JP3457358B2 - ディストリビュータキャップ用樹脂組成物 - Google Patents

ディストリビュータキャップ用樹脂組成物

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JP3457358B2 JP20663193A JP20663193A JP3457358B2 JP 3457358 B2 JP3457358 B2 JP 3457358B2 JP 20663193 A JP20663193 A JP 20663193A JP 20663193 A JP20663193 A JP 20663193A JP 3457358 B2 JP3457358 B2 JP 3457358B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディストリビュータキャ
ップ用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、結晶性プ
ロピレン重合体樹脂にガラス繊維、タルクまたはマイ
カ、シリカ、変性ポリオレフイン樹脂およびハロゲン含
有難燃剤、ならびに難燃助剤を配合してなるディストリ
ビュータキャップ用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディストリビュータキャップ材と
しては、(1)エポキシ系樹脂、(2)ガラス繊維入り
ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、ガラス繊維入
りPBTという。)、(3)タルク入りポリプロピレン
樹脂、(4)タルクおよび難燃剤入りポリプロピレン樹
脂が使用されている。
【0003】(1)のエポキシ系樹脂は最も古くから広
く使用されているが、材料コストと加工生産性の両面で
製品コストが高く、また耐衝撃性に劣り、運搬中に破損
しやすい欠点がある。 (2)ガラス繊維入りPBT、および(3)のタルク入
りポリプロピレン樹脂は、上記の問題を解決した材料で
あるが、ガラス繊維入りPBTは、難燃性が劣り、ま
た、耐トラッキング性が悪いため塩害地でディストリビ
ュータキャップを使用するとその外表面が一部炭化し、
絶縁不良となる問題がある。耐トラッキング性とは、塩
害地で塩水等がディストリビュータキャップ外表面に付
着しやすい環境下において、湿潤汚染されたディストリ
ビュータキャップ外表面が、微小放電により一部炭化
し、導通して絶縁不良となつてしまうため必要とされる
特性である。耐トラッキング性の不良は、樹脂材料の分
子構造に起因し、PBTの様に分子内にベンゼン環を有
する樹脂は、ベンゼン環の炭素結合が強固なため、微小
放電による熱エネルギーでガス化しにくく、グラフアイ
ト構造の遊離炭素が表面に残り導通しやすいため、耐ト
ラッキング性がよくない。一方、ポリプロピレン系樹脂
は、分子内にベンゼン環を有していないため、極めて耐
トラッキング性は良好である。
【0004】従つてポリプロピレン系樹脂は、耐トラッ
キング性の点からディストリビュータキャップ用材料と
しては最適といえる。(3)のタルク入りポリプロピレ
ン樹脂は、高温時の機械的特性(剛性)とウエルド特性
が悪く、さらにガラス繊維入りPBTと共通の問題とし
て難燃性に劣るという問題点がある。すなわち、最近エ
ンジン周りの使用環境が厳しくなり、ディストリビュー
タキャップも、より耐熱性が要求されるようになってき
たが、タルク入りポリプロピレン樹脂は、高温時の機械
的特性(剛性)が悪いため(例えば、18.6kg/c
2繊維応力下での熱変形温度は90〜100℃であ
る)、ハイテンシヨンコードからの荷重を受けるタワー
部が高温時に振動を受けると変形および破損しやすいと
いう問題がある。
【0005】またウエルド特性については、ディストリ
ビュータキャップ成形品において、亀裂が生じたように
見えるウエルド外観不良の問題ばかりでなく、最も重大
な欠点としては、キャップ電極部およびインサート金具
周囲のウエルド部の亀裂生成の問題がある。すなわち、
ディストリビュータキャップが自動車のエンジンルーム
内の高温環境に長時間さらされたり、冬期における急激
な環境温度変化にさらされると、成形後の結晶化進行、
後収縮、冷熱サイクルにより発生する熱歪によりウエル
ド部に亀裂が発生することがある。
【0006】さらに難燃性は、車両の定期点検等の作業
で、配電用のコネクタの装着が不十分であつた場合、運
転時にアーク放電が発生し、ディストリビュータキャッ
プのタワー部は、その放電エネルギーにより炭化が進
み、ディストリビュータキャップの交換等が必要となる
可能性が考えられるため要求される特性である。(4)
のタルクおよび難燃剤入りポリプロピレン樹脂は、ガラ
ス繊維入りPBTおよびタルク入りポリプロピレン樹脂
の難燃性の欠点を改良した材料であるが、難燃剤を入れ
たことにより、機械的特性(引張強度)が低下し、タル
ク入りポリプロピレン樹脂の欠点であったウエルド特性
がさらに低下するという問題点がある。また、高温使用
下で用いた難燃剤がブリードし、製品外観が悪化すると
ともに難燃性も低下するという問題もある。
【0007】そこで、上記の従来技術の問題点を踏ま
え、コスト、加工性、耐衝撃性、機械的特性(引張強
度)、高温時の機械的特性(剛性)、電気的特性および
ウエルド特性ならびに難燃性の特性でバランスのとれた
ディストリビュータキャップ用樹脂として、本発明者ら
は、特開昭63−150342号公報において、結晶性
ポリプロピレン−エチレン共重合体樹脂にガラス繊維、
タルクまたはマイカ、シリカ、変性ポリオレフイン樹脂
およびハロゲン含有難燃剤ならびに難燃助剤を配合して
なる樹脂組成物を開示した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−1503
42号公報に開示された樹脂組成物は、ディストリビュ
ータキャップを射出成形する際、樹脂組成物に用いたハ
ロゲン含有難燃剤(デカブロモジフエニルエーテル、ド
デカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾジクロオクテ
ン(商品名デクロランプラス)およびこれらの混合物)
が金型にブリード(金型表面への粉ふき現象)し、金型
表面に付着したブリード物が、成形品表面に転写し、該
ディストリビュータキャップ外観が悪化する問題点があ
る。また、外観良好な製品を採取するために、生産を中
断し、金型表面に付着した該難燃剤のブリード物を拭き
取る作業を行うため、生産性が極度に低下する問題点も
ある。
【0009】本発明の目的は、特開昭63−15034
2号公報に記載されたディストリビュータキャップ用樹
脂組成物に関する前述の問題点、すなわち、ディストリ
ビュータキャップを加工成形する際、難燃剤が金型にブ
リードすることによる該ディストリビュータキャップ外
観不良の防止と生産性低下を防止し、かつ、コスト、加
工性、耐衝撃性、機械的特性(引張強度)、高温時の機
械的特性(剛性)、電気的特性およびウエルド特性なら
びに難燃性のすべての特性でバランスのとれた結晶性ポ
リオレフイン樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ディスト
リビュータキャップを射出成形する際、難燃剤の金型へ
のブリードを防止するべく種々検討した。その結果、ハ
ロゲン含有難燃剤として、エチレンビステトラブロモフ
タルイミド(商品名セイテツクBT93)、デカブロモ
ジフエニルエタン(商品名セイテツク8010)または
これらの混合物を用いることにより、難燃剤の金型への
ブリードが著しく改善されることを見出し、さらに詳細
に鋭意検討を行った結果、以下の組成物が本目的を達成
することを見出した。
【0011】本願で特許請求する発明は以下のとおりで
ある。 (1)結晶性プロピレン重合体樹脂に、ガラス繊維3〜
15重量%、タルクまたはマイカ5〜20重量%、シリ
カ3〜20重量%、変性ポリオレフイン4〜20重量%
およびハロゲン含有難燃剤10〜30重量%ならびに難
燃助剤3〜15重量%を配合してなる樹脂組成物におい
て、ハロゲン含有難燃剤としてエチレンビステトラブロ
モフタルイミド、デカブロモジフェニルエタンまたはこ
れらの混合物を用いることを特徴とするディストリビュ
ータキャップ用樹脂組成物。
【0012】(2)結晶性プロピレン重合体樹脂が結晶
性プロピレン単独重合体樹脂または結晶性プロピレン−
エチレン共重合体樹脂である(1)のディストリビュー
タキャップ用樹脂組成物。なお、前述の特開昭63−1
50342号公報には、前述の問題点、すなわち、ディ
ストリビュータキャップを射出成形する際、該ハロゲン
含有難燃剤の金型ブリードによる製品外観不良、それに
伴う生産性の低下の問題点、さらにこれを解決するた
め、特定の難燃剤を用いることについては全く開示され
ていない。
【0013】本発明で用いる結晶性プロピレン重合体樹
脂は、メルトフローレート(MFR、温度230℃にお
ける荷重2.16kgをかけた時の10分間の溶融樹脂
の吐出量)1.0〜80g/10分の結晶性プロピレン
単独重合体樹脂またはエチレン含有量2〜35重量%、
メルトフローレート1.0〜80g/10分の結晶性プ
ロピレン−エチレン共重合体樹脂である。特に、結晶性
プロピレン−エチレン共重合体樹脂を用いる場合は、結
晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体が好まし
い。
【0014】本発明で用いるガラス繊維は、その繊維径
や繊維長などに特に制限がなく、通常熱可塑性樹脂用と
して市販されているものを使用すればよい。該ガラス繊
維の配合量は、3〜15重量%、好ましくは5〜10重
量%である。該配合量が3重量%未満では得られる樹脂
組成物を用いて成形したディストリビュータキャップの
高温時の機械的特性(剛性)が悪化するので好ましくな
く、一方、15重量%を超えると得られる樹脂組成物を
用いて成形したディストリビュータキャップの高温時の
機械的特性(剛性)は向上するが、耐アーク性が悪化す
るので好ましくない。
【0015】耐アーク性とは、ディストリビュータ使用
時に電極間に発生するアーク放電にさらされやすいディ
ストリビュータキャップ外表面がその強力な放電エネル
ギーにより局部的に高温にさらされ、ガス化と炭化現象
が除々に進行し、ついには電極間に炭化によるカーボン
トラツク(カーボンの導電路)が形成されて絶縁不良と
なつてしまうため、必要とされる特性であり、先に述べ
た湿潤汚染状態での表面特性である耐トラッキング性と
も密接な関係がある。
【0016】本発明で用いるタルクまたはマイカは、粒
度など特に制限がなく、通常熱可塑性樹脂用として市販
されているものを使用すればよいが、望ましくはそのア
スペクト比の大きいものがよい。また、用いるタルクま
たはマイカは未処理のままで使用してもよいが、マトリ
ツクス樹脂との接着性または分散性を向上させる目的で
各種の有機チタネート系カツプリング剤、シラン系カツ
プリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルな
どで粒子表面を被覆処理したものを使用してもよい。タ
ルクまたはマイカの配合量は5〜20重量%である。該
配合量が5重量%未満では、得られる樹脂組成物を用い
て成形したディストリビュータキャップの高温時の機械
的特性(剛性)に影響を与えるので好ましくなく、ま
た、20重量%を超えると得られる樹脂組成物を用いて
成形したディストリビュータキャップのウエルド特性が
悪化するので好ましくない。
【0017】本発明で用いるシリカは、粒度など特に制
限がなく、通常熱可塑性樹脂用として市販されているも
のを使用すればよい。また、用いるシリカは未処理のま
まで使用してもよいが、マトリツクス樹脂との接着性ま
たは分散性を向上させる目的で上記のタルクまたはマイ
カと同様、各種の有機チタネート系カツプリング剤、シ
ラン系カツプリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸
エステルなどで粒子表面を被覆処理したものを使用して
もよい。また、該シリカの配合量は3〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%である。該配合量が3重量%未
満では、得られた樹脂組成物を用いて成形したディスト
リビュータキャップの高温時の機械的特性(剛性)に影
響がでてくるので好ましくない。また、20重量%を超
えると組成物ペレツト製造時の造粒加工性が悪化するの
で好ましくない。
【0018】本発明で用いる変性ポリオレフイン樹脂
は、例えば、ポリエチレン、プロピレン単独重合体、プ
ロピレン−エチレン共重合体、ポリブテンなどのポリオ
レフイン樹脂を不飽和カルボン酸、またはその無水物
(例えば、無水マレイン酸など)で、有機過酸化物の存
在下に溶融混練処理して得られるものであり、例えば、
変性ポリエチレン、変性プロピレン単独重合体、変性プ
ロピレン−エチレン共重合体、変性ポリブテンなどがあ
げられ、特に変性プロピレン−エチレン共重合体が好ま
しい。該変性ポリオレフイン樹脂の配合量は4〜20重
量%、好ましくは6〜12重量%である。
【0019】本発明で用いるハロゲン含有難燃剤は、融
点が200℃以上で、加工成形時の製品および金型ブリ
ード特性が良好なハロゲン含有難燃剤であり、エチレン
ビステトラブロモフタルイミド(商品名セイテツクBT
93)、デカブロモジフエニルエタン(商品名セイテツ
ク8010)、またはこれらの混合物をあげることがで
きる。特に、耐衝撃性の点からデカブロモジフエニルエ
タンが好ましい。該ハロゲン含有難燃剤の配合量は10
〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。該
配合量が10重量%未満では、得られる樹脂組成物を用
いて成形したディストリビュータキャップの期待する難
燃性が得られないので好ましくなく、また30重量%を
超えると得られる樹脂組成物を用いて成形したディスト
リビュータキャップの機械的特性(引張強度)や組成物
ペレツト製造時の造粒加工性が悪化するので好ましくな
い。
【0020】本発明で用いる難燃助剤としては、三酸化
アンチモンなどのアンチモン化合物、ホウ酸亜鉛および
ホウ砂などのホウ素化合物をあげることができる。該難
燃助剤の配合量は用いるハロゲン含有難燃剤重量に対し
て1/4〜1/2の重量が好ましい。本発明のディスト
リビュータキャップ用樹脂組成物には、上記の各成分の
他に染料、顔料などの着色剤、造核剤、滑剤、酸化防止
剤、熱安定剤、光安定剤、離型剤、架橋助剤およびラジ
カル発生剤ならびに発泡剤などを必要に応じて配合する
ことができる。
【0021】本発明のディストリビュータキャップ用樹
脂組成物の製造は、特に限定されないが、例えば、前述
の結晶性プロピレン重合体樹脂に、特定量のタルクまた
はマイカ、特定量のシリカ、特定量の変性ポリオレフイ
ン樹脂および特定量のハロゲン含有難燃剤ならびに特定
量の難燃助剤をヘンシエルミキサー(商品名)またはス
ーパーミキサーなどの攪拌混合装置に入れて30秒〜3
分間攪拌混合した後、さらに得られた混合物にガラス繊
維を添加して、タンブラーミキサーなどの攪拌混合装置
で5〜20回転攪拌混合する。そして、得られた混合物
をバンバリーミキサー、ロール、押出機などを用いて溶
融混練しペレタイズすることにより、行うことができ
る。溶融混練温度としては180〜280℃、より好ま
しくは200〜250℃である。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例によつて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによつて限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例で実施した各種
試験は次の方法によつた。 1)機械的特性 引張強度(JIS K−7113に準拠)とアイゾツト
衝撃強度(JISK−7110)を測定することによ
り、機械的特性を評価した。 2)高温時の機械的特性(剛性)として、熱変形温度
(18.6kgf/cm2の繊維応力)(JIS K−
7207に準拠)を測定した。 3)電気的特性 耐アーク性(ASTM D−495に準拠)を測定する
ことにより、電気的特性を評価した。 4)耐硝酸性 市販の硝酸(濃度61%、比重1.38)中に射出成形
法により作成した50×50×2mmの試験片を浸漬
し、気泡の発生の有無を観察し、発生しないものを良と
し、発生するものを不良とすることにより耐硝酸性を評
価した。 5)ウエルド特性 ウエルド引張強度(JIS K−7113に準拠)を測
定することにより、ウエルド強度を評価し、さらに、射
出成形法により作成したJIS1号型ウエルド引張ダン
ベル試験片(JIS1号型引張ダンベル試験片の中央に
ウエルドを作ったもの、L=178mm)のウエルド部
を目視により観察し、ウエルド部がよく目立つものを不
良とし、目立ちにくいものを良とすることによりウエル
ド外観を評価した。 6)製品ブリード性 射出成形法により作成した50×50×2 mmの試験
片を100℃のオーブン中で、240時間放置した後、
目視により外観の観察を行い、ブリードしているものを
不良とし、そうでないものを良とした。 7)金型ブリード性 100×50×2mmの試験片金型を用い、射出成形法
により100ショット成形した後、目視により金型表面
の観察を行い、ブリードしているものを不良とし、そう
でないものを良とした。 8)製品外観 100×50×2mmの試験片を射出成形法により10
0ショット成形した後、目視により試験片表面の観察を
行い金型からのブリード物が転写しているものを不良と
し、そうでないものを良とした。 9)難燃性 射出成形法により作成した127×12.7×1.6m
mの試験片を用いて、アメリカUL規格サブジエクト9
4(UL94)の垂直燃焼試験法に準拠して燃焼試験を
行い難燃性を評価した。 実施例1〜84、比較例1〜16 実施例1〜84として、後述の第1表〜第8表に記載の
ように、メルトフローレート10g/10分の結晶性プ
ロピレン単独重合体樹脂またはメルトフローレート10
g/10分の結晶性プロピレン−エチレンブロツク共重
合体樹脂にタルクまたはマイカ、シリカ、変性プロピレ
ン−エチレン共重合体樹脂およびハロゲン含有難燃剤と
してエチレンビステトラブロモフタルイミドまたはデカ
ブロモジフエニルエタンならびに難燃助剤として三酸化
アンチモンの各所定量をヘンシエルミキサー(商品名)
に入れ、1分間攪拌混合した。
【0023】得られた混合物に所定量のガラス繊維を添
加して、タンブラーにて10回転攪拌混合した。得られ
た混合物を口径30mmの二軸押出機を用いて、溶融混
練温度230℃で溶融混練押出しペレタイズした。ま
た、比較例1〜16として、後述の第9表〜第10表に
記載のように、各配合成分の所定量を実施例1〜84に
準拠して、ヘンシエルミキサー(商品名)およびタンブ
ラーにて攪拌混合し、口径30mmの二軸押出機を用い
て溶融混練押出しペレタイズした。
【0024】実施各例および比較各例で得られたペレツ
トを用いて、樹脂温度250℃、金型温度50℃で所定
の形状の試験片を射出成形法により成形し、機械的特性
(引張強度)、高温時の機械的特性(剛性、熱変形温度
で代表)、電気的特性(耐アーク性)、耐硝酸性、ウエ
ルド特性、製品ブリード性、金型ブリード性および製品
外観ならびに難燃性を評価した。その結果をまとめて表
1〜表10に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】
【表10】
【0035】
【発明の効果】表1〜表8から明かなように、本発明の
樹脂組成物を用いた実施例1〜84で得られた成形品
は、機械的特性(引張強度)、高温時の機械的特性(剛
性、熱変形温度で代表)、電気的特性(耐アーク性)、
耐硝酸性、ウエルド特性、製品ブリード性、および金型
ブリード性ならびに製品外観難燃性の特性面で極めてバ
ランスがとれている。
【0036】特に、実施例1〜84と比較例2、3、
6、7、9、10、12、13、15、16から明かな
ように難燃剤デカブロモジフエニルエーテルの欠点であ
る金型ブリードと製品外観の不良は、エチレンビステト
ラブロモフタルイミドまたはデカブロモジフエニルエタ
ンを用いることによつて解消した。実施例1〜84と比
較例2、3、6、9、 12との比較から明かなよう
に、ベースポリマーが結晶性プロピレン単独重合体であ
る場合、難燃剤にデカブロモジフエニルエーテルを使用
すると製品ブリードがおこるが、エチレンビステトラブ
ロモフタルイミドまたはデカブロモジフエニルエタンを
使用することによってこの問題が解消した。
【0037】また、ハロゲン含有難燃剤にエチレンビス
テトラブロモフタルイミドを用いた実施例1〜 42と
デカブロモジフエニルエタンを用いた実施例43〜84
との比較から明かなように難燃剤はデカブロモジフエニ
ルエタンを用いたほうが耐衝撃性が優れていることがわ
かる。ハロゲン含有難燃剤の添加量は10重量%未満の
場合、比較例1、4、5、8、11、14で難燃性が劣
ることがわかる。
【0038】本発明の樹脂組成物を用いることにより、
従来の特開昭63−150342号公報の樹脂組成物で
問題となる、射出成形時の金型ブリードによる製品外観
不良および生産性の低下を防止し、かつ機械的特性、高
温時の機械的特性、電気的特性、耐硝酸性、ウエルド特
性および製品ブリード性ならびに難燃性に優れたディス
トリビュータキャップが得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08L 23/10 C08L 23/10 23:26) 23:26 (72)発明者 加藤 文夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 大本 弘美 千葉県市原市辰巳台東2丁目17番地 (72)発明者 東原 光宏 千葉県市原市五井8890 (72)発明者 荒武 一彦 千葉県市原市辰巳台東2丁目17番地 (56)参考文献 特開 昭63−150342(JP,A) 特開 平5−93109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 C08K 3/34 C08K 3/36 C08K 5/00 C08K 7/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性プロピレン重合体樹脂に、ガラス
    繊維3〜15重量%、タルクまたはマイカ5〜20重量
    %、シリカ3〜20重量%、変性ポリオレフイン樹脂4
    〜20重量%、ハロゲン含有難燃剤10〜30重量%、
    および難燃助剤3〜15重量%を配合してなる樹脂組成
    物において、ハロゲン含有難燃剤としてエチレンビステ
    トラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルエタン
    またはこれらの混合物を用いることを特徴とするディス
    トリビュータキャップ用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 結晶性プロピレン重合体樹脂が結晶性プ
    ロピレン単独重合体樹脂または結晶性プロピレン−エチ
    レン共重合体樹脂である請求項1のディストリビュータ
    キャップ用樹脂組成物。
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