JP3455611B2 - 多孔体の改質処理方法およびその装置 - Google Patents

多孔体の改質処理方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔体表面および内面
を改質処理する方法およびその装置に関し、特に疎水性
材料からなるシート状の多孔体の表面および内面の親水
化処理の方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ
化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスルホンなどの熱可塑性樹脂のフィルムお
よび多孔体を改質する方法として、以下に示すような様
々な方法が開示されている。 (a)例えば、フッ素樹脂は金属ナトリウムを含む液体
アンモニアやナフタリンとテトラヒドロフラン等の処理
液に浸漬したり、あるいは、ポリエチレンやポリプロピ
レン樹脂は重クロム酸カリウムと濃硫酸との混合液に浸
漬する、いわゆる化学的に表面を改質する方法 (b)スパッタエッチングによる改質方法や、数kHz
の周波数電圧を印加して、電極と被処理物との間にプラ
ズマを発生させるプラズマ処理改質方法 (c)界面活性剤を塗布する方法
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
例において、まず、(a)の改質方法では、フッ素樹脂
の場合はフッ素樹脂材料の表面が褐色になり、表面部分
が脆弱になったり、浸漬された部分のみしか改質できな
い問題があった。さらに、反応を制御することも難し
く、しかも危険な薬品を必要としていた。
【0004】また、(b)の方法は、いずれも表面しか
改質できず、このプラズマ処理は電極と被処理物の間で
プラズマを発生させるため、多孔体内面までの処理はで
きなかった。
【0005】さらに、(c)の方法では、界面活性剤が
多孔体に十分付着しないため、界面活性剤が脱落し易
く、親水性の保持は難しいという問題があった。本発明
はこれらの問題点を解決するためになされたもので、多
孔体表面および内面の改質を容易に、しかも均一に行う
ことができる多孔体の改質処理方法およびその装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明方法は、電圧を印加するための電圧印加電
極と接地電極をチャンバ内に配設するとともに、その両
電極間に多孔体を介在させた状態で上記チャンバ内に反
応ガスを導入し、上記電圧印加電極に電圧を印加してプ
ラズマを発生させることにより、上記多孔体を処理する
方法において、上記チャンバ内を大気圧以上とし、上記
電圧印加電極に高周波/高電圧を印加することにより
密度のプラズマを発生させるとともに、この発生したプ
ラズマ内の活性種を排気を行ないながら多孔体の孔内に
吸引して、そのプラズマ内の活性種を上記多孔体の孔内
に導くことによって特徴付けられている。
【0007】また、この方法において、上記電圧印加電
極に、誘電体を固着させるのが好ましい。また、本発明
装置は、チャンバと、そのチャンバ内に反応ガスを導入
するための反応ガス導入手段と、上記チャンバ内に対向
配置された電圧印加電極および接地電極とを備え、この
両電圧間に多孔体を介在させた状態で反応ガスを導入
し、上記電圧印加電極に電圧を印加することにより、当
該多孔体表面に発生したプラズマにより改質処理する装
置において、上記チャンバ内は大気圧以上の雰囲気であ
り、かつ、上記電圧印加電極には高周波/高電圧が印加
されているとともに、気体を透過させるための複数の孔
を有した部材からなり、多孔体の下面部分に接触した状
態で当該多孔体を支持する支持体と、その支持体を介し
て上記チャンバ内の雰囲気をチャンバ外部に排気するた
めの排気手段が設けられていることによって特徴付けら
れている。
【0008】また、この装置においては、シート状の多
孔体を上記両電極間を所定方向に移動させながら繰り出
す繰出し手段と、その繰り出された多孔体を巻き取る巻
取り手段を設けてもよい。さらに、上記電圧印加電極に
誘電体が固着されていることが好ましい。
【0009】
【作用】プラズマ中では中性分子や電子、イオンが衝突
を繰り返しながらエネルギの受渡しを行い、電離、励
起、解離の他に電子の付着や再結合、またこれらが組合
わされた反応が起こっている。
【0010】本発明の多孔体の処理方法においては、大
気圧以上の高圧力下で行うので、ガス分子の密度が高く
なるため、ガス分子の平均自由行程が短くなる。この状
態で高周波の強電界を形成すると、電子やイオンの衝突
により生成したラジカルとともに、これらが微小空間内
で高密度の衝突が繰り返され、プラズマが発生する。ま
た、高周波を用いているので、イオンや電子の振幅が小
さくなり、プラズマ領域を集中することができ、この結
果、このプラズマ中に高密度の活性種を生成することが
できる。
【0011】電圧印加電極に誘電体を固着させることに
より、電圧印加時のアーク放電の発生を防ぐことがで
き、安定したプラズマを維持することができる。また、
このように多孔体表面およびその近傍に発生したプラズ
マ中の活性種は、多孔体の表面のみならず、すべての孔
内に導かれ、多孔体の表面および孔内面に均一に分布す
ることにより、多孔体表面および孔内面が改質される。
【0012】上記の方法を実現するために、本発明装置
は構成されている。まず、チャンバ内を大気圧以上と
し、高周波/高電圧が印加された状態では、プラズマ中
に高密度の活性種が生成される。そこで、排気手段によ
り排気が行われると、多孔体表面およびその近傍の活性
種は多孔体の各孔内に吸引され、各孔を通過した活性種
は支持体の孔を介してチャンバ外部に排気される。この
ような吸引作用によって、活性種は多孔体の表面のみな
らず、各孔内面をも改質することができる。
【0013】また、繰り出し手段および巻取り手段によ
り、シート状の多孔体を連続的に処理することができ
る。また、電圧印加電極に誘電体が固着されている場合
は、電圧印加時のアーク放電が発生することがなく、安
定したプラズマが維持される。
【0014】
【実施例】本発明方法および本発明装置の実施例を、以
下、図面に基づいて説明する。本発明実施例の方法は、
例えば、後述する図1乃至図3に示す装置を用いて行う
ことができる。
【0015】本発明実施例の方法の特徴は、電圧を印加
するための電圧印加電極と接地電極を、その両電極間に
多孔体を介在させた状態で大気圧以上の圧力としたチャ
ンバ内に配設し、さらに反応ガスをそのチャンバ内に導
入し、電圧印加電極に高周波/高電圧を印加して高密度
のプラズマを発生させ、このプラズマ内に発生した活性
種を多孔体の孔内に吸引することにより、多孔体表面お
よび孔の内面の改質処理を行う点にある。
【0016】この吸引は排気機構によって行う。この排
気機構は、多孔体4の下面部分に接触した状態で多孔体
4を支持する気体透過性支持体11と、この気体透過性
支持体11を支承するとともに、この気体透過性支持体
11と空間部分20を形成する接地電極5と、その空間
部分20からチャンバ10外部に引き出された反応ガス
排気口12と、反応ガス排気口12に接続された排気駆
動手段(図示せず)とによって構成されている。
【0017】この気体透過性支持体11は、上記したよ
うに、多孔体4を支持するとともに、反応ガスの吸引口
としての機能をもつ。つまり、この気体透過性支持体は
直径1μmから1000μmの連続気孔を有し、この連
続気孔を介して、多孔体の各孔を通過した活性種が吸引
される。なお、この気体透過性支持体は、空隙率が5%
から98%のものであれば特に限定するものではない
が、連続気孔の直径が大きすぎると、多孔体が吸引によ
り損傷したり、小さすぎると圧損が大きくなり吸引量が
小さくなり、多孔体の内部の孔に活性種を引き込みにく
くなるため、これらを鑑みると、好ましくは5μmから
300μmがよい。また、空隙率も小さくなると吸引量
が小さくなるため、好ましくは30%以上がよい。
【0018】また、この気体透過性支持体11を構成す
る物質としては、例えば、銅、ニッケル、アルミニウ
ム、タングステン、マグネシウム、マンガン等の金属ま
たはこれらの合金やガラス、アルミナ、マイカ、ポリエ
ステル、ポリイミド、テフロン等の誘電体などが使用で
きる。
【0019】高密度のプラズマを発生させるためには、
プラズマ発生部に強電界が必要となる。この強電界を得
る方法としては、電圧印加電極の形状を例えば突起状と
し電界集中を起こす方法や、対向して配置された電圧を
印加する電圧印加電極と接地電極との間隔を狭くして電
界強度を高める方法がある。
【0020】さらに、多孔体の孔内部でプラズマ発生を
促進させる方法としては、多孔体外部に電離電圧の高い
ガスを満たす方法がある。従って、導入する不活性ガス
としては、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリ
プトン、キセノン、窒素等や、これらのガスを混合した
混合気体がある。この中でも、放電の安定性の面からヘ
リウム、アルゴンが好ましい。
【0021】また、多孔体に親水性あるいは親油性を付
加するために、常温で液体または気体の有機化合物を用
いる。まず、親水性を付加する場合には、例えばアルコ
ール類、ケトン類等の有機溶媒や、これらの混合物が用
いられる。このアルコール類としては、エタノール、メ
タノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコ
ール等があり、またケトン類としては、ジメチルケト
ン、アセトン、メチルエチルケトン等がある。
【0022】一方、親油性を付加する場合には、例え
ば、キシレン,ベンゼン,トルエン,スチレン等の芳香
族炭化水素、プロパン,ブタン,ペンタン,ヘキサン等
の脂肪族炭化水素、エチレン,ブテン,ペンテン等の不
飽和脂肪族炭化水素等の炭化水素がある。
【0023】反応ガスの混合比については、選択するガ
ス、または有機化合物によって変わるが、不活性ガスが
60容量%から99.5容量%、常温で気体のガスまた
は常温で気体または液体の有機化合物が気体状態で0.
5容量%から40容量%になるようにするのが好まし
い。
【0024】対向する電極は互いに平行に設置され、両
電極間に被処理体である多孔体を配置する。両電極の間
隙は多孔体の厚みに応じて自在に調節できるようになっ
ており、電圧印加電極と多孔体の間隙は50mm以下と
なるよう調節されている。また、電圧印加電極は、電界
集中を起こすような形状であり、導電性を示す物質であ
れば特に限定されるものではないが、例えば、銅,ニッ
ケル,アルミニウム,タングステン,マグネシウム,マ
ンガン等や、また、これらの金属の合金が利用できる。
【0025】さらに、電圧印加電極には誘電体が固着さ
れている。これは、電圧印加時のアーク放電の発生を防
ぎ、安定したプラズマを維持させることが可能となるこ
とによる。この誘電体を構成する物質としては、ガラ
ス,アルミナ,マイカ,ポリエステル,ポリイミド,テ
フロン等が挙げられる。
【0026】また、この方法により処理される多孔体と
しては、直径0.01μmから1mmの孔を有し、空隙
率が5%〜98%であり、厚さ1μmから10mmのシ
ート状の多孔体を使用することが好ましい。また、この
多孔体を構成する物質としては、とくに限定されるもの
ではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポ
リフッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン- ヘキサ
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体,テトラフル
オロエチレン- エチレン共重合体,テトラフルオロエチ
レン- パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,
ポリクロロトリフルオロエチレン等からなるフッ素系高
分子重合体膜や、アルミナ,炭化ケイ素,窒化ケイ素,
ジルコニア等のセラミックスやガラス類、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリイミド等の熱
可塑性樹脂などがある。
【0027】次に、本発明装置の実施例を模式的に示す
図1乃至図3を参照しながら説明する。まず、図1の実
施例装置は、処理チャンバ10と、この処理チャンバ1
0の外部から反応ガス等を導入するための反応ガス導入
口1がこの処理チャンバ10の内部に引き込まれた状態
で備えられ、また、処理チャンバ10内のガスを排気す
るためのガス排気口7が処理チャンバ10の壁面を介し
て排気駆動手段(図示せず)に接続されている。
【0028】また、処理チャンバ10内には、高周波電
源8に電極接続用ジョイント9を介して接続された円筒
型の電圧印加電極2が設けられ、この電圧印加電極2に
は電圧の印加時にアーク放電の発生を防ぐための誘電体
3が接続されている。また、多孔体4の下面部分に接触
した状態でこの多孔体4を支持する気体透過性支持体1
1は、気体を透過させるための複数の孔を有した部材か
らなる。また、この気体透過性支持体11の外周周縁部
分を支承し、この気体透過性支持体11と内部に空間部
分20を有する接地電極5が接地されている。また、こ
の空間部分20から反応ガスを排気するための反応ガス
排気口12が備えられ、この反応ガス排気口12は、排
気駆動手段(図示せず)に接続されている。
【0029】さらに、接地電極5は昇降台6に載置され
ており、この昇降台6を上下に駆動することにより、多
孔体4の厚さに応じた、多孔体4の上面と誘電体3の下
面との間の距離が設定できる。
【0030】この実施例装置によって処理を行う場合、
多孔体4と誘電体3との距離は、1mm以下とするが、
接した状態とすることが好ましい。この状態で、反応ガ
ス導入口1よりチャンバ10内に、不活性ガスと、酸
素、水素、水、常温で液体または気体の有機化合物の群
から選ばれた少なくとも一つの物質との混合物を含有し
た反応ガスを導入することにより、多孔体4の表面およ
びその近傍に反応ガスを充満させ、電圧印加電極2に高
周波/高電圧を印加することにより、高密度のプラズマ
を発生させ、そのプラズマ中の活性種は、多孔体4の複
数の孔内および気体透過性支持体11の孔を介して、反
応ガス排気口12から外部に排気される。こうした工程
を経ることにより、活性種は多孔体4の表面のみなら
ず、各孔内に進入し、多孔体4の表面及び孔内面が均一
に処理される。
【0031】ここで、この図1に示す装置を使用して行
った親水化処理の具体例を二例あげ、以下に説明する。 <具体例1>反応ガス導入口1よりヘリウム、エタノー
ルおよび水の蒸気からなる反応ガスを導入し、電圧印加
電極2と接地電極5の間に145MHzの高周波電源よ
り電圧を印加し、アルミナで構成された誘電体3と接地
された接地電極5との間隙に、孔径3μm、厚み10μ
mのポリテトラフルオロエチレンの多孔質フィルムを介
在させ、改質処理を行い、親水化したポリテトラフルオ
ロエチレンの多孔質フィルムを得た。この処理におい
て、電圧印加時間および電力のをそれぞれ変化させて処
理を行うことにより、それぞれ得られたポリテトラフル
オロエチレンの多孔質フィルムについて、親水化の評価
を行った結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】また、ここで行った親水化の評価は、直径
2mmの水滴を親水化処理後の多孔質フィルムに滴下
し、その水滴がこの多孔質フィルムにしみこむまでの時
間を測定することによって行ったものである。なお、未
処理の多孔質フィルムについても同様の評価を行った
が、いずれの場合も、水の接触角135度で水滴は滴下
した状態のままで多孔質フィルム内にしみこまなかっ
た。 <具体例2>反応ガス導入口1よりヘリウム、酸素およ
び水素からなる反応ガスを導入し、電圧印加電極2と接
地電極5の間に145MHzの高周波電源より電圧を印
加し、アルミナで構成された誘電体3と接地された接地
電極5との間隙に、孔径0.2μm、厚み50μmのポ
リテトラフルオロエチレンの多孔質フィルムを介在さ
せ、改質処理することにより得られた、親水化したポリ
テトラフルオロエチレンの多孔質フィルムを、具体例1
と同様の親水化の評価を行った結果、水滴がしみこむま
での時間は37秒であった。
【0034】以上、図1に示す装置及びこの装置を用い
て行った具体例について説明したが、この他の装置とし
て、図2に示す装置がある。この装置は、多孔質フィル
ム17を連続処理するために、この多孔質フィルム17
を繰り出す繰出しロール16と処理後の多孔質フィルム
17を巻き取る巻取りロール15が備えられている。ま
た、電圧印加電極2側には誘電体3を介して、複数の誘
電体管13が回転自在に備えられ、各誘電体管13内に
は金属線14が挿入されている。この金属線14は電圧
印加電極2と電気的に接続されている。この誘電体管1
3の直径は金属線14の直径よりも大きく、処理時に
は、誘電体3と多孔質フィルム17とは接した状態で配
設される。また、この装置では気体透過性支持体11
を、断面形状が円形の接地電極として機能させた構造と
なっており、処理時には、高密度の活性種は、多孔体4
およびこの気体透過性支持体11を介して、接地電極内
に形成された空間部分30内に吸引され、反応ガス排気
口から、排気される。また、処理後には、気体透過性支
持体11(接地電極)と誘電体管13は互いに相反する
方向に回転し、多孔質フィルム17は順次搬送される。
一方、金属線14は回転しない。この搬送動作は、巻取
りロール15が駆動機構によって回転し、この回転動作
に追従して繰出しロール16および誘電体管13が回転
することによって行われている。
【0035】このように図2に示す装置によれば、金属
線14が誘電体管13内に挿入され、さらに、この誘電
体管13は誘電体3および多孔質フィルム17とそれぞ
れ接した状態とし、高周波/高電圧が印加されると、電
界集中した強電界の場が形成される。また、こうした誘
電体管13が接地電極に対向して複数設けられているの
で、処理面積が大きくなり、処理速度を高めることがで
きる。
【0036】なお、図2に示す装置は、誘電体管13が
複数設置された構造であるが、図3に示すように、一本
のみ設置された構造としてもよい。この装置の場合、図
2に示す装置に比べ、電界集中させた強電界の場を形成
する点では効果は同等であるが、処理速度は低くなる。
しかし、装置のコスト面では図2に示す装置に比べ、低
減できる利点がある。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、チャンバ内を大気圧以上とし、電圧印加電極に高周
波/高電圧を印加することにより、高密度のプラズマを
発生させるとともに、この発生したプラズマ内の活性種
を排気を行ないながら多孔体の孔内に吸引して、そのプ
ラズマ内の活性種を多孔体の孔内に導くようにしたの
で、プラズマ中に高密度の活性種を生成することがで
き、多孔体の孔内に導かれた活性種により、多孔体表面
のみならず孔内面の改質処理を容易に、しかも均一に行
うことができる。また、電圧印加電極に誘電体を固着さ
せた場合には、電圧印加時のアーク放電の発生を防ぐこ
とができ、安定したプラズマを維持することができる。
【0038】また、本発明の多孔体の処理装置において
は、チャンバ内は大気圧以上の雰囲気であり、かつ、電
圧印加電極には高周波/高電圧が印加されているととも
に、多孔体の下面部分に接触した状態で多孔体を支持す
る複数の孔を有した支持体と、チャンバ内の雰囲気を排
気するための排気手段を設けた構成としたので、プラズ
マ中の活性種は多孔体の各孔および支持体の孔を介して
吸引され、多孔体表面のみならず、各孔内面を容易に、
しかも均一に改質することができる。
【0039】また、繰り出し手段および巻取り手段を設
けた構成としたので、シート状の多孔体を連続的に処理
することができる結果、処理能力の増大を図ることがで
きる。
【0040】さらにまた、圧印加電極側に誘電体が固着
された構成としたので、処理工程において電圧印加時の
アーク放電の発生を防ぐことができ、安定したプラズマ
を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の実施例を模式的に示す図
【図2】本発明装置の他の実施例を模式的に示す図
【図3】本発明装置のさらに他の実施例を模式的に示す
【符号の説明】
1・・・・反応ガス導入口 2・・・・電圧印加電極 3・・・・誘電体 4・・・・多孔体 5・・・・接地電極 6・・・・昇降台 8・・・・高周波電源 10・・・・処理チャンバ 11・・・・気体透過性支持体 12・・・・反応ガス排気口 20,30・・・・空間部分 16・・・・繰出しロール 15・・・・巻取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦入 正勝 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−57225(JP,A) 特開 平8−337675(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/36,7/00 B29C 71/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧を印加するための電圧印加電極と接地
    電極をチャンバ内に配設するとともに、その両電極間に
    多孔体を介在させた状態で上記チャンバ内に反応ガスを
    導入し、上記電圧印加電極に電圧を印加してプラズマを
    発生させることにより、上記多孔体を処理する方法にお
    いて、上記チャンバ内を大気圧以上とし、上記電圧印加
    電極に高周波/高電圧を印加することにより高密度の
    ラズマを発生させるとともに、この発生したプラズマ内
    の活性種を排気を行ないながら多孔体の孔内に吸引し
    て、そのプラズマ内の活性種を上記多孔体の孔内に導く
    ことを特徴とする多孔体の改質処理方法。
  2. 【請求項2】上記電圧印加電極に、誘電体を固着させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の多孔体の改質処理方
    法。
  3. 【請求項3】チャンバと、そのチャンバ内に反応ガスを
    導入するための反応ガス導入手段と、上記チャンバ内に
    対向配置された電圧印加電極および接地電極とを備え、
    この両電圧間に多孔体を介在させた状態で反応ガスを導
    入し、上記電圧印加電極に電圧を印加することにより、
    当該多孔体表面に発生したプラズマにより改質処理する
    装置において、上記チャンバ内は大気圧以上の雰囲気で
    あり、かつ、上記電圧印加電極には高周波/高電圧が印
    加されているとともに、気体を透過させるための複数の
    孔を有した部材からなり、多孔体の下面部分に接触した
    状態で当該多孔体を支持する支持体と、その支持体を介
    して上記チャンバ内の雰囲気をチャンバ外部に排気する
    ための排気手段が設けられていることを特徴とする多孔
    体の改質処理装置。
  4. 【請求項4】シート状の多孔体を、上記両電極間を所定
    方向に移動させながら繰り出す繰出し手段と、その繰り
    出された多孔体を巻き取る巻取り手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項3に記載の多孔体の改質処理装
    置。
  5. 【請求項5】上記電圧印加電極に、誘電体が固着されて
    いることを特徴とする請求項3あるいは請求項4に記載
    の多孔体の改質処理装置。
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