JP3459399B2 - ガス濃度測定処理装置 - Google Patents

ガス濃度測定処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メタンガスや炭
酸ガスなどのガスの濃度を、それぞれのガス固有の吸収
スペクトルを利用することで高精度に測定するガス検出
器に於いて用いられるガス濃度測定処理装置に係り、特
に周波数変調法を用いたガス濃度測定処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ガスには、それぞれガス分子固有の吸収
スペクトルが有り、レーザをこの吸収スペクトルの存在
する周波数で発振させることでガスの濃度を測定すると
いう試みは1965年にムーア(C.B.Moore) によって初めて
行われた。
【0003】この原理を下記で簡単に述べる。ガスの吸
収スペクトルは、そのガス分子の振動エネルギーに従っ
て様々な周波数に於いて極小値を持つが、そのうちの1
つを取り出すと図5に示されるような一般にローレンツ
型と呼ばれる特性になる。図5の横軸は周波数、縦軸は
透過率であり、この吸収スペクトルの極小値の周波数f
c における透過率は、ガスの濃度が高くなるにつれて小
さくなる。従って、fc の発振周波数を持つレーザ光を
ガスに照射して、その透過された信号を光検出器で受け
電気信号に変換し、透過率の変化量を算出すると、その
透過率の変化量がガスの濃度に比例するガス濃度の測度
となるので、この測度に予め濃度の分かっているガスを
測定する等して求めた係数を掛けることでガスの濃度を
測定することができる。
【0004】この原理に着目し発展させたものとして2
波長差分方式と周波数変調方式があり、これら2つの方
式が現在ではレーザを用いたガス濃度測定の主流となっ
ている。2波長差分方式についての詳細な説明及び実験
結果は、 ・K.Uehara: Appl. Phys. B, Vol.38, No.1, pp.37--4
0, 1985. ・田井秀男、山本和成、阿部健、植木孝、田中弘明、上
原喜代治:計測自動制御学会論文集24, pp.452--458, 19
88. ・田井秀男、田中弘明、上原喜代治: 光学,Vol.19, No.
4, pp.238--244,1990.に開示されている。
【0005】また、周波数変調方式についての詳細な説
明及び実験結果は、 ・D.T.Cassidy: Appl. Opt., Vol.27, No.3, pp.610--6
14, 1988.田井秀男、松浦正行、田中弘明、上原喜代治: 光学,Vol.19, No.9,pp.616--619, 1990. に開示されている。
【0006】初めに、2波長差分方式について説明し、
その後で本発明に関わる周波数変調方式について説明す
る。図10に2波長差分方式を用いたガス検出器のブロ
ック図を示す。図10で、周波数切り替え器40はレーザ
10の発振周波数をガスセル20のガスの吸収スペクトルで
透過率が極小となる周波数fc とガスの吸収スペクトル
が存在しない周波数fn を切り替えるためのものであ
る。光検出器30で電気信号に変換された信号は、レーザ
10の発振周波数fc ,fnを切り替えることで図5のよ
うに透過率が変わるので振幅値が変わり、その振幅の差
が透過率の変化量となりガスの濃度の測度となる。
【0007】ここで、一般の応用としてはレーザ10から
光検出器30までの光路長は可変とした方が都合がよい。
例えば、ガスの中を通るレーザ光の光路長が長いほど透
過率の変化が大きくなり高精度にガスの濃度測定を行う
ことができるので多重反射型のガスセルを選択したり、
持ち運びの容易さから小さなガスセルを選択したりする
場合があるからである。光路長が長くなるとレーザ光が
発散したり周囲の塵などの影響でレーザ光が減衰するの
で、ガス濃度測定処理装置80への入力信号の振幅が小さ
くなる。その結果、透過率の変化を表す振幅の差が小さ
くなり、ガス濃度測定処理装置80の出力値から換算され
るガスの濃度の値が減少するといった問題が生じる。上
記で述べた問題が生じないようにするため、その振幅の
差をガスの吸収スペクトルのない周波数の時の振幅で除
算するという手法が取られている。また、ガスの中を通
るレーザ光の光路長にその振幅の差は比例することにな
るから、濃度に換算するときは光路長で除算が行われ
る。このようにして求められたガス濃度の測度に適当な
比例定数を掛けることで、光路長に依存せずにガスの濃
度を得ることができる。
【0008】この2波長差分方式では、光検出器30で電
気信号に変換されガス濃度測定処理装置80への入力とな
る信号は直流の信号となるので、オペアンプのドリフト
などで生じた直流のオフセット成分を除去できないた
め、高精度にガスの濃度検出ができないという欠点があ
る。また、外来光の干渉により高精度にガスの濃度検出
ができないといった欠点もある。この欠点を改善するた
めに考案されたのが次に述べる周波数変調方式である。
この方式は直流のオフセット成分や外来光がが存在して
もガスの濃度測定に悪影響を及ぼさないように、交流成
分の信号だけでガスの濃度測定を行えるようにしたもの
である。
【0009】図6に周波数変調方式の原理図を示す。中
心周波数をfc として、変調周波数fm でレーザを周波
数変調し、被測定ガスに照射する。ガスの吸収スペクト
ルはローレンツ型と呼ばれる特性を示し、離調周波数に
対してほぼ2次関数となるので、光検出器で電気信号に
変換された信号には、変調周波数の2倍の周波数の信号
(以後、この信号を2倍波信号という)が含まれる。こ
の信号の振幅値は、ガスの濃度が高くなると透過率が低
くなるので大きくなり、ガスの濃度の測度となり適当な
比例定数を掛けることでガスの濃度に換算できる。
【0010】下記で、2波長差分方式の説明で述べたこ
とと同様に周波数変調方式で光路長の影響をキャンセル
する方法について述べる。レーザを周波数変調するため
には電流制御を行わなければならない。この電流制御を
行いfm という周波数で周波数変調を掛けると、fm と
いう周波数で自動的に振幅変調も掛かる。このため、光
検出器で電気信号に変換された信号には振幅変調によっ
て生じたfm という周波数の信号も含まれる(以後、こ
の信号を基本波信号という)。この基本波を利用して、
2倍波の振幅値を基本波の振幅値で除算することで、光
路長が長くなることにより生じるレーザ光の発散あるい
は周囲の塵などの影響をキャンセルすることができ、こ
の値がガスの濃度の測度となる。このガス濃度測定のた
めの周波数変調法の基本波及び2倍波の振幅推定の方法
としては位相同期方式の位相敏感検波が用いられてい
る。
【0011】図11に周波数変調方式を用いた従来のガ
ス検出器を示す。この方式では、レーザ10の周波数変調
器50からリファレンスの信号をガス濃度測定装置90の基
本波位相敏感検波器91と2倍波位相敏感検波器92に接続
し、基本波の振幅値Aと2倍波の振幅値Bが最大となる
ように位相を手動で少しづつずらしながら位相同期をと
り、この校正で求められた振幅値Aを振幅値Bで除算す
ることでガスの濃度の測度が得られ適当な比例定数を掛
けることでガスの濃度に換算できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】周波数変調方式で従来
用いられている位相敏感検波では、レーザ10の周波数変
調器50からリファレンスの信号をガス濃度測定処理装置
90の基本波位相敏感検波器91と2倍波位相敏感検波器92
へ接続しなければならないといった問題が生じる。一例
として、水田で生じるメタンガスの濃度を測定する場
合、レーザ10とガス濃度測定処理装置90を数十m離す必
要があり、このような長距離のケーブルを用意するのは
非常に大変である。
【0013】また、位相敏感検波方式では、位相同期を
行うためにガスの濃度を推定する前に基本波及び2倍波
の振幅値が最大になるように手動で位相を少しずつずら
して最大点を見つけなければならず、数分の時間が必要
となるといった問題も生じる。
【0014】さらに、位相敏感検波はDSP (Digital Si
gnal Processor) や CPU (CentralProcessing Unit)な
どの処理速度では演算が間に合わないため、デジタル化
を行うことができず小型化および低コスト化ができな
い。本発明の目的は、従来の位相敏感検波を用いたガス
濃度測定処理装置の精度を維持しつつ、レーザの周波数
変調器からリファレンスの同期した信号をガス濃度測定
処理装置に接続する必要がなく、また校正のために手動
で位相を少しずつずらして振幅レベルの最大点を見つけ
るといった操作も必要なく、さらにDSP やCPU を用いて
回路の小型化、コストの削減を実現できるガス濃度測定
処理装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、非同期方式の包絡線検波を採用することとし、第1
の発明では、さらに、高周波成分除去部を設けることと
した。また、第2の発明では、多重総和処理部を設ける
こととした。高周波成分除去部を設けた理由及び多重総
和処理部を設けた理由については作用の項で詳述する。
【0016】〔作用〕非同期方式の包絡線検波を採用し
たので、リファレンスの同期した信号をガス濃度測定処
理装置に接続する必要がなく、また校正のために手動で
位相を少しずつずらして振幅レベルの最大点を見つける
といった操作も必要なく、さらに、DSP やCPU を用いて
の処理が可能となる。また、高周波成分除去部または多
重総和処理部で高周波成分を除去する。前に述べたよう
に、周波数変調方式でガスの濃度を測定する場合に必要
となるパラメータは、光検出器で電気信号に変換された
信号の基本波信号及び被測定ガスの吸収スペクトルによ
り生じる2倍波信号の振幅値である。2倍波信号の振幅
値を基本波信号の振幅値で除算するとガスの濃度の測度
となり、適当な定数を掛けることでガスの濃度に換算で
きる。
【0017】しかしながら、非同期方式の包絡線検波を
用いて基本波信号と2倍波信号の振幅の比を算出する
と、電源を入れ直すごとに、ガスの濃度が変化していな
いにも関わらず、この振幅の比が変わるといった現象が
生じる。電源を入れた状態では、この振幅の比は一定で
あり、電源を入れ直すとこの振幅の比が前の値と異なる
値で一定となるため、白色雑音のように平均化を用いて
この変動が生じないようにすることはできない。
【0018】前記現象について詳細に説明する。光検出
器で電気信号に変換された信号をDSP で処理するために
LPF(Low PassFilter) で高調波成分を除去するとADコン
バータで標本化した信号は
【0019】
【数1】
【0020】と表すことができる。ただし、第1項は基
本波成分、第2項は2倍波成分、第3項は白色雑音成分
であり、fm は基本波の周波数、fs はサンプリングレ
ート、θとφは初期位相である。ここで、数1を簡単に
表すために
【0021】
【数2】
【0022】と置くと数1は
【0023】
【数3】
【0024】と書き直すことができる。ガスの濃度測定
のために必要となるのは数3の基本波の振幅Aと2倍波
の振幅Bである。まず、基本波の振幅Aを求めるため
に、ローカルの周波数を基本波の周波数として周波数推
移を行い、LPF で高調波成分を除去すると
【0025】
【数4】
【0026】従って、数4のノルムを求めると
【0027】
【数5】
【0028】となり、基本波の振幅Aが得られる。上で
述べたことと同様の操作を用いて2倍波の振幅Bを求め
ればよいように思われるが、低濃度のガスを測定する場
合、2倍波については問題が生じる。この理由は、低濃
度のガスを測定する場合、基本波成分の振幅値Aが2倍
波成分の振幅値Bよりもはるかに大きな値となるため
に、2倍波の周波数2fm で周波数推移を行った後のLP
F で、周波数推移されて高調波成分となった基本波成分
を十分に減衰できないからである。たとえ、周波数推移
を行う前処理としてHPF(High Pass Filter) を用いて基
本波成分を減衰させたとしても、より低濃度のガスに対
しては相対的に基本波の成分が2倍波成分よりも大きな
値を持ち、LPF で十分に減衰させることができず、結局
2倍波成分に影響を及ぼすことになる。ローカルの周波
数を2倍波の周波数として2倍波成分を抽出するために
周波数推移を行い、LPF を通すとその出力は
【0029】
【数6】
【0030】となり、2倍波の振幅を推定するための直
流成分のみの信号とはならず、基本波成分が周波数推移
されることで生じる第2項、第3項の高調波成分が生じ
てしまう。数6をベクトルで表すと図7となる。また、
初期位相が異なる2つの2倍波信号の振幅値X0 、Y0
をベクトルで表すと図8となる。すなわち、電源を入れ
るタイミングにより、初期位相が変わると2倍波の振幅
値も変動してしまうことになる。
【0031】一方、位相同期方式の位相敏感検波では振
幅値が最大となるように、ガスの濃度を測定する前に手
動で位相を調整しているのでこのような問題は生じな
い。本発明では、位相非同期方式の包絡線検波に高調波
成分除去部または多重総和処理部を設けて、2倍波の振
幅の測定において高調波成分を除去することで、2倍波
の振幅値の変動が生じないようにした。前記数6の第2
項、第3項の高調波成分はそれぞれ周波数fm と周波数
3fmの線スペクトルとなる。この高調波成分の信号
は、それぞれ
【0032】
【数7】
【0033】で与えられるNの回数だけ加算すると、
(ここで、Mは任意の整数、G.C.M.(fs ,fm )はf
s とfm の最大公約数)
【0034】
【数8】
【0035】
【0036】
【数9】
【0037】と打ち消され、高調波成分を除去できる。
従って、インパルス応答
【0038】
【数10】
【0039】をもつ櫛形フィルタに数6で与えられる信
号を通すことで高調波成分を完全に除去できる。このこ
とを以下で周波数軸上で説明する。数10で与えられる
フィルタの周波数応答は
【0040】
【数11】
【0041】となる。一例として、M=1、fs =8f
m とするとN=8となり、数11で与えられる応答は、
図9に示されるようになり、周波数fm と周波数3fm
の領域の成分は完全に除去される。従って、数6で与え
られる信号を、数10で与えられるフィルタに通すこと
で、高調波成分が除去された2倍波の同相・直交成分B
×(eの−jφ乗)が得られ、数5と同様のノルム演算
を行うことで2倍波の振幅値Bを得ることができる。こ
の2倍波の振幅値Bには高調波成分が含まれていないの
で、電源を入れるごとにこの振幅値が変動するというこ
とはなくなり、高精度にガスの濃度を測定することがで
きる。
【0042】低濃度のガスを測定する場合は、基本波の
振幅値Aが2倍波の振幅値Bよりもはるかに大きな値と
なるために、上記で述べたように2倍波側に数10で与
えられるフィルタを入れたが、高濃度のガスを測定する
場合は、逆の基本波側に数10で与えられるフィルタを
入れる必要がある。このようにして求められた2倍波の
振幅値Bを基本波の振幅値Aで除算することで位相敏感
検波と同程度の精度でガスの濃度の測度が求まり、適当
な比例定数を掛けることでガスの濃度に換算できる。
【0043】
【発明の実施の形態】被測定ガスがメタンガスである場
合の実施例を以下で述べる。レーザはメタンガスの吸収
スペクトルで透過率が極小となる波長1.6538μmの所に
中心周波数を設定し、周波数変調の変調周波数fm を 3
2.5kHzに設定し、最大周波数偏移を半値全幅で周波数変
調が掛かるように設定し、サンプリングレートfs を変
調周波数fm の8倍の260kHzに設定した。また、数7に
おいて、M=1として、数10のフィルタをN=8で実
現した。演算処理を行うためのDSP としてテキサス・イ
ンスツルメンツ社のTMS320C25を使用した。
【0044】以下で第1及び第2の発明のそれぞれの実
施例について説明する。実施例1(第1の発明)のガス
濃度測定処理装置を図2に示す。図2に示される基本波
直交復調部1では、入力信号s(n) を受け、その入力信
号は乗算器11でローカル信号13〔2cos(2πfm n/f
s)〕と乗算され、ローパスフィルタ(LPF )12でフィル
タリングされ、その結果が出力される。また、入力信号
s(n) は、乗算器14で前記ローカル信号13と直交するロ
ーカル信号16〔2sin(2πfm n/fs)〕と乗算され、
LPF15 でフィルタリングされ、その結果が出力される。
【0045】高調波成分除去部3では、前記LPF12 の出
力を受け、数10のh(n) のインパルス応答をもつ櫛形
フィルタ31で高調波成分が除去され、入力信号s(n) の
同相成分が出力される。また、前記LPF15 の出力を受
け、h(n) のインパルス応答をもつ櫛形フィルタ32で高
調波成分が除去され、入力信号s(n) の直交成分が出力
される。
【0046】測度演算部5では、前記櫛形フィルタ31の
出力である同相成分が乗算器51で2乗され、また前記櫛
形フィルタ32の出力である直交成分が乗算器52で2乗さ
れ、これらの2乗された値が加算器53で加算され、平方
根器54で平方根演算が行われ、基本波の振幅値Aが算出
され、この値が除算器59に分母として入れられる。2倍
波直交復調部2では、入力信号s(n) を受け、その入力
信号は乗算器21でローカル信号23〔2cos(4πfm n/
fs)〕と乗算され、LPF22 でフィルタリングされ、その
結果が出力される。また、入力信号s(n) は、乗算器24
で前記ローカル信号23と直交するローカル信号26〔2si
n(2πfm n/fs)〕と乗算され、LPF25 でフィルタリ
ングされ、その結果が出力される。
【0047】高調波成分除去部4では、前記LPF22 の出
力を受け、数10のh(n) のインパルス応答をもつ櫛形
フィルタ41で高調波成分が除去され、入力信号s(n) の
同相成分が出力される。また、前記LPF25 の出力を受
け、h(n) のインパルス応答をもつ櫛形フィルタ42で高
調波成分が除去され、入力信号s(n) の直交成分が出力
される。測度演算部5では、前記櫛形フィルタ41の出力
である同相成分が乗算器55で2乗され、また前記櫛形フ
ィルタ42の出力である直交成分が乗算器56で2乗され、
これらの2乗された値が加算器57で加算され、平方根器
58で平方根演算が行われ、2倍波の振幅値Bが算出さ
れ、この値が除算器59に分子として入れられ、この2倍
波の振幅値Bを基本波の振幅値Aで除算した値がガスの
濃度の測度として出力される。
【0048】この出力された値に所定の係数を掛けるこ
とでガスの濃度が求まる。実施例1では基本波側と2倍
波側にそれぞれ高調波成分除去部を設けたが、作用の項
で述べたように測定対象のガスの濃度によっては、一方
だけに設けることでもよい。実施例2(第2の発明)
は、実施例1の計算量を削減しDSP だけでなく汎用のCP
U でもガスの濃度測定処理を行えるようにしたものであ
る。計算量を削減するために、ガス濃度測定処理装置へ
の入力信号を標本化するためのサンプリングレートを基
本波の周波数の8倍(fs =8fm )に固定する。この
ようにサンプリングレートを定めると、基本波のローカ
ル信号の値は表1のようになる。
【0049】
【表1】
【0050】nが8以上の時は、再び表1で示したロー
カル信号の値が繰り返されることになる。表1のローカ
ル信号cos(2πfm n/fs)の値が±1及び±1/√
(2)の時の演算用のレジスタをそれぞれa及びb、ロ
ーカル信号sin(2πfm n/fs)の値が±1及び±1/
√(2)の時の演算用のレジスタをそれぞれc及びd、
cos(4πfm n/fs)の値が±1の時の演算用のレジス
タをe、sin(4πfm n/fs)の値が±1の時の演算用
のレジスタをfとする。ガス濃度測定処理装置への入力
信号をs(n) とすると、実施例1の基本波直交復調部1
及び2倍波直交復調部2の同相および直交成分は、上記
で定義したレジスタを用いて表2に示される演算をn=
K(ただし、Kは8の倍数)まで繰り返し、
【0051】
【表2】
【0052】その後で
【0053】
【数12】
【0054】を計算することで、それぞれ求めることが
できる。ただし、表2のn mod8はnを8で除算したと
きの剰余を意味し、数12のAI とAQ はそれぞれ基本
波の同相成分と直交成分、BI とBQ はそれぞれ2倍波
の同相成分と直交成分である。。上記の演算は、総和演
算を行っているので実施例1の基本波直交復調部1と2
倍波直交復調部2の直交復調とLPF のフィルタ処理を行
ったことになり、さらにこの総和の繰り返し回数は、基
本波の周期の倍数となるので、高調波成分除去部3,4
のフィルタ処理も行ったことになる。また、実施例1の
除算器59で2倍波の振幅値Bを基本波の振幅値Aで除算
していることになるので、数12の繰り返し回数Kでの
除算は必要ない。
【0055】上で述べた、多重総和処理を用いた実施例
を図3に示す。また、多重総和処理部6の詳細を図4に
示す。図中a〜fは前記レジスタa〜fである。前記多
重総和処理部6では、入力信号s(n) を受けて、前述し
た演算処理を行い基本波の同相成分AI 、基本波の直交
成分AQ 、2倍波の同相成分BI および2倍波の直交成
分BQ が出力される。測度演算部7では、多重総和処理
部6で出力された4つの信号を受けて、基本波の同相成
分AI は乗算器71で2乗され、基本波の直交成分AQ は
乗算器72で2乗され、加算器73でそれらの2乗された値
は加算され、除算器77に分母として入れられる。2倍波
の同相成分BI は乗算器74で2乗され、2倍波の直交成
分BQ は乗算器75で2乗され、加算器76でそれらの2乗
された値は加算され、除算器77に分子として入れられ
る。除算器77では、除算を行いその値を出力し、平方根
器78では平方根演算を行いガス濃度の測度を出力する。
この出力された値に所定の係数を掛けることでガスの濃
度が求まる。
【0056】第1または第2の発明によれば、実施例
1,2のようにDSP または汎用のCPUを用いてガス濃度
測定処理を行うことで、回路の小型化、低コスト化がで
き、また、扱う信号も従来の装置に用いられていた位相
敏感検波に比べて低周波であるので、周囲の温度や部品
の特性の経年変化等への依存が少なく、安定な測定がで
きる。
【0057】
【発明の効果】本発明のガス濃度測定処理装置は、非同
期方式の包絡線検波を採用し、かつ、被測定ガスを透過
して得られた信号の高調波成分を除去する手段を設ける
こととしたから、レーザの周波数変調部からリファレン
スの同期した信号をガス濃度測定処理装置に接続すると
いう必要がなく、また、校正のために手動で位相を少し
ずつずらして振幅レベルの最大点を見つけるといった操
作も必要ない。しかも、従来のガス濃度測定処理装置が
採用していた位相敏感検波と同程度の精度でガスの濃度
測定ができる。また、DSP さらには汎用のCPU を用いて
ガス濃度測定処理を行うことができるので回路が小型
化、低コスト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のガス濃度測定処理装置のブロック
図。
【図2】実施例1のガス濃度測定処理装置のブロック
図。
【図3】実施例2のガス濃度測定処理装置のブロック
図。
【図4】実施例2のガス濃度測定処理装置の多重総和処
理部の詳細を示すブロック図。
【図5】ガスの吸収スペクトルを示す図。
【図6】周波数変調方式の原理図。
【図7】2倍波直交復調後のベクトル図。
【図8】初期位相が異なる2つの信号の2倍波直交復調
後のベクトル図。
【図9】櫛形フィルタの周波数応答を示す図。
【図10】2波長差分方式を用いたガス検出器のブロッ
ク図。
【図11】従来の周波数変調方式を用いたガス検出器の
ブロック図。
【符号の説明】
1 基本波直交復調部 2 2倍波直交復調部 3,4 高調波成分除去部 5,7 測度演算部 6 多重総和処理部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 G01J 3/00 - 3/52 G01J 4/00 - 4/04 G01J 9/00 - 9/04 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数(fm)で周波数変調され
    た光を被測定ガスに入射して得られた、該被測定ガスの
    吸収特性を帯びた光信号の基本波信号(周波数fm)と
    2倍波信号(周波数2fm)とからガス濃度を測定する
    ガス濃度測定処理装置にして、 前記光信号が電気信号に変換された入力信号を受け、
    記基本波信号の同相成分の信号及び直交成分の信号並び
    に前記2倍波信号の同相成分の信号及び直交成分の信号
    を出力する処理部と、 該処理部の出力を受けて前記基本波信号のの同相成分と
    直交成分の第1の2乗和と前記2倍波信号の同相成分と
    直交成分の第2の2乗和とを求め、前記第1の2乗和と
    前記第2の2乗和とを用いて前記基本波信号の振幅値と
    前記2倍波信号の振幅値との比を求めガス濃度の測度と
    して出力する測度演算部(7)とを備えた前記ガス濃度
    測定処理装置において、 前記処理部は、前記入力信号を基本波の周波数の所定倍
    のサンプリングレート(fs)で標本化し、該標本化に
    よって求められた各標本化値にそれぞれ対応するcos
    (2πfm・n/fs)を乗算して得られた値の総和か
    ら基本波信号の同相成分を求め、前記各標本化値にそれ
    ぞれ対応するsin(2πfm・n/fs)を乗算して
    得られた値の総和から基本波信号の直交成分を求め、前
    記各標本化値にそれぞれ対応するcos(4πfm・n
    /fs)を乗算して得られた値の総和から2倍波信号の
    同相成分を求め、かつ、前記各標本化値にそれぞれ対応
    するsin(4πfm・n/fs)を乗算して得られた
    値の総和から2倍波信号の直交成分を求めてそれぞれを
    出力する多重総和処理部(6)であり、ここでnは前記
    標本化の刻みを示す整数である ことを特徴とするガス濃
    度測定処理装置。
  2. 【請求項2】 前記サンプリングレート(fs)が前記
    基本波の周波数(fm)の8倍であることを特徴とする
    請求項1記載のガス濃度測定処理装置。
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