JP3457080B2 - 炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理方法 - Google Patents
炭化水素油中の芳香族化合物の水素化処理方法Info
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Description
化合物の水素化処理方法に関し、特に、特定の触媒を用
い、特定の条件下で、水素化処理を行って、炭化水素油
中の芳香族化合物を低減する方法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】炭化
水素油は、一般に、芳香族化合物を含み、この炭化水素
油を燃料とする場合には、芳香族化合物の一部が不完全
燃焼を起こし、パティキュレートとして大気中に排出さ
れる。したがって、芳香族化合物を含む炭化水素油は、
燃焼した場合の大気汚染を考慮すれば、芳香族の含有量
ができる限り少ないことが望ましい。 【0003】芳香族化合物の含有量の低減は、炭化水素
油を接触水素化することによって達成することができ
る。 【0004】この芳香族化合物の水素化に使用される触
媒は、周期律表の第VI族(以下、「第6族」と記す)
金属と第VIII族(以下、「第8族」と記す)金属を
活性金属として、アルミナ、マグネシア、シリカ等の酸
化物の担体上に担持したものであり、従来は、一般に、
第6族金属としてMoやWが用いられ、第8族金属とし
てCoやNiが用いられている(特開昭61−2542
53)。 【0005】また、この触媒の活性向上のために、担体
として用いる無機酸化物中に、ゼオライトを混入すると
いう技術も報告されている(特開昭56−2008
7)。 【0006】しかし、これらの先行技術は、主に炭化水
素油中の水素化脱硫あるいは水素化分解を目的としたも
のであり、芳香族分の水素化による低減を中心とした技
術ではない。 【0007】ところで、前述のように、環境問題の観点
から、商品軽油中の芳香族分量は、より少ないことが好
ましいにも拘らず、接触分解により生成する分解系軽油
は、芳香族分に富んでいるため、これを軽油基材として
使用する場合には、芳香族分の水素化処理が必要とな
る。 【0008】また、芳香族化合物の中でも、特に、二
環、三環以上の多環芳香族化合物が、燃焼の際にパティ
キュレートとなることが多いことも指摘されており、こ
れら多環芳香族化合物の低減が必要となっている。 【0009】さらに、炭化水素油のディーゼル燃料とし
ての有効性を考えた場合、芳香族化合物が水素化された
だけのナフテン環の炭化水素よりも、パラフィン系炭化
水素の方がセタン価が高く望ましい。 【0010】本発明は、以上のような実情下において、
多環芳香族化合物を高効率で水素化でき、しかもパラフ
ィン系炭化水素を高収率で得ることができる炭化水素油
中の芳香族化合物の水素化処理方法を提供することを目
的とする。 【0011】 【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を重ねた結果、アルミナおよび特
定のゼオライトからなる担体に、ニッケルとタングステ
ンとを含有させた触媒が、特定の反応条件下において、
炭化水素油中に含まれる芳香族化合物の低減に優れた水
素化活性を示し、特に、多環芳香族化合物を高効率で水
素化し低減することができ、しかもパラフィン系炭化水
素を高収率で得ることができることを見出した。 【0012】本発明は、上記の知見に基づくもので、接
触分解油、熱分解軽油、直留軽油、コーカーガスオイ
ル、水素化処理油、脱硫処理軽油のうちの少なくとも一
種を原料炭化水素油とし、アルミナ80〜99重量%
と、SiO2/Al2O3モル比3〜20を有し結晶サ
イズ0.7〜1.0μmまたは0.2〜0.3μmのH
Y型ゼオライト1〜20重量%とを含む担体に、ニッケ
ルを酸化物換算で1〜10重量%、タングステンを酸化
物換算で10〜30重量%含有させた、比表面積220
〜320m 2 /g、細孔容積0.3〜0.7cc/g、
平均細孔径60〜80Åの触媒を用い、圧力(水素分
圧)を30〜150kg/cm2、反応温度を200〜
400℃、液空間速度を0.1〜5.0hr−1とし
て、接触反応を行うことを特徴とする炭化水素油中の芳
香族化合物の水素化処理方法を要旨とする。 【0013】本発明において使用される触媒の担体は、
アルミナとHY型ゼオライトを含むものである。このア
ルミナは、γ−アルミナがより好ましい。 【0014】一方、HY型ゼオライト(以下、ゼオライ
トと記すこともある)は、SiO2/Al2O3モル比
が3〜20、好ましくは3〜10のもので、結晶サイズ
が0.7〜1.0μmまたは0.2〜0.3μmのもの
である。SiO2/Al2O3モル比が3未満である
と、ゼオライトの持つ酸強度が弱くなり、ゼオライトを
含有させる技術的意義が発現せず、SiO2/Al2O
3モル比が20を超えると、酸強度が強すぎ、コークに
よる失活を引き起こす。これらの結晶性ゼオライトは、
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。 【0015】担体中におけるアルミナの含有割合は、8
0〜99重量%、好ましくは85〜98重量%であり、
ゼオライトの含有割合は、1〜20重量%、好ましくは
2〜15重量%である。アルミナが80重量%未満であ
ると、触媒表面が小さくなるなど、担体としての意味が
なくなり、99重量%を越えると、相対的にゼオライト
の含有割合が1重量%未満となって、ゼオライトを含有
させる技術的意義が発現せず、ゼオライトが20重量%
を越えると、活性金属の分散性が悪くなる。 【0016】上記のアルミナおよびゼオライトを含む担
体、または本発明における触媒には、モンモリロナイ
ト、カオリン、ハロイサイト、ベントナイト、アダバル
ガイド、ボーキサイト、カオリナイト、ナクライト、ア
ノーサイトなどの1種以上の粘土鉱物を含ませてもよ
い。 【0017】以上の各成分からなる担体の比表面積は、
特に制限されるものではないが、芳香族化合物を低減す
る触媒とするためには、250m2/g以上が好まし
い。また、担体の細孔容積も、特に制限されるものでは
ないが、0.3〜1.2cc/gが好ましい。さらに、
担体の平均細孔径も、特に制限されるものではないが、
50〜130Åが好ましい。 【0018】以上の担体に含有させるタングステンの原
料としては、種々の化合物が使用でき、具体的には、H
2WO4で表されるタングステン酸、(NH3)10W
12O41・5H2Oで表されるタングステン酸アンモ
ニウム、H3(PW12O40)・30H2Oで表され
るタングストリン酸、H3(SiW12O40)・30
H2Oで表されるタングストケイ酸などの無機縮合酸塩
が挙げられるが、好ましくは、タングステン酸、タング
ステン酸アンモニウム、タングストリン酸である。これ
らの化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。 【0019】上記のタングステンとともに触媒に含有さ
せるニッケルの原料としても、種々の化合物が使用で
き、具体的には、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩、燐酸塩など
が挙げられるが、好ましくは、酢酸塩、炭酸塩、硝酸塩
であり、より好ましくは酢酸塩、炭酸塩である。これら
の化合物は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。 【0020】これらニッケル、タングステンの含有割合
は、酸化物換算で、触媒の重量を基準として、ニッケル
が1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%、タングス
テンが10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%
である。タングステンが10重量%未満であると、芳香
族化合物を効率的に水素化することができなくなり、3
5重量%を超えると、活性金属(すなわち、タングステ
ンおよびニッケル)の分散性が悪くなる。ニッケルが1
重量%未満であると、ニッケルを含有させる技術的意義
が発現せず、したがって、芳香族化合物の水素化が効率
的に進まなくなり、10重量%を超えると、芳香族化合
物の水素化が飽和に達してしまい、不経済となる。 【0021】上記の担体に上記のニッケル、タングステ
ンを含有させる方法、すなわち、本発明で使用する触媒
の調製方法は、幾つかの公知の技術を用いて行うことが
できる。 【0022】その1つの方法としては、上記の担体に、
上記のタングステン化合物と上記のニッケル化合物と
を、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類などの溶
媒に溶解させた溶液を、1段以上の含浸処理によって担
持させる含浸法が挙げられる。なお、この含浸法におい
て、含浸処理回数が複数にわたる場合、各含浸処理間
に、乾燥・焼成を行ってもよい。 【0023】他の方法としては、上記の担体に、上記の
ニッケルとタングステンとを溶解させた溶液を噴霧する
噴霧法、あるいはニッケルとタングステンとを化学的に
蒸着させる化学蒸着法を挙げることができる。 【0024】さらに別の方法としては、成型前の上記の
担体成分に、上記のニッケルとタングステンの一部ある
いは全部を含有させて成型する混練法、共沈法、アルコ
キシド法を挙げることができる。 【0025】以上の種々の製法によって調製される本発
明における触媒の比表面積、細孔容積、平均細孔径は、
芳香族化合物を効率的に除去するためには、比表面積が
220〜320m2/g、細孔容積が0.3〜0.7c
c/g、平均細孔径が60〜80Åとする。 【0026】また、本発明における触媒において、形状
も特に制限されず、通常の触媒形状に用いられる種々の
形状にすることができる。具体的には、炭化水素油が重
質油であれば四葉型が好ましく、軽質油であれば円柱形
にして用いるのが好ましい。なお、大きさも、通常の触
媒の大きさと同様、1/10〜1/22インチ程度で使
用される。 【0027】本発明における触媒は、実際のプロセスに
用いる場合は、公知の触媒あるいは公知の無機質酸化物
担体と混合してもよい。 【0028】上記の触媒を使用する本発明において、原
料油としては、接触分解油、熱分解油、直留軽油、コー
カーガスオイル、水素化処理軽油、脱硫処理軽油が挙げ
られ、これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。 【0029】また、本発明において、上記原料油中の芳
香族化合物の水素化反応条件は、圧力(水素分圧)が3
0〜150kg/cm2、好ましくは40〜120kg
/cm2、温度が200〜400℃、好ましくは250
〜400℃、液空間速度が0.1〜5.0hr−1、好
ましくは0.5〜4.0hr−1である。 【0030】水素分圧が30kg/cm2未満である
と、化学平衡上、水素化反応が進行しにくくなり、15
0kg/cm2より高いと、水素化効率が飽和するばか
りか、耐高圧の設備を備えなければならず、不経済であ
る。温度が200℃未満であると、反応速度が上がら
ず、水素化反応の効率が著しく低下し、400℃より高
いと、触媒寿命の観点から長期運転が難しくなり、結果
的に運転経費が増大してしまう。液空間速度が0.1h
r−1未満であると、必要以上に接触時間が長くなりす
ぎ、水素化処理の効率が低下し、5.0hr−1より大
きいと、原料炭化水素油と触媒との接触時間が短くなり
すぎて、水素化反応が充分に進行しない。 【0031】本発明の方法を商業規模で行う場合には、
上記の触媒を、適当な反応器において、固定床、移動床
または流動床として使用し、該反応器に上記の原料油を
導入し、所定の条件下において行えばよい。最も一般的
には、上記の触媒を固定床として維持し、原料油が該固
定床を下方に通過するようにする。 【0032】また、本発明の方法は、触媒を単独の反応
器に充填して行うこともできるし、連続した幾つかの反
応器に充填して行うこともできる。 【0033】 【実施例】実施例1 担体として、比表面積387m2/g、細孔容積0.6
5cc/g、平均細孔径61Åで、HY型ゼオライト
〔SiO2/Al2O3モル比6、Na2O含有量0.
3重量%以下、比表面積970(Langmuir、m
2/g)および620(BET、m2/g)、結晶サイ
ズ0.7〜1.0μm〕10重量%入りγ−アルミナを
使用し、タングステンを15重量%(酸化物)、ニッケ
ルを5重量%(酸化物)含有する触媒を用いて、表1の
条件で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行っ
た。この結果を、表4に示す。なお、表4における水素
化活性は、100時間通油後の芳香族化合物含有量を測
定し、下記の式に基づいて反応速度定数を求めた後、後
述する比較例2の値を100とした場合の相対活性で表
わした。 【0034】 【数1】k={ln(Af/Ap)}×(LHSV) k:反応速度定数 Af:原料油中の芳香族化合物含有量 Ap:生成油中の芳香族化合物含有量 【0035】 【表1】 【0036】実施例2 担体として、比表面積372m2/g、細孔容積0.6
5cc/g、平均細孔径62Åで、HY型ゼオライト
(実施例1と同じHY型ゼオライト)1重量%入りγ−
アルミナを使用する以外は実施例1と同様の方法で炭化
水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。この結
果を表4に併せて示す。 【0037】実施例3 タングステンの含有量を30重量%とする以外は実施例
1と同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化
反応を行った。この結果を表4に併せて示す。 【0038】実施例4 担体として、比表面積377m2/g、細孔容積0.6
5cc/g、平均細孔径63Åで、HY型ゼオライト
〔SiO2/Al2O3モル比3、Na2O含有量4.
5重量%、比表面積810(Langmuir、m2/
g)および560(BET、m2/g)、結晶サイズ
0.2〜0.3μm〕10重量%入りγ−アルミナを使
用する以外は、実施例1と同様の方法で炭化水素油中の
芳香族化合物の水素化反応を行った。この結果を表4に
併せて示す。 【0039】実施例5 担体として、比表面積385m2/g、細孔容積0.6
5cc/g、平均細孔径62Åで、HY型ゼオライト
〔SiO2/Al2O3モル比20、Na2O含有量
0.2重量%以下、比表面積1010(Langmui
r、m2/g)および660(BET、m2/g)、結
晶サイズ0.2〜0.3μm〕10重量%入りγ−アル
ミナを使用する以外は、実施例1と同様の方法で炭化水
素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。この結果
を表4に併せて示す。 【0040】実施例6 タングステンの含有量を10重量%とする以外は実施例
1と同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化
反応を行った。この結果を表4に併せて示す。 【0041】実施例7 ニッケルの含有量を1重量%とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表4に併せて示す。 【0042】実施例8 ニッケルの含有量を10重量%とする以外は実施例1と
同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応
を行った。この結果を表4に併せて示す。 【0043】比較例1 担体として、比表面積336m2/g、細孔容積0.7
1cc/g、平均細孔径68Åのγ−アルミナを使用す
る以外は、実施例1と同様の方法で炭化水素油中の芳香
族化合物の水素化反応を行った。この結果を表4に併せ
て示す。 【0044】比較例2 担体として、比表面積412m2/g、細孔容積0.6
4cc/g、平均細孔径60Åで、HY型ゼオライト
(実施例1と同じHY型ゼオライト)30重量%入りγ
−アルミナを使用する以外は、実施例1と同様の方法で
炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。こ
の結果を表4に併せて示す。 【0045】比較例3 タングステンに代えてモリブデンを使用する以外は実施
例1と同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素
化反応を行った。この結果を表4に併せて示す。 【0046】比較例4 タングステンに代えてモリブデンを使用し、ニッケルに
代えてコバルトをする以外は実施例1と同様の方法で炭
化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。この
結果を表4に併せて示す。 【0047】比較例5 担体として、比表面積379m2/g、細孔容積0.6
5cc/g、平均細孔径63Åで、HY型ゼオライト
〔SiO2/Al2O3モル比25、Na2O含有量
0.2重量%以下、比表面積860(Langmui
r、m2/g)および580(BET、m2/g)、結
晶サイズ0.7〜1.0μm〕10重量%入りγ−アル
ミナを使用する以外は、実施例1と同様の方法で炭化水
素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。この結果
を表4に併せて示す。 【0048】以上の実施例および比較例で得た触媒の組
成を表2に纏めて示し、これら触媒の性状を表3に纏め
て示す。 【0049】 【表2】 【0050】 【表3】【0051】 【表4】 【0052】実施例9 水素分圧を30kg/cm2とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に示す。 【0053】実施例10 水素分圧を40kg/cm2とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0054】実施例11 水素分圧を120kg/cm2とする以外は実施例1と
同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応
を行った。この結果を表5に併せて示す。 【0055】実施例12 水素分圧を150kg/cm2とする以外は実施例1と
同様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応
を行った。この結果を表5に併せて示す。 【0056】実施例13 反応温度を200℃とする以外は実施例1と同様の方法
で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。
この結果を表5に併せて示す。 【0057】実施例14 反応温度を250℃とする以外は実施例1と同様の方法
で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。
この結果を表5に併せて示す。 【0058】実施例15 反応温度を400℃とする以外は実施例1と同様の方法
で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。
この結果を表5に併せて示す。 【0059】実施例16 液空間速度を0.1hr−1とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0060】実施例17 液空間速度を0.5hr−1とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0061】実施例18 液空間速度を4.0hr−1とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0062】実施例19 液空間速度を5.0hr−1とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0063】比較例6 水素分圧を15kg/cm2とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0064】比較例7 反応温度を150℃とする以外は実施例1と同様の方法
で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を行った。
この結果を表5に併せて示す。 【0065】比較例8 液空間速度を7.0hr−1とする以外は実施例1と同
様の方法で炭化水素油中の芳香族化合物の水素化反応を
行った。この結果を表5に併せて示す。 【0066】 【表5】 【0067】 【発明の効果】本発明によれば、ゼオライト含有担体を
用いた芳香族化合物の水素化活性に特に優れた触媒を使
用するため、従来の触媒を使用する場合に比して、同一
反応条件下での芳香族化合物の水素化率およびパラフィ
ン系炭化水素の収率を著しく高くすることができる。特
に、本発明では、多環芳香族化合物を水素化し、それら
の含有量を低減させる効果が大きい。このように、本発
明によれば、パティキュレートの原因となる多環芳香族
化合物の含有量が特に少ない燃料油を提供することがで
きる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 接触分解油、熱分解軽油、直留軽油、コ
ーカーガスオイル、水素化処理油、脱硫処理軽油のうち
の少なくとも一種を原料炭化水素油とし、アルミナ 80〜99重量%と、SiO2/Al2O3モ
ル比3〜20を有し結晶サイズ0.7〜1.0μmまた
は0.2〜0.3μmのHY型ゼオライト1〜20重量
%とを含む担体に、ニッケルを酸化物換算で1〜10重
量%、タングステンを酸化物換算で10〜30重量%含
有させ、比表面積220〜320m 2 /g、細孔容積
0.3〜0.7cc/g、平均細孔径60〜80Åの触
媒を用い、 圧力を30〜150kg/cm2、反応温度を200〜
400℃、液空間速度を0.1〜5.0hr−1とし
て、 接触反応を行うことを特徴とする炭化水素油中の芳香族
化合物の水素化処理方法。
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