JP3458046B2 - 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型 - Google Patents

矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型

Info

Publication number
JP3458046B2
JP3458046B2 JP34334096A JP34334096A JP3458046B2 JP 3458046 B2 JP3458046 B2 JP 3458046B2 JP 34334096 A JP34334096 A JP 34334096A JP 34334096 A JP34334096 A JP 34334096A JP 3458046 B2 JP3458046 B2 JP 3458046B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
ingot
aluminum alloy
continuous casting
ejection port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34334096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10180418A (ja
Inventor
誠 森下
浩 大下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP34334096A priority Critical patent/JP3458046B2/ja
Publication of JPH10180418A publication Critical patent/JPH10180418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3458046B2 publication Critical patent/JP3458046B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形断面アルミニ
ウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型に関し、
特には、比較的矩形断面の大きな(厚 300mm以上×幅10
00mm以上)アルミニウム合金鋳塊を鋳造する縦型連続鋳
造方法及びその鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造は
既に広く知られており、アルミニウム合金溶湯を上下開
放式の強制冷却鋳型の上部から導入し、鋳型により一次
冷却して凝固殻を形成せしめるとともに、凝固殻を形成
した鋳塊を強制冷却鋳型の下部から引き出し、その引き
出されてくる鋳塊表面に冷媒流体を直接当て二次冷却す
ることにより行われる。そして、このアルミニウム合金
鋳塊の縦型連続鋳造方法においては、従来より鋳塊割れ
などの問題のあることが知られている。
【0003】上記の問題を改善するために、特開昭52−
126619号公報、特公昭54−8611号公報又は特開平 6−21
0402号公報にはその改善策が提案されている。即ち、特
開昭52−126619号公報では、鋳型の内壁部を冷却する水
室を隔壁にて多数の小室に分割し、コーナー部の小室に
供給する冷却水量を少なく他の小室に供給する冷却水量
を多くすることで、二次冷却により鋳型の内壁部に形成
される溶融金属の凝固殻をコーナー部と中央部とでほぼ
同一高さレベルになるように制御し鋳塊割れなどを防止
する方法が提案されている。また、特公昭54−8611号公
報では、鋳型とは別に鋳型の下方に冷却手段を設け、鋳
型による冷却を比較的軽く、冷却手段による冷却を比較
的強く行うことで鋳塊割れなどを防止する方法が提案さ
れている。また、特開平 6−210402号公報では、鋳型と
は別に鋳型の下方に冷却手段を設け、鋳型では一次冷却
のみを行い、冷却手段では液体冷却媒体を霧状に噴射し
て二次冷却することで、二次冷却における液体冷却媒体
量が少ない場合にも確実に液体冷却媒体を制御して二次
冷却することで鋳塊割れなどを防止する方法が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した提案方法は、
いずれも一次冷却と二次冷却と言った縦方向の冷却能の
最適化を図り、これにより鋳塊割れを防止すると言うも
のであるが、鋳塊割れなどの防止のためには、縦方向の
冷却能の最適化のみでは不十分であり、水平方向の冷却
能のバランスが重要となる。しかし、これまではこの点
について考慮がなされていないのが実情である。
【0005】通常、鋳型下端から引き出される鋳塊は、
一次冷却と二次冷却の間で鋳型とも二次冷媒流体(冷却
水)とも接触していない部分が存在しており、特に従来
の、下端部に二次冷媒流体を噴出するスリット状の噴出
口を備えるアルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型
では、二次冷媒流体が下向きの角度で噴出口から噴出さ
れるため、鋳型とも二次冷媒流体とも接触していない部
分が存在している。また、鋳型の一次冷却帯から引き出
される鋳塊の収縮は、鋳塊の部分によって異なるため、
同じ角度の二次冷媒流体の噴出角度では一次冷却帯を出
てから二次冷媒流体が衝突するまでの距離、時間が、鋳
塊の位置によって異なることになる。このため、二次冷
媒流体が衝突する位置の鋳塊表面の前後で割れが発生す
ることになる。
【0006】上記の二次冷媒流体が衝突する位置の鋳塊
表面の前後での割れを低減するには、鋳型の一次冷却帯
から引き出される鋳塊の収縮の起こっている部分の二次
冷媒流体量を増加し薄い凝固殻を厚くするなどの方法が
考えられるが、このように任意の位置での冷却能力を上
げる方法を採った場合、鋳型出口部分の凝固殻厚さが一
定であってもその上下方、特に下方で凝固殻が厚くな
る。下方での凝固殻の厚さも均一にしなければ、鋳型出
口部分(二次冷媒流体が衝突する位置)と同様に下方で
も応力集中部が発生し、割れが発生しやすくなる。
【0007】本発明は、上記の技術背景に鑑みなされた
ものであって、その目的は、鋳塊割れの無いアルミニウ
ム合金鋳塊の鋳造をなし得る矩形断面アルミニウム合金
鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦
型連続鋳造方法(請求項1)は、アルミニウム合金溶湯
を上下開放式の強制冷却鋳型の上部から導入し、鋳型に
より一次冷却して凝固殻を形成せしめるとともに、凝固
殻を形成した鋳塊を強制冷却鋳型の下部から引き出し、
その引き出されてくる鋳塊表面に冷媒流体を直接当て二
次冷却することにより矩形断面のアルミニウム合金鋳塊
を鋳造する縦型連続鋳造方法において、鋳塊表面に直接
当てる二次冷媒流体の衝突流量が均一になるように二次
冷媒流体を鋳塊の断面形状に合せて、異なる方向に噴出
させると共に、その衝突位置が鋳塊表面上で水平となる
ように衝突させるものである。
【0009】また、本発明に係る矩形断面アルミニウム
合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型(請求項2)は、下端部
に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状に合せて、異なる方向
に噴出させスリット状の噴出口を備える矩形断面アルミ
ニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型において、鋳型内
壁を冷却する冷却室と前記噴出口との間に噴出通路孔を
設けるとともに、この噴出通路孔と鋳型内壁面とのなす
角度を、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝突位置
が鋳塊表面上で水平となるように鋳型辺の各位置で変化
させた構造を備えてなるものである。
【0010】また、本発明に係る矩形断面アルミニウム
合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型(請求項3)は、下端部
に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状に合せて、異なる方向
に噴出させるスリット状の噴出口を備える矩形断面アル
ミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型において、鋳型
内壁を冷却する冷却室と前記噴出口との間に噴出通路孔
を設けるとともに、前記噴出口の先端開口部の形状を、
鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝突位置が鋳塊表
面上で水平となるように鋳型辺の各位置で変化させた構
造を備えてなるものである。
【0011】また、本発明に係る矩形断面アルミニウム
合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型(請求項4)は、下端部
に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状に合せて、異なる方向
に噴出させるスリット状の噴出口を備える矩形断面アル
ミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型において、前記
スリット状の噴出口を鋳型本体下面に設けた噴出口形成
用当板と鋳型内壁下端部との間で形成するとともに、前
記噴出口形成用当板の噴出口の出口側を内反りの曲率を
有するように形成し、この曲率を、鋳塊表面に直接当て
る二次冷媒流体の衝突位置が鋳塊表面上で水平となるよ
うに鋳型辺の各位置で変化させた構造を備えてなるもの
である。
【0012】また更に、本発明に係る矩形断面アルミニ
ウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型(請求項5)は、下
端部に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状に合せて、異なる
方向に噴出させるスリット状の噴出口を備える矩形断面
アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型において、
前記スリット状の噴出口を鋳型本体下面に設けた噴出口
形成用当板と鋳型内壁下端部との間で形成するととも
に、前記噴出口形成用当板の噴出口の出口側を内反りの
曲率を有するように形成し、その出口側先端の長さを、
鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝突位置が鋳塊表
面上で水平となるように鋳型辺の各位置で変化させた構
造を備えてなるものである。
【0013】以下、本発明の構成並びに作用について説
明する。本発明者等は詳細観察の結果、鋳塊表面割れ
は、主に二次冷媒流体(冷却水)が衝突する位置の前後
で発生することを見出すとともに、鋳塊表面性状及び鋳
塊割れは、鋳塊が鋳型の一次冷却帯を出てから二次冷媒
流体が衝突するまでの距離、時間に大きく依存すること
を突き止めた。このように鋳塊の各表面で距離、時間が
異なると、その位置において凝固殻の厚さにバラツキが
生じて応力が発生するため、鋳塊割れが発生しやすくな
る。一般に二次冷媒流体の衝突角度を考慮すると、収縮
した部分は窪みとなるため、特に直接二次冷媒流体が衝
突する鋳型出口付近で鋳塊表面部の縦方向冷却位置が下
方に下がることになり、距離、時間が異なる原因とな
る。また、通常の鋳造の場合、鋳造の途中で溶湯に温度
分布があるため鋳塊表面部の幅方向中心部での収縮が大
きく、同位置で鋳塊が鋳型からの鋳型離れが大きくな
り、これも距離、時間が異なる原因となる。そこで、本
発明では、鋳型辺(長辺と短辺)の辺方向の各位置で鋳
塊が鋳型の一次冷却帯を出てから二次冷媒流体が衝突す
るまでの距離、時間を同じにして、鋳塊割れの問題を解
決したものである。
【0014】すなわち、本発明では、鋳塊に衝突する二
次冷媒流体量に分布を持たせず、またその衝突位置を水
平にすることで、収縮が大きく鋳型離れが大きい鋳塊位
置でも二次冷媒流体が衝突するまでの距離、時間を同じ
にし、鋳塊全般にわたり周方向で凝固殻厚さが均一にな
るように鋳造するものである。そして、その具体的な方
法は、強制冷却鋳型の下部から引き出されてくる鋳塊表
面に冷媒流体を直接当て二次冷却することにより矩形断
面のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する縦型連続鋳造方法
において、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝突流
量が均一になるように二次冷媒流体を噴出すると共に、
その衝突位置が鋳塊表面上で水平となるように衝突させ
るものである。また、具体的な手段は、下端部に二次冷
媒流体を噴出するスリット状の噴出口を備える矩形断面
アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型において、
鋳型内壁を冷却する冷却室と前記噴出口との間に噴出通
路孔を設けるとともに、この噴出通路孔と鋳型内壁面と
のなす角度、及び/又は、噴出口の先端開口部の形状を
鋳型辺(長辺と短辺)の辺方向の各位置で変化させた構
造とするものである。
【0015】なお、本発明で使用される冷媒流体として
は、普通には冷却水であるが、炭酸水や霧などの気体と
液体の混合(例えばミスト)であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係るアルミニウ
ム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法に適用される鋳造装置の
説明図であって、aは上面図、bは正断面図であって、
1は鋳型、2は冷却手段である。
【0017】鋳型1は、広面部3と短面部4とにより矩
形に形成され、その内部は、上部に貫通孔5を有する仕
切壁6によりヘッダ部7と鋳型部8に仕切られている。
またヘッダ部7には冷却水9を給水するための給水管10
が接続され、また鋳型部8の下部には冷却水9を噴出す
るスリット状の噴出口11が設けられている。
【0018】冷却手段2は、鋳造される矩形鋳塊Sの長
辺及び短辺の外側に間隔を開けて設置された角管12より
構成され、内壁13には噴出口14が、外側壁15には給水管
16が設けられている。この冷却手段2の冷却水17と上記
鋳型1の冷却水9の給水量の調節は図示省略した給水管
10及び給水管16に取付けられたバルブ等周知の手段によ
り適宜行われる。なお、図中、符号18は注湯ノズル、19
はフロート、20は底台、21はスクリーンをそれぞれ示
す。
【0019】また鋳型1は、その断面を図2に拡大して
示すように、鋳型部8には鋳型内壁22を冷却する冷却室
23と前記スリット状の噴出口11との間にスリット方向に
沿って多数の噴出通路孔24が形成されいる。なお、スリ
ット状の噴出口11と噴出通路孔24は、設ける際の加工を
容易とするためには、図2に二点鎖線で示すように、鋳
型本体下部25に噴出口11を形成する当板26を着脱可能に
設ける構成とするのがよく、この構成であれば、噴出口
形成用当板26を外した状態で多数の噴出通路孔24を所望
の角度で加工でき、また噴出口11のスリット間隔あるい
は形状も所望のものに容易に加工あるいは調整して形成
することができる。
【0020】上記鋳造装置による鋳造は、予め噴出通路
孔24を所望の角度に、且つ噴出口11のスリット間隔ある
いは形状を所望の形に設ける以外は従来と同様の要領で
行われ、鋳型1及び冷却手段2に冷却水9を通水しなが
らアルミ合金溶湯Mを注湯ノズル18、フロート19を介し
て鋳型1の下部にセットされた底台20上に注湯するとと
もに、底台20を所定の鋳造速度で降下させて行われる。
鋳型1内に注湯されたアルミ合金溶湯Mは、噴出口11か
ら噴出した冷却水9が鋳塊の表面周方向において流量分
布を有することなく均一に且つ水平に衝突して冷却され
るので、鋳塊全般にわたり周方向で凝固殻厚さが均一に
形成され、得られた鋳塊Sの鋳塊割れが低減される。以
下、その効果を実施例により説明する。
【0021】
【実施例】上述した図1に示す装置部分を備える縦型連
続鋳造装置を用い、下記鋳造条件のもとで下記に実施例
として示す鋳型構成条件によりアルミニウム合金の鋳造
を行った。
【0022】〔実施例1〕 鋳型構成条件:鋳型1の広面部3の噴出通路孔24と鋳型
内壁面とのなす角度は、鋳型端から中央方向へ 0mm、 2
50mm、 450mm、 700mm、 750mmの各位置に対してそれぞ
れ15度、30度、15度、40度、40度とし、その間は図3に
示すように直線的に滑らかにつないだ角度に構成した。
また各位置の断面形状は図4に示す通りで、図4aは短
面部4、及び広面部3の鋳型端から中央方向へ 0mm、 4
50mmの位置、図4bは鋳型端から中央方向へ 250mm、 4
50mmの位置、図4cは鋳型端から中央方向へ 700mm、 7
50mmの位置での断面形状を示す。
【0023】上記鋳型1を用い、鋳型1に供給される冷
却水量を 1.0m3/min とし、鋳型1の広面部3と短面部
4のコーナー部付近(コーナーから約30mm程度)を除き
鋳型幅全域にわたり、単位幅当たりの冷却水量を2.5l/
min ・cmで冷却して鋳造した。鋳造中、噴出口11から噴
出した二次冷却水の衝突位置は鋳塊Sの表面上でほぼ水
平になっており、また鋳造されたアルミ鋳塊Sを調査し
た結果、鋳塊割れの発生頻度は 0.1%以下と低いもので
あった。
【0024】〔実施例2〕 鋳型構成条件:図5に示す各位置における断面形状の違
いを除いては上記実施例1の鋳型構成条件と同じとし
た。
【0025】上記鋳型1を用い、鋳型1に供給される冷
却水量を 1.0m3/min とし、鋳型1の広面部3と短面部
4のコーナー部付近(コーナーから約30mm程度)を除き
鋳型幅全域にわたり、単位幅当たりの冷却水量を2.5l/
min ・cmで冷却して鋳造した。その鋳造結果は、上記実
施例1と同じであって、すなわち、鋳造中、噴出口11か
ら噴出した二次冷却水の衝突位置は鋳塊Sの表面上でほ
ぼ水平になっており、また鋳造されたアルミ鋳塊Sを調
査した結果、鋳塊割れの発生頻度は 0.1%以下と低いも
のであった。
【0026】〔実施例3〕 鋳型構成条件:図2に二点鎖線で示した噴出口形成用当
板26を採用した鋳型1であって、噴出通路孔24と鋳型内
壁面とのなす角度は同じ15度とし、鋳型端から中央方向
へ 0mm、 250mm、 450mm、 700mm、 750mmの各位置にお
ける噴出口形成用当板26の先端形状を図6に示す内反り
の曲率を有し、且つ先端長さを変えた断面形状(図6b
は短面部4、及び広面部3の鋳型端から中央方向へ 0m
m、 450mmの位置、図6cは鋳型端から中央方向へ 250m
m、 450mmの位置、図6dは鋳型端から中央方向へ 700m
m、 750mmの位置での断面形状)とした。
【0027】上記鋳型1を用い、鋳型1に供給される冷
却水量を 1.0m3/min とし、鋳型1の広面部3と短面部
4のコーナー部付近(コーナーから約30mm程度)を除き
鋳型幅全域にわたり、単位幅当たりの冷却水量を2.5l/
min ・cmで冷却して鋳造した。その鋳造結果は、上記実
施例1及び2と同じであって、すなわち、鋳造中、噴出
口11から噴出した二次冷却水の衝突位置は鋳塊Sの表面
上でほぼ水平になっており、また鋳造されたアルミ鋳塊
Sを調査した結果、鋳塊割れの発生頻度は 0.1%以下と
低いものであった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法によれば、従来の
鋳型のように冷却水を全周同じ角度で噴出して鋳塊を冷
却した場合に、収縮の大きな 1/4 W(鋳型端から 250
mm〜 450mmの位置)の位置で割れが頻繁に発生し、トー
タルとして鋳塊割れ頻度が約 3%にもなるのに対して、
0.1%以下と低くでき品質の良い矩形断面鋳塊が得られ
る。また、これにより鋳造以降の工程における鋳塊割れ
を原因とするトラブルが少なくなり、全体として生産性
の向上及びコストの低減が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造方法に適用される鋳造装置の説明図であっ
て、aは上面図、bは正断面図である。
【図2】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造用鋳型の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造用鋳型の広面部における噴出通路孔と鋳型
内壁面とのなす角度の、鋳型端から中央方向までの変化
を示す説明図である。
【図4】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造用鋳型の各位置における断面説明図であっ
て、図4aは短面部、及び広面部の鋳型端から中央方向
へ 0mm、 450mmの位置、図4bは鋳型端から中央方向へ
250mm、 450mmの位置、図4cは鋳型端から中央方向へ
700mm、 750mmの位置での断面図である。
【図5】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造用鋳型の別の実施例の各位置における断面
説明図であって、図5aは短面部、及び広面部の鋳型端
から中央方向へ 0mm、 450mmの位置、図5bは鋳型端か
ら中央方向へ 250mm、 450mmの位置、図5cは鋳型端か
ら中央方向へ 700mm、 750mmの位置での断面図である。
【図6】本発明に係る矩形断面アルミニウム合金鋳塊の
縦型連続鋳造用鋳型の別の実施例の各位置における断面
説明図であって、図6aは噴出通路孔と噴出口を含む断
面図、図6bは短面部、及び広面部の鋳型端から中央方
向へ 0mm、 450mmの位置、図6cは鋳型端から中央方向
へ 250mm、 450mmの位置、図6dは鋳型端から中央方向
へ 700mm、 750mmの位置での噴出口部の断面図である。
【符号の説明】
1:鋳型 2:冷却手段
3:広面部 4:短面部 5:貫通孔
6:仕切壁 7:ヘッダ部 8:鋳型部
9, 17:冷却水 10, 16:給水管 11, 14:噴出口 1
2:角管 13:内壁 15:外壁 1
8:注湯ノズル 19:フロート 20:底台 2
1:スクリーン 22:鋳型内壁 23:冷却室 2
4:噴出通路孔 25:鋳型本体下部 26:噴出口形成用当板
M:アルミ合金溶湯 S:鋳塊
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−122653(JP,A) 実開 平2−138045(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/049 B22D 11/055 B22D 11/124

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金溶湯を上下開放式の強
    制冷却鋳型の上部から導入し、鋳型により一次冷却して
    凝固殻を形成せしめるとともに、凝固殻を形成した鋳塊
    を強制冷却鋳型の下部から引き出し、その引き出されて
    くる鋳塊表面に冷媒流体を直接当て二次冷却することに
    より矩形断面のアルミニウム合金鋳塊を鋳造する縦型連
    続鋳造方法において、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流
    体の衝突流量が均一になるように二次冷媒流体を鋳塊の
    断面形状に合せて、異なる方向に噴出させると共に、そ
    の衝突位置が鋳塊表面上で水平となるように衝突させる
    ことを特徴とする矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型
    連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 下端部に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状
    に合せて、異なる方向に噴出させるスリット状の噴出口
    を備える矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造
    用鋳型において、鋳型内壁を冷却する冷却室と前記噴出
    口との間に噴出通路孔を設けるとともに、この噴出通路
    孔と鋳型内壁面とのなす角度を、鋳塊表面に直接当てる
    二次冷媒流体の衝突位置が鋳塊表面上で水平となるよう
    に鋳型辺の各位置で変化させた構造を備えてなることを
    特徴とする矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳
    造用鋳型。
  3. 【請求項3】 下端部に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状
    に合せて、異なる方向に噴出させるスリット状の噴出口
    を備える矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造
    用鋳型において、鋳型内壁を冷却する冷却室と前記噴出
    口との間に噴出通路孔を設けるとともに、前記噴出口の
    先端開口部の形状を、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流
    体の衝突位置が鋳塊表面上で水平となるように鋳型辺の
    各位置で変化させた構造を備えてなることを特徴とする
    矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】 下端部に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状
    に合せて、異なる方向に噴出させるスリット状の噴出口
    を備える矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造
    用鋳型において、前記スリット状の噴出口を鋳型本体下
    面に設けた噴出口形成用当板と鋳型内壁下端部との間で
    形成するとともに、前記噴出口形成用当板の噴出口の出
    口側を内反りの曲率を有するように形成し、この曲率
    を、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝突位置が鋳
    塊表面上で水平となるように鋳型辺の各位置で変化させ
    た構造を備えてなることを特徴とする矩形断面アルミニ
    ウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型。
  5. 【請求項5】 下端部に二次冷媒流体を鋳塊の断面形状
    に合せて、異なる方向に噴出させるスリット状の噴出口
    を備える矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造
    用鋳型において、前記スリット状の噴出口を鋳型本体下
    面に設けた噴出口形成用当板と鋳型内壁下端部との間で
    形成するとともに、前記噴出口形成用当板の噴出口の出
    口側を内反りの曲率を有するように形成し、その出口側
    先端の長さを、鋳塊表面に直接当てる二次冷媒流体の衝
    突位置が鋳塊表面上で水平となるように鋳型辺の各位置
    で変化させた構造を備えてなることを特徴とする矩形断
    面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造用鋳型。
JP34334096A 1996-12-24 1996-12-24 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型 Expired - Fee Related JP3458046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34334096A JP3458046B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34334096A JP3458046B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10180418A JPH10180418A (ja) 1998-07-07
JP3458046B2 true JP3458046B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=18360775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34334096A Expired - Fee Related JP3458046B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3458046B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3765535B2 (ja) * 2002-01-18 2006-04-12 住友軽金属工業株式会社 アルミニウム鋳塊の連続鋳造方法
CN103402671B (zh) 2011-02-25 2016-09-14 东邦钛株式会社 金属熔炼用熔炼炉
CN112605354A (zh) * 2020-11-26 2021-04-06 湖南文昌新材科技股份有限公司 一种连续铸造用三段冷却结晶器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10180418A (ja) 1998-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2292351B1 (en) Gas pressure controlling casting mold
JP3778679B2 (ja) 金属ストリップ鋳造方法及び装置並びにストリップ鋳造装置へ溶融金属を供給する金属供給ノズル
US2515284A (en) Differential cooling in casting metals
US5632323A (en) Casting equipment for casting metal
EP0570751B1 (en) Cooling method and apparatus for continuous casting and its mold
JP3458046B2 (ja) 矩形断面アルミニウム合金鋳塊の縦型連続鋳造方法及びその鋳型
US4572280A (en) Process for cooling a continuously cast ingot during casting
JP3458038B2 (ja) アルミニウム合金スラブの縦型連続鋳造方法
US3931848A (en) Method and apparatus for cooling a strand cast in an oscillating mold during continuous casting of metals, especially steel
JP3018960B2 (ja) 連続鋳造方法およびそのストレート浸漬ノズル
JP3765535B2 (ja) アルミニウム鋳塊の連続鋳造方法
JP3089608B2 (ja) ビームブランクの連続鋳造方法
JP4882406B2 (ja) 連続鋳造機用クーリンググリッド設備及び連続鋳造鋳片の製造方法
US20020174971A1 (en) Process of and apparatus for ingot cooling during direct casting of metals
US2799068A (en) Method of casting metals
JP3277858B2 (ja) ビームブランクの連続鋳造方法
JPS62270254A (ja) 金属薄板の直接製造方法とその製造装置
JPH07178526A (ja) 連続鋳造方法および装置
JP2501371B2 (ja) 水平連続鋳造装置
JPH04238658A (ja) 連続鋳造用浸漬ノズル
JP2003290880A (ja) 非鉄金属の鋳造用鋳型
JPH07290136A (ja) H形鋼の冷却方法および装置
JPH04309438A (ja) 非鉄金属用鋳造装置
SU1611561A1 (ru) Способ непрерывного лить стальных заготовок и устройство дл его осуществлени
KR101110251B1 (ko) 쌍롤식 연속박판주조법에서 안정된 용강 공급 방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080801

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees