JP3460320B2 - 車両の駐車状況監視システム - Google Patents

車両の駐車状況監視システム

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JP3460320B2 JP20116994A JP20116994A JP3460320B2 JP 3460320 B2 JP3460320 B2 JP 3460320B2 JP 20116994 A JP20116994 A JP 20116994A JP 20116994 A JP20116994 A JP 20116994A JP 3460320 B2 JP3460320 B2 JP 3460320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等の屋内駐車場等
の駐車状況を超音波送受波器を用いて自動的に正確に監
視できる車両の駐車状況監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両の駐車状況監視システムは、
超音波パルスを出力して、その反射波を検知するととも
にほぼ一定の高さ寸法の天井面に所定間隔をおいて配置
される複数個の超音波送受波器S1・・・Snと、これ
ら複数個の超音波パルスを送波させるとともにその反射
波を検知するコントローラと、を備えていた。
【0003】コントローラ(不図示)は、検知ゲート範
囲を設定する際に、全ての複数の超音波送受波器より超
音波パルスを同時に送波させ、このとき床面側から反射
されて来た反射波を検知し、最初に受信した反射波を
面の反射信号と判断して検知ゲート範囲を設定してい
た。そして、このような構成の従来の車両の駐車状況監
視システムでは、次のようにして車両の駐車状況を監視
していた。
【0004】図5に床面F上の検知対象物を検知するた
めの監視領域を斜線で示す。床面Fから所定高さ寸法の
温度保証余裕Yが設定されている。コントローラから同
期信号が出力されると、超音波送受波器S1から下方に
超音波パルスが出力されこの超音波パルスが床面Fによ
って反射された後、再び超音波送受波器S1にて受波さ
れて電気信号に変換増幅されると図6に示す超音波受波
信号Aが得られ、それを検波して検波信号Bが得られ
る。
【0005】送波及び残響信号の後にくる最初の反射波
床面Fからの反射に相当しているが、検知対象物(車
両)の反射波が受信されるのはこの反射波より時間的に
前であるので、検知ゲート信号Cは、床面Fの反射信号
より少し余裕Yをもって以前に設定されこの検知ゲート
範囲(検知ゲート信号C)の設定によって、超音波送受
波器S1の監視領域の超音波送受波器S1からの距離範
囲が定まる。
【0006】ここで、図中の温度保証余裕Yは、気温変
化により超音波の伝播速度が変動を受けると、結果的に
反射信号が受信されるに要する時間の変動(早遅)とし
て現れるが、この時に床面Fの反射信号を誤って検知し
ないように時間変動(早遅)量に応じて検知ゲート範囲
を設定しておく必要があり、気温変化の保証最高限度に
至ったときに反射信号の時間変化が生じうる量だけ予め
検知範囲から除外しておくためにある。
【0007】このように検知ゲート範囲が設定され図7
に示すように車両Mの片側に超音波パルスが照射される
と、図8に示すような信号が受波される。超音波受波信
号Aは検波されて、検波信号Bが得られ、検知ゲート信
号C内の検波信号Bが検知され、床面Fからの反射信号
は無視される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両の駐車状況監視システムにおいては、次のような問
題があった。一般に超音波送受波器S1の床上取付高さ
寸法は所定の範囲内で任意であるが、図9に示すよう
に、検知対象物としての車両Mが監視領域内に存在する
ときに上述の方法で検知ゲート範囲の設定を行った場
合、車両Mの反射波が超音波送受波器の超音波パルス送
波後の最初の反射信号となる。
【0009】そのため、図10に示すように、車両Mか
らの反射信号の時間位置を基準とする、誤った検知ゲー
ト範囲(監視領域範囲)を設定してしまうという問題が
あった。即ち、図9と図10に示すような誤った監視領
域範囲(検知ゲート範囲)を設定してしまい、車両Mを
検知できなくなってしまうという問題があった。これは
検知ゲート範囲の設定の際、取付高さ寸法の範囲に対応
して床面Fからの反射信号が受信され得る時間範囲は既
知であっても、検知対象物(車両M)からの反射信号が
その範囲内にある場合、何の反射信号か区別ができない
ためである。従って、検知対象物(車両M)が監視領域
に存在するときには、検知ゲート範囲の設定ができない
のが現状であった。
【0010】したがって、本発明は、上述の事情に鑑み
てなされたものであって、監視領域範囲(検知ゲート範
囲)の設定に際して、検知対象物(車両等)が存在して
も、自動的にしかも正確に監視領域範囲を設定でき、全
ての超音波送受波器の検知ゲート範囲の設定が一度に実
施できる車両の駐車状況監視システムを提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に提案された本発明は、次のような構成上の特徴を備え
ている。即ち、請求項1に記載された車両の駐車状況監
視システムは、超音波パルスを出力して、その反射波を
検知するとともにほぼ一定の高さ寸法の天井面に所定間
隔をおいて配置される複数個の超音波送受波器と、これ
らの複数個の超音波送受波器に超音波パルスを送波させ
るとともにその反射波を検知するコントローラと、を備
えた車両の駐車状況監視システムであって、上記コント
ローラは、検知ゲート範囲を設定する際に、上記複数個
の超音波送受波器より超音波パルスを同時に送波させ、
このとき床面側から反射されて来た反射波を検知し、こ
れらの超音波パルスに対する反射波をAND処理して反
射信号を抽出する演算処理部と、上記反射信号の中で、
最初に抽出された反射信号を、検知ゲート範囲の設定基
準である床面からの最初の反射波と判断して、検知ゲー
ト範囲を設定する設定判断部とを備えている
【0012】ここで、AND処理は、いわゆる論理積演
算を意味し、すべての超音波送受波器から各々に送波し
た超音波パルス抽出するために行なわれている。請求項
2に記載された車両の駐車状況監視システムは、請求項
1において、上記設定判断部は、AND演算では共通す
る反射信号が抽出されない場合、受波した反射波の中で
返信されて来る時間が最も遅い反射波を床面からの反射
信号と判断して検知ゲート範囲を設定する構成とされて
いる。
【0013】
【作用】本発明によれば、次のような作用が奏される。
即ち、請求項1に記載された車両の駐車状況監視システ
ムでは、検知ゲート範囲を設定する際に、コントローラ
の演算処理部は、複数の超音波送受波器より超音波パル
スを同時に送波させ、このとき床面側から反射されて来
た反射波を検知し、この反射信号をAND処理する。
【0014】そしてコントローラの設定判断部は、検知
ゲート範囲の設定基準である床面の反射信号を判断して
検知ゲート範囲を設定する際に、AND処理により抽出
された反射信号の中で、最初に受信した反射波を床面の
反射信号と判断して検知ゲート範囲を設定する。請求項
2に記載された車両の駐車状況監視システムでは、検知
ゲート範囲を設定する際に、コントローラの設定判断部
は、AND処理では反射信号が抽出されない場合、これ
らの反射波の中で最も遅い反射波を床面の反射信号と判
断して検知ゲート範囲を設定する。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る車両の駐車状況監視シス
テムの一実施例について、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明に係る車両の駐車状況監視システム
のシステム構成を示したブロック図であり、図2は本発
明において使用される超音波送受波器の送受波信号の一
例を示すタイムチャート図である。
【0016】本発明に係る車両の駐車状況監視システム
は、超音波パルスを出力して、その反射波を検知すると
ともにほぼ一定の高さ寸法の天井面Rに所定間隔をおい
て配置される複数個の超音波送受波器S1・・・Sn
と、これら複数個の超音波送受波器S1・・・Snに超
音波パルスを送波させるとともにその反射波を検知する
コントローラCTと、を備えている。
【0017】図1には駐車場の駐車スペースの利用状況
を管理するための車両の駐車状況監視システムを示して
いる。天井面Rには、同一機能の超音波送受波器S1・
・・Snが駐車スペース毎に取付高さ寸法を統一して所
定間隔をおいて配置されている。コントローラCTは、
検知ゲート範囲を設定する際に、複数個の超音波送受波
器S1・・・Snより超音波パルスを同時に送波させ、
このとき床面F側から反射されて来た反射波を検知し、
これらの反射波をAND処理して反射信号を抽出する
算処理部CPと、検知ゲート範囲の設定の基準である床
面Fの反射信号を判断して検知ゲート範囲を設定する設
定判断部CHを備えている。
【0018】このような構成によれば、図2に示すよう
に各超音波送受波器Si(i=1、・・・、n)は、コ
ントローラCTからの同期信号Trを受信すると送波動
作を開始し、その反射波を検波信号Bi(i=1、・・
・、n)として返信する。コントローラCTの演算処理
部CPは、これらの検波信号Biの信号波形をAND演
算することによって、検知ゲート範囲の設定基準である
床面Fの反射信号成分Cを抽出する。
【0019】コントローラCTの設定判断部CHは、A
ND処理により抽出された反射信号の中で、最初に抽出
した反射信号を床面Fの反射信号と判断して、この床面
Fの反射信号の時間位置を基準に検知ゲート信号Dを決
定する。そしてコントローラCは、全超音波送受波器S
1・・・Snにこの検知ゲート情報を送信する。各超音
波送受波器Siは、各々この情報を記憶し設定を完了す
る。
【0020】次に、検知対象物(車両M)によって床面
Fの反射信号が超音波送受波器に受信されない状態が含
まれる場合について説明する。従来の車両の駐車状況監
視システムに比べて自動による検知ゲート範囲設定の正
確性並びに信頼性が向上できる。図3は、本発明の車両
の駐車状況監視システムにおいて、AND演算しても反
射成分が抽出されない例を示すブロック図であり、図4
は、本発明の車両の駐車状況監視システムにおいて、反
射成分が抽出されない例を示すタイムチャート図であ
る。
【0021】即ち、車両Mがある超音波送受波器Skの
真下にある場合である。このような場合は、検波信号B
kに床面Fの反射信号が含まれておらず、上述のように
演算処理部CPによって、検波信号のAND演算を行っ
ても、結果的に反射信号成分Cが一切抽出されず、床面
Fの反射信号の時間位置が確定できない。このような場
合には、勿論、現実的にはこのような場合が多いが、検
知ゲート信号の設定は次のように行われる。
【0022】受信された検波信号Bi(i=1、・・
・、n)の内、送波後最初の反射波を受信するに要する
時間をTi(i=1、・・・、n)とする。ここで反射
波の受信時間範囲は、送波および残響信号受信終了から
超音波送受波器S1・・・Snの床面F上取付高さ寸法
の最大値相当時間までとする。送波後の最初の反射波の
受信に要する時間Ti全体の中でTjがその最大値であ
るならば、コントローラCTの設定判断部は、検波信号
Bjにおけるその反射波を床面Fの反射信号として判断
して、その時間位置を基準に検知ゲート信号Dを決定す
る。
【0023】そしてコントローラCTは、上述のように
全超音波送受波器S1・・・Snにこの検知ゲート情報
を送信する。各超音波送受波器Siは、各々この情報を
記憶し、設定を完了する。従って、検知ゲート範囲設定
時に検知対象物(車両M)が存在して、AND演算抽出
が出来ない場合でも、その検知対象物の反射を原因とす
る設定の誤りを回避できる。
【0024】複数の超音波送受波器S1・・・Snの検
知ゲート範囲の設定が一度に実施可能であり、超音波送
受波器Siの取付高さ寸法が全体で統一されていること
が多い駐車場等の車両台数管理システムに組み込めば特
に有効である。尚、本発明は上述の実施例に限定されず
本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計変更可能で
ある。
【0025】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に示す効果を奏する。請求項1のシステムによれ
ば、AND処理により抽出された反射信号の中で、最初
に抽出した反射信号を床面の反射信号と判断して検知ゲ
ート範囲を設定するため、監視領域範囲(検知ゲート範
囲)の設定に際して、自動による検知ゲート範囲の設定
の正確性並びに検知の信頼性が向上できる。更に全ての
超音波送受波器の検知ゲート範囲の設定が一度に実施で
きる。
【0026】請求項2のシステムによれば、監視領域範
囲(検知ゲート範囲)の設定に際して、自動による検知
ゲート範囲の設定の正確性並びに検知の信頼性が向上で
きる。更に、AND処理では反射信号が抽出されない場
合、全ての反射波の中で最も遅い反射波を床面の反射信
号と判断して検知ゲート範囲を設定しているので、検知
ゲートの設定に際して、検知対象物(車両等)が存在し
ても自動的にしかも正確に検知ゲート範囲を設定でき、
全ての超音波送受波器の検知ゲート範囲の設定が一度に
実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の駐車状況監視システムのシ
ステム構成を示したブロック図である。
【図2】本発明において使用される超音波送受波器の送
受波信号の一例を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の車両の駐車状況監視システムにおい
て、AND演算しても反射成分が抽出されない例を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の車両の駐車状況監視システムにおい
て、反射成分が抽出されない例を示すタイムチャートで
ある。
【図5】超音波送受波器の監視領域を示す作用説明図で
ある。
【図6】超音波送受波器の送受波信号を示すタイムチャ
ートである。
【図7】従来の車両の駐車状況監視システムの超音波送
受波器の監視動作を示す作用説明図である。
【図8】従来の車両駐車状況監視システムの超音波送受
波器の送波信号を示すタイムチャートである。
【図9】従来のシステムにおいて超音波送受波器が誤っ
た監視領域を設定する例を示す作用説明図である。
【図10】従来のシステムにおいて超音波送受波器が誤
った検知ゲート信号を設定した例を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
CH 設定判断部 CP 演算処理部 CT コントローラ F 床面 R 天井面 S1・・・Sn 超音波送受波器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波パルスを出力して、その反射波を検
    知するとともにほぼ一定の高さ寸法の天井面に所定間隔
    をおいて配置される複数個の超音波送受波器と、 これらの複数個の超音波送受波器に超音波パルスを送波
    させるとともにその反射波を検知するコントローラと、
    を備えた車両の駐車状況監視システムであって、 上記コントローラは、 検知ゲート範囲を設定する際に、上記複数個の超音波送
    受波器より超音波パルスを同時に送波させ、このとき床
    面側から反射されて来た反射波を検知し、これらの超音
    波パルスに対する反射波をAND処理して反射信号を抽
    出する演算処理部と、上記反射信号の中で、最初に抽出された反射信号を、検
    知ゲート範囲の設定基準である床面からの最初の反射波
    と判断して、検知ゲート範囲を設定する設定判断部とを
    備えている車両 の駐車状況監視システム。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記設定判断部は、A
    ND処理では反射信号が抽出されない場合、受波した反
    射波の中で最も遅く返信されて来た受波した反射波を床
    面からの反射信号と判断して検知ゲート範囲を設定する
    構成とした車両の駐車状況監視システム。
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