JP3459715B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3459715B2
JP3459715B2 JP00854196A JP854196A JP3459715B2 JP 3459715 B2 JP3459715 B2 JP 3459715B2 JP 00854196 A JP00854196 A JP 00854196A JP 854196 A JP854196 A JP 854196A JP 3459715 B2 JP3459715 B2 JP 3459715B2
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亨 河合
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes
    • B60C11/1204Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe
    • B60C2011/1213Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special shape of the sipe sinusoidal or zigzag at the tread surface

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  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雪氷路面における
コーナリング性能と、乾燥路面における操縦安定性とを
ともに高めた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】冬期、氷雪路面を走行するタイヤとして
スパイクタイヤが知られているが、このスパイクタイヤ
は、乾いた路面を走行した場合には、スパイクによって
路面を損傷させ、さらには騒音、粉塵が発生するなど環
境の低下を招くことがある。このため、スパイクタイヤ
に代わるタイヤとして、近年スパイクを用いないいわゆ
るスタッドレスタイヤが普及しつつある。
【0003】スタッドレスタイヤは、雪噛み性の高いブ
ロックパターンを採用して雪路性能を充分確保したうえ
で、凍結路における走行性能をできる限り高める必要が
ある。そのため大気低温時においても柔軟性を保持する
ゴムが開発され、そのゴムをトレッド部に採用し、かつ
タイヤの実接地面積を広くするなど、雪路面、氷路面双
方でのグリップ性能の向上を目的としてタイヤの開発が
進められている。
【0004】又、前記氷雪路走行用のタイヤにおいて
は、ブロックを小型化するとともに、そのブロックにサ
イピングを周方向に隔設し、このサイピング及びブロッ
ク縁のエッジ成分によって雪氷路面を堀りおこし雪氷路
面での走行安定性を図ってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、トレッド部を
形成するゴムを極度に軟らかく、又サイピングの数を増
すことによって、ブロック剛性が低下し、乾燥路面での
操縦安定性が損なわれる。
【0006】前記問題点の一端を解決すべく例えば特開
平3−10911号に開示する如くブロックにそれを貫
通する細溝を設けることによってブロックの剛性低下を
抑制することが提案されている。
【0007】他方、トレッド面は、排水性を良好にし、
ハイドロプレーニングの発生の防止を図りかつ接地圧を
タイヤ回転方向に対して均一化し乾燥路面での走行安定
性を確保する意図のもとに横溝をタイヤ軸方向に対して
傾斜させ、かつ細溝もタイヤ赤道に対して傾けて配設さ
れることが多々ある。
【0008】加うるに、乾燥路面での走行に際して、ブ
ロックパターンのタイヤにおいては、リブパターン又は
ラグパターンのタイヤに比して接地圧が高く、従ってタ
イヤノイズも大きくなる。このタイヤノイズを抑制する
ために、周方向に並ぶブロック間において、ブロックの
周方向長さ及び溝巾を異ならせたいわゆるパリエーショ
ンブロックとして形成される。
【0009】このバリエーションブロックによってブロ
ックパターンのタイヤを形成した場合には、隣り合うブ
ロックの周方向長さが異なることによって、ブロック毎
に配される各細溝は、図6(A)に示すように、タイヤ
軸方向の長さが不揃いとなり、この長さの不揃いがブロ
ック間においてタイヤ軸方向のエッジ成分に変動を与え
ることとなり、その結果乾燥路面の走行において、操縦
安定性を損なうこととなる。
【0010】本発明は、バリエーションブロックによっ
て形成されたブロックパターンのタイヤであってもタイ
ヤ走行時におけるブロック間のタイヤ軸方向エッジ成分
度の均一化を図り、氷雪路面におけるコーナリング特性
と、乾燥路面での操縦安定性とをともに向上でき、スタ
ッドレスタイヤとして好適に採用しうる空気入りタイヤ
の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤ周方向
にのびる複数本の縦主溝Gと、この縦主溝G間を継ぎこ
の縦主溝と略同巾の横溝Qとからなるトレッド溝によ
り、トレッド面に前記トレッド溝によって囲まれ周方向
に並ぶブロックからなる複数列のブロック列を形成した
空気入りタイヤであって、前記トレッド面は、軟質ゴム
からなりかつクラウン領域のクラウンブロック列のブロ
ックは、このブロックを挟む前記横溝に面する両ブロッ
ク縁間の周方向長さであるブロック間長さLが複数種類
RのバリエーションブロックBiからなるとともに、前
記バリエーションブロックBiに、細溝gとサイピング
sとを設けかつ前記細溝gは、溝巾Wgが1〜5mm、溝
深さDgが縦主溝Gの溝深さDGの40〜70%、かつ
両ブロック縁間を継ぐことによりブロックをタイヤ軸方
向に分割し、しかも、バリエーションブロックBiが周
方向に並ぶ1つのパリエーションブロック列SBiにお
いて、前記細溝gがタイヤ赤道に対してなす傾き角度α
は、前記各ブロック長さを平均したその平均値を1とし
て表示したブロック長さ比をPiとしたとき、下記
(1)式を充足し、かつ(1)式における係数Kを0.
55以上かつ0.70以下とするとともに、前記サイピ
ングsは、前記トレッド溝間又は細溝との間を継ぐとと
もに、間隔を7mm以下としたことを特徴とする空気入り
タイヤである。 α=tan -1(K/Pi) (1)
【0012】これによって、バリエーションブロックか
らなるブロックパターンのタイヤであっても、氷結路面
での掘起こし摩擦力と雪中剪断力を高め、氷雪路におけ
る走行性能、特に旋回性能を高める、しかも、乾燥路面
での操縦安定性の向上を図りうる。
【0013】なお、前記トレッド面はJISA硬度が4
9〜53度の軟質ゴムからなることが好ましい。
【0014】又、前記サイピングsはこのサイピングが
継ぐ溝間距離の1、1倍以上かつ1.3倍以下の長さ、
かつサイピングs間の間隔を3〜7mmとするのが好まし
い。
【0015】
【課題を解決するための手段】以下本発明の実施の形態
の一例を図面に基づき説明する。空気入りタイヤ1は、
トレッド面2にタイヤ周方向にのびる複数本、本例では
4本の直線にのびる縦主溝G…とこの縦主溝G、G間を
継ぎこの縦主溝と略同巾の横溝Q…とからなるトレッド
溝3を具える。これによって、前記トレッド面2にトレ
ッド溝3によって囲まれ、周方向に並ぶブロックB…か
らなる複数列のブロック列SB…が形成される。
【0016】前記縦主溝Gは、その溝巾WGをトレッド
巾WTの0.06〜0.12倍に、又溝深さDGを前記
トレッド巾WTの0.08〜0.16倍の範囲に設定さ
れる。又横溝Qは、その溝巾WQ、溝深さDQを前記縦
主溝Gのそれと略同寸法としている。
【0017】なお前記横溝Qは、本例ではタイヤ軸に対
して傾斜する傾斜横溝として形成している。
【0018】又、空気入りタイヤ1は、図1に示す如
く、トレッド部9からサイドウォール部10をへてビー
ド部11のビードコア12の廻りで折返されて係止され
るカーカス13と、このカーカス13の半径方向外側か
つトレッド部9内方に配されるベルト層14とを有し、
本例では乗用車用タイヤとして形成される。
【0019】前記カーカス13は、カーカスコードをタ
イヤ赤道Cに対して70〜90度の角度で配列したラジ
アル配列の1枚以上の本例では1枚のカーカスプライか
ら形成され、カーカスコードには、例えば、スチールコ
ードの他、ナイロン、レーヨン、ポリエステル等の有機
繊維コードを採用しうる。
【0020】前記ベルト層14は、ベルトコードを例え
ばタイヤ赤道Cに対して10〜35度の角度で配列し
た、複数枚、本例では2枚のベルトプライからなり、し
かも各コードがプライ間相互で交差するように向きを違
えて配置されている。なおベルトコードとしては、スチ
ール等の金属繊維コードの他、芳香族ポリアミド、レー
ヨンなどの有機繊維コードをも採用しうる。
【0021】前記トレッド部9は、0゜Cの雰囲気中に
おいてJISA硬度が、49度以上かつ53度以下の軟
質のゴムからなりかつトレッド面2を形成するトレッド
ゴム15を具え、このトレッドゴム15は、前記ベルト
層14の半径方向外側にかつベースゴム20を介して設
けている。このような、低温の環境下において、トレッ
ド面2の柔軟性を確保することにより、氷雪路での実接
地面積を増大でき、走行性能を接地面積を増大でき、氷
雪路面及び乾燥路面での走行性能をより向上しかつ安定
させうる。
【0022】前記トレッドゴム15の硬度が49度未満
では、乾燥路面における操縦安定性に劣り、又53度を
こえると氷雪路面での旋回性能が低下する。なお前記ベ
ースゴム20は、ブロックBの剛性を確保し、乾燥路面
における操縦安定性を保持するため、JISA硬度で6
1度以上かつ71度以下とするのが好ましく、又本例で
はベースゴム20のゴム厚さは前記トレッドゴム15の
ゴム厚さよりも小にかつトレッド溝3に露出しないよう
に形成している。
【0023】前記縦主溝Gは、本例では、タイヤ赤道C
を挟んでその両側に配される内の縦主溝G1、G1及
び、この内の縦主溝G1とトレッド縁Eとの間に配され
る1対の外の縦主溝G2、G2とからなる。これによっ
て、トレッド面2には、内の縦主溝G1、G1間に形成
される中央のブロック列、内の縦溝G1と外の縦溝G2
との間の中間のブロック列、及び外の縦溝G2とトレッ
ド縁Eとの間の側のブロック列とが形成され、本例では
前記中央のブロック列と前記中間のブロック列とがクラ
ウン領域CRのクラウンブロック列をなす。
【0024】このクラウンブロック列では、このブロッ
ク列を形成するブロックBi、Bi…において、このブ
ロックBiを挟む横溝Q、Qに面する両ブロック縁F
1、F2間の周方向長さであるブロック間長さL1、L
2…が異なる複数種類Rの、本例では3種類バリエーシ
ョンブロックBiからなるバリエーションブロック列S
Biを形成する。
【0025】このようなバリエーションブロックBiを
形成するに際して横溝Qの溝巾WQを同一として隣り合
う横溝Q、Qの溝中心間の周方向長さである溝間ピッチ
を変化させる構成の他、溝間ピッチを同一としてバリエ
ーションブロックBiを挟む両横溝Q、Qの溝巾WQを
変化させてブロック間長さL1…に変動を与える構成を
も採用しうる。さらには、このバリエーションブロック
Bi、Bi…が並ぶバリエーションブロック列SBiに
おいて、それを構成するブロックBiのブロック間長さ
を決定するに際して、出願人が特願平7−208857
号によって提案によるカオス的関数を用いて前記ブロッ
ク間長さL1…を配分し設定することもできる。
【0026】前記バリエーションブロックBi…のブロ
ック長さL1…の変動比は、一つのバリエーションブロ
ック列SBiを形成する各バリエーションブロックBi
のブロック長さL1、L2、L3…を平均した長さであ
る、 平均値Lm=(L1 +L2 + … + Ln)/n を基準として、その平均値Lmに対する各ブロックBi
…の長さL1、L2、L3の比であるブロック長さ比P
i=L1/Lm、L2/Lm、L3/Lm…を以て表
す。即ちブロック長さ比Piは、各ブロック長さを平均
したその平均値を1として各ブロック長さを表示し、各
ブロックBiの前記平均値を基準とした長さ比Piを求
める。
【0027】バリエーションブロック列SBiにおける
各ブロックBiの長さ比Piは0.7〜1.3の範囲と
することが好ましい。さらに好ましくは0.85〜1.
15の範囲とすることである。
【0028】このバリエーションブロックBiには細溝
gとサイピングsとが設けられる。細溝gは、該ブロッ
クBiの向き合う縁間、本例では、横溝Q、Qに向く前
記ブロック縁間F1、F2を継ぎ、その溝巾Wgを1〜
5mm、溝深さDgを前記縦主溝Gの溝深さDGの40〜
70%としている。
【0029】このような細溝gを設けることに、前記ブ
ロックBiはタイヤ軸方向に分割され、ブロック剛性が
細溝gによって分割されない従来のブロックに比して低
くなることにより、グリップ力が高まり氷雪路面におけ
る走行性能、殊に細溝gはブロックBiをタイヤ軸方向
に分割するため、コーナリング性能を顕著に高めうる。
しかも前記細溝gの溝深さDgは、縦主溝Gの溝深さD
Gに比して浅く形成され、かつブロックBiは軸方向に
対する分断であるため周方向に対するブロックの剛性は
保持され、乾燥路における操縦安定性を確保することが
出来る。
【0030】細溝gの前記溝巾Wgが1mm未満では、タ
イヤが接地した際に向き合う溝壁面が衝合しブロックB
iの剛性緩和を達成し得ず、又石噛みが生じるなどブロ
ックを破損させる危険がある。さらに溝容積が減少し雪
柱剪断力が低下することにより雪上走行性能の不足を招
来する。又5mmをこえて大となれば、トレッド部の実接
地面(陸面積)が減じることにより乾燥路面における操
縦安定性が低下する。さらに、溝深さDgが縦主溝Gの
溝深さDGの40%未満となれば細溝gによるブロック
の剛性低下が期待出来ず氷雪路における走行性能の向上
が果たせず、70%をこえるとブロック剛性が著しく低
下し、乾燥路での操縦安定性に劣ることとなる。さらに
溝容積が減少し、雪柱剪断力が低下することによる雪上
走行性能の不足を招来する。
【0031】サイピングsは、本例ではトレッド溝3、
3間、又はトレッド溝3と前記細溝gとの間を略タイヤ
軸と平行に継いでいる。このサイピングsにはその一部
又は全部に折曲がり部を設ける。本例では、トレッド溝
3及び細溝gとの各接続端側タイヤ軸方向にのびる主部
17、17を設けかつ中間部分に波状に折曲がる折曲が
り部16を設けている。
【0032】前記主部17は、氷雪路面の走行におい
て、直進時のグリップ性を高めるには有効であり、又折
曲がり部16は、タイヤ軸と交差する向きに向けること
によって、旋回時のグリップ性向上に対して効果的に機
能する。
【0033】サイピングsの実長さは、本例ではこのサ
イピングsが継ぐ溝間隔mの1.1倍以上かつ1.3倍
以下の長さとし、又隣り合うサイピングs、s間の距離
lは3mm以上かつ7mm以下としている。なおこのサイピ
ングの深さDsは縦主溝Gの溝深さDGの40%以上か
つ80%以下、好ましくは細溝gの溝深さDgと同等又
はそれ以下であることがよい。
【0034】サイピングsの実長さがその溝間距離mの
1.1倍未満では氷雪路走行時において旋回するなどタ
イヤ軸方向からの作用力が作用した場合におけるグリッ
プ力が不足する一方、1.3倍をこえると、ブロックの
剛性に劣り乾燥路走行時の操縦安定性が低下する。又サ
イピングs、s間の距離lが3mm未満のときは、ブロッ
クBiの剛性が不足し、乾燥路における操縦安定性が低
下する一方、前記距離lが7mmをこえて大となれば氷雪
路における堀りおこし性能が不足し、走行安定性に欠け
る。
【0035】なおサイピングsは、図4に示す如く山形
状に、又は図5に示す如く、略全域に亘ってジグザグ状
に形成してもよい。
【0036】ここで前記バリエーションブロック列SB
iにおいてはその各ブロックBi…のブロック間長さL
1、L2…が異なることにより、前記細溝gがタイヤ赤
道Cに対して一定の角度α0 で傾いて配設した場合に
は、図6(A)に示すように、バリエーションブロック
列SBiにおいて、横溝gのタイヤ軸方向の投影長さj
1 、j2 、j3 …が不揃いとなり、その結果、ブロック
Bi間のタイヤ軸方向のエッジ成分にばらつきが生じ特
に乾燥路面での直進走行時における操縦安定性を低下さ
せる。
【0037】そこで、各バリエーションブロックBiの
長さL1、L2、L3…を平均してその平均値を1とし
て表示した前述のブロック長さ比Piと関連づけて細溝
gの傾き角度α1 、α2 、α3 を変化させ、ブロックの
長さL1、L2…が異なる場合においても図6(B)に
示すように、横溝gのタイヤ投影長さjを一定とし、タ
イヤ軸方向のエッジ成分の一定化を図っている。
【0038】即ち、1つのバリエーションブロック列B
iにおいて、前記傾き角度αは、αの値を度で表示した
とき、下記(1)式を充足しかつその(1)式における
Kの値は、(2)式で示される範囲でなければならな
い。 α=tan -1(K/Pi) (1) 0.05≦K≦0.70 (2)
【0039】Kの値が0.55を下廻るときには、氷雪
路及び乾燥路面において、直進走行安定性が低下し、又
0.70をこえて大となるときには、旋回時における走
行安定性に劣ることになる。
【0040】さらに本例では、バリエーションブロック
Biにおいて、細溝gによる該ブロンル分割に際して図
2に示す如くシフトさせており、そのシフト量dを0.
7mm以上としている。このようにシフトさせることによ
りブロックの横方向のエッジ効果が高まり氷雪路及び乾
燥路において旋回性能を高めることが出来る。なお前記
シフト量dは1.0mm以上であるのがより好ましい。
【0041】
【実施例】
A.テスト(1) タイヤサイズが205/55 R16であり図7に示す
ブロックパターンを有するタイヤについて 細溝gの傾斜角度αのみを変化させたテストタイ
ヤ、 トレッドゴムの硬度のみを変化させたテストタイ
ヤ、 細溝gにおいて溝巾Wgのみを変化させたテストタ
イヤ、 細溝gにおいて溝深さDgのみを変化させたテスト
タイヤ、 サイピングsの間隔lのみを変化させたテストタイ
ヤ、をそれぞれ試作し、氷雪路上及び乾燥路における走
行テストを実施した。
【0042】なおテストに際して、ブロック等はピッチ
の矩形とするとともに、各テストタイヤを7.0×16
のリムに装着し2.0kgf/cm2 の内圧を加えた状態で
2000cc級FR車の全輪に装着し、テストを行っ
た。
【0043】テストに際して氷雪路テストは氷盤上及び
圧雪上を20〜40km/hの速度で、乾燥路テストは、
乾燥したアスファルト路面を速度40〜60km/hでそ
れぞれ走行させ、ドライバーのフィーリングにより判定
した。
【0044】テスト条件及びテスト評価を表1、表2に
示す。表中◎は非常に良好、○は良好、△はやや不良、
×は不良であることをそれぞれ示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】テストの結果、 細溝gの傾斜角αは、表1に示すように牽引性・制
動性(タイヤ周方向)及びコーナリング性能(タイヤ軸
方向)とについてそれぞれテストを行い両者の性能がと
もに良好である範囲が30〜35°であることが確認出
来た。この傾斜角αは、ブロック長さ比Piとの関連に
おいてKの値が0.55〜0.70の範囲に相当する。 トレッドゴム15のJISA硬度で、49〜53度
の範囲、 細溝の溝巾Wgは1.0〜5.0mmの範囲、 細溝の溝深さDgは(0.4〜0.7)DGの範
囲、 サイピングの間隔は7.0〜3.0mmの範囲、であ
ることが氷雪路走行、乾燥路走行の何れの条件において
も良好であることが確認出来た。
【0048】B.テスト(2) 前述の基本テスト(1)と同サイズのタイヤにおいて、
ベースゴム20とトレッドゴム15との0℃の雰囲気に
おける硬度及びその硬度差が氷雪路、乾燥路のそれぞれ
における走行性能に及ぼす影響を調査した。なお、ブロ
ックBiの基本構成は表3に示すものと同様であり、テ
スト方法及び評価方法はテスト(1)と同じである。テ
スト結果を表4に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】テストの結果、表4の太線で示す範囲のゴ
ム硬度構成が良好であることが確認出来た。
【0052】C.テスト(3) 前述のテスト(1)と同サイズのタイヤについて、横溝
gによるブロックのシフトした際、そのシフト量dが氷
雪路における旋回性能に及ぼす影響を調査した。ブロッ
クの基本構成は表3に示すものと同一であり、テスト方
法及び評価方法はテスト(1)と同じである。テスト結
果を表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】テストの結果、シフト量dを0.7mm以上
とすることにより氷雪路における旋回性能が向上し、
1.0mm以上シフトすることによって更に旋回性能が向
上することを確かめ得た。
【0055】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
前記した構成を具えることにより、氷雪路面におけるコ
ーナリング性能と、乾燥路面における操縦安定性をとも
に向上でき、スタッドレスタイヤとして好適に採用する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すタイヤ右半分
断面図である。
【図2】そのトレッドパターンを示す展開平面図であ
る。
【図3】そのバリエーションブロックの一例を示す斜視
図である。
【図4】ブロックの他の態様を示す平面図である。
【図5】ブロックの他の態様を示す平面図である。
【図6】(A)、(B)ともに細溝の作用を説明する平
面図である。
【図7】テストにおけるトレッドパターンの構成を示す
平面図である。
【図8】テストにおけるブロックの構成を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
2 トレッド面 3 トレッド溝 15 トレッドゴム 17 主部 B ブロック Bi バリエーションブロック C タイヤ赤道 CR クラウン領域 DG、DQ、Dg 溝深さ G、G1、G2 縦主溝 g 細溝 L、L1、L2、L3 ブロック長さ l サイピング間の間隔 m サイピングが継ぐ距離 Q 横溝 EB ブロック列 SBi バリエーションブロック列 s サイピング WG、WQ、Wg 溝巾 WT トレッド巾
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/03 B60C 11/11 B60C 11/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ周方向にのびる複数本の縦主溝G
    と、この縦主溝G間を継ぎこの縦主溝と略同巾の横溝Q
    とからなるトレッド溝により、トレッド面に前記トレッ
    ド溝によって囲まれ周方向に並ぶブロックからなる複数
    列のブロック列を形成した空気入りタイヤであって、 前記トレッド面は、軟質ゴムからなりかつクラウン領域
    のクラウンブロック列のブロックは、このブロックを挟
    む前記横溝に面する両ブロック縁間の周方向長さである
    ブロック間長さLが複数種類Rのバリエーションブロッ
    クBiからなるとともに、 前記バリエーションブロックBiに、細溝gとサイピン
    グsとを設けかつ前記細溝gは、溝巾Wgが1〜5mm、
    溝深さDgが縦主溝Gの溝深さDGの40〜70%、か
    つ両ブロック縁間を継ぐことによりブロックをタイヤ軸
    方向に分割し、 しかも、バリエーションブロックBiが周方向に並ぶ1
    つのパリエーションブロック列SBiにおいて、前記細
    溝gがタイヤ赤道に対してなす傾き角度αは、前記各ブ
    ロック長さを平均したその平均値を1として表示したブ
    ロック長さ比をPiとしたとき、下記(1)式を充足
    し、かつ(1)式における係数Kの値を0.55以上か
    つ0.70以下とするとともに、 前記サイピングsは、前記トレッド溝間又は細溝との間
    を継ぐとともに、間隔を7mm以下としたことを特徴とす
    る空気入りタイヤ。 α=tan -1(K/Pi) (1)
  2. 【請求項2】前記トレッド面は0℃の雰囲気においてJ
    ISA硬度が49〜53度の軟質ゴムからなることを特
    徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】又、前記サイピングsはこのサイピングが
    継ぐ溝間距離の1、1倍以上かつ1.3倍以下の長さ、
    かつサイピングs間の間隔を3〜7mmとしたことを特徴
    とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記サイピングsは、略タイヤ軸方向にの
    びる主部を有することを特徴とする請求項3記載の空気
    入りタイヤ。
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