このとき、
防水シート１２を割付けるための面材１１ｂへのマーキ
ングはスムースに行い得る。 【００１６】なお、図４、図５に示すように、断熱パネ
ルＢに前もって導電性シート１１を接着（貼付）したも
のとすることができ、その際、図４のごとく、その導電
性シート１１周縁を各辺適宜に突出させれば、断熱パネ
ルＢの突き合わせ部（接合部ａ）では導電性シート１１
が重なることとなる。 【００１７】導電性シート１１は、導電体１１ａと面材
１１ｂを前もって一体にしたものでもよいが、施工時
に、導電体１１ａ、面材１１ｂと順々に積層して構成し
てもよい。また、図６に示すように、導電体１１は裏面
に面材１１ｂと同質の補強層１３を設けたものとし得
る。 【００１８】実施例は断熱層Ｂを設けたものであった
が、断熱層Ｂを設けず、コンクリート壁Ａ表面に防水シ
ート１２を直接に布設する場合でも、この発明は採用し
得ることは勿論である。
槽等のコンクリート建造物における壁面の防水構造であ
って、その防水層のピンホールが検出可能なものに関す
るものである。 【０００２】 【従来の技術及びその課題】陸屋根、蓄熱槽などのコン
クリート壁表面にはその全面に防水シートを布設して防
水処理を行う。このとき、その防水シートにピンホール
があると、防水の役割を果さないため、防水シートのピ
ンホール検査を行う必要がある。 【０００３】通常、防水シートは、製造時又は出荷時に
ピンホール検査を行っており、施工（布設）前には、ピ
ンホールはないと考えられ、施工時に工具等を落とした
り、ぶつけたりすることによって生じる。このため、防
水シートは施行後にピンホール検査を行う必要がある。 【０００４】その施工後のピンホール検査を可能にした
技術として、特開昭６０−１３８１５６号公報等に記載
のものがある。この技術は、図７に示すように、コンク
リート壁Ａ表面に断熱層Ｂを設け、この断熱層Ｂの表面
に導電性シート１を介在し防水シート２を布設して防水
構造をなしたものであり、防水シート２の表面から所定
の高電圧を印加し、ピンホールがあれば、放電現象が生
じ、それによってピンホールを検知する。 【０００５】しかしながら、この技術における上記導電
性シート１はアルミニウム箔１ａに、ポリエチレン繊維
の織布１ｂを裏打ちしたものである。このため、アルミ
ニウム箔１ａ表面に防水シート２を布設することとな
り、その施工時、防水シート２の割付けのためには、ア
ルミニウム箔１ａにチョーク、墨などによってマーキン
グすることとなる。アルミニウム箔１ａはマーキングし
にくく、容易に消え、作業性の点で問題がある。 【０００６】また、アルミニウム箔１ａ表面は光るた
め、目に悪影響を与えるとともに、滑り易く、作業環境
の悪化を招いている。 【０００７】この発明は、このような実情の下、上記各
問題を解決することを課題とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にあたっては、上述のピンホール検出可能
な防水構造において、その導電性シートを、導電体の防
水シート側全面に織布、不織布又は紙の面材が布設され
たものとしたのである。 【０００９】 【作用】このように構成するこの発明は、織布等の面材
はポーラスであり、軽微な電気絶縁性しかないので、導
電体の表面側にあっても、放電現象によるピンホール検
査に支障はない。また、それらの面材は、チョーク、墨
ものり易く、そのマーキングも消えにくく、さらに、光
を反射せず、目に悪影響を与えることも無い。 【００１０】 【効果】この発明は以上のように構成し、上記作用によ
って下記の効果を発揮する。 【００１１】 マーキングし易く、かつ消えにくく、
さらに光反射もないため、防水シートの施工作業性が著
しく向上する。 【００１２】 【実施例】図１に示すように、コンクリート壁Ａ表面に
断熱パネルＢが布設されて断熱層が形成されており、こ
の断熱層Ｂの表面に導電性シート１１が接着により布設
されている。 【００１３】断熱パネルＢは、図３に示すように、発泡
ポリスチレン、発泡ポリウレタン（イソシアネート）、
発泡ポリ塩化ビニルなどの断熱材１５の両表面に防湿層
１６を介在して炭カル紙１７を貼付したものである。 【００１４】導電性シート１１は、アルミニウム箔１１
ａの表面に織布、不織布又は炭カル紙の面材１１ｂを貼
付したものである。その接合部ａは図１のごとく重ねる
ようにすれば、導電体（アルミニウム箔１１ａ）が途切
れることがなく、断熱層Ｂ全域において、確実にピンホ
ール検査を行い得る。しかし、図２に示すように必ずし
も重ねる必要はない。導電性シート１１は、同図のごと
く接しておれば導通し、また、少々の間隙があっても放
電によって導通するからである。 【００１５】導電性シート１１の表面には塩化ビニル等
の防水シート１２を貼付して防水層をなす。このとき、
防水シート１２を割付けるための面材１１ｂへのマーキ
ングはスムースに行い得る。 【００１６】なお、図４、図５に示すように、断熱パネ
ルＢに前もって導電性シート１１を接着（貼付）したも
のとすることができ、その際、図４のごとく、その導電
性シート１１周縁を各辺適宜に突出させれば、断熱パネ
ルＢの突き合わせ部（接合部ａ）では導電性シート１１
が重なることとなる。 【００１７】導電性シート１１は、導電体１１ａと面材
１１ｂを前もって一体にしたものでもよいが、施工時
に、導電体１１ａ、面材１１ｂと順々に積層して構成し
てもよい。また、図６に示すように、導電体１１は裏面
に面材１１ｂと同質の補強層１３を設けたものとし得
る。 【００１８】実施例は断熱層Ｂを設けたものであった
が、断熱層Ｂを設けず、コンクリート壁Ａ表面に防水シ
ート１２を直接に布設する場合でも、この発明は採用し
得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施例の断面図
【図２】他の実施例の断面図
【図３】断熱パネルの断面図
【図４】断熱パネルの他例の要部斜視図
【図５】断熱パネルの他例の要部斜視図
【図６】導電性シートの他例の断面図
【図７】従来例の断面図
【符号の説明】
１、１１ 導電性シート
１ａ、１１ａ 導電体（アルミニウム箔）
１ｂ 織布
２、１２ 防水シート
１１ｂ 織布等の面材
１３ 補強層
１５ 断熱材
１６ 防湿層
１７ 炭カル紙
Ａ コンクリート壁
Ｂ 断熱パネル（断熱層）
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
E04D 5/00 - 11/00
B32B 15/14
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 コンクリート建造物の防水すべき部分の
コンクリート壁Ａ表面に導電性シート１１を介在して防
水シート１２を布設した防水構造であって、下記の点
を特徴とするもの。 上記導電性シート１１は、導電体１１ａの防水シー
ト１２側全面に織布、不織布又は紙の面材１１ｂが布設
されたものである。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06801495A JP3461612B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | コンクリート建造物における防水構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06801495A JP3461612B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | コンクリート建造物における防水構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08260631A JPH08260631A (ja) | 1996-10-08 |
| JP3461612B2 true JP3461612B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
ID=13361562
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06801495A Expired - Fee Related JP3461612B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | コンクリート建造物における防水構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3461612B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010031600A (ja) * | 2008-07-31 | 2010-02-12 | Tokyo Electric Power Co Inc:The | ピンホール検査可能な塗膜防水層構造 |
| JP5585835B2 (ja) * | 2010-10-26 | 2014-09-10 | 住ベシート防水株式会社 | 養生方法および養生材を有する構造体 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP06801495A patent/JP3461612B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08260631A (ja) | 1996-10-08 |
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