JP3460654B2 - 積層コンデンサの製造方法及び積層コンデンサ - Google Patents

積層コンデンサの製造方法及び積層コンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層コンデンサの
製造方法及び積層コンデンサに関し、より詳細には、目
的とする静電容量を実現するために、複数の内部電極の
積層構造が改良されている積層コンデンサの製造方法及
び積層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層コンデンサの製造に際して
は、内部電極が印刷された複数枚のセラミックグリーン
シートを積層し、積層体を得る。この積層体を厚み方向
に加圧した後、焼成することにより、セラミック焼結体
が得られている。ところで、上記内部電極が印刷された
セラミックグリーンシートとしては、通常、図9(b)
及び(c)に示す2種類のセラミックグリーンシート5
1,52を交互に積層する。セラミックグリーンシート
51上には、内部電極53が形成されている。内部電極
53はセラミックグリーンシート51の対向し合う2辺
のうち1辺側に引き出されている引出し部53aを有す
る。
【0003】また、セラミックグリーンシート52上に
は、内部電極54が形成されている。内部電極54は、
セラミックグリーンシート52の対向し合う2辺のうち
1辺側に引き出されている引出し部54aを有する。上
記セラミックグリーンシート51,52を交互に積層
し、上下に無地のセラミックグリーンシートを積層する
ことによりセラミック積層体が得られる。このセラミッ
ク積層体の対向し合う端面において、引出し部53aと
引出し部54aとが交互に露出されている。積層コンデ
ンサでは、通常、上記のようにして得たセラミック積層
体を焼成することによりセラミック焼結体が得られてい
る。従って、静電容量は内部電極53と内部電極54と
の重なり面積により決定される。
【0004】ところで、上記のようにして積層コンデン
サを得た場合、内部電極の印刷精度やセラミックグリー
ンシートの積層ずれ等により、所望の静電容量を実現す
ることができないことがある。そこで、図9(a)に示
すように、静電容量を補正するために、セラミックグリ
ーンシート55を積層する方法が提案されている。ここ
では、セラミックグリーンシート55上に、容量補正用
内部電極56が形成されている。内部電極56は、内部
電極53,54に比べて小さな面積を意味する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
積層コンデンサの製造方法では、内部電極53が積層さ
れているセラミックグリーンシート51と、内部電極5
4が積層されているセラミックグリーンシート52を用
意しなければならない。すなわち、内部電極が印刷され
た2種類のセラミックグリーンシートを用意しなければ
ならない。また、内部電極53,54が印刷されたセラ
ミックグリーンシート51,52として、1種類のセラ
ミックグリーンシートを用いることも可能である。もっ
とも、その場合には、電極引出し部が交互に異なる位置
となるように、セラミックグリーンシートを交互に反転
させて積層しなければならない。従って、製造工程が煩
雑であった。
【0006】また、上記のように静電容量を補正するに
は、さらに容量補正用内部電極56が印刷されたセラミ
ックグリーンシート55を用意しなければならなかっ
た。従って、従来の製造方法では、内部電極印刷パター
ンの種類が多いため、製造工程が煩雑であった。加え
て、スクリーン印刷に際しては、印刷歪みを避けること
ができず、この印刷歪みは内部電極パターンによって異
なる。従って、複数の印刷パターンを利用した場合、複
数枚のセラミックグリーンシートを積層してなる積層体
において、内部電極間の重なり面積の精度が悪化しがち
であった。その結果、最終的に得られた積層コンデンサ
における静電容量のばらつきが大きくなりがちであっ
た。
【0007】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、内部電極パターンの種類を少なくすることが
でき、製造工程の簡略化を果たすことができ、さらに所
望の静電容量を高精度に得ることができる積層コンデン
サの製造方法及び積層コンデンサを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、第
1,第2の端面を有するセラミック焼結体内において複
数の内部電極がセラミック層を介して積層されており、
複数の内部電極が、第1の端面に引き出された第1の内
部電極と、第2の端面に引き出された第2の内部電極と
を有し、第1,第2の内部電極が積層方向において交互
に積層されている積層コンデンサの製造方法であって、
前記内部電極が、第1,第2の端面側に位置する対向2
辺を有する矩形の容量形成部と、容量形成部の該対向2
辺から対向方向外側に延ばされており、かつ対向2辺の
長さよりも幅の狭い第1,第2の引出し部とを有し、複
数の内部電極を積層するにあたり、前記複数の内部電極
を対向方向において交互にずらして積層して第1,第2
の内部電極を形成することを特徴とする。
【0009】第1の発明に係る製造方法の特定の局面で
は、積層方向において隣り合う第1,第2の内部電極間
の対向方向におけるずらし量が1種類とされている。本
発明の製造方法の他の特定の局面では、積層方向におい
て隣り合う第1,第2の内部電極間の対向方向における
ずらし量が複数種とされている。
【0010】本発明に係る製造方法のさらに他の特定の
局面では、前記複数の内部電極を積層する工程が、前記
内部電極が印刷された複数枚の1種類のセラミックグリ
ーンシートを用意する工程と、前記内部電極が印刷され
たセラミックグリーンシートを、複数の内部電極が積層
方向において交互にずれるように積層する工程とを有す
る。
【0011】本発明に係る製造方法のさらに特定の局面
では、前記セラミックグリーンシート上において前記対
向方向と直交する方向に複数の内部電極が形成されてお
り、それによって積層コンデンサアレイが得られる。
【0012】本願の第2の発明は、第1,第2の端面を
有するセラミック焼結体内において複数の内部電極がセ
ラミック層を介して積層されており、複数の内部電極
が、第1の端面に引き出された第1の内部電極と、第2
の端面に引き出された第2の内部電極とを有し、第1,
第2の内部電極が積層方向において交互に対向方向にず
らされて積層されている積層コンデンサに関する。ここ
では、複数の内部電極が、第1,第2の端面側に位置す
る対向2辺を有する矩形の容量形成部と、容量形成部の
対向2辺から対向方向外側に延ばされており、該対向2
辺の長さよりも幅の狭い第1,第2の引出し部とを有
し、前記複数の内部電極が、目的とする静電容量に応じ
て、前記対向方向において交互にずらされて積層されて
いる。
【0013】本発明に係る積層コンデンサの特定の局面
では、積層方向において隣り合う第1,第2の内部電極
間の対向方向におけるずらし量が1種類とされている。
本発明に係る積層コンデンサのさらに他の特定の局面で
は、積層方向において隣り合う第1,第2の内部電極間
の対向方向におけるずらし量が複数種とされている。
【0014】本発明に係る積層コンデンサの他の特定の
局面では、セラミック焼結体内において、複数の内部電
極が積層されている構造が、前記積層方向及び対向方向
と直交する方向において複数配置されており、それによ
って積層コンデンサアレイが構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らか
にする。
【0016】図1は、本発明の一実施例に係る積層コン
デンサの製造方法において積層されるグリーンシート及
びその上に形成される内部電極を説明するための分解斜
視図であり、図2及び図3は、本発明の一実施例で得ら
れる積層コンデンサアレイの外観斜視図及び図2のA−
A線に沿う断面図である。
【0017】図2及び図3に示す積層コンデンサアレイ
1では、セラミック焼結体2内に、4個の積層コンデン
サユニットが構成されている。セラミック焼結体2の対
向し合う第1,第2の端面2a,2bを覆うように、4
個の積層コンデンサユニットに対応して、4組の外部電
極3a,3b〜6a,6bが形成されている。図3に示
すように、各積層コンデンサユニットにおいては、第1
の内部電極19,21,23と、第2の内部電極20,
22,24とがセラミック焼結体2内においてセラミッ
ク焼結体層を介して厚み方向に重なり合うように配置さ
れている。内部電極19,21,23は、第1の端面2
aに引き出されている。内部電極20,22,24は第
1の端面2aとは反対側の第2の端面2bに引き出され
ている。
【0018】図1は、上記積層コンデンサアレイを得る
ために用いられるセラミックグリーンシート及びその上
に形成される内部電極形状を説明するための分解斜視図
である。なお、図1では、1個の積層コンデンサユニッ
トに相当する部分が図示されているが、実際には、上記
4個の積層コンデンサユニットを構成するように、図1
の矢印Bで示す方向に各セラミックグリーンシートが延
ばされており、かつ内部電極が形成されているグリーン
シート上には、それぞれ4組の内部電極が形成されてい
る。もっとも、図示を容易とするために、図1では、上
記のように、1個の積層コンデンサユニットに相当する
部分のみが図示されている。
【0019】まず、図1に示すように、複数枚のセラミ
ックグリーンシート11〜18を用意する。セラミック
グリーンシート11〜18は、チタン酸バリウム系セラ
ミックスのような誘電体セラミック粉末を主体とするセ
ラミックスラリーを、例えばドクターブレード法などに
よりシート成形することにより得られる。
【0020】セラミックグリーンシート11〜18は、
矩形の平面形状を有する。セラミックグリーンシート1
1〜18のうち、セラミックグリーンシート13〜16
上には、内部電極19〜22が形成されている。なお、
図1では内部電極23,24が印刷されているセラミッ
クグリーンシートは省略されている。
【0021】内部電極19〜22は、いずれも、セラミ
ックグリーンシート13〜16上に導電ペーストをスク
リーン印刷することにより形成される。もっとも、導電
ペーストのスクリーン印刷に代えて、蒸着等の塗膜形成
法により内部電極19〜22を形成してもよい。
【0022】各内部電極19〜22は、矩形の容量形成
部19a〜22aを有する。また、容量形成部19a〜
22aは、対向し合う2辺19b,19c〜22b,2
2cを有する。この辺19b〜22bは、最終的に得ら
れるセラミック焼結体2の第1の端面2a側に位置して
おり、辺19c〜22cは、最終的に得られる焼結体2
の第2の端面2b側に位置している。言い換えれば、対
向し合う辺19b〜22bと、辺19c〜22cとを結
ぶ方向は、第1,第2の端面2a,2bを結ぶ方向と一
致されている。
【0023】上記対向2辺19b,19c〜22b,2
2cから対向方向外側に延びるように、第1,第2の引
出し部19d,19e〜22d,22eが形成されてい
る。内部電極19,21の引出し部19d,21dがセ
ラミックグリーンシート13,15の一方端縁13a,
13bに引き出されている。第2の引出し部19e,2
1eは、セラミックグリーンシート13,15の端縁1
3a,15aとは反対側の端縁13b,15bには至ら
ないように形成されている。
【0024】他方、内部電極20,22の第1の引出し
部20d,22dは、グリーンシート14,16の第1
の端縁14a,16aには至らないように形成されてい
る。他方、第2の引出し部20e,22eは、セラミッ
クグリーンシート14,16の第2の端縁14b,16
bに引き出されている。
【0025】図1に示すように、第1の内部電極を構成
するための内部電極19,21と、第2の内部電極を構
成するための内部電極20,22を図示のように交互に
積層し、さらに図示されていない内部電極23,24が
形成されているセラミックグリーンシートを積層し、上
下にセラミックグリーンシート11,12,17,18
を積層することにより、積層体を得る。得られた積層体
を厚み方向に加圧する。加圧後に、積層体を焼成するこ
とにより、図3に示すセラミック焼結体2に相当する構
造が得られる。
【0026】ところで、本実施例の特徴は、上記のよう
に、内部電極19〜22が、矩形の容量形成部19a〜
22aと、容量形成部19a〜22aの対向2辺から対
向方向外側に延びるように形成された第1,第2の引出
し部19d,19e〜22d,22eを有すること、さ
らに、内部電極19〜22が、第1,第2の端面2a,
2bを結ぶ方向において、すなわち上記対向方向におい
て交互にずらして積層されていることにある。そして、
このような製造方法を採用することにより、1種類の内
部電極が印刷されたセラミックグリーンシートのみを用
いて、上記内部電極19〜24を構成することができ、
かつ交互に内部電極を対向方向においてずらせる量を調
整することにより取得静電容量を微妙にかつ広い範囲で
調整し得る。
【0027】上記積層コンデンサアレイ1や1個の積層
コンデンサユニットのみが構成されている積層コンデン
サの製造に際しては、通常、マザーのセラミックグリー
ンシートが用いられ、マザーのセラミックグリーンシー
ト上に複数の内部電極がスクリーン印刷される。そし
て、複数の内部電極が印刷されたマザーのセラミックグ
リーンシートを積層し、マザーの積層体を得る。図4
は、このようにして、本実施例の製造方法で用意される
マザーの積層体を説明するための略図的平面図である。
マザーの積層体31では、内部電極19がマトリックス
状にある高さ位置のセラミックグリーンシート上に印刷
されている。そして、内部電極19が形成されている高
さ位置の下方には、内部電極19とセラミックグリーン
シートを介して重なり合うように内部電極20が配置さ
れている。内部電極20もまた、マトリックス状に形成
されている。
【0028】ここで、内部電極19,20は、マザーの
状態では、同じ平面形状を有するように構成されてい
る。すなわち、第1,第2の引出し部19d1 ,19e
1 ,20d1 ,20e1 は、対向方向において同じ長さ
寸法を有する。また、容量形成部9aと、容量形成部2
0aとは同じ形状とされている。
【0029】従って、複数の内部電極19が印刷された
マザーのセラミックグリーンシートと、複数の内部電極
20が印刷されたマザーのセラミックグリーンシートと
しては、同一の内部電極パターンが印刷されたセラミッ
クグリーンシートを用いることができる。
【0030】マザーの積層体31を得るにあたっては、
上記内部電極パターンが印刷されたマザーのセラミック
グリーンシートを、厚み方向において交互に対向方向に
ずらせて積層する。従って、図4に示すように、上方に
位置する内部電極19と、下方に位置する内部電極20
とが、前述した対向方向においてずらされている。さら
に下方に位置する内部電極21〜24も内部電極19,
20と同様にして積層されている。
【0031】従って、単一の内部電極パターンが印刷さ
れたマザーのセラミックグリーンシートを、上記対向方
向において交互にずらせて積層していくことにより、マ
ザーの積層体31を得ることができる。しかも、この対
向方向におけるずらし量を調整することにより、例え
ば、図5及び図6に示すように、上方の内部電極19と
下方の内部電極20との重なり面積を調整することがで
き、それによって最終的に積層コンデンサユニットにお
ける静電容量を調整することができる。
【0032】また、図4に示すように、マザーの積層体
31を得た後に、図4の一点鎖線C 1 ,C2 及び実線
D,Dに沿って切断することにより、個々の積層コンデ
ンサアレイ単位の積層体が得られる。この切断に際して
は、例えば、切断線C1 においては中央の積層コンデン
サアレイに対応する積層体ユニット31aの第1の端面
2aが切り出されるように切断を行い、切断線C2 は、
中央に位置する積層コンデンサアレイユニット31aの
最終的の第2の端面に相当し、かつ右側に位置する積層
コンデンサユニットアレイ31cの最終的な第1の端面
2aに相当する。
【0033】中央の積層コンデンサアレイユニット31
aを例にとると、切断線C1 で切断されることにより、
内部電極19の第1の引出し部19d1 が切断されて露
出される。この切断により、第1の引出し部19d1
図3に示した引出し部19dとなる。内部電極20の第
2の引出し部20d1 は、上記のように対向方向右側に
内部電極20が内部電極19に対してずらされているた
め、切断線C1 に沿って切断することにより形成された
第1の端面に露出しない。従って、第2の引出し部20
1 はそのまま図1に示した引出し部20dとなる。他
方、切断線C2側で切断により形成された端面には、第
2の引出し部19e1 は露出しないが、内部電極20の
第2の引出し部20e1 は先端が若干切断されて露出
し、引出し部20eが完成される。従って、上記切断に
より得られた各積層コンデンサアレイ単位の積層体を焼
成することにより、図2及び図3に示した焼結体2が得
られる。
【0034】本実施例の積層コンデンサアレイユニット
1の製造方法では、上記のように、矩形の容量形成部
と、該容量成形部の対向方向両側に第1,第2の引出し
部が延ばされた内部電極をマトリックス状に印刷してな
る1種類のセラミックグリーンシートを用意し、上記対
向方向において交互にずらすようにして積層していくこ
とにより、マザーの積層体31を容易に得ることができ
る。
【0035】従って、積層コンデンサアレイユニット1
の製造に際し、多種類の内部電極を印刷する必要がない
ため、製造工程の簡略化を果たすことができる。加え
て、図5及び図6に示すように、上方の内部電極19と
下方の内部電極20とが対向方向においてずらされてい
る量を異ならせることにより、静電容量を容易にかつ広
い範囲で調整することができる。
【0036】第1の実施例の積層コンデンサアレイ1の
各積層コンデンサユニットでは、第1,第2の内部電極
が対向方向に交互にずらされているが、このずらし量
は、全ての第1,第2の内部電極間で均一とされてい
た。本発明に係る積層コンデンサの製造方法では、第
1,第2の内部電極が上記対向方向におけるずらし量
は、すべての厚み方向に隣り合う第1,第2の内部電極
間で等しくする必要は必ずしもない。
【0037】すなわち、図7に図3に相当する断面図で
示すように、最上部に位置する内部電極39を、対向方
向において他の第1の内部電極21,23に比べて第1
の端面2a側にずらして配置してもよい。
【0038】この場合、図8に略図的分解斜視図で示す
ように、第2の内部電極20の上下において、第1の内
部電極39,21が対向方向において第1の端面2a側
(図7)にずらされている。内部電極39,21の第2
の引出し部39e,21eの先端は、いずれも図7に示
す第2の端面2bには至らない。もっとも、第1の内部
電極39は、第1の内部電極21よりも第1の端面2a
側に寄せられている。
【0039】従って、第1の端面2a側においては、内
部電極39の第1の引出し部39dの対向方向に沿う長
さは、第1の内部電極21の第1の引出し部21dの対
向方向に沿う長さよりも短くされている。
【0040】なお、上記内部電極39,21の第1の引
出し部39d,21dは、端面2aに露出されており、
第2の内部電極20の第1の引出し部20dは、前述し
た実施例と同様に第1の端面2aには引き出されていな
い。
【0041】本実施例においても、1種類の内部電極パ
ターンが印刷されたマザーのセラミックグリーンシート
を積層するにあたり、対向方向において交互に内部電極
位置をずらせて積層することにより、マザーの積層体を
容易に得ることができる。また、第1の内部電極のう
ち、内部電極39が印刷されているマザーのセラミック
グリーンシートを、上記のように他の第1の内部電極2
1が印刷されたマザーのセラミックグリーンシートより
も端面2a側にずらせることにより、容易に、第1,第
2の内部電極39,20間の対向方向におけるずらし量
が、他の第1,第2の内部電極間の対向方向におけるず
らし量と異なる構造を備えた積層コンデンサを得ること
ができる。
【0042】図7及び図8に示した変形例から明らかな
ように、複数枚の第1,第2の内部電極を積層するにあ
たり、厚み方向に隣り合う第1,第2の内部電極間の対
向方向に沿うずらし量は複数種としてもよく、この場
合、多数の内部電極が積層されている構造において、上
方、中央及び下方等のいずれの位置においてずらし量を
変化させてもよい。
【0043】また、図7に示したように、最上部に位置
する第1の内部電極39の第2の内部電極20に対する
対向方向におけるずらし量を他の第1,第2の内部電極
間の対向方向におけるずらし量と異ならせる場合、該最
上部に積層される内部電極39のずらし量を調整するこ
とにより、静電容量を微妙に補正することも可能であ
る。
【0044】すなわち、静電容量を微妙に調整するため
の補正容量を得るために、図7及び図8に示した変形例
を用いてもよい。上述した実施例及び変形例では、複数
の積層コンデンサユニットの製造方法につき説明した
が、本発明は、単一の積層コンデンサユニットがセラミ
ック焼結体内に構成されている積層コンデンサの製造方
法にも同様に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る積層コンデンサの製造方法
では、第1,第2の内部電極がセラミック焼結体内にお
いて厚み方向において交互に積層されており、各第1,
第2の内部電極が、第1,第2の端面側に位置する対向
2辺を有する容量形成部と、容量形成部の該対向2辺か
ら対向方向外側に延ばされている第1,第2の引出し部
とを有する。従って、上記容量形成部と第1,第2の引
出し部を有する内部電極をセラミックグリーンシート上
に印刷し、該内部電極が印刷されたセラミックグリーン
シートを容量形成部の位置が対向方向において交互にず
れるように積層し、第1,第2の引出し部が最終的なセ
ラミック焼結体の第1,第2の端面にそれぞれ露出する
ように切断するだけで、積層コンデンサを製造すること
ができる。
【0046】すなわち、積層コンデンサの製造に際して
用意する内部電極が印刷されたセラミックグリーンシー
トを1種類用意するだけでよいため、製造工程の簡略化
を果たすことができる。加えて、1種類の内部電極が印
刷されたセラミックグリーンシートを積層するに際し、
上記対向方向のずらし量を調整するだけで、静電容量を
調整することができ、従って所望とする静電容量を容易
にかつ高精度に得ることができる。
【0047】本発明において、積層方向において隣り合
う第1,第2の内部電極間の対向方向におけるずらし量
が1種類である場合には、第1,第2の内部電極を同じ
ずらし量で積層すればよいため、後工程における積層ず
れの確認を容易に行うことができると共に、積層工程自
体が容易となる。
【0048】積層方向において隣り合う第1,第2の内
部電極間の対向方向におけるずらし量が複数種である場
合には、複数種のずらし量を調整することにより、多種
多様な静電容量の積層コンデンサを容易に提供すること
ができる。また、例えば1枚の第1の内部電極の対向方
向におけるずらし量を、他の第1の内部電極と異ならせ
たりした場合には、該1枚の第1の内部電極のずらし量
を調整することにより、全体としての静電容量を補正を
行うことも可能である。
【0049】本発明に係る製造方法において、複数の内
部電極を対向方向において交互にずらして積層し、交互
に第1,第2の内部電極を形成する方法としては、内部
電極が印刷された複数枚の1種類のセラミックグリーン
シートを用意し、上記のように内部電極が印刷された該
セラミックグリーンシートを、上記対向方向において交
互にずれるように積層する方法を好適に用いることがで
きる。
【0050】本発明に係る積層コンデンサの製造方法に
おいて、セラミックグリーンシート上に上記対向方向と
直交する方向に複数の内部電極を形成し、該セラミック
グリーンシートを積層した場合には、本発明に従って、
積層コンデンサアレイを得ることができ、積層コンデン
サアレイの製造工程の簡略化を果たすことができると共
に、積層コンデンサアレイの静電容量の調整を容易に行
い得る。
【0051】本発明に係る積層コンデンサでは、複数の
内部電極が、対向2辺を有する容量形成部と、容量形成
部の対向2辺から対向方向外側に延ばされている第1,
第2の引出し部とを有し、複数の内部電極が目的とする
静電容量に応じて、上記対向方向において交互にずらさ
れて積層されているので、本発明に係る製造方法に従っ
て容易に得ることができる。従って、簡単な製造工程で
得ることができ、かつ所望とする静電容量を容易に実現
することができる。
【0052】本発明に係る積層コンデンサにおいて、第
1,第2の内部電極間の対向方向におけるずらし量が1
種類である場合には、複数の内部電極の積層作業を容易
に行うことができると共に、積層ずれを容易に確認する
ことができる。
【0053】本発明に係る積層コンデンサにおいて、第
1,第2の内部電極間の対向方向におけるずらし量が複
数種である場合には、ずらし量を様々な量とすることが
でき、それによって多種多様な静電容量の積層コンデン
サを容易に提供することができる。
【0054】本発明に係る積層コンデンサにおいて、セ
ラミック焼結体内において複数の内部電極が積層されて
いる構造が、積層方向及び対向方向と直交する方向にお
いて複数配置されている場合には、本発明に従って容易
に製造することができ、静電容量の調整を容易に行うこ
とができる積層コンデンサアレイを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における積層コンデンサアレ
イの1つの積層コンデンサユニット部分に用いられるセ
ラミックグリーンシート及びその上に形成される内部電
極形状を説明するための分解斜視図。
【図2】本発明の第1の実施例に係る積層コンデンサア
レイの外観を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施例に係る積層コンデンサア
レイの断面図であり、図2のA−A線に沿う部分に相当
する断面図。
【図4】本発明の第1の実施例の製造工程で用意される
マザーの積層体を説明するための略図的平面図。
【図5】第1の実施例の製造方法において用意されるマ
ザーのセラミック積層体の他の例を示す略図的平面図。
【図6】第1の実施例の製造方法において用意されるマ
ザーのセラミック積層体のさらに他の例を示す略図的平
面図。
【図7】第1の実施例の変形例の製造方法により得られ
る積層コンデンサアレイの断面図。
【図8】図7に示した積層コンデンサアレイにおける第
1,第2の内部電極の対向方向におけるずれ量を説明す
るための略図的斜視図。
【図9】従来の積層コンデンサの製造方法を説明するた
めの分解斜視図。
【符号の説明】
1…積層コンデンサアレイ 2…焼結体 2a,2b…第1,第2の端面 3a〜6a…第1の外部電極 3b〜6b…第2の外部電極 7,8…第1,第2の内部電極 11〜18…セラミックグリーンシート 19,21…第1の内部電極 20,22…第2の内部電極 19a〜22a…容量形成部 19b,19c〜22b,22c…辺 19d〜22d…第1の引出し部 19e〜22e…第2の引出し部 31…マザーの積層体 39…第1の内部電極 39a…容量形成部 39b,39c…対向し合う辺 39d,39e…第1,第2の引出し部

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1,第2の端面を有するセラミック焼
    結体内において複数の内部電極がセラミック層を介して
    積層されており、複数の内部電極が、第1の端面に引き
    出された第1の内部電極と、第2の端面に引き出された
    第2の内部電極とを有し、第1,第2の内部電極が積層
    方向において交互に積層されている積層コンデンサの製
    造方法であって、 前記内部電極が、第1,第2の端面側に位置する対向2
    辺を有する矩形の容量形成部と、容量形成部の該対向2
    辺から対向方向外側に延ばされており、かつ対向2辺の
    長さよりも幅の狭い第1,第2の引出し部とを有し、 複数の内部電極を積層するにあたり、前記複数の内部電
    極を対向方向において交互にずらして積層して前記第
    1,第2の内部電極を形成することを特徴とする、積層
    コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 積層方向において隣り合う第1,第2の
    内部電極間の対向方向におけるずらし量が1種類であ
    る、請求項1に記載の積層コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 積層方向において隣り合う第1,第2の
    内部電極間の対向方向におけるずらし量が複数種であ
    る、請求項1に記載の積層コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の内部電極を積層する工程が、 前記内部電極が印刷された複数枚の1種類のセラミック
    グリーンシートを用意する工程と、 前記内部電極が印刷されたセラミックグリーンシート
    を、複数の内部電極が積層方向において交互にずれるよ
    うに積層する工程とを備えることを特徴とする、請求項
    1〜3のいずれかに記載の積層コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミックグリーンシート上におい
    て前記対向方向と直交する方向に複数の内部電極が形成
    されており、それによって積層コンデンサアレイが得ら
    れる、請求項4に記載の積層コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1,第2の端面を有するセラミック焼
    結体内において複数の内部電極がセラミック層を介して
    積層されており、複数の内部電極が、第1の端面に引き
    出された第1の内部電極と、第2の端面に引き出された
    第2の内部電極とを有し、第1,第2の内部電極が積層
    方向において交互に対向方向にずらされて積層されてい
    る積層コンデンサにおいて、 複数の内部電極が、第1,第2の端面側に位置する対向
    2辺を有する矩形の容量形成部と、容量形成部の対向2
    辺から対向方向外側に延ばされており、該対向2辺の長
    さよりも幅の狭い第1,第2の引出し部とを有し、 前記複数の内部電極が、目的とする静電容量に応じて、
    前記対向方向において交互にずらされて積層されてい
    る、積層コンデンサ。
  7. 【請求項7】 積層方向において隣り合う第1,第2の
    内部電極間の対向方向におけるずらし量が1種類であ
    る、請求項6に記載の積層コンデンサ。
  8. 【請求項8】 積層方向において隣り合う第1,第2の
    内部電極間の対向方向におけるずらし量が複数種であ
    る、請求項6に記載の積層コンデンサ。
  9. 【請求項9】 セラミック焼結体内において、複数の内
    部電極が積層されている構造が、前記積層方向及び対向
    方向と直交する方向において複数配置されており、それ
    によって積層コンデンサアレイが構成されている、請求
    項6〜8のいずれかに記載の積層コンデンサ。
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