JP3455554B2 - ムライトウィスカーの製造方法 - Google Patents

ムライトウィスカーの製造方法

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金吾 長野
秀文 近内
光 大和田
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川鉄鉱業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補強繊維等として用いら
れるムライトウィスカーの製造方法、特に、単離した高
アスペクト比を有するムライトウィスカーを低コストで
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ムライトは、融点が高く、耐熱性、耐熱
衝撃性に優れ、また、耐薬品性にも優れる他、酸化しな
い、強度が大きい、変形しにくいという特徴を持つAl
−SiO 系化合物である。
【0003】ムライトウィスカーは、繊維強化プラスチ
ック(FRP)、繊維強化金属(FRM)及び繊維強化
セラミックス(FRC)の補強繊維として期待され、ム
ライトの特性から特にFRM及びFRCの補強繊維とし
て好適であり、補強効果を高めるために長さが長く、ア
スペクト比が高く、また、繊維同士の絡みのない単離し
たムライトウィスカーが要望されている。
【0004】ムライトウィスカーの製造方法としては、
精製された原料を用いるゾルゲル法、化学的気相法(C
VD法)及び天然無機原料を焼成する方法が知られてい
る。
【0005】これ等の製造方法のうち、高価な精製され
た原料を用いるゾルゲル法及びCVD法ではコスト高に
なる欠点がある。
【0006】一方、安価な天然無機原料を成形・焼成し
た焼結体、いわゆる磁器中には針状のムライト結晶がガ
ラスマトリックス中に交錯した状態で析出することが知
られているが、多くの場合、太く短い低アスペクト比の
もので、カオリン(カオリナイトを主成分とする天然無
機原料)を成形・焼成した後、焼成により生成したガラ
ス相を溶解除去すると、針状ムライトの集合体及び水中
での分散性のよい単結晶の針状ムライト(ムライトウィ
スカー)が得られているが、この方法においても、カオ
リンの化学成分が不適当な場合には、長さが長くしかも
アスペクト比の高いムライトウィスカーが得られず、ま
た、単離したムライトウィスカを得るには収率が低く、
しかもガラス相を溶解するコストが極めて高いものとな
る欠点が有り、長さが長くアスペクト比の高いムライト
ウィスカーを低コストで製造する方法の出現が望まれて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解決し、単離しており、長さが長くアスペクト
比の高いムライトウィスカーを、低コストで製造する方
法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、層状アルミノ珪酸塩を主成分とする原料
を造粒し、該造粒体を焼成してムライトウィスカーを生
成させ、該焼成体中のガラス相を溶解除去して単離した
ムライトウィスカーを得る方法において、前記原料に結
晶成長助剤としてFeCl2、FeCl3 、NaOH、N
aCl、Na2CO3、NaF、KOH、KCl、K2
3およびKFから選ばれた1種以上を混合することを
特徴とするムライトウィスカーの製造方法を提供するも
のである。
【0009】上記方法において、さらに、組成調整剤及
び/又は空孔形成剤を混合することが好ましい。
【0010】
【作用】本発明における原料の主成分である層状アルミ
ノ珪酸塩としては、カオリナイト、ディッカイト、ナク
ライト、ハロイサイト、パイロフィライト、イライト、
セリサイト、マスコバイト、モンモリロナイト、バイデ
ライト等があり、これ等は後記する結晶成長助剤等を層
間に取り込み、機械的な混合では実現し得ない均一混合
が焼成による反応の均一化をうながし、また、少量の助
剤で効果を示すものである。
【0011】上記原料の造粒は、転動、押出成形体の切
断等によって行われ、原料に可塑性がないか少ない場
合、特に造粒が押出成形・切断による場合にはポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、澱粉等が成形助剤と
して使用される。
【0012】造粒により後述の焼成及びガラス相の溶解
除去に供される物体の大きさをそろえることができ、こ
れにより、焼成における反応及びガラス相の溶解除去の
均一化を容易にすることができ、この観点より造粒体の
大きさは小さい方が好ましい。
【0013】造粒体は乾燥したのち焼成される。
【0014】層状アルミノ珪酸塩、例えばカオリナイト
は、100℃付近で吸着水を放出し、450℃から結晶
水を失ってメタカオリン(2Al ・4SiO
)となり、960℃で少量の結晶水が放出され、98
0℃でdefectスピネル(2Al ・3Si
)になり、1100℃〜1200℃でムライト
(3Al ・2SiO )となり、この間に生
成したシリカ(SiO)は融液を形成する。したがっ
て、焼成条件は大気中1100℃〜1700℃に選ば
れ、生産性を考慮すると低温度域が好ましい。
【0015】なお、焼成体中のムライト以外の不純物は
融液を形成し、冷却によりガラス相となるため、後述の
ガラス相溶解除去により得られるムライトは高品位のも
のとなる。
【0016】焼成体中のガラス相を溶解除去して単離し
たムライトウィスカーを得るために用いられる溶液とし
ては、弗酸水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等が用いら
れ、溶液の濃度、使用量、温度並びに溶解時間はガラス
相を溶解除去してムライトウィスカーを単離させ、しか
も単離したウィスカーが過剰の処理により損傷しないよ
うに適切に選定される。
【0017】本発明の一つの特徴として混合される結晶
成長助剤は、FeCl2 、FeCl3 、NaOH、Na
Cl、Na2 CO3 、NaF、KOH、KCl、K2
3、KFの1種以上であり、これ等の作用機構は明ら
かでないが、焼成により生成するSiO2 系融液の粘性
等が変化し、ムライトの長さ方向の成長を促進するもの
と思われる。
【0018】本発明の他の特徴として混合される組成調
整剤は、Al含有物質としてAl(SO 、A
lCl ・6H O、Al(OH) 、アルミナゾ
ル等の1種以上で、これにより混合物のAl量を増加さ
せムライトのAl/Siモル比に近づけることで、ムラ
イトウィスカーの収率を上げることができる。
【0019】本発明のさらに他の特徴として混合される
空孔形成剤としては、焼成により燃焼消失し、焼成体に
空孔を形成し得る物質が選ばれ、エチレングリコール、
グリセリン、ホルムアミド、ヒドラジン、尿素、カーボ
ンブラック、プラスチックパウダー、木粉等の1種以上
が用いられ、形成された空孔によりガラス相を溶解除去
する溶液が焼成体内に容易に侵入し、ガラス相の溶解除
去を均一かつ短時間に行うことができると共に、ガラス
相の溶解除去に要する時間が短いので既に単離したムラ
イトウィスカーの損傷を防ぐことができる。
【0020】本発明により、安価な層状アルミノ珪酸塩
の原料に適応した結晶成長助剤を混合し、さらに好まし
くはこれに、組成調整剤及び/又は空孔形成剤を混合す
ることで、長さが長く、アスペクト比の高いムライトウ
ィスカーを、安価に容易に製造することができる。
【0021】
【実施例】実施例1 表1に示したニュージーランド産のカオリナイトに表2
に示した結晶成長助剤と少量のメチルセルロースとを混
合し、真空土練機を用いて直径2mmの円柱状に押出成
形し、長さ10mmに切断して造粒体を得た。なお、結
晶成長助剤の混合量はカオリナイトの焼成後の重量に対
する重量%である。
【0022】造粒体は乾燥後、1500℃で1hr空気
中で焼成した。
【0023】焼成体は、6Nの水酸化ナトリウムの水溶
液で150℃で3時間水熱処理してガラス相を溶解除去
し、単離したウィスカーを濾過・洗浄・乾燥した。
【0024】ウィスカーはX線回折によりムライトであ
ることが確認され、その形状を電子顕微鏡写真の200
以上の測定点数より統計処理して求め、試験結果を結晶
成長助剤を混合しなかった他は実施例1と同様に処理し
た比較例と共に表2に示した。
【0025】結晶成長助剤を混合することにより、長さ
が長くアスペクト比の高いムライトウィスカーを製造す
ることができた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例2 表1に示したジョージア産のカオリナイト(試験番号
8、9)、新潟県村上産のセリサイト(試験番号10
に、表3に示す結晶成長助剤、組成調整剤、空孔形成剤
及び成形助剤を混合し、真空土練機を用いて押出成形し
た後、切断して造粒体とし、造粒体を乾燥後、1350
℃にて2時間空気中で焼成し、焼成体を6Nの水酸化ナ
トリウムの水溶液を用い160℃にて2時間水熱処理し
てガラス相を溶解除去し、溶解残分を濾過、洗浄後、単
離したムライトウィスカーと塊状物とに沈降分離した。
【0029】単離したウィスカーの形状、塊状物との割
合及び収率を、結晶成長助剤、組成調整剤及び空孔形成
剤を用いなかった他は実施例2と同様にした比較例によ
るものと共に表4に示した。
【0030】本発明により長さが長くアスペクト比の高
いムライトウィスカーを収率よく製造することができ
た。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明により、長さが長くアスペクト比
の高いムライトウィスカーを、収率よく安価に製造する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 成田 祐喜 千葉市中央区新浜町1番地 川鉄鉱業株 式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−261700(JP,A) 特開 平5−58618(JP,A) 特開 昭56−50112(JP,A) 特開 昭58−199713(JP,A) 特開 昭61−146707(JP,A) 特公 昭48−44161(JP,B1) 特公 昭45−27333(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C01B 33/20 - 39/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層状アルミノ珪酸塩を主成分とする原料
    を造粒し、該造粒体を焼成してムライトウィスカーを生
    成させ、該焼成体中のガラス相を溶解除去して単離した
    ムライトウィスカーを得る方法において、前記原料に結
    晶成長助剤としてFeCl2、FeCl3 、NaOH、N
    aCl、Na2CO3、NaF、KOH、KCl、K2
    3およびKFから選ばれた1種以上を混合することを
    特徴とするムライトウィスカーの製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、組成調整剤及び/又は空孔形成
    剤を混合することを特徴とする請求項1記載のムライト
    ウィスカーの製造方法。
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KR970059132A (ko) * 1996-01-26 1997-08-12 성재갑 뮬라이트 휘스커의 제조 방법
ES2158750B1 (es) * 1998-05-29 2002-04-16 Consejo Superior Investigacion Procedimiento para la obtencion de materiales ceramicos porosos compuestos de mullita en forma de fibras cortas monocristalinas.
CN108706602A (zh) * 2018-03-22 2018-10-26 滁州方大矿业发展有限公司 一种钾长石的利用方法

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