JP3460451B2 - 周波数変調器 - Google Patents

周波数変調器

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JP3460451B2
JP3460451B2 JP16588396A JP16588396A JP3460451B2 JP 3460451 B2 JP3460451 B2 JP 3460451B2 JP 16588396 A JP16588396 A JP 16588396A JP 16588396 A JP16588396 A JP 16588396A JP 3460451 B2 JP3460451 B2 JP 3460451B2
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浩明 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数変調器に関
し、より特定的には、光ヘテロダイン方式を用いた広帯
域周波数変調器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、光ヘテロダイン方式を用いた
FM変調器が知られている。このようなFM変調器は、
例えば、K.Kikushima,et al,“Op
tical Super Wide−Band FM
Modulation Scheme and Its
Application to Multi−Cha
nnel AM Video Transmissio
n Systems”,IOOC’95 Techni
cal Digest, Vol.5,PD2−7,p
p.33−34に示されている。
【0003】図7は、上記文献に示された従来のFM変
調器の構成を示すブロック図である。図7において、こ
のFM変調器は、FM変調用レーザ部2と、局部発振レ
ーザ部3と、光電気変換部41とを備えている。
【0004】次に、上記従来のFM変調器の動作を説明
する。FM変調用レーザ部2は、レーザ光源を含み、入
力信号(電気信号)10を当該レーザ光源に駆動電流と
して与える。従って、FM変調用レーザ部2からは、入
力信号10によって強度変調されたレーザ光が出力され
る。このレーザ光は、強度変調されるときに、いわゆる
周波数チャープを生じる。そのため、FM変調用レーザ
部2から出力されるレーザ光は、同時に周波数も変調さ
れている。この光の周波数変調を受けたレーザ光が、F
M変調光31である。局部発振レーザ部3は、線幅の狭
い局部発振光30を出力する。光電気変換部41は、F
M変調光31と局部発振光30とを光ヘテロダイン検波
する。
【0005】線幅の狭い局部発振光30と、FM変調光
31とを合波して光ヘテロダイン検波をすれば、2つの
光信号の差の周波数を有するビート信号50が、光電気
変換部41の出力として得られる。ここで、FM変調光
31は、光の周波数変調を受けているので、ビート信号
50も光の周波数変調分だけ周波数が変調されている。
ビート信号50のFM変調指数は、FM変調用レーザ部
2の周波数チャープ量で決まるので、電気回路によるF
M変調では実現できないような非常に広帯域のFM変調
信号が、ビート信号50として得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成を有
する従来のFM変調器では、FM変調信号の性能である
搬送波対雑音比(以下、CNRと称する)は、FM変調
用レーザ部2での周波数偏移量が大きくなるほど大きく
なり、また、FM変調用レーザ部2および局部発振レー
ザ部3の2つの光源の線幅が細くなるほど大きくなる。
これら2つの光源の線幅は、レーザに依存したパラメー
タであり、使用条件による制限に起因して大きく変える
ことはできないが、FM変調レーザ部2への入力信号1
0の振幅を大きくすれば、周波数偏移を大きくすること
はできる。但し、レーザ光源は、閾値特性を有している
ため、ある程度以上に入力信号の振幅を大きくすると、
歪が発生する。そのため、入力信号の振幅増大化にも限
度があり、それ以上CNR性能を改善することが困難で
あるという課題を有していた。
【0007】それ故に、本発明の目的は、CNR性能を
さらに改善することのできる周波数変調器を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、光ヘテロダイン方式により、入力信号を広帯域
周波数変調信号に変換するための周波数変調器であっ
て、入力信号の非反転信号と反転信号を出力する入力部
と、入力信号の非反転信号によって駆動され、周波数変
調された中心波長λ1の出力光を発生する第1の周波数
変調用レーザ部と、入力信号の反転信号によって駆動さ
れ、周波数変調された中心波長λ2の出力光を発生する
第2の周波数変調用レーザ部と、中心波長λ0の無変調
光を発生する局部発振レーザ部と、第1の周波数変調用
レーザ部からの出力光と、局部発振レーザ部の出力光と
を合波し、光ヘテロダイン検波して電気信号であるビー
ト信号に変換する第1の光電気変換部と、第2の周波数
変調用レーザ部からの出力光と、局部発振レーザ部の出
力光とを合波し、光ヘテロダイン検波して電気信号であ
るビート信号に変換する第2の光電気変換部と、第1お
よび第2の光電気変換部からの出力信号を混合し、両出
力信号の周波数差を有するビート信号を出力する混合部
とを備え、中心波長λ1および中心波長λ2の両方が、
中心波長λ0よりも長波長側か、または短波長側に配置
されていることを特徴とする。
【0009】上記第1の発明では、第1および第2の周
波数変調用レーザ部は、それぞれ、互いに反転関係にあ
る入力信号の非反転信号および反転信号によって変調動
作を行うので、第1および第2の周波数変調用レーザ部
の出力光の周波数偏移の極性は、互いに逆の関係にあ
る。この関係は、第1および第2の光電気変換部から出
力されるビート信号においても同じである。したがっ
て、混合部の出力信号の周波数偏移は、第1の光電気変
換部から出力されるビート信号の周波数偏移と、第2の
光電気変換部から出力されるビート信号の周波数偏移と
の和となる。ここで、第1の光電気変換部から出力され
るビート信号の周波数偏移量と、第2の光電気変換部か
ら出力されるビート信号の周波数偏移量とが同じであれ
ば、混合部の出力信号の周波数偏移量は、周波数変調用
レーザ部および光電気変換部をそれぞれ1組だけ含む従
来のFM変調器に比べて2倍となる。
【0010】以上説明したように、第1の発明によれ
ば、周波数変調用レーザ部を2組用いることにより、出
力信号の周波数偏移を従来の2倍にでき、CNR性能を
大幅に改善することができる。
【0011】第2の発明は、光ヘテロダイン方式によ
り、入力信号を広帯域周波数変調信号に変換するための
周波数変調器であって、入力信号を分岐して2つの分岐
信号を出力する分岐部と、2つの分岐信号のいずれか一
方によって駆動され、周波数変調された中心波長λ1の
出力光を発生する第1の周波数変調用レーザ部と、2つ
の分岐信号のいずれか他方によって駆動され、周波数変
調された中心波長λ2の出力光を発生する第2の周波数
変調用レーザ部と、中心波長λ0の無変調光を発生する
局部発振レーザ部と、第1の周波数変調用レーザ部から
の出力光と、局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光
ヘテロダイン検波して電気信号であるビート信号に変換
する第1の光電気変換部と、第2の周波数変調用レーザ
部からの出力光と、局部発振レーザ部の出力光とを合波
し、光ヘテロダイン検波して電気信号であるビート信号
に変換する第2の光電気変換部と、第1および第2の光
電気変換部からの出力信号を混合し、両出力信号の周波
数差を有するビート信号を出力する混合部とを備え、中
心波長λ1および中心波長λ2が、中心波長λ0を挟ん
で、それぞれ、短波長側および長波長側に、または長波
長側および短波長側に分散して配置されていることを特
徴とする。
【0012】上記第2の発明では、第1および第2の周
波数変調用レーザ部は、それぞれ同じ波形の分岐信号に
基づいて変調動作を行うので、それぞれの出力光の周波
数偏移の極性は、互いに同じ関係にある。しかしなが
ら、それぞれの出力光の中心波長λ1およびλ2が、局
部発振レーザ部の出力光の中心波長λ0を挟んで、 λ1<λ0<λ2またはλ2<λ0<λ1 の関係にあるので、第1および第2の光電気変換部から
出力されるビート信号の周波数偏移の極性は、互いに逆
の関係になる。したがって、混合部の出力信号の周波数
偏移は、第1の光電気変換部から出力されるビート信号
の周波数偏移と、第2の光電気変換部から出力されるビ
ート信号の周波数偏移との和となる。ここで、第1の光
電気変換部から出力されるビート信号の周波数偏移量
と、第2の光電気変換部から出力されるビート信号の周
波数偏移量とが同じであれば、混合部の出力信号の周波
数偏移量は、周波数変調用レーザ部および光電気変換部
をそれぞれ1組だけ含む従来のFM変調器に比べて2倍
となる。
【0013】以上説明したように、第2の発明も第1の
発明と同様に、周波数変調用レーザ部を2組用いること
により、出力信号の周波数偏移を従来の2倍にでき、C
NR性能を大幅に改善することができる。
【0014】第3の発明は、光ヘテロダイン方式によ
り、入力信号を広帯域周波数変調信号に変換するための
周波数変調器であって、入力信号を分岐して2つの分岐
信号を出力する分岐部と、2つの分岐信号のいずれか一
方によって駆動され、周波数変調された中心波長λ1の
出力光を発生する第1の周波数変調用レーザ部と、2つ
の分岐信号のいずれか他方によって駆動され、周波数変
調された中心波長λ2の出力光を発生する第2の周波数
変調用レーザ部と、中心波長λ0の無変調光を発生する
局部発振レーザ部と、第1の周波数変調用レーザ部から
の出力光と、局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光
ヘテロダイン検波して電気信号であるビート信号に変換
する第1の光電気変換部と、第2の周波数変調用レーザ
部からの出力光と、局部発振レーザ部の出力光とを合波
し、光ヘテロダイン検波して電気信号であるビート信号
に変換する第2の光電気変換部と、第1および第2の光
電気変換部からの出力信号を結合して出力する結合部と
を備え、中心波長λ1および中心波長λ2の両方が、中
心波長λ0よりも長波側か、または短波側に配置されて
おり、かつ、いずれの場合も第1および第2の光電気変
換部の出力信号の中心周波数が、互いに同じ値に選ばれ
ていることを特徴とする。
【0015】上記第3の発明では、第1および第2の周
波数変調用レーザ部は、それぞれ同じ波形の分岐信号に
基づいて変調動作を行うので、それぞれの出力光の周波
数偏移の極性は、互いに同じ関係にある。しかも、 λ1=λ2>λ0またはλ1=λ2<λ0 の関係にあるので、第1および第2の光電気変換部から
出力されるビート信号の周波数偏移の極性も互いに同じ
関係になる。このように、中心周波数が同じで周波数偏
移が同じであれば、結合部の出力信号の振幅は、第1お
よび第2の光電気変換部から出力されるビート信号の振
幅の和となる。ここで、第1の光電気変換部から出力さ
れるビート信号の振幅と、第2の光電気変換部から出力
されるビート信号の振幅とが同じであれば、結合部の出
力信号の振幅は、周波数変調用レーザ部および光電気変
換部をそれぞれ1組だけ含む従来のFM変調器に比べて
2倍となる。ただし、第1および第2の光電気変換部か
ら出力されるビート信号が有しているノイズ成分も加算
されることになるが、これらノイズ成分は互いにランダ
ムに変化するため、加算後のノイズの振幅は2倍以下と
なる。
【0016】以上説明したように、第3の発明によれ
ば、周波数変調用レーザ部を2組用いることにより、ノ
イズの振幅を抑えながら出力信号の振幅を従来の2倍に
でき、CNR性能を大幅に改善することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施形態 図1は、本発明の第1の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。図1において、本実施形態
のFM変調器は、入力部1と、1対のFM変調用レーザ
部21および22と、局部発振レーザ部3と、1対の光
電気変換部41および42と、混合部5とを備えてい
る。なお、局部発振レーザ部30は、同じ局部発振光3
0を2つ出力できる構成となっている。
【0018】以上のように構成された第1の実施形態の
FM変調器について、以下にその動作を説明する。入力
部1は、入力信号10の非反転信号11および反転信号
12を生成し、それぞれ、FM変調用レーザ部21およ
び22に出力する。FM変調用レーザ部21は、非反転
信号11に従って周波数変調されたレーザ光、すなわち
FM変調光31を出力する。同様に、FM変調用レーザ
部22は、反転信号12に従って周波数変調されたレー
ザ光、すなわちFM変調光32を出力する。光電気変換
部41は、FM変調用レーザ部21からのFM変調光3
1と局部発振レーザ部3からの局部発振光30とを合波
して光電気変換することにより、光ヘテロダイン検波
し、ビート信号51を出力する。光電気変換部42は、
FM変調用レーザ部22からのFM変調光32と局部発
振レーザ部3からの局部発振光30とを合波して光電気
変換することにより、光ヘテロダイン検波し、ビート信
号52を出力する。混合部5は、2つの光電気変換部4
1および42からのビート信号51および52を混合し
て、そのビート信号を出力信号60として出力する。
【0019】図2は、第1の実施形態のFM変調器の各
部における周波数スペクトラムを示す模式図である。図
2において、それぞれ、(a)は局部発振光30、
(b)はFM変調光31、(c)はFM変調光32、
(d)はビート信号51、(e)はビート信号52、
(g)は出力信号60の周波数スペクトラムを示してい
る。
【0020】上記のように、図2(a)は、無変調であ
る局部発振光30の周波数スペクトラムを示しており、
その中心光周波数をν0とする(以下では、波長の代わ
りに光周波数で表記する)。また、図2(b)および
(c)は、FM変調光31および32の周波数スペクト
ラムを示しており、その中心光周波数をそれぞれν1お
よびν2とする。
【0021】光電気変換部41は、FM変調光31と局
部発振光30とを合波して光電気変換することにより、
光ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分の
ビート信号51を出力する。一般に、ビート信号以外の
成分、例えばFM変調光31の強度変調成分等は、フィ
ルタによって除去される。したがって、ビート信号51
の周波数スペクトラムは、図2(d)のようになり、そ
の中心周波数は、 f1=ν1−ν0 となる。実際上は、中心周波数がf1となるように、A
FC(自動周波数制御)により、FM変調用レーザ部2
1または局部発振レーザ部3内のレーザ光源の温度等が
制御される。本実施形態の構成であれば、局部発振レー
ザ部3は、FM変調用レーザ部22にも関係するので、
FM変調用レーザ21の光周波数つまり波長を制御する
ほうが容易である。
【0022】光電気変換部42も上記の光電気変換部4
1と同様の動作を行う。すなわち、FM変調光32と局
部発振光30を合波して光電気変換することにより、光
ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分のビ
ート信号52を出力する。したがって、ビート信号52
の周波数スペクトラムは図2(e)のようになり、その
中心周波数は、 f2=ν2−ν0 となる。
【0023】混合部5は、ビート信号51とビート信号
52を混合して、2つの信号の差の周波数成分のビート
である出力信号60を出力する。したがって、出力信号
60の周波数スペクトラムは図2(g)のようになり、
その中心周波数は、 f3=f2−f1 となる。中心周波数f3が維持されるように、周波数f
1およびf2がAFCで安定化される。前述したよう
に、周波数f1およびf2は、好ましくはFM変調用レ
ーザ部21および22のAFCにより安定化される。し
たがって、FM変調光31および32の中心光周波数ν
1およびν2を制御することにより、出力信号60の周
波数f3が安定化される。
【0024】FM変調用レーザ部21および22は、そ
れぞれ、互いに反転関係にある非反転信号11および反
転信号12によって変調動作を行うので、FM変調光3
1および32の周波数偏移の極性は、互いに逆の関係に
ある。この関係は、ビート信号51および52において
も同じである。したがって、出力信号60の周波数偏移
は、ビート信号51とビート信号52の周波数偏移の和
となる。ビート信号51とビート信号52の周波数偏移
量が同じであれば、出力信号60の周波数偏移は、ビー
ト信号51もしくは52の周波数偏移の2倍となる。な
お、ビート信号51および52が有しているノイズの原
因となる周波数揺らぎも加算されることになるが、互い
にランダムであるため、加算してもその合計は2倍以下
となる。
【0025】なお、上記第1の実施形態では、光周波数
の関係は、 ν1>ν0かつν2>ν0 としたが、反対に ν1<ν0かつν2<ν0 でも同様の結果は得られる。
【0026】以上のように、第1の実施形態によれば、
FM変調用レーザ部を2つ用いることにより、出力信号
の周波数偏移を2倍にでき、結果としてCNR性能を改
善することができる。また、中心周波数f3は、FM変
調光31および32の中心光周波数ν1およびν2によ
ってのみ決定されるので、局部発振光30の中心光周波
数ν0の変動揺らぎがある程度存在しても中心周波数f
3への影響はない構成となっている。また、FM変調光
31および32の強度変調分が打ち消され、強度変調分
による影響を除去できるという利点が本構成により達成
される。
【0027】(2)第2の実施形態 図3は、本発明の第2の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。図3において、本実施形態
は、前述した第1の実施形態(図1参照)における入力
部1に代えて分岐部7が設けられている。その他の構成
は、第1の実施形態と同様であり、相当する部分には同
一の参照番号を付し、その説明を省略する。かかる構成
の第2の実施形態は、第1の実施形態とは中心光周波数
の関係が異なっている。
【0028】以上のように構成された第2の実施形態の
FM変調器について、以下にその動作を説明する。分岐
部7は、入力信号10を2つに分岐し、分岐信号71お
よび72を出力する。FM変調用レーザ部21は、分岐
信号71によって駆動され、FM変調光33を出力す
る。同様に、FM変調用レーザ部22は、分岐信号72
によって駆動され、FM変調光34を出力する。光電気
変換部41は、FM変調用レーザ部21からのFM変調
光33と局部発振レーザ部3からの局部発振光30とを
合波し、光ヘテロダイン検波してビート信号53を出力
する。光電気変換部42は、FM変調用レーザ部22か
らのFM変調光34と局部発振レーザ部3からの局部発
振光30とを合波し、光ヘテロダイン検波してビート信
号54を出力する。混合部5は、2つの光電気変換部4
1および42からのビート信号53および54を混合し
て、ビート信号を出力信号60として出力する。
【0029】図4は、上記第2の実施形態のFM変調器
の各部における周波数スペクトラムを示す模式図であ
る。図4において、それぞれ、(a)は局部発振光3
0、(h)はFM変調光33、(i)はFM変調光3
4、(j)はビート信号53、(k)はビート信号5
4、(m)は出力信号60の周波数スペクトラムを示し
ている。
【0030】上記のように、図4(a)は、無変調であ
る局部発振光30の周波数スペクトラムを示しており、
その中心光周波数をν0とする。また、図4(h)およ
び(i)は、FM変調光33および34の周波数スペク
トラムを示しており、その中心光周波数をそれぞれν3
およびν4とする。
【0031】光電気変換部41は、FM変調光33と局
部発振光30とを合波して光電気変換することにより、
光ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分の
ビート信号53を出力する。一般に、ビート信号以外の
成分、例えばFM変調光33の強度変調成分等は、フィ
ルタによって除去される。したがって、ビート信号53
の周波数スペクトラムは、図4(j)のようになり、そ
の中心周波数は、 f4=ν0−ν3 となる。実際上は、中心周波数がf4となるように、A
FC(自動周波数制御)により、FM変調用レーザ部2
1または局部発振レーザ部3内のレーザ光源の温度等が
制御される。本実施形態の構成であれば、局部発振レー
ザ部3は、FM変調用レーザ部22とも関係するので、
局部発振レーザ部3の光周波数つまり波長は十分な精度
で一定値に安定化されており、FM変調用レーザ21の
光周波数つまり波長を制御するほうが容易である。
【0032】光電気変換部42も上記の光電気変換部4
1と同様の動作を行う。すなわち、FM変調光34と局
部発振光30を合波して光電気変換することにより。光
ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分のビ
ート信号54を出力する。したがって、ビート信号54
の周波数スペクトラムは図4(k)のようになり、その
中心周波数は、 f5=ν4−ν0 となる。
【0033】混合部5は、ビート信号53とビート信号
42を混合して、2つの信号の差の周波数成分のビート
である出力信号60を出力する。したがって、出力信号
60の周波数スペクトラムは図4(m)のようになり、
その中心周波数は、 f6=f5−f4 となる。中心周波数f6が維持されるように、周波数f
4およびf5がAFCで安定化される。前述したよう
に、周波数f4およびf5は、好ましくはFM変調用レ
ーザ部21および22のAFCにより安定化される。し
たがって、FM変調光33および34の中心光周波数ν
3およびν4を制御することにより、出力信号60の中
心周波数f6が安定化される。
【0034】FM変調用レーザ部21および22は、そ
れぞれ同じ波形の分岐信号71および72に基づいて変
調動作を行うので、FM変調光31および32の周波数
偏移の極性は、互いに同じ関係にある。しかしながら、
FM変調光33および34の中心光周波数ν3およびν
4は、ν0を挟んで、 ν3<ν0<ν4 の関係(波長では、FM変調光33が最も長波長、FM
変調光33が最も短波長)にあるので、ビート信号53
および54の周波数偏移の極性は、互いに逆の関係にな
る。したがって、出力信号60の周波数偏移は、ビート
信号53および54の周波数偏移の和となる。ビート信
号53および54の周波数偏移量が、互いに同じであれ
ば、出力信号60の周波数偏移は、ビート信号53もし
くは54の周波数偏移の2倍となる。なお、ビート信号
53および54が有しているノイズの原因となる周波数
揺らぎも加算されることになるが、互いにランダムであ
るため、加算してもその合計は2倍以下となる。
【0035】なお、上記第2の実施形態では、中心光周
波数の関係は、 ν3<ν0<ν4 としたが、反対に ν3>ν0>ν4 でも同様の結果は得られる。
【0036】以上のように、第2の実施形態によれば、
FM変調用レーザ部を2つ用いることにより、出力信号
の周波数偏移を2倍にでき、CNR性能を改善すること
ができる。また、光周波数の関係を上記のように設定す
ることによって、第1の実施形態の入力部1を入力信号
10を分岐するだけの機能を有する分岐部7に置き換え
ることができ、構成がより簡易になる。
【0037】(3)第3の実施形態 図5は、本発明の第3の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。図5において、本実施形態
は、前述した第2の実施形態(図3参照)における混合
部5に代えて結合部6が設けられている。その他の構成
は、第2の実施形態と同様であり、相当する部分には同
一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0038】以上のように構成された第3の実施形態の
FM変調器について、以下にその動作を説明する。分岐
部7は、入力信号10を2つに分岐し、分岐信号71お
よび72を出力する。FM変調用レーザ部21は、分岐
信号71によって駆動され、FM変調光81を出力す
る。同様に、FM変調用レーザ部22は、分岐信号72
によって駆動され、FM変調光82を出力する。光電気
変換部41は、FM変調用レーザ部21からのFM変調
光81と局部発振レーザ部3からの局部発振光30とを
合波し、光ヘテロダイン検波してビート信号91を出力
する。光電気変換部42は、FM変調用レーザ部22か
らのFM変調光82と局部発振レーザ部3からの局部発
振光30とを合波し、光ヘテロダイン検波してビート信
号92を出力する。結合部6は、2つの光電気変換部4
1および42からのビート信号91および92を結合
し、出力信号100として出力する。
【0039】図6は、上記第3の実施形態のFM変調器
の各部における周波数スペクトラムを示す模式図であ
る。図6において、それぞれ、(a)は局部発振光3
0、(n)はFM変調光81、(p)はFM変調光8
2、(r)はビート信号91、(s)はビート信号9
2、(t)は出力信号100の周波数スペクトラムを示
している。
【0040】上記のように、図6(a)は、無変調であ
る局部発振光30の周波数スペクトラムを示しており、
その中心光周波数をν0とする。また、図6(n)およ
び(p)は、FM変調光81および82の周波数スペク
トラムを示しており、その中心光周波数をそれぞれν5
およびν6とする。
【0041】光電気変換部41は、FM変調光81と局
部発振光30とを合波して光電気変換することにより、
光ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分の
ビート信号91を出力する。一般に、ビート信号以外の
成分、例えばFM変調光81の強度変調成分等は、フィ
ルタによって除去される。したがって、ビート信号91
の周波数スペクトラムは、図6(r)のようになり、そ
の中心周波数は、 f7=ν5−ν0 となる。実際上は、中心周波数がf7となるように、A
FC(自動周波数制御)により、FM変調用レーザ部2
1または局部発振レーザ部3内のレーザ光源の温度等が
制御される。本実施形態の構成であれば、局部発振レー
ザ部3は、FM変調用レーザ部22とも関係するので、
FM変調用レーザ21の光周波数つまり波長を制御する
ほうが容易である。
【0042】光電気変換部42も上記の光電気変換部4
1と同様の動作を行う。すなわち、FM変調光82と局
部発振光30を合波して光電気変換することにより、光
ヘテロダイン検波し、2つの信号の差の周波数成分のビ
ート信号92を出力する。したがって、ビート信号92
の周波数スペクトラムは図6(s)のようになり、その
中心周波数は、 f7=ν6−ν0 となり、ビート信号91の中心周波数と同じである。
【0043】結合部6は、ビート信号91および92を
加算、合成して、出力信号100を出力する。したがっ
て、出力信号100の周波数スペクトラムは、図6
(t)のようになり、その中心周波数は、ビート信号9
1および92と同じf7となる。したがって、FM変調
光81および82の光周波数ν5およびν6を制御する
ことにより、出力信号100の周波数f7が安定化され
る。
【0044】FM変調用レーザ部21および22は、そ
れぞれ同じ波形の分岐信号71および72に基づいて変
調動作を行うので、FM変調光81および82の周波数
偏移の極性は、互いに同じ関係にある。しかも、 ν5>ν0かつν6>ν0 の関係にあるので、ビート信号91および92の周波数
偏移の極性も同じ関係になる。したがって、中心周波数
が同じで周波数偏移が同じであれば、出力信号100の
振幅は、ビート信号91および92の振幅の和となる。
ビート信号91および92の振幅が同じであれば、出力
信号100の振幅は、ビート信号91もしくは92の振
幅の2倍となる。なお、ビート信号91および92が有
しているノイズ成分も加算されることになるが、互いに
ランダムであるため、加算後のノイズの振幅は、2倍以
下となる。
【0045】上記第3の実施形態では、光周波数の関係
は、 ν5>ν0かつν6>ν0 としたが、反対に ν5<ν0かつν6<ν0 でも同様の結果は得られる。
【0046】以上のように、第3の実施形態によれば、
FM変調用レーザ部を2つ用いることにより、出力信号
の振幅を2倍にでき、CNR性能を改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態のFM変調器の各部における周
波数スペクトラムを示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態のFM変調器の各部における周
波数スペクトラムを示す模式図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るFM変調器の構
成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態のFM変調器の各部における周
波数スペクトラムを示す模式図である。
【図7】従来のFM変調器の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…入力部 2,21,22…FM変調用レーザ部 3…局部発振レーザ部 5…混合部 6…合成部 7…分岐部 10…入力信号 11…非反転信号 12…反転信号 30…局部発振光 31〜34,81,82…FM変調光 41,42…光電気変換部 50,60,100…出力信号、 51〜54,91,92…ビート信号 71,72…分岐信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布施 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 菊島 浩二 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 池田智 他,光AM/FM一括変換に おけるAM成分抑圧,電子情報通信学会 総合大会講演論文集,日本,社団法人電 子情報通信学会 通信2,1996年 3月 11日,B−1205,637頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 10/00 - 10/28 H04J 14/00 - 14/08 G02F 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ヘテロダイン方式により、入力信号を
    広帯域周波数変調信号に変換するための周波数変調器で
    あって、 前記入力信号の非反転信号と反転信号を出力する入力部
    と、 前記入力信号の非反転信号によって駆動され、周波数変
    調された中心波長λ1の出力光を発生する第1の周波数
    変調用レーザ部と、 前記入力信号の反転信号によって駆動され、周波数変調
    された中心波長λ2の出力光を発生する第2の周波数変
    調用レーザ部と、 中心波長λ0の無変調光を発生する局部発振レーザ部
    と、 前記第1の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第1の光
    電気変換部と、 前記第2の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第2の光
    電気変換部と、 前記第1および第2の光電気変換部からの出力信号を混
    合し、両出力信号の周波数差を有するビート信号を出力
    する混合部とを備え、 前記中心波長λ1および前記中心波長λ2の両方が、前
    記中心波長λ0よりも長波長側か、または短波長側に配
    置されていることを特徴とする、周波数変調器。
  2. 【請求項2】 光ヘテロダイン方式により、入力信号を
    広帯域周波数変調信号に変換するための周波数変調器で
    あって、 前記入力信号を分岐して2つの分岐信号を出力する分岐
    部と、 前記2つの分岐信号のいずれか一方によって駆動され、
    周波数変調された中心波長λ1の出力光を発生する第1
    の周波数変調用レーザ部と、 前記2つの分岐信号のいずれか他方によって駆動され、
    周波数変調された中心波長λ2の出力光を発生する第2
    の周波数変調用レーザ部と、 中心波長λ0の無変調光を発生する局部発振レーザ部
    と、 前記第1の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第1の光
    電気変換部と、 前記第2の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第2の光
    電気変換部と、 前記第1および第2の光電気変換部からの出力信号を混
    合し、両出力信号の周波数差を有するビート信号を出力
    する混合部とを備え、 前記中心波長λ1および前記中心波長λ2が、前記中心
    波長λ0を挟んで、それぞれ、短波長側および長波長側
    に、または長波長側および短波長側に分散して配置され
    ていることを特徴とする、周波数変調器。
  3. 【請求項3】 光ヘテロダイン方式により、入力信号を
    広帯域周波数変調信号に変換するための周波数変調器で
    あって、 前記入力信号を分岐して2つの分岐信号を出力する分岐
    部と、 前記2つの分岐信号のいずれか一方によって駆動され、
    周波数変調された中心波長λ1の出力光を発生する第1
    の周波数変調用レーザ部と、 前記2つの分岐信号のいずれか他方によって駆動され、
    周波数変調された中心波長λ2の出力光を発生する第2
    の周波数変調用レーザ部と、 中心波長λ0の無変調光を発生する局部発振レーザ部
    と、 前記第1の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第1の光
    電気変換部と、 前記第2の周波数変調用レーザ部からの出力光と、前記
    局部発振レーザ部の出力光とを合波し、光ヘテロダイン
    検波して電気信号であるビート信号に変換する第2の光
    電気変換部と、 前記第1および第2の光電気変換部からの出力信号を結
    合して出力する結合部とを備え、 前記中心波長λ1および前記中心波長λ2の両方が、前
    記中心波長λ0よりも長波側か、または短波側に配置さ
    れており、かつ、いずれの場合も前記第1および第2の
    光電気変換部の出力信号の中心周波数が、互いに同じ値
    に選ばれていることを特徴とする、周波数変調器。
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池田智 他,光AM/FM一括変換におけるAM成分抑圧,電子情報通信学会総合大会講演論文集,日本,社団法人電子情報通信学会 通信2,1996年 3月11日,B−1205,637頁

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