JP3458696B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

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JP3458696B2
JP3458696B2 JP05353798A JP5353798A JP3458696B2 JP 3458696 B2 JP3458696 B2 JP 3458696B2 JP 05353798 A JP05353798 A JP 05353798A JP 5353798 A JP5353798 A JP 5353798A JP 3458696 B2 JP3458696 B2 JP 3458696B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機を搭載
された車両の要求車輪駆動力を、エンジン出力および変
速比との組み合わせとして適切に定めるようにした駆動
力制御装置、特に、車両の減速時において有用な駆動力
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機や、トロイダル型
無段変速機に代表される無段変速機は、一般的にエンジ
ン要求負荷および車速から目標変速比を求め、実変速比
がこの目標変速比になるよう変速制御する。従って、運
転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン要求負荷を
増すような加速時は、目標変速比が大きくなる(低速側
の変速比になる)よう変更され、無段変速機は当該大き
くされた目標変速比へダウンシフト変速され、逆に運転
者がアクセルペダルを戻してエンジン要求負荷を低下さ
せるような低負荷運転時は、目標変速比が小さくなる
(高速側の変速比になる)よう変更され、無段変速機は
当該小さくされた目標変速比へアップシフト変速され
る。
【0003】一方で、車両の要求駆動力を求める技術と
しては従来、例えば特開平7−172217号公報に記
載されているようなものがある。この技術は、車速とア
クセルペダル踏み込み量から車両の目標駆動力を求め、
これに、車速から推定可能な走行抵抗分を加算して車輪
に伝達すべき要求駆動力とするものである。
【0004】ところで、上記した一般的な無段変速機の
変速制御では、上記の文献による技術で求めた要求駆動
力を正確に実現することができないし、まして、無段変
速機の変速制御のみでは如何にしても、求めた要求駆動
力をエンジンの燃費が最低になるような態様で実現する
ことは不可能である。
【0005】例えばかように要求駆動力をエンジンの燃
費が最低になるような態様で実現するなどのために、当
該要求駆動力をエンジンの出力制御と無段変速機の変速
制御(エンジン回転数制御)との適切な組み合わせによ
り実現する駆動力制御が考えられる。この場合、どのよ
うなアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)であろ
うとも、スロットル開度をどのようにするかを明示的に
決定する必要があるが、アクセルペダル釈放状態では、
アクセルペダル操作から運転者の要求駆動力を判断する
のは困難である。
【0006】しかしいずれにしても、アクセルペダル釈
放状態で運転者が要求しているのは車両の減速であるこ
とが明らかであることから、アクセルペダル釈放状態で
は上記の駆動力制御に代えて減速度制御を行うのが合理
的である。このような場合における車両の減速度制御と
しては従来、例えば特開平9−112682号公報に記
載されているように、アクセルペダル釈放時のエンジン
のフリクションがエンジン回転数と相関することを利用
し、変速機の変速比制御によりエンジン回転数を変える
ことでエンジンのフリクションを可変にして車両の減速
度を所定の減速度となるようにしたものが知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の減速度制御に際
しては、当該制御中にエンジンのフリクションとエンジ
ン回転数との関係が変化しないのが好ましく、さもなく
ば制御の精度が低下する。従って、アクセルペダルの踏
み込み、釈放に応じ、上記の駆動力制御と減速度制御と
を切り換えるにしても、アクセルペダルの釈放時におい
てエンジン出力、すなわちスロットル開度をいかなるも
のにするかを、前記したように明示的に決定する必要が
ある。
【0008】しかして上記の文献、特開平9−1126
82号公報に記載の減速度制御は、アクセル開度とスロ
ットル開度とが1:1で対応づけられたエンジン出力制
御装置を前提としており、減速度制御中におけるエンジ
ン出力設定方法についてこれを何ら示唆しておらず、上
記の要求を満たしていない。
【0009】また、前記した特開平7−172217号
公報に記載されている方法でアクセルペダル釈放時にお
ける要求駆動力を求め、これに基づいてエンジン出力を
制御する場合、前記の減速度制御中にむやみにスロット
ル開度を変化されると、エンジンの吸気抵抗が変化して
減速度制御と干渉するなどの新たな問題が生ずる。
【0010】従って、アクセルペダルの踏み込み、釈放
に応じ、駆動力制御と減速度制御とを切り換えるために
は、これらの矛盾が生じないような目標エンジン出力、
若しくは目標スロットル開度の設定が必要である。ま
た、減速時にむやみにスロットルを開くと、アクセルペ
ダルの踏み込みに伴うフューエルカット状態からフュー
エルリカバーへの移行時におけるショックが大きくなる
というように車両の運転性も悪化する。
【0011】請求項1に記載の第1発明は、減速要求時
は駆動力制御から減速度制御に切り換えることを骨子と
するが、この際、前記の矛盾や問題を生じないようにし
た車両の駆動力制御装置を提案することを目的とする。
【0012】請求項2に記載の第2発明は、第1発明の
目的を達成するに際して好適な、減速度制御への切り換
え時におけるエンジン出力制御を提案することを目的と
する。
【0013】請求項3に記載の第3発明は、第1発明の
目的を達成するに際して最も好適な、減速度制御への切
り換え時におけるエンジン出力制御を提案することを目
的とする。
【0014】請求項4に記載の第4発明は、エンジンが
内燃機関である場合の好適なエンジン出力制御対象を提
案することを目的とする。
【0015】請求項5に記載の第5発明は、エンジンが
内燃機関である場合において第1発明の目的を達成する
ための最も簡単なエンジン出力制御を提案することを目
的とする。
【0016】請求項6に記載の第6発明は、エンジンが
内燃機関である場合において第1発明の目的を達成する
ためのエンジン出力制御が滑らかなものとなるようにす
ることを目的とする。
【0017】請求項7に記載の第7発明は、第6発明の
作用効果を最も確実にするようになすことを目的とす
る。
【0018】請求項8に記載の第8発明は、好適な減速
要求判定技術を提案することを目的とする。
【0019】請求項9に記載の第9発明は、最も好適な
減速要求判定技術を提案することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明は、アクセルペダル操作以外の因子によって
も任意に出力を変更可能なエンジンと、無段変速機との
組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両におい
て、車両の運転状態や走行条件に応じて要求車軸駆動力
を求め、この要求車軸駆動力に基づき目標エンジン回転
数および目標エンジン出力の任意の組み合わせを求め、
前記目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転
数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、
前記目標エンジン出力となるようエンジンを出力制御す
るよう構成し、運転操作から車両の減速要求を判定し、
該減速要求判定時は前記目標エンジン回転数を車両減速
度が所定減速度となるよう定めるとともに、前記目標エ
ンジン出力を固定、若しくは制限するよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0021】第2発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明において、前記減速要求判定時における前記目
標エンジン出力を設定出力未満にするよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0022】第3発明による車両の駆動力制御装置は、
第2発明において、前記減速要求判定時における前記目
標エンジン出力を最低出力にするよう構成したことを特
徴とするものである。
【0023】第4発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記エンジ
ンが内燃機関である場合、前記目標エンジン出力を目標
エンジントルク、若しくは目標スロットル開度として与
えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0024】第5発明による車両の駆動力制御装置は、
第4発明において、前記減速要求判定時における前記目
標エンジン出力をスロットル開度全閉指令とするよう構
成したことを特徴とするものである。
【0025】第6発明による車両の駆動力制御装置は、
第4発明において、前記減速要求判定時における前記目
標エンジン出力を、アクセルペダル踏み込み量から換算
したアクセルペダル踏み込み量対応のスロットル開度と
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0026】第7発明による車両の駆動力制御装置は、
第6発明において、前記換算に際しアクセルペダル踏み
込み量とスロットル開度とを1:1で対応させたことを
特徴とするものである。
【0027】第8発明による車両の駆動力制御装置は、
第1発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記減速要
求判定をアクセルペダル操作に基づいて行うよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0028】第9発明による車両の駆動力制御装置は、
第8発明において、アクセルペダル踏み込み状態からア
クセルペダル釈放状態になった時を減速要求と判定する
よう構成したことを特徴とするものである。
【0029】
【発明の効果】第1発明における駆動力制御は、車両の
運転状態や走行条件に応じて要求車軸駆動力を求め、こ
の要求車軸駆動力に基づき目標エンジン回転数および目
標エンジン出力の任意の組み合わせを求め、目標エンジ
ン回転数に対応した変速機目標入力回転数となるよう無
段変速機を変速制御するとともに、目標エンジン出力と
なるようエンジンを出力制御するものである。かように
制御されるエンジンからの出力は、上記のように変速制
御される無段変速機により変速されてパワートレーンの
出力となる。
【0030】ところで第1発明においては特に、運転操
作から車両の減速要求を判定した時、上記の目標エンジ
ン回転数を車両減速度が所定減速度となるよう定めるた
めに、当該減速要求判定時は上記の駆動力制御から減速
度制御に確実に移行することとなり、減速要求に符合し
た制御を実現可能である。そしてこの際、上記の目標エ
ンジン出力を固定、若しくは制限することから、減速要
求時と雖も目標エンジン出力が明示的に決定されること
となって、前記の要求を満足させることができ、さらに
上記の減速度制御中においてエンジンの吸気抵抗が不変
に保たれ、減速度制御との干渉も回避することができ、
加えて、減速度制御中にむやみにエンジン出力が増大さ
れないことから、再加速に伴うフューエルリカバーによ
るショックが発生するという問題も生ずることがない。
【0031】更に付言すれば、減速度制御を上記の通り
無段変速機の変速制御により実現することから、これを
スロットル開度制御などのエンジン出力制御により実現
しようとする場合よりも、制御範囲が広くて効果的であ
るとともに、再加速に伴うフューエルリカバー時におけ
るショックが大きくなるのを防止する効果も一層確実な
ものとなる。
【0032】第2発明においては、上記減速要求判定時
における目標エンジン出力を設定出力未満にすることか
ら、減速度制御中におけるエンジン出力制御が、上記第
1発明の目的を一層確実に達成し得るものとなる。
【0033】第3発明においては、減速要求判定時にお
ける目標エンジン出力を最低出力にすることから、減速
度制御中におけるエンジン出力制御が、上記第1発明の
目的を最も確実に達成し得るものとなる。
【0034】第4発明においては、エンジンが内燃機関
である場合、前記目標エンジン出力を目標エンジントル
ク、若しくは目標スロットル開度として与えるために、
エンジンが内燃機関である場合においてエンジン出力制
御対象が制御し易い好適なものとなる。
【0035】第5発明においては、減速要求判定時にお
ける目標エンジン出力をスロットル開度全閉指令とする
ため、エンジンが内燃機関である場合においてエンジン
出力制御対象が最も制御し易い簡単なものとなる。
【0036】第6発明においては、減速要求判定時にお
ける目標エンジン出力を、アクセルペダル踏み込み量か
ら換算したアクセルペダル踏み込み量対応のスロットル
開度とするため、減速要求判定時のおけるスロットル開
度変化が滑らかになり、結果としてエンジン出力の変化
が急峻にならず、減速要求判定時において滑らかな運転
を保証することができる。
【0037】第7発明においては、上記第6発明におけ
る上記の換算に際しアクセルペダル踏み込み量とスロッ
トル開度とを1:1で対応させたことから、第6発明の
作用効果を最も確実なものにすることができる。
【0038】第8発明においては、前記の減速要求判定
をアクセルペダル操作に基づいて行うことから、運転者
の減速要求を好適に判定することができる。
【0039】第9発明においては、アクセルペダル踏み
込み状態からアクセルペダル釈放状態になった時を減速
要求と判定するために、運転者の減速要求を最も確実に
判定することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる駆動力制御装置を具えた車両のパワートレーン
と、その制御系を示し、該パワートレーンをエンジン1
と無段変速機2とで構成する。エンジン1は内燃機関で
構成するも、運転者が操作するアクセルペダル3にリン
ク連結せず、これから切り離されて、ステップモータ4
により開度を電子制御されるようにしたスロットルバル
ブ5を具え、ステップモータ4を目標スロットル開度
(TVO* )指令に対応した回転位置にすることでスロ
ットルバルブ5を目標スロットル開度TVO* にして、
エンジン1の出力を、アクセルペダル操作以外の因子に
よっても制御し得るようなものとする。
【0041】無段変速機2は周知のVベルト式無段変速
機とし、トルクコンバータ6を介してエンジン1の出力
軸に駆動結合されたプライマリプーリ7と、これに整列
配置したセカンダリプーリ8と、これら両プーリ間に掛
け渡したVベルト9とを具える。そして、セカンダリプ
ーリ8にファイナルドライブギヤ組10を介してディフ
ァレンシャルギヤ装置11を駆動結合し、これらにより
図示せざる車輪を回転駆動するものとする。
【0042】無段変速機2の変速のために、プライマリ
プーリ7およびセカンダリプーリ8のそれぞれのV溝を
形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の
固定フランジに対して相対的に接近してV溝幅を狭めた
り、離反してV溝幅を広め得るようにし、両可動フラン
ジを、目標変速比(i* )指令に応動する油圧アクチュ
エータ12からのプライマリプーリ圧Ppri およびセカ
ンダリプーリ圧Psec に応じた位置に変位させること
で、無段変速機2を実変速比が目標変速比i* に一致す
るよう無段変速させ得るものとする。
【0043】目標スロットル開度TVO* および目標変
速比i* はそれぞれ、コントローラ13により演算して
求めることとする。これがためコントローラ13には、
アクセルペダル3の踏み込み位置(アクセル開度)AP
Sを検出するアクセル開度センサ14からの信号と、ス
ロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ1
6からの信号と、プライマリプーリ7の回転数(プライ
マリ回転数)Npri を検出するプライマリプーリ回転セ
ンサ17からの信号と、セカンダリプーリ8の回転数
(セカンダリ回転数)Nsec を検出するセカンダリプー
リ回転センサ18からの信号と、車速VSPを検出する
車速センサ19からの信号と、車両の減速度Gを検出す
る減速度センサ20からの信号とをそれぞれ入力する。
【0044】コントローラ13はこれら入力情報を基
に、図2に機能別ブロック線図で示すように無段変速機
2の変速制御およびエンジン1のスロットル開度制御を
以下のごとくに行って、本発明が狙いとする車両の駆動
力制御を実行する。要求車軸駆動力演算部21では、セ
ンサ14により検出したアクセル開度APSおよびセン
サ19により検出した車速VSPを基に、例えば前記特
開平7−172217号公報に記載されている方法によ
り、車両の運転状態や走行条件に応じた必要最小限の要
求車軸駆動力TS を求める。他方で車軸回転数演算部2
2は、センサ18により検出したセカンダリ回転数N
sec 、つまり変速機出力回転数を、ファイナルドライブ
ギヤ組10のギヤ比(ファイナルドライブギヤ比)iF
で除算することによって、現在の車軸回転数N S を求め
る。そして要求馬力演算部23は、上記のようにして夫
々求めた要求車軸駆動力T S と車軸回転数NS との乗算
により要求馬力HPS を算出する。
【0045】制御目標値演算部24では、実験などによ
り予め求めた図9に例示するエンジンの特性線図を基
に、上記算出した要求馬力HPS を最低燃費で発生させ
るためのエンジン回転数Ne の目標値Ne * およびエン
ジン出力(ここではトルクとする)Te の目標値Te *
を求め、次に目標エンジン回転数Ne * に対応した駆動
制御用の変速機目標入力回転数(駆動制御用目標プライ
マリ回転数)NpriSを求める。ここで図9は、エンジン
回転数Ne と、エンジン出力(トルク)Te との関係
を、燃料消費率が同じになる等燃費線αとして、また、
出力馬力が同じになる等馬力線βとして示し、更に各等
馬力線β上で最も燃料消費率が良くなる点を結んだ最低
燃費線をδにより示したものである。図9上において、
要求馬力HPS に対応した1本の等馬力線βと最低燃費
線δとの交点が例えば図9のZ点であるとすると、当該
要求馬力HPS を最低燃費で発生させるための目標エン
ジン回転数Ne * および目標エンジン出力Te * は、図
9に示すようにZ点から横軸および縦軸にそれぞれ下ろ
した目盛り値として求めることができる。なお無段変速
機搭載車においては、動力伝達中の大半時間に亘りトル
クコンバータ6を、入出力要素間が直結されたロックア
ップ状態にしているため、本実施の形態では駆動制御用
変速機目標入力回転数NpriSを目標エンジン回転数Ne
*に同じ値として取り扱うこととする。
【0046】駆動制御用変速機目標入力回転数NpriS
変速機目標入力回転数選択部27に入力され、この変速
機目標入力回転数選択部27には別に、センサ18によ
り検出する車両減速度Gが所定減速度になるようにす
る、例えば特開平9−112682号公報に記載された
ごとき減速度制御を行う減速度制御部28で求めた減速
度制御用変速機目標入力回転数NpriGを入力する。変速
機目標入力回転数選択部27は、センサ14で検出した
アクセル開度APSから運転者が車両の減速を要求して
いるか否かを判定する減速要求判定部29の出力信号に
応答し、減速要求判定時に実線位置となって減速度制御
用変速機目標入力回転数NpriGを変速機目標入力回転数
pri * とし、減速要求時でなければ破線位置となって
駆動制御用変速機目標入力回転数NpriSを変速機目標入
力回転数Npri * とするものである。
【0047】なお、運転者が車両の減速を要求している
か否かを判定する減速要求判定部29は、アクセルペダ
ルの踏み込み状態から釈放状態への移行時に減速要求と
判定し、減速要求終了判定は、減速度制御から駆動制御
への切り換え時とせず、減速度制御の終了に同期させる
ようにするのが良い。
【0048】変速機目標入力回転数Npri * は目標変速
比演算部25に入力され、この演算部25は、当該変速
機目標入力回転数Npri * を変速機出力回転数Nsec
除算することにより、変速機目標入力回転数Npri *
対応した目標変速比i* を求めて図1のように油圧アク
チュエータ12に出力し、無段変速機2を目標変速比i
* が達成されるよう、つまり目標入力回転数Npri *
達成されるよう変速制御する。
【0049】一方で、制御目標値演算部24からの駆動
制御用目標エンジン出力Te * は駆動制御用目標スロッ
トル開度演算部26に入力され、この演算部26は、当
該駆動制御用目標エンジン出力Te * が発生するような
駆動制御用目標スロットル開度TVOS を求めて目標ス
ロットル開度選択部31に入力し、この目標スロットル
開度選択部31には別に、最小スロットル開度設定部3
2で設定した減速度制御用目標スロットル開度である、
例えばスロットル開度全閉に対応した最小スロットル開
度TVOG を入力する。なお最小スロットル開度TVO
G は、必ずしも全閉に対応させる必要はなく、設定スロ
ットル開度未満の固定値としても良い。
【0050】目標スロットル開度選択部31は、減速要
求判定部29の出力信号に応答し、減速要求判定時に実
線位置となって減速度制御用目標スロットル開度である
最小スロットル開度TVOG を目標スロットル開度TV
* とし、減速要求時でなければ破線位置となって駆動
制御用目標スロットル開度TVOS を目標スロットル開
度TVO* とするものである。かようにして定めた目標
スロットル開度TVO* は図1に示すようにステップモ
ータ4に出力し、スロットルバルブ5を目標スロットル
開度TVO* となるよう開度制御する。
【0051】以上のような本実施の形態によれば、減速
要求判定部29で運転者が減速を要求していないと判定
する場合、変速機目標入力回転数選択部27が破線位置
にされて駆動制御用変速機目標入力回転数NpriSを変速
機目標入力回転数Npri * とし、目標スロットル開度選
択部31が破線位置にされて駆動制御用目標スロットル
開度TVOS を目標スロットル開度TVO* とする。こ
れがため減速要求時以外では、運転条件や走行条件から
求めた要求車軸駆動力TS (要求馬力HPS )を最低燃
費で発生させるような態様で無段変速機の変速制御(N
priS)およびエンジンのスロットル開度制御(TV
S )が行われることとなり、燃費の改善と過不足のな
い動力性能とを確実に両立させることができる。
【0052】しかして、減速要求判定部29で運転者が
減速を要求していると判定する場合は、変速機目標入力
回転数選択部27が実線位置にされて減速度制御用変速
機目標入力回転数NpriGを変速機目標入力回転数Npri
* とし、目標スロットル開度選択部31が実線位置にさ
れて減速度制御用スロットル開度である最小スロットル
開度TVOG を目標スロットル開度TVO* とする。こ
れがため減速要求時は、上記の駆動制御に代えて先ず減
速度制御部28で、車両減速度Gが所定減速度となるよ
うな減速度制御用変速機目標入力回転数Npr iGを求め、
これが達成されるよう無段変速機を変速制御して減速度
制御を行うとともに、最小スロットル開度設定部32で
設定した最小スロットル開度TVOGとなるようスロッ
トル開度(エンジン出力)を制御することになり、以下
の作用効果が奏し得られる。
【0053】つまり、当該減速要求判定時は前記の駆動
力制御から変速制御を介した減速度制御に移行すること
となり、減速要求に符合した制御を実現可能である。そ
してこの際、スロットル開度(エンジン出力)を最小ス
ロットル開度TVO G に固定することから、減速要求時
と雖も目標とすべきスロットル開度(エンジン出力)が
明示的に決定されることとなって、前記の要求を満足さ
せることができるとともに、当該減速度制御中において
エンジンの吸気抵抗が不変に保たれ、減速度制御との干
渉も回避することができる。加えて、減速度制御中にむ
やみにエンジン出力が増大されないことから、再加速に
伴うフューエルリカバー時におけるショックが大きくな
るという問題も生ずることがない。
【0054】更に付言すれば、減速度制御を上記の通り
無段変速機の変速制御により実現することから、これを
スロットル開度制御などのエンジン出力制御により実現
しようとする場合よりも、制御範囲が広くて効果的であ
るとともに、再加速に伴うフューエルリカバー時におけ
るショックが大きくなるのを防止する効果も一層確実な
ものとなる。
【0055】図3は本発明の他の実施の形態を示し、本
実施の形態においては駆動制御用目標エンジン出力Te
* および駆動制御用変速機目標入力回転数NpriSを、前
記実施の形態とは異なり以下のように求めるものであ
る。要求車軸駆動力演算部21でアクセル開度APSお
よび車速VSPを基に求めた必要最小限の要求車軸駆動
力TS を変速機目標入力回転数演算部33に入力し、こ
の演算部33には更にセンサ19からの車速検出値VS
Pを入力する。
【0056】変速機目標入力回転数演算部33では、要
求車軸駆動力TS および車速VSPから、エンジンの特
性線図に基づき以下のごとくに求めた例えば図11に示
すデータに対応するマップを基に、現在の車速VSPの
もと上記要求車軸駆動力TSを最低燃費で発生させるた
めのエンジン回転数Ne の目標値Ne * を求め、次にこ
の目標エンジン回転数Ne * に対応した駆動制御用変速
機目標入力回転数(駆動制御用目標プライマリ回転数)
priSを求める。
【0057】ここで図11のデータを説明するに、この
データは図9に示すエンジンの特性線図から以下のごと
くに求めた、車速VSPと、車軸駆動力TS と、エンジ
ン回転数Ne との関係とする。図9は既に前記したが、
エンジン回転数Ne と、エンジン出力(トルク)Te
の関係を、燃料消費率が同じになる等燃費線αとして、
また、出力馬力が同じになる等馬力線βとして示し、更
に各等馬力線β上で最も燃料消費率が良くなる点を結ん
だ最低燃費線をδにより示したものである。図9に示す
最低燃費線δ上の個々の点を図10のごとく、変速比
(これに関する係数も含む)によってエンジン回転数N
e を車速VSPに、またエンジン出力(トルク)Te
車軸駆動力TS に置き換えた2次元座標上に移記し、変
速比ごとの最低燃費となる車速VSPとエンジン出力
(トルク)Te の組み合わせを求めると、図10に示す
通りのものとなる。
【0058】そして、変速比ごとの特性線図上にエンジ
ン回転数Ne が等しくなる点をプロットすると、或るエ
ンジン回転数Ne の場合、図10にAで示すごときもの
となり、これらの点を結んで、エンジン回転数Ne ごと
に車速VSPおよび車軸駆動力TS の関係を示すと、図
9の最低燃費線δは図11に示すような線で表すことが
できる。なお図11においては便宜上、エンジン回転数
e を目標エンジン回転数Ne * として表記し、また、
車軸駆動力TS を目標車軸駆動力(同じ符号TS で示し
た)として表記した。かかる車速VSPと、目標車軸駆
動力TS と、目標エンジン回転数Ne * との関係を表す
データによれば、現在の車速VSPと目標車軸駆動力T
S との組み合わせが例えば点Zに対応したものである場
合について説明すると、当該車速VSPのもとで目標車
軸駆動力TS を最低燃費で発生させるための目標エンジ
ン回転数Ne * は、図11におけるZ点を通る線に係わ
るパラメータ値(エンジン回転数)として求めることが
できる。なお無段変速機搭載車においては、動力伝達中
の大半時間に亘りトルクコンバータ6を、入出力要素間
が直結されたロックアップ状態にしているため、図示す
る実施の形態においては図11に示したが、前記の駆動
制御用変速機目標入力回転数(駆動制御用目標プライマ
リ回転数)NpriSを目標エンジン回転数Ne * に同じ値
として取り扱うこととする。
【0059】上記のようにして検索した駆動制御用変速
機目標入力回転数NpriSは、減速度制御部28で求めた
減速度制御用変速機目標入力回転数NpriGと共に変速機
目標入力回転数選択部27に入力される。この変速機目
標入力回転数選択部27は図2に示す実施の形態におけ
ると同様、減速要求判定部29の出力信号に応答し、減
速要求判定時に実線位置となって減速度制御用変速機目
標入力回転数NpriGを変速機目標入力回転数Npri *
し、減速要求時でなければ破線位置となって駆動制御用
変速機目標入力回転数Npr iSを変速機目標入力回転数N
pri * とする。
【0060】他方で本実施の形態においては、車軸回転
数演算部22が図2におけると同様に、セカンダリ回転
数(変速機出力回転数)Nsec をファイナルドライブギ
ヤ組10のギヤ比(ファイナルドライブギヤ比)iF
除算して求めた車軸回転数N S を車輪駆動系目標変速比
演算部34に入力する。この演算部34は、上記の駆動
制御用変速機目標入力回転数NpriSを車軸回転数NS
より除算して車輪駆動系目標変速比iT * を求め、これ
を駆動制御用目標エンジン出力演算部35に入力する。
この演算部35は、前記演算部21からの要求車軸駆動
力TS をも入力され、当該要求車軸駆動力TS を車輪駆
動系目標変速比iT * で除算することにより駆動制御用
目標エンジン出力(トルク)Te * を求める。
【0061】当該駆動制御用目標エンジン出力Te *
駆動制御用目標スロットル開度演算部26に入力され、
この演算部26は図2におけると同様に、駆動制御用目
標エンジン出力Te * が発生するような駆動制御用目標
スロットル開度TVOS を求めて目標スロットル開度選
択部31に入力する。この目標スロットル開度選択部3
1には別に、最小スロットル開度設定部32で設定した
減速度制御用スロットル開度である、例えばスロットル
開度全閉に対応した最小スロットル開度TVOG をも入
力されている。そして目標スロットル開度選択部31
は、減速要求判定部29の出力信号に応答し、減速要求
判定時に実線位置となって減速度制御用スロットル開度
である最小スロットル開度TVOG を目標スロットル開
度TVO* とし、減速要求時でなければ破線位置となっ
て駆動制御用目標スロットル開度TVOS を目標スロッ
トル開度TVO* とする。
【0062】従って図3に示す実施の形態においても、
駆動制御用目標エンジン出力Te *および駆動制御用変
速機目標入力回転数NpriSの求め方が図2と異なるのみ
で、それ以外は図2の場合と同じであるため、前記した
と同様の作用効果が奏し得られ、所期の目的を達成する
ことができる。
【0063】なお上記2種の実施形態においては何れ
も、判別部29で減速要求が判定された時は最小スロッ
トル開度設定部32からの最小スロットル開度TVOG
を目標スロットル開度TVO* にすることとしたが、こ
の場合、判別部29による減速要求判定時に、判定誤差
防止のため不可欠な不感帯に起因してスロットル開度が
未だ最小スロットル開度TVOG でないことから、当該
不感帯分だけスロットル開度が急減されることとなり、
エンジン出力の変化が滑らかでなくなる。図4はこの問
題解決のために、最小スロットル開度設定部32に代え
てAPS→TVO単位変換部36を設け、ここでアクセ
ル開度検出値APSをスロットル開度に換算してスロッ
トル開度換算値TVOAPS を求め、これを減速要求判定
時に目標スロットル開度TVO* とするようにした実施
の形態である。
【0064】本実施の形態においては、減速要求判別部
29に判定誤差防止のため不感帯が設定されているにも
かかわらず、つまりスロットル開度が完全に全閉になる
前に判別部29が減速要求を判定するように構成されて
いるにもかかわらず、当該判定時にスロットル開度が一
気に最小スロットル開度TVOG まで急減されることが
なくなり、当該減速要求判定時はスロットル開度がアク
セル開度検出値(APS)対応のスロットル開度換算値
TVOAPS にされ、エンジン出力の変化を滑らかなもの
にすることができる。なおこの目的に照らして、アクセ
ル開度検出値APSをスロットル開度に換算するに際し
ては、アクセル開度検出値APSとスロットル開度換算
値TVOAPSとを1:1で対応させるのが良いことは言
うまでもない。
【0065】また図2および図3においては何れも、判
別部29で減速要求が判定された時は最小スロットル開
度設定部32からの最小スロットル開度TVOG を目標
スロットル開度TVO* にすることとしたが、これに代
えて図5および図6に示すごとく減速要求判定時に、ス
ロットル開度が全閉になるような最小エンジン出力を指
令して、これから目標スロットル開度TVO* を求める
ようにしても、上記両実施の形態におけると同様の作用
効果を達成することができる。
【0066】図5は、図2におけると同様にして駆動制
御用目標エンジン出力Te * および駆動制御用変速機目
標入力回転数NpriSを求めるも、最小エンジン出力設定
部41を設け、これによりスロットル開度が全閉になる
ような最小エンジン出力TeGを減速度制御用目標エンジ
ン出力として設定し、この最小エンジン出力TeGを目標
エンジン出力選択部42に入力する。目標エンジン出力
選択部42には別に、図2に基づき前述したごとくに制
御目標値演算部24で求めた駆動制御用目標エンジン出
力Te * を入力し、当該目標エンジン出力選択部42は
以下のごとくに減速要求判定部29の出力信号に応答す
る。つまり選択部42は、減速要求判定時に実線位置と
なって減速度制御用目標エンジン出力である最小エンジ
ン出力TeGを目標エンジン出力Te0 * とし、減速要求時
でなければ破線位置となって駆動制御用目標エンジン出
力Te * を目標エンジン出力Te0 * とするものである。
【0067】なお最小エンジン出力TeGは、必ずしもス
ロットル全閉に対応させる必要はなく、設定スロットル
開度未満となるような固定値としても良い。
【0068】目標エンジン出力選択部42からの目標エ
ンジン出力Te0 * は目標スロットル開度演算部43に入
力され、この演算部43は、上記のようにして定めた目
標エンジン出力Te0 * を発生するための目標スロットル
開度TVO* を求めて、図1に示すステップモータ4に
出力し、スロットルバルブ5を目標スロットル開度TV
* となるよう開度制御する。本実施の形態において
も、減速要求判定時にブロック28による減速度制御が
無段変速機の変速制御を介して行われると同時に、エン
ジン出力が最小エンジン出力TeGとなるようなスロット
ル開度制御が行われることから、図2および図3に示す
実施の形態におけると同様の作用効果を達成することが
できる。
【0069】図6は、図3におけると同様にして駆動制
御用目標エンジン出力Te * および駆動制御用変速機目
標入力回転数NpriSを求めるものに対し、図5と同様の
考え方を適用して、同図におけると同様な最小エンジン
出力設定部41、目標エンジン出力選択部42、および
目標スロットル開度演算部43を設けた実施の形態を示
す。本実施の形態においては、最小エンジン出力設定部
41がスロットル全閉に対応した最小エンジン出力TeG
を減速度制御用目標エンジン出力として設定し、目標エ
ンジン出力選択部42が減速要求判定部29の出力信号
に応答し、減速要求判定時に実線位置となって減速度制
御用目標エンジン出力である最小エンジン出力TeGを目
標エンジン出力Te0 * とし、減速要求時でなければ破線
位置となって、図3に基づき前述したごとくに駆動制御
用目標エンジン出力演算部35で求めた駆動制御用目標
エンジン出力Te * を目標エンジン出力Te0 * とする。
【0070】目標エンジン出力選択部42からの目標エ
ンジン出力Te0 * は目標スロットル開度演算部43に入
力され、この演算部43は、上記のようにして定めた目
標エンジン出力Te0 * を発生するための目標スロットル
開度TVO* を求めて、図1に示すステップモータ4に
出力し、スロットルバルブ5を目標スロットル開度TV
* となるよう開度制御する。本実施の形態において
も、減速要求判定時に減速度制御部28による減速度制
御が無段変速機の変速制御を介して行われると同時に、
エンジン出力が最小エンジン出力TeGとなるようなスロ
ットル開度制御が行われることから、図2および図3に
示す実施の形態におけると同様の作用効果を達成するこ
とができる。
【0071】図7は、図2および図3におけるスロット
ル開度制御および変速制御をマイクロコンピュータで実
行する場合のフローチャートで、先ずステップ51にお
いてアクセル開度APSが0か否かにより減速要求か否
かを判定する。減速要求がなければステップ52におい
て、図2および図3における如くに求めた駆動制御用目
標スロットル開度TVOS を目標スロットル開度TVO
* とし、これを図1に示すステップモータ4に出力し
て、スロットルバルブ5を目標スロットル開度TVO*
となるよう開度制御する。次にステップ53において、
同じく図2および図3における如くに求めた駆動制御用
変速機目標入力回転数NpriSを変速機目標入力回転数N
pri * とする。
【0072】ステップ51において減速要求があると判
定した時は、ステップ54において、図2および図3に
おける如くに求めた減速度制御用目標スロットル開度で
ある最小スロットル開度TVOG を目標スロットル開度
TVO* とし、これを図1に示すステップモータ4に出
力して、スロットルバルブ5を目標スロットル開度TV
* となるよう開度制御する。次にステップ55におい
て、同じく図2および図3における如くに求めた、車両
減速度が所定減速度になるようにするための減速度制御
用変速機目標入力回転数NpriGを変速機目標入力回転数
pri * とする。
【0073】ステップ56においては、ステップ53ま
たは55において上記のように定めた変速機目標入力回
転数Npri * を変速機出力回転数Nsec で除算すること
により、変速機目標入力回転数Npri * に対応した目標
変速比i* を求め、これを図1に示す油圧アクチュエー
タ12に出力し、無段変速機2を目標変速比i* が達成
されるよう、つまり目標入力回転数Npri * が達成され
るように変速制御する。
【0074】以上によれば、ステップ51で運転者が減
速を要求していないと判定する場合、ステップ52にお
いて駆動制御用目標スロットル開度TVOS を目標スロ
ットル開度TVO* とすると共に、ステップ53におい
て駆動制御用変速機目標入力回転数NpriSを変速機目標
入力回転数Npri * とするため、減速要求時以外では、
運転条件や走行条件から求めた要求馬力HPS (図2参
照)や要求車軸駆動力TS (図3参照))を最低燃費で
発生させるような態様で無段変速機の変速制御
(NpriS)およびエンジンのスロットル開度制御(TV
S )が行われることとなり、燃費の改善と過不足のな
い動力性能とを確実に両立させることができる。
【0075】しかして、ステップ51で運転者が減速を
要求していると判定する場合は、ステップ54において
減速度制御用スロットル開度である最小スロットル開度
TVOG を目標スロットル開度TVO* とすると共に、
ステップ55において減速度制御用変速機目標入力回転
数NpriGを変速機目標入力回転数Npri * とするため、
当該減速要求時は、後者による無段変速機の変速制御を
介して車両減速度が所定減速度となるような減速度制御
がなされると共に、後者によるスロットル開度制御を介
してエンジンが最小スロットル開度TVOG に固定され
ることとなり、図2および図3につき前述したと同様の
作用効果を奏することができる。
【0076】図8は、図5および図6におけるスロット
ル開度制御および変速制御をマイクロコンピュータで実
行する場合のフローチャートで、先ずステップ61にお
いてアクセル開度APSが0か否かにより減速要求か否
かを判定する。減速要求がなければステップ62におい
て、図5および図6における如くに求めた駆動制御用目
標エンジン出力Te * を目標エンジン出力Te0 * とし、
更にステップ63において、同じく図5および図6の如
くに求めた駆動制御用変速機目標入力回転数NpriSを変
速機目標入力回転数Npri * とする。
【0077】しかしてステップ61で減速要求と判別し
た場合は、ステップ64において、図5および図6にお
ける如くに求めたスロットル開度が全閉になるような減
速度制御用目標エンジン出力としての最小エンジン出力
eGを目標エンジン出力Te0 * とし、更にステップ65
において、同じく図5および図6における如くに求め
た、車両減速度が所定減速度になるようにするための減
速度制御用変速機目標入力回転数NpriGを変速機目標入
力回転数Npri * とする。ステップ66においては、ス
テップ62または64において上記のように定めた目標
エンジン出力Te0 * を発生するための目標スロットル開
度TVO* を求め、これを図1に示すステップモータ4
に出力し、スロットルバルブ5を目標スロットル開度T
VO* となるよう開度制御すると共に、ステップ63ま
たは65において上記のように定めた変速機目標入力回
転数N pri * を変速機出力回転数Nsec で除算すること
により、変速機目標入力回転数Npri * に対応した目標
変速比i* を求め、これを図1に示す油圧アクチュエー
タ12に出力し、無段変速機2を目標変速比i* が達成
されるよう、つまり目標入力回転数Npri * が達成され
るように変速制御する。
【0078】以上によれば、ステップ61で運転者が減
速を要求していないと判定する場合、ステップ62にお
いて駆動制御用目標エンジン出力Te * を目標エンジン
出力Te0 * とすると共に、ステップ63において駆動制
御用変速機目標入力回転数N priSを変速機目標入力回転
数Npri * とするため、減速要求時以外では、運転条件
や走行条件から求めた要求馬力HPS (図5参照)や要
求車軸駆動力TS (図6参照))を最低燃費で発生させ
るような態様で無段変速機の変速制御(NpriS)および
エンジンのスロットル開度制御(目標エンジン出力Te
* に対応したスロットル開度制御)が行われることとな
り、燃費の改善と過不足のない動力性能とを確実に両立
させることができる。
【0079】しかして、ステップ61で運転者が減速を
要求していると判定する場合は、ステップ64において
スロットル開度が全閉になるような最小エンジン出力T
eGを目標エンジン出力Te0 * とすると共に、ステップ6
5において車両減速度が所定減速度になるようにするた
めの減速度制御用変速機目標入力回転数NpriGを変速機
目標入力回転数Npri * とするため、当該減速要求時
は、後者による無段変速機の変速制御を介して車両減速
度が所定減速度となるような減速度制御がなされるとと
もに、後者によるスロットル開度制御を介してエンジン
が最小エンジン出力TeGに固定されることとなり、図5
および図6の場合と同様の作用効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる駆動力制御装置を
具えた無段変速機搭載車のパワートレーンを、その制御
システムと共に示す概略説明図である。
【図2】同実施の形態においてコントローラが実行する
変速制御およびスロットル開度制御の機能別ブロック線
図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す変速制御および
スロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す変速制御および
スロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
【図5】本発明の更に他の実施の形態を示す変速制御お
よびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
【図6】本発明の更に別の実施の形態を示す変速制御お
よびスロットル開度制御の機能別ブロック線図である。
【図7】図2および図3における変速制御およびスロッ
トル開度制御をマイクロコンピュータで実行する場合の
フローチャートである。
【図8】図5および図6における変速制御およびスロッ
トル開度制御をマイクロコンピュータで実行する場合の
フローチャートである。
【図9】エンジン回転数軸およびエンジン出力トルク軸
により規定した2次元座標上に、等燃費線、等馬力線、
最低燃費線を示すエンジンの特性線図である。
【図10】同最低燃費線を変速比ごとに車速と車軸駆動
力との関係線図として書き直した場合の線図である。
【図11】図10の線図上で、変速比ごとに入力回転数
が等しくなる点を結んだ線図として表した無段変速機の
変速パターン図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 無段変速機 3 アクセルペダル 4 ステップモータ 5 電子制御スロットルバルブ 6 トルクコンバータ 7 プライマリプーリ 8 セカンダリプーリ 9 Vベルト 10 ファイナルドライブギヤ組 11 ディファレンシャルギヤ装置 12 油圧アクチュエータ 13 コントローラ 14 アクセル開度センサ 16 スロットル開度センサ 17 プライマリプーリ回転センサ 18 セカンダリプーリ回転センサ 19 車速センサ 20 車両減速度センサ 21 要求車軸駆動力演算部 22 車軸回転数演算部 23 要求馬力演算部 24 制御目標値演算部 25 目標変速比演算部 26 駆動制御用目標スロットル開度演算部 27 変速機目標入力回転数選択部 28 減速度制御部 29 減速要求判別部 31 目標スロットル開度選択部 32 最小スロットル開度設定部 33 変速機目標入力回転数演算部 34 車輪駆動系目標変速比演算部 35 駆動制御用目標エンジン出力演算部 36 APS→TVO単位変換部 41 最小エンジン出力設定部 42 目標エンジン出力選択部 43 目標スロットル開度演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 美憲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−112682(JP,A) 特開 昭59−194156(JP,A) 特開 昭62−199536(JP,A) 特開 昭59−197661(JP,A) 特開 平11−78594(JP,A) 特開 平8−238952(JP,A) 特開 平10−329586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/00 B60K 41/00 F02D 41/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダル操作以外の因子によって
    も任意に出力を変更可能なエンジンと、無段変速機との
    組み合わせになるパワートレーンを搭載した車両におい
    、 車両の運転状態や走行条件に応じて要求車軸駆動力を求
    め、この要求車軸駆動力に基づき目標エンジン回転数お
    よび目標エンジン出力の任意の組み合わせを求め、 前記目標エンジン回転数に対応した変速機目標入力回転
    数となるよう前記無段変速機を変速制御するとともに、
    前記目標エンジン出力となるようエンジンを出力制御す
    よう構成し、 運転操作から車両の減速要求を判定し、該減速要求判定
    時は前記目標エンジン回転数を車両減速度が所定減速度
    となるよう定めるとともに、前記目標エンジン出力を固
    定、若しくは制限するよう構成したことを特徴とする車
    両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記減速要求判定時
    における前記目標エンジン出力を設定出力未満にするよ
    う構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記減速要求判定時
    における前記目標エンジン出力を最低出力にするよう構
    成したことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記エンジンが内燃機関である場合、前記目標エン
    ジン出力を目標エンジントルク、若しくは目標スロット
    ル開度として与えるよう構成したことを特徴とする車両
    の駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記減速要求判定時
    における前記目標エンジン出力をスロットル開度全閉指
    令とするよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制
    御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記減速要求判定時
    における前記目標エンジン出力を、アクセルペダル踏み
    込み量から換算したアクセルペダル踏み込み量対応のス
    ロットル開度とするよう構成したことを特徴とする車両
    の駆動力制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記換算に際しアク
    セルペダル踏み込み量とスロットル開度とを1:1で対
    応させたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項におい
    て、前記減速要求判定をアクセルペダル操作に基づいて
    行うよう構成したことを特徴とする車両の駆動力制御装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、アクセルペダル踏み
    込み状態からアクセルペダル釈放状態になった時を減速
    要求と判定するよう構成したことを特徴とする車両の駆
    動力制御装置。
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