JP3460250B2 - 重合性組成物 - Google Patents

重合性組成物

Info

Publication number
JP3460250B2
JP3460250B2 JP11870293A JP11870293A JP3460250B2 JP 3460250 B2 JP3460250 B2 JP 3460250B2 JP 11870293 A JP11870293 A JP 11870293A JP 11870293 A JP11870293 A JP 11870293A JP 3460250 B2 JP3460250 B2 JP 3460250B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
salt
substituted
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11870293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06329712A (ja
Inventor
修一 杉田
喜一 細田
博稔 鎌田
Original Assignee
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 昭和電工株式会社 filed Critical 昭和電工株式会社
Priority to JP11870293A priority Critical patent/JP3460250B2/ja
Publication of JPH06329712A publication Critical patent/JPH06329712A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3460250B2 publication Critical patent/JP3460250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な重合開始システ
ムによって重合硬化する組成物に関する。更に詳しく
は、重合性不飽和化合物の存在下、4配位ホウ素化合物
を酸性化合物である脂肪族カルボン酸との反応により分
解させてラジカルを発生させ、重合させることの出来る
重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ラジカル重合開始剤は、熱によって
分解しラジカルを発生する化合物、すなわち有機ジアゾ
化合物、有機過酸化物、有機過酸及びそのエステル等、
あるいは紫外線等の光照射によって分子が開裂してラジ
カルを発生し、重合を開始する化合物、すなわちアセト
フェノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類など
が知られている。しかし熱ラジカル開始剤は、熱によっ
て分解するという特徴故に、化合物自体の熱安定性に問
題があるので低温保存が必要であり、また製造、保存時
における安全性にも問題があり、爆発などの危険性があ
った。また光ラジカル重合開始剤は重合を開始させるた
めに適当な光源が必要であり紫外線重合の場合だと高圧
水銀ランプなどの高価な設備が必要であると共に、紫外
線による発ガン性、オゾン発生等の危険性が指摘されて
いる。
【0003】一方、有機ホウ素化合物をラジカル重合開
始剤に用いる例としては、トリエチルホウ素等のトリア
ルキルホウ素化合物を酸素の存在下分解して重合性不飽
和化合物をラジカル重合する例が知られている(例えば
工業化学雑誌第61巻728頁 1958年発行)。し
かし有機ホウ素化合物は空気中では非常に不安定で発火
等の危険性があり、一般的に用いるのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来化合物
の安定性が低く重合開始剤として工業的な使用が困難で
あった有機ホウ素化合物を用いて、安全性に優れた重合
性組成物を提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの課題を
解決するために、ホウ素原子に3個の置換基が付いたト
リアルキルホウ素化合物よりも安定で安全性の高い、ホ
ウ素原子にアルキル基、アリール基などの置換基が4個
付いた4配位のホウ素化合物を重合開始剤として用いる
方法を鋭意検討した結果、重合性不飽和化合物を含有す
る組成物に4配位ホウ素化合物及び酸性化合物である脂
肪族カルボン酸を共存させることにより重合性組成物が
得られ、重合が開始されることを見いだし、本発明を完
成するに至つた。
【0006】4配位ホウ素化合物を重合に用いる例とし
ては、光吸収性カチオン色素とのイオン対を用いて光照
射により重合を開始させる方法が知られていたが(例え
ば特開昭62−143044号公報、特開平1−111
402号公報)、少なくとも一つのアルキル基を配位子
とする4配位ホウ素化合物を酸性化合物である脂肪族カ
ルボン酸と組み合わせて重合開始剤として用いる例は全
く知られていなかった。すなわち本発明によれば、重合
性不飽和化合物と一般式(1)で表わされる4配位ホウ
素化合物、
【0007】一般式(1);
【化2】
【0008】(式中、R1 はアルキル基、R2 、R3
びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ア
リル基,アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
シリル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換シリル基を示し、Z+
は4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオ
ン、4級キノリニウム陽イオン、ホスホニウム陽イオン
または金属陽イオンを示す)及び酸性化合物である脂肪
族カルボン酸を組み合わせて組成物となすことにより本
発明の重合性組成物が得られる。
【0009】本発明における重合反応の機構は必ずしも
明確にはなっていないが、一般式(1)の4配位ホウ素
化合物と酸性化合物が共存することで4配位ホウ素化合
物の分解が起こって3配位のホウ素化合物が生成し、更
に3配位ホウ素化合物が系中に存在する酸素により分解
してラジカルが発生し重合が開始されると推定されてい
る。本発明における4配位ホウ素化合物は一般式(1)
で表わされるが、式中に記載の陽イオン(Z+ )は一般
式(2)
【0010】一般式(2);
【化3】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
水素原子、アルキル基、アリール基、アリル基、アラル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、置換
アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラ
ルキル基、置換アルケニル基または置換アルキニル基を
示す)
【0011】で表わされる4級アンモニウム陽イオンま
たは4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イ
オン、ホスホニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、
リチウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カル
シウム等のアルカリ土類金属イオン等の金属陽イオン等
があげられ、
【0012】本発明の開始剤である4配位ホウ素化合物
の具体的な例としては、モノアルキルトリフェニルホウ
素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−
ドデシル基、ナフチル基など)のナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テ
トラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルハイドロ
ゲンアンモニウム塩、トリエチルハイドロゲンアンモニ
ウム塩、テトラハイドロゲンアンモニウム塩、
【0013】メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウ
ム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、
エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩、モノア
ルキルトリアニシルホウ素(アルキル基は上記と同様)
のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウ
ム塩、カルシウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テ
トラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム
塩、トリメチルハイドロゲンアンモニウム塩、トリエチ
ルハイドロゲンアンモニウム塩、テトラハイドロゲンア
ンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニ
ウム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム
塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩、
【0014】ジアルキルジフェニルホウ素(アルキル基
は上記と同様)のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テトラメチルアン
モニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、メチルキノ
リニウム塩、ジアルキルジアニシルホウ素(アルキル基
は上記と同様)のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テトラメチルアン
モニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、
【0015】メチルピリジニウム塩、メチルキノリニウ
ム塩、テトラフェニルホウ素のナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テト
ラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、テトラブチルアンモニウム塩、
【0016】テトラn−ブチルホウ素のナトリウム塩、
リチウム塩、マグネシウム塩、テトラメチルアンモニウ
ム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアン
モニウム塩、メチルピリジニウム塩、エチルピリジニウ
ム塩、ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウム塩、
エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩、トリn
−ブチル( トリフェニルシリル) ホウ素のテトラメチル
アンモニウム塩 、テトラエチルアンモニウム塩、テト
ラブチルアンモニウム塩、
【0017】トリn−ブチル( ジメチルフェニルシリ
ル)ホウ素のテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチ
ルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、n−
オクチルジフェニル( ジn−ブチルフェニルシリル) ホ
ウ素のテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアン
モニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、ジメチルフ
ェニル( トリメチルシリル) ホウ素の、テトラメチルア
ンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブ
チルアンモニウム塩などがあげられる。これらの4配位
ホウ素化合物は単独または2種以上を混合して用いるこ
ともできる。
【0018】本発明で用いられる重合性不飽和化合物と
は重合性不飽和モノマーあるいは重合性不飽和オリゴマ
ー、ポリマーのいずれかあるいは混合物であり、例えば
特開平4−362935号公報、特願平4−17576
7号明細書に記載されたものを挙げることが出来る。こ
れらの重合性モノマー、オリゴマー、ポリマーなどは各
々単独、或いは2種類以上混合して用いることが出来
る。
【0019】重合性不飽和モノマーとしては例えば、
(メタ)アクリル酸と1価アルコールとのエステル化
物、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどの
ビニルベンゼン類、ビニルイソブチルエーテル、2−エ
チルヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
メチレンビスアクリルアミド等の(メタ)アクリル化合
物類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル等のビニルエステル類、
【0020】アリルアルコール、酢酸アリル、フタル酸
ジアリル類等のアリル基を含有するモノマー等が挙げら
れる。さらに該モノマーとして、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;ブチルイ
ソシアネート、フェニルイソシアネートなどのポリイソ
シアネートと上記水酸基含有モノマーとの付加物;リン
酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物;N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカルバゾール、Nービニルアセト
アミド、ビニルピリジン類などの含窒素不飽和モノマー
なども使用できる。
【0021】さらに該モノマーとして、ジエチレングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレートなどのジ−、トリ−
またはテトラビニル化合物;多価アルコールとエチレン
オキシドとの付加物にアクリル酸および/またはメタク
リル酸を反応せしめた生成物;多価アルコールとプロピ
レンオキシドとの付加物にアクリル酸および/またはメ
タクリル酸を反応せしめた生成物;多価アルコールとε
−カプロラクトンとの付加物にアクリル酸および/また
はメタクリル酸を反応せしめた生成物;含リン重合性不
飽和モノマー等が包含され、
【0022】また重合性不飽和ポリマーの具体例として
は、ポリエステル(メタ)アクリル酸を縮合させた樹
脂、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、エチレ
ン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含
有含リンエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含有アクリ
ル樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹脂、エチレ
ン性不飽和基含有メラミン樹脂などがあげられる。特に
特開平4−28722号公報に開示されている(メタ)
アクリル官能性ポリオルガノシルセスキオキサンが好適
である。
【0023】また本発明の酸性化合物は水溶液中での酸
解離指数(pKa値)が10以下の脂肪族カルボン酸が
好ましい。具体的には例えばギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン
酸、フマル酸等が挙げられる。
【0024】その他の酸として安息香酸、フタル酸、ト
リメリット酸等の芳香族カルボン酸類、クロル酢酸、ジ
クロル酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、パー
フルオロプロピオン酸等のハロゲン置換カルボン酸類、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸等のスルホン酸類、フェノール、カテコー
ル、レゾルシン、フロログルシノール、クレゾール等の
フェノール類等も使用することができる。
【0025】一般に酸性度が強いほど4配位ホウ素化合
物の分解が促進され、重合が速やかに進むので、保存安
定性を高めるためにはやや酸性度の低い酸性化合物を用
いて材料を製造して低温保存し、使用時に加熱などの操
作によって重合を促進する方法が好ましい。また重合を
行う直前に酸性化合物以外の成分を混合した組成物中に
酸性化合物を添加することによって重合を開始せしめる
ことも可能である。
【0026】また、光照射によって酸性化合物を発生す
る化合物が一般に知られており、例えば光カチオン重合
開始剤と呼ばれて広く利用されているが、これらの化合
物も酸性化合物として使用することができる。すなわち
それらの化合物を本発明の4配位ホウ素化合物と共存さ
せ、紫外線などの光を照射することによって光カチオン
重合開始剤等の化合物を分解せしめ、発生した酸性化合
物によって本発明の4配位ホウ素化合物を分解させラジ
カル重合を行うことも出来る。光カチオン重合開始剤の
例としては、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合
物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合物等様々な化合
物が知られており、「機能材料」1985年10月号5
頁、「UV・EB硬化技術の応用と市場」シーエムシー
社1989年発行78頁等に詳細な記述がある。一般に
光カチオン重合開始剤のみではラジカル重合を生起させ
ることは出来ないが、光カチオン重合開始剤と4配位ホ
ウ素化合物を組合せることでラジカル重合を行うことが
できる。光カチオン重合開始剤配合時も、重合速度を上
げる目的で適度な加熱を行ってもよい。
【0027】なお、本発明における酸解離指数とは、酸
解離定数の逆数の対数値で、例えば「化学便覧基礎編」
丸善社刊1984年発行339頁に詳細な記載がある。
また本発明の重合性組成物は、従来知られている他の重
合システムと併用することも出来る。例えば光吸収性カ
チオン色素化合物を用いる重合開始システム(例えば特
開昭62−143044号公報、特開平1−11140
2号公報)との組み合わせ、すなわち光吸収性色素、本
発明の4配位ホウ素化合物、及び本発明の酸性化合物と
を組み合わせ、光照射によるラジカル発生と酸性化合物
によるラジカル発生を同時に起こさせ、相乗効果により
短時間に温和な条件で共存する重合性不飽和化合物を重
合せしめることも出来る。
【0028】本発明における重合性組成物に任意の顔
料、着色染料等を添加することが出来る。具体例として
は、カーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料、
チタンホワイト、クレー等の白色顔料、アルミパウダ
ー、アルミペースト、金粉、銀粉等のメタル系顔料をは
じめとする市販の各種顔料等の他、各種文献など(例え
ば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊、
「最新顔料便覧」日本顔料技術協会編集、昭和51年
刊)に記載されている公知のもの等が使用できる。
【0029】また本発明において、重合系組成物に任意
の充填剤などを添加することが出来る。ここでいう充填
剤としては、有機物、無機物、或いはそれらの複合物、
混合物が挙げられる。有機の充填剤としては、例えば重
合物を微細に粉砕したものが挙げられ、また無機の充填
剤としては、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ、石
英、ガラス、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、雲
母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、酸化チタン、リン酸カルシウム等の粉末及びそれら
粉末の表面を多官能(メタ)アクリレート系モノマーま
たはシランカップリング剤で被覆処理したもの等が挙げ
られる。また複合物には上記無機充填剤をエチレン性不
飽和化合物に混合し、重合硬化させた後に微細に粉砕し
たもの等が挙げられる。また異種の充填剤を2種以上別
途に添加、或いは混合した後に添加しても何等差し支え
ない。
【0030】本発明における一般式(1)で表される4
配位ホウ素化合物は、重合性組成物の0.001重量%
以上用いることにより本発明の目的を達成することが出
来る。それ以下だと重合が充分に行われず、硬化が不十
分に終わるおそれがある。好ましくは、0.01〜10
重量%の範囲である。大量に用いすぎることは、経済的
観点上、好ましくない。また本発明の酸性化合物の量は
酸の強度、4配位ホウ素化合物の安定性、重合性不飽和
化合物の重合性、所望の重合速度などによって最適値が
異なるが、一般には4配位ホウ素化合物の0.1〜10
00モル等量添加される。
【0031】本発明の重合性組成物は無溶剤型の硬化性
組成物として利用可能であり、地球環境改善に寄与する
ことが期待される。勿論、従来の溶剤で希釈した形で用
いることも出来る。その際に用い得る溶剤としては、従
来の塗料用に用いられている一般の溶剤等、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサ
ン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ等のエチレングリコールの
モノエーテル類等が使用可能である。これらの溶剤は1
種または2種以上を混合して使用することが出来る。こ
れらの溶剤は材料の粘度調製、組成物の相溶性、作業性
向上等の機能も有するので、状況に応じて適宜適量添加
することが出来る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、硬化物の評価における硬化とは、硬化後の塗膜の表
面及びカッターナイフで硬化塗膜を傷つけた塗膜の内面
を目視観察及び手で触れ、べとつき、タックが全くない
状態をいう。
【0033】(参考例1)ペンタエリスリトールトリア
クリレート10g、テトラブチルアンモニウムn−ブチ
ルトリフェニルホウ素0.1g、トリクロル酢酸(酸解
離指数pKa=0.65)0.1gを充分に混合し、ア
ルミ基板に250μmの厚さで塗布した。約3分後に重
合が始まり、サンプルは硬化した。
【0034】(実施例1)トリクロル酢酸に変えて酢酸
(pKa=4.76)を用いる以外は参考例1と同様に
サンプルを製作した。塗布基板を80℃に加熱すると、
重合が開始し、サンプルが硬化した。
【0035】(参考例2)ペンタエリスリトールトリア
クリレートに変えて、トリエチレングリコールジアクリ
レートを用いる以外は参考例1と同様にサンプル5を作
成した。塗布サンプルは約5分後に重合が開始し、サン
プルが硬化した。
【0036】(参考例3参考例1の組成物に更にアル
ミペースト(商品名SAP561PS昭和アルミパウダ
ー社製)0.5gを添加する以外は参考例1と同様にサ
ンプル6を作成した。塗布サンプルは約3分後に重合が
開始し、サンプルが硬化した。
【0037】(実施例2実施例1の組成物に、近赤外
光吸収性色素1,1,5,5−テトラキス[4−(ジエ
チルアミノ)フェニル]ペンタジエニリウムブチルトリ
フェニルボレート0.1gを添加する以外は実施例1
同様にサンプル7を作成した。塗布サンプルに波長80
0nm〜950nmの範囲に分光分布を有する出力15
00Wのハロゲンランプを1分間照射したところ、サン
プルが硬化した。
【0038】(参考例4)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素0.1gに変えてエチルピ
リジニウムn−ブチルトリフェニルホウ素を用いる以外
参考例1と同様にサンプル8を作成した。塗布サンプ
ルは約10分後に重合開始し、サンプルが硬化した。
【0039】(実施例3)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素0.1gに変えてテトラブ
チルアンモニウムジ−n−ブチルジフェニルホウ素を用
いる以外は実施例1と同様にサンプル9を合成した。塗
布サンプルは約3分後に重合開始し、サンプルは硬化し
た。
【0040】(実施例4実施例1と同じ組成の混合物
を等量のトルエンで希釈し、鋼板上に50g/m2 付着
するようスプレーコーティングした。このサンプルを8
0℃に加熱すると重合が開始し、硬化した。
【0041】(比較例1)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素を添加しない以外は参考例
と同様にサンプルaを作成した。塗布サンプルは1日
以上放置しても重合は開始せず、サンプルは硬化しなか
った。
【0042】(比較例2)トリクロル酢酸を添加しない
以外は参考例1と同様にサンプルbを作成した。塗布サ
ンプルは1日以上放置しても重合は開始せず、サンプル
は硬化しなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明により、従来知られていなかった
4配位ホウ素化合物と酸性化合物である脂肪族カルボン
及び酸素との組み合わせで、共存させた重合性不飽和
化合物を重合可能な組成物が提供された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−138204(JP,A) 特開 昭64−13140(JP,A) 特開 平3−163106(JP,A) 特開 平4−56862(JP,A) 特開 昭57−19737(JP,A) Die Makromolekula re Chemie,1972年,第162巻, 9−18頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 2/00 - 2/60 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性不飽和化合物、一般式(1)で表わ
    される4配位ホウ素化合物、及び酸性化合物として脂肪
    族カルボン酸を含有することを特徴とする重合性組成
    物。一般式(1); 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、R2 、R3 及びR4 はそれ
    ぞれ独立してアルキル基、アリール基、アリル基,アラ
    ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複
    素環基、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル
    基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキ
    ニル基または置換シリル基を示し、Z+は4級アンモニ
    ウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリ
    ニウム陽イオン、ホスホニウム陽イオン、または金属陽
    イオンを示す)
  2. 【請求項2】重合性不飽和化合物がエチレン性不飽和基
    含有エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記
    載の重合性組成物。
  3. 【請求項3】脂肪族カルボン酸が、ギ酸、酢酸、プロピ
    オン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイ
    ン酸、及びフマル酸からなる群から選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    重合性組成物。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の重合
    性組成物を塗布、または型に入れた後に、重合させるこ
    とを特徴とする重合性組成物の硬化方法。
JP11870293A 1993-05-20 1993-05-20 重合性組成物 Expired - Fee Related JP3460250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11870293A JP3460250B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 重合性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11870293A JP3460250B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 重合性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06329712A JPH06329712A (ja) 1994-11-29
JP3460250B2 true JP3460250B2 (ja) 2003-10-27

Family

ID=14743029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11870293A Expired - Fee Related JP3460250B2 (ja) 1993-05-20 1993-05-20 重合性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3460250B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3431782B2 (ja) * 1996-03-08 2003-07-28 昭和高分子株式会社 硬化性複合材料組成物及びその硬化方法
JPH1149833A (ja) * 1997-08-05 1999-02-23 Showa Highpolymer Co Ltd コンクリート構築物用パテ組成物及びその硬化方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Die Makromolekulare Chemie,1972年,第162巻,9−18頁

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06329712A (ja) 1994-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6110987A (en) Photocurable composition and curing process therefor
RU2180667C2 (ru) Алкилфенилбисацилфосфиноксиды, их смеси, фотополимеризуемая композиция, содержащая их, способ фотополимеризации и субстрат, покрытый этой композицией
JP4026087B2 (ja) 光重合のための酸安定性硼酸塩
KR100236584B1 (ko) 알킬비스아실포스핀옥사이드 광개시제 및 이를 함유하는 조성물
US6316519B1 (en) Molecular weight controlled polymers by photopolymerization
SK284316B6 (sk) Bisacylfosfínoxidy, fotopolymerizovateľný prípravok s ich obsahom a ich použitie
JP3460250B2 (ja) 重合性組成物
JPH0222083B2 (ja)
WO1998037105A1 (en) (co)polymers by photopolymerization
EP1326901B1 (en) Acylphosphine oxide photoinitiators in methacrylate casting resins
JPH0675374A (ja) 光硬化性材料及び硬化方法
JPH08231617A (ja) 光硬化性組成物の硬化方法
JPH083210A (ja) 重合性組成物及び重合方法
EP0879829B1 (en) Photocurable composition and color reversion preventing method
JPH08100011A (ja) 光重合開始剤
JP2791679B2 (ja) 硬化塗膜の形成方法
JP3319033B2 (ja) 光重合開始剤及び光重合性組成物
JPH07216272A (ja) 光硬化性導電ペースト
JPH08100012A (ja) 近赤外光重合開始剤
JP5387826B2 (ja) ピリドン基含有(メタ)アクリレートおよびその用途
JPH11106413A (ja) 光硬化性組成物
JP2000169535A (ja) 硬化性樹脂組成物
US6165686A (en) Photocurable composition and color reversion preventing method
US6294698B1 (en) Photoinitiators and applications therefor
JPH10316728A (ja) 硬化性組成物及びその硬化方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090815

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees