JP3456471B2 - 駆動機構 - Google Patents
駆動機構Info
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Description
用した駆動機構に関する。さらに詳しくは、手振補正機
能を有するレンズ鏡胴において、形状記憶合金とバイア
スバネとの引っ張り合いによって、レンズを駆動する駆
動機構に関する。
ズ等の駆動対象を駆動する駆動機構が従来から知られて
いる。例えば、図1に模式的に示した例では、鏡胴内に
配置された手振補正レンズ10を回動軸20を中心として回
動駆動するために、形状記憶合金(SMA)21およびコイ
ルスプリング22を利用している。カメラ本体に別途設け
た不図示のジャイロ機構等によって、手振れに起因する
カメラの移動方向および移動量が検出される。一方、フ
ォトリフレクタ等を利用した不図示のレンズ位置検出手
段により補正レンズ10の現在位置が検出される。両検出
値を利用したサーボ制御により補正レンズ10を駆動する
ことで、手振補正を行なうことができる。
ム部12が延在しており、ここに設けた開口13に、回動軸
20が通されている。アーム部12の端部近傍には、ワイヤ
状のSMA21およびコイルスプリング22が固定されい
て、これらは、ほぼ一直線状に配置されている。SMA
21は、所定長さに形状記憶されていて、不図示の制御回
路を通した通電により温度を上昇させると、記憶長さに
戻ろうとして縮む。このときに生じる引張力と、コイル
スプリング22の引張力との大小関係を制御することで、
補正レンズ10を回動軸20を中心として回動させることが
できる。
スプリング22による引張力に勝る場合には、補正レンズ
10は、図1中矢印A方向に回動し、コイルスプリング22
による引張力がSMA21による引張力に勝る場合には、
補正レンズ10は、図1中矢印B方向に回動する。両引張
力が等しい場合は、補正レンズ10の回動は停止する。
開口13の内径は、回動を円滑にするために、回動軸20の
直径よりもやや大きく設定されている。各図面において
は、図示を明瞭にするために、両者間の隙間を誇張して
実際より大きく描いている。
13との間に存在する隙間に起因してガタが生じるので、
このガタを吸収するために、実際には図2に示したよう
にSMA21とコイルスプリング22とを互いにハ字状に配
置している。このような配置にすると、SMA21および
コイルスプリング22による両引張力の合力によって、玉
枠11が回動軸20に対して圧接され、これによりガタを吸
収できる。
配置構成を利用してガタを吸収しようとすると、接触点
P1における摩擦抵抗が大きくなるため、サーボ制御精
度に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
解決すべき技術的課題は、形状記憶合金を利用した駆動
装置において、駆動対象の回動軸回りの摩擦抵抗を低減
し、これによりサーボ制御の精度を向上させることであ
る。
記課題を有効に解決するために創案されたものであっ
て、以下の特徴を備えた駆動機構を提供するものであ
る。
中心として駆動する駆動機構であって、「駆動対象を一
方向に引っ張る形状記憶合金」と「駆動対象を反対方向
に引っ張る弾性部材」とで構成されている。形状記憶合
金および弾性部材は、回動軸を中心とする回動軌跡の接
線方向にほぼ一致し、かつ、回動半径方向の位置を互い
にずらして配置されたことを特徴としている。
合金および弾性部材の上記ズレの量に起因して偶力モー
メントが発生し、これにより、駆動対象が回動軸に圧接
される。そして、当該ズレ量を適度に設定することで、
駆動対象と駆動軸との間に生じる摩擦抵抗を低減するこ
とができ、これにより、精度の高いサーボ制御が可能と
なる。
に限定されるものではないが、例えば、手振補正機能を
備えたカメラ鏡胴内における補正レンズを駆動対象とす
ることができる。この場合、当該レンズ駆動機構は、
「玉枠を一方向に引っ張る形状記憶合金」と「玉枠を反
対方向に引っ張る弾性部材」とで構成される。形状記憶
合金および弾性部材は、回動軸に関してレンズと反対側
において、当該回動軸を中心とする回動軌跡の接線方向
にほぼ一致し、かつ、回動半径方向の位置を互いにずら
して配置されることが好ましい。
状記憶合金を採用し、2つの形状記憶合金の引っ張り合
いによって、駆動対象を駆動することとしてもよい。
の凸部とこれを受ける凹部との係合を利用し、または、
エッジ状端部とこれを受けるV溝との係合を利用して、
回動可能に支持されていることが好ましい。かかる構成
を採用することで、回動軸と駆動対象との間に生じる摩
擦抵抗をさらに低減することができる。
参照して以下に詳細に説明する。図3は、本発明による
レンズ駆動機構の一実施形態を説明する概略図であっ
て、図1に対応するものである。
ーム部12に、他端51bが鏡胴内に設けた不図示のベース
に、それぞれ固定されている。同様に、コイルスプリン
グ52は、その一端52bがアーム部12に、他端52bが鏡胴
内に設けたベースに、それぞれ固定されている。SMA
51およびコイルスプリング52は、回動軸20を中心とする
回動軌跡20aの接線方向に沿って配置されているととも
に、回動半径方向(前記接線方向と直交する方向)に互い
の位置をΔLだけずらして配置されている。本発明で
は、このズレ量ΔLを設けているので、SMA51および
コイルスプリング52の両引張力により、図4に示したよ
うに矢印M方向の偶力モーメントが生じる。この偶力モ
ーメントによって、玉枠11に一体形成されたアーム部12
は、回動軸20に対して圧接され、常に接触点P2におい
て接触することとなる。このことを、図5の力学図を参
照して説明する。
ける「SMA51の取付点51a」、「コイルスプリング52
の取付点52a」、および「回動軸20と開口内壁面との接
点P2」に作用する各力の関係を示している。F1はS
MA51により取付点51aに作用する引張力を、F2はコ
イルスプリング52により取付点52aに作用する引張力
を、F3は回動軸20からアーム部12に伝わる反力を、そ
れぞれ示している。各力が釣り合った状態を考えると、
取付点51a回りのモーメントの釣合いから、式:F2×
ΔL=F3×Lが成立する。よって、F3=F2×ΔL
/Lとなる。つまり、Lの値に比べてΔLの値を小さく
する程、F3の値も小さくなり、したがって、回動軸20
と開口13内壁面との間の摩擦抵抗を小さくできる。
ている。この変形例においては、SMA51およびコイル
スプリング52の配置については、図3および図4の例と
同じであるが、回動軸23および開口14の形状に改良を加
えている。すなわち、回動軸23は、その断面を図6に示
したように、外周面の一部にエッジ状端部23aを設けて
いる。これに対応させて、開口14の内周面にも断面V字
状の溝14aを設けている。したがって、玉枠11が回動軸
23を中心として回動するとき、回動軸23と開口14内壁面
とは、滑りをほとんど生じることなく線接触を保つの
で、より一層摩擦抵抗を低減できる。
例を示している。この変形例においても、SMA51およ
びコイルスプリング52の配置は、図3および図4の例と
同じであるが、回動軸24の支持機構に改良を加えてい
る。図7は、回動軸24の長手軸を含む断面を示してお
り、したがって、図6中での紙面上下方向は、図7中に
おいて紙面直角方向に一致する。12'は玉枠から延在す
るアーム部を示しており、当該玉枠12'に、回動軸24が
一体的に設けられている。図7中において右側には補正
レンズが、左側にはSMAおよびコイルスプリングが位
置することとなる。
状の凸部24aとされていて、これら両端部が鏡胴内に設
けたフレーム25に形成した円錐状凹部25aに支持されて
いる。この例では、玉枠が回動軸24を中心として回動す
るとき、回動軸24と支持フレーム25とが点接触を保つの
で、より一層摩擦抵抗を低減できる。
を備えた鏡胴の要部断面図である。補正レンズ10は、そ
の保持枠110を介して、Xレバー(X方向駆動レバー)120
およびYレバー(Y方向駆動レバー)130に連結されてい
る。すなわち、Xレバー120およびYレバー130の各レン
ズ保持軸121、131がレンズ保持枠110の突出部110a、11
0bに設けた孔部に回動可能に挿通されている。そし
て、Xレバー120がその回動軸122回りに回動すると、補
正レンズ10は、Yレバー130のレンズ保持軸131を中心と
して回動する。この回動量は微小であるので、矢印200
で示したようなX軸方向への直線移動とみなすことがで
きる。なお、このような回動がなされると、2つのレン
ズ保持軸121、131間の距離が変動するので、その変動を
吸収するために、突出部110a、110bに設けられる孔部
の少なくとも一方を真円ではなく楕円とする。補正レン
ズ10のY軸方向の駆動(矢印300)は、上記と同様の原理
で、Yレバー130を利用して行なわれる。
122および132を中心として回動させるために、図3〜図
7を参照して上述した如き、SMAとコイルスプリング
とを含む駆動機構125および135が利用されていて、ガタ
の吸収および摩擦抵抗の低減が達成されている。
おける制御ブロック図を示している。制御手順の概要
は、一例として以下に示す通りである。 カメラ本体に別途設けた不図示のX方向およびY方向
の両加速度センサにより、手振れによるカメラの移動方
向と移動量を検出する。 フォトリフレクタ等の位置センサを利用して、Xレバ
ー120およびYレバー130の現在位置Aを検出する。 制御手段は、上記「移動方向と移動量」から、手振れ
補正のために必要となる、所定時間後の補正レンズ位置
Bを予測計算する。 予め記憶した「補正テーブル(各レバーの位置と補正
レンズの位置との対応関係をテーブル化したもの)また
は演算式」を用いて、補正レンズ位置Bに対応する各レ
バーの位置Cを算出する。 レバーの「上記現在位置A」と「算出したレバー位置
C」との差から、SMAに流すべき電流を決定する。す
なわち、この電流による温度上昇よりSMAが変形し
(本発明では、ワイヤ状のSMAが縮み)、Xレバー120
およびYレバー130を上記位置Cに移動させて手振れの
補正を行なう。
レンズ10は、XまたはYの一方向にしか駆動されないこ
ととなるが、実際には、アーム部および駆動機構を2組
設けて、XおよびYの両方向に駆動することが好まし
い。
の補正レンズを駆動対象とした場合を説明しているが、
本発明の駆動機構において、駆動対象が特に限定される
ものではない。SMAを利用して回動軸を中心として駆
動されるものであれば、駆動対象の種類に無関係に本発
明を適用することが可能となる。また、図示の例では、
各駆動手段は、SMAとコイルスプリングとで構成され
ているが、他の実施形態として、コイルスプリングに代
えてSMAを採用することも可能である。すなわち、2
つのSMAを使用して、両者の引っ張り合いを利用し
て、補正レンズを駆動することとしてもよい。
駆動機構を説明する概略図である。
駆動機構を説明する概略図である。
説明する概略図である。
説明する概略図である。
ある。
る。
図である。
機構を備える鏡胴の要部断面図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 駆動対象を回動軸を中心として駆動する
駆動機構であって、 駆動対象を一方向に引っ張る形状記憶合金と、駆動対象
を反対方向に引っ張る弾性部材と、で構成されており、 形状記憶合金および弾性部材は、回動軸を中心とする回
動軌跡の接線方向にほぼ一致し、かつ、回動半径方向の
位置を互いにずらして平行に配置され、これにより発生
するモーメントでガタを吸収することを特徴とする、駆
動機構。 - 【請求項2】 鏡胴内でレンズを保持する玉枠を回動軸
を中心として駆動するレンズ駆動機構であって、 玉枠を一方向に引っ張る形状記憶合金と、玉枠を反対方
向に引っ張る弾性部材と、で構成されており、 形状記憶合金および弾性部材は、回動軸に関してレンズ
と反対側において、当該回動軸を中心とする回動軌跡の
接線方向にほぼ一致し、かつ、回動半径方向の位置を互
いにずらして平行に配置され、これにより発生するモー
メントでガタを吸収することを特徴とする、駆動機構。 - 【請求項3】 上記弾性部材が形状記憶合金で構成され
ていることを特徴とする、請求項1または2記載の駆動
機構。 - 【請求項4】 上記回動軸は、円錐状の凸部とこれを受
ける凹部との係合を利用して、回動可能に支持されてい
ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記
載の駆動機構。 - 【請求項5】 上記回動軸は、エッジ状端部とこれを受
けるV溝との係合を利用して、回動可能に支持されてい
ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記
載の駆動機構。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000212686A JP3456471B2 (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 駆動機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000212686A JP3456471B2 (ja) | 2000-07-13 | 2000-07-13 | 駆動機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002023212A JP2002023212A (ja) | 2002-01-23 |
JP3456471B2 true JP3456471B2 (ja) | 2003-10-14 |
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ID=18708571
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP3456471B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP4981341B2 (ja) * | 2006-02-07 | 2012-07-18 | キヤノン株式会社 | 光学部材駆動装置及び光学機器 |
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